JP5055533B2 - 塗料用添加剤及びこれを含有してなる塗料組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の目的は、艶の発揮に影響を及ぼすことなく、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる塗料用添加剤を提供することである。
S1−D(−S2−D)q−S1 (2)
ただし、S1は一般式(4)で表される基、S2は一般式(5)で表される基、Dは炭素数10〜150のポリオキシアルキレン(炭素数4〜144、アルキレンの炭素数3〜4)ジグリシジルエーテルの反応残基、qは0〜5の整数を表す。
Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは2〜50の整数、tは2〜4の整数を表し、S1単位又はS2単位に含まれるOAの総数はそれぞれ10〜100の整数であり、Q、OA、t、nはそれぞれ同じでも異なってもよい。
ポリグリシジルエーテル(a4)が3価以上のポリグリシジルエーテルの場合、(a4)の使用量(モル部)としては、化合物(a12)1モル部に対して、0.25〜0.33が好ましい。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び3級アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
吸着除去としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、化合物(a12)の重量に基づいて、0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量を減少させることができる。
これらの反応触媒は1〜20重量%程度の水溶液として用いることが好ましい。反応温度は40〜80℃程度が好ましい。
反応温度(℃)は、40〜150が好ましく、さらに好ましくは60〜100である。エポキシ開環反応の雰囲気としては、乾燥した不活性気体雰囲気下が好ましい。
一方エポキシ環再生反応は、水を10〜60重量%含有する懸濁状態にて強攪拌下で、反応温度40〜90℃で行うことが好ましい。
粘度調整剤としては、SNシックナー601及び同612(サンノプコ株式会社製)等、消泡剤としてはSNデフォーマー180及び同260(サンノプコ株式会社製)等、湿潤剤としてはSNウエット123及び同980(サンノプコ株式会社製)等、造膜調整剤としてはテキサノール(イーストマンケミカル社製)等が挙げられる。なお、添加剤を含有する場合、これらの含有量としては、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、いずれも0.1〜30重量%が好ましい。
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、非還元性の二又は三糖類(a101){精製グラニュー糖、台糖(株)製蔗糖、以下同じ}342部(1モル部)及びDMF{三菱ガス化学(株)製、以下同じ}1000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(以下、窒素置換と略する。)を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、アルキレンオキシド(a201){BO}720部(10モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/BO10モル付加物(S1)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、非還元性の二又は三糖類(a102){トレハロース、試薬特級、和光純薬工業(株)製}342部(1モル部)及びDMF1000部を投入した後、窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてアルキレンオキシド(a202){PO}580部(10モル部)を3時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた後、同温度にて、アルキレンオキシド(a201){BO}360部(5モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、トレハロース/PO10モル/BO5モル付加物(S2)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、非還元性の二又は三糖類(a101){精製グラニュー糖}342部(1モル部)及びDMF1500部を投入した後、窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてアルキレンオキシド(a202){PO}1740部(30モル部)を5時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/PO30モル付加物(S3)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082(1モル部)及び水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、使用量は水分を除いた純分換算量で表示した。以下同じ。}7.0部を投入した後、120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した(以下、脱水と略する。)。次いで減圧のまま100℃にて、アルキレンオキシド(a202){PO}580部(10モル部)を2時間かけて滴下し、さらに120℃にて2時間攪拌を続け、残存するアルキレンオキシド(a202){PO}を反応させた。次いで90℃にて脱イオン水50部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製}200部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水(以下、キョーワード処理及び脱水と略する。)して、蔗糖/PO40モル付加物(S4)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082(1モル部)及び水酸化カリウム7.5部を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、アルキレンオキシド(a202){PO}1160部(20モル部)を2時間かけて滴下し、さらに120℃にて2時間攪拌を続け、残存するアルキレンオキシド(a202){PO}を反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO50モル付加物(S5)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082(1モル部)及び水酸化カリウム8.0部を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、アルキレンオキシド(a202){PO}1740部(30モル部)を2時間かけて滴下し、さらに120℃にて2時間攪拌を続け、残存するアルキレンオキシド(a202){PO}を反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO60モル付加物(S6)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082(1モル部)及び水酸化カリウム9.0部を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、アルキレンオキシド(a202){PO}2320部(40モル部)を2時間かけて滴下し、さらに120℃にて2時間攪拌を続け、残存するアルキレンオキシド(a202){PO}を反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO70モル付加物(S7)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082(1モル部)及び水酸化カリウム9.5部を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、アルキレンオキシド(a202){PO}2900部(50モル部)を2時間かけて滴下し、さらに120℃にて2時間攪拌を続け、残存するアルキレンオキシド(a202){PO}を反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/PO80モル付加物(S8)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、非還元性の二又は三糖類(a103){メレチトース、試薬特級、和光純薬工業(株)製}504部(1モル部)及びDMF2500部を投入した後、窒素置換を実施した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にて、アルキレンオキシド(a203){EO}220部(5モル部)を1時間かけて滴下し、さらに同温度にて1時間攪拌を続けた後、同温度にて、アルキレンオキシド(a202){PO}4930部(85モル部)を4時間かけて滴下し、さらに同温度にて2時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去し、メレチトース/EO5モル/PO85モル付加物(S9)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、非還元性の二又は三糖類(a101){精製グラニュー糖}342部(1モル部)及びDMF500部を投入した後、窒素置換を実施した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてアルキレンオキシド(a203){EO}440部(10モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けた。次いで120℃にて1.3〜13kPaの減圧下にてDMFを除去した。次いで水酸化カリウム7.5部を投入して脱水し、減圧のまま100℃にて、アルキレンオキシド(a202){PO}5220部(90モル部)を6時間かけて滴下し、さらに120℃にて3時間攪拌を続け、残存するアルキレンオキシド(a202){PO}を反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、蔗糖/EO10モル/PO90モル付加物(S10)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、サンニックスジオールPP−2000{三洋化成工業株式会社(株)製、水/PO35モル付加物、「サンニックス」は同社の登録商標である。}2000部(1.0モル部)及び塩化第二錫{試薬特級、和光純薬工業(株)製}1.0部を仕込んだ。次いでエピクロルヒドリン{鹿島ケミカル(株)製、以下同じ。}203.5部(2.2モル部)を攪拌下、80℃にて3時間で滴下した。さらに同温度にて4時間攪拌してエポキシ基の消失を確認後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液880部を仕込んで60℃にて6時間激しく攪拌した。静置、冷却後上澄み液をデカンテーション法にて除去した。次いで水道水100部を仕込み、激しく攪拌しては静置し、上澄み液を除去する水洗を3回繰り返し(以下、水洗処理と略称する)、澄み液のpHが7になるのを確認した。その後、減圧下60℃にて1時間脱水して、エポキシ当量1,088のPO35モルグリコール/ジグリシジルエーテル(G1)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、サンニックスジオールPP−950{三洋化成工業株式会社(株)製、水/PO16モル付加物}950部(1.0モル部)及び塩化第二錫0.7部を仕込んだ。次いでエピクロルヒドリン203.5部(2.2モル部)を攪拌下、80℃にて3時間で滴下した。さらに同温度にて4時間攪拌してエポキシ基の消失を確認後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液880部を仕込んで60℃にて6時間激しく攪拌した。静置、冷却後上澄み液をデカンテーション法にて除去した。次いで水洗処理して、澄み液のpHが7になるのを確認した。その後、減圧下60℃にて1時間脱水して、エポキシ当量540のPO17モルグリコール/ジグリシジルエーテル(G2)を得た。
製造例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/EO10モル/PO90モル付加物(S10)6002部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、使用量は水分を除いた純分換算量で表示した。以下同じ。}22.0部(0.55モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま80℃にて、エピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}46.3部(0.5モル部)を2時間かけて滴下し、さらに100℃にて4時間攪拌を続け、残存するエピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}を反応させた。次いで90℃にてキョーワード700の200部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製、以下同じ}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、本発明の塗料添加剤{(S10)1.0モル/エピクロルヒドリン0.5モル}(Y101)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、メレチトース/EO5モル/PO85モル付加物(S9)5654部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム28.0部(0.70モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま80℃にて、エピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}62.0部(0.67モル部)を3時間かけて滴下し、さらに100℃にて4時間攪拌を続け、残存するエピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}を反応させた。次いで90℃にてキョーワード700の200部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、本発明の塗料添加剤{(S9)1.0モル/エピクロルヒドリン0.67モル}(Y102)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO80モル付加物(S8)4982部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム28.0部(0.70モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま80℃にて、エピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}62.0部(0.67モル部)を3時間かけて滴下し、さらに100℃にて4時間攪拌を続け、残存するエピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}を反応させた。次いで90℃にてキョーワード700の200部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、本発明の塗料添加剤{(S8)1.0モル/エピクロルヒドリン0.67モル}(Y103)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO40モル付加物(S4)2662部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム32.0部(0.80モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま80℃にて、エピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}69.4部(0.75モル部)を3時間かけて滴下し、さらに100℃にて4時間攪拌を続け、残存するエピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}を反応させた。次いで90℃にてキョーワード700の120部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、本発明の塗料添加剤{(S4)1.0モル/エピクロルヒドリン0.75モル}(Y104)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO30モル付加物(S3)2082部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム34.0部(0.85モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま80℃にて、エピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}74.0部(0.80モル部)を3時間かけて滴下し、さらに100℃にて4時間攪拌を続け、残存するエピハロヒドリン(a301){エピクロルヒドリン}を反応させた。次いで90℃にてキョーワード700の120部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、本発明の塗料添加剤{(S3)1.0モル/エピクロルヒドリン0.80モル}(Y105)を得た。
加熱、攪拌、冷却可能な反応容器に、蔗糖/PO70モル付加物(S7)4402部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム15.0部及びPO35モルグリコール/ジグリシジルエーテル(G1)1415部(0.67モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま110℃にて4時間、130℃にて5時間反応させ、エポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理及び脱水して、本発明の塗料添加剤{(S7)1.0モル/(G1)0.67モル}(Y201)を得た。
加熱、攪拌、冷却可能な反応容器に、蔗糖/PO60モル付加物(S6)3822部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム10.0部及びグリシエールPP−300P{三洋化成工業株式会社(株)製、水/PO7モル付加物のジグリシジルエーテル、エポキシ当量:300、「グリシエール」は同社の登録商標である。}402部(0.67モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま110℃にて4時間、130℃にて5時間反応させ、エポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理及び脱水して、本発明の塗料添加剤{(S7)1.0モル/PP−300P0.67モル}(Y202)を得た。
加熱、攪拌、冷却可能な反応容器に、蔗糖/PO50モル付加物(S5)3242部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム10.0部及びPO16モルグリコール/ジグリシジルエーテル(G2)797部(0.75モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま110℃にて4時間、130℃にて5時間反応させ、エポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理及び脱水して、本発明の塗料添加剤{(S7)1.0モル/(G2)0.75モル}(Y203)を得た。
加熱、攪拌、冷却可能な反応容器に、トレハロース/PO10/BO5モル付加物(S2)1282部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム8.0部及びPO35モルグリコール/ジグリシジルエーテル(G1)1753部(0.83モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま110℃にて4時間、130℃にて5時間反応させ、エポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理及び脱水して、本発明の塗料添加剤{(S2)1.0モル/(G1)0.83モル}(Y204)を得た。
加熱、攪拌、冷却可能な反応容器に、蔗糖/BO10モル付加物(S1)702部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム4.0部及びエピオールNPG−100{日油株式会社(株)製、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、エポキシ当量:110、「エピオール」はエーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社の登録商標である。}186部(0.86モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま110℃にて4時間、130℃にて5時間反応させ、エポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理及び脱水して、本発明の塗料添加剤{(S1)1.0モル/NPG−100、0.6モル}(Y205)を得た。
加熱、攪拌、冷却可能な反応容器に、蔗糖/PO60モル付加物(S6)3822部(1.0モル部)、水酸化ナトリウム12.0部及びエピオールTMP−100{日油株式会社(株)製、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、エポキシ当量:108}100部(0.33モル部)を投入した後、脱水した。次いで減圧のまま110℃にて4時間、130℃にて5時間反応させ、エポキシ基の消失を確認した。次いでキョーワード処理及び脱水して、本発明の塗料添加剤{(S1)1.0モル/TMP−100、0.33モル}(Y206)を得た。
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ジエチレングリコール106部(1モル部)及び水酸化カリウム1.5部を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ140℃まで昇温し、同温度にてEO2200部(50モル部)を8時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いでキョーワード及び脱水して、ポリエチレングリコール(数平均分子量2300)(HS1)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(HS1)をこのまま比較用の塗料用添加剤(H1)とした。
実施例1と同様な反応容器に、ポリエチレングリコール(HS1)2300部(1モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI112部(0.67モル部)を加えて窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(HY1)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(HY1)をこのまま比較用の塗料用添加剤(H2)とした。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/PO50モル付加物(S5)3242部(1.0モル部)を仕込み、1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI111部(0.5モル部)を加え窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(HY2)を得た。そして、このポリオキシアルキレン化合物(HY2)をこのまま比較用の塗料用添加剤(H3)とした。
また、試験用塗装片を24時間脱イオン水に浸漬した後に乾燥させ、水との接触角を測定する促進耐久テスト後でも水との接触角が50度以下を保つ塗膜は、汚れが発生し難いとの報告がある{剣持信博、「建築外壁用塗料の表面性状と汚染性」、塗装工学、28、〔4〕147(1993);中家俊和、「建築用汚れ防止塗料の技術開発」、JETI、42、〔5〕8(1994)}。
よって、汚染低減性及びその持続性の指標(長期汚染低減性)を水との接触角をもって評価し、併せて屋外暴露試験により塗膜の耐汚染性を白色度測定にて評価した。
(1)標準塗料
表4の原料組成にて、グラインディング工程及びレットダウン工程にインペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて塗料とした。得られた塗料はつぶゲージ法(JIS K5600−2−5:1999に準拠)にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認し、この水性エマルション塗料を標準塗料とした。
2:サンノプコ(株)製の増粘剤
3:サンノプコ(株)製の消泡剤
4:石原産業(株)製の二酸化チタン(「タイペーク」は同社の登録商標である。)
5:大日本インキ化学工業(株)製のアクリル系エマルション(「ボンコート」は同社の登録商標である。)
6:サンノプコ(株)製の防腐剤
7:イーストマンケミカル社製の造膜調整剤(「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。)
8:サンノプコ(株)製の増粘剤
標準塗料100部に、実施例又は比較例で得られた塗料用添加剤1.5部を加え、エクセルオートホモジナイザー(インペラー型羽根、日本精器株式会社製、モデルED)を用い、室温(20〜30℃)にて2000rpm、3分間混合して評価用塗料を作成した。
また、塗料添加剤1.5部を、脱イオン水1.5部に変更したこと以外、上記と同様にしてブランク塗料を調製した。
アセトンで脱脂処理したポリエステルフィルム{商品名:ルミラー75−S10、パナック(株)製、厚さ0.1mmを10×8cmにカットして使用した。「ルミラー」は東レ株式会社の登録商標である。}に、ウェット時塗膜厚を200μmとして、評価用塗料又はブランク塗料を塗布した後、25℃、60%相対湿度に調整したコントロールルーム(以下、温調室と略する。)にて10日間乾燥させて、試験用塗装片とした。
1.水との接触角
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、その塗膜の表面に0.02±0.005mLの脱イオン水を滴下し、1分後に水滴の接触角を測定して初期の接触角とした。なお、接触角の測定は協和化学株式会社製コンタクトアングルメーターCAAを用いて温調室にて実施した。
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、それを40℃にて、14日間脱イオン水に浸漬した。ついで、温調室(25℃、60%相対湿度)にて3日間乾燥させた後、上記と同様にして水との接触角を測定し、これを浸漬処理後の接触角とした。
試験用塗装片から5×5cmの大きさの試験片を採り、これを40℃にて、7日間脱イオン水に浸漬した後、水中より引き揚げ、塗膜表面に発生するブリスターの数及び大きさ等を以下の基準により判定し、これを耐水性の評価とした。
○:直径0.1mm程度のブリスターが若干ある。
△:直径0.5mm以上のブリスターが若干ある。
×:直径0.5mm以上のブリスターが多くある。
試験用塗装板(10×30cmのステンレス板に、各評価用塗料をウェット膜厚1.5mmにてスプレー塗装し、乾燥させて作成した。)を、愛知県東海市の地上高18m(6階建屋の屋上)の屋外雨垂れ試験台(ステンレス製、縦80cm、横110cm、5mm間隔にて深さ5mmの集雨溝を持つ屋根(水平面に対して30度の傾斜を持つ)を備える。)に、塗装面を垂直に、かつ塗装面が真北を向くようにして取り付け、屋根の集雨溝からの雨水が塗装面を伝わって流れるようにして、平成19年6月上旬から平成20年5月上旬までの約1ケ年試験した。そして、試験用塗装片の表面に付着したゴミ、汚れ等を湿した木綿ウエスにてかるくこすり落とした後、白色度(L2)を測定した。ついで、この白色度(L2)から、暴露前の試験用塗装片の白色度(L1)を差し引いた値を白色度の差(絶対値:−△L)とした。−△Lは小さいほど耐汚染性が良好であることを示す。白色度の測定試験機は日本電色工業(株)製の、SPECTRO COLOR METERMODEL PF-10を用いた。
試験用塗装片を、光沢度計を用いて入射角60度にて測定した。測定は各3回とし、その平均値を測定値とした。光沢度計は、日本電色工業株式会社製、VGS−300Aを用いた。
Claims (4)
- 一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を含有してなることを特徴とする塗料用添加剤。
S1−D(−S2−D)q−S1 (2)
ただし、S1は一般式(4)で表される基、S2は一般式(5)で表される基、Dは炭素数10〜150のポリオキシアルキレン(炭素数4〜144、アルキレンの炭素数3〜4)ジグリシジルエーテルの反応残基、qは0〜5の整数を表す。
Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは2〜50の整数、tは2〜4の整数を表し、S1単位又はS2単位に含まれるOAの総数はそれぞれ10〜100の整数であり、Q、OA、t、nはそれぞれ同じでも異なってもよい。 - 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の塗料用添加剤。
- 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部及び炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜100モル部の化学反応から得られる化合物(a12)1モル部と、炭素数10〜150のポリオキシアルキレン(炭素数4〜144、アルキレンの炭素数3〜4)ジグリシジルエーテル(a4)0.5〜0.86モル部との化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物(Y2)を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
- 塗料及び請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用添加剤とからなり、この塗料用添加剤を塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる塗料組成物。
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