JP5874062B2 - グリシジルエーテルの製造方法。 - Google Patents

グリシジルエーテルの製造方法。 Download PDF

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本発明はグリシジルエーテルの製造方法に関する。
グリシジルエーテルの製造方法としては、(1)酸触媒の存在下、アルコールにエピハロヒドリンを開環付加させた後、アルカリ水溶液で分子内閉環させる2段法(特許文献1)や、(2)アルコール類とエピハロヒドリンとをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させる1段法(特許文献2、3)が知られている。
特開昭57−31921号公報 特開昭54−141708号公報 特開平5−163260号公報
特許文献1(2段法)に記載の方法では酸性触媒を必須とするため、金属装置の腐食、操作上の安全性という問題等がある他に、塩基と多量の水による分子内閉環の後に精製工程(水洗)を必要とするため、プロセス面、コスト面での問題も存在する。さらに、得られるグリシジルエーテルにハロゲン原子(塩素原子等)が比較的多く残存するため、防錆性の観点から電子、電気、塗料等の分野に用い難いという問題がある。
特許文献2(1段法)に記載の方法では、ハロゲン原子(塩素原子等)の残存はほぼ解消されるが、反応に多量の水(約20重量%、実施例)を用いるるため、精製工程に水洗を必須とし、プロセス面、コスト面での問題は依然として存在する。
特許文献3(1段法)に記載の方法では、水分の影響による副反応のため、グリシジルエーテルの純度が低くなるという傾向の改善のため、反応系中の水分を除く工夫がされているが、このため生成する中和塩(通常、塩化ナトリウム)が微細となり、除去に濾過法を用いることが出来ず、特許文献1、2と同じように水洗による精製工程を必須とするため、この方法に於いてもプロセス面、コスト面での問題がある。
すなわち、本発明の目的は、グリシジルエーテルの製造上避けて通れない脱塩(副生する中和塩の除去)工程を簡便な濾過で処理でき、プロセス面、コスト面で優位な製造方法を提供することである。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。
すなわち本発明のグリシジルエーテルの製造方法の特徴は、アルカリ金属水酸化物(A)の存在下、一般式(1)又は(2)で表されるアルコール(B)とエピハロヒドリン(C)とを反応させてグリシジルエーテルを得る製造方法において、
アルカリ金属水酸化物(A)、アルコール(B)及びエピハロヒドリン(C)の重量に基づいて水の含有量を2〜5重量%に調整して、この反応を開始する反応工程(1)を含む点を要旨とする。
Figure 0005874062
ただし、Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基、OA又はAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは5〜30の整数、tは2〜4の整数、Hは水素原子、Yは炭素数10〜50のジグリシジルエーテルの反応残基を表し、アルコール(B)に含まれるOA及びAOの総数は、残基(Q)1個当たり20〜80個であり、Y、(OA-)n、(-AO)n、Q、tが一分子中に複数個含まれる場合、複数個のそれぞれは同じでも異なっていてもよい。
本発明のグリシジルエーテルの製造方法によると、副成する中和塩の造粒を促し、中和塩粒子を増大化できるため、脱塩を簡便な濾過工程で実施できる。したがって、本発明の製造方法によると、特別な水洗処理装置を要せず、又、水洗処理による膨大な量の排水が生じることもなく、環境にもコスト的にも優位性が得られる。
本発明のグリシジルエーテルの製造方法では、酸触媒を必要としないため、製造設備の腐食等に配慮する必要がない。さらに、本発明の製造方法により得られるグリシジルエーテルにはハロゲン原子(塩素原子等)の含有量が防錆面に影響ないレベルであるため、電子、電気、塗料等の分野に問題なく使用できる。
<アルカリ金属水酸化物(A)>
アルカリ金属水酸化物(A)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等が挙げられる。これらのうち、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、中和塩の造粒(粒子の増大化)の観点からさらに好ましくは水酸化ナトリウムである。
アルカリ金属水酸化物(A)の使用量は、{アルカリ金属水酸化物(A)の塩基当量(eq.)/エピハロヒドリン(C)のハロゲンの当量(eq.)}比が、0.7〜1.1となる量が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.0となる量である。この比率にすると、過剰のアルカリ金属水酸化物(A)の中和工程を省くことができ、また過剰のエピハロヒドリン(C)は減圧下の脱水工程等で除去できる。
<アルコール(B)>
非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、脱塩濾過性(濾過により容易に脱塩しやすい性質を意味する。以下同じ。)の観点等から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくは蔗糖及びトレハロースであり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(OA又はAO)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。これらのうち、得られるジグリシジルエーテルの親水性及び耐水性の観点等から、オキシエチレン、オキシプロピレン及びこれらの混合が好ましく、脱塩濾過性の観点等から、オキシエチレン及びオキシプロピレンの混合がさらに好ましい。
オキシプロピレン及び/又はオキシブチレンと、オキシエチレンとを含む場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、2〜10が好ましく、さらに好ましくは4〜8である。また、この場合、反応残基(Q)から離れた端部にオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、(OA-)n、(-AO)nにオキシエチレン基を含む場合、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合していることが好ましい。また、(OA-)n、(-AO)nに複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、オキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合に制限はない。
nは、5〜30の整数が好ましく、さらに好ましくは5〜28の整数、特に好ましくは8〜25の整数、最も好ましくは10〜25の整数である。この範囲であると、脱塩濾過性がさらに良好となる。
tは、2〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは3又は4、特に好ましくは3である。この範囲であると脱塩濾過性がさらに良好となる。そして、tは、二又は三糖類の1級水酸基の個数に対応しており、たとえば、蔗糖では3、トレハロースでは2、メレチトースでは4である。
アルコール(B)に含まれるOA及びAOの総数は、残基(Q)1個あたり、20〜80個が好ましく、さらに好ましくは20〜70個、特に好ましくは30〜70個、最も好ましくは30〜60個である。この範囲であると、脱塩濾過性がさらに良好となる。
炭素数10〜50のジグリシジルエーテルの反応残基(Y)としては、炭素数10〜50のジグリシジルエーテルが持つ2個のエポキシ基が開環反応した残基が含まれる。
このようなジグリシジルエーテルの反応残基としては、2,11−ジヒドロキシ−4,9−ジオキサドデシレン{−CHCH(OH)CHOCHCHCHCHOCHCH(OH)CH−}、2,6,10−トリヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CH−}、2,10−ジヒドロキシ−4,8−ジオキサ−6,6−ジメチルウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHC(CHCHOCHCH(OH)CH−}、2,13−ジヒドロキシ−4,11−ジオキサテトラデシレン{−CHCH(OH)CHOCHCHCHCHCHCHOCHCH(OH)CH−}、2,10−ジヒドロキシ−4,8−ジオキサ−6−ヒドロキシメチル−6−エチルウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHC(C)(CHOH)CHOCHCH(OH)CH−}、2,10−ジヒドロキシ−4,8−ジオキサ−6,6−ビスヒドロキシメチルウンデシレン{−CHCH(OH)CHOCHC(CHOH)CHOCHCH(OH)CH−}及びポリオキシアルキレン(グリコール/アルキレンオキシド付加物等、炭素数4〜44、アルキレンの炭素数は2〜4)ジグリシジルエーテルの反応残基等が挙げられる。
一般式(1)又は(2)で表されるアルコール(B)は、公知の化学反応を適用して製造できる。
たとえば、アルコール(B)のうち、一般式(1)で表されるアルコール(B1)は、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部と、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)20〜80モル部との化学反応(1)から化合物(a12)を得る方法等により製造できる。
また、一般式(2)で表されるアルコール(B2)は、化合物(a12){アルコール(B1)}2モル部と炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a3)1モル部との化学反応から化合物(a123)を得る方法等により製造できる。
非還元性の二又は三糖類(a1)としては、一般式(1)における反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類と同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
アルキレンオキシド(a2)としては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド等が使用でき、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、得られるジグリシジルエーテルの親水性及び耐水性の観点等から、EO、PO及びEOとPOとの混合が好ましく、さらに好ましくはEOとPOとの混合である。
複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましくい。EOを使用する場合、EOの使用割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、2〜10が好ましく、さらに好ましくは4〜8である。EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、非還元性の二又は三糖類(a1)へのEOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル)は、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル当たり、20〜80が好ましく、さらに好ましくは20〜70、特に好ましくは30〜70、最も好ましくは30〜60である。この範囲であると、脱塩濾過性がさらに良好となる。
非還元性の二又は三糖類(a1)と、アルキレンオキシド(a2)との付加反応には、公知の方法(特開2004−224945号公報等)等が適用でき、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
アルキレンオキシド(a2)の付加反応には公知の反応触媒(特開2004−224945号公報等)等が使用できる。なお、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合には反応触媒を用いる必要がない。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との合計重量に基づいて、0.01〜1が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.8、特に好ましくは0.05〜0.6である。この範囲であると、経済性(製造の所要時間及び触媒コスト等)及び生成物の純度(単分散性等)等がさらに良好となる。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は最終的に反応生成物から除去することが好ましく、除去方法としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{たとえば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)、「キョワード」は同社の登録商標である。}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエン等の溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及び反応触媒を酸(鉱酸、炭酸ガス等)で中和して生じる中和塩(塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩等)を濾過する方法(特公昭52−33000号公報等)等が挙げられる。
反応触媒の残存量は、JIS K1557−4:2007に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値で管理でき、CPR値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
アルキレンオキシド(a2)の付加反応の工程には、反応溶媒を用いることができる。反応溶媒としては、活性水素を持たないものが好ましく、さらに好ましくは非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)及び(a2)との反応により生成する生成物を溶解するものが好ましい。
このような反応溶媒としては、炭素数3〜8のアルキルアミド及び炭素数5〜7の複素環式アミド等が使用できる。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアミド及びN−メチルピロリドンが好ましく、さらに好ましくはDMF、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン、特に好ましくはDMF及びN−メチルピロリドン、最も好ましくはDMFである。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。
反応溶媒を用いた場合、反応後に反応溶媒を除去することが好ましい。反応溶媒の残存量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)及びアルキレンオキシド(a2)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、特開2005−132916号公報に記載の方法などが挙げられる。
炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a3)としては、テトラメチレンジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジメチルプロピレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル及びポリオキシアルキレン(グリコール/アルキレンオキシド付加物等、炭素数4〜44、アルキレンの炭素数は2〜4)ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
反応には公知の反応容器(特開2004−224945号公報等)等が使用できる。反応雰囲気としては、アルキレンオキシド(a2)を反応系に導入する前に反応装置内を真空又は乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気下とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa、以下同じ)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
一般式(2)で表されるアルコール(B2)は、化合物(a12){アルコール(B1)}2モル部と、炭素数10〜50のジグリシジルエーテル(a3)1モル部との化学反応により製造できるが、この反応には既に記載した非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との反応と同じ反応条件、反応触媒等が適用できる。
ジグリシジルエーテル(a3)としては、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジメチルプロパンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル及びポリオキシアルキレン(グリコール/アルキレンオキシド付加物等、炭素数4〜44、アルキレンの炭素数は2〜4)ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
<エピハロヒドリン(C)>
エピハロヒドリン(C)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。これらのうち、エピクロルヒドリンが好ましい。
アルコール(B)及びエピハロヒドリン(C)の使用量は、アルコール(B)/エピハロヒドリン(C)のモル比が0.25〜1となる量が好ましく、さらに好ましくは0.33〜1となる量である。この比率にすると、脱塩濾過工程が簡便に実施できる。
反応工程(1)の開始に先立ち、水の含有量(重量%)を、アルカリ金属水酸化物(A)、アルコール(B)及びエピハロヒドリン(C)の重量に基づいて、2〜5に調整することが好ましく、さらに好ましくは2.5〜4.5、特に好ましくは3〜4に調整することである。この範囲であると、生成した中和塩は、大きく結晶化し、脱塩濾過工程(例えば、濾紙No.2:ADVANTEC社製、保留粒子径:5μm)にて容易に除去できる。
反応工程(1)において、中和塩と共に水が副生するが、反応開始時に水の含有量が上記の範囲であれば、反応途中において、この範囲を上回っても何ら差し支えない。
反応系内に水が存在すると、特許文献3(特開平5−163260号公報)記載の副反応が生じ、エーテル結合によりアルコール(B)に導入された一部のグリシジル基(エポキシ基)が他のアルコール(B)の水酸基と開環反応し、結果として部分的に多量体化しやすくなると考えられるが、もし、多量体化しても、一般式(2)で表されるアルコール(B2)から誘導されるグリジジルエーテルに類似する化合物{反応残基(Y)が相違}が得られるため、大きな問題とはならない。
反応工程(1)の反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応液のpHを測定し7〜8となれば反応終点とする。所要反応時間は通常3〜12時間である。なお、pHは、反応液を直接リトマス試験紙に付着させて色の変化を観察することにより測定できる(20〜30℃)。
反応工程(1)は、塩基による脱ハロゲン化水素反応(Willamson合成法:反応中に逐次生成するハロゲン化水素を塩基により中和することにより反応を駆動する)で適用される反応条件がそのまま適用できる。
反応容器としては、加熱・冷却、撹拌及び滴下(圧入)が可能な反応容器を用いることが好ましい。
反応温度(℃)としては、30〜90程度が好ましく、さらに好ましくは50〜70である。
反応雰囲気としては、エピハロヒドリンを反応系に導入する前に反応装置内を不活性ガス(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。
<脱塩濾過工程>
本発明の製造方法には、反応工程(1)に引き続き、反応工程(1)で副生した中和塩を濾過処理により除去する脱塩濾過工程(2)を含むことが好ましく、さらに好ましくは反応工程(1)に引き続き、得られたグリシジルエーテルの重量に基づいて、水の含有量を0.2(好ましくは0.1、さらに好ましくは0.05)重量%以下にした後、反応工程(1)で副生した中和塩を濾過処理により除去する脱塩濾過工程(2)を含むことである。
濾過は公知の方法が適用でき、通常の自然濾過でも、減圧濾過(吸引濾過)でもよい。濾材や濾過装置も公知のものをそのまま適用できる。
濾過温度(℃)としては、30〜100程度が好ましく、さらに好ましくは50〜90である。
反応工程(1)に引き続き、水の含有量を、得られたグリシジルエーテルの重量に基づいて、0.2重量%以下にする場合、脱水方法に制限はないが、減圧留去(減圧下脱水)する方法が好ましい。減圧留去(減圧下脱水)すると、もし、過剰のエピハロヒドリン(C)が残存していても、水と共に除去できる。
減圧留去する場合、圧力{ゲージ圧(以下同じ)}は、−0.05〜−0.098MPa程度が好ましく、温度は、60〜100℃程度が好ましい。
水の含有量(重量%)は、公知の方法で測定することができ、たとえば、Karl Fischer法(JIS K0113:2005、電量滴定方法)により求めることができる。
反応工程(1)の終了時において、過剰のアルカリ金属水酸化物(A)が残存している場合、これを除去することが好ましい。除去方法としては、アルコール(B)の製造方法で説明した「アルキレンオキシド(a2)の付加反応に用いることができる反応触媒」の除去方法等が適用できる。これらのうち、アルカリ金属水酸化物を酸(鉱酸、炭酸ガス等)で中和して生じる中和塩(塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩等)を濾過する方法が好ましい。濾過する方法を適用すると、反応工程(1)で副生する中和塩と共に濾過することができるため効率がよい。濾過方法に置き換えて、または濾過方法と共に、アルカリ金属水酸化物(A)をアルカリ吸着剤で処理することにより、さらに残存量を低減させてもよい。
なお、アルカリ金属水酸化物を酸で中和する場合、酸としては、鉱酸(塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸等)、有機酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、サリチル酸、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸等)等が使用できる。
アルカリ金属水酸化物(A)の残存量は、JIS K1557−4:2007に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値で管理することができる。CPR値は、20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
本発明の製造方法で得られるグリシジルエーテルは、様々な分野で使用でき、たとえば、各種界面活性剤(消泡剤、レベリング剤、乳化剤、湿潤剤、防曇剤、分散剤等)製造用の反応性改質剤として使用できる。また、電着塗料等の焼付け塗料に添加すると、塗料樹脂と直接結合して湿潤性等の付与、塩素原子等の捕捉効果の発揮等が期待できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、部及び%はそれぞれ重量部、重量%を表す。
<製造例1>
攪拌、加熱、冷却、滴下、窒素ガス等による加圧及び真空ポンプによる減圧の可能な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖(株)製、以下同じ}342部(1モル部)、DMF{三菱ガス化学(株)製、以下同じ}1000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作を3回繰り返した(以下、窒素置換と称す)。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてPO(プロピレンオキシド、以下同じ)1160部(20モル部)を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて減圧下にてDMFを除去し、アルコール(B11)(蔗糖/PO20モル付加物)を得た。
<製造例2>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖342部(1モル部)、DMF1000部を投入した後、窒素置換を実施した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてEO(エチレンオキシド、以下同じ)88部(2モル部)を1時間かけて滴下し、さらにPO1624部(28モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて減圧下にてDMFを除去し、アルコール(B12)(蔗糖/EO2モル/PO28モル付加物)を得た。
<製造例3>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、アルコール(B12)(蔗糖/EO2モル/PO28モル付加物)2054部(1モル部)及び、水酸化カリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、使用量は水分を除いた純分換算量で表示した。以下同じ。}8部を加えて窒素置換を実施し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO1508部(26モル部)を6時間かけて滴下した。次いでBO(ブチレンオキシド、以下同じ)288部(4モル部)を6時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いで90℃にて脱イオン水80部を加えた後、キョーワード700を180部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに1.3〜2.7kPaの減圧下120℃にて1時間脱水(以下、キョーワード処理及び脱水と略する。)して、アルコール(B13)(蔗糖/EO2モル/PO54モル/BO4モル付加物)を得た。
<製造例4>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、アルコール(B12)(蔗糖/EO2モル/PO28モル付加物)2170部(1モル部)及び、水酸化カリウム10部を加えて窒素置換を実施し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、PO2900部(50モル部)を7時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いでキョーワード処理及び脱水して、アルコール(B14)(蔗糖/EO2モル/PO78モル付加物)を得た。
<製造例5>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、メレチトース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}を504部(1モル部)、DMF1500部を投入した後、窒素置換を実施した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてPO2320部(40モル部)を10時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて減圧下にてDMFを除去し、アルコール(B15)(メレチトース/PO40モル付加物)を得た。
<製造例6>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、アルコール(B15)(メレチトース/PO40モル付加物)2824部(1モル部)及び、水酸化カリウム10部を加えて窒素置換を実施し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した。次いで減圧のまま100℃にて、EO220部(5モル部)を3時間かけて滴下し、さらにPO1450部(25モル部)を7時間かけて滴下し、さらに120℃にて4時間攪拌を続けた。次いでキョーワード処理及び脱水して、アルコール(B16)(メレチトース/PO40モル/EO5モル/PO25モル付加物)を得た。
<製造例7>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、トレハロース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}を342部(1モル部)、DMF2000部を投入した後、窒素置換を実施した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてPO2900部(50モル部)を6時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて減圧下にてDMFを除去し、アルコール(B17)(トレハロース/PO50モル付加物)を得た。
<製造例8>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、アルコール(B11)(蔗糖/PO20モル付加物)3004部(2モル部)と、水酸化カリウム4部を加えて窒素置換を実施し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した後、約50℃まで冷却し、ポリオキシプロピレングリコール(7モル)ジグリシジルエーテル{グリシエールPP−300P、三洋化成工業(株)製、エポキシ当量290g/eq、「グリシエール」は同社の登録商標である}580部(1モル部)を投入し、窒素置換した。その後攪拌しつつ120℃にて8時間反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、アルコール(B21){(B11)2モル/(PP−300P)1モル付加体}を得た。
<製造例9>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、アルコール(B15)(メレチトース/PO40モル付加物)5648部(2モル部)と、水酸化カリウム7部を加えて窒素置換を実施し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した後、約50℃まで冷却し、ポリオキシプロピレングリコール(3モル)ジグリシジルエーテル{エピオールP−200、日油(株)製、エポキシ当量155g/eq、「エピオール」は同社の登録商標である}310部(1モル部)を投入し、窒素置換した。その後攪拌しつつ120℃にて8時間反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、アルコール(B22){(B15)2モル/(P−200)1モル付加体}を得た。
<製造例10>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、アルコール(B17)(トレハロース/PO50モル付加物)6484部(2モル部)と、水酸化カリウム8部を加えて窒素置換を実施し、さらに120℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水した後、約50℃まで冷却し、1,6HD−DEP(D){ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、四日市合成(株)製、エポキシ当量116g/eq}232部(1モル部)を投入し、窒素置換した。その後攪拌しつつ120℃にて8時間反応させた。次いでキョーワード処理及び脱水して、アルコール(B23){(B17)2モル/{1,6HD−DEP(D)}1モル付加体}を得た。
<実施例1>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例2で得たアルコール(B12)1502部(1モル部)と、水酸化ナトリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、純度約97重量%、以下同じ。}61.9部(1.5モル部)及び水84部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン{鹿島ケミカル(株)製}167部(1.8モル部)を3時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8{リトマス試験紙(TOYO ROSHI CO.LTD製、製品名:UNIV PH 1−11)による。以下同じ。}となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.03重量%)した後、濾紙による吸引濾過(濾紙No.2:ADVANTEC社製、保留粒子径:5μm、以下同じ)を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}(G−1)を得た。
グリシジルエーテル(G−1)のエポキシ当量(g/eq.)は1250{エポキシ当量はJIS K7236:1995、(エポキシ樹脂のエポキシ当量試験法)に準拠して測定した。以下、同じ}であった。またグリシジルエーテル(G−1)の全塩素含有量は{全塩素含有量はJIS K7243−3:2005、(エポキシ樹脂の塩素含有量の求め方)に準拠して測定した。以下、同じ}0.1重量%であった。
<実施例2>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例3で得たアルコール(B13)3850部(1モル部)と、水酸化ナトリウム82.5部(2モル部)及び水130部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン204部(2.2モル部)を4時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.02重量%)した後、濾紙による吸引濾過を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}(G−2)を得た。
グリシジルエーテル(G−2)のエポキシ当量(g/eq.)は2400であり、全塩素含有量は0.08重量%であった。
<実施例3>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例4で得たアルコール(B14)4954部(1モル部)と、水酸化ナトリウム82.5部(2モル部)及び水110部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン185部(2モル部)を4時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続けたところ、反応系のpHが11となった。さらに同温度で3時間攪拌を続けたところ、pH10を確認した。そこで、乳酸{50重量%水溶液、「ムサシノ乳酸50」、(株)武蔵野化学研究所製}8部を投入して攪拌したところ、反応系のpHが7〜8となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.02重量%)した後、濾紙による吸引濾過を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}を得た。
グリシジルエーテル(G−3)のエポキシ当量(g/eq.)は3440であり、全塩素含有量は0.1重量%であった。
<実施例4>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例6で得たアルコール(S6)4494部(1モル部)と、水酸化ナトリウム61.9部(1.5モル部)及び水145部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン158部(1.7モル部)を4時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.02重量%)した後、濾紙による吸引濾過を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}(G−4)を得た。
グリシジルエーテル(G−4)のエポキシ当量(g/eq.)は3580であり、全塩素含有量は0.12重量%であった。
<実施例5>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例8で得たアルコール(21)3584部(1モル部)と、水酸化ナトリウム82.5部(2モル部)及び水100部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン204部(2.2モル部)を4時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.02重量%)した後、濾紙による吸引濾過を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}(G−5)を得た。
グリシジルエーテル(G−5)のエポキシ当量(g/eq.)は2340であり、全塩素含有量は0.07重量%であった。
<実施例6>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例9で得たアルコール(B22)5958部(1モル部)と、水酸化ナトリウム82.5部(2モル部)及び水200部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン204部(2.2モル部)を4時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.02重量%)した後、濾紙による吸引濾過を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}(G−6)を得た。
グリシジルエーテル(G−6)のエポキシ当量(g/eq.)は3800であり、全塩素含有量は0.11重量%であった。
<実施例7>
製造例1と同様な耐圧反応容器に、製造例10で得たアルコール(B23)6716部(1モル部)と、水酸化ナトリウム82.5部(2モル部)及び水150部を仕込み、50℃にて攪拌しつつ、エピクロルヒドリン204部(2.2モル部)を4時間で滴下した。次いで60℃にて5時間攪拌を続け、反応系のpHが7〜8となったのを確認した。次いで80℃にて0.6〜1.3kPaの減圧下にて脱水(水分:0.03重量%)した後、濾紙による吸引濾過を行い、グリシジルエーテル{均一透明な液体}(G−7)を得た。
グリシジルエーテル(G−7)のエポキシ当量(g/eq.)は4300であり、全塩素含有量は0.14重量%であった。
<比較例1>
水84部を投入しないことを除いて、実施例1と同じ方法を繰り返したが、吸引濾過が濾紙による目詰まりで実施できず、反応物を得ることが出来なかった。
<比較例2>
水100部を投入しないことを除いて、実施例5と同じ方法を繰り返したが、吸引濾過が濾紙による目詰まりで実施できず、反応物を得ることが出来なかった。
本発明のグリシジルエーテルの製造方法は製造の最終工程での精製分離に要する工数が極めて小さく、又産業廃棄物などの発生が殆ど無い。又、全塩素含量も低レベルであり、電子、電気、塗料などの分野用原料として極めて有用である。

Claims (4)

  1. アルカリ金属水酸化物(A)の存在下、一般式(1)又は(2)で表されるアルコール(B)とエピハロヒドリン(C)とを反応させてグリシジルエーテルを得る製造方法において、
    アルカリ金属水酸化物(A)、アルコール(B)及びエピハロヒドリン(C)の重量に基づいて水の含有量を2〜5重量%に調整して、この反応を開始する反応工程(1)を含むことを特徴とする製造方法。
    Figure 0005874062

    ただし、Qは非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基、OA又はAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは5〜30の整数、tは2〜4の整数、Hは水素原子、Yは炭素数10〜50のジグリシジルエーテルの反応残基を表し、
    アルコール(B)に含まれるOA及びAOの総数は、残基(Q)1個当たり20〜80個であり、Y、(OA-)n、(-AO)n、Q、tが一分子中に複数個含まれる場合、複数個のそれぞれは同じでも異なっていてもよい。
  2. 反応工程(1)に引き続き、得られたグリシジルエーテルの重量に基づいて、水の含有量を0.2重量%以下にした後、反応工程(1)で副生した中和塩を濾過処理により除去する脱塩濾過工程(2)を含む請求項1に記載の製造方法。
  3. 非還元性の二又は三糖類のt個の1級水酸基から水素原子を除いた残基(Q)が蔗糖の1級水酸基から水素原子を除いた残基である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. アルカリ金属水酸化物(A)が水酸化ナトリウムであり、エピハロヒドリン(C)がエピクロルヒドリンである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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