JP7061538B2 - ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法 - Google Patents

ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7061538B2
JP7061538B2 JP2018162872A JP2018162872A JP7061538B2 JP 7061538 B2 JP7061538 B2 JP 7061538B2 JP 2018162872 A JP2018162872 A JP 2018162872A JP 2018162872 A JP2018162872 A JP 2018162872A JP 7061538 B2 JP7061538 B2 JP 7061538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic solution
diglycidylamine
based epoxy
epoxy compound
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018162872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020033320A (ja
Inventor
亮嗣 市岡
仁郎 中谷
凌土 林
昌佑 高橋
寛実 西脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Fine Chemicals Co Ltd, Toray Industries Inc filed Critical Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2018162872A priority Critical patent/JP7061538B2/ja
Publication of JP2020033320A publication Critical patent/JP2020033320A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7061538B2 publication Critical patent/JP7061538B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Epoxy Compounds (AREA)

Description

本発明は、工業的に有用なジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む溶液の精製方法に関する。
ジグリシジルアミン系エポキシ化合物は、有機化学分野および高分子化学分野で広く用いられている化合物であり、ファインケミカル、医農薬原料および樹脂原料、さらには電子情報材料や光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。
さらにジグリシジルアミン系エポキシ化合物は、種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性および電気特性に優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板および複合材料などの広い分野に利用されている。
特許文献1では、多官能グリシジルアミン系エポキシ化合物の前駆体として、アミン化合物、エピクロロヒドリン、および酸性化合物を流通反応器に連続的に供給するN,N-ビス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)アミノ酸基を有する化合物の製造方法が開示されている。ここでは工業的に有用な反応方法は開示されているが、反応後の精製方法に関しては、十分な技術が提供されていない。
特許文献1では反応後にトルエンなどの有機溶媒を加え、抽出する精製方法が記載されている。しかしながら、トルエンの標準沸点は111℃であり、エピクロロヒドリンの標準沸点である118℃と近いため、未反応のエピクロロヒドリンと抽出溶媒の分離回収が難しく、エピクロロヒドリンを再利用するのが困難になり、原料コストの増加につながる。
特許文献2では、アミン化合物、大過剰のエピクロロヒドリン、および酸性化合物をフラスコで攪拌しながら反応させジグリシジルアミン系エポキシ化合物を合成した後、水を加え洗浄する実施例が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載された方法で精製した場合、洗浄後の分液性が悪く、静置時間が長くなることに加え、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物中に残存する塩素イオン濃度が高いため、高純度の製品を得ることが難しいといった課題があった。
従って、塩素イオンの除去率が高く、安価な製造コストが期待できる精製方法が求められていた。
国際公開第2016/129561号公報 国際公開第2013/089006号公報
本発明の目的は、塩素イオンの除去率が高く、かつ製造コストの低減できるジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の現状を鑑み、鋭意検討した結果、下記一般式(1)
Figure 0007061538000001
で示されるジグリシジルアミン系エポキシ化合物、エピクロロヒドリン、および塩素イオンを含む有機溶液から、塩素イオンを除去する方法であって、前記有機溶液1重量部に対し水を1.0~3.0重量部含むように、前記有機溶液に水を加えた後、遠心分離で分液操作を行うことを特徴とするジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法を見出した。
本発明のジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法によれば、有機溶液に水を加えて遠心分離で分液操作することで、油層に分散した塩素イオンを含んだ微細な水滴を分離することができ、油層部分に残存する塩素イオンの濃度が下がるため、高純度のジグリシジルアミン系エポキシ化合物を得ることができる。
また、精製前の有機溶液中に含まれる標準沸点が130℃以下の成分のうち、水とエピクロロヒドリンを除外した総量が、有機溶液に対し1000重量ppm以下とすること、、および精製時に水以外の成分を外部から持ち込まないことが好ましく、未反応のエピクロロヒドリンを効率的に回収できるため、製造コストを低減できる。
以下に、下記一般式(1)
Figure 0007061538000002
で示されるジグリシジルアミン系エポキシ化合物を得るための精製方法について詳細を記載する。
本発明は、合成によって得られたジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製に適用することができるほか、無機塩素を含む低純度のジグリシジルアミン系エポキシ化合物をエピクロロヒドリンに溶解し精製する場合にも適用することができる。
ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の合成方法としては、有機溶液が下記一般式(2)
Figure 0007061538000003
で示されるフェノキシアニリンとエピクロロヒドリンを原料として、酸性化合物の存在下で付加反応した後、アルカリを加え環化反応する方法などが有るが、他の合成方法であっても、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む有機溶液に塩素イオンが含まれる場合は、本発明を適用することができる。
上記一般式(2)で示されるフェノキシアニリンとして、2-フェノキシアニリン、3-フェノキシアニリン、4-フェノキシアニリンが挙げられる。
エピクロロヒドリンは、フェノキシアニリンのモル量に対し、好ましくは1~20モル倍、より好ましくは、2~10モル倍であるとよい。
フェノキシアニリンとエピクロロヒドリンを付加反応する際の温度としては40~130℃が好ましく、60~115℃がより好ましい。40℃未満では反応速度が低下する場合があり、130℃を超えると副反応が起きやすく、収率が低下する場合がある。
ここで用いる酸性化合物は、反応促進剤として使用される。酸性化合物としては、ルイス酸または有機酸が挙げられる。ルイス酸の具体例としては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル錯体、三塩化ホウ素、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、三塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化スズ(IV)、塩化鉄(III)、フッ化アンチモン(V)、塩化アンチモン(V)、三塩化りん、五塩化りん、オキシ塩化りん、四塩化チタン、三塩化チタン、バナジルクロライド[VOCl]、塩化ジルコニウム、塩化ハフニウム、テトライソプロポキシチタン、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、三塩化ニオブおよび五塩化ニオブなどが挙げられる。
有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ビバル酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、カブリル酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、クエン酸、乳酸、シュウ酸、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、カブリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグリノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリジン酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサンニシン酸などが挙げられる。
酸性化合物は、フェノキシアニリンのモル量に対し、好ましくは0.001~0.5モル倍、より好ましくは、0.01~0.1モル倍であるとよい。
上述した付加反応により、フェノキシ-N,N-ビス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)アニリンが調整される。得られたフェノキシ-N,N-ビス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)アニリンに、アルカリを加え環化反応することで4-フェノキシ-N,N-ジグリシジルアニリンからなる、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物が得られる。環化反応の温度としては、0~90℃が好ましい。0℃未満では反応速度が低下する場合があり、90℃を超えると副反応が起きやすく、収率が低下する場合がある。
この環化反応で使用することができるアルカリとしては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドなどが例示される。これらアルカリは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
アルカリの使用量は、フェノキシ-N,N-ビス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)アニリンのモル量に対し、1~10モル倍にすることが好ましい。
また、環化反応する際に、反応促進のため、第四級アンモニウム塩および/または第四級ホスホニウム塩を共存させることもできる。第四級アンモニウム塩の具体例として、トリオクチル-メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラn-ブチルアンモニウムの臭化塩、塩化塩、硫酸水素塩、および水酸化物などが挙げられる。
また第四級ホスホニウム塩の具体例として、トリオクチル-メチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、ベンジルトリメチルホスホニウム、ベンジルトリエチルホスホニウム、テトラn-ブチルホスホニウムの臭化塩、塩化塩、硫酸水素塩、および水酸化物などが挙げられる。
本発明のジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法は、前記一般式(1)で示されるジグリシジルアミン系エポキシ化合物、エピクロロヒドリン、および塩素イオンを含む有機溶液から、塩素イオンを除去する方法である。有機溶液は、前記一般式(2)で示されるフェノキシアニリンとエピクロロヒドリンを原料として、酸性化合物の存在下で反応させることにより得られたジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む反応液とすることができる。精製方法は、有機溶液に水を加えた後、遠心分離で、油層と水層とに分液操作することを特徴とする。これにより、水層に塩素イオン、油層に塩素イオンを削減したジグリシジルアミン系エポキシ化合物が分離される。エピクロロヒドリンは、一部が水層に抽出される。油層のエピクロロヒドリンは、蒸留等によりジグリシジルアミン系エポキシ化合物から分離し再利用することができる。
精製方法における遠心分離操作は、連続処理、バッチ処理のいずれでもよいが、連続処理では高い生産能力が期待でき、バッチ処理ではジグリシジルアミン系エポキシ化合物の純度を高くすることができる。
遠心分離による分液操作時に、有機溶液にかける遠心力に制限は無いが、500G以上の遠心力をかけることが好ましく、1500G以上をかけることがさらに好ましい。有機溶液を静置分離する場合に比べると、500Gよりも低い遠心力でも塩素イオンの低減を期待できるが、500G以上の遠心力ではさらに油層中の塩素イオンの低減効果が大きくなる。遠心分離操作における遠心力は以下の計算式(i)で定義することができる。
RCF=r×N÷895 ・・・ (i)
(i)式においてRCFは遠心力(G)、rは回転半径(m)、Nは1分間あたりの回転数(rpm)を示す。
遠心分離操作の処理時間は短時間でも、塩素イオン濃度を低減できるが、処理時間を5分間以上とすると、塩素イオンの低減効果が大きくなり、好ましい。ここで、遠心分離を連続化する場合の処理時間は供給液の体積流量を基準として装置内の平均滞留時間を示す。またバッチ操作する場合の処理時間は、目的とする遠心力に到達してから遠心力を低下し始めるまでの時間を示す。
工業的に適用可能な遠心分離機の種類としては、円筒型遠心沈降機、分離板型遠心沈降機、デカンター型遠心沈降機などが挙げられる。
ジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む有機溶液に加える水の量は、遠心処理後または遠心処理時に分液できる量であれば特に制限は無いが、遠心分離装置に供給する供給液が、有機溶液1重量部に対して0.5~3.0重量部の水分を含むように、有機溶液に水を加えることが好ましい。なお、有機溶液が予め水分を含有してもよく、遠心分離装置への供給液が上述した水分量であるとよい。0.5重量部よりも水分量が少ないと、塩素イオンの除去率が制限される場合がある。また3.0重量部よりも水分量が多いと、水層に溶解するエピクロロヒドリンの量が多くなることに加え、排水の処理量が多くなる。
有機溶液と水の混合形態に特に制限は無いが、遠心分離前に有機相と水層の分散状態を良好にすることで、水層への塩素イオンの抽出効率を上げることができる。混合の方法としては、攪拌による混合、ラインミキサー、超音波を用いた混合分散などがあり、これらの2つ以上の方法を組み合わせることもできる。
有機溶液と水の混合時、分液操作時の温度に特に制限は無いが、50℃以下の温度で操作する事が好ましい。50℃を超えると、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物またはエピクロロヒドリンが変質する可能性がある。
本発明は、有機溶液に水を加えた後に分液する精製方法であるが、この操作を2回以上繰り返すことで、有機層中の塩素イオン濃度をさらに下げることもできる。また、操作を2回以上繰り返す場合は、最低でも1回以上の遠心分離操作を行う必要があるが、遠心分離操作と静置操作による分液操作を組み合わせることもできる。
分液操作を2回以上繰り返す場合も、1回ごとの操作で加える水の量に制限は無いが、1回の操作で加える水の量は、有機溶液1重量部に対する水分量が0.5~3.0重量部になるように調節することが好ましい。
また、2回以上の分液操作を繰り返す場合は、後段の分液操作で分離した水層を前段の水添加に送ることで、分液後の水層の総量を減らすこともできる。
本発明において、有機溶液に含まれるエピクロロヒドリンを回収し、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物を製造する原料として再利用することで、製造コストを低減することができる。エピクロロヒドリンの回収は一般的には蒸留操作を用いるため、有機溶液に含まれる標準沸点が130℃以下の成分を低減することが好ましい。標準沸点が130℃以下の成分が有機溶液に含まれると、標準沸点が118℃のエピクロロヒドリンとの分離が不十分となり、再利用時の不純物となる可能性がある。
標準沸点が130℃以下の成分としては例えば、n-ヘキサン、2-メチル-ペンタン、2,2-ジメチルペンタン、n-ヘプタン、オクタン、イソオクタン、2,2,5-トリメチルヘキサン、ベンゼン、トルエン、などの炭化水素類;クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、ジブロピルエーテル、ジイソプロピールエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのカルボン酸類またはエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、N-メチルホルムアミドなどの窒素化合物類などが挙げられる。これらの成分が少ないほどエピクロロヒドリンを有機溶液から分離しやすくなり、再利用が容易となる。
これら標準沸点が130℃以下の成分は、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む有機溶液を抽出する際の抽出溶媒として、または分液操作の際に分液性を上げる目的で用いられることもあるが、本発明では遠心分離を行うことで、これらの成分が無くてもジグリシジルアミン系エポキシ化合物を効率的に精製することができる。
具体的には、精製前の有機溶液中に含まれる標準沸点が130℃以下の成分のうち、水とエピクロロヒドリンを除外した総量が、有機溶液に対し1000重量ppm以下であることが好ましい。
ジグリシジルアミン系エポキシ化合物はフェノキシアニリンとエピクロロヒドリンを原料として製造することができるが、反応時に存在させる酸性化合物が酢酸などの標準沸点130℃以下の酸性化合物とする場合、反応液に水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物を添加することで、酢酸ナトリウムなどの金属塩として130℃よりも高沸点の成分に転化することが好ましい。
本発明では、精製時に水以外の成分を加えることもできる。しかし、エピクロロヒドリンを回収する場合は、添加した成分がエピクロロヒドリンに混入するため、水以外の成分が外部から混入することを避けることが好ましい。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに制限されるものでは無い。なお、本明細書において得られる遠心分離により分離した油層中の塩素イオン濃度は、次の方法により測定した。
(電位差滴定法)
測定には京都電子工業社製の電位差自動滴定装置(AT-500N)を使用した。油層サンプルを100mLビーカーに約3g入れて秤量後、アセトンで50mLになるまで希釈し、さらに水で60mLになるまで希釈して調整した。調整したサンプルを京都電子工業社製の電位差自動滴定装置(AT-500N)を使用し、シグマ・アルドリッチ社製の「0.1mol/L硝酸銀溶液(N/10)」で滴定した。滴定量が下限以下の場合は、油層量を約6gとして秤量後、同様の操作で滴定した。
塩素イオン濃度は以下の計算式(ii)により算出する。
塩素イオン濃度=滴定量×力価×0.3545÷油層サンプル量 ・・・(ii)
(ii)式において、塩素イオン濃度の単位は重量%、滴定量の単位はmL、力価は滴定試薬の濃度に応じた固有の値、油層サンプル量の単位はgである。
<調製例>
以下、調製例を示し、ジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む有機溶液を得る方法を説明するが、有機溶液の調製方法は、この例のみに制限されるものでは無い。
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、エピクロロヒドリンを210.3g、4-フェノキシアニリン79.12gを仕込み、窒素パージしながら酢酸17.4gを30分かけて滴下した。温度を40℃まであげて9時間攪拌しながら熟成することにより付加反応を実施し、4-フェノキシ-N,N-ビス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)アニリンを生成させた。続いて硫化水素テトラブチルアンモニウム3.91gを添加し、続いて48%水酸化ナトリウム水溶液126.7gを1時間で滴下してさらに4時間攪拌しながら熟成し、環化反応を行った。
環化反応後の混合液を室温で6時間静置し、水層を分液することでジグリシジルアミン系エポキシ化合物を含む有機溶液を得た。
なお、この有機溶液の組成は、4-フェノキシ-N,N-ジグリシジルアニリン1重量部に対し、エピクロロヒドリン0.94重量部、水0.25重量部、塩化ナトリウム0.01重量部を含むものであった。
(実施例1)
4-フェノキシ-N,N-ジグリシジルアニリン1重量部に対し、エピクロロヒドリン0.94重量部、水0.25重量部、塩化ナトリウム0.01重量部からなる有機溶液15gと水15gを50ccのガラス容器に測り入れ、30℃の温水槽に入れた後、長さ2.5cmの攪拌子を用いて1500rpmの回転数で60分間攪拌した。攪拌後の混合液に1500Gの遠心力を5分間かけ遠心分離で分液操作を行った(遠心分離装置は、株式会社久保田製作所製テーブルトップ遠心機 型番5220を使用した。)。分液後の油層に含まれる塩素イオンは270重量ppmとなった。
(実施例2)
50ccのガラス容器に測り入れる有機溶液を10g、水を20gとする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは230重量ppmとなった。
(実施例3)
50ccのガラス容器に測り入れる有機溶液を7.5g、水を22.5gとする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは100重量ppm以下に低減した。
(実施例4)
遠心力をかける時間を15分間とする他は実施例2と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは195重量ppmとなった。
(比較例1)
分液操作を遠心分離に替えて60分間の静置分離とする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは700重量ppmとなった。
(実施例5)
分液操作でかける遠心力を200Gとする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは330重量ppmとなった。
(実施例6)
分液操作でかける遠心力を500Gとする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは300重量ppmとなった。
(実施例7)
分液操作でかける遠心力を1000Gとする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは280重量ppmとなった。
(実施例8)
50ccのガラス容器に測り入れる有機溶液を10g、水を15g、メタノールを5gとする他は実施例1と同様の操作を行った結果、分液後の油層に含まれる塩素イオンは220重量ppm、メタノールは1.1重量%となった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0007061538000004
    で示されるジグリシジルアミン系エポキシ化合物、エピクロロヒドリン、および塩素イオンを含む有機溶液から、塩素イオンを除去する方法であって、前記有機溶液1重量部に対し水を1.0~3.0重量部含むように、前記有機溶液に水を加えた後、遠心分離で分液操作を行うことを特徴とするジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法。
  2. 前記遠心分離による分液操作を、500G以上の遠心力で5分間以上行うことを特徴とする請求項1に記載のジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法。
  3. 精製後の有機溶液中の塩素イオン濃度が300重量ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法。
  4. 前記有機溶液が、下記一般式(2)
    Figure 0007061538000005
    で示されるフェノキシアニリンとエピクロロヒドリンを原料として、酸性化合物の存在下で反応させて、製造されたことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法。
  5. 下記(A)および(B)を特徴とする請求項1~のいずれかに記載のジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法。
    (A)前記有機溶液中に含まれる標準沸点が130℃以下の成分のうち、水とエピクロロヒドリンを除外した総量が、有機溶液に対し1000重量ppm以下であること。
    (B)前記有機溶液に水を加える時に、外部から加える成分が水のみであること。
JP2018162872A 2018-08-31 2018-08-31 ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法 Active JP7061538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018162872A JP7061538B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018162872A JP7061538B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020033320A JP2020033320A (ja) 2020-03-05
JP7061538B2 true JP7061538B2 (ja) 2022-04-28

Family

ID=69667084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018162872A Active JP7061538B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7061538B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4112912A4 (en) 2020-02-28 2024-03-20 Ihi Corp ROCKET ENGINE COMBUSTION DEVICE

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010047244A1 (ja) 2008-10-20 2010-04-29 東レ・ファインケミカル株式会社 エポキシ化合物およびその製造方法
JP2012219081A (ja) 2011-04-12 2012-11-12 Toray Fine Chemicals Co Ltd 高純度ジグリシジルアミン系エポキシ化合物およびその製造方法
WO2013089006A1 (ja) 2011-12-15 2013-06-20 東レ・ファインケミカル株式会社 グリシジルアミン系エポキシ化合物の製造方法
JP2015500394A (ja) 2011-12-19 2015-01-05 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エポキシ樹脂生成

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS523924B1 (ja) * 1970-05-13 1977-01-31
JPH02150413A (ja) * 1988-12-01 1990-06-08 Mitsui Petrochem Ind Ltd 高純度多価フェノールポリグリシジルエーテルの製造方法
JP3409915B2 (ja) * 1994-04-18 2003-05-26 大日本インキ化学工業株式会社 エポキシ樹脂の連続精製方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010047244A1 (ja) 2008-10-20 2010-04-29 東レ・ファインケミカル株式会社 エポキシ化合物およびその製造方法
JP2012219081A (ja) 2011-04-12 2012-11-12 Toray Fine Chemicals Co Ltd 高純度ジグリシジルアミン系エポキシ化合物およびその製造方法
WO2013089006A1 (ja) 2011-12-15 2013-06-20 東レ・ファインケミカル株式会社 グリシジルアミン系エポキシ化合物の製造方法
JP2015500394A (ja) 2011-12-19 2015-01-05 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エポキシ樹脂生成

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020033320A (ja) 2020-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4907821B2 (ja) 加水分解性ハロゲン化物および他の高分子量材料を含有する材料をエピハロヒドリン誘導エポキシ樹脂から除去する方法
EP2373603A1 (en) Glycerol treatment process
KR101590446B1 (ko) 고순도 분지형 모노카르복실산 변성 에폭시 반응성 희석제의 제조 방법
CN1551861A (zh) 2,2,2-三氟乙醇的制造方法
JP2656952B2 (ja) 望ましくないハロゲン含量が低いエポキシ樹脂の製造方法
JP7061538B2 (ja) ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の精製方法
JP5088892B2 (ja) オニウムヒドロキシドおよびオニウム塩溶液からの金属イオンの除去
KR101558633B1 (ko) 액체 에폭시 수지의 제조 방법
JP5421088B2 (ja) 廃液から有価物と塩酸を製造する方法
JP2013193980A (ja) 低粘度エポキシ化合物およびその製造方法
JP4945958B2 (ja) 精製エポキシ樹脂の製造方法
WO2002079141A1 (en) Preparation of quaternary ammonium compounds
WO2013089006A1 (ja) グリシジルアミン系エポキシ化合物の製造方法
EP3122734B1 (en) Epoxy resin compositions
JP2007277498A (ja) エポキシ樹脂の精製方法
CN110003266B (zh) 一种高品质的3-辛酰基硫代-1-丙基三乙氧基硅烷的环保生产方法
JPH0841164A (ja) 高純度エポキシ樹脂の製造方法
WO2014162947A1 (ja) ジグリシジルアミン系エポキシ化合物の製造方法
JP6333836B2 (ja) ウラン処理工程の留出物からの有価モリブデン成分の分離及び回収
US10246559B2 (en) Method for preparing silicone resins containing hydroxy groups and alkoxy groups
JP5874062B2 (ja) グリシジルエーテルの製造方法。
JP4874494B2 (ja) エポキシ樹脂の製造方法
KR20180022284A (ko) 에폭시 반응성 희석제의 제조 방법
KR20170064592A (ko) 비스페놀 화합물 유래 고순도 액상 에폭시 수지의 제조 방법
JPS60130579A (ja) アリルグリシジルエ−テルの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180910

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7061538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150