JP3799430B2 - 塗料用添加剤、これを含有してなる塗料及びこの製造方法 - Google Patents

塗料用添加剤、これを含有してなる塗料及びこの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は塗料用添加剤、これを含有してなる塗料及び塗料用添加剤の製造方法に関する。特に、建築物の外面に塗布される塗膜の汚染低減(主に水性塗料における塗膜の汚染低減)のための塗料用汚染低減剤として好適な塗料用添加剤、これを含有してなる塗料及びこの塗料用添加剤の製造方法に関する。
塗膜に親水性を付与し降雨等で汚染物質を洗い流すことを目的として添加される塗料用添加剤として、デンプン−ポリアクリル酸ナトリウムグラフト化物及びポリオキシエチレン鎖含有ポリウレタン樹脂等の水膨潤性高分子(特許文献1)、グリセリン又はペンタエリスリトール等にエチレンオキシド、プロピレンオキシドを重合させた化合物(特許文献2)等が知られている。
特開平2−123176号公報 特開平11−279454号公報
特許文献1及び2に記載の塗料用添加剤では、塗膜の耐水性が著しく低下するという問題がある。さらに、特許文献2に記載の化合物では汚染低減性が短期間で消失するという問題がある。すなわち、本発明の目的は、耐水性及び長期に渡り汚染低減性(長期汚染低減性)に優れた塗膜を形成することができる塗料用添加剤を提供すること、そして、塗料用添加剤の製造方法を提供することである。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に達した。
すなわち、本発明の塗料用添加剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなる点を要旨とする。
ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜15のジイソシアネートの反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基又は水素原子(すべてのQには少なくとも1個の炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数3のアルケニル基をもつ)、nは0〜80の整数(すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数は10〜80である)、mは2〜4の整数、tは0〜4の整数を表し、R、OA、AO(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってよい。
また、本発明の塗料用添加剤の特徴は、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜80モル部とを反応させて得た反応生成物(a12)と、炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)0.5〜3モル部とを反応させて反応生成物(a123)を得た後、さらにこの(a123)と炭素数6〜15のジイソシアネート(a4)0.2〜0.7モル部とを反応させることにより製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなる点を要旨とする。
また、本発明の製造方法は、上記の塗料用添加剤を製造する方法であって、アミドの存在下で(a1)と(a2)とを反応させる工程を含む点を要旨とする。
本発明の塗料用添加剤は、塗膜上の水の接触角を大きく低下させ、かつその持続性に極めて優れていると共に、遙かに優れた耐水性を発揮する。すなわち、本発明の塗料用添加剤は、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる。そして、本発明の塗料用添加剤は、少ない使用量でも極めて効果的であり、また、塗料の持つ本来の特性を低減させることがない。よって、本発明の塗料添加剤は、外壁等の屋外に塗装される塗料(特に水性エマルション塗料)に極めて有用である。
また、本発明の塗料用添加剤の製造方法は、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる添加剤を極めて容易に製造することができる。
一般式(1)において、非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。ポリオキシアルキレン化合物(Y)内のQは、すべて同じでもよく、全部又は一部が異なってもよい。これらのうち、長期汚染低減性の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくは蔗糖及びラフィノースであり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。
一般式(1)において、ジイソシアネートの反応残基(L)は、−CO−NH−X−NH−CO−で表される基が含まれ、−CO−NH−X−NH−CO−NH−X−NH−CO−や−CO−NH−X−NH−CO−NH−X−NH−CO−NH−X−NH−CO−で表される基等が一部含まれていてもよい。ポリオキシアルキレン化合物(Y)内のLは、すべて同じでもよく、全部又は一部が異なってもよい。
Xとしては、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン及びアルアルキレン(アリールアルキレン)等が使用できる。また、これらの基に含まれる水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭素数1〜6のアルコキシ等で置換されていても構わず、また、オキサ基(−O−)又はスルホニル基(−SO2−)を含んでいてもよい。
アルキレンとしては、炭素数4〜8のアルキレン等が用いられ、ブチレン、ヘキサメチレン、2−エチルヘキシレン及びトリメチルシクロヘキシルメチレン等が挙げられる。これらの他、ブロモオクチレン、プロポキシエチレン及びブトキシプロピレン等も使用できる。
シクロアルキレンとしては、炭素数6〜15のシクロアルキレン等が用いられ、シクロヘキシレン、ジシクロヘキシレン、メチルシクロヘキシレン、トリメチルシクロヘキシレン、ノニルシクロヘキシレン、-(ch)-CH2-(ch)-で表される基、-CH2-(ch)-CH2-で表される基、-(ch)-C(CH3)2-(ch)-で表される基、-(ch)-CH2CH2-(ch)-で表される基及び-(tmch)-CH2-で表される基等が挙げられる。なお、(ch)はシクロヘキシレン、(tmch)はトリメチルシクロヘキシレンを表す(以下同様)。これらの他、-(ch)-O-(ch)-で表される基、-(ch)-SO2-(ch)-で表される基、クロロシクロヘキシレン及びメトキシシクロヘキシレン等も使用できる。
アリーレンとしては、炭素数6〜13のアリーレン等が用いられ、フェニレン、トリレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、テトラメチルフェニレン、キシリレン、ナフチレン、ビフェニリレン、-(ph)-CH2-(ph)-で表される基及び-CH2-(ch)-CH2-で表される基等が挙げられる。なお、(ph)はフェニレンを表す(以下同様)。これらの他、-(ph)-O-(ph)-で表される基、-(ph)-SO2-(ph)-で表される基、ブロモフェニレン、クロロナフチレン、クロロビフェニレン及びメトキシフェニレン等も使用できる。
アルアルキレンとしては、炭素数7〜13のアルアルキレン等が用いられ、フェニルエチレン基、トリルブチレン、エチルフェニルエチレン、キシリルヘキシレン、ビフェニリルエチレン及びフェナントリルプロピレン等が挙げられる。これらの他、ブロモフェニルエチレン、クロロビフェニリルエチレン及びメトキシフェニルエチレン基等も使用できる。
これらのうち、アルキレン及びシクロアルキレンが好ましく、さらに好ましくはヘキサメチレン及びトリメチルシクロヘキシルメチレン、特に好ましくはヘキサメチレンである。
一般式(1)において、炭素数2〜4のオキシアルキレン基(OA又はAO)としては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が挙げられる。これらのうち、水との接触角及び汚染低減性の観点等からはオキシエチレンが好ましく、また耐水性の観点等からは、オキシプロピレン及びオキシブチレンが好ましく、水との接触角、汚染低減性及び耐水性の観点等から特に好ましくはオキシエチレン及びオキシプロピレンの併用である。また、n個のOA(又はAO)は、同じでも異なっていてもよい。m個の(OA)nは同じでも異なってもよい。OA(又はAO)内のオキシアルキレン基の順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び数には制限ない。また、OA(又はAO)にオキシエチレン基と、オキシプロピレン基又は/及びオキシブチレン基とを含む場合、反応残基(Q)から離れた端部にオキシプロピレン又は/及びオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、OA(又はAO)にオキシエチレン基を含む場合、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合し得ていることが好ましい。また、OA(又はAO)に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、ブロック状を含むことが好ましい。
nは、0〜80の整数が好ましく、さらに好ましくは4〜75の整数、特に好ましくは7〜70の整数、最も好ましくは10〜60の整数である。この範囲であると塗膜の耐水性及び長期汚染低減性がさらに良好となる。
すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数(個)は、10〜80が好ましく、さらに好ましくは13〜77、特に好ましくは16〜73、最も好ましくは20〜70である。この範囲であると、塗膜の耐水性及び長期汚染低減性がさらに良好となる。
一般式(1)において、mは、2〜4の整数が好ましく、さらに好ましくは3である。この範囲であると塗膜の長期汚染低減性がさらに良好となる。
また、n又はmは、すべて同じでもよく、一部又は全部が異なってもよい。
また、tは、0〜4の整数が好ましく、さらに好ましく1〜2である。この範囲であると塗膜の耐水性がさらに良好となる。
OA内に複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び含有割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状との組合せを含むことが好ましい。またこの場合、水との接触角を低下させるためにオキシエチレンを含むことが好ましいが、オキシエチレンの含有割合(モル%)は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、2〜20が好ましく、さらに好ましくは3〜18、特に好ましくは4〜17、最も好ましくは5〜15である。すなわち、この場合、オキシエチレンの含有割合(モル%)の下限は、オキシアルキレン基の全モル数に基づいて、2が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは4、最も好ましくは5、また同様に上限は、20が好ましく、さらに好ましくは18、特に好ましくは17、最も好ましくは15である。また、OA(又はAO)にオキシエチレン基と、オキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基とを含む場合、反応残基(Q)から離れたところにオキシプロピレン及び/又はオキシブチレンが位置することが好ましい。すなわち、反応残基(Q)にオキシエチレン基が直接的に結合していることが好ましい。
炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基又は水素原子(R)のうち、アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル及びiso−プロピルであり、アルケニル基としては2−プロペニル及び1−プロペニルである。これらのアルキル基及びアルケにル基のうち、メチル、エチル、iso−プロペニル及び2−プロペニルが好ましく、さらに好ましくはメチル、エチル及び2−プロペニル、特に好ましくはメチル及びエチルである。
また、Rは、すべて同じでもよく、一部又は全部が異なってもよいが、すべてのQには少なくとも1個はアルキル基又はアルケニル基を持っている。
Qが持つRのうち、水素原子の数(個)(Q1個が持つ水素原子の数)は、mが4のとき0〜3が好ましく、さらに好ましくは0〜2,特に好ましくは0又は1であり、mが3のとき、0〜3が好ましく、さらに好ましくは0又は1であり、mが2のとき、0又は1が好ましい。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物としては、以下の化学式で示される化合物等が挙げられる。なお、Pはオキシプロピレン又はプロピレンオキシ基を、Eはオキシエチレン又はエチレンオキシ基を、Bはオキシブチレン又はブチレンオキシ基、tmchはトリメチルシクロヘキシレン基、chはシクロヘキシレン基を表し、Q1は蔗糖の反応残基を、Q2はトレハロースの反応残基を、Q3はメレチトース、Q4はラフィノースの反応残基を表す。
これらのうちでは、式(2)、(4)、(6)、(8)、(10)又は(12)で表されるポリオキシアルキレン化合物が好ましく、さらに好ましくは式(2)又は(10)で表されるポリオキシアルキレン化合物である。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)、炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)及び炭素数6〜15のジイソシアネート(a4)の化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物等が含まれる。すなわち、これらの化学反応により製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物は、オキシアルキレン基やtの数等に分布を生じる場合があり、この場合、厳密には複数種類のポリオキシアルキレン化合物の混合物となり、この混合物の中に、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物が含まれるものである。なお、この場合でも製造方法を限定するものではない。
そして、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、10〜80が好ましく、さらに好ましくは13〜77、特に好ましくは16〜73、最も好ましくは20〜70である。すなわち、アルキレンオキシド(a2)の使用量(モル部)の下限は、(a1)1モル部に対して、10が好ましく、さらに好ましくは13、特に好ましくは16、最も好ましくは20であり、また同様に上限は、80が好ましく、さらに好ましくは77、特に好ましくは73、最も好ましくは70である。この範囲であると、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性がさらに良好となる。
また、炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、0.5〜3が好ましく、さらに好ましくは0.7〜2.8、特に好ましくは0.8〜2.7、最も好ましくは1.0〜2.5である。すなわち(a3)の使用量(モル部)の下限は、(a1)1モル部に対して、0.5が好ましく、さらに好ましくは0.7、特に好ましくは0.8、最も好ましくは1であり、また同様に上限は、3が好ましく、さらに好ましくは2.8、特に好ましくは2.7、最も好ましくは2.5である。この範囲であると、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性がさらに良好となる。
また、炭素数4〜12のジイソシアネート(a4)の使用量(モル部)としては、非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部に対して、0.2〜0.7が好ましく、さらに好ましくは0.25〜0.65、特に好ましくは0.3〜0.6、最も好ましくは0.35〜0.55である。すなわち(a4)の使用量(モル部)の下限は、(a1)1モル部に対して、0.2が好ましく、さらに好ましくは0.25、特に好ましくは0.3、最も好ましくは0.35であり、また同様に上限は、0.7が好ましく、さらに好ましくは0.65、特に好ましくは0.6、最も好ましくは0.55である。この範囲であると、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性がさらに良好となる。
非還元性の二又は三糖類(a1)としては、一般式(1)における反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類と同じものが使用でき、好ましい範囲も同じである。
アルキレンオキシド(a2)としては、炭素数2〜4のアルキレンオキシド等が使用でき、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、塗膜の耐水性及び長期汚染低減性等の観点から、EO、EOを含有する混合物及びPOが好ましく、さらに好ましくはEOを含有する混合物である。
また、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましくい。また、この場合、EOを含有することが好ましく、EOの使用割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、2〜20が好ましく、さらに好ましくは3〜18、特に好ましくは4〜17、最も好ましくは5〜15である。すなわち、この場合、EOの使用割合(モル%)の下限は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、2が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは4、最も好ましくは5であり、また同様に上限は、20が好ましく、さらに好ましくは18、特に好ましくは17、最も好ましくは15である。
EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、(a1)へのEOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
モノハロゲン化炭化水素(a3)としては、炭素数1〜3のモノハロゲン化アルキル及び炭素数3のモノハロゲン化アルケニル等が使用できる。モノハロゲン化アルキルとしては、モノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、2−ブロモプロパン、1−クロロプロパン及び2−クロロプロパン等が挙げられる。
モノハロゲン化アルケニルとしては、1−クロロプロペン、1−ブロモプロペン、2−ブロモプロペン及び2−クロロプロペン等が挙げられる。
これらのうち、モノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、2−ブロモプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペンが好ましく、さらに好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペン、特に好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン及びモノブロモエタンである。これらは単独で、または混合して使用してもよい。
ジイソシアネート(a4)としては、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート等が使用できる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数6〜8のアルキレンジイソシアネート等が用いられ、1,4−ジイソシアナトブタン、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、炭素数8〜15のアリレンジイソシアネート等が用いられ、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数9〜15のシクロアルキレンジイソシアネート等が用いられ、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加MDI、トランス1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加TDI及び水素添加1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのイソシアネートのうち、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性等の観点から、1,4−ジイソシアナトブタン、HDI、IPDI、MDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート及び水素添加MDIが好ましく、製品着色性等の観点からさらに好ましくはHDI及びIPDIである。
ポリオキシアルキレン化合物(Y)の曇点(℃)は、20〜50が好ましく、さらに好ましくは22〜48、特に好ましくは23〜47、最も好ましくは25〜45である。すなわち、(Y)の曇点(℃)の下限は、20が好ましく、さらに好ましくは22、特に好ましくは23、最も好ましくは25であり、また同様に上限は、50が好ましく、さらに好ましくは48、特に好ましくは47、最も好ましくは45である。この範囲であると、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性がさらに良好となる。
なお、曇点とは界面活性剤の親水性/疎水性の尺度となる物性値を意味し、曇点が高いほど親水性が大きいことを表し、ISO 1065−1975(E)、「エチレンオキシド系非イオン界面活性剤−曇り点測定法」の中の「測定法B」に準じて測定されるものである。すなわち、ブチルジグリコール(3,6−オキサデシルアルコール:ブタノールのEO2モル付加物)25重量%水溶液に、試料を10重量%の濃度になるように投入し、均一溶解させる(通常は25℃で溶解するが、溶解しない場合は透明液体になるまで冷却する)。次いでこの試料溶液約5ccを、外径18mm、全長165mm、肉厚約1mmの試験管に採り、さらに直径約6mm、長さ約250mm、2分の1度目盛り付きの温度計を試料溶液に入れて攪拌しながら、1.5±0.5℃/minにて昇温させて試料溶液を白濁させる。この後攪拌しながら、1.0±0.2 ℃/minにて冷却して試料溶液が完全に透明となる温度を読みとり、これを曇点とする。
ポリオキシアルキレン化合物(Y)は、非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)、モノハロゲン化炭化水素(a3)及びジイソシアネート(a4)を反応させて得ることができるが、その一般的な反応方法は次の通りである。すなわち、まず(a1)と(a2)とを反応させ、反応生成物(a12)を得る。次いで(a12)と(a3)を反応させて反応生成物(a123)を得、さらにこれと(a4)を反応させて(Y)を得る。
非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との付加反応は、アニオン重合、カチオン重合又は配位アニオン重合等のいずれの形式で実施してもよい。また、これらの重合形式は単独でも、重合度等に応じて組み合わせて用いてもよい。
アルキレンオキシド(a2)の付加反応には反応触媒が使用できる。なお、反応溶媒として以下に説明するアミドを用いる場合、反応触媒を用いる必要がない。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び3級アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒を使用する場合、その使用量(重量%)は、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)との合計重量に基づいて、0.05〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.2〜0.6である。すなわちこの場合、反応触媒の使用量(重量%)の下限は、(a1)と(a2)との合計重量に基づいて、0.05が好ましく、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.2であり、また同様に上限は、2が好ましく、さらに好ましくは1、特に好ましくは0.6である。
反応触媒を使用する場合、反応触媒は反応生成物から除去することが好ましく、その方法としては、合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いる方法(特開昭53−123499号公報等)、キシレン又はトルエンなどの溶媒に溶かして水洗する方法(特公昭49−14359号公報等)、イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭51−23211号公報等)及びアルカリ性触媒を炭酸ガスで中和して生じる炭酸塩を濾過する方法(特公昭52−33000号公報)等が挙げられる。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、アルキレンオキシド(a2)を反応系に導入する前に反応装置内を真空または乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては80〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
アルキレンオキシド(a2)の付加反応の工程には、反応溶媒を用いることが好ましい。反応溶媒としては、活性水素を持たないものが好ましく、さらに好ましくは非還元性の二又は三糖類(a1)、アルキレンオキシド(a2)及び(a2)との反応により生成する生成物(a12)を溶解するものが好ましい。
このような反応溶媒としては、炭素数3〜8のアルキルアミド及び炭素数5〜7の複素環式アミド等が使用できる。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアミド及びN−メチルピロリドンが好ましく、さらに好ましくはDMF、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン、特に好ましくはDMF及びN−メチルピロリドン、最も好ましくはDMFである。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。すなわち、この場合、反応溶媒の使用量(重量%)の下限は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて、20が好ましく、さらに好ましくは40、特に好ましくは60であり、また同様に上限は、200が好ましく、さらに好ましくは180、特に好ましくは150である。
反応溶媒を用いた場合、反応後に反応溶媒を除去することが好ましい。
反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。
減圧留去する条件としては、200〜5mmHgの減圧下にて100〜150℃にて留去する条件等が適用できる。
吸着除去としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量を減少させることができる。
反応生成物(a12)とモノハロゲン化炭化水素(a3)との反応{以下、(a3)との反応と略する。}は、塩基性物質による脱ハロゲン化水素反応(Williamson合成反応:反応中に逐次生成するハロゲン化水素を塩基性物質により中和することにより反応を駆動する)である。この反応に用いることのできる塩基性物質としては例えばアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(炭素数1〜2:ナトリウムメチラート及びカリウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸バリウム等)が挙げられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、さらに好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。
(a3)との反応に用いる塩基性物質の使用量(モル%)は、モノハロゲン化炭化水素(a3)の使用量(モル)に基づいて、100〜150が好ましく、さらに好ましくは105〜140、特に好ましくは110〜130である。すなわちこの場合、塩基性物質の使用量(モル%)の下限は、モノハロゲン化炭化水素の使用量(モル)に基づいて、100が好ましく、さらに好ましくは105、特に好ましくは110であり、また同様に上限は150が好ましく、さらに好ましくは140、特に好ましくは130である。
反応終了後は生成した中和塩及び残存する塩基性物質を除去することが好ましく、その方法としては、(1)まず生成した中和塩等を濾加により取り除き、次いで残存する塩基性物質等を吸着剤等を用いて除去する方法、(2)有機溶剤による抽出法及び(3)食塩等による塩析法等が挙げられる。
(1)の方法は、アルキレンオキシド(a2)の付加反応の際に用いられる反応触媒の除去と同様にして除去できる。
(2)の抽出法とは、反応生成物に水と有機溶剤(ヘキサン、トルエン、キシレン等の水に対する溶解性の極めて低いもの)とを加え、振とうすることにより反応生成物を有機溶剤層に抽出し、塩基性物質を水層分離する方法である。なお、有機溶剤層は、さらに脱イオン水等で洗浄する。反応生成物:水:有機溶剤の体積比はほぼ1:1:1が適当である。
(3)の塩析法とは、反応生成物にこれとほぼ同じ体積量の水と適量(水に対して3〜10重量%)の食塩等を加えて振とうすることで反応性生物を水層から析出させて、塩基性物質を水層から分離する方法である。
(2)又は(3)の場合、最終的には合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤(例えばキョーワード700)を用いて塩基性物質を完全に除去することが好ましい。
塩基性物質の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
さらに水分を除去することが好ましい。この場合、減圧(100〜1mmHg)下100〜130℃にて1〜2時間脱水する。生成物中の水分は0.5重量%以下、さらには0.05重量%以下とすることが好ましい。
なお、水分は、公知の方法で測定することができ、例えばKarl Fischer法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)や、熱乾燥による重量減(例えば試料0.5gを130℃で1時間乾燥し、その前後の重量変化)により求めることができる。
反応容器としては、加熱、冷却及び撹拌が可能な耐圧性反応容器を用いることが好ましい。反応雰囲気としては、(a3)を反応系に導入する前に反応装置内を真空または乾燥した不活性気体(アルゴン、窒素及び二酸化炭素等)の雰囲気とすることが好ましい。また、反応温度(℃)としては60〜160が好ましく、さらに好ましくは80〜130である。反応圧力(ゲージ圧:MPa)は0.8以下が好ましく、さらに好ましくは0.5以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常1〜6時間である。
反応生成物(a123)とジイソシアネート(a4)との付加反応には、必要に応じて反応触媒を用いることができる(例えば、反応速度の小さいジイソシアネート(脂肪族若しくは脂環式ジイソシアネート等;HDIやIPDI等)との反応の場合、反応時間の短縮を目的として反応触媒を用いる)。
反応触媒としては、公知のもの等が使用でき、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート及びトリエチレンジアミン等が一般的である。
反応生成物(a123)とジイソシアネート(a4)との反応には、加熱、冷却及び攪拌が可能な密閉容器を用いることができる。反応温度(℃)は、70〜150が好ましく、さらに好ましくは90〜130である。反応雰囲気としては、乾燥した不活性気体雰囲気下が好ましい。反応終点の確認は次の方法等により行うことができる。すなわち、ジ−n−ブチルアミンのジオキサン溶液を用いるイソシアナト基含有量測定法において、イソシアナト基含有量が0.01重量%以下となった時点を反応の終点とする。
本発明の塗料用添加剤には、ポリオキシアルキレン化合物(Y)以外の成分として、必要により、粘度調整剤、消泡剤、湿潤剤及び造膜調整剤等を含有させることができる。
粘度調整剤としては、SNシックナー601及び同612(サンノプコ株式会社の商品名)等、消泡剤としてはSNデフォーマー180及び同260(サンノプコ株式会社の商品名)等、湿潤剤としてはSNウエット123及び同980(サンノプコ株式会社の商品名)等、造膜調整剤としてはテキサノール(イーストマンケミカル社製)等が用いられる。なお、含有量としては、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、いずれも0.1〜30重量%が好ましい。
本発明の塗料用添加剤は、水性塗料及び非水性塗料のいずれにも適用することができ、これらのうち水性塗料に好適であり、特に水性エマルション塗料に適している。水性エマルション塗料としては、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ハロゲン化オレフィン系、ウレタン系、アクリル−シリコン系又はフッ素系等の塗料が挙げられる。
本発明の塗料用添加剤を塗料へ添加するタイミングとしては、(1)顔料を分散するとき、(2)分散した顔料に樹脂成分及び各種添加剤を配合するとき、及び(3)さらに塗装する直前等があるがそのいずれでもよい。
本発明の塗料用添加剤の添加量(重量%)としては、塗料の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜4.5、特に好ましくは0.3〜4、より特に好ましくは0.5〜3.5、最も好ましくは0.7〜3である。すなわち、本発明の塗料用添加剤の添加量(重量%)の下限は、塗料の重量に基づいて、0.1が好ましく、さらに好ましくは0.2、特に好ましくは0.3、より特に好ましくは0.5、最も好ましくは0.7であり、また同様に上限は、5が好ましく、さらに好ましくは4.5、特に好ましくは4、より特に好ましくは3.5、最も好ましくは3である。この範囲であると良好な長期汚染低減性が得られやすく、さらに塗膜の耐水性等(塗料の持つ本来の特性)に悪影響を与えにくい。
本発明の塗料用添加剤を添加した塗料は、通常の方法により被塗装体に塗装することができ、ハケ塗り、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレス塗装、ロールコーター塗装及びフローコーター塗装等の塗装方法等が適用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。長期汚染低減性{水との接触角(初期及び浸漬処理後)}、耐水性及び屋外暴露試験(白色度の差、−△L)の評価結果は表2に記載した。なお、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
また、塗膜の水との接触角及び汚染低減性の関連についてはよく知られており(官民連帯共同研究「構造物の坊汚技術の開発」、建設省土木研究所化学研究室)、接触角が小さいほど、汚染低減性(耐汚染性、降雨による水滴が表面に付着した汚れを運び去りやすさ)が良好である。
また、試験用塗装片を24時間脱イオン水に浸漬した後に乾燥させ、水との接触角を測定する促進耐久テスト後でも水との接触角が50度以下を保つ塗膜は、汚れが発生し難いとの報告がある{剣持信博、「建築外壁用塗料の表面性状と汚染性」、塗装工学、28、〔4〕147(1993);中家俊和、「建築用汚れ防止塗料の技術開発」、JETI、42、〔5〕8(1994)}。
よって、汚染低減性及びその持続性の指標(長期汚染低減性)を水との接触角をもって評価し、併せて屋外暴露試験により塗膜の耐汚染性を白色度測定にて評価した。
<塗料及び試験用塗装片の調整>
(1)標準塗料
表1の原料組成にて、グラインディング工程及びレットダウン工程にインペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器会社製、モデルED)を用いて塗料とした。得られた塗料はつぶゲージ法(JIS K5400−1990)にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
この水性エマルション塗料を、ストマー粘度計(JIS K5400−1990)で77KU(25℃)になるように水で希釈して標準塗料とした。
備考)入手先と剤名等
1:サンノプコ(株)製の分散剤
2:サンノプコ(株)製の増粘剤
3:サンノプコ(株)製の消泡剤
4:石原産業(株)製の二酸化チタン
5:大日本インキ化学工業(株)製のアクリル系エマルション
6:サンノプコ(株)製の防腐剤
7:イーストマンケミカル社製の造膜調整剤
8:サンノプコ(株)製の増粘剤
(2)評価用塗料
標準塗料に、実施例又は比較例で得られた塗料用添加剤を加え、エクセルオートホモジナイザー(インペラー型羽根)を用い、室温(20〜30℃)にて2000rpm、3分間混合して評価用塗料を作成した。
(3)試験用塗装片
アセトンで脱脂処理したポリエステルフィルム{商品名:ルミラー75−S10、パナック(株)製、厚さ0.1mmを10×8cmにカットして使用}にウェット時塗膜厚を200μmとして塗布、25℃、60%相対湿度に調整したコントロールルーム(以下、温調室と略す)にて10日間乾燥させて、試験用塗装片とした。
<性能評価>
1.水との接触角
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、その塗膜の表面に0.02±0.005mLの脱イオン水を滴下する。1分後に水滴の接触角を測定して初期の接触角とした。なお、接触角の測定は協和化学製コンタクトアングルメーターCAAを用いて温調室にて実施した。
2.浸漬処理後の接触角(持続性促進試験)
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、それを30℃にて、24時間脱イオン水に浸漬した後、温調室(30℃、60%相対湿度)にて48時間乾燥させる。次いで上記と同様にして水との接触角を測定し、これを浸漬処理後の接触角とした。
3.耐水性
試験用塗装片から5×5cmの大きさの試験片を採り、これを30℃にて、24時間脱イオン水に浸漬した後、水中より引き揚げ、塗膜表面に発生するブリスターの数及び大きさ等を以下の基準により判定し、これを耐水性の評価とした。
◎:ブリスターなし。
○:直径0.1mm程度のブリスターが若干ある。
△:直径0.5mm以上のブリスターが若干ある。
×:直径0.5mm以上のブリスターが多くある。
4.白色度の差(−△L値、屋外暴露試験)
試験用塗装片(10×8cm)をスレート板に両面テープを用いて貼り付け、試験板とした。愛知県東海市の地上高3mの屋外暴露台に塗装面を水平面に対して45度になるようにし、かつ塗装面が真北を向くようにして試験板を設置し、平成15年2月末から平成15年9月上旬までの約6ケ月間暴露した。次いで試験用塗装片の表面に付着したゴミ、汚れ等を自重の100%の水を含ませた木綿ウエスにて3回こすり落とし、さらに乾燥木綿ウエスで水気を取り除いた後にL値(白色度)を測定し、測定値(L2)を得た。なお、このL2から、暴露前の試験用塗装片のL値(L1)を差し引いた値が△Lであり、この絶対値(−△L)を白色度の差と表記した。よって、−△L値は小さいほど耐汚染性が良好であることを示す。白色度の測定試験機は日本電色工業(株)製の、SPECTRO COLOR METERMODEL PF-10を用いた。
<実施例1>
攪拌、加熱、冷却、滴下、加圧及び減圧の可能な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖(株)製、以下同じ}を342部(1モル部)、DMF{三菱ガス化学(株)製、以下同じ}1000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(窒素置換)を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてPO1392部(24モル部)を7時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/PO24モル付加物(S1)を得た。DMF含有量(内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法;以下同じ)は0.07%であった。
上記と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/PO24モル付加物(S1)1734部(1モル部)、水酸化ナトリウム{試薬特級、和光純薬工業(株)製、水分を除いた純分換算量、以下同じ}44部(1.1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧のまま密閉下、80〜100℃にてメチルクロライド{試薬特級、シグマアルドリッチジャパン社(株)製、以下同じ}(以下シグマ社と略記)50.5部(1モル部)を1時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後60℃まで冷却し、直径約9cm、高さ約20cmのポリエチレン製容器に取り分けた。1日静置後生成した沈殿物を室温(約25℃)にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製、以下同じ}を用いて濾別し、得た粗反応液状物のうち500部にイオン交換水10部を添加して攪拌しつつ加熱し90℃とした後キョーワード700{協和化学工業(株)製、以下同じ}30部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙を用いてキョーワード700を取り除いた。次いで20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水(以下、これらのキョーワード700による水酸化ナトリウムの除去及び脱水をキョーワード処理と略称する)して蔗糖/PO24モル/メチルクロライド1モル(S11)を得た。
加熱、冷却、攪拌及び密閉が可能な反応容器に、蔗糖/PO24モル/メチルクロライド1モル(S11)1776部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI{三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネート700、以下同じ}112.6部(0.67モル部)を加え、上記と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y1)を得た。(Y1)の曇点(ISO1065−1975(E)の測定法Bに準拠;以下同じ)は34.0℃、ガスクロマトグラフィー法によるDMF含有量は0.04%であった。(Y1)を本発明の塗料用添加剤(1)とした。
標準塗料及び塗料用添加剤(1)を用いて、(1)の含有量が1.0%である評価用塗料1を調整し、さらにこれを用いて試験塗装片1を作成した。
<実施例2>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖を342部(1モル部)、N−メチルピロリドン{試薬特級、和光純薬工業(株)製}1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO88部(2モル部)を1時間かけて滴下した後、さらに同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2320部(40モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてN−メチルピロリドンを除去し、蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)を得た。ガスクロマトグラフィー法によるN−メチルピロリドン含有量は0.05%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)2750部(1モル部)、水酸化ナトリウム60部(1.5モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、80〜100℃にてメチルクロライド70.7部(1.4モル部)を4時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理して蔗糖/EO2モル/PO40モル/メチルクロライド1.4モル(S21)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/EO2モル/PO40モル/メチルクロライド1.4モル(S21)2770部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI100.8部(0.6モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y2)を得た。(Y2)の曇点は32.0℃、ガスクロマトグラフィー法によるN−メチルピロリドン含有量は0.03%であった。(AY2)を本発明の塗料用添加剤(2)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料2及び試験塗装片2を作成した。
<実施例3>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖342部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO220部(5モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO3480部(60モル部)を9時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/EO5モル/PO60モル付加物(S3)を得た。DMF含有量は0.04%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、蔗糖/EO5モル/PO60モル付加物(S3)4042部(1モル部)、水酸化ナトリウム76部(1.9モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、90〜110℃にてエチルクロライド109.7部(1.7モル部)を3時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理して蔗糖/EO5モル/PO60モル/エチルクロライド1.7モル(S31)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/EO5モル/PO60モル/エチルクロライド1.7モル(S31)4088部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI{住友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモジュールI}75.5部(0.34モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y3)を得た。(Y3)の曇点は46.5℃、DMF含有量は0.02%であった。(Y3)を本発明の塗料用添加剤(3)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料3及び試験塗装片3を作成した。
<実施例4>
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ラフィノース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}504部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO264部(6モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2900部(50モル部)を9時間かけて滴下し次いでBO1448部(2モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPO、BOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、ラフィノース/EO6モル/PO50モル/BO2モル付加物(S4)を得た。DMF含有量は0.02%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、ラフィノース/EO6モル/PO50モル/BO2モル付加物(S4)3956部(1モル部)、水酸化ナトリウム68部(1.7モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、80〜100℃にてメチルクロライド75.8部(1.5モル部)を2時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理してラフィノース/EO6モル/PO50モル/BO2モル/メチルクロライド1.5モル(S41)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、ラフィノース/EO6モル/PO50モル/BO2モル/メチルクロライド1.5モル(S41)3976部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、IPDI111部(0.5モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて6時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y4)を得た。(Y4)の曇点は41.0℃、DMF含有量は0.01%であった。(Y4)を本発明の塗料用添加剤(4)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料4及び試験塗装片4を作成した。
<実施例5>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、実施例2で得た蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)2750部(1モル部)、水酸化ナトリウム80部(2モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、100〜120℃にてアリルクロライド{試薬特級、シグマ社(株)製}130部(1.7モル部)を5時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理して蔗糖/EO2モル/PO40モル/アリルクロライド1.7モル(S22)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/EO2モル/PO40モル/アリルクロライド1.7モル(S22)2816部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI56部(0.34モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y5)を得た。(Y5)の曇点は35.5℃、N−メチルピロリドン含有量は0.02%であった。(Y5)を本発明の塗料用添加剤(5)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料5及び試験塗装片5を作成した。
<実施例6>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、実施例3で得た蔗糖/EO5モル/PO60モル付加物(S3)4042部(1モル部)、水酸化ナトリウム48部(1.2モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、80〜100℃にてメチルクロライド50.5部(1モル部)を2時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理して蔗糖/EO5モル/PO60モル/メチルクロライド1モル(S32)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、蔗糖/EO5モル/PO60モル/メチルクロライド1モル(S32)4056部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI112部(0.67モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(Y6)を得た。(Y6)の曇点は40.0℃、DMF含有量は0.01%であった。(Y6)を本発明の塗料用添加剤(6)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料6及び試験塗装片6を作成した。
<比較例1>
標準塗料をそのまま比較例1の評価用塗料7として用い、試験用塗装片7を作成した。
<比較例2>
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ペンタエリスリトール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}136部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO220部(5モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2030部(35モル部)を7時間かけて滴下した後、同温度にて3時間間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、ペンタエリスリトール/EO5モル/PO35モル付加物(F1)を得た。(F1)の曇点は46.0℃、DMF含有量は0.02%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、ペンタエリスリトール/EO5モル/PO35モル付加物(F1)2386部(1モル部)、水酸化ナトリウム80部(2モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、80〜100℃にてメチルクロライド85.9部(1.7モル部)を4時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理してペンタエリスリトール/EO5モル/PO35モル/メチルクロライド1.7モル(F11)を得た。
実施例1と同様な反応容器に、ペンタエリスリトール/EO5モル/PO35モル/メチルクロライド1.7モル(F11)2409部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI112部(0.67モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(B1)を得た。(B1)の曇点は39.0℃、DMF含有量は0.01%であった。(B1)を塗料用添加剤(8)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料8及び試験塗装片8を作成した。
<比較例3>
実施例2で得た蔗糖/EO2モル/PO40モル/メチルクロライド1.4モル(S21)ををそのままポリオキシアルキレン化合物(B2)とした。(B2)の曇点は37.0℃、N−メチルピロリドン含有量は0.02%であった。(B2)を塗料用添加剤(9)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料9及び試験塗装片9を作成した。
<比較例4>
実施例1と同様な耐圧反応容器に、実施例2で得た蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)2750部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI100.8部(0.6モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(B3)を得た。(B3)の曇点は38.0℃、N−メチルピロリドン含有量は0.03%であった。(B3)を本発明の塗料用添加剤(10)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料10及び試験塗装片10を作成した。
<比較例5>
SNウエット970{サンノプコ(株)製、アニオン系活性剤、有効成分50%品}を比較用の塗料用添加剤(11)とし、添加剤の含有量を1.0%に換えて2.0%として以外実施例1と同様にして、評価用塗料11及び試験塗装片11を作成した。
<比較例6>
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ジエチレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}106部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO2200部(50モル部)を8時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、ポリエチレングリコール、分子量2300(F2)を得た。(F2)のDMF含有量は0.02%であった。
実施例1と同様な反応容器に、(F2)2300部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI112部(0.67モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて7時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(B4)を得た。(B4)の曇点は86.0℃、DMF含有量は0.01%であった。(B4)を塗料用添加剤(12)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料12及び試験塗装片12を作成した。
表2から、本発明の塗料用添加剤(実施例1〜6)は、比較例1〜6に比べて水との接触角(初期及び浸漬処理後)及び白色度の差が極めて小さく、長期汚染低減性及びその持続性が極めて高いことが認められる。また、本発明の塗料用添加剤は、耐水性も良好であり、塗料のもつ本来の特性を低下させないことがわかる。
本発明の塗料用添加剤は、水性塗料及び非水性塗料のいずれにも適用することができ、これらのうち水性塗料に好適であり、特に水性エマルション塗料に適している。水性エマルション塗料としては、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ハロゲン化オレフィン系、ウレタン系、アクリル−シリコン系又はフッ素系等の塗料が挙げられる。そして、本発明の塗料添加剤は、外壁等の屋外に塗装される塗料(特に水性エマルション塗料)に極めて有用である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
    ただし、一般式(1)において、Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、Lは炭素数6〜15のジイソシアネートの反応残基、OA及びAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3のアルケニル基又は水素原子(すべてのQには少なくとも1個の炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数3のアルケニル基をもつ)、nは0〜80の整数(すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数は10〜80である)、mは2〜4の整数、tは0〜4の整数を表し、R、OA、AO(OA)n、(AO)n、Q、L、n、mは、それぞれ同じでも異なってよい。
  2. 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の添加剤。
  3. ジイソシアネートの反応残基(L)が脂肪族又は脂環式ジイソシアネートの反応残基である請求項1又は2に記載の添加剤。
  4. 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜80モル部とを反応させて得た反応生成物(a12)と、炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)0.5〜3モル部とを反応させて反応生成物(a123)を得た後、さらにこの(a123)と炭素数6〜15のジイソシアネート(a4)0.2〜0.7モル部とを反応させることにより製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
  5. ポリオキシアルキレン化合物(Y)の曇点{ISO1065−1975(E)の測定法B}が20〜50℃である請求項1〜4のいずれかに記載の添加剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の添加剤を水系塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる水系塗料。
  7. 請求項4に記載の塗料用添加剤を製造する方法であって、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)の付加反応をアミドの存在下で行う工程を含むことを特徴とする塗料用添加剤の製造方法。
  8. アミドがN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−(ジメチルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の製造方法。
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