JP3799430B2 - 塗料用添加剤、これを含有してなる塗料及びこの製造方法 - Google Patents
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すなわち、本発明の塗料用添加剤の特徴は、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなる点を要旨とする。
また、本発明の塗料用添加剤の製造方法は、耐水性及び長期汚染低減性に優れた塗膜を形成することができる添加剤を極めて容易に製造することができる。
Xとしては、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン及びアルアルキレン(アリールアルキレン)等が使用できる。また、これらの基に含まれる水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭素数1〜6のアルコキシ等で置換されていても構わず、また、オキサ基(−O−)又はスルホニル基(−SO2−)を含んでいてもよい。
これらのうち、アルキレン及びシクロアルキレンが好ましく、さらに好ましくはヘキサメチレン及びトリメチルシクロヘキシルメチレン、特に好ましくはヘキサメチレンである。
すべてのQには少なくとも1個のOA又はAOをもち、Q1個がもつOA及びAOの総数(個)は、10〜80が好ましく、さらに好ましくは13〜77、特に好ましくは16〜73、最も好ましくは20〜70である。この範囲であると、塗膜の耐水性及び長期汚染低減性がさらに良好となる。
また、n又はmは、すべて同じでもよく、一部又は全部が異なってもよい。
また、tは、0〜4の整数が好ましく、さらに好ましく1〜2である。この範囲であると塗膜の耐水性がさらに良好となる。
また、Rは、すべて同じでもよく、一部又は全部が異なってもよいが、すべてのQには少なくとも1個はアルキル基又はアルケニル基を持っている。
Qが持つRのうち、水素原子の数(個)(Q1個が持つ水素原子の数)は、mが4のとき0〜3が好ましく、さらに好ましくは0〜2,特に好ましくは0又は1であり、mが3のとき、0〜3が好ましく、さらに好ましくは0又は1であり、mが2のとき、0又は1が好ましい。
また、複数種類のアルキレンオキシドを用いる場合、反応させる順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)及び使用割合には制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状の組合せを含むことが好ましくい。また、この場合、EOを含有することが好ましく、EOの使用割合(モル%)は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、2〜20が好ましく、さらに好ましくは3〜18、特に好ましくは4〜17、最も好ましくは5〜15である。すなわち、この場合、EOの使用割合(モル%)の下限は、アルキレンオキシドの全重量に基づいて、2が好ましく、さらに好ましくは3、特に好ましくは4、最も好ましくは5であり、また同様に上限は、20が好ましく、さらに好ましくは18、特に好ましくは17、最も好ましくは15である。
EOと、PO又は/及びBOとを含む場合、(a1)へのEOの反応後にPO及び/又はBOを反応させることが好ましい。
モノハロゲン化アルケニルとしては、1−クロロプロペン、1−ブロモプロペン、2−ブロモプロペン及び2−クロロプロペン等が挙げられる。
これらのうち、モノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、2−ブロモプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペンが好ましく、さらに好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン、モノブロモエタン、1−クロロプロペン及び1−ブロモプロペン、特に好ましくはモノクロロメタン、モノブロモメタン、モノクロロエタン及びモノブロモエタンである。これらは単独で、または混合して使用してもよい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数6〜8のアルキレンジイソシアネート等が用いられ、1,4−ジイソシアナトブタン、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、炭素数8〜15のアリレンジイソシアネート等が用いられ、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数9〜15のシクロアルキレンジイソシアネート等が用いられ、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加MDI、トランス1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加TDI及び水素添加1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのイソシアネートのうち、塗膜の長期汚染低減性及び耐水性等の観点から、1,4−ジイソシアナトブタン、HDI、IPDI、MDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート及び水素添加MDIが好ましく、製品着色性等の観点からさらに好ましくはHDI及びIPDIである。
反応触媒としては、通常使用されるアルキレンオキシド付加反応用触媒等が使用でき、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(カリウムメチラート及びセシウムエチラート等)、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸セシウム及び炭酸バリウム等)、炭素数3〜24の3級アミン(トリメチルアミン、トリオクチルアミン、トリエチレンジアミン及びテトラメチルエチレンジアミン等)、及びルイス酸(塩化第二錫及びトリフッ化ホウ素等)等が用いられる。これらのうち、アルカリ金属の水酸化物及び3級アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム及びトリメチルアミンである。
反応触媒の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常4〜12時間である。
アルキルアミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−N−プロピルアセトアミド及び2−ジメチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール等が挙げられる。
複素環式アミドとしては、N−メチルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム及びN,N−ジメチルピロールカルボン酸アミド等が挙げられる。
反応溶媒を用いる場合、その使用量(重量%)は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて、20〜200が好ましく、さらに好ましくは40〜180、特に好ましくは60〜150である。すなわち、この場合、反応溶媒の使用量(重量%)の下限は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて、20が好ましく、さらに好ましくは40、特に好ましくは60であり、また同様に上限は、200が好ましく、さらに好ましくは180、特に好ましくは150である。
反応溶媒の残存量(重量%)は、ポリオキシアルキレン化合物(Y)の重量に基づいて、0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下、特に好ましくは0.01以下である。なお、反応溶媒の残存量は、内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法にて求めることができる。
反応溶媒の除去方法としては、減圧留去及び吸着除去等が適用でき、減圧留去した後さらに吸着除去することが好ましい。
減圧留去する条件としては、200〜5mmHgの減圧下にて100〜150℃にて留去する条件等が適用できる。
吸着除去としては、合成アルミノシリケート等のアルカリ吸着剤{例えば、商品名:キョーワード700、協和化学工業(株)製}を用いて処理する方法等が適用できる。例えば、キョーワード700を用いる場合、アルカリ吸着剤の添加量(重量%)は、(a2)との反応により生成する生成物の重量に基づいて0.1〜10程度、処理温度は60〜120℃程度、処理時間は0.5〜5時間程度である。続いてろ紙又はろ布等を用いてろ別してアルカリ吸着剤を取り除くことにより、反応溶媒の残存量を減少させることができる。
反応終了後は生成した中和塩及び残存する塩基性物質を除去することが好ましく、その方法としては、(1)まず生成した中和塩等を濾加により取り除き、次いで残存する塩基性物質等を吸着剤等を用いて除去する方法、(2)有機溶剤による抽出法及び(3)食塩等による塩析法等が挙げられる。
(2)の抽出法とは、反応生成物に水と有機溶剤(ヘキサン、トルエン、キシレン等の水に対する溶解性の極めて低いもの)とを加え、振とうすることにより反応生成物を有機溶剤層に抽出し、塩基性物質を水層分離する方法である。なお、有機溶剤層は、さらに脱イオン水等で洗浄する。反応生成物:水:有機溶剤の体積比はほぼ1:1:1が適当である。
(3)の塩析法とは、反応生成物にこれとほぼ同じ体積量の水と適量(水に対して3〜10重量%)の食塩等を加えて振とうすることで反応性生物を水層から析出させて、塩基性物質を水層から分離する方法である。
(2)又は(3)の場合、最終的には合成アルミノシリケートなどのアルカリ吸着剤(例えばキョーワード700)を用いて塩基性物質を完全に除去することが好ましい。
塩基性物質の除去の終点としては、JIS K1557−1970に記載のCPR(Controlled Polymerization Rate)値が20以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
さらに水分を除去することが好ましい。この場合、減圧(100〜1mmHg)下100〜130℃にて1〜2時間脱水する。生成物中の水分は0.5重量%以下、さらには0.05重量%以下とすることが好ましい。
なお、水分は、公知の方法で測定することができ、例えばKarl Fischer法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)や、熱乾燥による重量減(例えば試料0.5gを130℃で1時間乾燥し、その前後の重量変化)により求めることができる。
反応終点の確認は、次の方法等により行うことができる。すなわち、反応温度を15分間一定に保ったとき、反応圧力(ゲージ圧)の低下が0.001MPa以下となれば反応終点とする。所要反応時間は通常1〜6時間である。
反応触媒としては、公知のもの等が使用でき、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート及びトリエチレンジアミン等が一般的である。
粘度調整剤としては、SNシックナー601及び同612(サンノプコ株式会社の商品名)等、消泡剤としてはSNデフォーマー180及び同260(サンノプコ株式会社の商品名)等、湿潤剤としてはSNウエット123及び同980(サンノプコ株式会社の商品名)等、造膜調整剤としてはテキサノール(イーストマンケミカル社製)等が用いられる。なお、含有量としては、ポリオキシアルキレン化合物の重量に基づいて、いずれも0.1〜30重量%が好ましい。
本発明の塗料用添加剤を塗料へ添加するタイミングとしては、(1)顔料を分散するとき、(2)分散した顔料に樹脂成分及び各種添加剤を配合するとき、及び(3)さらに塗装する直前等があるがそのいずれでもよい。
また、試験用塗装片を24時間脱イオン水に浸漬した後に乾燥させ、水との接触角を測定する促進耐久テスト後でも水との接触角が50度以下を保つ塗膜は、汚れが発生し難いとの報告がある{剣持信博、「建築外壁用塗料の表面性状と汚染性」、塗装工学、28、〔4〕147(1993);中家俊和、「建築用汚れ防止塗料の技術開発」、JETI、42、〔5〕8(1994)}。
よって、汚染低減性及びその持続性の指標(長期汚染低減性)を水との接触角をもって評価し、併せて屋外暴露試験により塗膜の耐汚染性を白色度測定にて評価した。
(1)標準塗料
表1の原料組成にて、グラインディング工程及びレットダウン工程にインペラー型羽根を備えたエクセルオートホモジナイザー(日本精器会社製、モデルED)を用いて塗料とした。得られた塗料はつぶゲージ法(JIS K5400−1990)にて5ミクロン以上の粒の無いことを確認した。
この水性エマルション塗料を、ストマー粘度計(JIS K5400−1990)で77KU(25℃)になるように水で希釈して標準塗料とした。
1:サンノプコ(株)製の分散剤
2:サンノプコ(株)製の増粘剤
3:サンノプコ(株)製の消泡剤
4:石原産業(株)製の二酸化チタン
5:大日本インキ化学工業(株)製のアクリル系エマルション
6:サンノプコ(株)製の防腐剤
7:イーストマンケミカル社製の造膜調整剤
8:サンノプコ(株)製の増粘剤
標準塗料に、実施例又は比較例で得られた塗料用添加剤を加え、エクセルオートホモジナイザー(インペラー型羽根)を用い、室温(20〜30℃)にて2000rpm、3分間混合して評価用塗料を作成した。
アセトンで脱脂処理したポリエステルフィルム{商品名:ルミラー75−S10、パナック(株)製、厚さ0.1mmを10×8cmにカットして使用}にウェット時塗膜厚を200μmとして塗布、25℃、60%相対湿度に調整したコントロールルーム(以下、温調室と略す)にて10日間乾燥させて、試験用塗装片とした。
1.水との接触角
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、その塗膜の表面に0.02±0.005mLの脱イオン水を滴下する。1分後に水滴の接触角を測定して初期の接触角とした。なお、接触角の測定は協和化学製コンタクトアングルメーターCAAを用いて温調室にて実施した。
試験用塗装片から1×5cmの大きさの試験片を採り、それを30℃にて、24時間脱イオン水に浸漬した後、温調室(30℃、60%相対湿度)にて48時間乾燥させる。次いで上記と同様にして水との接触角を測定し、これを浸漬処理後の接触角とした。
試験用塗装片から5×5cmの大きさの試験片を採り、これを30℃にて、24時間脱イオン水に浸漬した後、水中より引き揚げ、塗膜表面に発生するブリスターの数及び大きさ等を以下の基準により判定し、これを耐水性の評価とした。
◎:ブリスターなし。
○:直径0.1mm程度のブリスターが若干ある。
△:直径0.5mm以上のブリスターが若干ある。
×:直径0.5mm以上のブリスターが多くある。
試験用塗装片(10×8cm)をスレート板に両面テープを用いて貼り付け、試験板とした。愛知県東海市の地上高3mの屋外暴露台に塗装面を水平面に対して45度になるようにし、かつ塗装面が真北を向くようにして試験板を設置し、平成15年2月末から平成15年9月上旬までの約6ケ月間暴露した。次いで試験用塗装片の表面に付着したゴミ、汚れ等を自重の100%の水を含ませた木綿ウエスにて3回こすり落とし、さらに乾燥木綿ウエスで水気を取り除いた後にL値(白色度)を測定し、測定値(L2)を得た。なお、このL2から、暴露前の試験用塗装片のL値(L1)を差し引いた値が△Lであり、この絶対値(−△L)を白色度の差と表記した。よって、−△L値は小さいほど耐汚染性が良好であることを示す。白色度の測定試験機は日本電色工業(株)製の、SPECTRO COLOR METERMODEL PF-10を用いた。
攪拌、加熱、冷却、滴下、加圧及び減圧の可能な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖{台糖(株)製、以下同じ}を342部(1モル部)、DMF{三菱ガス化学(株)製、以下同じ}1000部を投入した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(窒素置換)を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてPO1392部(24モル部)を7時間かけて滴下し、さらに同温度にて4時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/PO24モル付加物(S1)を得た。DMF含有量(内部標準物質を用いるガスクロマトグラフィー法;以下同じ)は0.07%であった。
標準塗料及び塗料用添加剤(1)を用いて、(1)の含有量が1.0%である評価用塗料1を調整し、さらにこれを用いて試験塗装片1を作成した。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖を342部(1モル部)、N−メチルピロリドン{試薬特級、和光純薬工業(株)製}1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、次いで同温度にてEO88部(2モル部)を1時間かけて滴下した後、さらに同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2320部(40モル部)を8時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてN−メチルピロリドンを除去し、蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)を得た。ガスクロマトグラフィー法によるN−メチルピロリドン含有量は0.05%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、精製グラニュー糖342部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO220部(5モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO3480部(60モル部)を9時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、蔗糖/EO5モル/PO60モル付加物(S3)を得た。DMF含有量は0.04%であった。
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ラフィノース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}504部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO264部(6モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2900部(50モル部)を9時間かけて滴下し次いでBO1448部(2モル部)を2時間かけて滴下し、さらに同温度にて3時間攪拌を続けて残存するPO、BOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、ラフィノース/EO6モル/PO50モル/BO2モル付加物(S4)を得た。DMF含有量は0.02%であった。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、実施例2で得た蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)2750部(1モル部)、水酸化ナトリウム80部(2モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、100〜120℃にてアリルクロライド{試薬特級、シグマ社(株)製}130部(1.7モル部)を5時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理して蔗糖/EO2モル/PO40モル/アリルクロライド1.7モル(S22)を得た。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、実施例3で得た蔗糖/EO5モル/PO60モル付加物(S3)4042部(1モル部)、水酸化ナトリウム48部(1.2モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで同減圧密閉下、80〜100℃にてメチルクロライド50.5部(1モル部)を2時間かけて滴下し、さらに1時間100℃にて攪拌を続け完全に反応系の圧力が平衡に達したことを確認後、実施例1と同様にして粗反応液状物を得た。さらに実施例1と同様にキョーワード処理して蔗糖/EO5モル/PO60モル/メチルクロライド1モル(S32)を得た。
標準塗料をそのまま比較例1の評価用塗料7として用い、試験用塗装片7を作成した。
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ペンタエリスリトール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}136部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO220部(5モル部)を2時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで110℃に昇温した後、この温度にてPO2030部(35モル部)を7時間かけて滴下した後、同温度にて3時間間攪拌を続けて残存するPOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、ペンタエリスリトール/EO5モル/PO35モル付加物(F1)を得た。(F1)の曇点は46.0℃、DMF含有量は0.02%であった。
実施例2で得た蔗糖/EO2モル/PO40モル/メチルクロライド1.4モル(S21)ををそのままポリオキシアルキレン化合物(B2)とした。(B2)の曇点は37.0℃、N−メチルピロリドン含有量は0.02%であった。(B2)を塗料用添加剤(9)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料9及び試験塗装片9を作成した。
実施例1と同様な耐圧反応容器に、実施例2で得た蔗糖/EO2モル/PO40モル付加物(S2)2750部(1モル部)を仕込み、20〜10mmHgの減圧下120℃にて1時間脱水した。次いで50℃まで冷却後、HDI100.8部(0.6モル部)を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ1時間で100℃まで昇温し、同温度にて8時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、ポリオキシアルキレン化合物(B3)を得た。(B3)の曇点は38.0℃、N−メチルピロリドン含有量は0.03%であった。(B3)を本発明の塗料用添加剤(10)とし、実施例1と同様にして、評価用塗料10及び試験塗装片10を作成した。
SNウエット970{サンノプコ(株)製、アニオン系活性剤、有効成分50%品}を比較用の塗料用添加剤(11)とし、添加剤の含有量を1.0%に換えて2.0%として以外実施例1と同様にして、評価用塗料11及び試験塗装片11を作成した。
実施例1と同じ耐圧反応容器に、ジエチレングリコール{試薬特級、和光純薬工業(株)製}106部、DMF1000部を加え、実施例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてEO2200部(50モル部)を8時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで120℃にて100〜10mmHgの減圧下にてDMFを除去し、ポリエチレングリコール、分子量2300(F2)を得た。(F2)のDMF含有量は0.02%であった。
Claims (8)
- 一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(Y)を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
- 非還元性の二又は三糖類の反応残基(Q)が蔗糖の反応残基である請求項1に記載の添加剤。
- ジイソシアネートの反応残基(L)が脂肪族又は脂環式ジイソシアネートの反応残基である請求項1又は2に記載の添加剤。
- 非還元性の二又は三糖類(a1)1モル部と炭素数2〜4のアルキレンオキシド(a2)10〜80モル部とを反応させて得た反応生成物(a12)と、炭素数1〜3のモノハロゲン化炭化水素(a3)0.5〜3モル部とを反応させて反応生成物(a123)を得た後、さらにこの(a123)と炭素数6〜15のジイソシアネート(a4)0.2〜0.7モル部とを反応させることにより製造され得る構造を有するポリオキシアルキレン化合物を必須成分としてなることを特徴とする塗料用添加剤。
- ポリオキシアルキレン化合物(Y)の曇点{ISO1065−1975(E)の測定法B}が20〜50℃である請求項1〜4のいずれかに記載の添加剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の添加剤を水系塗料の重量に基づいて0.1〜5重量%含有してなる水系塗料。
- 請求項4に記載の塗料用添加剤を製造する方法であって、非還元性の二又は三糖類(a1)とアルキレンオキシド(a2)の付加反応をアミドの存在下で行う工程を含むことを特徴とする塗料用添加剤の製造方法。
- アミドがN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−(ジメチルアミノ)アセトアルデヒドジメチルアセタール及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の製造方法。
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