JP2002060682A - 消泡剤を含むカチオン電着塗料組成物 - Google Patents

消泡剤を含むカチオン電着塗料組成物

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JP2002060682A
JP2002060682A JP2000250419A JP2000250419A JP2002060682A JP 2002060682 A JP2002060682 A JP 2002060682A JP 2000250419 A JP2000250419 A JP 2000250419A JP 2000250419 A JP2000250419 A JP 2000250419A JP 2002060682 A JP2002060682 A JP 2002060682A
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carbon atoms
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cationic electrodeposition
mole
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JP2000250419A
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Hiroshi Kawabe
弘 河辺
Akira Hashimoto
彰 橋本
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗膜外観に異常を与えず、かつコストパフォー
マンスに優れている消泡剤を含有するカチオン電着塗料
組成物を提供し、更には、そのような消泡剤を用いて電
着浴や洗浄用UF濾液の発泡を抑制する方法を提供す
る。 【解決手段】ショ糖1モルに炭素数3〜4のアルキレン
オキシド29〜46モルを付加重合して得られた化合物
(A)と、炭素数が2〜6で1〜3個の水酸基を有する
アルコール類にエチレンオキサイド又はプロピレンオキ
サイドを25〜55モル重合し、その曇点が10〜27
℃である化合物(B)とを構成成分とする消泡剤を含有
するカチオン電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消泡剤を含んでい
るカチオン電着塗料組成物およびその消泡剤を用いて電
着浴又は洗浄用UF濾液の発泡抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン電着塗料は、アミノ基、4級ア
ンモニウム基またはスルホニウム基のような水中におい
て負に電離し得る基を持っているカチオン性樹脂を含ん
でいる。そのような電離基は親水性基でもあるので、電
着塗料のカチオン性樹脂は界面活性剤的な性質を帯び、
そのため自己乳化性であり、安定な水分散液をつくる。
【0003】他方、カチオン性樹脂のこのような性質の
ため、カチオン電着塗料は電着浴中で塗料の循環、被塗
物の浸漬、および引上げなどに伴うかきまぜによって泡
立ち易く、放置すると残っている泡の付着に帰因する塗
膜外観異常が発生する。このためカチオン電着塗料は通
常適当な消泡剤を含んでいる。
【0004】従来この目的で広く使用されている消泡剤
は鉱油系およびシリコーン系の消泡剤である。これらの
消泡剤は水に難溶性であるため塗膜に付着するとピンホ
ール、ハジキなどを発生させる。このような欠点のない
消泡剤としてアセチレンアルコール系消泡剤が知られて
いるが、高価でありコストパフォーマンスにおいて実用
的でない。
【0005】一方、被塗物を電着浴に浸漬して電着塗装
した後、洗浄工程に送り、電着された被塗物の洗浄を行
う。この洗浄は、電着浴から引き上げられた被塗物の塗
膜上には余分の電着塗料が付着しており、これを除くた
めのものである。この洗浄工程で発生する洗浄廃液に
は、比較的多量の電着塗料を含んでいるので、その回収
再利用のため限外濾過(以下、UFという)の処理が施
される。この時に発生する濾液すなわちUF濾液を、上
記洗浄工程での洗浄液として用いると、泡が発生し、洗
浄性が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、その目的は、塗膜外観に異常を
与えず、かつコストパフォーマンスに優れている消泡剤
を含有するカチオン電着塗料組成物を提供することであ
り、更には、そのような消泡剤を用いて電着浴や洗浄用
UF濾液の発泡を抑制する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ショ糖1モル
に炭素数3〜4のアルキレンオキシド29〜46モルを
付加重合して得られた化合物(A)と、炭素数が2〜6
で1〜3個の水酸基を有するアルコール類1モルにエチ
レンオキサイド又はプロピレンオキサイドを25〜55
モル重合し、その曇点が10〜27℃である化合物
(B)とを構成成分とする消泡剤を含有するカチオン電
着塗料組成物である。
【0008】上記消泡剤は、平均炭素数12〜18のア
ルキルアミン1モルに炭素数2または3のアルキレンオ
キシド4〜15モルを付加重合して得られた化合物
(C)を、さらに構成成分として含むものであってもよ
い。
【0009】上記化合物(A)は、ショ糖のプロピレン
オキシド26〜46モルおよび1,2−ブチレンオキシ
ド0〜3モルの付加重合物であることが好ましい。
【0010】上記化合物(A)は、水酸化カリウム又は
水酸化セシウムを付加重合触媒として用い、かつ分子量
の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.2以
下であることがより好ましい。
【0011】一方、上記化合物(B)は、炭素数2〜4
のグリコールにプロピレンオキシドを重合して得られる
化合物であることが好ましい。
【0012】一方、上記化合物(C)は、エチレンオキ
シド0〜3モルおよびプロピレンオキシド2〜8モルの
付加重合物であることが好ましい。
【0013】上記消泡剤は、カチオン電着塗料組成物中
に100〜10,000ppm含有していることが好ま
しい。
【0014】一方、本発明は、ショ糖1モルに炭素数3
〜4のアルキレンオキシド29〜46モルを付加重合し
て得られた化合物(A)と、炭素数が2〜6で1〜3個
の水酸基を有するアルコール類1モルにエチレンオキサ
イド又はプロピレンオキサイドを25〜55モル重合
し、その曇点が10〜27℃である化合物(B)とを構
成成分とする消泡剤を10〜1000ppmの濃度で、
カチオン電着塗料浴に添加することを特徴とする電着浴
の発泡を抑制する方法である。
【0015】さらに、上記消泡剤は、平均炭素数12〜
18のアルキルアミン1モルに炭素数2または3のアル
キレンオキシド4〜15モルを付加重合して得られた化
合物(C)を含有することが好ましい。
【0016】また、本発明は、ショ糖1モルに炭素数3
〜4のアルキレンオキシド29〜46モルを付加重合し
て得られた化合物(A)と、炭素数が2〜6で1〜3個
の水酸基を有するアルコール類1モルにエチレンオキサ
イド又はプロピレンオキサイドを25〜55モル重合
し、その曇点が10〜27℃である化合物(B)とを構
成成分とする消泡剤を10〜1000ppmの濃度で、
洗浄用限外濾過濾液に添加することを特徴とする洗浄用
限外濾液の発泡を抑制する方法でもある。
【0017】また、上記消泡剤は、さらに、平均炭素数
12〜18のアルキルアミン1モルに炭素数2または3
のアルキレンオキシド4〜15モルを付加重合して得ら
れた化合物(C)を含有することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、ショ糖1モルに炭素数
3〜4のアルキレンオキシド29〜46モルを付加重合
して得られた化合物(A)と、炭素数が2〜6で1〜3
個の水酸基を有するアルコール類1モルに炭素数2〜3
のアルキレンオキシドを25〜55モル重合し、その曇
点が10〜27℃である化合物(B)とを構成成分とす
る消泡剤を含有することを特徴とするカチオン電着塗料
組成物である。
【0019】上記化合物(A)は、1種のポリエーテル
ポリオールである。よく知られているように、ポリエー
テルポリオールはヒドロキシル基やアミノ基のような活
性水素含有基を有する化合物を開始剤とし、アルカリ触
媒の存在下アルキレンオキシドを付加重合することによ
って製造される。
【0020】具体的には、開始剤として、ショ糖を用
い、アルキレンオキシドとしてははプロピレンオキシド
(PO)、ブチレンオキシド(BO)、またはその両者
を用いて製造される。付加モル数はショ糖1モル当り2
9〜46モルであるが、そのうちPOが26〜46モ
ル、特に30〜43モルを占め、残りがBOであること
が好ましい。POとBOの両方を付加重合させる場合、
ランダムでもよいが、一般にPOを先に付加し、BOを
末端へ付加したブロック共重合体が好ましい。使用し得
る触媒は既知であるが、アルカリ金属、特にカリウム、
セシウムの水酸化物および炭酸塩が好ましい。中でも水
酸化カリウム、水酸化セシウムが好ましい。また化合物
(A)は狭い分子量分布を有することが好ましく、分散
度(Mw/Mn)1.2以下、特に1.15以下が好ま
しい。
【0021】上記化合物(B)は、アルキレンオキシド
化合物である。その化合物(B)を成す炭素数が2〜6
で1〜3個の水酸基を有するアルコールとしては、例え
ばブタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパンなどが挙げられる。これらのうち
好ましいのは炭素数2〜4のグリコールである。また、
これらに付加重合させるものとしては、エチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイドが挙げられ、好ましく
はプロピレンオキサイドである。これらの付加モル数は
25〜55、好ましくは28〜50である。エチレンオ
キサイドまたはプロピレンオキサイドの付加重合の順序
は特に限定されず、重合形式もブロック、ランダム何れ
でもよい。また、上記化合物(B)の曇点は、10〜2
7℃、好ましくは14〜25℃である。曇点が27℃を
超えても、また10℃を下回っても十分な消泡性が得ら
れず、特に27℃を超える場合は低温時の消泡性が得ら
れない。
【0022】ここで、曇点とは、非イオン系界面活性剤
の親水性の尺度となるもので、一般に曇点が高いほど親
水性が大きいことを表している。その曇点の測定方法
は、ISO1065−1975(E)、「エチレンオキ
シド系非イオン性界面活性剤−曇り点測定法」の中の
「測定法B」に準じた。即ち、まず25重量%のブチル
ジグリコール(ブタノール/エチレンオキサイド2モル
付加物)水溶液に、試料を10重量%濃度になるように
溶解する。次いでこの試料溶液約5ccを試験管に採
り、試験管中に温度計を入れて攪拌しながら徐々に加熱
するとついには試験溶液が白濁する。次いで攪拌しなが
ら徐々に冷却し、試料溶液が白濁から透明に転ずる温度
を読み取り、これを曇点とする。
【0023】アルコールへのエチレンオキサイドまたは
プロピレンオキサイドの付加重合に使用する触媒として
は、アルカリあるいはアルカリ土類の水酸化物が好まし
く、特に水酸化カリウムが好ましい。
【0024】一方、上記化合物(C)は、上記消泡剤の
構成成分としてさらに含有していても良く、その化学構
造は、上記化合物(A)と同様に1種のポリエーテルポ
リオールであり、上記化合物(A)と基本的には同様の
方法で製造される。
【0025】上記化合物(C)は、開始剤として平均炭
素数12〜18のアルキルアミンを使用し、アルキレン
オキシドとしてエチレンオキシド(EO)、POまたは
その両方を使用して同様に付加重合によって製造するこ
とができる。この場合アルキルアミン1モル当りのアル
キレンオキシドの付加モル数は、4〜15であり、その
うちEOは0〜2モルが好ましい。EOが2モルを越え
る場合は消泡力が低下する。またPOの付加モル数は2
〜8であり、好ましくは4〜7である。
【0026】本発明の消泡剤はどのタイプのカチオン電
着塗料に使用しても効果がある。良く知られているよう
に、カチオン性樹脂のタイプにより、カチオン電着塗料
にはエポキシ系、アクリル系、ポリブタジエン系などが
ある。塗料の製造は、これらカチオン性樹脂とその硬化
剤(ブロックポリイソシアネートなど)を中和剤として
酸を含む水性媒体中に分散してメインエマルションを調
製し、これに顔料分散ペーストを加え、必要あれば脱イ
オン水で所望の不揮発分に調整することにより行われ
る。消泡剤は、メインエマルションへ添加するかまたは
顔料分散ペーストを添加した希釈塗料へ添加してもよ
い。添加量は塗料の発泡し易さの程度にもよるが、一般
に100〜10,000ppmである。よほど過剰に使
用しない限り既知の消泡剤のように塗膜外観に悪影響す
ることはない。カチオン電着塗料がこの濃度範囲で本発
明の消泡剤を含むことにより、電着浴の発泡を効果的に
抑制することができる。
【0027】本発明は、上記消泡剤を、直接電着浴に1
0〜1000ppmの濃度となるように添加して、電着
浴における泡の発生を抑制する方法である。10ppm
未満であると、十分に泡の発生を抑制できず、1000
ppmを超えると電着塗膜の外観が低下する恐れがあ
る。
【0028】一方、本発明は、上記消泡剤を、洗浄用U
F濾液に10〜1000ppmの濃度となるように添加
して、洗浄用UF濾液の泡の発生を抑制する方法であ
る。10ppm未満であると、十分に泡の発生を抑制す
ることができず、1000ppmを超えると、消泡効果
が十分であるにもかかわらず、添加量が多くなり経済的
に無駄となる恐れがある。
【0029】ここで、洗浄用UF濾液とは、電着塗装後
に、被塗物の塗膜上に付着する余分の電着塗料を除くた
めに行われる洗浄工程で発生する洗浄廃液を、UF処理
により得られた濾液をいう。この洗浄用UF濾液が、上
記洗浄工程での洗浄液として用いられる。
【0030】
【実施例】以下の実施例中、「部」および「%」は重量
基準による。
【0031】製造例1 化合物(A)の製造 サンニックスポリオールRP−410A(三洋化成工業
(株)製、ショ糖/PO13モル付加物、平均水酸基価
410)1095部に水酸化カリウム6.0部を加え、
130℃にて減圧下脱水の後、POの17モル、986
部とBOの1モル、72部とを100〜120℃にて滴
下して付加重合させた。所要反応時間は約8時間であっ
た。次いで90℃にてイオン交換水6部を加えた後、ア
ルカリ吸着剤であるキョーワード600(協和化学
(株)製)50部を加え、同温度にて1時間攪拌した。
次いで同温度にてNo.2濾紙(東洋濾紙会社製)を用
いて濾過して触媒を吸着除去しさらに減圧下120℃に
て脱水処理して、ショ糖/PO30モル/BO1モル付
加物、分散度1.05の化合物(A)を製造した。
【0032】製造例2 化合物(B)の製造 加熱、攪拌、滴下可能な耐圧容器に、n−ブタノール7
4部、水酸化カリウム5.0部を加えて減圧下脱水の
後、EOの1モル44部、次いでPOの38モル220
4部を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。所
要反応時間は約12時間であった。次いで、90℃にて
イオン交換水5部を加えた後、キョーワード600(協
和化学(株)製)70部を加え、同温度にて1時間攪拌
した。次いで同温度にてNo.2濾紙(東洋濾紙会社
製)を用いて濾過して触媒を吸着除去しさらに減圧下1
20℃にて2時間脱水処理して、n−ブタノール/EO
1モル/PO38モル付加物の化合物(B)を製造し
た。その曇点は15.6℃であった。
【0033】製造例3 化合物(C)の製造 加熱、攪拌、滴下可能な耐圧容器に,ステアリアミン2
69部、水酸化カリウム1.5部を加えて120℃にて
減圧下脱水の後、EOの1モル44部、次いでPOの8
モル464部を100〜120℃びて滴下し付加重合さ
せた。所要反応時間は約10時間であった。次いで、9
0℃にてイオン交換水2部を加えた後、キョーワード6
00(協和化学(株)製)30部を加え、同温度にて1
時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙(東洋濾
紙会社製)を用いて濾過して触媒を吸着除去しさらに減
圧下120℃にて2時間脱水処理して、ステアリルアミ
ン/EO1モル/PO8モル付加物の化合物(C)を製
造した。
【0034】<架橋剤の製造>攪拌装置、窒素導入管、
冷却管および温度計を備えた反応容器に、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート840部を入れ、メチルイソブチル
ケトン(MIBK)609部で希釈した後、ジブチルス
ズジラウレート0.9部を加え、50℃に昇温後、トリ
メチロールプロパン223.5部を内温が70℃をこえ
ないように注意しながら徐々に加えた。ついでメチルエ
チルケトオキシム435部を内温が70℃をこえないよ
うに注意しながら加え、赤外吸収スペルトルによりイソ
シアネート基の吸収が消失するまで70℃に1時間保
ち、その後n−ブタノール32部を加え希釈して、架橋
剤を得た。
【0035】<顔料分散ペーストの製造>エポキシ系4
級アンモニウム塩型顔料分散樹脂(固形分50%)1
9.1部、二酸化チタン30.4部、カオリン14.0
部、塩基性ケイ酸鉛1.4部、カーボンブラック0.9
部、脱イオン水34.3部をサンドグラインドミルで粒
度10μ以下まで分散し、顔料分散ペースト(固形分5
6%)を得た。
【0036】<塗料の製造>攪拌装置、窒素導入管、冷
却管および温度計を備えた反応容器に、エポキシ当量9
50のビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製
エポトートYD−014)950部、MIBK237.
5部を仕込み、100℃に加温して溶解させた。これへ
N−メチルエタノールアミン60部、ジエチレントリア
ミンのメチルイソブチルジケチミン73%MIBK溶液
73部を加え、120℃で1時間保温し、カチオン性樹
脂を得た。
【0037】このカチオン性樹脂1320部と、上記で
得た架橋剤570部と、エチレングリコールモノヘキシ
ルエーテル100部を混合し、氷酢酸34部と脱イオン
水479部との混合液で中和し、脱イオン水2215部
をかきまぜながらゆっくり加え、次いで固形分36%な
るまで減圧下有機溶剤を留去し、メインエマルションを
得た。
【0038】このようにして得たメインエマルション3
89部と、上記で得た顔料分散ペースト107部と、脱
イオン水504部を混合し、試験用のカチオン電着塗料
を得た。
【0039】実施例1 製造例1で製造した化合物(A)と製造例2で製造した
化合物(B)と製造例3で製造した化合物(C)とを、
重量配合比2/0.5/1となるよう配合して消泡剤を
作成して、製造例4で調製したカチオン電着塗料に50
0ppmの濃度になるように添加して、以下の要領で消
泡性試験を行った。その結果を表1示す。
【0040】消泡性試験 (1)塗料での消泡性試験 上記で調製したカチオン電着塗料200mlに上記濃度
となるように消泡剤を添加し、攪拌機(1500rp
m)で10分間攪拌し、これをフォードカップ#4に入
れ、1mの高さから500mlメスシリンダー中へ落下
させ、落下直後および所定時間経過後の泡の体積(m
l)を測定した。これを建浴1日後の消泡性試験結果と
して、表1に示す。
【0041】一方、上記で調製したカチオン電着塗料を
1週間30℃で密閉攪拌の条件下でエイジングした後、
200ml採取して、上記と同様の要領で泡の体積を測
定した。これを建浴7日後の消泡性試験結果として、表
1に示す。
【0042】(2)洗浄用UF濾液での消泡性試験 上記で得たカチオン電着塗料を、旭化成製UFモジュー
ルKCP−1010に通して限外濾過を行い、洗浄用U
F濾液を調製し、その濾液200mlに上記濃度となる
ように消泡剤を添加して、前項(1)と同様にして消泡
性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0043】電着試験 上記の消泡性試験に供した消泡剤添加カチオン電着塗料
を、リン酸亜鉛処理した鋼板に150Vで3分間電着
し、水洗、乾燥後、160℃で20分間焼付けた。目視
により硬化塗膜単位面積あたりのクレーター(ハジキ)
の個数をもって塗膜外観を評価した。結果を表1に示
す。 ○: <1/100cm2 △:1〜3/100cm2 ×: >3/100cm2
【0044】実施例2および3 実施例1で調整した消泡剤を、カチオン電着塗料に20
0ppm(実施例2)、1000ppm(実施例3)と
なるように添加して、実施例1と同様にして消泡性試験
と電着試験を行った。その結果を表1に示す。
【0045】実施例4 製造例1で製造した化合物(A)と製造例2で製造した
化合物(B)と製造例3で製造した化合物(C)とを、
重量配合比2/1/1となるよう配合して消泡剤を作成
して、製造例4で調製したカチオン電着塗料に200p
pmの濃度になるように添加した以外は、実施例1と同
様にして消泡性試験と電着試験を行った。その結果を表
1に示す。
【0046】比較例1 製造例1で製造した化合物(A)と製造例3で製造した
化合物(C)とを、重量配合比2/1となるよう配合し
て消泡剤を作成して、製造例4で調製したカチオン電着
塗料に500ppmの濃度になるように添加した以外
は、実施例1と同様にして消泡性試験と電着試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0047】比較例2 製造例1で製造した化合物(A)のみからなる消泡剤
を、製造例4で調製したカチオン電着塗料に500pp
mの濃度になるように添加した以外は、実施例1と同様
にして消泡性試験と電着試験を行った。その結果を表1
に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の電着塗料を用いることにより、塗膜の外観を損なわ
ずに、電着塗装時での泡の発生を抑制することができる
ことが確認された。さらには、本発明で用いた消泡剤
を、洗浄用UF濾液に添加すると、洗浄用濾液での泡の
発生をも抑制することが確認された。
【0050】
【発明の効果】本発明のカチオン電着塗料を用いること
により、塗膜の外観を低下させずに、電着塗装時での泡
の発生を抑制することができる。また、本発明のカチオ
ン電着塗料に含有させる消泡剤を、洗浄用UF濾液に添
加すると、電着塗装の次工程である洗浄工程での泡の発
生を抑制することができる。このことより、本発明での
消泡剤を予め、カチオン電着塗料に添加しておけば、電
着塗装時での泡の発生を抑制するとともに、そのカチオ
ン電着塗料を用いた電着塗装より得られた洗浄用UF濾
液を用いる洗浄工程においても、泡の発生を抑制するこ
とができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ショ糖1モルに炭素数3〜4のアルキレン
    オキシド29〜46モルを付加重合して得られた化合物
    (A)と、炭素数が2〜6で1〜3個の水酸基を有する
    アルコール類1モルにエチレンオキサイド又はプロピレ
    ンオキサイドを25〜55モル重合し、その曇点が10
    〜27℃である化合物(B)とを構成成分とする消泡剤
    を含有するカチオン電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】平均炭素数12〜18のアルキルアミン1
    モルに炭素数2または3のアルキレンオキシド4〜15
    モルを付加重合して得られた化合物(C)を、さらに構
    成成分とする消泡剤を含有する請求項1記載のカチオン
    電着塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記化合物(A)が、ショ糖のプロピレン
    オキシド26〜46モルおよび1,2−ブチレンオキシ
    ド0〜3モルの付加重合物であることを特徴とする、請
    求項1又は2記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記化合物(A)が、水酸化カリウム又は
    水酸化セシウムを付加重合触媒として用い、かつ分子量
    の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.2以
    下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかひ
    とつに記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記化合物(B)が、炭素数2〜4のグリ
    コールにプロピレンオキシドを重合してなる請求項1〜
    4のいずれかひとつに記載のカチオン電着塗料組成物。
  6. 【請求項6】前記化合物(C)が、エチレンオキシド0
    〜3モルおよびプロピレンオキシド2〜8モルの付加重
    合物である消泡剤を含有する請求項1〜5のいずれかひ
    とつに記載のカチオン電着塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記消泡剤の含有量が100〜10,00
    0ppmである請求項1〜6のいずれかひとつに記載の
    カチオン電着塗料組成物。
  8. 【請求項8】ショ糖1モルに炭素数3〜4のアルキレン
    オキシド29〜46モルを付加重合して得られた化合物
    (A)と、炭素数が2〜6で1〜3個の水酸基を有する
    アルコール類1モルにエチレンオキサイド又はプロピレ
    ンオキサイドを25〜55モル重合し、その曇点が10
    〜27℃である化合物(B)とを構成成分とする消泡剤
    を10〜1000ppmの濃度で、カチオン電着塗料浴
    に添加することを特徴とする電着浴の発泡を抑制する方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の消泡剤が、さらに平均炭
    素数12〜18のアルキルアミン1モルに炭素数2また
    は3のアルキレンオキシド4〜15モルを付加重合して
    得られた化合物(C)を含有することを特徴とする電着
    浴の発泡を抑制する方法。
  10. 【請求項10】ショ糖1モルに炭素数3〜4のアルキレ
    ンオキシド29〜46モルを付加重合して得られた化合
    物(A)と、炭素数が2〜6で1〜3個の水酸基を有す
    るアルコール類1モルにエチレンオキサイド又はプロピ
    レンオキサイドを25〜55モル重合し、その曇点が1
    0〜27℃である化合物(B)とを構成成分とする消泡
    剤を10〜1000ppmの濃度で、洗浄用限外濾過濾
    液に添加することを特徴とする洗浄用限外濾液の発泡を
    抑制する方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の消泡剤が、さらに平
    均炭素数12〜18のアルキルアミン1モルに炭素数2
    または3のアルキレンオキシド4〜15モルを付加重合
    して得られた化合物(C)を含有することを特徴とする
    洗浄用限外濾液の発泡を抑制する方法。
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