JP4503181B2 - 自動車の自動変速機のためのパーキングブレーキ - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、つめがパーキングつめ車に係合して、パーキングつめ車を回り止めすることによって、変速機の出力側を制止する自動車自動変速機用のパーキングブレーキに関する。
【０００２】
ドイツ国特許第４３１７２５７号明細書は、シリンダに圧油が充填されると、そのピストンがリンクを介して連接棒をばね力に抗して移動することにより、つめがパーキングつめ車から引き外される自動車自動変速機用のパーキングブレーキを記載する。連動機構を介してハンドレバーを手操作で動かすことにより、連接棒とリンクのつめを移動して係合させ、パーキングブレーキのロックを解除することができる。ピストン棒は直線運動させられるリンクを介してつめと連接棒を直結し、直線運動が連接棒に直接伝達されるから、同じく直線運動を行なう連動機構は車両の乗客室で終わるので、自動変速機に密封するのが面倒である。パーキングブレーキを液圧により解除する場合は、連接棒が直線運動を行なうことによって、つめがパーキングつめ車から引き外される。連接棒はリンクの斜めに走るスロットで案内されるピンによって引き戻される。このためピンと斜めに走るスロットとの間に大きな摩擦力が生じる。パーキングブレーキが手操作で非常解除され、ピンがリンクに係合すれば、液圧装置のピストンに圧力が作用し、ピンが係合を離脱することができるので、この位置が再び解除される。この状態でピンがリンクのスロットの二又分岐に出会って、せん断される可能性がある。また直線的に支持されたリンクは直線力に反応するばね質量系をなすので、リンクを使用することによって走行の衝撃がパーキングブレーキ装置の思いがけない作動を引き起こす可能性がある。
【０００３】
本発明の根底にあるのは、高い信頼性、簡単な構造、確実な密封及び僅かな摩擦を特徴とする自動車自動変速機用のパーキングブレーキを提供する課題である。
【０００４】
この課題は本発明に基づき請求項１の特徴開示部分に挙げた特徴によって解決される。有利な実施態様が従属請求項に記載されている。
【０００５】
パーキングブレーキは、つめ付き連接棒と連結されて、ピストン、シリンダ及びもどしばねからなる液圧作動装置により移動させられる装置からなる。この装置は共通の軸上に配設された２枚のディスクからなり、ディスクの回転によってパーキングブレーキの機能を操作することができる。ここで切欠きディスクと呼ぶ第１のディスクは、心外れに取り付けられた、つめ付き連接棒のための第１の継手と、第１の継手と相対して心外れに取り付けられた、液圧作動装置のための第２の継手とを有する。液圧作動装置が作動されると、もっぱら装置の回転運動によりパーキングブレーキがロックされ又はロックを解除される。ここで非常ロック解除ディスクと呼ぶ第２のディスクは、切欠きディスクのポケットの中で移動し得るピンを介して切欠きディスクと連結され、非常ロック解除ディスクを遊転不能に固着し、切欠きディスクを回転自在に支承した中心軸で連結されている。中心軸は変速機ケースのシールを経て変速機の外部の非常ロック解除用連動機構と連結されている。非常ロック解除ディスクは２個のストップの間で回転され、非常ロック解除により、即ち非常ロック解除ディスクの回転及びピンを介して切欠きディスクの回転によりパーキングブレーキのロックを解除した位置に自動的に保持され、保持機構好ましくはばねの自動解除により第１のディスクが回転してこの位置が再び初期状態に回し戻されるまで、保持機構によりこの位置に保持される。ディスクは純回転運動を行なうから、ディスクの中心軸を自動変速機のケースの中に簡単に収納することが可能であり、軸が自動変速機のケースを貫いて外へ導き出されているので、連動機構を簡単に取付け、軸をケース内に確実に密封することが可能である。直線的に運動させられる質量を使用しないので、本発明は大きな衝撃荷重のもとでも確実に機能する。
【０００６】
本発明の本質をなすその他の特徴は実施例の下記の機能説明で明らかである。
【０００７】
次に本発明の好適な実施例を当該の図面で説明する。
【０００８】
図１：
自動変速機のケース１１の内部に装置１、操作装置７、手動操作装置１３及びロッキング１７からなるパーキングブレーキがある。自動変速機が系統圧力を発生しなければ、操作装置７は無圧であり、ピストン６はばね９によりシリンダ８の中で停止するまで又はポケット５がピン４で停止するまで移動される。ピストン６は継手１８により切欠きディスク２と継手１９を経てロッキング１７と連結されている。ロッキング１７は円錐体とパーキングつめ１６及び図示しないパーキングつめ車からなる。ピストン６がシリンダ１８内の停止位置へ移動することによって、切欠きディスク２が継手１８により中心軸２０の回りに回転され、ばね９のばね力に助けられて継手１９を移動するから、ロッキング１７のパーキングつめ１６がパーキングつめ車とかみ合い、パーキングつめ車を制止する。切欠きディスク２はポケット５を有し、非常ロック解除ディスクに固定されたピン４がこのポケットの中にある。非常ロック解除ディスク３のストップ１０は、ばね１２のばね力により変速機ケース１１に押し付けられる。手動操作装置とばね１２の力が軸２１を経て非常ロック解除ディスク３に加えられる。理解の便宜上図１、２及び３では手動操作装置がカムを介して非常ロック解除ディスク３と連結されている。非常ロック解除ディスク３のストップ１０はケース１１に接しているから、切欠きディスク２はポケット５がピン４に又はピストン６がシリンダ８に接するまでさらに回転される。保持ばね１４と突起２２からなる保持機構の保持ばね１４は、ロック解除状態（開放状態）で突起２２の上にある。
【０００９】
図２：
図２ではパーキングブレーキを手操作で解除した状態を説明する。車両を牽引しなければならない場合にこれが必要である。手動操作装置１３を操作することによって、ストップ２３がケース１１に接するまで、非常ロック解除ディスク３が回転する。その際ばね１２が緊圧される。非常ロック解除ディスク３に固定されたピン４は切欠きディスク２のポケット５に当接し、継手１９がロッキング１７を解放するまで切欠きディスク２を回転する。非常ロック解除ディスク３のストップ２３がケース１１に到達すると、パーキングブレーキが解除され、保持ばね１４により非常ロック解除ディスク３の回転（図２における時計回り方向の回転）が防止されるように、保持ばね１４が非常ロック解除ディスク３の突起２２に係合する。この位置で車両を牽引することができる。
【００１０】
図３：
図３は液圧力を加えることによってロッキングブレーキを解除するロッキングブレーキ位置を示す。このために操作装置７のシリンダ８に液圧が与えられる。液圧はピストン６に作用して、ピストンと継手１８を移動する。それによって切欠きディスク２が回転され、カム１５がリテーナ１４を持ち上げるから、ストップ１０がケース１１に当接するまで、非常ロック解除ディスク３の突起２２が保持ばね１４の下に押しやられる。こうして非常ロック解除ディスク３と手動操作装置１３がばね１２のばね力により初期状態に回し戻される。同時に切欠きディスク２の回転によって継手１９が動かされるから、ロッキング１７がばね力９に抗して解除される。こうして液圧を操作装置７に働かせることによって非常ロック解除装置の保持機構（１４、２２）は自動的にリセットされて、ロック解除状態となる。保持ばね１４は自由端にローラを備えることができる。このローラによって保持ばね１４をカム１５からたやすく解放することができる。
【００１１】
図４：
図４は軸２１により手動操作装置１３が非常ロック解除ディスク３に簡単に取付けられることを特に示す装置の断面図を示す。この構造によってロック解除装置１の簡単で確実な密封が与えられる。軸２１と切欠きディスク２及び非常ロック解除ディスク３は中心軸２０の回りに回転することができ、ケース１１の中に収納されている。非常ロック解除ディスク３はピン継手で軸２１と連結することが好ましい。切欠きディスク２は軸２１に回転自在に支承される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 パーキングつめ車がパーキングつめによって制止されたパーキングブレーキの図である。
【図２】 手操作でロックを解除され、パーキングつめがパーキングつめ車を解放するパーキングブレーキの図である。
【図３】 液圧によりロックを解除され、パーキングつめがパーキングつめ車を解放するパーキングブレーキの図である。
【図４】 前述の種類のパーキングブレーキの断面図である。
【符号の説明】
１ 装置
２ 切欠きディスク
３ 非常ロック解除ディスク
４ ピン
５ ポケット
６ ピストン
７ 操作装置
８ シリンダ
９ ばね
１０ ストップ
１１ ケース
１２ ばね
１３ 手動操作装置
１４ 保持ばね
１５ カム
１６ パーキングつめ
１７ ロッキング
１８ 継手
１９ 継手
２０ 中心軸
２１ 軸
２２ 突起
２３ ストップ
１４、２２ 保持機構

Claims (4)

1. 運転者が操作装置により発信する操作信号に基づき、ディスク（２、３）を有する装置（１）を介して、ピストン（６）、シリンダ（８）及びもどしばね（９）からなる液圧式操作装置（７）によりパーキングつめ（１６）が移動されることによって、自動変速機を制止又は解放するように構成された自動車自動変速機用のパーキングブレーキであって、このパーキングブレーキは、前記パーキングつめ（１６）を手動操作により車室から連動機構を介して移動させて自動変速機を解放することもでき、このとき前記パーキングつめ（１６）を係合が解かれた状態に保持する保持機構（１４、２２）を有しているパーキングブレーキにおいて、
   前記液圧式操作装置（７）への給圧により前記装置（１）をその中心軸（２０）の周りに回転することによって、前記パーキングつめ（１６）が係合を解かれて、前記保持機構（１４、２２）が開放状態にされ、前記液圧式操作装置（７）の無圧切換えにより、前記装置（１）がその中心軸（２０）の周りに逆方向に回転されて、前記パーキングつめ（１６）が係合するように構成されていることを特徴とするパーキングブレーキ。
2. 車室から連動機構を介して手動操作装置（１３）を手動操作することにより、前記装置（１）がその中心軸（２０）の周りに回転されて、前記パーキングつめ（１６）が自動変速機を解放し、前記保持機構（１４、２２）が作動され、前記パーキングつめ（１６）を係合が解かれた状態に保持するように構成されていることを特徴とする請求項１に記載のパーキングブレーキ。
3. 前記装置（１）が２枚のディスク（２、３）からなり、これらのディスクが共通の中心軸（２０）上に配設されるとともにピン（４）で連結されており、前記ピン（４）及びポケット（５）がディスク相互の回転行程を制限することを特徴とする請求項１又は２に記載のパーキングブレーキ。
4. 自動変速機のケース（１１）の中の前記ディスク（２、３）の回転行程がストップ面（１０、２３）によって制限されることを特徴とする請求項１から３のうちのいずれか一項に記載のパーキングブレーキ。

Images