JP4477898B2 - 酒類およびその製造方法 - Google Patents

酒類およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4477898B2
JP4477898B2 JP2004043065A JP2004043065A JP4477898B2 JP 4477898 B2 JP4477898 B2 JP 4477898B2 JP 2004043065 A JP2004043065 A JP 2004043065A JP 2004043065 A JP2004043065 A JP 2004043065A JP 4477898 B2 JP4477898 B2 JP 4477898B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roasted
koji
raw material
barley
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004043065A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005229905A (ja
Inventor
昇志 吾郷
知生 難波
利和 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Breweries Ltd
Original Assignee
Asahi Breweries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Breweries Ltd filed Critical Asahi Breweries Ltd
Priority to JP2004043065A priority Critical patent/JP4477898B2/ja
Publication of JP2005229905A publication Critical patent/JP2005229905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4477898B2 publication Critical patent/JP4477898B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、ピラジン類化合物を豊富に含んだ芳香性の高い酒類とその製造方法に関し、特に、焙煎処理してピラジン類化合物を生成させた穀物等を用いて醸造された焼酎とその製造方法に関する。
従来より、清酒、焼酎、みりん、食酢及び甘酒等の酒類、食品の原料処理は玄米の精白、洗米、浸漬及び蒸煮からなる。この従来の原料処理法により醸造された清酒、焼酎等は、通常の市販商品として親しまれている。しかし、近年製品の多様化が進み、これら清酒や焼酎等に関して原料処理に工夫を加えることで、香味の改善された品質の製品を得る技術が開発されているが、その一つに原料を焙炒処理をする方法(例えば、特許文献1)で酒類を製造することが行われている。この焙炒処理は、原料穀物を200〜400℃の熱風で処理して、原料穀物の澱粉質のアルファ化率を高め、これを麹や水と仕込んで発酵させる方法であるが、これにより原料穀物のアルファ化率が高まり発酵日数を著しく短縮すると共に原料穀物の焙炒に由来する香りを付与している。
ところが、上記従来の焙炒処理による焼酎等の酒類の製造方法では、原料穀物をガス燃焼や重油燃焼によって得た乾燥熱風で加熱してアルファ化するため、原料穀物粒の品温上昇によって含有水分が極めて急激に蒸散する結果、不均一でしかも過度のアルファ化状態を呈するものとなり、原料穀物が急激な物性変質を起こし、異質な物質に変化して原料の本来の旨味が損なうことがある。また、原料の内部は表面に比べて加熱されにくいので、内部までアルファ化しようとして原料穀物を過度に加熱すると、原料穀物の表皮組織を形成している脂質から酵素分解された脂肪酸が多く出て原料穀物の澱粉質に浸透する。そのためにこの焙煎処理された穀物を発酵させて蒸留すると、抽出した焼酎等の酒類の原液に酸化臭や焦げ臭が残留してしまい、味や香りが極度に低下した品質の低い酒類となってしまう。
そこで、この抽出した焼酎等の酒類の原液から酸化臭や焦げ臭を除去するため、一旦抽出した原液を瀘過処理することが行なわれている。
また、精麦を直接に乾燥熱風で処理する代わりに加熱蒸気で処理する方法が特許文献2では提案されている。この方法は180℃〜200℃の加熱蒸気で60秒〜180秒間加熱処理して麦の澱粉質をアルファ化した原料麦と水の混合物に麹を接種して培養した一次もろみに、180℃〜200℃の加熱蒸気を60秒〜180秒間加えて澱粉質をアルファ化した二次掛け用の原料麦と水を加えて二次もろみをつくり、発酵させたあと蒸留して製造する加熱蒸気法による焙煎麦焼酎の製造するものである。
この加熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法によれば、精麦を加熱してアルファ化する際に加熱蒸気を用いて処理するため、麦のアルファ化が穏やかに進行し、麦の表皮や糊粉層にある粗蛋白質脂質部分が変性して酸素による影響を受け難くなる。この作用により、従来の乾燥熱風処理のように麦の内部に酸化臭や焦げ臭が残留することがなく、香ばしい香り有する麦焼酎となるというものである。
特開平2−79965号公報 特開平6−113811号公報
しかしながら、熱風により焙煎処理した原料麦を発酵させて製造した焼酎等の酒類の原液に残留する酸化臭や焦げ臭を濾過処理で除去する方法では、焼酎等の酒類の旨味までも除去してしまい、焼酎等の酒類の本来の旨味が極端に低下してしまうという問題があった。また、特許文献2に開示されている加熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法は、原料麦を180℃〜200℃の加熱蒸気で処理するため、高圧ボイラー等の大掛かりな設備が必要となるので汎用的でない、また、コストも高いものとなる等の不都合があった。このため、簡便で焦げ臭や酸化臭を生成することなく焙煎する方法が望まれている。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、焦げ臭や酸化臭を生成することなく焙煎処理された穀物等を掛け原料として使用して製造したピラジン類化合物を含有する酒類と、その製造方法を提供することにある。
以上のような課題に鑑み、本発明者らは、穀物等の原料を焙煎処理することで、香気成分のピラジン類化合物が生成されることに着目して、鋭意研究を重ね、穀物等の原料を焙煎処理する工程において、先ず低温域で焙煎処理を行い、引き続いて高温で行うことで、穀物等の原料は急激な物性変質によって生ずる酸化臭や焦げ臭が生じることなく、香ばしい香りを有するピラジン類化合物が生成され、これを掛け原料に使用することでピラジン類化合物由来の香ばしい香りを呈した酒類が製造できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は、より具体的には以下のようなものを提供する。
(1) 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類において、穀物および/または穀物麹を焙煎処理して得られるピラジン類化合物が含有されるものであることを特徴とする酒類。
(1)によれば、醸造された酒類にはピラジン類化合物が含有されているので、ピラジン類化合物由来の香ばしい香りを酒類が有することになる。このように、酒類がピラジン類化合物由来の香ばしい香りを有することで、嗜好の拡大を図ることができる。
穀物および/または穀物麹を焙煎することによってピラジン類化合物が生成されるが、これは、穀物または穀物麹が有する糖(デンプン)類や蛋白質が加熱されてα−ジカルボニル化合物とα−アミノ酸との反応であるアミノカルボニル反応(メイラード反応)によるものと想定される。そして、たんぱく質の量が多いほど生成されるピラジン類化合物量が多く香りが豊かになる。
ここで、酒類としては、清酒、焼酎等の蒸留酒が挙げられるが、穀物を焙煎することで生成されるピラジン類化合物由来の香ばしい香りを付与することから焼酎であるのがより好ましい。穀物としては、米、麦、そば、トウモロコシ、ヒエ、アワ等が挙げられ、いずれも焙煎処理することでピラジン類化合物が生成され、製造された酒類は香ばしい香りを有することになるが、特に、香ばしい香りを酒類により多く付与させる点からたんぱく質が多い大麦であるのが好ましい。また、この大麦は穂の形状によって六条大麦、四条大麦、二条大麦等の品種に分けられるが、品種としてはいずれであってもよく、特に限定されない。また、穀物麹とは、これら穀物をアルファ化処理して製麹したもので、焼酎等の酒類の製造において一般的に使用される米麹、麦麹等であってよい。
(2) 前記穀物および/または穀物麹は、温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、200℃から220℃の温度で二次焙煎処理されたものであることを特徴とする(1)に記載の酒類。
(2)によれば、穀物や穀物麹は一次焙煎で速やかに135℃以上に加熱されて、穀粒が膨化したり収縮したりすることなく、すなわち穀粒粒径が実質上変化することなく外周部が固化され、引き続いて200〜220℃で所定の時間(一般には30秒〜30分間程度)保たれて焙煎処理がなされ、内部まで均質的に焙煎されている。従って、焙煎された穀物や穀物麹は、高温のみで焙煎処理された場合の様に原料の穀物の表面が不均一に加熱されて温度ムラが生じて過度に加熱された際に生ずる酸化臭や焦げ臭を有しないので、この焙煎穀物や穀物麹を使用して製造した酒類の原液には酸化臭や焦げ臭を有することなく、ピラジン類化合物由来の好ましい芳香を有することになる。
(3) 前記原料は、穀物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の酒類。
ピラジン類化合物由来の香ばしい香りを付与させる酒類としては、穀物を原料とする焼酎であって、掛け原料に焙煎処理した穀物や穀物麹を使用することで、製造された焼酎には香ばしさ(焙煎風味)が付与されることになる。穀類としては、米、麦、そば、トウモロコシ、ヒエ、アワ等が挙げられる。
(4) 前記穀物は、大麦またはそばであることを特徴とする(1)から(3)いずれか記載の酒類。
大麦あるいは大麦麹を焙煎処理することで、ピラジン類化合物がより多く生成されるので、大麦や大麦麹を焙煎処理したものを掛け原料の少なくとも一部に使用することによって、製造された酒類には、ピラジン類化合物の含有量が高いものとなり、大麦特有の焙煎風味(香ばしさ)が付与される。また、そばを焙煎処理したものを掛け原料の少なくとも一部に使用することによって、製造された酒類には、そば茶のような香ばしい香りを付与することができる。
(5) 前記ピラジン類化合物の含有量は、2−メチルピラジンが500ppb以上、2,6−ジメチルピラジンが2ppb以上、2,3,5−トリメチルピラジンが2ppb以上、2−エチル−3−メチルピラジンが2ppb以上であることを特徴とする(1)から(4)いずれか記載の酒類。
(5)によれば、酒類は、ピラジン類化合物由来の香ばしい香りを呈することになる。尚、この香ばしい香りを有するピラジン類化合物は、大麦等の穀物や穀物麹を焙煎することで生成される化合物であって、2−メチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2,3,5−トリメチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン等が挙げられる。ここで、「ppm」、「ppb」とは、濃度を表す単位であって、「ppm」は100万分の1、「ppb」は10億分の1を示す単位である。
(6) 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類の製造方法において、前記原料として、少なくとも一部に温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、200℃から220℃の温度で二次焙煎処理された穀物および/または穀物麹が用いられることを特徴とする酒類の製造方法。
(6)によれば、穀物および/または穀物麹を焙煎処理するとピラジン類化合物が生成されるので、この焙煎処理された穀物や穀物麹を掛け原料の少なくとも一部に用いることで、製造された酒類はピラジン類化合物由来の香ばしい香りを呈することになる。尚、焙煎処理される穀類は未精白、あるいは精白されたものいずれであってもよいが、精白処理によって香味のもととなる成分が多く含まれる穀物の外殻や糖層が失われることを考慮すれば、敢えて精白処理を行わない方が好ましい。ここで、精白とは麦等の穀物を搗いて穀物の外殻や糖層を取り除いて白くすることをいう。
穀物や穀物麹の焙煎処理は、65〜95℃程度の比較的低温で処理して速やかに135℃以上に加熱し、次いで、200〜220℃で所定の時間(一般には30秒〜30分間程度)処理されるので、前述のように、先ず、比較的低温で処理される一次焙煎で穀物や穀物麹の穀粒が膨化したり収縮したりすることなく、穀粒の外周部が固化される。次いで、200〜220℃の高温で処理される二次焙煎で内部まで緩やかに焙煎されることになる。従って、高温のみで焙煎処理した場合の様に原料の穀物の表面が過度に加熱されて急激な物性変質を起こし酸化臭や焦げ臭を発生することがない。そのために焙煎処理した穀物や穀物麹を掛け原料の少なくとも一部として使用しても、製造された酒類の原液には酸化臭や焦げ臭を呈することがなく、ピラジン類化合物由来の好ましい芳香を有することになる。尚、この一次焙煎処理においては、穀物や穀物麹を温度65〜95℃の雰囲気に投入した後、135℃以上の温度に60分以内で到達せしめることが好ましい。また、この一次焙煎処理は穀物の膨化を防止するために、水ないし水蒸気を添加することなく行うことが好ましい。
(7) 前記一次焙煎処理は、穀物および/または穀物麹の品温が60分以内で135℃に到達するものであることを特徴とする(6)に記載の酒類の製造方法。
(7)によれば、135℃以上の温度に到達するには60分以内となるので、穀物や穀物麹等の内部の水分が脱水する前に外周部を固化させて物理的収縮を防止することができる。
(8) 前記二次焙煎処理は、処理時間が30秒から30分、好ましくは5分から25分であることを特徴とする(6)または(7)に記載の酒類の製造方法。
(8)によれば、(6)で一次焙煎処理によって外周部を固化されて物理的な収縮が防止された穀物や穀物麹は、200〜220℃での二次焙煎処理により、穀粒胚乳部が外周部から中心部に向けて徐々に褐変化されて焙煎される。これによって、穀物や穀物麹は内部まで均質に焙煎され、ピラジン類化合物の生成に優れることになる。
(9) 前記焙煎処理は、未精白の穀物に施されるものであることを特徴とする(6)から(8)いずれか記載の酒類の製造方法。
未精白の穀物であるので香味のもととなる成分が多く含まれる穀物の外殻や糖層が失われることがなく、焙煎処理した際にピラジン類化合物の生成がより多くなり優れる。また、精白する作業が不要であるので、精白工程が省略でき作業手間が低減される。尚、焙煎処理は前記(7)の条件で行われるので、未精白の穀物であっても内部まで均一に焙煎が行われる。
(10) 前記原料として、穀物が用いられることを特徴とする(6)から(9)に記載の酒類の製造方法。
(11) 前記穀物として、大麦またはそばが用いられることを特徴とする(6)から(10)いずれか記載の酒類の製造方法。
(12) 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類において、サツマイモおよび/またはサツマイモ麹を焙煎処理して得られるピラジン類化合物が含有されるものであることを特徴とする酒類。
(12)によれば、焙煎処理されたサツマイモおよび/またはサツマイモ麹を使用することで、醸造された酒類(芋焼酎)にはピラジン類化合物が含有されているので、サツマイモの特微香を有すると共に華やかで、すっきりとしたピラジン類化合物由来の香ばしい香りを酒類が有することになる。このように、酒類がサツマイモの特微香に加えてピラジン類化合物由来の香ばしい香りを有することで、嗜好の拡大を図ることができる。
(13) 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類の製造方法において、前記原料として、少なくとも一部に温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、温度200℃から220℃で二次焙煎処理されたサツマイモおよび/またはサツマイモ麹が用いられることを特徴とする酒類の製造方法。
(13)によれば、サツマイモおよび/またはサツマイモ麹を焙煎処理するとピラジン類化合物が生成されるので、この焙煎処理されたサツマイモやサツマイモ麹を掛け原料の少なくとも一部に用いることで、製造された酒類(芋焼酎)はサツマイモの特微香に加えピラジン類化合物由来の香ばしい香りも呈することになる。
サツマイモやサツマイモ麹の焙煎処理は、穀物や穀物麹と同様にして65〜95℃程度の比較的低温で処理して速やかに135℃以上に加熱し、次いで、200〜220℃で所定の時間(一般には30秒〜30分間程度)処理されるので、前述のように、先ず、比較的低温で処理される一次焙煎でサツマイモやサツマイモ麹が膨化したり収縮したりすることなく、サツマイモやサツマイモ麹の外周部が固化される。次いで、200〜220℃の高温で処理される二次焙煎で内部まで緩やかに焙煎されることになる。従って、高温のみで焙煎処理した場合の様に原料の穀物の表面が過度に加熱されて急激な物性変質を起こし酸化臭や焦げ臭を発生することがない。そのために焙煎処理したサツマイモやサツマイモ麹を掛け原料の少なくとも一部として使用しても、製造された酒類の原液には酸化臭や焦げ臭を呈することがなく、サツマイモの特微香に加えピラジン類化合物由来の好ましい芳香を有することになる。尚、この一次焙煎処理においては、穀物や穀物麹と同じく温度65〜95℃の雰囲気に投入した後、135℃以上の温度に60分以内で到達せしめることが好ましい。
(14) 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類において、栗および/または栗麹を焙煎処理して得られるピラジン類化合物が含有されるものであることを特徴とする酒類。
(14)によれば、焙煎処理された栗および/または栗麹を使用することで、醸造された酒類(栗焼酎)にはピラジン類化合物が含有されているので、栗の特微香を有すると共に華やかで、すっきりとしたピラジン類化合物由来の香ばしい香りを酒類が有することになる。このように、酒類が栗の特微香に加えてピラジン類化合物由来の香ばしい香りを有することで、嗜好の拡大を図ることができる。
(15) 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類の製造方法において、前記原料として、少なくとも一部に温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、温度200℃から220℃で二次焙煎処理された栗および/または栗麹が用いられることを特徴とする酒類の製造方法。
(15)によれば、栗および/または栗麹を焙煎処理するとピラジン類化合物が生成されるので、この焙煎処理された栗や栗麹を掛け原料の少なくとも一部に用いることで、製造された酒類(芋焼酎)は栗の特微香に加えピラジン類化合物由来の香ばしい香りも呈することになる。
栗や栗麹の焙煎処理は、穀物や穀物麹と同様にして65〜95℃程度の比較的低温で処理して速やかに135℃以上に加熱し、次いで、200〜220℃で所定の時間(一般には30秒〜30分間程度)処理されるので、前述のように、先ず、比較的低温で処理される一次焙煎で栗が膨化したり収縮したりすることなく、栗の外周部が固化される。次いで、200〜220℃の高温で処理される二次焙煎で内部まで緩やかに焙煎されることになる。従って、高温のみで焙煎処理した場合の様に原料の栗の表面が過度に加熱されて急激な物性変質を起こし酸化臭や焦げ臭を発生することがない。そのために焙煎処理した栗や栗麹を掛け原料の少なくとも一部として使用しても、製造された酒類の原液には酸化臭や焦げ臭を呈することがなく、栗の特微香に加えピラジン類化合物由来の好ましい芳香を有することになる。尚、この一次焙煎処理においては、穀物や穀物麹と同じく温度65〜95℃の雰囲気に投入した後、135℃以上の温度に60分以内で到達せしめることが好ましい。また、この一次焙煎処理は栗の膨化を防止するために、水ないし水蒸気を添加することなく行うことが好ましい。
以上、説明したように、本発明に係る酒類およびその製造方法によれば、酒類は穀物、サツマイモ、栗の原料および/またはそれら原料から製麹された麹を焙煎処理したものを掛け原料の少なくとも一部として使用して製造するので、焙煎処理によって生成されるピラジン類化合物が酒類中に含有され、ピラジン類化合物由来の香ばしい香りを有することになる。
また、穀物、サツマイモ、栗の原料および/またはそれら原料から製麹された麹の焙煎処理は、温度65〜95℃の雰囲気に投入して一次焙煎し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、設定温度200〜220℃で行われるので、比較的低温での一次焙煎で穀物等の原料や穀物麹等の麹の内部の水分が脱水する前に外周部が固化させて穀粒の物理的な収縮を防ぎ、次いで、高温での二次焙煎で穀粒胚乳部が外周部から中心部に向けて徐々に褐変化されて穀粒の内部まで均質な焙煎処理がなされ、高温のみで焙煎処理した場合の様に原料の表面が不均一に加熱されて温度ムラが生じ、過度に加熱されて急激な物性変質を起こし酸化臭や焦げ臭を発生するのが防止される。そのために、焙煎処理された穀物等の原料や穀物麹等の麹を掛け原料の少なくとも一部として使用しても、製造された酒類の原液には酸化臭や焦げ臭を呈することなく、穀物等の原料や穀物麹等の麹を焙煎処理して生成されたピラジン類化合物由来の好ましい芳香を有することになる。ここで、穀物等の原料とは、穀物、サツマイモ、栗のことをいう。また、穀物麹等の麹とは、穀物麹、サツマイモ麹、栗麹のことをいう。
以下、本発明に係る酒類の製造方法について、より詳しく説明する。
本発明に係る酒類の製造方法は、焙煎処理された穀物、サツマイモ、栗の原料(以下、穀物等の原料と略称する)やそれら原料から製麹された麹(以下、穀物麹等の麹と略称する)を掛け原料の一部として使用することを特徴とするものであって、まず、穀物等の原料等を蒸気などで蒸してアルファ化(糖化)し、このアルファ化処理した原料に麹菌の菌糸を植え付けて麹を製麹する。次いで、製麹された麹に水と焼酎酵母とを加えて混合して、所定条件で醗酵に必要な酵母を増殖させた一次醪を製造する。この一次仕込みで製造した一次醪に主原料である穀物、或いは、サツマイモ、或いは、栗と水とを加えて混合し、所定の条件で醗酵させて二次醪を製造する。この際に、予め焙煎処理された穀物等の原料やそれら原料から製麹された麹を掛け原料の一部として使用する。そして、この二次醪を蒸留機に入れ、常圧蒸留法或いは減圧蒸留法またはこれらを組み合わせた蒸留法により蒸留して原酒を得るものである。
原料としては、穀物、サツマイモ、栗等であり、穀物としては、麦、そば、米、トウモロコシ、ヒエ、アワ等を用いてよいが、特に、香ばしい香りを酒類により付与させる点からたんぱく質が多い大麦であるのが好ましい。また、そばにすることでそば茶のような香ばしい香りを付与するができるので好ましい。これらの穀物は未精白、あるいは精白したものいずれであってもよく、また、粒状物以外に粉砕物や粉体、更に粉体の粒状成形品若しくはペレット状の成形加工品も原料として利用できる。一方、サツマイモまたは栗を原料として使用することで原料由来の特微香の酒類が得られる。
アルファ化(糖化)処理とは、穀物等の原料に含まれるデンプンを水と熱により糊状化することであって、米麹の製麹等で通常行われている方法であれば特に限定されない。例えば、精白された大麦等の穀物を水に40分〜90分程度浸して穀物に水分を吸収(水分含量34〜38%程度)させ、20分〜2時間程度、好ましくは30〜50分程度の時間をかけて蒸煮する方法、熱風等で直接加熱する方法(焙煎という)、電子レンジ等の電磁波を利用する方法、遠赤外線を利用する方法等が挙げられる。
穀物麹等の麹の製麹とは、アルファ化処理された穀物等の原料に麹菌の菌糸を植え付けて麹を製造することであって、米麹の製麹等で通常行われている方法であれば特に限定されない。種麹の麹菌の種類としては、焼酎用白麹菌あるいは黒麹菌または黄麹菌が使用され、その使用量はアルファ化処理された穀物1Kgに対して、一般的に200〜1000mg程度の割合で植え付けられる。製麹の方法は、古来からの麹箱を用いる方法によっても、また、円盤型製麹機やドラム型製麹機などの機械製麹機によってもよい。製麹の条件は、通常行われている条件あれば、特に限定されるものではない。一般には温度は25〜45℃程度、好ましくは30〜40℃程度であり、時間は一般に24〜60時間程度、好ましくは40〜50時間程度で調整することができる。
一次仕込みとは、得られた穀物麹等の麹に焼酎酵母と水を加えて混合し、所定の条件下で醗酵に必要な酵母を増殖させて一次醪を製造させることである。酵母を増殖させるための条件は、通常行われている条件あれば、特に限定されるものではない。一般には温度は15〜35℃程度、好ましくは20〜30℃程度であり、時間は一般に3〜7日間程度、好ましくは5日間程度で調整することができる。
二次仕込みとは、一次仕込みで製造した一次醪に、主原料である穀物、或いは、サツマイモ、或いは、栗と、焙煎処理された穀物等の原料や穀物麹等の麹と、水とを加えて混合し、所定の条件下で醗酵させて二次醪を製造することである。この醗酵させるための条件は、通常行われている条件あれば、特に限定されるものではない。一般には温度は15〜35℃程度、好ましくは20〜30℃程度であり、時間は一般に8〜20日間程度、好ましくは10〜14日間程度で調整することができる。
尚、焙煎処理された穀物等の原料や穀物麹等の麹の使用量は、全原料に対して0.5重量%以上であるのが好ましい。0.5重量%より少ないと、製造された酒類中に含有されるピラジン類化合物の量が少なくなり、香ばしい香りを付与することができないことになる。また、上限としては20%程度であるのが好ましい。これより多くても香りを付与する原酒として使用できるが、発酵不良が起こるため20%程度までが良好である。
ここで、二次仕込みにおいて、掛け原料の一部に使用される焙煎穀物等の原料および穀物麹等の麹を焙煎処理した焙煎麹は、以下の様にして製造される。
穀物等の原料やアルファ化処理した穀物等の原料を製麹して得られた穀物麹等の麹が熱風焙煎機に投入され、65℃〜95℃の範囲の温度に設定された雰囲気で30〜60分程度、好ましくは5分〜25分程度、より好ましくは10分〜20分程度度焙煎され、その間に、穀物等の原料や穀物麹等の麹の品温が速やかに(少なくとも60分以内に)135℃以上に到達するように加熱され、次いで、200℃〜220℃の範囲の温度で所定の時間(一般的には30秒〜30分、好ましくは5分〜25分程度、より好ましくは10分〜20分程度)保たれて焙煎が終了される。
これによって、熱風焙煎機に投入された穀類等の原料や穀物麹等の麹は、低温での焙煎処理において、穀粒がはじけず、更に膨化したり収縮したりすることなく、すなわち穀粒粒径が実質上変化することなく穀粒外周部が固化され、引き続いて高温での焙煎処理で穀粒の内部まで均質的に焙煎されることになる。
尚、焙煎方式としては、回転ドラム式の釜の中に砂を循環させ、その釜の中に穀物等の原料を通して、熱せられた砂の遠赤外線効果で焙煎する、いわゆる砂焙煎法であってもよいが、送風温度の調節等の簡単な操作で容易に温度の調整ができること、処理原料全体にわたり均一な加熱がなされるために、ムラ焦げを生じることなく、一時に大量の処理ができること、送風量を増大させれば穀物等の原料の品温を即座に焙煎機の設定温度と一致させることができる等で、回転ドラム式の熱風焙煎方式がより好ましい。
蒸留とは、液体を沸騰させ、沸騰した蒸気を再び液体に戻す作業のことであって、二次仕込みで得られた醪から焼酎の原酒を得るための作業である。この蒸留には、常圧蒸留法と減圧蒸留法とがあり、夫々の蒸留方法によって、得られた焼酎の風味が異なることになるが、米焼酎、麦焼酎、そば焼酎などの焼酎には、醪の温度を低い状態(50℃程度)で沸騰させることにより発酵中の醪のような軽快な香りをそのまま得ることができる減圧蒸留法が一般的である。尚、使用する原料の種類や、製造される焼酎の風味の好みによっては常圧蒸留法で蒸留してもよい。
この焼酎に含有されるピラジン類化合物は、ピラジン類化合物として、2−メチルピラジンが500ppb以上、2,6−ジメチルピラジンが2ppb以上、2,3,5−トリメチルピラジンが2ppb以上、2−エチル−3−メチルピラジンが2ppb以上であるため、この焼酎はピラジン類化合物由来の香ばしい芳香を有することになる。尚、焼酎中のピラジン類化合物含量はガスクロマトグラフ質量分析法(以下、GC−MS法と称する)により測定される。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1は、掛け原料の一部に焙煎大麦を使用した麦焼酎の製造であって、原料として、麦焼酎に通常使用される大麦を用い、この大麦を未精白の状態で熱風式焙煎機に投入し、大麦の品温が40分程度で135℃以上になるように加熱して、約70分後200℃になるように焙煎した後、引き続き約220℃まで昇温して約10分間(トータル90分間)焙煎して焙煎大麦を得る。
このようにして得られた焙煎大麦を掛け原料の一部として使用し、表1に示す麦焼酎の仕込み配合で以下のようにして麦焼酎の製造を行った。
Figure 0004477898
大麦麹600g、汲み水720ml、焼酎用鹿児島酵母1mlを、約8lの容量の容器に仕込み、通常の醗酵法にて一次醗酵を行い、約25℃の雰囲気下で約5日間にて醗酵を終了した。
尚、大麦麹は、麦焼酎の製造において使用されている通常の焼酎白麹であって、次のようにして製麹した。
精白された大麦を洗浄して大麦の表面に付着する糠や異物を除去し、次いで、水に60分程度浸して大麦に水分を吸収(水分含量35%程度)させる。
その後、浸漬の終了した大麦は水切りを行い、蒸し器等にて温度95〜100℃の蒸気で40分間程度蒸煮され、蒸煮後、約35℃までに冷却されて、自動円盤型製麹機を用いて焼酎用白麹菌(ビオック社製)を種菌として植え付けて培養し大麦麹を得た。麹菌の培養としては、40℃、湿度100%の雰囲気下で培養し、麹の温度は32℃程度から20時間で最高品温約40℃に到達、その後湿度を90%にして、40℃の雰囲気下で33時間程度まで培養する。その後、温度を徐々に下げ35時間目以降は35℃以下で培養を行い、42〜48時間で出麹して、大麦麹を得た。
一次醗酵を終了した一次醪の総量は約1.2lであり、これを二次醗酵の仕込みとして、大麦525gと、焙煎大麦175gと、汲み水2,280mlとを同一容器内に投入して通常の醗酵法にて二次醗酵を行い、約28℃の雰囲気下で約10日間にて醗酵を終了した。
次いで、二次仕込みによる麦焼酎醪を通常の減圧蒸留法にて蒸留してアルコール度25%の麦焼酎の原酒を得た。
対照として、二次仕込みの掛け原料において焙煎された大麦を使用しないで、同じ方法で麦焼酎の原酒を製造した。
この麦焼酎の原酒に含有されるピラジン類化合物をGC−MS法で測定し、その結果を焙煎処理された大麦を使用しないで製造した対照試験区と対比して表2に示した。
尚、GC/MS法の測定は、以下に示す条件で行った。
使用機器:島津製作所製GC/MS−QP2010
<GC部>
使用カラム:DB624(J&W社製) 内径0.32mm、長さ60m、膜厚1.8μm
カラム温度:70℃(1分間保持)〜220℃(4分間保持)、昇温速度10℃/min
キャリアガス制御:線速度一定(36.5cm/s)、カラム初期温度入口圧;100kPa
注入方法:スプリット法(スプリット比 30:1)
注入量:0.5μl
<MS部>
イオン化法 EI(電子イオン化)法(イオン化エネルギー 70eV、60μA)
インターフェイス温度:230℃
イオン源温度:200℃
Figure 0004477898
この結果より、本発明で製造された麦焼酎(本発明試験区)は、焙煎処理された大麦を使用しないで製造した麦焼酎(対照試験区)に比べてピラジン類化合物の含量が大幅に増大していることが認められた。これは、前述したように、大麦を焙煎処理することで、大麦が含有する糖(デンプン)類や蛋白質が加熱されてα−ジカルボニル化合物とα−アミノ酸との反応であるアミノカルボニル反応(メイラード反応)を経て、ピラジン類化合物が生成されたことによるものである。
また、上記の得られた麦焼酎について、選抜されたパネラー6名により官能評価を実施した。その結果を焙煎処理された大麦を使用しないで製造した麦焼酎(対照試験区)と対比して表3に示した。
Figure 0004477898
その結果、表3に示すように、掛け原料の一部に焙煎大麦を使用して製造した麦焼酎は香ばしい香り、麦茶様の香り、麦こがし様の香りを有しており、対比の焙煎大麦を使用しないで製造した麦焼酎と比較しても良好な酒質であり、差別化されていた。
[実施例2]
実施例2は、掛け原料の一部に焙煎大麦麹を使用した麦焼酎の製造であって、先ず、前記実施例1におけると同様の方法で大麦麹を製麹する。
次に、この大麦麹を熱風式焙煎機に投入し、大麦麹の品温が40分程度で135℃以上になるように加熱して、約70分後200℃になるように焙煎した後、引き続き約220℃まで昇温して約10分間(トータル90分間)焙煎して焙煎大麦麹を得る。
このようにして得られた焙煎大麦麹を掛け原料の一部として利用し、表4に示す麦焼酎の仕込み配合で以下のようにして麦焼酎の製造を行った。
Figure 0004477898
大麦麹600g、汲み水720ml、焼酎用酵母(鹿児島酵母)約1mlを、約8lの容量の容器に仕込み、通常の醗酵法にて一次醗酵を行い、約25℃の雰囲気下で約5日間にて醗酵を終了した。
尚、大麦麹は、麦焼酎の製造において使用されている通常の焼酎白麹であって、実施例1と同様にして製麹した。
一次醗酵を終了した一次醪の総量は約1.2lであり、これを二次醗酵の仕込みとして、大麦525gと、焙煎大麦麹175gと、汲み水2,280mlとを同一容器内に投入して通常の醗酵法にて二次醗酵を行い、約28℃の雰囲気下で約10日間にて醗酵を終了した。
次いで、二次仕込みによる麦焼酎醪を通常の減圧蒸留法にて蒸留してアルコール度25%の麦焼酎の原酒を得た。
対照として、二次仕込みの掛け原料において焙煎された大麦麹を使用しないで、同じ方法で麦焼酎を製造した。
この麦焼酎の原酒に含有されるピラジン類化合物をGC−MS法で測定し、その結果を焙煎処理された大麦を使用しないで製造した対照試験区と対比して表5に示した。尚、GC/MS法の測定は、実施例1に記載した条件と同一で行った。
Figure 0004477898
この結果より、本発明で製造された麦焼酎(本発明試験区)は、焙煎処理された大麦麹を使用しないで製造した麦焼酎(対照試験区)に比べてピラジン類化合物の含量が増大していることが認められた。
また、上記の得られた麦焼酎について、選抜されたパネラー6名により官能評価を実施した。その結果を焙煎処理された大麦を使用しないで製造した麦焼酎(対照試験区)と対比して表6に示した。
Figure 0004477898
その結果、表6に示すように掛け原料の一部に焙煎大麦麹を使用して製造した麦焼酎は香ばしい香り、麦茶様の香り、麦こがし様の香りを有しており、対比の焙煎大麦麹を使用しないで製造した麦焼酎と比較しても良好な酒質であり、差別化されていた。
以上の実施例の如く、本発明に係る方法で製造した麦焼酎は、ピラジン類化合物の含有量が高くて香ばしい香りを有するもので、通常の焙煎大麦や焙煎大麦麹を使用しないで製造された麦焼酎とは差別化されたものであることが確認された。
以上に説明したこれらの実施例は、穀物として大麦を原料とした麦焼酎の製造例であるが、本発明は、これに限定されるものでなく、例えば、そば等の穀物を原料とした焼酎、サツマイモを原料とした焼酎、栗を原料とした焼酎等であってよい。

Claims (11)

  1. 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類において、
    前記原料として、少なくとも一部に、温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、温度200℃から220℃で二次焙煎処理されることにより得られ、ピラジン類化合物含有する焙煎穀物および/または焙煎穀物麹が用いられることを特徴とする酒類。
  2. 前記原料として、全原料に対して0.5重量%以上20重量%以下の前記焙煎穀物および/または焙煎穀物麹に加え、焙煎しない穀物および/または穀物麹が用いられることを特徴とする請求項1に記載の酒類。
  3. 前記焙煎穀物は、大麦またはそばであることを特徴とする請求項1または2に記載の酒類。
  4. 前記ピラジン類化合物の含有量は、2−メチルピラジンが500ppb以上、2,6−ジメチルピラジンが2ppb以上、2,3,5−トリメチルピラジンが2ppb以上、2−エチル−3−メチルピラジンが2ppb以上であることを特徴とする請求項1からいずれか記載の酒類。
  5. 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類の製造方法において、
    前記原料として、少なくとも一部に温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、温度200℃から220℃で二次焙煎処理された焙煎穀物または/および焙煎穀物麹が用いられることを特徴とする酒類の製造方法。
  6. 前記一次焙煎処理は、穀物および/または穀物麹の品温が60分以内で135℃に到達するものであることを特徴とする請求項に記載の酒類の製造方法。
  7. 前記焙煎処理は、未精白の穀物に施されるものであることを特徴とする請求項5または6に記載の酒類の製造方法。
  8. 前記原料として、全原料に対して0.5重量%以上20重量%以下の前記焙煎穀物および/または焙煎穀物麹に加え、焙煎しない穀物および/または穀物麹が用いられることを特徴とする請求項5から7いずれか記載の酒類の製造方法。
  9. 前記焙煎穀物として、大麦またはそばが用いられることを特徴とする請求項5から8いずれか記載の酒類の製造方法。
  10. 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類の製造方法において、
    前記原料として、少なくとも一部に温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、温度200℃から220℃で二次焙煎処理された焙煎サツマイモおよび/または焙煎サツマイモ麹が用いられることを特徴とする酒類の製造方法。
  11. 麹を使用して原料を糖化および/または醸造することにより得られる酒類の製造方法において、
    前記原料として、少なくとも一部に温度65℃から95℃の雰囲気に投入して一次焙煎処理し速やかに135℃以上に達せしめ、次いで、温度200℃から220℃で二次焙煎処理された焙煎栗および/または焙煎栗麹が用いられることを特徴とする酒類の製造方法。
JP2004043065A 2004-02-19 2004-02-19 酒類およびその製造方法 Expired - Lifetime JP4477898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043065A JP4477898B2 (ja) 2004-02-19 2004-02-19 酒類およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043065A JP4477898B2 (ja) 2004-02-19 2004-02-19 酒類およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005229905A JP2005229905A (ja) 2005-09-02
JP4477898B2 true JP4477898B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=35013491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004043065A Expired - Lifetime JP4477898B2 (ja) 2004-02-19 2004-02-19 酒類およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4477898B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007111001A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Matsuo:Kk 芋麹の製造方法、及び芋麹を用いた飲食品並びに焼酎
CN103320269B (zh) * 2013-07-16 2015-05-13 湖北黄山头酒业有限公司 既生产酱香型白酒又生产兼香型白酒的工艺
JP6099110B1 (ja) * 2016-03-24 2017-03-22 研醸株式会社 焙煎麦麹の製造方法および麦焼酎の製造方法
CN105861239A (zh) * 2016-06-24 2016-08-17 江苏今世缘酒业股份有限公司 卡盖带压蒸煮的酿酒蒸煮工艺
JP6951071B2 (ja) * 2016-12-28 2021-10-20 サッポロビール株式会社 蒸留酒類、混和焼酎、及び蒸留酒類の製造方法
JP6963425B2 (ja) * 2017-06-21 2021-11-10 アサヒビール株式会社 混和麦焼酎、及び混和麦焼酎の製造方法
JP2021090371A (ja) * 2019-12-09 2021-06-17 アサヒビール株式会社 飲料、飲料の製造方法、およびジメチルスルフィド臭のマスキング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005229905A (ja) 2005-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106987496B (zh) 一种以全大米为原料的浓香型白酒生产方法
JP2022010409A (ja) 蒸留酒類、甲類焼酎、清酒、及び果汁含有アルコール飲料
JP2010081899A (ja) 焼き芋風味の芋焼酎の製造方法およびそれにより得られる焼き芋風味の芋焼酎
JP4477898B2 (ja) 酒類およびその製造方法
JP5634004B2 (ja) イモ焼酎及びその製造方法
JP2010207217A (ja) マルトール含有量の高められた芋焼酎及びその製造方法
JP2018102273A (ja) 蒸留酒類、混和焼酎、及び蒸留酒類の製造方法
JP4204171B2 (ja) 粳米麹、その製造方法及び用途
JP3584009B2 (ja) イモ麹の製造法及び当該イモ麹を用いた焼酎
JPS6149950B2 (ja)
JP4565138B2 (ja) 酒類及びその製造方法
JP2009207377A (ja) 全量イモ焼酎及びその製造方法
JP3385125B2 (ja) 酒類の製造方法
JP5594870B2 (ja) ジャガイモ焼酎及びその製造方法
KR102551122B1 (ko) 닥나무 증류액을 함유하는 막걸리 및 이의 제조방법
KR102479139B1 (ko) 도정 밀 누룩을 이용한 발효주의 제조방법
JPS6216636B2 (ja)
JPS59227292A (ja) 焼酎製造法
JP2701011B2 (ja) 甘藷焼酎の製造方法
KR20120080350A (ko) 흑마늘 누룩 및 이의 제조방법 그리고 흑마늘을 이용한 발효주
JP2011139664A (ja) 焼酎の製造方法
JPH06113811A (ja) 過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法
JPH0279965A (ja) 酒類、甘味食品の製造法
JPS60164474A (ja) コ−ヒ−焼酎の製造法
JPS6170968A (ja) 海藻酒の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4477898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250