JP2010207217A - マルトール含有量の高められた芋焼酎及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼き芋の特徴香気成分の一つであるマルトール含有量が高められた、実質的に焦げ臭などの異臭が認められない、甘い芳醇な芳香を有する良質の芋焼酎及びその製造方法の提供。
【解決手段】焼酎用原料サツマイモの製造方法であって、次の3つの工程;(1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、(2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモの製造方法。およびこれを原料の一部として用いる焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、サツマイモを原料の一部として使用する焼酎の風味の向上と改善に関する。さらに詳細には、本発明は、サツマイモを使用する、風味が向上・改善された焼酎の製造方法に関する。
近年、単式蒸留焼酎が人気を集めている。それは、単式蒸留焼酎が、穀類・芋類などの植物原料から昆布・海苔などの海産物にいたるまで、様々な素材を原料とすることができ、かつ、それぞれの素材が持つ多様な品質を楽しむことができることが、理由のひとつとして考えられる。
その中でも特に人気が高まっているのがサツマイモを原料とする芋焼酎である。従来芋焼酎は独特の香気が「芋臭い」として敬遠されていたが、技術の高度化によって「芋臭さ」が取り除かれ、原料サツマイモに由来する好ましい香味が相対的に強調された結果、人気が高まってきた。
原料サツマイモに由来する様々な芳香を発現・強化する技術がいくつか開示されている。
例えば、特許文献1には、病害虫の食害及び寄生、病原菌の感染、打撲等の損傷などによってストレスを受けたサツマイモを糖質原料として製造された芋焼酎は、モノテルペン類化合物の芳香性が高められることが開示されている。
非特許文献1によると、リナロール、α−テルピネオール、シトロネロール、ネロール、ゲラニオール、などのモノテルペンアルコール類が芋焼酎の特徴香であり、原料サツマイモ中では配糖体の形で存在していること、醸造中に麹の持つβグルコシダーゼによって遊離してくることが知られている。
通常、芋焼酎の原料サツマイモ重量の1/5程度は、米などの穀類を原料とする麹が占めている。この麹をサツマイモで製造し、原料に占めるサツマイモ量を増やして、遊離モノテルペン類の量を増大させ、芳香性を高める試みも行われている。
特許文献2には、裁断したイモ類を焙炒処理することによって得られた焙炒イモは、サツマイモで麹を作ることも可能であることが開示されている。また、こうして得られた全原料がサツマイモである芋焼酎は、リナロール、α−テルピネオール、ネロール、シトロネロールが多く含まれていたことも開示されている。
特許文献3には、芋類の乾燥粉体を用いた、芋粉麹の製造方法が開示されている。また、サツマイモを使った芋粉麹を用いて製造した芋全量焼酎は、米麹を使用して製造した焼酎や一般に市販されている芋全量の焼酎に比べてリナロール、α−テルピネオール、β−シトロネロール、ネロール、ゲラニオールのテルペン類化合物の含量が大幅に増大していることが開示されている。
また、特許文献4には、芋焼酎の掛け原料及び麹原料として芋類のみを用い、原料の少なくとも一部に乾熱処理イモ類を用いて、イソアミルアルコール含量を高くすることによって全量芋焼酎を得ることが提案されている。
一方、サツマイモを原料とする代表的な食品として、焼き芋が従来より根強い人気を集
めている。焼き芋の焼成過程で、糖から直接生成する香気としては、フルフラールやヒドロキシメチルフルフラールがあり、焦げ臭のひとつとされている。また、焼き芋の香りのキィ成分のひとつは、甘焦げ臭のマルトールであることが知られている。(非特許文献2)マルトールは、サツマイモ中のマルトースとアミノ酸とがメイラード反応して生成することが知られているが、芋焼酎中に含まれるマルトールの量が焼酎の味や香りに及ぼす影響は何ら知られていない。また、焼き芋を原料とした芋焼酎や、原料サツマイモを炭火焼きしたとする芋焼酎が市販されている。しかしながら、これらの芋焼酎のマルトール含有量は高くないものが多く、またマルトール含有量が高いものは、原料の加熱工程のせいか、焦げ臭も強く、品質という点では必ずしも満足のいくものではなかった。
焼き芋の香気成分の一つであり、芳香を持つマルトールを増加させることによって、焼酎の味、香りに及ぼす影響を研究し、新しいテイストの芋焼酎を提供することが求められていた。
特開2002−17334号公報 特開2001−95523号公報 特開2005−245249号公報 特開2008−271951号公報
Agric.Biol.Chem.,54(6),1353−1357,1990 いも類文化学ノート No.3 焼き芋小百科 2005年(平成17年)9月13日 発行者:川越いも友の会 編集:焼き芋文化チーム(井上浩、山田英次)
マルトールは焼き芋の特徴香気成分の一つであるが、市販されている芋焼酎の中には、実質的に焦げ臭などの異臭が少なく、かつ、マルトール含有量が高い芋焼酎は存在しなかった。また、実質的に焦げ臭などの異臭を与えることなく、マルトール含有量を高める製造方法は知られていなかった。
本発明は、マルトール含有量が高められた、実質的に焦げ臭などの異臭が認められない、甘い芳醇な芳香を有する良質の芋焼酎及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、芋焼酎の製造工程における蒸し工程で、通常の蒸しを行って原料サツマイモを完全にα化させた後、密閉した装置内でサツマイモ内部の温度を100℃〜60℃に4時間以上保持した場合、焦げ臭などの異臭を実質的に発生させずにサツマイモのマルトール含有量を飛躍的に高めることができることを見いだした。
さらに、このマルトール含有量の高いサツマイモを原料として焼酎を製造した場合、得られた焼酎にも多量のマルトールを含有させることができ、甘い芳醇な芳香を有し、実質的に焦げ臭が認められない、従来にない優れた品質となることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明は、以下のような芋焼酎、それを実現するための製造方法を提供する。
[1]
焼酎用原料サツマイモの製造方法であって、次の3つの工程;
(1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
(2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、
を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモの製造方法。
[2]
[1]に記載の製造方法によって得られる、マルトール含有量が高められた焼酎用原料サツマイモ。
[3]
[2]に記載の焼酎用原料サツマイモを用いて得られる、マルトール含有量が高められた焼酎醪。
[4]
マルトール含有量が高められた焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品であって、次の3つの工程;
(1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
(2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、
を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモを原料の一部として用いる焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
[5]
マルトールを、純アルコール量換算で100ppb(μg/L)以上含有する、[4]記載の焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
[6]
フルフラールを、純アルコール換算量で10ppm(mg/L)以下含有する、[4]又は[5]に記載の焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
[7]
焼酎用原料のサツマイモの処理方法であって、 次の3つの工程;
(1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
(2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、
を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモのマルトール含有量を高める方法。
[8]
マルトールを、純アルコール量換算で100ppb(μg/L)以上含有する、芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
[9]
フルフラールを、純アルコール換算量で10ppm(mg/L)以下含有する、[8]記載の芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
[10]
[8]に記載の芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品と、連続式焼酎とを混和して得られる、マルトールを、純アルコール量換算で10ppb(μg/L)以上含有する甲類乙類混和焼酎。
[11]
[8]に記載の芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品を連続式蒸留焼酎と混和することによって、連続式蒸留焼酎の芳香を高める方法。
サツマイモの蒸し工程において、装置内に張り込まれたサツマイモの内部温度を95℃〜100℃まで水蒸気によって昇温させた後、95℃〜100℃に約30分間保持し、引き続きサツマイモの内部温度を100℃〜60℃に4〜15時間以上保持することによって、実質的に焦げ臭を発生させずに、マルトール含有量を高くすることができた。このようなマルトール含量が高められたサツマイモを原料として、常法のように芋焼酎を製造した場合、得られた芋焼酎も、実質的に焦げ臭が認められず、マルトール含有量が高い焼酎となった。このような芋焼酎は、甘い芳醇な芳香を有し、実質的に焦げ臭が認められない、従来にない優れた品質を有するものである。この芋焼酎は、単式蒸留焼酎(乙類焼酎)としても優れた品質を楽しむことができるが、連続蒸留焼酎(甲類焼酎)と混和して、甲類乙類混和焼酎としても、従来の甲類乙類混和焼酎にない、豊かな香味を楽しむことができる。
本発明の蒸し工程を実施したときの温度経過を示す図である。 サツマイモ内部の温度は、芋蒸し機内の上部(中央、端)、中部(中央、端)、底部に温度センサーを挿したサツマイモを配置して、温度経過をモニターした。
本発明におけるサツマイモの処理方法及び芋焼酎の製造方法を以下に説明する。
(芋焼酎)
本発明における芋焼酎は、通常の焼酎製造における二次醪(もろみ)に、本発明の蒸し工程を実施したサツマイモを掛け原料として使用する。一次醪、二次醪の製造方法は、通常実施される方法であれば特に限定されない。焼酎製造において、まれに三次・四次仕込などの多段仕込が実施される場合もあるが、この場合でも本発明を実施したサツマイモを掛け原料として添加すれば、本発明の効果を発揮することができる。
以下に、二段仕込の場合について説明する。
(一次醪)
麹に、水と酵母とを加えて混合し、発酵に必要なだけの酵母数となるまで所定条件下にて酵母を増殖させ、一次醪とする。
麹は、通常の焼酎で使用されている麹であれば、原料、麹菌の種類、製麹方法も特に限定されない。一般に、麹菌は、白麹菌(Aspergillus.kawachii、Aspergillus.usami)、黒麹菌(Aspergillus.awamori)、黄麹菌(Aspergillus.oryzae)などが使用される。
麹がない場合は、常法によって蒸した米、麦などの穀類原料又は粉砕処理などした米、麦などの穀類原料に、α−アミラーゼやグルコアミラーゼなどの液化酵素及び糖化酵素を添加したものを代用してもよい。この場合、酵素剤の選択・添加量は、酵母が増殖することができれば特に限定されない。
酵母は、アルコール発酵能を有していれば特に限定されない。通常酒類で使用される酵母としては、ワイン酵母、清酒酵母、ウイスキー酵母、焼酎酵母などが使用される。その使用形態も特に限定されず、例えば、アンプル等の容器に封入された液体状のものであっても、乾燥酵母などであってもよい。
(二次醪)
一次醪に、掛け原料と水とを加えて混合し、所定の条件で発酵させて二次醪を製造する。この際、本発明の蒸し工程を実施したサツマイモを、掛け原料の全てまたは一部として使用する。
(サツマイモ)
本発明に使用できるサツマイモの品種は、通常芋焼酎に使用される品種であれば、特に限定されない。通常芋焼酎の製造に使用されるサツマイモの品種としては、例えば、コガネセンガン、シロユタカ、ミナミユタカ、シロサツマ、農林2号、高系14号、サツマヒカリ、ベニアズマ、ベニサツマ、ベニハヤト、ジョイホワイト、ムラサキイモ、などを挙げることができる。
本発明に使用できるサツマイモの形態も、特に限定されない。生芋でも、或いは適当な大きさに切断したものであってもよく、収穫後冷凍保存されたものであってもよい。また、乾燥、箭断、粉砕処理等の加工処理が施されたものであってもよい。ただし、蒸し工程において、長時間高温で保持することによってサツマイモが形崩れを起こし、後の工程の作業に支障をきたす恐れがあることから、両端部及び病難部のみ切除された大きさのサツマイモを使用することが好ましい。
本発明では、原料サツマイモの洗浄、両端部及び病難部の切除など通常の前処理工程を経た後、蒸し工程を実施する。
本発明の蒸し工程は、次の工程を含むことを特徴とする。
(1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
(2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃〜60℃に4時間〜15時間保持する工程
蒸し工程に使用される装置(蒸し機)は、通常焼酎の蒸し工程に使用されるものであれば特に限定されないが、長時間温度保持する必要があるため密閉可能な装置、たとえば、バッチ式蒸し機を使用することが好ましい。
蒸し工程(1)において、装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる。本工程はサツマイモをα化させるための工程であり、サツマイモを昇温するためには、装置内に水蒸気を通気する。
蒸し工程(2)において、装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する。このときサツマイモ中のでんぷんのα化が進行する。保持時間は、サツマイモのでんぷんのα化の進行度によっては、30分間より多少長くなっても短くなってもよい。
蒸し工程(3)において、サツマイモの内部温度を100℃〜60℃に4時間以上保持する。このとき、フルフラールなどの焦げ臭の香気成分の生成が抑制されながら、マルトールの生成が促進される。保持時間は、4時間であればマルトールの甘く芳醇な特徴が十分発現して好ましいが、6時間以上であればより好ましく、12時間以上であればさらに好ましい。マルトール量は保持時間の増加に従って増大するため、所望の品質に応じて保持時間を調整することができる。ただし、保持時間があまりに長くなると、異臭が発生したり、サツマイモが形崩れを起こし、後の作業に支障をきたす恐れがあるため、所望の品質が得られれば直ちに蒸し工程を停止する。保持時間の上限としては、15時間以下が好ましい。蒸し工程(3)において、サツマイモの内部温度を100℃〜60℃に保持する状態では、焦げ付かない程度に蒸気を入れてもよいが、好ましくは蒸気を停止した方がよい。また、装置を解放してもよいが、汚染、温度低下を防ぐためにも密閉状態とすることが好ましい。従来の芋焼酎用のサツマイモでは、本発明の蒸し工程(3)を行うことなく、蒸し工程(2)の終了後、強制送風などにより冷却していた。
蒸し工程を経たサツマイモは、冷却したのち、破砕機にかけて破砕され、二次醪に投入される。サツマイモの破砕方法は通常の芋焼酎製造方法で使用される方式であれば特に限
定されない。通常の芋焼酎で使用される破砕方法としては、チョッパー型、ロール式、ハンマーミル式、カッター式などが挙げられる。
二次醪に添加するサツマイモの量は、本発明の効果を与えることができる量であれば特に限定されない。通常芋焼酎で二次醪に添加される掛け原料の重量は、一次醪に添加した麹あるいは穀類の重量に対して約5倍となることが多い。
本発明の蒸し工程を実施したサツマイモに加えて、通常の蒸し工程のみ実施されたサツマイモも加えることができる。両者の重量比は、本発明の効果を与えることができる範囲であれば、特に限定されず、所望の品質に応じて適宜選択して決定することができる。
(含糖物質)
本発明の蒸し工程を実施したサツマイモに加えて、含糖物質も加えることができる。含糖物質としては、米・麦(大麦、ライ麦、小麦、カラス麦、裸麦など)・そば・とうもろこし・あわ・きび・ひえ、などの穀類、じゃがいも・さといも・きくいも・やまのいも・ながいも・じねんじょ、などのいも類、かぼちゃ・トマト・にんじん、などの野菜類、デーツ(なつめやし)などの果実類、などを挙げることができる。穀類、いも類などでんぷんをα化する必要のある含糖物質は、通常の蒸し工程を実施してから使用する。
本発明の蒸し工程を実施したサツマイモと、含糖物質との重量比は、本発明の効果を与えることができる範囲であれば、特に限定されず、所望の品質に応じて適宜選択して決定することができる。
(酵素剤)
一次醪、二次醪の発酵過程で、発酵促進、アルコール収率の向上、エステルなどの好ましい香気生成の促進、などを目的として、市販の酵素剤を添加してもよい。通常焼酎の製造に使用される酵素剤としては、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼなどがある。
(蒸留)
発酵が終了した二次醪を蒸留機に入れ、単式蒸留により蒸留を実施して焼酎原酒を得る。蒸留方法は、本発明の効果を与えることができれば特に限定されない。通常焼酎製造で使用される蒸留方法としては、常圧蒸留及び減圧蒸留がある。
常圧蒸留は、大気圧で二次醪を蒸留して原酒を得るもので、一般に力強い、コクのある酒質の原酒を得ることができる。減圧蒸留は、真空ポンプなどを用いて、蒸留機内を大気圧より低い気圧に減圧して蒸留して原酒を得るもので、一般にソフトで軽快な酒質の原酒を得ることが出来る。いずれの蒸留方法・蒸留操作であっても、本発明の効果を与えることができる範囲であれば、所望の品質に応じて実施することができる。
(その他の処理)
本発明によって得られた焼酎原酒は、マルトール含有量が高められた、実質的に焦げ臭などの異臭が認められない、甘く芳醇な香気を有する優れた品質のものである。蒸し工程(3)における保持時間、蒸留条件によって多少のバラツキはあるが、マルトールを純アルコール量換算で100ppb(μg/L)以上、フルフラールを10ppm(mg/L
)以下含有する。ここでいう純アルコール量換算とは、所定の成分量を、その成分を含有する酒類のアルコール分で割った値をいう。例えば、アルコール分25%の焼酎にある成分が20ppb含まれていた場合、その成分の純アルコール量換算値は、20ppb/0.25=80ppbとなる。
本発明の焼酎原酒は、このような優れた品質を有するが、さらに所望の品質に応じて処理することができる。処理方法は、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されない。一般に焼酎製造で行われている方法としては、濾過、イオン交換樹脂処理、活性炭処理、木製の貯蔵容器(例えば樫樽)への貯蔵、タンクや甕などの容器での熟成、などがあ
る。これらの処理を単独あるいは組み合わせて実施してもよい。
(焼酎製品)
本発明の焼酎原酒は、蒸留されたものをそのまま、あるいは前記のような処理を行った後、割り水して所望のアルコール分に調整して単式蒸留焼酎(乙類焼酎)製品とすることができる。この場合、蒸留されたものをそのまま、あるいは前記のような処理を行った本発明の焼酎原酒に、他の単式蒸留焼酎(乙類焼酎)原酒を混和し、割り水して所望のアルコール分に調整して単式蒸留焼酎(乙類焼酎)製品としてもよい。
本発明の効果を有する単式蒸留焼酎(乙類焼酎)製品は、マルトールを、純アルコール量換算で100ppb(μg/L)以上含有する。このような場合、マルトールに由来する甘い芳醇な芳香が感じられ、好ましい。マルトール含有量が200ppb(μg/L)以上の場合、甘さ、サツマイモらしい香りが増し、洋菓子のような香りがしてより好ましい。400ppb(μg/L)以上の場合、甘い芳醇な芳香やサツマイモらしい香りが強調されるので、より好ましい。マルトール含有量が600ppb(μg/L)以上の場合、甘い芳醇な芳香やサツマイモらしい香りが強調されるので、さらに好ましい。以上のそれぞれの場合について、フルフラールが若干量含有されている場合、焦げ臭が香味のアクセントになって好ましい効果を及ぼす場合もあるが、フルフラール含有量が10ppm(mg/L)以下の場合、実質的に焦げ臭が認められず、甘い芳醇な芳香の特徴がより際立つので、より好ましい。
本発明の乙類芋焼酎は、マルトール含有量が高められた、実質的に焦げ臭などの異臭が認められない、甘く芳醇な香気を有する優れた品質のものであるので、連続式蒸留原酒と混和して甲類乙類混和焼酎とすると、焦げ臭等の成分がさらに希釈されて、マルトールに由来する甘い芳醇の特徴がより際立つことになり、好ましい。
後述する実施例に示すように、本発明の乙類芋焼酎と、連続式焼酎とを混和して得られる、マルトールを、純アルコール量換算で15ppb(μg/L)以上含有する甲類乙類混和焼酎は通常の芋焼酎には認められない、甘さと芋の素材感が感じられ、スイートポテトを思わせる洋菓子を思わせる華やかな甘い香りが感じられた。驚くべきことに、乙類焼酎混和率が下がるほど、通常の芋焼酎との違いが顕著になったことから、もともとの原酒の特徴が、無味無臭の甲類焼酎原酒で希釈されることによって、かえって強調される結果となったのではないかと考えられる。本発明の甲類乙類混和焼酎において、マルトール含有量が、10ppb(μg/L)から49ppb(μg/L)のとき、通常の乙類芋焼酎にはない、甘さや素材感、スイートポテトを思わせる洋菓子のような香りの効果を発揮できることが明らかとなった。
以下実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す仕込み配合に従い、芋焼酎の製造を行った。ここで、通常蒸しイモとは、通常の蒸し工程を実施したサツマイモのことをいい、長蒸しイモとは、本発明の蒸し工程を実施したサツマイモのことをいう。一次仕込によって製造された一次醪に、表1の配合で通常蒸しイモ及び長蒸しイモを掛け原料として加えて、二次仕込を実施した。
本実施例の芋焼酎(原酒)は、通常蒸しイモと長蒸しイモを重量比で50%ずつ含み、比較例の芋焼酎(原酒)は、通常蒸しイモのみを含むものとなる。
(一次仕込)
米麹は、通常の芋焼酎の製造において使用される一般的な焼酎黒麹菌を用い、常法にしたがって製麹した。具体的には、精白された米を、焼酎用黒麹自動ドラム型製麹機を用いて製麹し、42〜48時間後に出麹して、米麹を得た。
約18kL容のタンクに米麹6t及び水7.2kLを加え、焼酎用鹿児島酵母を、酵母数が最終濃度で105cell/mLとなるように添加して仕込み、常温にて約5日間発酵を行った。一次発酵を終了した一次醪の総量は約12〜13kLとなった。
(二次仕込)
こうして得られた一次醪に、通常蒸しイモ及び長蒸しイモをそれぞれ7.5tと、水4.35kLとを投入して、常温にて二次発酵を行い、約9日間にて発酵を終了した。
(長蒸しイモ)
生のコガネセンガンをバッチ式芋蒸し機に投入し、本発明の蒸し工程を実施した。具体的には、蒸気を蒸し機内に投入してサツマイモの内部温度が100℃に達するまで昇温させ(昇温時間約60分間)、その後約30分程度入蒸し続けて100℃を保持した。その後蒸気を停止し、そのままの状態で一定時間保持した。例として、15時間保持した場合の温度経過を、図1に示す。
同様の方法で、保持時間を、3時間/4時間/6時間/12時間として長蒸しイモを製造し、それぞれ芋焼酎の製造に供した。
(通常蒸しイモ)
生のコガネセンガンをバッチ式芋蒸し機に投入し、通常の蒸し工程を実施した。具体的には、蒸気を蒸し機内に投入してサツマイモの内部温度が100℃に達するまで昇温させ(昇温時間約60分間)、その後約30分程度入蒸し続けて100℃を保持した。その後入蒸を停止し、外気を蒸し機内に強制送風することにより約120分間冷却を行った。
(蒸留)
二次仕込の終了した芋焼酎醪を、通常の常圧蒸留法にて蒸留して芋焼酎原酒を得た。使用した長蒸しイモ保持時間が、3時間/4時間/6時間/12時間である芋焼酎原酒を、それぞれサンプル1/サンプル2/サンプル3/サンプル4とする。これらの芋焼酎原酒のアルコール分は、約37%であった。
(比較例)
対照として、二次仕込の掛け原料において長蒸しイモを使用せず、掛け原料の全てに通常蒸しイモを使用し、同様にして芋焼酎原酒を製造し、比較例とした。
(成分分析)
こうして得られたサンプル1〜4及び比較例と、他社乙類芋焼酎製品に含有されるフルフラール及びマルトール量を、ガスクロマトグラフィ(GC)によって測定した。その結果を表2に示す。
マルトール量を分析する場合は、以下の前処理を行った。サンプルをアルコール度数10%となるよう純水にて希釈した。希釈液に1/2量のジクロロメタン(ナカライ社、残留農薬・PCB試験用)を加え、スターラーで1時間攪拌し、マルトールを抽出した。分
液ロートを用いてジクロロメタン層を採取し、硫酸ナトリウム(ナカライ社、試薬特級)で脱水した。取得液をエバポレーターを用いて、約1/200容量となるまで減圧濃縮した。
こうして得たマルトールを含有するサンプルを、GCによって測定した。マルトール分析に用いたGCの測定条件は、以下の通りである。
使用機器:アジレント・テクノロジー社 GC/MS:6890N/5973N
<GC部>
使用カラム:DB−WAX(J&W社製)内径0.32mm、長さ60m、膜厚0.25μm
カラム温度:40℃(5分間保持)〜190℃ 、昇温速度2℃/min
キャリアガス制御:コンスタントフロー1.0ml/min、カラム設定注入圧4.0psi
注入方法:スプリットレス法
注入量:1.0μl
<MS部>
イオン化法EI(電子イオン化)法(イオン化電圧70eV)
MSイオン源温度:230℃
MS四重極温度:150℃

フルフラール分析に用いたGCの測定条件は、以下の通りである。
使用機器:アジレント・テクノロジー社 GC:6890N
<GC部>
使用カラム:HP−ULTRA2(J&W社製)内径0.32mm、長さ50m、膜厚0.52μm
カラム温度:40℃(9分間保持)〜230℃(10分間保持)、昇温速度10℃/minキャリアガス制御:線速度一定(40cm/s)、カラム初期温度入口圧;133kPa注入方法:スプリット法(スプリット比15:1)
注入量:2.0μl
検出器:FID260℃
この結果より、本発明で製造された芋焼酎(サンプル1〜4) は、比較例及び他社乙
類芋焼酎製品A〜Cに比べて、焦げ臭の原因成分のひとつであるフルフラールを増大させることなく、マルトールの含量が飛躍的に増大していることが認められた。これは、サツマイモの通常蒸し工程後に長時間高温保持することによって、マルトースとアミノ酸によるメイラード反応が進み、マルトールが生成したことによるものと推定される。
次に、蒸し工程における好ましい保持時間を決めるため、本発明の焼酎原酒サンプル1〜4及び比較例について、純水にてアルコール分25%となるように希釈し、訓練された専門パネラー4名により官能評価を実施した。
比較例を5点とし、香味の甘さ・芋の素材感について、下記のような評点に基づき評価を行った。
5点:比較例と同じレベル。
4点:比較例に比べて、若干甘い感じがある。
3点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が明確に向上している。
2点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が強まっている。
1点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が非常に強まっている。
平均点3点より良い点の場合、比較例より明らかに優れた品質であると判断する。
各パネラーによる評点の平均点及び評価コメントを表3に示す。
サンプル1は、比較例と大きな品質変化は見られなかったが、サンプル2では、甘さと素材感が増しただけでなく、洋菓子のような華やかな甘い香りが感じられるようになり、質的にも比較例より好ましい香味を感じることができた。サンプル3、4でこの傾向はさらに強まり、通常の焼酎の香りとは明らかに異なる、洋菓子・スイートポテトのような濃厚な甘い香りを発するようになった。
以上の結果から、蒸し工程における、100℃・30分間保持後の保持時間としては、4時間以上のとき本発明の効果が発揮されて好ましい。6時間以上のとき、よりその効果が強まり、より好ましい。12時間以上のとき、さらにその効果が強まり、さらに好ましい。
乙類焼酎製品として、本発明の原酒を使用した場合の品質を確認するため、本発明のサンプル4と、比較例(通常の芋焼酎原酒)と、純水とを用いて、マルトール含有量がそれぞれ50/100/200/400/600ppb(μg/L)となる、アルコール分25%の乙類芋焼酎を作成した(サンプル5/6/7/8/9)。比較例、サンプル5〜8・サンプル4及び他社乙類芋焼酎製品について、訓練された専門パネラー3名により官能評価を実施した。
比較例を5点とし、香味の甘さ・芋の素材感について、下記のような評点に基づき評価を行った。
5点:比較例と同じレベル。
4点:比較例に比べて、若干甘い感じがある。
3点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が明確に向上している。
2点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が強まっている。
1点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が非常に強まっている。
平均点3点より良い点の場合、比較例より明らかに優れた品質であると判断する。
各パネラーによる評点の平均点及び評価コメントを表4に示す。
マルトール含有量が100ppb(μg/L)のサンプル6から、対照とはっきり異なる香味が確認できた。甘さと素材感が増しただけでなく、洋菓子のような華やかな甘い香りが感じられるようになり、質的にも比較例より好ましい香味を感じることができた。
マルトール含有量が増加するに従って、香りの総量が増し、香りのふくらみや味のボディ感が見られるようになり、マルトール含有量が400ppb(μg/L)以上になると(サンプル8)、スイートポテトを思わせる濃厚な甘い香味が感じられるようになり、より好ましい。
マルトール含有量が600ppb(μg/L)以上になると(サンプル9)、スイートポテトを思わせる濃厚な甘い香味が更に強まり、さらに好ましい。
他社製品(製品D・製品E)については、対照よりも芋の甘い香味や素材感を感じることはできず、ややこげた香味やムレ香などの欠点臭が感じられた。焼酎としての酒質も、本発明品は優れていることが明らかになった。
甲類乙類混和焼酎製品として、本発明の原酒を使用した場合の品質を確認するため、次のようにしてサンプル作成した。
実施例3で作成したマルトール濃度100ppb(μg/L)の乙類芋焼酎サンプル6(アルコール分25%)と、連続式蒸留焼酎(アルコール分25%)とを、乙類焼酎混和率が、純アルコール比でそれぞれ10/15/20/25/30/40/49%となるよう混和し、アルコール分25%の甲類乙類混和焼酎を作成した(サンプル10/11/12/13/14/15/16。マルトール含有量は、それぞれ純アルコール量換算で10/15/20/25/30/40/49ppb[μg/L])となる)。
なお、純アルコール比とは、ある原酒の純アルコール量の、最終製品における純アルコール量に対する比(百分率)のことをいう。乙類焼酎混和率とは、乙類焼酎由来のアルコールの、最終製品における純アルコール比(百分率)のことをいう。
同様にして、一般的な乙類芋焼酎製品Aと、連続式蒸留焼酎(アルコール分25%)とを、乙類焼酎混和率が、純アルコール比でそれぞれ10/15/20/25/30/40/49%となるよう混和し、アルコール分25%の甲類乙類混和焼酎を作成し、対照とした。
サンプル10/11/12/13/14/15/16、及び乙類焼酎混和率が15/20/25/30/40%であるアルコール分25%の他社甲類乙類混和焼酎製品(製品F/G/H/I/J)について、訓練された専門パネラー3名により官能評価を実施した。ある乙類焼酎混和率の対照を5点として、これと同じ乙類焼酎混和率となるサンプル11〜16及び製品F〜Jの香味の甘さ・芋の素材感について、下記の評点に基づき評価を行った。
5点:比較例と同じレベル。
4点:比較例に比べて、若干甘い感じがある。
3点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が明確に向上している。
2点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が強まっている。
1点:比較例に比べて、甘さ・芋の素材感が非常に強まっている。
平均点3点より良い点の場合、比較例より明らかに優れた品質であると判断する。
各パネラーによる評点の平均点及び評価コメントを表5に示す。
サンプル10〜16は、いずれも製品Aを希釈した対照サンプルには認められない、甘さと芋の素材感が感じられ、スイートポテトを思わせる洋菓子を思わせる華やかな甘い香りが感じられた。また、このような特徴は、同じ乙類焼酎混和率の他社製品F〜Jに対しても優れた効果を発揮し、従来にない高品質の甲類乙類混和焼酎となった。
驚くべきことに、乙類焼酎混和率が下がるほど、通常の芋焼酎との違いが顕著になった。もともとの原酒の特徴が、無味無臭の甲類焼酎原酒で希釈されることによって、かえってマルトールの効果が強調される結果となったのではないかと考えられる。
本発明の焼酎原酒によってマルトール含有量が高められた甲類乙類混和焼酎において、マルトール含有量が、10ppb(μg/L)以上であるとき、通常の乙類芋焼酎にはない、甘さや素材感、スイートポテトを思わせる洋菓子のような香りの効果を発揮できることが明らかとなった。

Claims (11)

  1. 焼酎用原料サツマイモの製造方法であって、次の3つの工程;
    (1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
    (2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、
    を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって得られる、マルトール含有量が高められた焼酎用原料サツマイモ。
  3. 請求項2に記載の焼酎用原料サツマイモを用いて得られる、マルトール含有量が高められた焼酎醪。
  4. マルトール含有量が高められた焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品であって、次の3つの工程;
    (1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
    (2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、
    を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモを原料の一部として用いる焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
  5. マルトールを、純アルコール量換算で100ppb(μg/L)以上含有する、請求項4記載の焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
  6. フルフラールを、純アルコール換算量で10ppm(mg/L)以下含有する、請求項4又は5に記載の焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
  7. 焼酎用原料のサツマイモの処理方法であって、 次の3つの工程;
    (1)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に到達せしめる工程、
    (2)装置内部のサツマイモの内部温度を95℃〜100℃に約30分間保持する工程、(3)装置内部のサツマイモの内部温度を100℃から60℃に4時間〜15時間保持する工程、
    を蒸し工程として含む、焼酎用原料サツマイモのマルトール含有量を高める方法。
  8. マルトールを、純アルコール量換算で100ppb(μg/L)以上含有する、芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
  9. フルフラールを、純アルコール換算量で10ppm(mg/L)以下含有する、請求項8記載の芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品。
  10. 請求項8記載の芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品と、連続式焼酎とを混和して得られる、マルトールを、純アルコール量換算で10ppb(μg/L)以上含有する甲類乙類混和焼酎。
  11. 請求項8に記載の芋焼酎原酒、または当該原酒から得られる乙類焼酎製品を連続式蒸留焼酎と混和することによって、連続式蒸留焼酎の芳香を高める方法。
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