JPH06113811A - 過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法 - Google Patents

過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法

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JPH06113811A
JPH06113811A JP29774592A JP29774592A JPH06113811A JP H06113811 A JPH06113811 A JP H06113811A JP 29774592 A JP29774592 A JP 29774592A JP 29774592 A JP29774592 A JP 29774592A JP H06113811 A JPH06113811 A JP H06113811A
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JP
Japan
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barley
shochu
wheat
superheated steam
water
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JP29774592A
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English (en)
Inventor
Masatatsu Kodama
正達 児玉
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NIKAIDOU SHUZO KK
Original Assignee
NIKAIDOU SHUZO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精麦を加熱してα化したとしても、麦の内部
に酸化臭やコゲ臭が残らない麦焼酎の製造方法を提供す
ること。 【構成】 180℃〜200℃の加熱蒸気で60秒〜1
80秒間加熱処理して麦の澱粉質をα化した原料麦と水
の混合物に麹を接種して培養した一次もろみに、180
℃〜200℃の加熱蒸気を60秒〜180秒間加えて澱
粉質をα化した二次掛け用の原料麦と水を加えて二次も
ろみをつくり、発酵させたあと蒸留して麦焼酎を製造す
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】原料を加熱処理して仕込む麦焼酎
の製造方法に関し、特に原料麦を過熱蒸気によって加熱
処理する焙煎麦焼酎の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】焼酎は日本在来の蒸留酒で、原料となる
米,麦,サツマイモやその他のデンプン質を麹で糖化す
ると共に酵母で発酵させ、そのもろみまたはそのもろみ
を搾ったあとの酒かすを単式蒸留機で蒸留する。そして
この原液を水で薄めてアルコール分45パーセント以下
にした酒である。焼酎は製造法によって、もろみ取焼酎
とかす取焼酎に分けられる。現在のもろみ取焼酎は、黒
麹菌系統のカビで作った麹とデンプン質原料と水とを混
合し、酵母を培養して酒母(一次もろみという)にす
る。次に、一次もろみにデンプン質原料と水を加えて二
次もろみを作り、これを発酵させたあと蒸留するもの
で、アルコール以外の揮発を多く含んでいる。これに水
を加えてアルコール分45パーセント以下の製品にする
つ焼酎ができあがる。一方、かす取焼酎は清酒製造時の
副産物である酒かすに5〜8パーセントの残留アルコー
ル分が残留すことを利用して焼酎を作る方法である。こ
のかす取焼酎は原料となる酒かすを散水しながら桶に漬
けこんで再発酵させ、更に2〜3パーセントのアルコー
ル分を追加する。それをだんご状に形成してもみ殻をま
ぶし、単式蒸留機で蒸留するとアルコール分25〜35
パーセントの焼酎ができあがる。
【0003】焼酎は日本在来の蒸留酒であるが、その起
源を探ると、西洋の蒸留酒と同様にヘレニズム文化に求
めることができる。このヘレニズム文化に端を発する焼
酎の原形は、中国の元朝時代に、現在の雲南地方に「阿
刺吉」の名称で伝えられ、それが朝鮮半島を経由して日
本で伝来したと言われているが、「朝鮮実録」による
と、1404年に太宗より対馬の宗貞茂に焼酎が贈られ
たとする記載があり、これが日本に最初に伝来した焼酎
として記録とされている。また、琉球では、現在のタイ
との交易が15世紀末に始まると、焼酎がその製造方法
と共にタイから輸入されて琉球でも焼酎の製造が始めら
れた。この焼酎は現在の泡盛として一般に知られている
が、この泡盛は16世紀の初頭に琉球王室より薩摩の島
津侯へ贈られ、これがきっかけとなって、薩摩藩領内で
は庶民層にまで焼酎が普及した。一方、南九州から本州
に伝えられた焼酎は清酒の製造法が加味されて今日に到
っている。なお、現在の焼酎製造法は本州の清酒製造業
者が副業として製造しているかす取焼酎と沖縄・九州地
区の業者がデンプン質を原料に製造しているもろみ取焼
酎とに大別されている。
【0004】このもろみ取焼酎は、もろみに使用するデ
ンプン質の原料に米,麦,サツマイモ等が一般に用いら
れているが、この中で麦を原料として仕込み、発酵させ
た焼酎がいわゆる麦焼酎である。この麦焼酎は長崎県や
鹿児島県の特産として広く知られているが、この麦焼酎
の製造方法の一つとして焙炒麦焼酎製造方法がある。こ
の焙炒麦焼酎製造方法は、仕込む前の原料麦を乾燥した
熱風で加熱処理して麦の澱粉質のα化率を高め、これを
麹や水と仕込んで発酵させる方法であるが、これにより
原料麦のα化率が高まり発酵日数を著しく短縮すると共
に原料の殺菌効果も期待できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
焙炒麦焼酎製造方法では、精麦をガス燃焼や重油燃焼に
よって得た乾燥熱風で加熱してα化するため、加熱熱風
の温度が高すぎると、高熱によって原料麦が急激な物性
変質を起こし、異質な物質に変化して原料の本来の旨味
が損なっうことがある。また、原料麦を過度に加熱する
と、精麦の表皮組織を形成している脂質から酵素分解さ
れた脂肪酸が多く出て原料麦の澱粉質に浸透する。その
ためにこの原料麦を発酵させて蒸留すると、抽出した麦
焼酎の原液に酸化臭やコゲ臭が残留してしまい、味や香
りが極度に低下した品質の低い麦焼酎となってしまう。
そこで、この抽出した麦焼酎の原液から酸化臭やコゲ臭
を除去するため一旦抽出した麦焼酎の原液を瀘過処理す
ることが一般に行なわれているが、この瀘過処理方法は
麦焼酎の旨味まで除去してしまい、麦焼酎の本来の旨味
が極端に低下してしまうという、焼酎としては知命的な
問題があった。そこで、本発明はこのような問題点を解
決するために成されたもので、精麦を加熱してα化した
としても麦の内部に酸化臭やコゲ臭が残らない麦焼酎の
製造方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に成された本発明は、原料麦と水の混合物に麹を接種し
て培養した一次もろみに、原料麦と水を加えて二次もろ
みをつくり、発酵させたあと蒸留する麦焼酎の製造方法
であって、原料麦を180℃〜200℃の過熱蒸気で6
0秒〜180秒間加熱処理して麦の澱粉質をα化した
後、水と種麹を加えて製麹する一次もろみ製造行程と、
180℃〜200℃の過熱蒸気を60秒〜180秒間加
えて澱粉質をα化した二次掛け用の原料麦を上記一次も
ろみに仕込む二次もろみ製造行程と、によって麦焼酎を
製造することを特徴とする過熱蒸気による焙煎麦焼酎の
製造方法を要旨としている。
【0007】
【作用】本発明の過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法
によれば、精麦を加熱してα化する際に過熱蒸気を用い
て加熱処理するため、麦のα化が穏やかに進行する。こ
の作用により、従来の乾燥熱風処理のように麦の内部に
酸化臭やコゲ臭が残留することがなくなる。
【0008】
【実施例】次に、本発明の過熱蒸気による焙煎麦焼酎の
製造方法の実施例について、その製造行程を具体的に説
明する。 A、仕込前処理 (1)麦焼酎の原料となる精麦150Kgを30秒から
60秒間風洗した後、水を霧化噴射して40分間浸漬
し、更に、浸漬した麦を50分間水切り処理する。 (2)水切処理を施した原料麦を、180℃〜200℃
の蒸気で60秒〜180秒加熱して焙煎処理を行ない麦
の澱粉質をα化する。 B、一次仕込 (3)焙煎処理が終了した原料麦を38℃〜40℃の温
度にまで冷却すると共にこの原料麦を35パーセント水
分の状態にして種麹を接種する。 (4)原料麦で製麹した麹150Kgに汲水を加えて酵
母の育成を早め、約40時間で一次仕込(一次もろみ)
の育成を終了する。 C、仕込前処理 (5)次に、二次仕込に用いる精麦300Kgを30秒
から60秒間風洗した後、水を霧化噴射して40分間浸
漬し、更に、浸漬した麦を50分間水切り処理する。
(6)水切処理を施した原料麦を、180℃〜200℃
の蒸気で60秒〜180秒加熱して焙煎処理を行ない麦
の澱粉質をα化する。 D、二次仕込 (7)25℃〜30℃の温度にまで冷却した焙煎麦に汲
水と一次仕込を加えて二次もろみとし、発酵させる。 E、蒸留 (8)この二次仕込により発酵を完了したもろみを蒸留
して原液を抽出し、水で薄めてアルコール分45パーセ
ントの麦焼酎とするが、本実施例では常圧で蒸留する方
法と減圧して蒸留する方法との2種類の蒸留方法があ
り、微妙に味の異なる麦焼酎が抽出できる。
【0009】次に、本実施例の作用・効果について説明
する。本実施例の過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法
は、一次仕込及び二次仕込に用いる原料麦を過熱蒸気に
よる湿熱風で焙煎処理することで、麦の澱粉質のα化が
穏やかに進行することになる。この作用により、本実施
例の製造方法で得られる麦焼酎は、香ばしい香りと淡麗
化したソフトな味の麦焼酎となる。また、本実施例の製
造方法は、麦の表面を過熱蒸気で焙煎処理することで、
麦の表皮や糊粉層にある粗蛋白質脂質部分が変性して酸
素による影響を受け難くなる。この作用により、原料麦
の澱粉質が酸化されることを極力防止することも可能に
なる。更に、製造行程においても、使用する水量の大幅
削減,行程の簡素化,作業員の人員削減,発酵期間の大
幅短縮,作業行程のクリーン化といった、省エネルギー
化と職場環境の改善を実現したことで、大きな経済的効
果を得ることに成功した。また更に、原料麦の焙煎温度
と焙煎時間を任意に調節したり、或いは常圧蒸留と減圧
蒸留を任意に組み合わせて麦焼酎の原液を抽出すれば、
香りや味の微妙に異なる各種の麦焼酎を製造することも
可能である。従って、本実施例の過熱蒸気による焙煎麦
焼酎の製造方法は、多様化する一般消費者のニーズに対
応させて幅広い商品の品質設計が容易になると共に一般
消費者に良質な麦焼酎を低価格で供給することを可能に
した画期的な製造方法であり、社会に与える恩恵は図り
しれないものがある。
【0010】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の過熱蒸
気による焙煎麦焼酎の製造方法は、原料麦と水の混合物
に麹を接種して培養した一次もろみに、原料麦と水を加
えて二次もろみをつくり、発酵させたあと蒸留する麦焼
酎の製造方法であって、原料麦を180℃〜200℃の
過熱蒸気で60秒〜180秒間加熱処理して麦の澱粉質
をα化した後、水と種麹を加えて製麹する一次もろみ製
造行程と、180℃〜200℃の過熱蒸気を60秒〜1
80秒間加えて澱粉質をα化した二次掛け用の原料麦を
一次もろみに仕込む二次もろみ製造行程とによって麦焼
酎を製造するようにしたことで、香ばしい香りと淡麗化
したソフトな味の麦焼酎の製造を可能にすると共に麦の
表面を過熱蒸気で焙煎処理することで、麦の表皮や糊粉
層にある粗蛋白質脂質部分が変性して酸素による影響を
受け難くなる。この作用により、原料麦の澱粉質が酸化
されることを極力防止することも可能になる。従って、
本発明の過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法は一般消
費者に良質な麦焼酎を低価格で供給することを可能にし
た画期的な発明であり、社会に与える恩恵は図りしれな
いものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料麦と水の混合物に麹を接種して培養
    した一次もろみに、原料麦と水を加えて二次もろみをつ
    くり、発酵させたあと蒸留する麦焼酎の製造方法であっ
    て、 原料麦を180℃〜200℃の過熱蒸気で60秒〜18
    0秒間加熱処理して麦の澱粉質をα化した後、水と種麹
    を加えて製麹する一次もろみ製造行程と、 180℃〜200℃の過熱蒸気を60秒〜180秒間加
    えて澱粉質をα化した二次掛け用の原料麦を上記一次も
    ろみに仕込む二次もろみ製造行程と、によって麦焼酎を
    製造することを特徴とする過熱蒸気による焙煎麦焼酎の
    製造方法。
JP29774592A 1992-10-08 1992-10-08 過熱蒸気による焙煎麦焼酎の製造方法 Pending JPH06113811A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002065237A (ja) * 2000-02-08 2002-03-05 Takara Shuzo Co Ltd 酒類及びその製造方法
JP2008228620A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Kirishimashuzo 甘藷を用いた焼酎の製造方法
CN105112269A (zh) * 2015-09-07 2015-12-02 北京北农企业管理有限公司 一种利用炒粮粉碎技术生产液态法白酒的方法
CN105176738A (zh) * 2015-09-16 2015-12-23 迟新军 焦香型酒的制作方法

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