JP4462022B2 - 扁平型非水電解液電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液電池に関するものであり、さらに詳しくは電池ケースの腐食が起こりにくい、信頼性の高い扁平型非水電解液電池と提供することを目的とした、電池ケース及び電解液の改良に関するものである。
非水電解液電池では、電解液の溶媒として有機溶媒が使用されるので、正極活物質を適宜選択することにより、高電圧かつ高容量な電池を得ることが可能である。
非水電解液の溶質としてはLiPF6やLiBF4、LiCF3SO3またはLiN(CF3SO22などが使用されているが、なかでもLiPF6を溶質とする電解液はイオン伝導度が高いため、最も多く使用されている。
特に正極の開回路電圧が4V以上になる場合には、高いイオン伝導性に加え、高い耐酸化性を有するLiPF6が広く一般的に使用されている。
このような非水電解液電池において、正極と電気的に直接的あるいはリードなどを介して間接的に接している電池ケースは、電池の連続充電、あるいは無負荷での保存中に電池ケースが高電位となるため電気化学的に腐食しやすい。安価なフェライト系ステンレス鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼は電池ケースに広く使用されているが、正極の開回路電圧が4V(vs.Li/Li+)以上になる非水電解液電池の電池ケース材料にこれらのステンレス鋼を用いると、ステンレス鋼の鉄成分が鉄イオンとなって溶融し、長期保存中の電池ケースの腐食を引き起こす。このため、正極の開回路電圧が4V以上になる非水電解液電池の電池ケースには、耐食性の優れたアルミニウムを電池ケースの内面に備えたものが広く一般的に用いられている(例えば特許文献1参照)。
特開平5−174873号公報
近年、携帯電話やPDAなどの情報端末の高機能化に伴い、高電位を有するLiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などを正極材料に用いた非水電解液電池の需要は高まっている。LiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などの4V級リチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質に用いた場合には、正極の電位が4V以上(vs.Li/Li+)になる。そのため、耐食性の優れたアルミニウムが電池ケース材料に用いられ、且つ非水電解液の溶質としては高いイオン伝導性に加え、高い耐酸化性を有するLiPF6が用いられている。しかし、多湿環境下での保存において、電池内部へ水分が浸入すると、LiPF6は浸入した水分と反応しフッ素イオンを解離する。このフッ素イオンはアルミニウムと非常に強く反応し、アルミニウムを腐食させ、電池の劣化を加速させるという大きな課題があった。特に、扁平型電池の封口部はカシメ封口であるため、外部からの水分の浸入を完全に抑えることは非常に困難である。
また、ステンレス鋼において、クロムとモリブデン及び窒素の含有が耐食性に対し非常に効果があることは知られている。そのため、これらの含有量から導かれる孔食指数(%Cr+3.3×%Mo+20×%N)が耐食性の指標となっている。これはクロムやモリブデンが空気中の酸素や水分と反応して酸化物や水酸化物の不動態被膜をステンレス鋼の表面に形成し、腐食の進行を抑制するためである。また窒素はその被膜形成を助ける役目を果たすと考えられている。安価で汎用されているステンレス鋼の中で、この孔食指数が高いものとしてはSUS316やSUS304、SUS444やSUS430などが挙げられるが、これらのステンレス鋼を電池ケースに用いても、4Vを超える高い電位に対しては鉄成分の溶融による腐食を完全には抑制できなかった。特にLiPF6を非水電解液の溶質に用いた電池においては、LiPF6と電池内部に浸入した水分との反応により解離したフッ素イオンが、鋼の表面に形成された不動態被膜を局部的に破壊して局部腐食を引き起こし、電池劣化を加速的に引き起こすという課題もあった。クロムとモリブデンの添加量を増量することで耐食性の向上は図れるが、材料硬度が高まり加工性の悪化を招いたり、コストアップに繋がるという課題があった。
したがって、加工性を損なうことなく、且つ安価な材料を電池ケースに用いても、正極の開回路電圧が4V(vs.Li/Li+)以上になる非水電解液電池の、特に多湿環境下での耐食性を改善させることは、この種の電池の実用電池としての信頼性を高める上で急務と考えられている。
本発明は上記問題に対処するためになされたものであって、従来から広く使用されている安価なステンレス鋼を用いても、長期保存中における電池ケースの腐食による電池の劣化を抑制でき、特に、多湿環境下での電池ケースの耐食性を改善し、信頼性の高い非水電解液電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の非水電解液電池は、金属リチウムを対極とした時の開回路電圧が4V以上になる4V級リチウム含有遷移金属酸化物からなる正極と、負極と、セパレータ及び電解液を、電池ケース、封口板及び樹脂製ガスケットからなる電池容器に収納した扁平型非水電解液電池であって、前記電解液の溶質がLiPFおよびLiBF のモル濃度比で95:5〜70:30の割合で混合されており、且つ前記電池ケースの材料として孔食指数(%Cr+3.3×%Mo+20×%N)が22以上のステンレス鋼を用いたものである
さらに前記ガスケットの好適な樹脂としては、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂が挙げられる。LiCoO、LiNiOまたはLiMnなど4V級の正極材料を用いた非水電解液電池の電池ケースに対して、本発明の電解液とステンレス鋼を使用すると、非水電解液中でLiBF4が電気分解によりフッ化物イオンを生成し、ステンレス鋼の表面でクロムとモリブデン及び窒素と反応してさらに強固な不動態被膜を形成するために、鉄成分の溶融による腐食を大きく抑制できる。また、浸入した水分とLiPFが反応して生成したフッ素イオンによるステンレス鋼表面の不動態被膜の局部腐食も効果的に防止でき、電池劣化を抑えることができる。つまり、種々の検討の結果、電解液の溶質がLiPFおよびLiBFからなり、そのモル濃度比95:5〜70:30からなるとき、従来から汎用されている安価なステンレス鋼であっても孔食指数が22以上であれば、電池ケース全面に緻密で強固な不動態皮膜が形成され、4Vを超える高い電位に対しても高い耐食性を有し、且つ多湿環境下で浸入した水分とLiPFが反応して生成したフッ素イオンによる電池ケースの腐食も抑制でき、長期信頼性の向上が達成できることを見出した。
また、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂をガスケットに用いるのも好ましい。従来から広くガスケット材として用いられているポロプロピレンなどに比べ、上記樹脂は水蒸気透過度が低いために、電池内部への水分の浸入量を低減することができる。
本発明により、電池ケースが腐食しにくく、信頼性の高い非水電解液電池が提供でき、特に多湿環境下での保存において、水分が触媒となった電池ケースの腐食を抑制することができる。
本発明の骨子は、扁平型非水電解液電池の電解液と電池ケース材料であり、これら以外の部材には従来公知の材料を特に制限無く用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態である扁平型非水電解液電池の断面図である。
図1において電池ケース1は正極端子を兼ねる。この電池ケース1は、(%Cr+3.3×%Mo+20×%N)から導かれる孔食指数が22以上であるステンレス鋼を用い、且つ図示していないが封入されている電解液の溶質がLiPFおよびLiBF からなり、そのモル濃度比が95:5〜70:30からなるとき、高い耐食性を得られる。
封口板2は負極端子を兼ね、通常ステンレス鋼が用いられる。なお、この封口板に対しても、本発明の孔食指数が22以上のステンレス鋼を用いると、さらに高い耐食性をもつ非水電解液電池が得られる。
ガスケット3は電池ケースと封口板を絶縁する樹脂であり、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂であると樹脂の水蒸気透過度が低いために、例えば、多湿環境下での保存において、電池内部への水分の浸入量を低減することができ、水分が触媒となった電池ケースの腐食を抑制することができるので好ましい。
正極4と負極5は電極であり、正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などの4V級リチウム含有遷移金属酸化物であり、これらの酸化物にマグネシウムやアルミニウムなどが添加されているのも好ましい。負極活物質としては、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出することが可能な物質や金属リチウムなどが挙げられる。リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出することが可能な物質として、例えばチタン酸リチウムなどの正極活物質に比べて卑な金属酸化物、黒鉛やコークス等の炭素材料、もしくはリチウム−アルミニウム合金、リチウム−鉛合金、リチウム−錫合金等のリチウム合金などが挙げられる。
セパレータ6は、通常ポリプロピレン製不織布からなり、集電体7(図示せず)は電池ケース1および封口板2の内面に塗布されている。
以下、本発明の実施例を図面および表を参照しながら、さらに具体的に説明する。
(実施例1)
図1の構造を持つ非水電解液電池、電池1を以下の条件で作製した。
電池ケース1は、Crを22.0重量%、Moを3.1重量%、Nを0.10重量%、Feを68.5重量%、Niを4.8重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS329J3Lステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Aとする)を使用した。
封口板2は、JIS規格におけるステンレス鋼のSUS316で作製した。
電池ケースと封口板を絶縁するガスケット3にはポリプロピレン製ガスケットを用いた。
正極4は、4V級活物質であるLiCoO2に導電剤としてカーボンブラック、および結着剤としてフッ素樹脂粉末を混合し、直径10mm、厚み0.5mmのペレット状に成型した後、250℃中で24時間乾燥したものを用いた。
負極5はチタン酸リチウムに導電剤としてカーボンブラック、結着剤としてスチレンブタジエンゴムを混合し、直径11mm、厚み0.5mmのペレット状に成型した後、150℃中で24時間乾燥したものを用いた。
さらに、セパレータ6はポリプロピレン製不織布を用いた。集電体7は、導電性カーボン塗料を電池ケース1及び封口板2の内面に塗布した後、塗膜の水分を除去するために150℃で6時間乾燥したものを用いた。
また、電解液としてはエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネ−トを体積比1:3の割合で混合した溶媒に、溶質としてLiPF6/LIBF4=95/5を1mol/lの割合で溶解したものを用いた。
あわせて電池ケースの材質が異なる電池2〜電池を作製した。
電池2は、正極ケースにCrを16.1重量%、Moを2.0重量%、Feを69.0重量%、Niを11.2重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS316ステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Bとする)を使用した以外は、電池1と同様の構成からなる。
電池3は、正極ケースにCrを18.5重量%、Moを2.1重量%、Feを77.8重量%、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS444ステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Cとする)を使用した以外は、電池1と同様の構成からなる。
電池4はCrを19.7重量%、Moを3.6重量%、Nを0.10重量%、Feを62.1重量%、Niを13.5重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS317LNステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Dとする)を使用した以外は、電池1と同様の構成からなる。
電池5はCrを18.2重量%、Nを0.12重量%、Feを70.1重量%、Niを10.1重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS304Nステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Eとする)を使用した以外は、電池1と同様の構成からなる。
電池6はCrを17.2重量%、Feを80.1重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS430ステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Fとする)を使用した以外は、電池1と同様の構成からなる。
電池7はCrを17.5重量%、Moを1.3重量%、Feを68.3重量%、Niを10.4重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS315J1ステンレス鋼(以下、ステンレス鋼Gとする)を使用した以外は、電池1と同様の構成からなる。
表1に電池1〜電池7に使用したステンレス鋼の成分をまとめる。
Figure 0004462022
完成電池はいずれも直径16mm、厚さ1.6mmである。これらの電池について、組み立て後、2.6Vの定電圧で24時間初充電(保護抵抗50Ω)を行った。これらの放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で2.8Vの定電圧を印加した状態(この時、正極はおよそ4.3V(vs.Li/Li+)まで上昇する)で60日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。放電容量は2kΩの定抵抗放電を1.5Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。
また、試験後電池を分解し、デジタルマイクロスコープを用いて電池ケース内面の腐食発生個所を観測した。表2に各試験電池の残存容量率、腐食割合を示す。残存容量率は各電池をそれぞれ10個測定しその平均値とした。また、腐食割合は全面腐食を「×」、腐食が無い場合を「○」で表した。
Figure 0004462022
表2の結果から分かるように、溶質がLiPF6およびLiBF4の混合溶質からなり、電池ケース材料がステンレス鋼A〜ステンレス鋼Dからなる電池(電池1〜電池4)は、ステンレス鋼E〜ステンレス鋼Gを電池ケースに用いた電池(電池5〜電池6)に比べて残存容量率の低下が大幅に低減された。このことから、本発明の孔食指数が22以上のステンレス鋼を電池ケースに用い、溶質がLiPF6およびLiBF4からなるものを用いることにより、高温多湿環境下で高電位に達している正極の劣化を抑制できることが分かる。なお、試験後に分解調査した結果、電池5〜電池7はケース内面に腐食が発生しており、容量の低下はこれが原因であった。
(実施例2)
正極ケースとしてステンレス鋼A〜ステンレス鋼Gを用い、溶質としてLiPF6/LBF4=80/20を1mol/lの割合で溶解したものを用いた電池8〜電池14を作製した。それぞれの残存容量と腐食の割合を表3に示す。
Figure 0004462022
表3の結果より、孔食指数が22以上のステンレス鋼A〜Dを電池ケースに用いた電池8〜電池11ではケース内面の腐食がなく、良好な残存容量率を示した。
(実施例3)
正極ケースとしてステンレス鋼A〜ステンレス鋼Gを用い、溶質としてLiPF6/LBF4=80/20を1mol/lの割合で溶解したものを用いた電池15〜電池21を作製した。それぞれの残存容量と腐食の割合を表4に示す。
Figure 0004462022
表4の結果より、孔食指数が22以上のステンレス鋼A〜Dを電池ケースに用いた電池15〜電池18ではケース内面の腐食がなく、良好な残存容量率を示した。
参考例1
正極ケースとしてステンレス鋼A〜ステンレス鋼Gを用い、溶質としてLiPF/LiBF=30/70を1mol/lの割合で溶解したものを用いた電池22〜電池28を作製した。それぞれの残存容量と腐食の割合を表5に示す。
Figure 0004462022
表5の結果より、孔食指数が22以上のステンレス鋼A〜Dを電池ケースに用いた電池22〜電池25ではケース内面の腐食がなく、良好な残存容量率を示した。
(参考例
溶質にLiPFを用いた以外は実施例1の電池と同様にした電池29〜電池35を作製した。残存電気容量と腐食の割合を表6に示す。
Figure 0004462022
表6の結果から、溶質がLiPF6からなる場合は、電池ケース材料がステンレス鋼A〜ステンレス鋼Dからなる電池29〜電池32も、ステンレス鋼E〜ステンレス鋼Gからなる電池33〜電池35もともに残存容量率の低下は大きく、分解調査した結果、全ての電池でケース内面に腐食が発生しており、容量の低下はこれが原因であった。
(参考例
正極として、3.5V級活物質であるV25に導電剤としてカーボンブラック、および結着剤としてフッ素樹脂粉末を混合し、直径10mm、厚み0.5mmのペレット状に成型した後、250℃中で24時間乾燥したものを用い、封口板内面に、直径10mm、厚み0.2mmに打抜いた金属リチウムを圧着させ、電解液としてはエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネ−トを体積比1:3の割合で混合した溶媒に、溶質としてLiPF/LIBF=95/5を1mol/lの割合で溶解したものを用いた以外は電池1〜電池7と同様の方法で、電池36〜電池42を組み立てた。
これらの電池については3.0mAで3時間放電を行った後、2.1Vの定電圧で24時間初充電(保護抵抗50Ω)を行った。これらの放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で2.3Vの定電圧を印加した状態(この時、正極はおよそ3.8V(vs.Li/Li+)まで上昇する)で60日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。
放電容量は2kΩの定抵抗放電を1.0Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。結果を表7に示す。
Figure 0004462022
正極の電位が4V以上になるLiCoO2を正極に用いた電池1〜電池7と4V以下であるV25 を正極に用いた電池36〜電池42を比べると、電池36〜電池42では、ステンレス鋼による残存容量率の低下の割合に大きな差は見られないが、電池1〜電池7では電池1〜電池4の方が電池5〜電池7に比べて大幅に残存容量率の低下が低減されていることが分かる。さらに、腐食割合を見ると電池1〜電池4では腐食が顕著に抑制されていることが分かる。このことから、多湿環境下で正極の電位が4V以上になる電池の電池ケースに、ステンレス鋼A〜ステンレス鋼Dを用い、且つLiPF6およびLiBF4の混合溶質を用いることは非常に有効であり、多湿環境下での腐食を抑制し、高い残存容量率を保つことが明らかである。
なお、LiCoO2と同じ4V級リチウム含有遷移金属酸化物であるLiNiO2やLiMn24を正極活物質に用いた場合も同様の結果が得られた。
(実施例
電池ケース1としてステンレス鋼BのCrを16.1重量%、Moを2.0重量%、Feを69.0重量%、Niを11.2重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS316を使用し、正極4は4V級活物質であるLiCoOを使用し、電解液の溶質にはLiPFおよびLiBFの混合溶質を使用し、そのモル濃度比を種々変えたこと以外は電池2と同様の方法で、電池を組み立て充電した。
これらの電池について電池2と同様に、その放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で2.8Vの定電圧を印加した状態で100日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。放電容量は2kΩの定抵抗放電を1.5
Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。結果を図2に示す。
図2は、縦軸に保存後の残存容量率(%)を、また横軸に電解液の溶質のモル濃度比をLiPF6:LiBF4でとって示したものである。残存容量率は各電池をそれぞれ10個測定しその平均値とした。
図2の結果から、多湿環境下での電池ケースの耐食性を改善し、信頼性の高い非水電解液電池を得るためには、LiPF6:LiBF4がモル濃度比で95:5〜70:30とする必要があることが分かる。なお電池ケース1としてステンレス鋼A、ステンレス鋼Cあるいはステンレス鋼Dを用いた場合も同様の結果となった。
(実施例
電池ケース1としてステンレス鋼BのCrを16.1重量%、Moを2.0重量%、Feを69.0重量%、Niを11.2重量%含有し、残部がその他不純物からなるJIS規格のSUS316を使用し、正極4は4V級活物質であるLiCoOを使用し、電解液の溶質にはLiPFおよびLiBFが80:20または30:70の割合で混合された混合溶質を使用し、樹脂製ガスケットがパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、またはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、またはガスケット材として広く用いられているポリプロピレン(PP)を使用した以外は電池2と同様の方法で、電池を組み立て充電した。
これらの電池について電池2と同様に、その放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で2.8Vの定電圧を印加した状態で150日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。放電容量は2kΩの定抵抗放電を1.5Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。結果を表8に示す。
Figure 0004462022
表8の結果から、樹脂製ガスケットとして特にPFAまたはETFAの少なくともひとつの樹脂を用いると、従来から広くガスケット材として用いられているポリプロピレンを用いた場合に比べ、高温多湿環境下で高電位に達している正極の劣化を抑制できることが分かる。これは、正極活物質にLiNiO2やLiMn24を用いた場合でも同様の結果が得られる。
本発明の非水電解液電池は、電子機器等の主電源またはバックアップ用電源として有用である。
本発明の実施例における電池の断面図 保存後の残存容量率と溶質のモル濃度比との関係を示す図
符号の説明
1 電池ケース
2 封口板
3 ガスケット
4 正極
5 負極
6 セパレータ

Claims (2)

  1. 金属リチウムを対極とした時の開回路電圧が4V以上になる4V級リチウム含有遷移金属酸化物からなる正極と、負極と、セパレータ及び電解液を、電池ケース、封口板及び樹脂製ガスケットからなる電池容器に収納した扁平型非水電解液電池であって、前記電解液の溶質がLiPFおよびLiBF のモル濃度比で95:5〜70:30の割合で混合されており、且つ前記電池ケースの材料として孔食指数が22以上のステンレス鋼を用いたことを特徴とする扁平型非水電解液電池。
  2. 前記ガスケットがパーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂からなる請求項1載の扁平型非水電解液電池。
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