JP4877678B2 - 扁平形非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扁平形非水電解質二次電池に係わり、特にその正極部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
正極作用物質にMnO2やV25などの金属酸化物、あるいはフッ化黒鉛などの無機化合物、あるいはポリアニリンやポリアセン構造体などの有機化合物を用い、負極に金属リチウム、あるいはリチウム合金、あるいはポリアセン構造体などの有機化合物、あるいはリチウムを吸蔵、放出可能な炭素質材料、あるいはチタン酸リチウムやリチウム含有珪素酸化物のような酸化物を用い、電解質にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトンなどの非水溶媒にLiClO4,LiPF6,LiBF4,LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22などの支持塩を溶解した非水電解質を用いた扁平形非水電解質二次電池は既に商品化されており、放電電流が数〜数十μA程度の軽負荷で放電を行われるSRAMやRTCのバックアップ用電源や電池交換不要腕時計の主電源といった用途に用いられている。
【0003】
一方、携帯電話やPDAなどの小型情報端末を中心に使用機器の小型化が加速しており、主電源である二次電池についてもさらなる小型化が望まれている。
しかし、従来の正極作用物質にコバルト酸リチウム含有酸化物、負極に炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池などの高電圧を有する電池では、長期保存中に正極部材に含まれる物質が電解液中に溶解し、イオンとなった物質は負極表面に析出する。その結果、内部抵抗の上昇を招き、電池性能を劣化させていた。
【0004】
このような電池性能の劣化を防止するため、正極作用物質以上に貴の電位を有する金属材料が望ましいとされ、これまでにクロム、モリブデンを含むフェライト系ステンレス鋼(特開昭63−124358号公報)、クロム、モリブデンを含むオーステナイト系ステンレス鋼(特開平6−111849号公報)、及びクロム添加量を増加したモリブデンを含むフェライト系ステンレス鋼(特開平2−126554号公報)などが提案されているが、電池電圧が4V以上の非水電解質電池においては、これらのステンレス鋼を用いても、長期保存中の正極部材の溶解は完全に防止できるものではなかった。
【0005】
更に、クロムの添加量を増量することで耐食性の向上は図れるが、鋼材が硬くなり、加工性の悪化を招いてしまい、長期保存における耐漏液性が損なわれるという不具合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に対処するためになされたものであって、長期保存中における正極部材の溶解が防止でき、かつ貯蔵特性の優れた扁平形非水電解質二次電池を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第一の態様は、負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに前記正極ケースまたは負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有し、その内部に帯状の正極及び負極の間にセパレータが位置するように捲回或いは積層された発電要素と非水電解質を内包した扁平形非水電解質二次電池、特に正極作用物質にコバルト酸リチウム含有酸化物、負極に炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池などの高電圧を有する扁平形非水電解質二次電池において、正極端子を兼ねる正極ケースに或いは直接正極作用物質と接する金属製部品の構成部材として、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含み、かつ残部が、鉄、炭素、シリコン、マンガン、ニッケルおよび不可避不純物であるフェライト系ステンレス鋼にニオブ0.1〜0.3%、チタン0.1〜0.3%、アルミニウム0.05〜0.15%を更に含ませたステンレス鋼を使用することを特徴とする。また、本発明の第二の態様は、負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに前記正極ケースまたは負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有し、その内部に帯状の正極及び負極の間にセパレータが位置するように捲回或いは積層された発電要素と非水電解質を内包した扁平形非水電解質二次電池、特に正極作用物質にコバルト酸リチウム含有酸化物、負極に炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池などの高電圧を有する扁平形非水電解質二次電池において、正極端子を兼ねる正極ケースに或いは直接正極作用物質と接する金属製部品の構成部材として、JIS SUS447J1に、ニオブ0.1〜0.3%、チタン0.1〜0.3%、アルミニウム0.05〜0.15%を更に含ませたステンレス鋼を使用することを特徴とする。
【0008】
発明の第一の態様および第二の態様によれば、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含み、かつ残部が、鉄、炭素、シリコン、マンガン、ニッケルおよび不可避不純物であるフェライト系ステンレス鋼、またはJIS SUS447Jニオブ0.1〜0.3%、チタン0.1〜0.3%、アルミニウム0.05〜0.15%を複合添加することにより、これまでのモリブデンを含むフェライト系ステンレス鋼、又はモリブデンを含むオーステナイト系ステンレス鋼に対し高い孔食電位が得られるため、4Vを超える高い電圧を有する非水電解質電池においても、長期保存中の正極部材の溶解を防止することが可能となった。
【0009】
また、本発明の第三の態様は、負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに前記正極ケースまたは負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有し、その内部に帯状の正極及び負極の間にセパレータが位置するように捲回或いは積層された発電要素と非水電解質を内包した扁平形非水電解質二次電池、特に正極作用物質にコバルト酸リチウム、負極に炭素質材料を用いたリチウムイオン二次電池などの高電圧を有する扁平形非水電解質二次電池において、正極端子を兼ねる正極ケースに或いは直接正極作用物質と接する金属製部品の構成部材として、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含み、かつ残部が、鉄、炭素、シリコン、マンガン、ニッケルおよび不可避不純物であるフェライト系ステンレス鋼にニオブ0.8〜0.9%、チタン0.05〜0.15%、銅0.20〜0.30%を更に含ませたステンレス鋼を使用することを特徴とする。
【0010】
発明の第三の態様によれば、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含み、かつ残部が、鉄、炭素、シリコン、マンガン、ニッケルおよび不可避不純物であるフェライト系ステンレス鋼にニオブ0.8〜0.9%、チタン0.05〜0.15%、銅0.20〜0.30%を複合添加することにより、これまでのモリブデンを含むフェライト系ステンレス鋼、又はモリブデンを含むオーステナイト系ステンレス鋼に対し加工性を損なうことなく高い孔食電位が得られるため、4Vを超える高い電圧を有する非水電解質電池においても、長期保存中の正極部材の溶解を防止でき貯蔵特性の優れた扁平形非水電解質二次電池を提供することが可能となった。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例及び比較例について詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の断面図である。
以下、本実施例1の電池の製造方法を具体的に説明する。
まず、LiCoO2100質量部に対し導電剤としてアセチレンブラック5質量部と黒鉛粉末5質量部を加え、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5質量部加え、N−メチルピロリドンで希釈,混合し、スラリー状の正極合剤を得た。この正極合剤を、正極集電体である厚さ0.02mmのアルミ箔の片面にドクターブレード法により塗工,乾燥を行い、アルミ箔表面に正極作用物質含有層2を形成した。以後、正極作用物質の塗膜厚さが両面で0.15mmとなるまで塗工、乾燥を繰り返し、両面塗工正極を作製した。次に、この電極体の片面の端から10mm部分の作用物質含有層を除去し、アルミ層を剥き出しにし通電部とし、幅15mm,長さ120mm,厚さ0.15mmの長さに切り出した正極板を作製した。
【0012】
次に、黒鉛化メソフェーズピッチ炭素繊維粉末100質量部に結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)をそれぞれ2.5質量部を添加し、イオン交換水で希釈,混合し、スラリー状の負極合剤を得た。得られた負極合剤を負極集電体である厚さ0.02mmの銅箔に作用物質含有層4の厚さが0.15mmとなるように正極の場合と同様に塗工、乾燥を繰り返し実施し、両面塗工負極を作製した。この電極体の片面の端から10mm部分の作用物質含有層を除去し、銅層を剥き出しにし通電部とし、幅15mm,長さ120mm,厚さ0.15mmの長さに切り出した負極板を作製した。
【0013】
次に、正負極通電部面を外周巻き終わり側とし、これら正極と負極の間に厚さ25μmのポリエチレン微多孔膜からなるセパレータ3を介させて渦巻状に捲回し、扁平形電池の扁平面に対し水平方向に正負極対向部を持つように一定方向に捲回電極の中心部の空間がなくなるまで加圧した。
【0014】
作製した電極群を85℃で12h乾燥した後、絶縁ガスケット6を一体化した負極金属ケース5の内底面に電極群の片面塗工負極板の未塗工側が接するように配置し、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に支持塩としてLiPF6を1mol/lの割合で溶解せしめた非水電解質を注液し、さらに電極群の片面塗工正極板の未塗工側に接するようにクロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.20%、チタン0.20%、アルミニウム0.10%を複合添加し製作されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工した正極ケース1を嵌合し、上下反転後、正極ケースに加締め加工を実施し、封口し、厚さ3mm,直径φ24.5mmの実施例1の扁平形非水電解質二次電池を作製した。
【0015】
(実施例2)
正極ケースとして、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.10%、チタン0.10%、アルミニウム0.05%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し実施例2とした。
【0016】
(実施例3)
正極ケースとして、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.30%、チタン0.30%、アルミニウム0.15%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し実施例3とした。
【0017】
(比較例1)
正極ケースとして、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.05%、チタン0.05%、アルミニウム0.025%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し比較例1とした。
【0018】
(比較例2)
正極ケースとして、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.40%、チタン0.40%、アルミニウム0.20%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し比較例2とした。
【0019】
(比較例3)
正極ケースとして、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し比較例3とした。なお、このステンレス鋼はJIS SUS447J1と同等品である。
【0020】
(比較例4)
正極ケースとして、フェライト系ステンレス鋼材にクロム17.00〜20.00%、モリブデン1.75〜2.50%添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工したものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し比較例4とした。
【0021】
(比較例5)
正極ケースとして、オーステナイト系ステンレス鋼材にクロム16.00〜18.00%、モリブデン2.00〜3.00%添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例1と同様の電池を作製し比較例5とした。なお、このステンレス鋼はJIS SUS316と同等品であり、また、本発明における実施例及び比較例に使用したステンレス鋼板の化学成分を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0004877678
【0023】
以上の実施例1〜3及び比較例1〜5の電池を各1000個作製し、4.2V,3mAの定電流定電圧で48時間初充電を行った後に、60℃Dryの環境下で4.4Vの定電圧を印加した状態で各50個ずつ20日間保存したものの正極ケースの孔食を拡大鏡にて確認した。表2に孔食の発生数量を示す。
【0024】
【表2】
Figure 0004877678
【0025】
表2より、実施例1から3のフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.10〜0.30%以上、チタン0.10〜0.30%以上、アルミニウム0.05〜0.15%以上複合添加したものからは孔食は発生していない。しかし、比較例1のニオブ0.05重量部、チタン0.05%、アルミニウム0.025%と添加量の少ないものからは孔食が認められた。又、その他クロム、モリブデンを添加している比較例3から5についても孔食が認められている。
【0026】
このことから、4Vを上回る高電圧の非水電解質電池では、クロム、モリブデンを添加したステンレス鋼材では孔食電位が正極作用物質の電位より低くなることから、正極部材中の物質が電解液中に溶解し孔食が発生し、ニオブ、チタン、アルミニウムの添加量が少量であることでも、孔食が発生する。
【0027】
又、比較例2のニオブ0.4%、チタン0.4%、アルミニウム0.2%と添加量が多いものについても少数ではあるが孔食の発生が認められた。これは、チタン、アルミニウムの添加量を多くしたことにより、介在物及び析出物等が分離生成するため、耐孔食性を劣化させている。
【0028】
したがって、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材に添加するニオブ、チタン、アルミニウム添加量はニオブ0.10〜0.30%、チタン0.10〜0.30%、アルミニウム0.05〜0.15%が望ましく、これらを複合添加したステンレス鋼材を正極部材として用いることで、貯蔵特性に優れた扁平形非水電解質二次電池を提供することができる。
【0029】
なお、本実施例では正極及び負極をその間のセパレータが位置するよう捲回された発電要素を用いたが、この他にも正極及び負極がセパレータを介して多層積層された発電要素又は正極及び負極がタブレット状に成形されたセパレータを介し積層された発電要素を用いても、同様の効果が得られた。
【0030】
(実施例4)
次に、本実施例4の電池の製造方法を具体的に説明する。
まず、LiCoO2100質量部に対し導電剤としてアセチレンブラック5質量部と黒鉛粉末5質量部を加え、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5質量部加え、N−メチルピロリドンで希釈,混合し、スラリー状の正極合剤を得た。
【0031】
次にこの正極合剤を、正極集電体である厚さ0.02mmのアルミ箔の片面にドクターブレード法により塗工,乾燥を行い、アルミ箔表面に正極作用物質含有層2aを形成した。
【0032】
以後、正極作用物質含有層の塗膜厚さが両面で0.15mmとなるまで塗工,乾燥を繰り返し、両面塗工正極を作製した。次に、この電極体の片面の端から10mm部分の作用物質含有層を除去し、アルミ層を剥き出しにし通電部とし、幅15mm,長さ120mm,厚さ0.15mmの長さに切り出した正極板を作製した。
【0033】
次に黒鉛化メソフェーズピッチ炭素繊維粉末100質量部に結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)をそれぞれ2.5質量部添加し、イオン交換水で希釈,混合し、スラリー状の負極合剤を得た。得られた負極合剤を負極集電体である厚さ0.02mmの銅箔に作用物質含有層4の厚さが0.15mmとなるように正極の場合と同様に塗工、乾燥を繰り返し実施し、両面塗工負極を作製した。
【0034】
次に、この電極体の片面の端から10mm部分の作用物質含有層を除去し、銅層を剥き出しにし通電部とし、幅15mm,長さ120mm,厚さ0.15mmの長さに切り出した負極板を作製した。
【0035】
次に、正負極通電部面を外周巻き終わり側とし、これら正極と負極の間に厚さ25μmのポリエチレン微多孔膜からなるセパレータ3を介させて渦巻状に捲回し、扁平形電池の扁平面に対し水平方向に正負極対向部を持つように一定方向に捲回電極の中心部の空間がなくなるまで加圧した。
【0036】
作製した電極群を85℃で12h乾燥した後、絶縁ガスケット6を一体化した負極金属ケース5の内底面に電極群の片面塗工負極板の未塗工側が接するように配置し、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に支持塩としてLiPF6を1mol/lの割合で溶解せしめた非水電解質を注液し、さらに電極群の片面塗工正極板の未塗工側に接するようにクロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼にニオブ0.85%、チタン0.1%、銅0.25%を更に複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をした正極ケース1を嵌合し、上下反転後、正極ケースに加締め加工を実施し、封口し、厚さ3mm,直径φ24.5mmの実施例4の扁平形非水電解質二次電池を作製した。
【0037】
(実施例5)
正極ケースとして、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.80%、チタン0.05%、銅0.20%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例4と同様の電池を作製し実施例5とした。
【0038】
(実施例6)
正極ケースとして、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.90%、チタン0.15%、銅0.30%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例4と同様の電池を作製し実施例6とした。
【0039】
(比較例6)
正極ケースとして、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.75%、チタン0.03%、銅0.15%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例4と同様の電池を作製し比較例6とした。
【0040】
(比較例7)
正極ケースとして、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.95%、チタン0.20%、銅0.35%を複合添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例4と同様の電池を作製し比較例7とした。
【0041】
(比較例8)
正極ケースとして、フェライト系ステンレス鋼材にクロム17.00〜20.00%、モリブデン1.75〜2.50%添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例4と同様の電池を作製し比較例8とした。なお、このステンレス鋼はJIS SUS444と同等品である。
【0042】
(比較例9)
正極ケースとして、オーステナイト系ステンレス鋼材にクロム16.00〜18.00%、モリブデン2.00〜3.00%添加し作製されたステンレス鋼板にニッケルめっきを電池外壁となる面に施しプレス加工をしたものを使用した以外は実施例4と同様の電池を作製し比較例9とした。なお、このステンレス鋼はJIS SUS316と同等品である。
【0043】
本発明における実施例及び比較例に使用したステンレス鋼板の化学成分を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 0004877678
【0045】
以上の実施例4〜6及び比較例6〜9の電池を各1000個作製し、4.2V,3mAの定電流定電圧で48時間初充電を行った後に、室温にて4.4Vの定電圧を印加した状態で各50個ずつ6ヶ月間保存したものの正極ケースの孔食を拡大鏡にて確認した。又、45℃−93%の環境下で各200個ずつ100日間保存し、拡大鏡にて漏液の確認を行った。表4に孔食及び漏液の発生数量を示す。
【0046】
【表4】
Figure 0004877678
【0047】
表4より、実施例4から実施例6のフェライト系ステンレス鋼材にニオブ0.80〜0.90%、チタン0.05〜0.15%、銅0.20〜0.30%を複合添加したものからは孔食は発生していない。
しかし、比較例6のニオブ0.75%、チタン0.03%、銅0.15%を添加した添加量の少ないものからは孔食が認められた。
【0048】
また、比較例7のニオブ0.95%、チタン0.20%、銅0.35%を添加した添加量の多いものからは、孔食及び漏液が認められた。その他クロム、モリブデンを添加している比較例8から比較例9についても孔食が認められており、特に比較例8からは漏液も認められた。
【0049】
このことから、4Vを上回る高電圧の非水電解質電池では、クロム、モリブデンを添加したステンレス鋼材では孔食電位が正極作用物質の電位より低くなることから、正極部材中の物質が電解液中に溶解し孔食が発生し、ニオブ、チタン、銅を添加することでステンレス鋼材の孔食電位が正極作用物質の電位より高くなるため、孔食の発生を防止できる。
しかし、ニオブ、チタン、銅の添加量が少ないと、ステンレス鋼の孔食電位が正極作用物質の電位に対し十分ではないため、孔食が発生する。
【0050】
又、ニオブ、チタン、銅の添加寮を多くするとステンレス鋼材中に含まれる添加物の介在物及び析出物等が分離生成し易くなるため耐孔食性を劣化させ、更にニオブの影響によりフェライトの形成が促進され鋼材が硬くなり、加工が困難となる。
【0051】
したがって、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含むフェライト系ステンレス鋼材に添加するニオブ、チタン、銅の添加量はニオブ0.80〜0.90%、チタン0.05〜0.15%、銅0.20〜0.30%が望ましく、これらを複合添加したフェライト系ステンレス鋼材を正極部材として用いることで、貯蔵特性に優れた扁平形非水電解質二次電池を提供することができる。
【0052】
なお、本実施例では正極及び負極をその間のセパレータが位置するよう捲回された発電要素を用いたが、この他にも正極及び負極がセパレータを介して多層積層された発電要素又は正極及び負極がタブレット状に成形されたセパレータを介し積層された発電要素を用いても、同様の効果が得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複合添加したステンレス鋼材を正極部材として用いることで、貯蔵特性に優れた扁平形非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図。
【符号の説明】
1…正極ケース、2…正極作用物質含有層(塗工電極)、3…セパレータ、4…負極作用物質含有層(塗工電極)、5…負極ケース、6…絶縁ガスケット。

Claims (3)

  1. 負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに前記正極ケースまたは負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有し、その内部に正極及び負極の間にセパレータが位置するように配置された発電要素と非水電解質を内包した扁平形非水電解質二次電池において、正極端子を兼ねる正極ケースに或いは直接正極作用物質と接する金属製部品の構成部材として、クロム28.50〜32.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含み、かつ残部が、鉄、炭素、シリコン、マンガン、窒素および不可避不純物であるフェライト系ステンレス鋼にニオブ0.1〜0.3%、チタン0.1〜0.3%、アルミニウム0.05〜0.15%を更に含ませたステンレス鋼を使用することを特徴とする扁平形非水電解質二次電池。
  2. 負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに前記正極ケースまたは負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有し、その内部に正極及び負極の間にセパレータが位置するように配置された発電要素と非水電解質を内包した扁平形非水電解質二次電池において、正極端子を兼ねる正極ケースに或いは直接正極作用物質と接する金属製部品の構成部材として、クロム20.00〜23.00%、モリブデン1.50〜2.50%を含み、かつ残部が、鉄、炭素、シリコン、マンガン、ニッケルおよび不可避不純物であるフェライト系ステンレス鋼にニオブ0.8〜0.9%、チタン0.05〜0.15%、銅0.20〜0.30%を更に含ませたステンレス鋼を使用することを特徴とする扁平形非水電解質二次電池。
  3. 負極端子を兼ねる金属製の負極ケースと、正極端子を兼ねる金属製の正極ケースが、絶縁ガスケットを介し嵌合され、さらに前記正極ケースまたは負極ケースが加締め加工により加締められた封口構造を有し、その内部に正極及び負極の間にセパレータが位置するように配置された発電要素と非水電解質を内包した扁平形非水電解質二次電池において、正極端子を兼ねる正極ケースに或いは直接正極作用物質と接する金属製部品の構成部材として、JIS SUS447J1に、ニオブ0.1〜0.3%、チタン0.1〜0.3%、アルミニウム0.05〜0.15%を更に含ませたステンレス鋼を使用することを特徴とする扁平形非水電解質二次電池。
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