JP3891188B2 - 非水電解液電池およびその電池ケース用材料 - Google Patents

非水電解液電池およびその電池ケース用材料 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液電池に関するものであり、さらに詳しくは電池ケースの金属材料に関するものである。
非水電解液電池では、電解液の溶媒として有機溶媒が使用されるので、正極活物質を適宜選択することにより、高電圧かつ高容量な電池を得ることが可能である。
このような非水電解液電池において、正極と電気的に直接的あるいはリードなどを介して間接的に接している電池ケースは、電池の連続充電、あるいは無負荷での保存中に電池ケースが高電位となるため電気化学的に腐食しやすい。このため、正極活物質以上に貴な電位を有する耐食性の優れた材料を用いている。これまでにフェライト系ステンレス鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼などが提案され広く用いられている。(例えば特許文献1又は特許文献2参照)
特開平7−94212号公報 特許第3195475号公報
しかし、多湿環境下での保存において、電池内部へ水分が浸入すると、水分が触媒となり電池ケースの腐食が促進され、電池の劣化が加速されるという課題があった。特に、正極の開回路電圧が4V(vs. Li / Li+)以上になる非水電解液電池の電池ケース材料にこれらのステンレス鋼を用いても、長期保存中の電池ケースの溶解は完全に防止できるものではなかった。更にクロムとモリブデンの添加量を増量することで耐食性の向上は図れるが、材料硬度が高まり加工性の悪化を招き、長期保存において耐漏液性が損なわれるという問題もあった。
したがって、電池ケースの加工性を損なうことなく耐食性を改善させることは、この種の電池の実用電池としての信頼性を高める上で急務と考えられている。
本発明は上記問題に対処するためになされたものであって、長期保存中における電池ケースの腐食による電池の劣化を抑制でき、特に、多湿環境下での電池ケースの耐食性を改善し、信頼性の高い非水電解液電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電池ケースの材料としてクロムを22〜25重量%、モリブデンを6.5〜9.0重量%、窒素を0.15〜0.25重量%および鉄を30〜39重量%含有し、残部がニッケルとその他不純物からなるニッケル合金を用いたものである。
また、本発明の非水電解液電池は正極と負極とセパレータ及び電解液とを、電池ケースと封口板及び樹脂製ガスケットからなる電池容器に収納されたものであって、前記電池ケースの材料としてクロムを22〜25重量%、モリブデンを6.5〜9.0重量%、窒素を0.15〜0.25重量%および鉄を30〜39重量%含有し、残部がニッケルとその他不純物からなるニッケル合金を用いたものである。
このニッケル合金は、より好ましくはニッケルを33〜37重量%含有していることで
ある。
また、前記電解液の溶質にLiPF6、LiBF4 またはLiPF6とLiBF4が混合されたものを使用した場合には、LiN(C25SO22やLiN(CF3SO22を用いた場合と比較して、多湿環境下での電池ケースの腐食進行の度合いが大きく改善される。
さらに前記ガスケットの好適な樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂が挙げられる。
ステンレス鋼において、クロムとモリブデンの含有が耐食性に対し非常に効果があることは知られている。これはクロムやモリブデンが空気中の酸素や水分と反応して酸化物や水酸化物の不動態被膜を形成し、この被膜がステンレス鋼の表面に形成され腐食の進行を抑制するためである。しかしクロムとモリブデンを大量に含有すると材料硬度が高まり加工性の悪化を招くという問題もあった。これに対し、種々の検討の結果、クロムを22〜25重量%、モリブデンを6.5〜9.0重量%、窒素を0.15〜0.25重量%および鉄を30〜39重量%含有し、残部がニッケルとその他不純物からなるニッケル合金を用いると、これまでのフェライト系ステンレス鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼に比べ、加工性を損なうことなく高い耐食性を得られることを見出した。
本発明のニッケル合金では、さらに、ニッケルを33〜37重量%含有していると、より高い耐食性が得られることを見出した。
また、携帯電話やPDAなどの情報端末の高機能化に伴い、高電位を有するLiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などを正極材料に用いた非水電解液電池の需要は高まっている。しかしLiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などの4V級リチウム含有遷移金属酸化物(正極の開回路電圧が4V以上(vs.Li/Li+)になる材料)を正極活物質に用いた場合には、正極の電位が4V以上(vs.Li/Li+)になり、従来より広く電池ケース材料に用いられているステンレス鋼では長期保存中の電池ケースの腐食は完全には防止できず、さらなる長期信頼性の向上が求められていた。そこで、LiCoO2、LiNiO2またはLiMn24など4V級の正極材料を用いた非水電解液電池の電池ケースに対して、本発明の鋼材を使用すると従来のステンレス鋼に対し高い孔食電位が得られるため、4Vを超える高い電位に対しても腐食を抑制でき、長期信頼性の向上が達成できる。
また、LiPF6やLiBF4は電気伝導性、熱的安定性及び耐酸化性に優れ、さらに比較的安価であるため非水電解液電池によく使用されている。しかしLiPF6やLiBF4を電解液の溶質に用いた電池において、電池内部に水分が浸入すると、LiPF6やLiBF4は浸入した水分と反応し、ハロゲンイオンを解離する。このハロゲンイオンが鋼の表面に形成された不動態被膜を局部的に破壊して局部腐食を起こし、電池劣化を加速的に引き起こす。
したがってLiPF6やLiBF4を電解液の溶質に用いた電池を多湿環境下で使用した場合、長期信頼性などに問題があり、実使用上の大きな課題があった。そこで、電解液の溶質にLiPF6、LiBF4またはLiPF6およびLiBF4が混合されたものを使用した非水電解液電池の電池ケースに本発明のニッケル合金を使用すると、クロムやモリブデンの含有量が多いために不動態被膜の形成能力が向上し、緻密な被膜の形成がなされることによって、ハロゲンイオンによる鋼の表面の局部腐食を抑制し、電池ケースの耐食性を向上させることができ、多湿環境下での長期信頼性を改善できる。
また、ポリフェニレンサルファイド、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂をガスケットに用いるのも好ましい。従来から広くガスケット材として用いられているポリプロピレンなどに比べ、上記樹脂は水蒸気透過度が低いために、電池内部への水分の浸入量を低減することができる。
本発明により、電池ケースが腐食しにくく、信頼性の高い非水電解液電池が提供でき、特に多湿環境下での保存において、水分が触媒となった電池ケースの腐食を抑制することができる。
本発明は、一次電池、二次電池を問わずに適用可能である。本発明の骨子は、非水電解液電池の電池ケース材料であり、これら以外の部材には従来公知の材料を特に制限無く用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態である非水電解液電池の断面図である。
図1において1は正極端子を兼ねる電池ケースである。この電池ケース1は、クロム(Cr)を22〜25重量%、モリブデン(Mo)を6.5〜9.0重量%、窒素(N)を0.15〜0.25重量%および鉄(Fe)を30〜39重量%含有し、残部がニッケル(Ni)とその他不純物からなるニッケル合金を用いると、これまでのフェライト系ステンレス鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼に比べ、加工性を損なうことなく高い耐食性を得られる。
前記その他不純物としては、炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)などが挙げられる。これは、特に成分量を規定するもので無く、本発明の作用を阻害しない程度に微量になっていれば良く、不可避に混入する不純物を含むものである。
ここで、Niを33〜37重量%含有するとさらに高い耐食性が得られる。これは、Niは表面不動態被膜の形成には寄与しないが、Niの持つ高い耐食性の為に腐食の進行を抑制させる働きがあるためである。ただし、多量のNiの含有は鋼材の硬度を高めてしまい、加工性が悪化するが、我々は種々の検討の結果Niを33〜37重量%含有すれば、加工性を損なうことなくさらに高い耐食性を得られることを見出した。
2は負極端子を兼ねる封口板であり、通常ステンレス鋼が用いられる。なお、この封口板に対しても、本発明のニッケル合金を使用すると、さらに高い耐食性をもつ非水電解液電池が得られる。
3はケースと封口板を絶縁するガスケットであり、ポリフェニレンサルファイド、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂であると樹脂の水蒸気透過度が低いために、例えば、多湿環境下での保存において、電池内部への水分の浸入量を低減することができ、水分が触媒となった電池ケースの腐食を抑制することができるので好ましい。
4は正極で、正極活物質としては、リチウムイオンと層間化合物を形成する材料、例えばV25、Nb22、MnO2などの金属酸化物などが挙げられ、さらにLiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などの4V級リチウム含有遷移金属酸化物が好適であり、
これらの酸化物にマグネシウムやアルミニウムなどが添加されているのも好ましい。
ここで、LiCoO2、LiNiO2またはLiMn24などの4V級リチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質に用いた場合に、Crを22〜25重量%、Moを6.5〜9.0重量%、Nを0.15〜0.25重量%およびFe30〜39重量%含有し、残部がNiとその他不純物からなるニッケル合金を電池ケース材料に用いると、これまでのフェライト系ステンレス鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼に比べ、正極活物質以上の貴の電位を有するために、大幅な耐食性の改善が見られる。
5は負極で、負極活物質としては、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出することが可能な物質や金属リチウムなどが挙げられる。リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出することが可能な物質として、例えばチタン酸リチウムなどの正極活物質に比べて卑な金属酸化物、黒鉛やコークス等の炭素材料、もしくはリチウム−アルミニウム合金、リチウム−鉛合金、リチウム−錫合金等のリチウム合金などが挙げられる。
6は、通常ポリプロピレン製不織布からなるセパレータであり、7は正極集電体である。また、図示していないが、有機溶媒とリチウム塩からなる電解液が封入されている。
以下、本発明の実施例を図面および表を参照しながら、さらに具体的に説明する。
(実験1)
図1の構造を持つ非水電解液電池を作成した。電池ケース1は、後述する(表1)に示した材料で作成した。封口板2は、JIS規格におけるステンレス鋼のSUS316で作成した。ケースと封口板を絶縁するガスケット3にはポリプロピレン製ガスケットを用いた。正極4は、4V級活物質であるLiCoO2に導電剤としてカーボンブラック、および結着剤としてフッ素樹脂粉末を混合し、直径10mm、厚み0.5mmのペレット状に成型した後、250℃中で24時間乾燥したものを用いた。
負極5は黒鉛化メソフェーズピッチ炭素繊維粉末に結着剤としてスチレンブタジエンゴムを添加し、イオン交換水で希釈、混合し、直径11mm、厚み0.5mmのペレット状に成型した後、150℃中で24時間乾燥したものを用いた。
さらに、セパレータ6はポリプロピレン製不織布を用いた。正極集電体7は、導電性カーボン塗料をケース1の内面に塗布した後、塗膜の水分を除去するためにケースを150℃で6時間乾燥したものを用いた。また、電解液としてはエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネ−トを体積比1:3の割合で混合した溶媒に後述する(表2)および(表3)に示した溶質を1mol/lの割合で溶解したものを用いた。
完成電池はいずれも直径16mm、厚さ1.6mmである。これらの電池について、組み立て後、4.2Vの定電圧で24時間初充電(保護抵抗50Ω)を行った。これらの放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で4.2Vの定電圧を印加した状態で40日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。放電容量は2kΩの定抵抗放電を3.0Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。
また正極として、3.0V級活物質であるLi0.3MnO2または3.5V級活物質であるV25に導電剤としてカーボンブラック、および結着剤としてフッ素樹脂粉末を混合し、直径10mm、厚み0.5mmのペレット状に成型した後、250℃中で24時間乾燥したものを用い、封口板内面に、直径10mm、厚み0.2mmに打抜いた金属リチウム
を圧着させた以外は実験1と同様の方法で電池を組み立てた。
これらの電池について、活物質にLi0.3MnO2 を用いた電池については3.0mAで3時間放電を行った後、3.1Vの定電圧で24時間初充電(保護抵抗50Ω)を行った。これらの放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で3.1Vの定電圧を印加した状態で40日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。
放電容量は2kΩの定抵抗放電を2.0Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。
さらに、活物質にV25を用いた電池については3.0mAで3時間放電を行った後、3.6Vの定電圧で24時間初充電(保護抵抗50Ω)を行った。これらの放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で3.6Vの定電圧を印加した状態で40日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。
放電容量は2kΩの定抵抗放電を2.5Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。
また、試験後電池を分解し、デジタルマイクロスコープを用いて電池ケース内面の腐食発生個所を観測した。さらに、表面面粗さ計を用いて腐食深さを測定した。
この実験に使用した電池ケースの組成を重量百分率で表したものを(表1)に示す。
実施例1としてCrを22.2重量%、Moを6.8重量%、Nを0.15重量%、Feを37.5重量%、Niを32.8重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケル合金を使用した。
実施例2としてCrを24.3重量%、Moを6.5重量%、Nを0.18重量%、Feを39.0重量%、Niを29.9重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケル合金を使用した。
実施例3としてCrを24.2重量%、Moを7.2重量%、Nを0.20重量%、Feを36.8重量%、Niを31.4重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケル合金を使用した。
実施例4としてCrを24.8重量%、Moを8.2重量%、Nを0.23重量%、Feを37.7重量%、Niを28.9重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケル合金を使用した。
実施例5としてCrを23.3重量%、Moを7.5重量%、Nを0.22重量%、Feを33.4重量%、Niを35.5重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケル合金を使用した。
実施例6としてCrを22.1重量%、Moを6.3重量%、Nを0.19重量%、Feを38.0重量%、Niを33.3重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケル合金を使用した。
実施例7としてCrを24.9重量%、Moを8.5重量%、Nを0.16重量%、Feを30.0重量%、Niを36.3重量%含有し、残部がその他不純物からなるニッケ
ル合金を用いた。
また、比較例1としてJIS規格におけるSUS316のステンレス鋼を、比較例2としてJIS規格におけるSUS304のステンレス鋼を、比較例3としてJIS規格におけるSUS444のステンレス鋼を、比較例4としてJIS規格におけるSUS447J1のステンレス鋼を、比較例5としてJIS規格におけるSUS317J4Lのステンレス鋼を使用した。
Figure 0003891188
(表2)および(表3)に各試験電池の電池ケースに使用した材料、正極活物質、溶質、残存容量率、腐食割合および腐食深さを示す。残存容量率は各電池をそれぞれ10個測定しその平均値とした。また腐食割合は全面腐食を「×」、部分腐食を「△」および腐食が無い場合を「○」で表した。腐食深さは各電池をそれぞれ10個測定しその平均値とした。
Figure 0003891188
Figure 0003891188
(表2)および(表3)の結果から分かるように、実施例1〜7のニッケル合金からなる電池ケースを用いた電池(A1〜A32)は、比較例1〜5のステンレス鋼を電池ケースに用いた電池(B1〜B24)に比べて残存容量率の低下が低減された。このことから、本発明のニッケル合金を電池ケースに用いることにより高温多湿環境下で高電位に達している正極の劣化を抑制できることが分かる。
なお、試験後に分解調査した結果、B1〜B20の電池はケース内面に腐食が発生しており、容量の低下はこれが原因であった。
また、実施例1〜4のニッケル合金からなる電池ケースを用いた電池(A1〜A4、A8〜A11、A15〜A18、A22〜A25、A29、A31)においては、部分腐食が発生している電池(A2、A4、A9、A10、A16およびA23)が見られるが、実施例5〜実施例7のニッケル合金からなる電池ケースを用いた電池(A5〜A7、A12〜A14、A19〜A21、A26〜A28、A30、A32)では全て腐食は見られなかった。このことから、実施例5〜実施例7のニッケル合金はより高い耐食性を示すことが分かる。
また、正極の電位が4V以上になるLiCoO2を正極に用いた電池(A1〜A7、B1〜B5)と4V以下であるLi0.3MnO2またはV25 を正極に用いた電池(A29〜A32、B21〜B24)を比べると、LiCoO2を正極に用いた電池では実施例1〜7のニッケル合金を電池ケースに用いることにより、比較例1〜5のステンレス鋼を用いた場合よりも大幅に残存容量率の低下が低減されていることが分かる。さらに、腐食割合や腐食深さを見ると、LiCoO2を正極に用いた電池に実施例1〜7のニッケル合金を正極ケースに用いると、比較例1〜5のステンレス鋼を用いた場合より、腐食が大幅に抑制されていることが分かる。
なお、LiCoO2と同じ4V級リチウム含有遷移金属酸化物であるLiNiO2やLiMn24を正極活物質に用いた場合も同様の結果が得られた。
さらに、それぞれの溶質において、実施例1〜7のニッケル合金を用いた場合の残存容量率と、比較例1〜5のステンレス鋼を用いた場合の残存容量率の差(例えば溶質がLiPF6の場合はA1〜A7の電池の残存容量率とB1〜B5の電池の残存容量率との差)を比べると、LiN(C25SO22またはLiN(CF3SO22を用いた場合に比べ、溶質にLiPF6またはLiBF4を用いた場合の方が大幅に残存容量率が回復していることが分かる。なおかつ、溶質にLiPF6またはLiBF4を用いた場合は、LiN(C25SO22またはLiN(CF3SO22を用いた場合より高い残存容量率を保持しており優れた特性を示した。特に実施例5〜実施例7のニッケル合金を用いた場合は90%以上の残存容量率を保っている。これはLiPF6またはLiBF4がLiN(C25SO22またはLiN(CF3SO22より優れた耐酸化性を有することに起因しており、この事から、正極の電位が4V以上になる電池にLiPF6またはLiBF4を溶質に用いることは有効であり、実施例1〜7のニッケル合金を正極ケースに用いると、多湿環境下での腐食を抑制し、高い残存容量率を保つことが分かる。これは、LiPF6とLiBF4を混合させた溶質を使用した場合でも同様の結果が得られる。
さらに、それぞれの溶質において、実施例1〜7のニッケル合金を用いた場合の腐食深さと、比較例1〜5のステンレス鋼を用いた場合の腐食深さとの差(例えば溶質がLiPF6の場合はA2及びA4の電池の腐食深さとB1〜B5の腐食深さとの差)を比べると、LiN(C25SO22またはLiN(CF3SO22を用いた場合に比べ、溶質にLiPF6またはLiBF4を用いた場合の方が大幅に腐食を抑制していることも分かる。
なお、LiPF6とLiBF4との混合溶質を使用した場合でも同様の結果が得らた。
(実験2)
電池ケース1は実施例5のCrを23.3重量%、Moを7.5重量%、Nを0.22重量%、Feを33.4重量%、Niを35.5重量%含有し、残部がその不純物からなるニッケル合金を使用し、封口板2はJIS規格におけるステンレス鋼のSUS316からなり、樹脂製ガスケットがポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる電池をA33、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)からなる電池をA34、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)からなる電池をA35、ガスケット材として広く用いられているポリプロピレン(PP)を使用した電池をA36とした以外は実験1
と同様の方法で、電池を組み立て充電した。
これらの電池について実験1と同様に、その放電容量を、初充電直後と、60℃90%の高温多湿環境下で4.2Vの定電圧を印加した状態で100日間保存したものについてそれぞれ測定し残存容量率(%)を求めた。放電容量は2kΩの定抵抗放電を3.0
Vに至るまで行い、このときの容量を算出したものである。
(表4)に各試験電池に使用したガスケット材、溶質および残存容量率を示す。残存容量率は各電池をそれぞれ10個測定しその平均値とした。
Figure 0003891188
これらの結果から、樹脂製ガスケットとして特にPPS、PFAまたはETFAの少なくともひとつの樹脂を用いると、従来から広くガスケット材として用いられているポリプロピレンを用いた場合に比べ、高温多湿環境下で高電位に達している正極の劣化を抑制できることが分かる。これは、正極活物質にLiNiO2やLiMn24を用いた場合や、溶質にLiBF4もしくはLiPF6とLiBF4を混合させたものを使用した場合でも同様の結果が得られる。
本発明の非水電解液電池は、電子機器等の主電源またはバックアップ用電源として有用である。
本発明の実施例における電池の断面図
符号の説明
1 電池ケース
2 封口板
3 ガスケット
4 正極
5 負極
6 セパレータ
7 正極集電体

Claims (6)

  1. クロムを22〜25重量%、モリブデンを6.5〜9.0重量%、窒素を0.15〜0.25重量%および鉄を30〜39重量%含有し、残部がニッケルとその他不純物からなるニッケル合金を用いた非水電解液電池の電池ケース用材料。
  2. 正極、負極、セパレータ及び電解液を、電池ケース、封口板及び樹脂製ガスケットからなる電池容器に収納した非水電解液電池であって、前記電池ケースの材料として、クロムを22〜25重量%、モリブデンを6.5〜9.0重量%、窒素を0.15〜0.25重量%および鉄を30〜39重量%含有し、残部がニッケルとその他不純物からなるニッケル合金を用いたことを特徴とする非水電解液電池。
  3. 前記ニッケル合金は前記ニッケルを33〜37重量%含有する請求項2記載の非水電解液電池。
  4. 前記正極材料が、金属リチウムを対極とした時の開回路電圧が4V以上になる4V級リチウム含有遷移金属酸化物からなる請求項2または3記載の非水電解液電池。
  5. 前記電解液の溶質がLiPF6および/またはLiBF4である請求項4記載の非水電解液電池。
  6. 前記ガスケットがポリフェニレンサルファイド、パーフルオロアルコキシアルカンまたはエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーの少なくともひとつの樹脂からなる請求項5記載の非水電解液電池。











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