JP4457762B2 - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を安定して旋回走行可能とするための車両の制動力制御装置に関するものである。
従来、車両旋回時の安定性を確保することを目的とした制動力制御装置としては、例えば特許文献1に記載した装置がある。この制動力制御装置では、トラクションコントロールのように駆動輪の加速スリップを検知して単にその加速スリップを抑えるのではなく、車両の運転状態から車両の旋回状態量を検出し、その旋回状態量が、車両が安定して走行可能な旋回限界状態量に対し所定の制動作動閾値まで接近した場合に、車両が安定した旋回走行を維持するのに必要な目標減速度を演算し、その目標減速度を実現する制動力を車両に付与するものである。
これによって、車両旋回時に、運転者の意思に関わらず車両が安定して旋回可能な限界旋回量を越えないように制御される結果、運転者の予想に反してコーナが急な場合等にオーバースピードでコーナに進入した場合でも、すばやく適正な車両の減速が行われることによって、車両の安定性を確保することが出来るようになる。
しかしながら、車両に制動を付与するアクチュエータとして、例えば車輪に制動力を付与する液圧ブレーキ装置を想定し、その液圧ブレーキ装置の圧力発生源としてモータポンプを具備した液圧ブレーキ用アクチュエータ、所謂ポンプアップシステムにおいては、上記制動力制御が作動を開始しても、モータポンプが作動してホイールシリンダ側でブレーキ液が昇圧するまでに時間を要するため、初期応答性が遅れるという問題がある。
この問題を解決するために、従来、例えば特許文献2に記載のような、予圧を印加する技術が知られている。
特開平02−171373号公報 特開2001−63541号公報
しかし、上記特許文献2に記載のように、単純に、目標とする第1作動閾値よりも低い第2作動閾値を設定しておき、その第2作動閾値から第1作動閾値の間の状態と判定したときに予圧制御を実行すると、制動を判定する手段からの出力値の変化が早い場合等にあっては、第2作動閾値を越えたと判定してから予圧制御に移行したとしても予圧印加に充分な時間がとれることなく第1作動閾値を越えてしまうことがあり、そのような場合には、予圧の効果が充分に得られず必要な初期の制御応答性が確保できないおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記のような点を鑑みてなされたもので、旋回安定を目的とした制動力制御であっても初期応答性を向上させることが可能な制動力制御装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、車両の旋回状態量が、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量に対し所定の余裕がある制動作動閾値を越えたと判定すると、車両の安定した旋回走行を維持するために必要な目標減速度を演算しその目標減速度に応じた制動圧を各輪のホイールシリンダに付与する旋回安定制御手段を、備えた車両の制動力制御装置において、
現在から所定遅れ時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定する旋回限界推定手段と、車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越える迄の現時点からの到達推定時間を推定する限界到達時間推定手段と、を備え、
上記旋回安定制御手段は、旋回限界推定手段が所定時間経過後に制動作動閾値を越えると推定すると、上記遅れ時間経過、又は実際の車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えると判定するまで、上記ホイールシリンダに所定の制動圧を付与する予備制動制御手段を備え、その予備制動制御手段は、限界到達時間推定手段の推定に基づき、予備制動開始から上記遅れ時間だけ経過するよりも早期に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えると判定すると、上記制動圧を付与するための制御量を大きくする
本発明によれば、制御の初期応答性が向上して、車両が安定して旋回走行可能な車速まで応答性良く減速することが可能となる。
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の全体構成を示すブロック図である。
まず、構成について説明すると、前後各車輪の車輪速がそれぞれの車輪速センサ1で検出され、その検出信号がコントローラ5に出力される。また、車両の前後・左右方向の加速度を検出する加速度センサ2、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ3、ブレーキスイッチ・圧力スイッチ・アクセルスイッチ等のスイッチ群、各ホイールシリンダの液圧を検出する液圧センサ群等からの各種検出信号もコントローラ5に出力される。
コントローラ5は、上記各センサ、およびスイッチからの各種信号に基づいて演算処理を行い、前後各輪のブレーキ圧をそれぞれ調整するブレーキ制御装置6及びエンジン出力を調整するエンジン出力調整器7に対し制御信号を出力して制動制御する。
次に、ブレーキ制御装置6の構成例を図2に基づき説明する。
符号21はブレーキペダル、符号8はマスターシリンダである。また、符号9FL、pFR、9RL、9RRは、各輪に設けられた液圧ブレーキ装置のホイールシリンダを示す。そして、マスターシリンダ8とホイールシリンダ9FL、pFR、9RL、9RRとの間に介装された圧力切替弁等を制御することで、運転者のブレーキ操作に関係なく各ホイールシリンダの制動液圧を増圧、保持、減圧できるように構成されている。
すなわち、マスターシリンダ8は、ノーマルオープン型の圧力切替弁10Aと、ノーマルオープン型のインレットソレノイドバルブ11FL、11RRとを介して、フロント左・リヤ右のホイールシリンダ9FL、9RRに連結されると共に、ノーマルオープン型の圧力切替弁10Bと、ノーマルオープン型のインレットソレノイドバルブ11FR、11RLとを介して、フロント右・リヤ左のホイールシリンダ9FR、9RLに連結されている。インレットソレノイドバルブ11FR、11RLの夫々には、ブレーキ解除時にオリフィスをバイパスして、各ホイールシリンダ9FR、9RLの制動液圧をマスターシリンダ8に戻すリターンチェックバルブ12FR、12RLが配設されている。
さらに、マスターシリンダ8は、ノーマルクローズ型の圧力切替弁13Aを介して、圧力切替弁10Aの下流側(ホイールシリンダ側)に連結されると共に、ノーマルクローズ型の圧力切替弁13Bを介して、圧力切替弁10Bの下流側(ホイールシリンダ側)に連結されており、これら切換制御弁10Aと13Aとの間、及び切換制御弁10Bと13Bとの間には、圧力切替弁13A、13B側を吸入側とする共通のポンプ15が介装され、そのポンプは電動モータ14で駆動される。
ポンプ15の吸入側には、吸入する流体の逆流を阻止するインレットバルブ16が設けられており、ポンプ15の吐出側には、吐出する流体の逆流を阻止するアウトレットバルブ17と、ポンプ15から吐出した液圧の脈動を抑制するダンパ室18とが直列に配設されている。
また、フロント左・リヤ右のホイールシリンダ9FL、9RRは、ノーマルクローズ型のアウトレットソレノイドバルブ19FL、19RRを介して、圧力切替弁13Aの下流側(ポンプ側)に連結され、フロント右・リヤ左のホイールシリンダ9FR、9RLは、ノーマルクローズ型のアウトレットソレノイドバルブ19FR、19RLを介して、圧力切替弁13Bの下流側(ポンプ側)に連結されている。アウトレットソレノイドバルブ19FL、19RRの上流側(圧力切替弁13A側)と、アウトレットソレノイドバルブ19FR、19RLの上流側(圧力切替弁13B側)とには、各ホイールシリンダ9FR、9RLの減圧時に、この減圧を効率良く行うために、ホイールシリンダ9FR、9RLからの制動液圧を一時的に貯えるリザーバ20が配設されている。
以上の構成により、ブレーキ制御装置6は、圧力切替弁10A、10B、圧力切替弁13A、13B、インレットソレノイドバルブ、及びアウトレットソレノイドバルブとが非通電状態にあるときに、運転者のブレーキ操作に応じた通常の制動液圧が、圧力切替弁10A、10Bと、インレットソレノイドバルブとを通じて各ホイールシリンダに供給される。
また、圧力切替弁10A、10B及び圧力切替弁13A、13Bを通電状態にし、且つポンプ15を作動させるときに、運転者のブレーキ操作に関係なく、圧力切替弁13A、13Bを介してマスターシリンダ8から吸い出された制動液圧が、インレットソレノイドバルブを通じて各ホイールシリンダに供給され、増圧される。また、圧力切替弁10A、10B及びインレットソレノイドバルブを通電状態にするときに、各ホイールシリンダ、ポンプ15、及びリザーバ20が遮断され、各ホイールシリンダの制動液圧が保持される。さらに、圧力切替弁10A、10Bと、インレットソレノイドバルブと、アウトレットソレノイドバルブとを通電状態にし、且つポンプ15を作動させるときに、各ホイールシリンダの制動液圧がリザーバ20側に吸い出され、減圧される。
したがって、コントローラ55は、上記の圧力切替弁10A、10B、圧力切替弁13A、13B、インレットソレノイドバルブ、及びアウトレットソレノイドバルブへの通電を夫々制御すると共に、ポンプ15を駆動制御することで、各ホイールシリンダの制動液圧を増圧、保持、減圧することができる。
また、図1のエンジン出力制御装置7は、例えばスロットルバルブの開度を調整することにより、エンジン出力を制御するように構成されている。
次に、コントローラ5について説明する。
コントローラ5は、旋回安定制御手段を構成するCOP制御部30と、TCS制御やACC制御(車間制御)その他のブレーキ制御によって制動制御を行う他の制動力制御部40を備える(図1参照)。
上記COP制御部30は、旋回状態検出部30A、旋回限界演算部30B、COP処理部30C、予圧制御部30D及び制御部30Eを備える。
また、他の制動力制御部40は、ブレーキ制御装置6を使用した制動制御の作動中は、上記COP制御部30に対し作動中フラグfL =ONを出力している。
上記COP制御部30の処理を、図3〜図5に示す処理フローに基づき説明すると、この制御処理は所定の制御周期毎に行われ、まず、ステップS100において車輪速センサ1から各輪の車輪速度VFL、VFR、VRL、VRRを入力し、ステップS110で操舵角θを入力し、ステップS120において車両の前後方向、及び左右方向の加速度DDX、DDYを入力する。そして、ステップS130において各車輪速度VFL、VFR、VRL、VRR、及び車体前後加速度から車体速度Vを演算してステップS150に移行する。
ステップS150では、車体速度Vおよび車体左右加速度DDYから、下記式に基づき旋回半径Rを演算してステップS160に移行する。
R =(V2 /DDY)
ステップS160では、現在の車体速度Vにおける限界旋回半径RLを、車体速度Vから求める。例えば、車両によって定まる限界車体左右加速度をDDY1とすると、RL=(V2 /DDY1)で求めることができる。
続いてステップS170では、現在の旋回半径Rにおける限界旋回速度VL を、旋回半径Rから下記式に基づき求めステップS180に移行する。
VL =√(R・DDY1)
ここで、上記の限界車体左右加速度DDY1は、各輪のスリップ率に応じて変化させてもよい。また、ステップS100〜150が旋回状態検出部を、ステップS160〜S170は旋回限界演算部を構成する。
ステップS180では、旋回安定制御(COPとも呼ぶ)を作動させるかどうかを判定、つまり、実車速Vが、限界旋回速度VL より小さい制御作動閾値である目標車速kVL (但し、k<1、例えばk=0.9)を越えるかどうかを判定する。
実車速VがkVL を越えた場合は、COPを作動させると判定してステップS190に移行し、実車速Vが制動作動閾値kVL 以下の場合は、COPの予圧制御を行うかどうかの判断のためにステップS300に移行する(図4)。
まず、COPが作動すると判断した場合(S180が成立した場合)を説明する。
ステップS190では、COP予圧作動フラグPRE−FLGを「0」にリセットしてステップS200に移行する。このCOP予圧作動フラグPRE−FLGは、予圧制御が作動した場合にステップS450にてセットされ、このステップS190にてCOPが作動した場合に解除されるか、又は設定時間Δt経過したときにステップS550にて解除される。
ステップS200では、車体速度V、限界車体速度VL 、旋回半壊R、限界旋回半径RLに基づいてCOPのための目標減速度X″cop を演算してステップS210に移行する。
ステップS210では、COP予圧制御開始から所定時間Δtだけ経過したか否かを判定する。本実施形態では、カウンタNcが「0」以下となったか否かで判定する。
所定時間Δtが経過した場合には、ステップS240にてCOP予圧制御の目標減速度X″pre を「0」にセットしてステップS250に移行する。
一方、所定時間Δtが経過してない場合は、S220でNcの値を1だけカウントダウンしてステップS230に移行する。
ステップS230では、COP予圧制御による目標減速度X″pre とCOPの目標減速度X″cop を比較して、COPの目標減速度X″cop のほうが大きい場合は、S240にて予圧制御の目標減速度X″pre を「0」にリセットする。
その後、S250に進み、COP予圧制御による目標減速度X″pre と、COPの目標減速度X″cop とのセレクトハイを行い最終的な目標減速度X″を決定して、図5のステップS700に移行する。
一方、上述のステップS180でCOPが作動しないと判定された場合には、図4のステップS300に移行して、COPの目標減速度X″cop を「0」にリセットしてステップS310に移行する。
ステップS310では、制御作動閾値kVLの時間変化量d(kVL )/dtを演算してステップS320に移行する。この演算は例えば、lステップ前の制御作動閾値を記憶しておき、現在の制御作動閾値との差分を演算することで行う。制御周期が十分短い場合は、さらに前の値も用いて重み付けをして演算しても良いし、所謂ローパスフィルタを適用しても良い。
ステップS320では、実車速Vの変化量dV/dtを演算し、ステップS330にて、外気温Tempを入力する。さらに、ステップS340にて、ブレーキ制御装置6に電力を供給する電源の電圧Vbattを入力する。
続けて、ステップS350にて、ブレーキペダルの操作量Bpを入力してステップS360に移行する。本実施形態では、ブレーキ操作量Bpとしてマスタシリンダ液圧を使用する。
ステップS360では、自動車間制御装置(所謂ACC)などの他の制動力制御部が作動して制動力を付与しているか否かを判定する作動中フラグfL を入力して、ステップS370に移行する。
ステップS370では、ブレーキペダル21が操作されているか(現在のマスタシリンダ液圧Bpがkbを上回っているか)を判定する。この液圧kbは、マスタシリンダ8にブレーキ液が充填されたと検知可能な最小の液圧とするが、液圧センサのノイズによる影響で誤作動する場合は、ノイズの影響を受けなくなる値だけ余裕を持った液圧とする。もっとも、ブレーキランプスイッチなどで判定しても良い。
ブレーキペダル21が操作されていると判断された場合は、COPの予圧制御を行わず、ステップS600に移行してCOP予圧制御の目標減速度X″pre を0にリセットした後、復帰する。一方、ブレーキペダル21の操作がされていないと判定した場合には、ステップS380に移行する。
ステップS380では、ステップS360にて入力した作動中フラグfL がONか否かを判定する。作動中フラグがONの場合は、COPの予圧制御を行わず、S600に進む。一方、作動中フラグがOFF、つまり他の制動力制御が作動していない場合にはステップS390に移行する。
ステップS390では、COP予圧作動フラグPRE−FLGが0か否かを判定する。これは、既にCOP予圧制御が作動中かどうかを判定しており、まだ作動していない場合はステップS490に進み、予圧制御が作動中の場合はステップS400に進む。
まず、COP予圧制御が作動していなかった場合を説明する。
ステップS400にて、COPの予圧制御が、COPの作動前に予め作動しておくべき時間Δtを演算してステップS410に移行する。この時間Δtは、遅れ時間に相当し、COPが作動した時点で、既にホイールシリンダにブレーキ液が充填され、遅れなくホイールシリンダ液圧が上昇するのに充分な時間に設定する。具体的には、COP予圧制御の初期目標減速度X″pre を指令値としてホイールシリンダにブレーキ液が充填するまでの時間を計測しておく。その時間を本実施形態ではΔt−initとする。
予圧制御の時間Δtは、上記時間Δt−initに対し、ステップS330で入力された外気温による補正、及びステップS340で入力された電源電圧による補正を行った後の時間である。外気温、及び電源電圧に関し、図6、及び図7のマップにより規定される補正係数を持ち、下式のように、Δt−initにこれらの補正係数Ktmp、Kbattを乗じることで補正を行う。なお、補正係数Ktmpの外気温に対する係数はブレーキ液の温度を関数とした粘性に基づき求められるものであり、補正係数Kbattは、モータなどの駆動抵抗などから求められるものである。
Δt=Δt−init ×Ktmp ×Kbatt
このΔtは、ロジック内ではステップ数として扱うので、制御周期で割ってステップ数Ncに変換する。例えば、Δtが250msec、制御周期が10msecであった場合、Nc=25となる。
ステップS410では、上で求めたΔt後の制御作動閾値を、下記式に基づき演算して、ステップS420に移行する。
kVL p=kVL + d(kVL )/dt ×Δt
ステップS420では、上で求めたΔt後の実車速を下記式に基づいて演算してステップS430に移行する。
Vp=V +dV/dt ×Δt
ステップS430では、制御作動閾値の変化速度の絶対値が、ある閾値dVlim を越えているか否かを判定する。これはCOPの制動作動閾値付近を維持して走行している場合に、COP予圧制御がON/OFFを頻繁に繰り返すことを防止するためである。dVlim より小さい場合は予圧制御を作動させずS600に進む。一方、dVlim 以上であればステップS440に移行する。
ステップS440では、操舵角θの絶対値が、θlim よりも大きいかどうかを判定し、θlim 以下の場合は予圧制御を作動させずS600に進み、θlim より大きい場合にはステップS450に移行する。
ステップS450では、COPの予圧制御を作動させるか否かを判定する。すなわち、Δt後の車速VpがΔt後の制動作動閾値kVL pを越えていると推定される場合は、COPの予圧制御を作動する必要があるとして、S460に進む。予圧制御の必要がない場合は、S600に進み、予圧制御は作動させずに復帰する。
ステップS460では、COP予圧作動フラグPRE−FLGを「1」とし、続いてステップS470において、予圧制御の目標減速度X″pre に、初期値としてX″preinit を設定してステップS480に移行する。
ここで、S310〜S450が旋回限界推定手段を構成する。
ステップS480では、カウンタNcを保存し、ステップS580に進む。(S580以降の説明は後述する)
一方、ステップS390にてCOPの予圧制御が既に作動していると判定されると、ステップS490に移行して、制動作動閾値kVL の変化量d(kVL )/dtと実車速の変化量dV/dtとから、現在の車両状態において、現在のステップから何秒後にCOPが作動する(車速が制動作動制御閾値を越える)と予測されるか演算してステップS500に移行する。その演算した時間をΔtpとすると、この時間Δtpは下式に基づき求める。
Δtp=(Vp−kVL )/(dkVL /dt − dV/dt)
Δt同様、このΔtpもロジック内ではステップ数として扱うので、制御周期で割ってステップ数Npに変換する。例えば、Δtpが40msec、制御周期が10msecであった場合、Np=4となる。このステップS490は、限界到達時間推定手段を構成する。
ステップS500では、上で求めたNpと現在のNcを比較する。Npが小さい場合は、当初の想定したΔt後よりも早くCOPが作動すると予測される場合であるから、S510に進み予圧制御の目標減速度X″pre の修正を行う。一方、Npの方が大きいか等しい場合には、そのままステップS540に移行する。
ステップS510では、下記式に基づき目標減速度X″pre を、NcとNpとの関係に応じて大きくした後に、ステップS520に移行する。これにより、予圧印加の指令値(制御量)が大きくなって昇圧速度が早くなる。すなわち、モータの駆動電流も大きくなり早急にホイールシリンダにブレーキ液を込めることが可能となる。
X″pre = X″pre +k1×(Nc−Np)/Np
k1は重み付けのための係数である。
もっとも、目標減速度X″pre に(Nc/Np)を乗算して当該目標減速度X″pre を大きくしたりしても良い。
続いて、ステップS520及びS530では、増加することで目標減速度X″pre がリミッタX″premaxを越えた場合には、目標減速度X″pre をそのリミッタX″premaxの値に変更する。このリミッタX″premaxは、運転者が減速度を感じないと推定される大きさの最大減速度相当の値である。
ステップS540では、COP作動開始予定までの残りステップ数としてNcを1だけカウントダウンしてステップS550に移行する。ここで、ステップS540〜S550は予備制動制御手段を構成する。
ステップS550では、COPの予圧制御開始から設定時間Δtだけ経過したか否かを判定する。具体的には、Ncが0以下までカウントダウンしたか否かで判定し、Ncが0以下であれば設定時間Δt経過したとしてステップS560に移行してCOP予圧制御フラグを0にリセットし、S570で予圧制御の目標減速度X″pre を0にリセットする。一方、設定時間Δtだけ経過していない場合にはステップS580に移行する。
例えば、制御周期が10msecの場合は、Δt(=250mec)+10msec ×125=約1500msec程度継続したら、設定時間を経過したこととなる。
ステップS580では、予圧制御により発生したホイールシリンダ液圧(またはホイールシリンダ液圧推定値)が、設定値Pmax*よりも大きいか否かを判定する。
Pmax*を超えている場合は、S590に移行して予圧制御の目標減速度X″pre を初期値X″initにリセットする。この設定値Pmax*は、各ブレーキ装置のブレーキパッドがロータに力を伝達することなく接触するだけの液圧値である。なお、各ブレーキ装置の液圧は等しくする。
さらに、上述の通り、図3のステップS250において、COPの目標減速度X″cop と、予圧制御の目標減速度X″pre をセレクトハイし、最終的な目標減速度X″を演算して、図5のステップS700に移行する。
ステップS700では、上記目標減速度X″を得るための前後輪の各目標ブレーキ液圧を求め、続いてステップS710で、圧力切換弁をONにし、さらにステップS720にて、各ホイールシリンダの制動液圧が上記目標ブレーキ液圧と一致するように、ブレーキ制御装置6のモータの駆動量やソレノイドの電流値を演算して、ステップS730にてその駆動指令をブレーキ制御装置に出力する。
続いて、ステップS740では、予圧制御作動フラグPRE−FLGがオフであれば、目標減速度X″を得るためのエンジン出力制御信号を演算する。例えば、スロットル開度によりエンジン出力を制御する場合には、ブレーキによって得られる減速度との関係を考えて目標スロットル開度を決定し、目標スロットル開度を得るための制御信号を演算する。続いて、ステップS300で、エンジン出力調整器を駆動する。前記した例ではスロットルを駆動することになる。
次に、上記構成の制御装置の動作や作用・効果について説明する。
車両が曲線路を走行中であって車両の旋回状態が限界旋回状態に近い状態となると、COPが作動して、自動的に車両を減速させることで、車両旋回時に、運転者の意思に関わらず車両が安定した旋回が可能な限界を越えないように制御される。この結果、運転者の予想に反してコーナーのカーブが急な場合などにオーバースピードでコーナーに進入した場合であっても、適正な車両の減速が行われることで、車両の安定性が確保される。
このとき、COPが有効に減速度を発生可能になるまで(昇圧可能となるまで)の初期の遅れ時間が存在する。
この遅れ時間を小さくして初期応答性を向上させるために、本実施形態では予圧制御を行っている。本実施形態の予圧制御では、制動作動閾値kVL に対して単純に予圧開始の閾値を設定するのでは無く、目的とする予圧をCOP移行までに確保できる遅れ時間Δtを想定し、図8のように、そのΔt後までに、車両の実旋回状態量が、限界旋回状態量に対して設定値まで接近する(従来のCOPが作動開始する)と推測されたときに予圧の作動開始している。
すなわち、そのときの旋回状態や、目標とする旋回状態によらず、安定してCOPの作動開始させたいタイミングよりもΔtだけ前にCOPの予圧制御が作動することにより、効果的にブレーキ液が各輪のホイールシリンダに蓄えられ、COP作動させたい初期における液圧応答性が著しく向上する。図9に、本実施形態に基づく制御のタイムチャート例を示す。
また、本実施形態では、COPの予圧制御が作動した後、当初の予測(Δt後の時点)よりも早期に車両の実旋回状態量が、限界旋回状態量に対し若干余裕をもった作動制御閾値に達してCOPが作動開始すると予測された場合には、図10に示すタイムチャート例のように、COPの予圧制御における昇圧速度(或いはブレーキ液の流速)が大きくなるように、COP予圧制御の制御量を大きくしている。
すなわち、COP予圧制御作動の開始時点では、そのタイミングでの限界旋回状態量演算値、その変化速度、実際の旋回状態量、その変化速度などから、Δt後にCOPが作動すると予測しているが、例えばCOP予圧制御作動開始時よりも限界旋回状態量の変化速度が大きくなった場合などでは、Δt後よりも早くCOPが作動する。このため、車両の実旋回状態量が、限界旋回状態量に対して若干の余裕をもった作動制御閾値を越える場合がある。
これに対し、本願実施形態では、例えば限界旋回状態量の変化速度がCOP予圧制御作動開始時と比較して大きくなり、当初の予測よりも早くCOPが作動するような場合でも、COPの予圧制御における指令液圧などを大きくし、昇圧速度をさらに上げることにより、Δt後よりも早くCOPが作動する場合であってもCOPの作動初期における予圧印加状態をより理想的なものに近づけることが可能となる。
また、この処理を行うことで、通常のCOP予圧制御時は、指令液圧などを小さく設定し、つまりポンプモータの駆動電流を小さくすることで、低騒音・低電力を図り、急激に予圧印加を達成しなければならない状態においてのみ、ポンプモータの駆動力を最大限発生して予圧効果を高めることが可能となる。すなわち、低騒音と応答性向上の両立を実現可能となる。
また、本実施形態では、図11のタイムチャート例に示すように、COPが作動するまでの、予圧制御時のブレーキ圧の最大値を運転者が減速度を感じない液圧としている。
すなわち、本来減速度を発生させるべきは、車両の実旋回状態量が、作動制御閾値を越えて、実旋回状態が限界旋回状態に接近しているCOPを作動させるときであり、予備制御中から運転者に感じるほどの減速度を生じさせてしまうと、所謂早期作動感を運転者に感じさせてしまう場合が想定されるが、本実施形態では、Δtだけ早期に制動制御を作動させる違和感を運転者に与えることなく、かつ上述のように必要なタイミングで瞬時にホイールシリンダの液圧を上昇させることが可能となる。
例えば、予圧制御中に、COPが作動する時点で、ブレーキパッドがロータに当接していることが判断できる最小の液圧を発生させる。
すなわち、従来、COPが作動を開始してからΔtの無駄時間が生じるのは、ポンプモータが起動し、パッドがロータに当接するまでブレーキ液をホイールシリンダに充填するタイムラグがあるからであるが、本実施形態では、COPを作動させるタイミングから運転者に感じるだけの減速度を生じさせ、所謂、早期作動感を運転者に感じさせることなく、COPの本来減速度を発生させるべきタイミング(目標旋回状態量と実旋回状態量が交差する時点)において確実にロータとパッドが当接し、時間遅れなく瞬時に液圧を上昇させることが可能となる。
また、本実施形態では、ブレーキペダル21の操作中にあっては、予圧制御を作動させ無い。なお、予圧制御が作動中にブレーキペダル21が操作された場合にも予圧制御を中止するようにしても良い。
すなわち、ブレーキペダル21の操作中は、ホイールシリンダに液圧が印加されており、COPの予圧制御を作動させる必要性が無い。このため、予圧制御を作動させないことで、不必要にアクチュエータの作動回数が増大することを防ぐことができ、またCOPの予圧制御作動時のブレーキペダル21の操作時の違和感なども効果的に防止可能となる。
また、本実施形態では、ホイールシリンダに液圧を付与することで制動制御を行う他の制動力制御が作動している場合は、COPの予圧制御を作動させない。
すなわち、他の制動力自動付与装置が作動している場合は、ホイールシリンダに液圧が印加されており、COPの予圧制御を作動させる必要性が無い。このため、予圧制御を作動させないことで、不必要にCOPの予圧制御が作動して、他の制動力制御部と干渉することも無くなり、安定した制動力制御の管理が可能となる。
また、本実施形態では、図12に示すタイムチャート例のように、限界旋回状態量の変化速度がある閾値以下の場合は、COPの予圧制御を作動させない。
すなわち、COP作動閾値付近で旋回している場合、目標旋回状態量と実際の旋回状態量が近接しているため、COPの予圧制御が作動/非作動を繰り返すおそれがあるが、本実施形態では、作動閾値付近で緩やかに目標旋回状態量が推移している場合はCOP予圧制御を作動しないため、前記状況においてCOP予圧制御の作動ON/OFFが頻繁に発生することを防止できる。
また、本実施形態では、操舵角の絶対値がある閾値以下(ほぼ直進と判断される領域が好ましい。この閾値は車速により変えても良い)の場合には、COPの予圧制御を作動させない。
すなわち、直進走行、またはほとんど直進走行を行っている際にあっては、運転者は微小の修正舵を与えながら直進走行状態を維持している。操舵中立点付近では操舵反力も小さく、前記修正舵の操舵速度は瞬間的に大きくなることがあり、このままでは、Δt後までその操舵速度状態が続くと判断してCOPの予圧制御が不必要に作動する場合がある。しかし、本実施形態では操舵角が小さいような直進走行状態においては、COP予圧制御を作動しないため、前記状況におけるCOP予圧制御の誤作動を防止できる。
また、本実施形態では、外気温が低いほど、前記Δtを大きくしている。外気温が低い場合では、ブレーキ液の粘性が高くなり、その分だけホイールシリンダの液圧がかかるまでの時間が長くなる。このため、Δtが一定の場合、極低温領域においてCOPの作動タイミングに所望のホイールシリンダ液圧まで上昇していない場合があるが、本実施形態では、外気温が低いほど、Δtを長くして、より早いタイミングで予圧制御を作動させることで、外気温によらずCOP作動時に十分な予圧印加が達成できるようになる。
また、本実施形態では、ポンプやバルブなどを駆動する電源電圧が低いほど、前記Δtを大きくしている。すなわち、電源電圧が低い場合には、ポンプモータを駆動する電流が不足気味になり、電源電圧が高い場合に比べホイールシリンダに液圧がかかるまでの時間が長くなる。したがって、Δtが一定の場合、低電圧領域においてCOPの作動タイミングに所望のホイールシリンダ液圧まで上昇していないおそれがあるが、本実施形態では、電源電圧が低いほど、Δtを大きくすることで、つまり、より早いタイミングでCOP予圧制御を作動させることで、電源電圧が低い場合においてもCOP作動時に十分な予圧印加が達成できるようになる。
ここで、上記実施形態では、Δt後に旋回状態が限界旋回状態に近づいて作動制御閾値を越えると予測すると、予圧制御を行い、実際に車両の旋回状態が作動制御閾値を越えた段階でCOP制御に移行しているが、これに限定されない。例えば、Δt後に旋回状態が限界旋回状態に近づいて作動制御閾値を越えると予測した段階で、予圧制御を行うこと無くCOPの制御を開始するようにしても良い。この場合であっても、Δt後に車両の旋回状態が作動制御閾値を越えることが無いと推定した場合には、COP制御を中止する。
また、上記実施形態では、限界旋回状態量として制動作動閾値kVL 、実旋回状態量として実車速を用いて説明しているが、これに限定されない。これらは、車両ヨー角、ヨーレイト、ヨー加速度、ロール角、ロールレイト、ロール加速度、前後・横G、旋回半径、操舵角、操舵角速度や、カメラ、ナビゲーションシステム、道路インフラなどの道路認識装置による車線情報などの少なくとも一つを用いて車両の旋回状態を取得し判定しても良い。
また、車両の挙動や操舵を乱すような悪路を判断することが可能な場合は、制御変数のノイズによるCOP予圧制御の誤作動を防止する為、悪路であるほどCOP予圧制御の各パラメータに強いフィルタをかけたり、予圧ロジック介入を中止したりしても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。上記実施形態と同様な部分などについては同一の符号を付して説明する。
本第2実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、図13に示すフローのように、COP制御部30における予圧制御部分の処理(図4参照)が異なる。
なお、図13において図4と同じ処理を行うステップについては同一のステップ番号を付ける。
図13から分かるように、上記第1実施形態の処理(図4参照)における、ステップS310,S320、S410〜S430、S450及びS490の処理内容が異なる。
すなわち、ステップS1310にて、制動作動閾値kVL の逆数kVLinv(=1/kVL )及びその時間変化量d(kVinv )/dtを演算して、また、ステップS1320にて、実車速の逆数Vinv (=1/V)及びその変化量d(Vinv )/dtを演算する。
また、Δt後に旋回状態量が制動作動閾値kVL を越えるか否かの判定に際して、次の処理を行う。
すなわち、ステップS1410にて、Δt後の制動作動閾値kVL の逆数kVLinvpを、下記式に基づき演算して、ステップS1420に移行する。
kVLinvp=kVLinv +d(kVLinv)/dt ×Δt
ステップS1420では、Δt後の実車速の逆数Vinv pを、下記式にて演算して、ステップS1430に移行する。
Vinv p=Vinv +d(Vinv )/dt ×Δt
ステップS1430では、制動作動閾値kVL の逆数の変化速度d(kVinv )/dtの絶対値が、ある閾値dViminを越えているか否かを判定する。これはCOPの作動閾値付近を維持して走行している場合に、COP予圧制御がON/OFFを頻繁に繰り返すことを防止する。一方、dViminより小さい場合は予圧制御を作動させずステップS560に移行する。
ステップS1450にて、COPの予圧制御を作動させるか否かを判定する。Δt後に、kVLinvpがVinv pを上回っていた場合は、COPの予圧制御を作動する必要があるとして、ステップS460に移行する。必要ない場合は、ステップS560に移行して予圧制御は作動させない。
また、COPの予圧制御が既に作動しているとしてステップS1490に移行した場合には、制動作動閾値kVL の逆数の変化量d(kVLinv)/dtと、実車速の逆数の変化量d(Vinv )/dtから、現在のステップから何秒後にCOPが作動すると予測されるかを、下記式に基づき演算し、これをΔtpとする。
Δtp=(Vpinv −kVLinv)/(d(kVLinv)/dt −d(Vinv )/dt)
Δt同様、このΔtpもロジック内ではステップ数として扱うので、制御周期で割ってステップ数Npに変換する。
その他のステップは上記第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の動作や作用・効果などについて説明する。
本実施形態では、Δt後にCOP作動状態となるか否かを、限界旋回状態量の逆数と実旋回状態量の逆数とを用いて、Δt後に実旋回状態量が、限界旋回状態量に対し若干余裕のある作動制動閾値を越えるか否かを推定している。
すなわち、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量は、限界旋回車速など車両が直進している際には無限大相当の値になっている場合がある。このような限界旋回状態量を用いてΔt後の限界旋回状態量を予測しようとすると、図14に示すように、直進からわずかに旋回状態に移行したときに大きく限界旋回状態量が変化することになり、その後の限界旋回状態量の変化を精度よく予測することができない。
これに対し、本実施形態のように逆数を使用することで、図15に示すように、限界旋回状態量が0から増加する値になり、線形近似などの簡単な予測手法により精度よくΔt後の限界旋回状態量の予測が可能となる。また、無限大になることもない為リミッタなどに当たって傾きが不連続になることもなく、この領域でも精度よい予測が可能となる。
その他の構成や作用効果については上記第1実施形態と同様である。
本発明に基づく実施形態に係るシステム構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る液圧系を示すシステム図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るCOP制御部の処理フローを示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るCOP制御部の処理フローを示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るCOP制御部の処理フローを示す図である。 外気温と補正係数との関係を示す図である。 電源電圧と補正係数との関係を示す図である。 本発明に基づき第1実施形態について説明するためのタイムチャート例である。 本発明に基づき第1実施形態について説明するためのタイムチャート例である。 本発明に基づき第1実施形態について説明するためのタイムチャート例である。 本発明に基づき第1実施形態について説明するためのタイムチャート例である。 本発明に基づき第1実施形態について説明するためのタイムチャート例である。 本発明に基づく第2実施形態に係るCOP制御部の処理フローを示す図である。 本発明に基づき第2実施形態について説明するためのタイムチャート例である。 本発明に基づき第2実施形態について説明するためのタイムチャート例である。
符号の説明
5 コントローラ
6 ブレーキ制御装置
30 COP制御部
30A 旋回状態検出部
30B 旋回限界演算部
30C COP処理部
30D 予圧処理部
30E 制御部
40 他の制動力制御部
fL 作動中フラグ
X″cop COPの目標減速度
X″pre 予圧制御の目標減速度
X″ 最終的な目標減速度
V 実車速
VL 限界旋回状態量
kVL 制動作業閾値
Δt 設定時間
Δtp 時間(到達推定時間)

Claims (10)

  1. 車両の旋回状態量が、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量に対し所定の余裕がある制動作動閾値を越えたと判定すると、車両の安定した旋回走行を維持するために必要な目標減速度を演算しその目標減速度に応じた制動圧を各輪のホイールシリンダに付与する旋回安定制御手段を、備えた車両の制動力制御装置において、
    現在から所定遅れ時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定する旋回限界推定手段と、
    車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越える迄の現時点からの到達推定時間を推定する限界到達時間推定手段と、
    を備え、
    上記旋回安定制御手段は、旋回限界推定手段が所定時間経過後に制動作動閾値を越えると推定すると、上記遅れ時間経過、又は実際の車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えると判定するまで、上記ホイールシリンダに所定の制動圧を付与する予備制動制御手段を備え、その予備制動制御手段は、限界到達時間推定手段の推定に基づき、予備制動開始から上記遅れ時間だけ経過するよりも早期に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えると判定すると、上記制動圧を付与するための制御量を大きくすることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 上記旋回限界推定手段は、旋回状態量の逆数と制動作動閾値の逆数とに基づき、現在から所定時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定することを特徴とする請求項1に記載した車両の制動力制御装置。
  3. 上記予備制動制御手段における制御圧の最大値は、運転者が減速度を感じない大きさであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の制動力制御装置。
  4. 上記予備制動制御手段における制御圧の最大値は、各輪のブレーキ装置のブレーキパッドがロータに力を伝達しないで接触するだけの液圧であることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
  5. 上記予備制動制御手段は、運転者によるブレーキ操作が行われていると判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
  6. 上記旋回安定制御手段とは別に、運転者によるブレーキ操作に関わらず車両に制動力を付与する別の制動力制御手段を備え、
    上記予備制動制御手段は、その別の制動力制御手段により車両に制動力が付与されていると判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
  7. 上記予備制動制御手段は、上記限界旋回状態量の変化速度が所定変化速度以下と判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
  8. 上記予備制動制御手段は、操舵角が所定操舵角以下と判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
  9. 上記遅れ時間は、外気温に応じた値であり、当該外気温が低いほど遅れ時間は大きくなることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
  10. 上記旋回安定制御手段のアクチュエータは電源で駆動され、上記遅れ時間は、その電源に応じた値であり、当該電源の電圧が低いほど遅れ時間は大きくなることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
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