JP5022934B2 - 車両用ブレーキ圧保持制御装置 - Google Patents

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本発明は、坂道発進時等においてブレーキ圧を保持する車両用ブレーキ圧保持制御装置に関する。
近年、坂道発進時において車両が後ずさりしてしまうのを抑制するために、ブレーキ力を補助する装置が知られている。このような装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された技術では、坂道において車両が停止してからアクセルが踏まれるまでの間、ブレーキ圧を目標ブレーキ圧とするように、ブレーキ圧の加減圧制御を行っている。
特開2004−359147号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回った場合には、加圧制御を実行して再び目標ブレーキ圧まで上げなければならないので、ブレーキ圧を再び目標ブレーキ圧にするための制御時間が長くなってしまい、その結果として作動音が長く生じてしまうといった問題があった。
そこで、本発明は、所望の目標ブレーキ圧に迅速にブレーキ圧を保持することができる車両用ブレーキ圧保持制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、車両の停止時に車両が停止状態を維持できる目標ブレーキ圧まで減圧してブレーキ圧を保持するブレーキ圧保持制御を実行可能な車両用ブレーキ圧保持制御装置であって、前記車両のブレーキ圧を取得するブレーキ圧取得手段と、前記ブレーキ圧取得手段で取得されたブレーキ圧が、前記目標ブレーキ圧にオフセット量を加算した保持制御開始閾値以下になったときに前記ブレーキ圧保持制御を開始するブレーキ圧保持制御手段と、を有し、前記オフセット量は、前記ブレーキ圧の変化が大きい程大きい値に設定されることを特徴とする。
この構成によれば、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧に達するよりも前に、ブレーキ圧保持制御が開始されるので、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回るのを抑えることができ、ブレーキ圧を所望の目標ブレーキ圧に迅速に保持することができ、作動音も抑制される。
また、ブレーキ圧が、目標ブレーキ圧よりも高い圧力として設定された保持制御開始閾値(目標ブレーキ圧+オフセット量)になったときに、ブレーキ圧保持制御が開始されるので、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回るのを抑えることができ、ブレーキ圧を所望の目標ブレーキ圧に迅速に保持することができ、作動音も抑制される。
さらに、オフセット量をブレーキ圧の変化が大きい程大きい値に設定することで、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧に達する時間を適切に予想することができるので、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回るのをより確実に抑えることができる。
本発明によれば、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧に達するよりも前に、ブレーキ圧保持制御が開始されるので、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回るのを抑えることができ、ブレーキ圧を所望の目標ブレーキ圧に迅速に保持することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図であり、図2は車両用ブレーキ液圧制御装置の構成を示す構成図である。
図1に示すように、車両用ブレーキ圧保持制御装置の一例としての車両用ブレーキ液圧制御装置100は、車両CRの各車輪Tに付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ液圧制御装置100は、油路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部20とを主に備えている。
各車輪Tには、それぞれ車輪ブレーキFL,RR,RL,FRが備えられ、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRには、液圧源としてのマスタシリンダMから供給される液圧により制動力を発生するホイールシリンダWが備えられている。マスタシリンダMとホイールシリンダWとは、それぞれ液圧ユニット10に接続されている。そして、ブレーキペダルPの踏力(運転者の制動操作)に応じてマスタシリンダMで発生したブレーキ液圧が、制御部20および液圧ユニット10で制御された上でホイールシリンダWに供給されている。
制御部20には、マスタシリンダ圧(マスタシリンダM内の液圧)を検出する圧力センサ91と、各車輪Tの車輪速度を検出する車輪速センサ92と、車両CRに加わる加速度を検出する加速度センサ93とが接続されている。そして、この制御部20は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、各センサ91〜93からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。なお、制御部20の詳細は、後述することとする。
図2に示すように、液圧ユニット10は、運転者がブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧源であるマスタシリンダMと、車輪ブレーキFR,FL,RR,RLとの間に配置されている。液圧ユニット10は、ブレーキ液が流通する油路(液圧路)を有する基体であるポンプボディ10a、油路上に複数配置された入口弁1、出口弁2などから構成されている。マスタシリンダMの二つの出力ポートM1,M2は、ポンプボディ10aの入口ポート121に接続され、ポンプボディ10aの出口ポート122が、各車輪ブレーキFR,FL,RR,RLに接続されている。そして、通常時はポンプボディ10a内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
ここで、出力ポートM1から始まる油路は、前輪左側の車輪ブレーキFLと後輪右側の車輪ブレーキRRに通じており、出力ポートM2から始まる油路は、前輪右側の車輪ブレーキFRと後輪左側の車輪ブレーキRLに通じている。なお、以下では、出力ポートM1から始まる油路を「第一系統」と称し、出力ポートM2から始まる油路を「第二系統」と称する。
液圧ユニット10には、その第一系統に各車輪ブレーキFL,RRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられており、同様に、その第二系統に各車輪ブレーキRL,FRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられている。また、この液圧ユニット10には、第一系統および第二系統のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、ダンパ5、オリフィス5a、調圧弁(レギュレータ)R、吸入弁7、貯留室7aが設けられている。また、液圧ユニット10には、第一系統のポンプ4と第二系統のポンプ4とを駆動するための共通のモータ9が設けられている。なお、本実施形態では、第二系統にのみ圧力センサ91が設けられている。
なお、以下では、マスタシリンダMの出力ポートM1,M2から各調圧弁Rに至る油路を「出力液圧路A1」と称し、第一系統の調圧弁Rから車輪ブレーキFL,RRに至る油路および第二系統の調圧弁Rから車輪ブレーキRL,FRに至る油路をそれぞれ「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路A1からポンプ4に至る油路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ4から車輪液圧路Bに至る油路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る油路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、マスタシリンダMまたはポンプ4側から車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側(詳細には、ホイールシリンダW側)への液圧の行き来を制御する弁であり、ホイールシリンダ圧(ホイールシリンダW内の圧力)を増加、保持または低下させることができる。そのため、制御弁手段Vは、入口弁1、出口弁2、チェック弁1aを備えて構成されている。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMとの間、すなわち車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、制御部20により適宜閉塞されることで、ブレーキペダルPから各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに伝達するブレーキ液圧を遮断する。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRと各リザーバ3との間、すなわち車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、制御部20により適宜開放されることで、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに作用するブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、開放路Eに設けられており、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を貯留する機能を有している。また、リザーバ3とポンプ4との間には、リザーバ3側からポンプ4側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁3aが介設されている。
ポンプ4は、出力液圧路A1に通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ3で貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。
ダンパ5およびオリフィス5aは、その協働作用によってポンプ4から吐出されたブレーキ液の圧力の脈動および後記する調圧弁Rが作動することにより発生する脈動を減衰させている。
調圧弁Rは、通常時に出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容するとともに、ポンプ4が発生したブレーキ液圧によりホイールシリンダW側の圧力を増加するときには、この流れを遮断しつつ、吐出液圧路D、車輪液圧路Bおよび制御弁手段V(ホイールシリンダW)側の圧力を設定値以下に調節する機能を有し、切換弁6およびチェック弁6aを備えて構成されている。
切換弁6は、マスタシリンダMに通じる出力液圧路A1と各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに通じる車輪液圧路Bとの間に介設された常開型のリニアソレノイド弁である。そのため、切換弁6に流す電流の値に応じて、吐出液圧路D、車輪液圧路Bおよび制御弁手段V(ホイールシリンダW)側の圧力を設定値以下に調節可能となっている。そして、後述する登坂路で車両が停止する場合においては、制御部20によって高めの電流値(後で詳述する)を切換弁6に供給することで、切換弁6が出口弁2とともに閉状態にされて、ホイールシリンダW内の圧力が保持されるようになっている。
チェック弁6aは、各切換弁6に並列に接続されている。このチェック弁6aは、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。
吸入弁7は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態および遮断する状態を切り換えるものである。
貯留室7aは、吸入液圧路C上におけるポンプ4と吸入弁7の間に設けられている。この貯留室7aは、ブレーキ液を貯留するものであり、これにより、吸入液圧路Cに貯留されるブレーキ液の容量が実質的に増大する。
圧力センサ91は、出力液圧路A1のブレーキ液圧を検出するものであり、その検出結果は制御部20に入力される。
次に、制御部20の詳細について説明する。参照する図面において、図3は、制御部の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部20は、登坂路停車判断手段21、傾斜角度算出手段22、目標ブレーキ圧設定手段23、記憶装置24、ブレーキ圧取得手段25およびブレーキ圧保持制御手段26を備えて構成されている。
登坂路停車判断手段21は、車輪速センサ92からの車輪速情報と、加速度センサ93からの加速度情報とに基づいて、車両が登坂路に停止したか否かを判断する機能を有している。そして、登坂路停車判断手段21は、車両が登坂路に停止したと判断した場合には、そのことを示す停車信号を傾斜角度算出手段22および後述するブレーキ圧保持制御手段26の微分値算出手段26Aに出力するとともに、加速度情報を傾斜角度算出手段22に出力する。
傾斜角度算出手段22は、加速度情報に基づいて傾斜角度を算出する機能を有している。具体的に、傾斜角度算出手段22は、登坂路停車判断手段21から停車信号および加速度情報を受けると、記憶装置24に予め記憶してある加速度と傾斜角度との関係を示すマップを参照して傾斜角度を算出する。そして、傾斜角度算出手段22は、傾斜角度を算出すると、算出した傾斜角度を目標ブレーキ圧設定手段23に出力する。
目標ブレーキ圧設定手段23は、傾斜角度に基づいて、車両の停止時に車両が停止状態を維持できる目標ブレーキ圧を設定する機能を有している。具体的に、目標ブレーキ圧設定手段23は、傾斜角度算出手段22から傾斜角度の情報を受けると、記憶装置24に予め記憶してある傾斜角度と目標ブレーキ圧との関係を示すマップを参照して目標ブレーキ圧を設定する。そして、目標ブレーキ圧設定手段23は、目標ブレーキ圧を設定すると、その目標ブレーキ圧を後述するブレーキ圧保持制御手段26の加算手段26Cに出力する。
記憶装置24は、前述した各マップを記憶するとともに、後述するブレーキ圧の微分値とオフセット量との関係を示すマップを記憶している。なお、各マップは、実験やシミュレーション等によって作成される。
ブレーキ圧取得手段25は、圧力センサ91からブレーキ圧を取得する機能を有している。そして、ブレーキ圧取得手段25は、ブレーキ圧を取得すると、取得したブレーキ圧をブレーキ圧保持制御手段26(詳しくは、微分値算出手段26Aおよび比較手段26D)に出力する。
ブレーキ圧保持制御手段26は、微分値算出手段26A、オフセット量算出手段26B、加算手段26Cおよび比較手段26Dを備えて構成されている。
微分値算出手段26Aは、登坂路停車判断手段21から停車信号を受けると、ブレーキ圧取得手段25からブレーキ圧の情報を取得し、前回受けたブレーキ圧の前回値と、今回受けたブレーキ圧の今回値とに基づいて、ブレーキ圧の微分値を算出する機能を有している。そして、微分値算出手段26Aは、微分値を算出すると、算出した微分値をオフセット量算出手段26Bに出力する。
オフセット量算出手段26Bは、ブレーキ圧の微分値に基づいて、オフセット量(ブレーキ圧が目標ブレーキ圧に達するよりも前にブレーキ圧保持制御を開始させるために目標ブレーキ圧に加える量)を算出する機能を有している。具体的に、オフセット量算出手段26Bは、微分値算出手段26Aから微分値の情報を受けると、記憶装置24に予め記憶してある微分値とオフセット量との関係を示すマップを参照してオフセット量を算出する。ここで、微分値とオフセット量の関係は、微分値の絶対値が大きくなる程オフセット量が大きくなる関係、例えば比例の関係となっている。そして、オフセット量算出手段26Bは、オフセット量を算出すると、算出したオフセット量を加算手段26Cに出力する。
加算手段26Cは、オフセット量算出手段26Bから出力されてくるオフセット量を、目標ブレーキ圧設定手段23から出力されてくる目標ブレーキ圧に加算して新たな目標ブレーキ圧(以下、「保持制御開始閾値」という。)を算出する機能を有している。そして、加算手段26Cは、保持制御開始閾値を算出すると、算出した保持制御開始閾値を比較手段26Dに出力する。
比較手段26Dは、加算手段26Cから出力されてくる保持制御開始閾値と、ブレーキ圧取得手段25で取得したブレーキ圧とを比較し、ブレーキ圧が保持制御開始閾値以下となった場合に切換弁6に高めの電流値を供給して切換弁6を閉じることで、ホイールシリンダW内のブレーキ圧を保持させる機能を有している。ここで、切換弁6を閉じるための高めの電流値は、目標ブレーキ圧に対応した電流値に設定すればよい。
ここで、比較手段26Dは車両が登坂路で停止しているときにのみ動作するので、比較手段26Dによってブレーキ圧が保持される前の状態においては、出口弁2が閉状態で、切換弁6が開状態となっている。そのため、比較手段26Dによって切換弁6が閉じられると、出口弁2および切換弁6の双方が閉状態となって、ホイールシリンダW内のブレーキ圧が保持される。
次に、制御部20の動作について、図4を参照して説明する。参照する図面において、図4は、制御部の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、制御部20は、車輪速センサ92および加速度センサ93からの信号に基づいて、車両が登坂路で停止したか否かを判断する(S1)。ステップS1において停止したと判断した場合には(Yes)、制御部20は、加速度から算出した傾斜角度に基づいて目標ブレーキ圧を設定する(S2)。
ステップS2の後、制御部20は、圧力センサ91からブレーキ圧を取得し(S3)、取得したブレーキ圧からブレーキ圧の微分値を算出する(S4)。ステップS4の後、制御部20は、微分値からオフセット量を算出し(S5)、ステップS2で設定した目標ブレーキ圧にオフセット量を加算して保持制御開始閾値を算出する(S6)。
ステップS6の後、制御部20は、圧力センサ91で検出したブレーキ圧が保持制御開始閾値以下であるか否かを判断する(S7)。ステップS7において、ブレーキ圧が保持制御開始閾値より高い場合には(No)、制御部20はステップS3に戻って、ステップS3〜S7の処理を繰り返す。また、ステップS7において、ブレーキ圧が保持制御開始閾値以下となった場合には(Yes)、制御部20は、切換弁6を閉じて、ホイールシリンダW内のブレーキ圧を保持する(S8)。
そして、ステップS8の後や、ステップS1において登坂路で停車していないと判断した場合には(No)、制御部20は、このフローによる処理を一旦終了して、再度ステップS1の処理を繰り返す。
次に、制御部20によるブレーキ圧保持制御について図5を参照して説明する。ここで、ブレーキ圧保持制御とは、切換弁6を閉じる制御のことをいう。参照する図面において、図5は、ブレーキ圧保持制御を示すタイムチャートである。
図5に示すように、運転者がブレーキペダルを踏んで登坂路に車両を停止させると、制御部20がステップS2の処理において目標ブレーキ圧を設定する(時刻t1〜t2)。時刻t2以降において、運転者がブレーキペダルを踏む力を弱めていくと、マスタシリンダ圧が徐々に下がっていく。そして、このマスタシリンダ圧の変化量は、制御部20によって微分値として算出され、この微分値がオフセット量に変換される。
その後は、制御部20がオフセット量を目標ブレーキ圧に加算することで、目標ブレーキ圧よりも高い新たな目標ブレーキ圧が保持制御開始閾値として設定される(時刻t2〜t5)。そして、時刻t3において、ブレーキ圧が保持制御開始閾値以下になると、切換弁6に電流が供給されて、ブレーキ圧保持制御が開始される。すなわち、ブレーキ圧保持制御は、ブレーキ圧が元の目標ブレーキ圧に達する時点(時刻t4)よりも前に、開始される。
これにより、マスタシリンダ圧と同じ速度で減圧するホイールシリンダ圧は、ブレーキ圧保持制御の開始後において保持制御開始閾値を下回っても、減圧速度(微分値)に応じてオフセット量が設定されていることにより、目標ブレーキ圧を下回ることなく目標ブレーキ圧に迅速に保持される(時刻t3〜t5)。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ホイールシリンダW内のブレーキ圧が目標ブレーキ圧に達するよりも前に、具体的には、目標ブレーキ圧よりも高い圧力に設定された保持制御開始閾値(目標ブレーキ圧+オフセット量)になったときに、ブレーキ圧保持制御が開始されるので、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回るのを抑えることができ、ブレーキ圧を所望の目標ブレーキ圧に迅速に保持することができ、作動音も抑制される。
さらに、オフセット量をブレーキ圧の微分値に基づいて算出することで、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧に達する時間を適切に予想することができるので、ブレーキ圧が目標ブレーキ圧を下回るのをより確実に抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、車両用ブレーキ圧保持制御装置の一例としてABS制御やVSA制御等を実行可能な車両用ブレーキ液圧制御装置100を採用したが、本発明はこれに限定されず、ABS制御等の他の機能を備えずにホイールシリンダ圧の保持だけを実行可能な装置であってもよい。
前記実施形態では、登坂路の判断や傾斜角度の算出に加速度センサを採用したが、本発明はこれに限定されず、登坂路の判断や傾斜角度の算出に用いることができるものであればよい。
前記実施形態では、オフセット量を算出するためのブレーキ圧の変化度合をブレーキ圧の微分値としたが、本発明はこれに限定されず、例えばブレーキの微分値をさらに微分した値を採用してもよい。
前記実施形態では、登坂路での停車時にブレーキ圧を保持する制御において本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、平坦路での停車時にブレーキ圧を保持する制御に適用してもよい。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図である。 車両用ブレーキ液圧制御装置の構成を示す構成図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 ブレーキ圧保持制御を示すタイムチャートである。
符号の説明
2 出口弁
6 切換弁
10 液圧ユニット
20 制御部
21 登坂路停車判断手段
22 傾斜角度算出手段
23 目標ブレーキ圧設定手段
24 記憶装置
25 ブレーキ圧取得手段
26 ブレーキ圧保持制御手段
26A 微分値算出手段
26B オフセット量算出手段
26C 加算手段
26D 比較手段
91 圧力センサ
92 車輪速センサ
93 加速度センサ
100 車両用ブレーキ液圧制御装置

Claims (1)

  1. 車両の停止時に車両が停止状態を維持できる目標ブレーキ圧まで減圧してブレーキ圧を保持するブレーキ圧保持制御を実行可能な車両用ブレーキ圧保持制御装置であって、
    前記車両のブレーキ圧を取得するブレーキ圧取得手段と、
    前記ブレーキ圧取得手段で取得されたブレーキ圧が、前記目標ブレーキ圧にオフセット量を加算した保持制御開始閾値以下になったときに前記ブレーキ圧保持制御を開始するブレーキ圧保持制御手段と、を有し、
    前記オフセット量は、前記ブレーキ圧の変化が大きい程大きい値に設定されることを特徴とする車両用ブレーキ圧保持制御装置。
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