JP3824049B2 - 車両の挙動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の挙動制御装置に係り、詳しくは、車両の挙動制御における予圧制御に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
制動力を自動的に制御することによって車両の挙動を安定させるようにした車両の挙動制御装置が種々提案されている。
車両の挙動制御装置は、例えば、アンチロックブレーキシステムの機能、トラクションコントロールシステムの機能、スタビリティコントロールシステムの機能、ヨーコントロールシステム(旋回制御)としての機能等を含み、主に各車輪間毎に設けられたホイールシリンダにブレーキ液圧を供給し、その供給状態を車両の運転状態に応じてそれぞれ独立に制御して各車輪間に制動力差を与えることにより車両挙動の安定化を図っている。
【0003】
ところで、車両の挙動制御装置がアンチロックブレーキシステムとして機能する場合には、装置の作動開始前にすでに運転者がブレーキペダルを踏み込んでいるので、各ホイールシリンダに予めブレーキ液圧がかかった状態で制動力制御が開始される。
しかしながら、車両の挙動制御装置がトラクションコントロールシステム、スタビリティコントロールシステム、ヨーコントロールシステムとして機能する場合には、通常は装置の作動開始前に運転者はブレーキペダルを踏み込んでいないので、各ホイールシリンダのブレーキ液圧は十分ではなく、この状態で制動力制御が開始されると、ブレーキ液圧を立ち上げる分だけ制御に遅れが発生するという問題がある。
【0004】
そこで、車両の挙動悪化を来す条件が成立した段階で、ブレーキが効かない程度まで予めホイールシリンダのブレーキ液圧を高める予圧制御を行い、制御の安定性を図るようにした技術が特開平10−278769号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように予圧制御を行う場合、車両の挙動悪化を来す条件、即ち予圧制御を開始するための条件には、挙動制御装置がヨーコントロールシステムとして機能することを考慮し、車両が旋回状態となり運転者の操作するハンドル角速度が基準値以上であることが含まれている。
【0006】
そして、このハンドル角速度の基準値は、車両が旋回状態にある場合には車両姿勢が特に不安定になり易いことから、制動力制御がすぐに開始されるよう比較的低い閾値に設定されている。
しかしながら、このようにハンドル角速度の基準値が低い値に設定されていると、ハンドル角自体が小さい場合や運転者に加速意思がある場合でも、僅かなハンドル操作でハンドル角速度が基準値を越えてしまうことがあり、この場合、本来ヨーコントロールシステムとしての機能を必要としないにも拘わらず一律に予圧制御が開始されてしまうという不都合が生じる。
【0007】
このように不必要な予圧制御が実施されると、必然的に予圧の発生頻度が高くなり、故にブレーキ液圧の発生装置等の制動力制御システムに掛かる負担が多くなり、制動力制御システム(ポンプやバルブ類)の耐久性が低下したり異音が発生したりするという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、不必要な予圧制御を排除して制御システムの耐久性の向上を図った車両の挙動制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の車両の挙動制御装置では、作動流体を加圧する圧力発生源と、前記圧力発生源により加圧された作動流体をホイールシリンダに供給して各車輪に制動力を発生させる制動機構とを有し、車両の走行状態に応じて前記制動機構により少なくとも各車輪間に制動力差を生起させて車両の挙動を制御する車両の挙動制御装置において、操舵輪を操舵するハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、車両の加速操作を行うアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、前記操舵角速度検出手段により検出される操舵角速度が基準値以上になると前記圧力発生源の作動を開始させる加圧開始手段と、前記前後加速度検出手段により検出される車両の前後加速度及び前記アクセル操作量検出手段により検出されるアクセルペダルの操作量がそれぞれ所定値以上のときには前記操舵角速度の基準値を大側に変更する基準値変更手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
従って、通常は、加圧開始手段により、操舵角速度検出手段によって検出される操舵角速度が基準値以上になると、圧力発生源の作動が開始され、いわゆる予圧制御が実施されることになるが、前後加速度検出手段により検出される車両の前後加速度及びアクセル操作量検出手段により検出されるアクセルペダルの操作量がそれぞれ所定値以上のとき、即ち運転者に加速意思がある場合のように車両が曲線路ではなく殆ど直線路を走行しているような状況であってヨーコントロールシステム等の機能を必要としない状況にあっては、操舵角速度の基準値が大側に変更されて圧力発生源の作動開始閾値が高くされ、不必要な予圧制御が排除されて予圧の発生頻度が低下し、制御システム(ポンプやバルブ類)の耐久性が向上する。
次に、ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、基準値変更手段は、更に、操舵角検出手段により検出されるハンドルの操舵角が所定値以下のときには操舵角速度の基準値を大側に変更することを特徴としている。このように、ハンドル角自体が小さい場合にも圧力発生源の作動開始閾値が高くされるので、不必要な予圧制御がより一層排除される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係る車両の挙動制御装置を示す図が示されており、また、図2を参照すると当該挙動制御装置の制御系のブロック図が示されており、以下、これらの図に基づき本発明に係る車両の挙動制御装置の構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、マスタシリンダ3には、液路2を介してホイールシリンダ1a〜1dが接続されている。これにより、運転者がブレーキペダル5を踏み込むと、このブレーキペダル5の操作に応じてマスタシリンダ3内のブレーキ液(作動流体)が加圧されるとともに、液路2を介してブレーキ液が各ホイールシリンダ1a〜1dに供給される。なお、ホイールシリンダ1a〜1dは、図示しない車両の前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられている。
【0012】
液路2は、前輪側液路2Fと後輪側液路2Rとの2系統の液路から構成されており、前輪側液路2Fはその下流側で2つの液路2a,2bに分岐している。そして、前輪側のホイールシリンダ1a,1bにこれらの液路2a,2bがそれぞれ接続されている。また、同様に、後輪側液路2Rもその下流側で2つの液路2c,2dに分岐しており、後輪側のホイールシリンダ1c,1dに液路2c,2dがそれぞれ接続されている。従って、各液路2a〜2dを介してホイールシリンダ1a〜1dにブレーキ液が供給されると、このブレーキ液の液圧に応じた制動力が各ホイールシリンダ1a〜1dで発生することになる。
【0013】
そして、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ1a〜1dとの間には、制動力制御システムとして各種のバルブや液路を備えたハイドロリックユニット6が設けられている。
このハイドロリックユニット6は、車両の挙動制御装置の主要部を構成するものであり、ブレーキペダル5の操作の有無に拘わらず、車両の運転状態に応じてブレーキ液を各ホイールシリンダ1a〜1dに独立に給排することができるよう構成されている。つまり、各ホイールシリンダ1a〜1dで発生する制動力を個々に制御することが可能である。これにより、車両の挙動が不安定な状態となった場合或いは不安定な状態になることが予測された場合であっても、車両挙動の安定化を図ることができる。
【0014】
ハイドロリックユニット6内には、前輪側液路2F及び後輪側液路2R上にそれぞれ電磁式の差圧弁8,8が介装されており、該差圧弁8,8よりも下流側の各液路2a〜2d上にやはり電磁式の流体保持弁7a〜7dがそれぞれ介装されている。
また、一方の差圧弁8の上流側には、液路2R内のブレーキ液の液圧を検出する液圧センサ12が設けられている。この液圧センサ12は、運転者がブレーキペダル5を踏込んだ際のブレーキ液圧を検出するためのものであり、当該ブレーキ液圧から運転者の要求する制動力が求まる。
【0015】
液路2F,2Rのうち差圧弁8,8よりも下流側で且つ各流体保持弁7a〜7dよりも上流側の部分には、運転者のブレーキペダル5の操作によるブレーキ液の供給以外にブレーキ液を供給するための第二液路13,13の一端が接続されている。そして、第二液路13,13の他端には、モータ14,14により駆動されるポンプ(圧力発生源)15,15が接続されており、ポンプ15,15は液路16,16を介してブレーキ液リザーバ4に接続されている。さらに、液路16,16には電磁式の吸入弁17,17が介装されており、吸入弁17,17によって液路16,16の連通と遮断との切換えが行われる。また、ポンプ15,15の上流側と下流側にはそれぞれ逆止弁24,25が介装されている。
【0016】
これにより、吸入弁17,17が開弁状態のとき、ポンプ15,15が作動すると、ブレーキ液リザーバ4から液路16を介して供給されるブレーキ液が、加圧されて各液路2a〜2dに直接供給されることになる。
また、各液路2a〜2dのうち流体保持弁7a〜7dと各ホイールシリンダ1a〜1dとの間の部分には、それぞれドレーン用の液路20a〜20dの一端が接続されている。そして、液路20a〜20dの他端は、逆止弁24を介して液路16に接続されており、当該液路20a〜20dには、電磁式の減圧弁21a〜21dが介装されている。
【0017】
そして、当該挙動制御装置には、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を備えたECU(電子コントロールユニット)26が設置されており、このECU26により、挙動制御装置の総合的な制御が行われる。
図2に示すように、ECU26の入力側には、上述した液圧センサ12の他、図示しないが、車速を検出する車速センサ30、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ31、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ32、ブレーキペダル5の操作の有無を検出するブレーキスイッチ33、ハンドル(図示せず)の操舵角(ハンドル角)θd及び操舵角速度(ハンドル角速度)を検出する操舵角センサ(操舵角検出手段、操舵角速度検出手段)34、車両の前後加速度Gyを検出する前後加速度センサ(前後加速度検出手段)35、車両の横加速度を検出する横加速度センサ36、アクセルペダル(図示せず)の操作量であるアクセル開度θacを検出するアクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)37等が接続されている。なお、操舵角速度は、操舵角センサ34からの操舵角情報θdを時間微分することによって容易に求められる。
【0018】
一方、ECU26の出力側には、上述の流体保持弁7a〜7d、差圧弁8,8、吸入弁17,17、減圧弁21a〜21d等の各種バルブ類及びモータ14が接続されている。
また、図2に示すように、ECU26内には、車両の挙動悪化が予測されるとブレーキが作動しない程度(無効液圧)まで予め各ホイールシリンダ1a〜1dのブレーキ液圧を高める予圧制御部27と、車両の挙動が悪化したときに各ホイールシリンダ1a〜1dの液圧を個々に制御する制動力制御部28とが設けられている。
【0019】
以下、このように構成された本発明に係る挙動制御装置の作用を説明する。
上述したように、挙動制御装置がアンチロックブレーキシステムとして機能する場合には、装置の作動開始前にすでに運転者がブレーキペダル5を踏み込んでいるので、各ホイールシリンダ1a〜1dに予めブレーキ液圧がかかった状態で制動力制御部28により制動力制御が開始される。
【0020】
しかしながら、挙動制御装置がアンチロックブレーキシステム以外のトラクションコントロールシステム、スタビリティコントロールシステム、ヨーコントロールシステム(旋回制御)として機能する場合には、通常はブレーキペダル5を踏み込んでおらず、各ホイールシリンダ1a〜1dにはブレーキ液圧が一切かかっていないことから、車両の挙動悪化が予測される一定の条件下で予圧制御部27により予圧制御を行うようにしている。即ち、ブレーキが作動しない無効液圧まで予め各ホイールシリンダ1a〜1dのブレーキ液圧を高めておくようにしている。
【0021】
具体的には、制動力制御が特にヨーコントロールシステムとの相関が高いことから、例えば車速が所定値以上で且つ操舵角速度が基準値以上であることが予圧制御を開始するための条件とされている。即ち車速が所定値以上であって操舵角速度が基準値以上になると、予圧制御部27により予圧制御が開始される(加圧開始手段)。
【0022】
ここで上記図1を参照すると、当該図1は予圧制御部27により予圧制御が開始された場合のハイドロリックユニット6の状態図を示している。
つまり、ECU26により車速が所定値以上且つ操舵角速度が基準値以上と判定されて予圧制御が開始されると、同図に示すように、吸入弁17,17がオンとされて開弁するとともにモータ14が駆動され、流体保持弁7a〜7d及び差圧弁8,8がオフのままでやはり開弁状態とされ、減圧弁21a〜21dがオフのままで閉弁状態とされる。
【0023】
これにより、図中矢印で示すように、ブレーキ液リザーバ4のブレーキ液が液路16,16を介してポンプ15,15に供給されて加圧され、当該加圧されたブレーキ液が各液路2a〜2dを通って各ホイールシリンダ1a〜1dに直接供給される。また、余剰のブレーキ液は、液路2F,2R、マスタシリンダ3を通ってブレーキ液リザーバ4に戻される。なお、この予圧制御では、減圧弁21a〜21dは閉弁状態とされるので、ブレーキ液が液路20a〜20dを通ってポンプ15,15に還流することはない。
【0024】
そして、液圧センサ12からの情報に基づき、ブレーキ液圧がブレーキの作動しない程度の所定値(無効液圧)に達すると、流体保持弁7a〜7dがオンとされて液路2a〜2dが遮断される。これにより、ホイールシリンダ1a〜1dへのブレーキ液の供給が断たれ、ホイールシリンダ1a〜1dにかかる予圧が一定に保持され、予圧制御が終了する。
【0025】
このように、予圧制御が終了すると、その後は制動力制御部28によって制動力制御が行われることになる。この制動力制御では、流体保持弁7a〜7dや減圧弁21a〜21dを上記車輪速センサ31やヨーレイトセンサ32等の各種センサからの車両情報に基づいて制御し、上述したように各車輪間に制動力差を生起させて車両の挙動を安定側に制御することになるが、ここでは制動力制御についての詳細な説明は省略する。
【0026】
ところで、上述のように、操舵角速度が基準値以上であることが予圧制御を開始するための条件の一つとされているが、通常この操舵角速度の基準値は、車両が旋回状態にあるときには車両の挙動が特に不安定になり易いことから、制動力制御がその後すぐに開始されるよう比較的低い閾値に設定されている。
しかしながら、このように低い閾値では、上述したように、ハンドルの操舵角自体が小さい場合や運転者に加速意思がある場合でも、僅かなハンドル操作で操舵角速度が基準値を越えてしまうことがあり、不必要に予圧制御が開始されてしまい好ましいことではない。
【0027】
そこで、本発明では、車両が直線路を走行していることを直接或いは間接的に判定するようにし、車両が直線路を走行中であると判定される場合にはヨーコントロールシステム等が必要とされることは殆どないと判断して、操舵角速度の基準値を高くし、予圧制御が開始され難いようにしている。
図3を参照すると、ECU26が実行する、操舵角速度の基準値を変更する基準値変更制御のルーチンがフローチャートで示されており(基準値変更手段)、以下、本発明に係る基準値変更制御について説明する。
【0028】
ステップS10では、アクセル開度センサ37により検出されるアクセル開度θacが所定値θac1より大か否か、及び、前後加速度センサ35により検出される前後加速度Gyが所定値Gy1より大か否かを判別する。
ステップS10の判別結果が真(Yes)の場合、即ちアクセル開度θacが所定値θac1より大きく、且つ、前後加速度Gyが所定値Gy1より大きい場合には、運転者に車両を加速させる意思があるとみなすことができる。そして、このように運転者が車両を加速させたいような状況は、通常は車両が曲線路ではなく直線路を走行している場合と考えられる。従って、この場合には、ヨーコントロールシステム等が必要とされることは殆どないと判断でき、ステップS14に進み、操舵角速度の基準値を大側に変更する。
【0029】
このように操舵角速度の基準値を大側に変更すると、運転者が僅かなハンドル操作をしただけで操舵角速度が基準値を越えてしまうということがなくなり、ヨーコントロールシステム等が必要ではないにも拘わらず不必要に予圧制御が開始されてしまうということが好適に防止される。
これにより、予圧制御の実施頻度が低減され、異音の発生が抑えられるとともに、制動力制御システム、即ちハイドロリックユニット6に掛かる負担が少なくなり、ハイドロリックユニット6のポンプ15,15や各種バルブ類の耐久性が向上する。
【0030】
一方、ステップS10の判別結果が偽(No)の場合には、次にステップS12に進み、操舵角センサ34により検出されるハンドルの操舵角θdが所定値θd1(例えば、±30°)より大か否かを判別する。
ステップS12の判別結果が真(Yes)の場合、即ち操舵角θdが所定値θd1より小さい場合には、運転者はハンドルを殆ど中立に位置させており、車両は曲線路ではなく直線路を直進走行しているとみなすことができる。従って、この場合にも、ヨーコントロールシステム等が必要とされることは殆どないと判断でき、上記同様に操舵角速度の基準値を大側に変更する。
【0031】
ステップS12の判別結果が偽(No)の場合、即ち運転者に加速意思もなく車両が直線路を直進走行していない状況と判定できるような場合には、ヨーコントロールシステム等を必要としている可能性が高いと考えられ、この場合には、ステップS16に進み、操舵角速度の通常の基準値をそのまま保持する。これにより、予圧制御によってブレーキ液圧が遅れなく立ち上がり、ヨーコントロールシステム等が応答性よく機能することになり、安定した車両の挙動制御が実現される。
【0032】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の車両の挙動制御装置によれば、操舵角速度検出手段によって検出される操舵角速度が基準値以上になると、圧力発生源の作動が開始され、いわゆる予圧制御が実施されることになるが、前後加速度検出手段により検出される車両の前後加速度及びアクセル操作量検出手段により検出されるアクセルペダルの操作量がそれぞれ所定値以上のとき、即ち運転者に加速意思がある場合のようにヨーコントロールシステム等の機能を必要としない状況にあっては、操舵角速度の基準値を大側に変更して圧力発生源の作動開始閾値を高くするので、不必要な予圧制御を排除して予圧の発生頻度を低下させるようにでき、制御システム(ポンプやバルブ類)の耐久性を向上させることができる。
また、請求項2の記載によれば、ハンドル角自体が小さい場合にも圧力発生源の作動開始閾値が高くされるので、不必要な予圧制御をより一層排除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の挙動制御装置を示す概略図である。
【図2】車両の挙動制御装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】操舵角速度の基準値を変更する基準値変更制御のルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1d ホイールシリンダ
7a〜7d 流体保持弁
8 差圧弁
17 吸入弁
21a〜21d 減圧弁
15 ポンプ(圧力発生源)
26 ECU(電子コントロールユニット)
27 予圧制御部
34 操舵角センサ(操舵角検出手段、操舵角速度検出手段)
35 前後加速度センサ(前後加速度検出手段)
37 アクセル開度センサ(アクセル操作量検出手段)
Claims (2)
- 作動流体を加圧する圧力発生源と、前記圧力発生源により加圧された作動流体をホイールシリンダに供給して各車輪に制動力を発生させる制動機構とを有し、車両の走行状態に応じて前記制動機構により少なくとも各車輪間に制動力差を生起させて車両の挙動を制御する車両の挙動制御装置において、
操舵輪を操舵するハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
車両の加速操作を行うアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、
前記操舵角速度検出手段により検出される操舵角速度が基準値以上になると前記圧力発生源の作動を開始させる加圧開始手段と、
前記前後加速度検出手段により検出される車両の前後加速度及び前記アクセル操作量検出手段により検出されるアクセルペダルの操作量がそれぞれ所定値以上のときには前記操舵角速度の基準値を大側に変更する基準値変更手段と
を備えたことを特徴とする車両の挙動制御装置。 - 前記ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、
前記基準値変更手段は、更に、前記操舵角検出手段により検出されるハンドルの操舵角が所定値以下のときには前記操舵角速度の基準値を大側に変更する
ことを特徴とする請求項1記載の車両の挙動制御装置。
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