JP2005349910A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の旋回状態量が、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量に対し所定の余裕がある制動作動閾値kVL を越えたと判定すると、車両の安定した旋回走行を維持するために必要な目標減速度X″cop を演算しその目標減速度X″cop に応じた制動力を車両に付与する旋回安定制御手段を備える。現在から所定遅れ時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値kVL を越えるか否かを推定する旋回限界推定手段を備え、上記旋回安定制御手段は、旋回限界推定手段が所定時間経過後に制動作動閾値kVL を越えると推定すると、予圧のための制動圧をホイールシリンダに付与を開始する。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、車両に制動を付与するアクチュエータとして、例えば車輪に制動力を付与する液圧ブレーキ装置を想定し、その液圧ブレーキ装置の圧力発生源としてモータポンプを具備した液圧ブレーキ用アクチュエータ、所謂ポンプアップシステムにおいては、上記制動力制御が作動を開始しても、モータポンプが作動してホイールシリンダ側でブレーキ液が昇圧するまでに時間を要するため、初期応答性が遅れるという問題がある。
本発明は、上記のような点を鑑みてなされたもので、旋回安定を目的とした制動力制御であっても初期応答性を向上させることが可能な制動力制御装置を提供することを課題としている。
現在から所定遅れ時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定する旋回限界推定手段を備え、
上記旋回安定制御手段は、旋回限界推定手段が所定時間経過後に制動作動閾値を越えると推定すると、制動力の付与を開始することを特徴とするものである。
図1は、本実施形態の全体構成を示すブロック図である。
まず、構成について説明すると、前後各車輪の車輪速がそれぞれの車輪速センサ1で検出され、その検出信号がコントローラ5に出力される。また、車両の前後・左右方向の加速度を検出する加速度センサ2、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ3、ブレーキスイッチ・圧力スイッチ・アクセルスイッチ等のスイッチ群、各ホイールシリンダの液圧を検出する液圧センサ群等からの各種検出信号もコントローラ5に出力される。
コントローラ5は、上記各センサ、およびスイッチからの各種信号に基づいて演算処理を行い、前後各輪のブレーキ圧をそれぞれ調整するブレーキ制御装置6及びエンジン出力を調整するエンジン出力調整器7に対し制御信号を出力して制動制御する。
符号21はブレーキペダル、符号8はマスターシリンダである。また、符号9FL、pFR、9RL、9RRは、各輪に設けられた液圧ブレーキ装置のホイールシリンダを示す。そして、マスターシリンダ8とホイールシリンダ9FL、pFR、9RL、9RRとの間に介装された圧力切替弁等を制御することで、運転者のブレーキ操作に関係なく各ホイールシリンダの制動液圧を増圧、保持、減圧できるように構成されている。
ポンプ15の吸入側には、吸入する流体の逆流を阻止するインレットバルブ16が設けられており、ポンプ15の吐出側には、吐出する流体の逆流を阻止するアウトレットバルブ17と、ポンプ15から吐出した液圧の脈動を抑制するダンパ室18とが直列に配設されている。
また、図1のエンジン出力制御装置7は、例えばスロットルバルブの開度を調整することにより、エンジン出力を制御するように構成されている。
コントローラ5は、旋回安定制御手段を構成するCOP制御部30と、TCS制御やACC制御(車間制御)その他のブレーキ制御によって制動制御を行う他の制動力制御部40を備える(図1参照)。
上記COP制御部30は、旋回状態検出部30A、旋回限界演算部30B、COP処理部30C、予圧制御部30D及び制御部30Eを備える。
上記COP制御部30の処理を、図3〜図5に示す処理フローに基づき説明すると、この制御処理は所定の制御周期毎に行われ、まず、ステップS100において車輪速センサ1から各輪の車輪速度VFL、VFR、VRL、VRRを入力し、ステップS110で操舵角θを入力し、ステップS120において車両の前後方向、及び左右方向の加速度DDX、DDYを入力する。そして、ステップS130において各車輪速度VFL、VFR、VRL、VRR、及び車体前後加速度から車体速度Vを演算してステップS150に移行する。
R =(V2 /DDY)
ステップS160では、現在の車体速度Vにおける限界旋回半径RLを、車体速度Vから求める。例えば、車両によって定まる限界車体左右加速度をDDY1とすると、RL=(V2 /DDY1)で求めることができる。
VL =√(R・DDY1)
ここで、上記の限界車体左右加速度DDY1は、各輪のスリップ率に応じて変化させてもよい。また、ステップS100〜150が旋回状態検出部を、ステップS160〜S170は旋回限界演算部を構成する。
実車速VがkVL を越えた場合は、COPを作動させると判定してステップS190に移行し、実車速Vが制動作動閾値kVL 以下の場合は、COPの予圧制御を行うかどうかの判断のためにステップS300に移行する(図4)。
ステップS190では、COP予圧作動フラグPRE−FLGを「0」にリセットしてステップS200に移行する。このCOP予圧作動フラグPRE−FLGは、予圧制御が作動した場合にステップS450にてセットされ、このステップS190にてCOPが作動した場合に解除されるか、又は設定時間Δt経過したときにステップS550にて解除される。
ステップS210では、COP予圧制御開始から所定時間Δtだけ経過したか否かを判定する。本実施形態では、カウンタNcが「0」以下となったか否かで判定する。
一方、所定時間Δtが経過してない場合は、S220でNcの値を1だけカウントダウンしてステップS230に移行する。
ステップS230では、COP予圧制御による目標減速度X″pre とCOPの目標減速度X″cop を比較して、COPの目標減速度X″cop のほうが大きい場合は、S240にて予圧制御の目標減速度X″pre を「0」にリセットする。
一方、上述のステップS180でCOPが作動しないと判定された場合には、図4のステップS300に移行して、COPの目標減速度X″cop を「0」にリセットしてステップS310に移行する。
続けて、ステップS350にて、ブレーキペダルの操作量Bpを入力してステップS360に移行する。本実施形態では、ブレーキ操作量Bpとしてマスタシリンダ液圧を使用する。
ステップS360では、自動車間制御装置(所謂ACC)などの他の制動力制御部が作動して制動力を付与しているか否かを判定する作動中フラグfL を入力して、ステップS370に移行する。
ブレーキペダル21が操作されていると判断された場合は、COPの予圧制御を行わず、ステップS600に移行してCOP予圧制御の目標減速度X″pre を0にリセットした後、復帰する。一方、ブレーキペダル21の操作がされていないと判定した場合には、ステップS380に移行する。
ステップS390では、COP予圧作動フラグPRE−FLGが0か否かを判定する。これは、既にCOP予圧制御が作動中かどうかを判定しており、まだ作動していない場合はステップS490に進み、予圧制御が作動中の場合はステップS400に進む。
ステップS400にて、COPの予圧制御が、COPの作動前に予め作動しておくべき時間Δtを演算してステップS410に移行する。この時間Δtは、遅れ時間に相当し、COPが作動した時点で、既にホイールシリンダにブレーキ液が充填され、遅れなくホイールシリンダ液圧が上昇するのに充分な時間に設定する。具体的には、COP予圧制御の初期目標減速度X″pre を指令値としてホイールシリンダにブレーキ液が充填するまでの時間を計測しておく。その時間を本実施形態ではΔt−initとする。
Δt=Δt−init ×Ktmp ×Kbatt
このΔtは、ロジック内ではステップ数として扱うので、制御周期で割ってステップ数Ncに変換する。例えば、Δtが250msec、制御周期が10msecであった場合、Nc=25となる。
kVL p=kVL + d(kVL )/dt ×Δt
ステップS420では、上で求めたΔt後の実車速を下記式に基づいて演算してステップS430に移行する。
Vp=V +dV/dt ×Δt
ステップS450では、COPの予圧制御を作動させるか否かを判定する。すなわち、Δt後の車速VpがΔt後の制動作動閾値kVL pを越えていると推定される場合は、COPの予圧制御を作動する必要があるとして、S460に進む。予圧制御の必要がない場合は、S600に進み、予圧制御は作動させずに復帰する。
ここで、S310〜S450が旋回限界推定手段を構成する。
ステップS480では、カウンタNcを保存し、ステップS580に進む。(S580以降の説明は後述する)
Δtp=(Vp−kVL )/(dkVL /dt − dV/dt)
Δt同様、このΔtpもロジック内ではステップ数として扱うので、制御周期で割ってステップ数Npに変換する。例えば、Δtpが40msec、制御周期が10msecであった場合、Np=4となる。このステップS490は、限界到達時間推定手段を構成する。
ステップS510では、下記式に基づき目標減速度X″pre を、NcとNpとの関係に応じて大きくした後に、ステップS520に移行する。これにより、予圧印加の指令値(制御量)が大きくなって昇圧速度が早くなる。すなわち、モータの駆動電流も大きくなり早急にホイールシリンダにブレーキ液を込めることが可能となる。
X″pre = X″pre +k1×(Nc−Np)/Np
k1は重み付けのための係数である。
もっとも、目標減速度X″pre に(Nc/Np)を乗算して当該目標減速度X″pre を大きくしたりしても良い。
ステップS540では、COP作動開始予定までの残りステップ数としてNcを1だけカウントダウンしてステップS550に移行する。ここで、ステップS540〜S550は予備制動制御手段を構成する。
例えば、制御周期が10msecの場合は、Δt(=250mec)+10msec ×125=約1500msec程度継続したら、設定時間を経過したこととなる。
Pmax*を超えている場合は、S590に移行して予圧制御の目標減速度X″pre を初期値X″initにリセットする。この設定値Pmax*は、各ブレーキ装置のブレーキパッドがロータに力を伝達することなく接触するだけの液圧値である。なお、各ブレーキ装置の液圧は等しくする。
ステップS700では、上記目標減速度X″を得るための前後輪の各目標ブレーキ液圧を求め、続いてステップS710で、圧力切換弁をONにし、さらにステップS720にて、各ホイールシリンダの制動液圧が上記目標ブレーキ液圧と一致するように、ブレーキ制御装置6のモータの駆動量やソレノイドの電流値を演算して、ステップS730にてその駆動指令をブレーキ制御装置に出力する。
車両が曲線路を走行中であって車両の旋回状態が限界旋回状態に近い状態となると、COPが作動して、自動的に車両を減速させることで、車両旋回時に、運転者の意思に関わらず車両が安定した旋回が可能な限界を越えないように制御される。この結果、運転者の予想に反してコーナーのカーブが急な場合などにオーバースピードでコーナーに進入した場合であっても、適正な車両の減速が行われることで、車両の安定性が確保される。
この遅れ時間を小さくして初期応答性を向上させるために、本実施形態では予圧制御を行っている。本実施形態の予圧制御では、制動作動閾値kVL に対して単純に予圧開始の閾値を設定するのでは無く、目的とする予圧をCOP移行までに確保できる遅れ時間Δtを想定し、図8のように、そのΔt後までに、車両の実旋回状態量が、限界旋回状態量に対して設定値まで接近する(従来のCOPが作動開始する)と推測されたときに予圧の作動開始している。
すなわち、本来減速度を発生させるべきは、車両の実旋回状態量が、作動制御閾値を越えて、実旋回状態が限界旋回状態に接近しているCOPを作動させるときであり、予備制御中から運転者に感じるほどの減速度を生じさせてしまうと、所謂早期作動感を運転者に感じさせてしまう場合が想定されるが、本実施形態では、Δtだけ早期に制動制御を作動させる違和感を運転者に与えることなく、かつ上述のように必要なタイミングで瞬時にホイールシリンダの液圧を上昇させることが可能となる。
すなわち、従来、COPが作動を開始してからΔtの無駄時間が生じるのは、ポンプモータが起動し、パッドがロータに当接するまでブレーキ液をホイールシリンダに充填するタイムラグがあるからであるが、本実施形態では、COPを作動させるタイミングから運転者に感じるだけの減速度を生じさせ、所謂、早期作動感を運転者に感じさせることなく、COPの本来減速度を発生させるべきタイミング(目標旋回状態量と実旋回状態量が交差する時点)において確実にロータとパッドが当接し、時間遅れなく瞬時に液圧を上昇させることが可能となる。
すなわち、ブレーキペダル21の操作中は、ホイールシリンダに液圧が印加されており、COPの予圧制御を作動させる必要性が無い。このため、予圧制御を作動させないことで、不必要にアクチュエータの作動回数が増大することを防ぐことができ、またCOPの予圧制御作動時のブレーキペダル21の操作時の違和感なども効果的に防止可能となる。
すなわち、他の制動力自動付与装置が作動している場合は、ホイールシリンダに液圧が印加されており、COPの予圧制御を作動させる必要性が無い。このため、予圧制御を作動させないことで、不必要にCOPの予圧制御が作動して、他の制動力制御部と干渉することも無くなり、安定した制動力制御の管理が可能となる。
すなわち、COP作動閾値付近で旋回している場合、目標旋回状態量と実際の旋回状態量が近接しているため、COPの予圧制御が作動/非作動を繰り返すおそれがあるが、本実施形態では、作動閾値付近で緩やかに目標旋回状態量が推移している場合はCOP予圧制御を作動しないため、前記状況においてCOP予圧制御の作動ON/OFFが頻繁に発生することを防止できる。
すなわち、直進走行、またはほとんど直進走行を行っている際にあっては、運転者は微小の修正舵を与えながら直進走行状態を維持している。操舵中立点付近では操舵反力も小さく、前記修正舵の操舵速度は瞬間的に大きくなることがあり、このままでは、Δt後までその操舵速度状態が続くと判断してCOPの予圧制御が不必要に作動する場合がある。しかし、本実施形態では操舵角が小さいような直進走行状態においては、COP予圧制御を作動しないため、前記状況におけるCOP予圧制御の誤作動を防止できる。
また、車両の挙動や操舵を乱すような悪路を判断することが可能な場合は、制御変数のノイズによるCOP予圧制御の誤作動を防止する為、悪路であるほどCOP予圧制御の各パラメータに強いフィルタをかけたり、予圧ロジック介入を中止したりしても良い。
本第2実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、図13に示すフローのように、COP制御部30における予圧制御部分の処理(図4参照)が異なる。
なお、図13において図4と同じ処理を行うステップについては同一のステップ番号を付ける。
すなわち、ステップS1310にて、制動作動閾値kVL の逆数kVLinv(=1/kVL )及びその時間変化量d(kVinv )/dtを演算して、また、ステップS1320にて、実車速の逆数Vinv (=1/V)及びその変化量d(Vinv )/dtを演算する。
すなわち、ステップS1410にて、Δt後の制動作動閾値kVL の逆数kVLinvpを、下記式に基づき演算して、ステップS1420に移行する。
kVLinvp=kVLinv +d(kVLinv)/dt ×Δt
ステップS1420では、Δt後の実車速の逆数Vinv pを、下記式にて演算して、ステップS1430に移行する。
Vinv p=Vinv +d(Vinv )/dt ×Δt
ステップS1450にて、COPの予圧制御を作動させるか否かを判定する。Δt後に、kVLinvpがVinv pを上回っていた場合は、COPの予圧制御を作動する必要があるとして、ステップS460に移行する。必要ない場合は、ステップS560に移行して予圧制御は作動させない。
Δtp=(Vpinv −kVLinv)/(d(kVLinv)/dt −d(Vinv )/dt)
Δt同様、このΔtpもロジック内ではステップ数として扱うので、制御周期で割ってステップ数Npに変換する。
その他のステップは上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、Δt後にCOP作動状態となるか否かを、限界旋回状態量の逆数と実旋回状態量の逆数とを用いて、Δt後に実旋回状態量が、限界旋回状態量に対し若干余裕のある作動制動閾値を越えるか否かを推定している。
すなわち、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量は、限界旋回車速など車両が直進している際には無限大相当の値になっている場合がある。このような限界旋回状態量を用いてΔt後の限界旋回状態量を予測しようとすると、図14に示すように、直進からわずかに旋回状態に移行したときに大きく限界旋回状態量が変化することになり、その後の限界旋回状態量の変化を精度よく予測することができない。
その他の構成や作用効果については上記第1実施形態と同様である。
6 ブレーキ制御装置
30 COP制御部
30A 旋回状態検出部
30B 旋回限界演算部
30C COP処理部
30D 予圧処理部
30E 制御部
40 他の制動力制御部
fL 作動中フラグ
X″cop COPの目標減速度
X″pre 予圧制御の目標減速度
X″ 最終的な目標減速度
V 実車速
VL 限界旋回状態量
kVL 制動作業閾値
Δt 設定時間
Δtp 時間(到達推定時間)
Claims (12)
- 車両の旋回状態量が、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量に対し所定の余裕がある制動作動閾値を越えたと判定すると、車両の安定した旋回走行を維持するために必要な目標減速度を演算しその目標減速度に応じた制動力を車両に付与する旋回安定制御手段を、備えた車両の制動力制御装置において、
現在から所定遅れ時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定する旋回限界推定手段を備え、
上記旋回安定制御手段は、旋回限界推定手段が所定時間経過後に制動作動閾値を越えると推定すると、制動力の付与を開始することを特徴とする車両の制動力制御装置。 - 車両の旋回状態量が、車両が安定して走行可能な限界旋回状態量に対し所定の余裕がある制動作動閾値を越えたと判定すると、車両の安定した旋回走行を維持するために必要な目標減速度を演算しその目標減速度に応じた制動圧を各輪のホイールシリンダに付与する旋回安定制御手段を、備えた車両の制動力制御装置において、
現在から所定遅れ時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定する旋回限界推定手段を備え、
上記旋回安定制御手段は、旋回限界推定手段が所定時間経過後に制動作動閾値を越えると推定すると、上記遅れ時間経過、又は実際の車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えると判定するまで、上記ホイールシリンダに所定の制動圧を付与する予備制動制御手段を備えることを特徴とする車両の制動力制御装置。 - 車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越える迄の現時点からの到達推定時間を推定する限界到達時間推定手段を備え、
上記予備制動制御手段は、限界到達時間推定手段の推定に基づき、予備制動開始から上記遅れ時間だけ経過するよりも早期に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えると判定すると、上記制動圧を付与するための制御量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載した車両の制動力制御装置。 - 上記旋回限界推定手段は、旋回状態量の逆数と制動作動閾値の逆数とに基づき、現在から所定時間経過後に車両の旋回状態量が上記制動作動閾値を越えるか否かを推定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記予備制動制御手段における制御圧の最大値は、運転者が減速度を感じない大きさであることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記予備制動制御手段における制御圧の最大値は、各輪のブレーキ装置のブレーキパッドがロータに力を伝達しないで接触するだけの液圧であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記予備制動制御手段は、運転者によるブレーキ操作が行われていると判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記旋回安定制御手段とは別に、運転者によるブレーキ操作に関わらず車両に制動力を付与する別の制動力制御手段を備え、
上記予備制動制御手段は、その別の制動力制御手段により車両に制動力が付与されていると判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。 - 上記予備制動制御手段は、上記限界旋回状態量の変化速度が所定変化速度以下と判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記予備制動制御手段は、操舵角が所定操舵角以下と判定すると、制動圧の付与を中止若しくは実施しないことを特徴とする請求項2〜請求項9のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記遅れ時間は、外気温に応じた値であり、当該外気温が低いほど遅れ時間は大きくなることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
- 上記旋回安定制御手段のアクチュエータは電源で駆動され、上記遅れ時間は、その電源に応じた値であり、当該電源の電圧が低いほど遅れ時間は大きくなることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載した車両の制動力制御装置。
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