JP5471429B2 - 車両の停止制御装置及び車両の停止制御方法 - Google Patents

車両の停止制御装置及び車両の停止制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車輪に対する制動力を調整して車両を停止させる車両の停止制御装置及び車両の停止制御方法に関するものである。
一般に、車輪に制動力を付与して車両を停止させる場合には、車両の停止前に車体の重心が前方に移動した後、車両の停止時にサスペンションの復元力などによって車体の重心が後方に移動する、所謂揺り戻し(「揺り返し」ともいう。)が発生する。こうした揺り戻しは、車両の乗員に対して不快感を与えることがある。そのため、従来、車両の運転手がアクセルペダルやブレーキペダルを操作しなくても、車両の停止直前の車体減速度がほぼ「0(零)」となるように制動力や駆動力を車両側で自動的に調整し、車両の停止時の揺り戻しの抑制を図る装置として、例えば特許文献1や特許文献2に記載の停止制御装置が提案されている。
特許文献1に記載の停止制御装置(以下、「第1従来装置」ともいう。)は、運転手によるブレーキ操作量に応じたマスタシリンダ内の液圧(「MC圧」ともいう。)を液圧センサからの検出信号に基づき検出し、該MC圧が高圧であるほど大きな基準減速度を推定する。そして、第1従来装置は、運転手によってブレーキ操作された場合において、車両の実際の減速度(「実減速度」ともいう。)が基準速度よりも大きいときには、車両の走行する路面が登坂路であるとし、登坂路に応じた制動制御を行なう。その結果、車両の走行する路面が登坂路であっても、車両停止時の揺り戻しが抑制されていた。
また、特許文献2に記載の停止制御装置(以下、「第2従来装置」ともいう。)は、加速度センサなどの傾斜角検出センサからの検出信号に基づき、車両の走行する路面が水平路、登坂路及び降坂路の何れであるかを検出する。そして、車両の走行する路面が登坂路である場合、第2従来装置は、車両が停止してからの所定時間の間、各車輪への制動力の付与を解消させると共に、車両の後退を抑制できる程度の駆動力を各車輪に伝達させる。その結果、車両停止時の揺り戻しが抑制されると共に、車両の後退が抑制されていた。
特開平1−164656号公報 特開平11−208439号公報
ところで、近年では、車両に搭載するブレーキアクチュエータの小型化や低コスト化が望まれており、上記液圧センサや加速度センサを備えないブレーキアクチュエータが車両に搭載される可能性がある。この場合、上記各停止制御装置では、車両の走行する路面が登坂路であるか否かを判別できないため、液圧センサや加速度センサを備えないブレーキアクチュエータを適切に制御できない。そのため、路面が登坂路である場合には、車輪に対する制動力を適切に調整できず、結果として、車両停止時の揺り戻しの抑制効果を期待できないおそれがある。そこで、液圧センサや加速度センサからの検出信号を用いずに、車両の走行する路面が登坂路であることを検出できる技術の開発が希求されていた。なお、本発明において「登坂路」とは、車輪に制動力が付与されていない場合に、車両が後退する可能性があるような勾配(傾斜角)を有する路面のことを示す。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液圧センサや加速度センサを用いずに、車両の走行する路面が登坂路であることを検出できる車両の停止制御装置及び車両の停止制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の車両の停止制御装置は、車両の減速時に車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力(BP)を調整して車両を停止させる停止制御を行なう車両の停止制御装置であって、車両を停止させるための目標となる目標減速度(TDVS)を、車両の車体速度(VS)が0(零)に近づくほど小さな値に設定する目標減速度設定手段(41、S12)と、車両の車体減速度(DVS)を取得する減速度取得手段(40、S11)と、前記減速度取得手段(40、S11)によって取得される車体減速度(DVS)から前記目標減速度設定手段(41、S12)によって設定される目標減速度(TDVS)を減算した減算値(DVsub)が大きいほど制動力(BP)を小さな値に設定し、該制動力(BP)が車輪(FR,FL,RR,RL)に付与されるように前記停止制御を行なう制御手段(46、S14,S23)と、前記制御手段(46、S14,S23)によって設定された制動力(BP)が0(零)である場合に、該車両の走行する路面が登坂路であると判定する判定手段(43、S15)と、を備え、前記制御手段(46、S16,S21)は、前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定される前では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含む第1の演算処理によって設定する一方、前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定された後では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含まない第2の演算処理によって設定することを要旨とする。
一般に、登坂路を走行する車両を停止させる場合、車両には、駆動源から車輪に伝達される進行方向前方への駆動力、車体に加わる重力に基づいた力(以下、「重力相当力」ともいう。)及び車輪に対する制動力が加わる。この場合、重力相当力及び制動力は、車両の進行方向後方(即ち、駆動力とは反対方向)に作用する力であり、重力相当力は、路面の勾配に応じた大きさとなる。つまり、車両には、重力相当力と制動力との合計と駆動力との差に応じた力が加わることになる。そして、停止制御中では、上記差に応じた力を調整することにより、車体減速度が目標減速度に近づくことになる。具体的には、制動力を小さくすることにより、車体減速度が目標減速度に近づく。そして、車体減速度が、駆動力と重力相当力との力関係によって定まる減速度になると、車輪に対する制動力は、「0(零)」に調整される。すなわち、制動力をこれ以上小さくできなくなるため、車体減速度を目標減速度に近づけることができなくなる。そのため、車体減速度から目標減速度を減算した減算値は、車体速度が低速になるにつれて大きくなる。
そこで、本発明では、減算値に基づき設定される制動力が「0(零)」である場合に、車両の走行する路面が登坂路であると判定される。すなわち、車両を停止させるための停止制御に必要なパラメータとして取得された制動力を用いて、路面が登坂路であるか否かが判定される。こうした制動力は、加速度センサや液圧センサなどを用いることなく取得できる値である。したがって、液圧センサや加速度センサを用いずに、車両の走行する路面が登坂路であることを検出できる。
車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、路面の勾配が小さくなることがある。この場合、勾配の変化に伴い重力相当力が小さくなるため、車両を停止させるためには、車輪に対して制動力を付与させる必要が生じる可能性がある。ここで、もし仮に、登坂路であると判定した後でも、積分演算を含む第1の演算処理で制動力を設定する場合、積分演算の特性上、車輪に対して制動力を付与させる必要が生じたにも関わらず、制動力は「0(零)」よりも大きな値になかなか設定されない。そのため、車両が停止してから車輪への制動力の付与が開始されるまでに遅れが生じる可能性がある。この場合、車両が停止せずに前進し続けるおそれがあり、車両の乗員に対して不快感を与えるおそれがある。この点、本発明では、登坂路であると判定された後では、積分演算を含まない第2の演算処理で制動力が設定される。そのため、車両が登坂路を走行中であると判定された後であって且つ車両が未だ停止していない場合において、車輪に対して制動力を付与させる必要が生じたときには、第2の演算処理によって上記減算値に応じた制動力が「0(零)」よりも大きな値に速やかに設定される。その結果、車輪に対して制動力を速やかに付与させることができ、車両の停止に貢献できる。
本発明の車両の停止制御装置において、前記第2の演算処理は、比例演算及び微分演算の少なくとも一方の演算によって、前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を設定する処理であることを要旨とする。
上記構成によれば、登坂路であると判定された後では、比例演算及び微分演算の少なくとも一方の演算によって制動力が設定される。そのため、車両が登坂路を走行中であると判定された後であって且つ車両が未だ停止していない場合において、制動力を車輪に付与する必要が生じたときには、車輪に対して制動力を速やかに付与できる。したがって、車両の停止距離の長距離化を抑制できる。
本発明の車両の停止制御装置において、前記制御手段(46、S14,S21,S23)は、前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、前記減算値(DVsub)に応じて設定される制動力(BP)が0(零)よりも大きな値になった場合に、前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を前記第1の演算処理によって設定し、該制動力(BP)が車輪(FR,FL,RR,RL)に付与されるように前記停止制御を行なうことを要旨とする。
上記構成によれば、車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、第2の演算処理によって設定された制動力が「0(零)」よりも大きくなった場合は、路面が登坂路ではなくなった可能性があると判断される。そのため、制動力を設定するための演算処理は、積分演算を含む第1の演算処理に変更され、第1の演算処理によって設定された制動力が車輪に付与される。したがって、第2の演算処理によって設定された制動力を車輪に付与する場合と比較して、車輪に対する制動力を適切に調整できる。
本発明の車両の停止制御装置は、車両の減速時に車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力(BP)を調整して車両を停止させる停止制御を行なう車両の停止制御装置であって、車両を停止させるための目標となる目標減速度(TDVS)を、車両の車体速度(VS)が0(零)に近づくほど小さな値に設定する目標減速度設定手段(41、S12)と、車両の車体減速度(DVS)を取得する減速度取得手段(40、S11)と、前記減速度取得手段(40、S11)によって取得される車体減速度(DVS)から前記目標減速度設定手段(41、S12)によって設定される目標減速度(TDVS)を減算した減算値(DVsub)が大きいほど制動力(BP)を小さな値に設定し、該制動力(BP)が車輪(FR,FL,RR,RL)に付与されるように前記停止制御を行なう制御手段(46、S14,S23)と、前記制御手段(46、S14,S23)によって設定された制動力(BP)が0(零)である場合に、該車両の走行する路面が登坂路であると判定する判定手段(43、S15)と、前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定されてから車両が停止するまでの間に、前記減速度取得手段(40、S11)によって取得される車体減速度(DVS)に基づき目標制動力(TBP)を設定する目標制動力設定手段(44、S18,S33)と、を備え、前記制御手段(46、S19,S37)は、前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、車両が停止したことを検出した場合に、車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力が前記目標制動力設定手段(44、S18,S33)によって設定された目標制動力(TBP)に近づくように、前記停止制御を行なうことを要旨とする。
本発明では、減算値に基づき設定される制動力が「0(零)」である場合に、車両の走行する路面が登坂路であると判定される。すなわち、車両を停止させるための停止制御に必要なパラメータとして取得された制動力を用いて、路面が登坂路であるか否かが判定される。こうした制動力は、加速度センサや液圧センサなどを用いることなく取得できる値である。したがって、液圧センサや加速度センサを用いずに、車両の走行する路面が登坂路であることを検出できる。
車両の走行する路面が登坂路であると判定されてから車両が停止するまでの間で取得された車体減速度は、重力相当力に応じた値となるはずである。そこで、本発明では、登坂路で車両が停止した場合には、車両の走行する路面が登坂路であると判定されてから車両が停止するまでの間で取得された車体減速度に基づき、現在の路面状況に応じた必要十分な値として目標制動力が設定される。そして、こうした目標制動力を車輪に付与させることにより、車両の後退を抑制できる。そのため、車輪に対して必要以上に大きな制動力を付与する場合と比較して、停止制御装置の制御に基づいて作動して車輪に制動力を付与するブレーキアクチュエータの電力消費量を抑制できる。
一方、本発明の車両の停止制御方法は、車両の減速時に車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力(BP)を調整して車両を停止させる車両の停止制御方法であって、車両を停止させるための目標となる目標減速度(TDVS)を、車両の車体速度(VS)が0(零)に近づくほど小さな値に設定させる目標減速度設定ステップ(S12)と、車両の車体減速度(DVS)を取得させる減速度取得ステップ(S11)と、前記減速度取得ステップ(S11)で取得した車体減速度(DVS)から前記目標減速度設定ステップ(S12)で設定した目標減速度(TDVS)を減算した減算値(DVsub)が大きいほど制動力(BP)を小さな値に設定させ、該制動力(BP)を車輪(FR,FL,RR,RL)に付与させる制動ステップ(S14,S23)と、前記制動ステップ(S14,S23)で設定した制動力(BP)が0(零)である場合に、車両の走行する路面が登坂路であると判定する判定ステップ(S15)と、を有し、前記制動ステップ(S14,S23)では、前記判定ステップ(S15)で車両の走行する路面が登坂路であると判定する前では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含む第1の演算処理によって設定させる一方、前記判定ステップ(S15)で車両の走行する路面が登坂路であると判定した後では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含まない第2の演算処理によって設定させることを要旨とする。
上記構成によれば、上記段落[0008]に記載の車両の停止制御装置と同等の効果を得ることができる。
第1の実施形態における車両の制動装置の一部を示すブロック図。 制動装置の電気的構成の要部を説明するブロック図。 推定車体速度と目標減速度との関係を示すマップ。 車体減速度と目標制動力との関係を示すマップ。 第1の実施形態における停止制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)は路面の勾配を説明するタイミングチャート、(b)は推定車体速度の変化を説明するタイミングチャート、(c)は減速度の変化を説明するタイミングチャート、(d)は制動力の変化を説明するタイミングチャート。 登坂路を走行する車両に加わる力の関係を説明する作用図。 (a)は減速度の変化を説明するタイミングチャート、(b)は制動力の変化を説明するタイミングチャート。 (a)は路面の勾配の変化を説明するタイミングチャート、(b)は推定車体速度の変化を説明するタイミングチャート、(c)は減速度の変化を説明するタイミングチャート、(d)は制動力の変化を説明するタイミングチャート。 第2の実施形態における停止制御処理ルーチンの一部を説明するフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図9に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。
本実施形態の車両は、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL(図2参照)を有する自動四輪車両であって、運転手による図示しないアクセルペダルの踏込み操作に基づいた駆動力が駆動輪(例えば後輪)に伝達されることにより走行する。こうした車両には、図1に示すように、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与するための制動装置11が搭載されている。
この制動装置11は、マスタシリンダ12、ブースタ13及びリザーバ14を有する液圧発生装置15と、2つの液圧回路16,17を有するブレーキアクチュエータ18(図1では二点鎖線で示す。)と、該ブレーキアクチュエータ18を制御するための停止制御装置としての電子制御装置(以下、「ECU」ともいう。)19とを備えている。各液圧回路16,17は、液圧発生装置15のマスタシリンダ12にそれぞれ接続されている。また、第1液圧回路16には、図1及び図2に示すように、左前輪FL用のホイールシリンダ20FL及び右後輪RR用のホイールシリンダ20RRが接続されると共に、第2液圧回路17には、右前輪FR用のホイールシリンダ20FR及び左後輪RL用のホイールシリンダ20RLが接続されている。
液圧発生装置15には、ブレーキペダル21が設けられており、該ブレーキペダル21が車両の運転者によって操作された場合には、マスタシリンダ12及びブースタ13がそれぞれ作動する。そして、マスタシリンダ12からは、液圧回路16,17を介してホイールシリンダ20FR,20FL,20RR,20RL内にブレーキ液がそれぞれ供給され、各車輪FR,FL,RR,RLには、マスタシリンダ12内のマスタシリンダ圧とホイールシリンダ20FR,20FL,20RR,20RL内のホイールシリンダ圧との差圧に応じた制動力がそれぞれ付与される。
次に、ブレーキアクチュエータ18について説明する。なお、各液圧回路16,17は略同一構成であるため、図1では、明細書の説明理解の便宜上、第1液圧回路16のみを図示し、第2液圧回路17の図示を省略するものとする。
第1液圧回路16は、連結経路22を介してマスタシリンダ12に接続されており、該連結経路22には、常開型のリニア電磁弁23が設けられている。また、第1液圧回路16には、ホイールシリンダ20FLに接続される左前輪用経路25aと、ホイールシリンダ20RRに接続される右後輪用経路25bとが形成されている。そして、これら各経路25a,25bには、ホイールシリンダ20FL,20RR内のホイールシリンダ圧の増圧を規制する際に作動する常開型の電磁弁である増圧弁26a,26bと、ホイールシリンダ20FL,20RR内のホイールシリンダ圧を減圧させる際に作動する常閉型の電磁弁である減圧弁27a,27bとが設けられている。
また、第1液圧回路16には、各ホイールシリンダ20FL,20RRから減圧弁27a,27bを介して流出したブレーキ液を一時貯留するためのリザーバ28と、モータ29の回転に基づき作動するポンプ30とが接続されている。リザーバ28は、吸入用流路31を介してポンプ30に接続されると共に、マスタ側流路32を介して連結経路22においてリニア電磁弁23よりもマスタシリンダ12側に接続されている。また、ポンプ30は、供給用流路33を介して第1液圧回路16における増圧弁26a,26bとリニア電磁弁23との間の接続部位34に接続されている。そして、ポンプ30は、モータ29が回転した場合に、リザーバ28及びマスタシリンダ12側から吸入用流路31及びマスタ側流路32を介してブレーキ液を吸引し、該ブレーキ液を供給用流路33内に吐出する。
次に、本実施形態のECU19について説明する。
ECU19のインターフェース(図示略)には、ブレーキスイッチSW1、及び各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE1,SE2,SE3,SE4が電気的に接続されている。また、ECU19のインターフェースには、アダプティブクルーズコントロールを行なうためのACC制御部(一例として、エンジン用のECU)が各種情報及び各種指令(制動指令など)を送受信可能な状態で接続されている。また、ECU19のインターフェースには、ブレーキアクチュエータ18が電気的に接続されている。そして、ECU19は、各車輪速度センサSE1〜SE4及びブレーキスイッチSW1からの検出信号やACC制御部35からの制御指令などに基づき、ブレーキアクチュエータ18を制御する。
ここで、アダプティブクルーズコントロールとは、車両の推定車体速度VSを目標車体速度とする制御を行なう定速走行制御、及び先行車両に対して自車両を追従走行させる制御を行なう追従走行制御を含んだ制御のことである。本実施形態のアダプティブクルーズコントロールは、先行車両の停止に伴い自動的に停止させるための停止制御も含んでいる。この停止制御は、車両の減速に伴い、該車両が停止する直前から(例えば15km/h以下になってから)実行される処理である。なお、本実施形態の停止制御は、車両の停止前に車体の重心が前方に移動した後、車両の停止時にサスペンションの復元力などによって車体の重心が後方に移動する、所謂揺り戻しを抑制する処理を含んでいる。
また、ECU19は、CPU、ROM及びRAMなどから構築されるデジタルコンピュータ(図示略)と、モータ29及び各弁23,26a,26b,27a,27bを駆動させるためのドライバ回路(図示略)とを備えている。こうしたECU19は、ハードウェア及びソフトウェアのうち少なくとも一方によりそれぞれ実現される機能部分として、車両状態演算部40、目標減速度設定部41、第1制動力設定部42、登坂路判定部43、第2制動力設定部44及び制動制御部45を備えている。
車両状態演算部40には、各車輪速度センサSE1〜SE4及びブレーキスイッチSW1から検出信号がそれぞれ入力される。そして、車両状態演算部40は、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度、車両の推定車体速度VS及び車両の車体減速度DVSなどの演算を行なう。したがって、本実施形態では、車両状態演算部40が、減速度取得手段として機能する。また、車両状態演算部40は、推定車体速度VSを示す情報を目標減速度設定部41に適宜出力すると共に、車体減速度DVSを示す情報を第1制動力設定部42及び第2制動力設定部44に適宜出力する。
目標減速度設定部41は、図3に示すマップを記憶する図示しない記憶部を有している。そして、目標減速度設定部41は、ACC制御部35から上記停止制御を行なう旨の制御指令が入力された場合、車両の停止時の揺り戻しを抑制させつつ車両を停止させるための目標となる目標減速度TDVSを図3に示すマップを用いて設定し、該目標減速度TDVSを示す情報を第1制動力設定部42に適宜出力する。したがって、本実施形態では、目標減速度設定部41が、目標減速度設定手段として機能する。また、目標減速度設定部41は、車両を定速走行させる場合には目標減速度TDVSを「0(零)」に設定する一方、車両を減速させる場合には目標減速度TDVSを所定値に設定する。
図3は、推定車体速度VSと目標減速度TDVSとの関係を示すマップの一例である。図3に示すように、目標減速度TDVSは、推定車体速度VSが「0(零)」である場合には微少減速度TDVS1に設定され、推定車体速度VSが「0(零)」よりも大きい場合には推定車体速度VSが大きいほど大きな値に設定される。
図2に戻り、第1制動力設定部42は、車両状態演算部40で演算された車体減速度DVSから目標減速度設定部41で取得された目標減速度TDVSを減算して減算値DVsub(図5参照)を取得し、該減算値DVsubが大きいほど各車輪FR,FL,RR,RLに付与する制動力BPを大きな値に設定する。そして、第1制動力設定部42は、設定した制動力BPを示す情報を登坂路判定部43及び制動制御部45に適宜出力する。なお、第1制動力設定部42は、停止制御を実行しない場合には、設定した制動力BPを示す情報を制動制御部45にだけ出力する。
本実施形態において、第1制動力設定部42は、登坂路判定部43によって、車両の走行する路面が登坂路であると判定された場合と、路面が登坂路ではないと判定された場合とでは、制動力BPの演算方法を異ならせる。すなわち、第1制動力設定部42は、路面が登坂路ではないと登坂路判定部43で判定された場合、比例演算(P)による演算結果、積分演算(I)による演算結果及び微分演算(D)による演算結果の合計値を求める第1演算処理を行い、該合計値又は合計値に応じた値を制動力BPとする。一方、第1制動力設定部42は、路面が登坂路であると登坂路判定部43で判定された場合、比例演算(P)による演算結果及び微分演算(D)による演算結果の合計値を求める第2演算処理を行い、該合計値又は合計値に応じた値を制動力BPとする。
登坂路判定部43は、第1制動力設定部42で取得された制動力BPに基づき、車両の走行する路面が登坂路であるか否かを判定する。そして、登坂路判定部43は、路面が登坂路である場合にはその旨を第1制動力設定部42及び第2制動力設定部44に適宜出力する一方、路面が登坂路ではない場合にはその旨を第1制動力設定部42及び第2制動力設定部44に適宜出力する。したがって、本実施形態では、登坂路判定部43が、判定手段として機能する。なお、本実施形態において「登坂路」とは、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与されていない場合に、車両が後退する可能性があるような勾配(傾斜角)を有する路面のことを示している。
第2制動力設定部44は、図4に示すマップを記憶する図示しない記憶部を有している。そして、第2制動力設定部44は、登坂路判定部43から路面が登坂路である旨が入力された場合、該路面の勾配に応じた目標制動力TBPを、図4に示すマップに基づき設定する。その後、第2制動力設定部44は、目標制動力TBPを示す情報を制動制御部45に出力する。したがって、本実施形態では、第2制動力設定部44が、目標制動力設定手段として機能する。
図4は、車体減速度DVSと目標制動力TBPとの関係を示すマップの一例である。図4に示すように、目標制動力TBPは、車体減速度DVSが所定の減速度閾値KDV未満である場合には車体減速度DVSが大きいほど大きな値に設定される一方、車体減速度DVSが減速度閾値KDV以上である場合には車体減速度DVSの大きさに関係なく所定制動力BPmaxに設定される。この所定制動力BPmaxは、本実施形態のブレーキアクチュエータ18によって各車輪FR,FL,RR,RLに付与できる制動力の最大値であり、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。なお、目標制動力TBPは、該目標制動力TBPに対応する車体減速度DVSが検出される状態で、当該目標制動力TBPを各車輪FR,FL,RR,RLに付与することにより車両の後退を抑制できるような大きさに設定されている。
図2に戻り、制動制御部45は、各車輪FR,FL,RR,RLに付与する制動力が、第1制動力設定部42で設定された制動力BP又は第2制動力設定部44で設定された目標制動力TBPに近づくように、ブレーキアクチュエータ18のモータ29及び各リニア電磁弁23を制御する。したがって、本実施形態では、第1制動力設定部42及び制動制御部45によって、制御手段46(図2では一点鎖線で囲まれた部分)が構成される。
次に、ACC制御部35について説明する。
ACC制御部35は、先行車両に関する各種情報(例えば、先行車両と自車との車間距離)を取得可能である。そして、ACC制御部35は、車間距離が短い場合において車両を停止させるときには、車両及び該車両の乗員の安全性を確保するために、停止制御の実行を禁止する旨をECU19に送信する。一方、ACC制御部35は、車間距離が長い場合において車両を停止させるときには、停止制御を実行させる旨をECU19に送信する。
次に、本実施形態のECU19が実行する停止制御処理ルーチンについて、図5に示すフローチャートと、図6、図8及び図9に示すタイミングチャートと、図7に示す作用図とに基づき説明する。なお、図6は、停止制御が開始された時点では各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与されている場合のタイミングチャートである。また、図8は、停止制御が開始された時点では各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が既に付与されていない場合のタイミングチャートである。また、図9は、停止制御の実行中に、車両の走行する路面の勾配が小さくなる場合のタイミングチャートである。
さて、停止制御処理ルーチンは、ACC制御部35から停止制御を実行する旨の制御指令がECU19に入力された場合に実行される。そして、ステップS10において、車両状態演算部40は、各車輪速度センサSE1〜SE4からの検出信号に基づき各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を演算し、該各車輪速度のうち少なくとも一輪の車輪速度に基づき推定車体速度VSを演算する。続いて、ステップS11において、車両状態演算部40は、ステップS10で演算した推定車体速度VSを時間微分し、該微分結果に対して「−1」を積算することにより車両の車体減速度DVSを取得する。この点で、本実施形態では、ステップS11が、減速度取得ステップに相当する。そして、ステップS12において、目標減速度設定部41は、ステップS10で演算された推定車体速度VSに対応する目標減速度TDVSを、図3に示すマップに基づき設定する。この点で、本実施形態では、ステップS12が、目標減速度設定ステップに相当する。
続いて、ステップS13において、第1制動力設定部42は、ステップS10で演算された推定車体速度VSからステップS12で設定された目標減速度TDVSを減算することにより減算値DVsub(=DVS−TDVS)を取得する。そして、ステップS14において、第1制動力設定部42は、ステップS13で取得された減算値DVsubに基づき、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力BPを設定する。具体的には、車両の走行する路面が登坂路ではない、又は登坂路ではなくなったと判定された場合、制動力BPは、上記第1演算処理(即ち、PID制御)で演算される。一方、路面が登坂路であると判定された場合、制動力BPは、上記第2演算処理(即ち、PD制御)で演算される。なお、第1演算処理で演算される制動力BPの単位時間あたりの低下量は、目標減速度TDVSが減少傾向にある場合(例えば、図6(a)における第1のタイミングt11から第2のタイミングt12の間)、減算値DVsubが大きくなる傾向を示すため、次第に大きくなる。すなわち、制動力BPは、第1のタイミングt11から第2のタイミングt12の間では、時間が経過するにつれて小さくなる。
そして、ステップS15において、登坂路判定部43は、ステップS14で設定された制動力BPが「0(零)」以下であるか否かを判定する。この判定結果が肯定判定(BP≦0)である場合、登坂路判定部43は、車両の走行する路面が登坂路であると判定する。したがって、本実施形態では、ステップS15が、判定ステップに相当する。そして、第1制動力設定部42は、制動力BPの演算処理を第2演算処理とする(ステップS16)。このとき、制動制御部45は、各車輪FR,FL,RR,RLへの制動力が「0(零)」となるようにブレーキアクチュエータ18を作動させる。続いて、ステップS17において、登坂路判定部43は、ステップS10で取得された推定車体速度VSに基づき、車両が停止したか否かを判定する。具体的には、登坂路判定部43は、推定車体速度VSが、車両が停止したとみなすことのできる速度に相当する所定値以下である場合に、車両が停止したと判定する。そして、ステップS17の判定結果が否定判定である場合、登坂路判定部43は、前述したステップS10を実行する旨を車両状態演算部40に出力する。
一方、ステップS17の判定結果が肯定判定である場合、第2制動力設定部44は、ステップS11で取得された車体減速度DVSに対応する目標制動力TBPを、図4に示すマップに基づき設定する(ステップS18)。続いて、ステップS19において、制動制御部45は、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力がステップS18で取得された目標制動力TBPに近づくように、ブレーキアクチュエータ18を制御する。具体的には、制動制御部45は、ポンプ30からのブレーキ液の単位時間あたりの吐出量がほぼ一定となるようにモータ29を駆動させると共に、マスタシリンダ12内のマスタシリンダ圧と各ホイールシリンダ20FR,20FL,20RR,20RL内の各ホイールシリンダ圧との差圧が、目標制動力TBPに応じた差圧となるようにリニア電磁弁23を駆動させる。その後、停止制御処理ルーチンが、一旦終了される。
その一方で、ステップS15の判定結果が否定判定(BP>0)である場合、第1制動力設定部42は、制動力BPの演算処理が第2演算処理であるか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が否定判定である場合、登坂路判定部43は、車両の走行する路面が登坂ではないと判定し、後述するステップS23を実行する旨を制動制御部45に出力する。一方、ステップS20の判定結果が肯定判定である場合、登坂路判定部43は、車両の走行する路面が登坂路ではなくなった(又は路面の勾配が小さくなった)と判定し、その旨を第1制動力設定部42に出力する。
ステップS21において、第1制動力設定部42は、制動力BPの演算処理を第2演算処理から第1演算処理に変更する。続いて、ステップS22において、登坂路判定部43は、ステップS10で取得された推定車体速度VSに基づき車両が停止したか否かを判定する。この判定結果が否定判定である場合、登坂路判定部43は、車両が停止していないため、前述したステップS10を実行する旨を車両状態演算部40に出力する。一方、ステップS22の判定結果が肯定判定である場合、登坂路判定部43は、次のステップS23を実行する旨を制動制御部45に出力する。
ステップS23において、制動制御部45は、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力がステップS14で取得された制動力BPに近づくように、ブレーキアクチュエータ18を制御する。したがって、本実施形態では、ステップS14及びステップS23により、制動ステップが構成される。その後、停止制御処理ルーチンが、一旦終了される。
すなわち、図6のタイミングチャートに示すように、停止制御が開始される前は、目標減速度TDVSは、ほぼ一定値(=所定値)に設定される。そのため、車両の車体減速度DVSが目標減速度TDVSに追随してほぼ一定に保たれるように、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力BPが設定される。このとき、車体減速度DVSは、図7に示すように、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力BPと、車体に加わる重力Gに基づいた力(斜面下方への力であって、「重力相当力」ともいう。)Fgと、トルクコンバータを有する車両に特有のクリープ現象に基づいたクリープ力(駆動力)Fcとに基づいた値となる。なお、クリープ力Fcとは、アイドリング時におけるエンジンの回転数に対応した駆動力のことである。そして、水平な路面であって各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与されていない場合、車両は、クリープ力Fcが駆動輪に伝達されることにより「5km/h」程度で走行する。
そして、図6に戻り、車両の推定車体速度VSが低速になって車両が停止する直前になる第1のタイミングt11で、停止制御が開始される。すると、車両停止時の揺り戻しを抑制するために目標減速度TDVSは、図3に示すマップに基づき、推定車体速度VSが低速になるに従い次第に小さな値に設定される(図6(b)(c)参照)。このとき、車両の車体減速度DVSが目標減速度TDVSに追随して小さな値になるように、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力BPが、上記減算値DVsubに基づき設定される(図6(c)(d)参照)。具体的には、制動力BPは、次第に小さくなる。なお、図6(c)において、目標減速度TDVSは破線で示されている。
そして、その後の第2のタイミングt12では、重力相当力Fgが車両に働くため、推定車体速度VSが「0(零)」ではないにも関わらず、減算値DVsubに基づき設定される制動力BPが「0(零)」になる。すなわち、各車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力を付与しなくても、車両の前進を規制できる状態となる。その結果、第2のタイミングt12で、車両の走行する路面が登坂路であることが検出される。
第2のタイミングt12以降から車両が停止する第3のタイミングt13までの間、車両の車体減速度DVSは、重力相当力Fgからクリープ力Fcを減算した減算値(=Fg−Fc)に対応する減速度DVfと同程度の大きさで維持される。重力相当力Fgは、路面の勾配が大きいほど大きな力となるはずである。すなわち、第2のタイミングt12から第3のタイミングt13までの間で取得される車体減速度DVSと路面の勾配とは、ほぼ比例の関係にある。
なお、車両には、重力相当力Fg及びクリープ力Fcだけではなく、各車輪FR,FL,RR,RLと路面との間で発生する摩擦力が働く。そのため、車両の車体減速度DVSは、実際には、上記減速度DVfに一定に保持されるのではなく、上記動摩擦力の影響によって徐々に小さな値になる。しかし、本実施形態では、明細書の説明理解の便宜上、各車輪FR,FL,RR,RLと路面との間で発生する摩擦力については考慮しないで説明するものとする。
また、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与されない状態で車両の前進が停止した場合、車両の車体減速度DVSは、上記減速度DVfに相当する大きさであるため、車両が後退する可能性がある。そこで、本実施形態では、第2のタイミングt12から第3のタイミングt13までの間で取得される車体減速度DVSに基づき目標制動力TBPが設定される(図4参照)。そして、車両の前進が停止した第3のタイミングt13では、ブレーキアクチュエータ18が作動し、各車輪FR,FL,RR,RLには、設定された目標制動力TBPに相当する制動力が付与される。その結果、車両の後退が規制される。
本実施形態では、目標制動力TBPに相当する制動力は、車両が停止した直後に各車輪FR,FL,RR,RLに付与される。そのため、車両が停止していない場合に目標制動力TBPに相当する制動力が各車輪FR,FL,RR,RLに付与される場合と比較して、車両の揺り戻しが好適に抑制される。
また、図8のタイミングチャートに示すように、停止制御が開始される第1のタイミングt21以前に、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力BPが「0(零)」である場合、停止制御が開始されても、減算値DVsubに基づく制動力BPは「0(零)」のままである。このとき、第1のタイミングt21で、減算値DVsubに基づく制動力BPが「0(零)」であるため、車両の走行する路面が登坂路であることが検出される。その後、車両の前進が規制される第2のタイミングt22では、ブレーキアクチュエータ18が作動し、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力が、路面の勾配に応じた目標制動力TBPに近づくように調整される。その結果、車両の後退が抑制される。
また、図9のタイミングチャートに示すように、第1のタイミングt31では、停止制御が開始され、第1のタイミングt31の後の第2のタイミングt32では、制動力BPが「0(零)」になるため、車両の走行する路面が登坂路であることが検出される。その後、車両の前進が規制される前の第3のタイミングt33で、車両の走行する路面の勾配が急激に小さくなり、該路面が水平路になると、車両に加わる重力相当力Fgが小さくなる。すなわち、上記減速度DVfは、重力相当力Fgが小さくなるに従い徐々に小さくなる。すると、次第にクリープ力Fcのほうが重力相当力Fgよりも大きくなり、車両の車体減速度DVSが、減速度DVfに追随して減少し始める。
その後の第4のタイミングt34では、車体減速度DVSが小さくなり始め、該車体減速度DVSが目標減速度TDVSに接近する。すると、減算値DVsub(=DVS−TDVS)に基づく力であって且つ第2の演算処理によって設定される制動力BPは、「0(零)」よりも大きな値になる。具体的には、比例演算による演算結果と、微分演算による演算結果との合計値が「0(零)」よりも大きくなる。この場合、減算値DVsubによって設定される制動力BPが「0(零)」よりも大きくなるため、車両の走行する路面が登坂路ではなくなったことが検出される。
すると、第4のタイミングt34以降では、制動力BPの演算方法が、第2の演算処理から第1の演算処理に変更され、中断していた積分演算が再開される。その結果、上記減算値DVsubに応じた制動力BPは、第1の演算処理で設定され、該制動力BPに基づきブレーキアクチュエータ18が作動する。その結果、各車輪FR,FL,RR,RLには、上記制動力BPが付与される。その後の第5のタイミングt35で、車両が停止される。このとき、各車輪FR,FL,RR,RLには、制動力BPが付与されているため、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力BPを増大させなくても車両の後退が抑制される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)一般に、登坂路を走行する車両を停止させる場合、車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与しなくても、車体に加わる重力相当力Fgによって、車両の進行方向前方への移動を規制できることがある。この場合、停止制御によって、減算値DVsubに基づく制動力BPは、次第に小さくなり、結果として「0(零)」となることがある。
そこで、本実施形態では、減算値DVsubに応じて設定される制動力BPが「0(零)」である場合に、車両の走行する路面が登坂路であると判定される。すなわち、車両を停止させるための停止制御に必要なパラメータとして取得された制動力BPを用いて、路面が登坂路であるか否かが判定される。こうした制動力BPは、加速度センサや液圧センサなどを用いることなく取得できる値である。したがって、液圧センサや加速度センサを用いずに、車両の走行する路面が登坂路であることを検出できる。
(2)車両の走行する路面が登坂路であると判定された後において、車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与されていない状態で車両が停止した場合には、この停車したタイミングで車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与される。そのため、車両の後退を抑制できる。また、停車した直後に車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力が付与されることになるため、停車前に車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力が付与される場合と比較して、車輪FR,FL,RR,RLへの制動力の付与に基づき発生する揺り戻しを抑制できる。
(3)また、本実施形態では、登坂路で車両が停止した場合には、車両の走行する路面が登坂路であると判定されてから車両が停止するまでの間で取得された車体減速度DVSに基づいた目標制動力TBPが車輪FR,FL,RR,RLに付与される。そのため、車両が停止した路面の状況に応じた適切な制動力を車輪FR,FL,RR,RLに付与できる。
(4)また、目標制動力TBPは、車体減速度DVSが大きいほど大きな値に設定される。そのため、車輪FR,FL,RR,RLに対して必要以上に大きな制動力を付与する場合と比較して、路面の勾配に対応した制動力を車輪FR,FL,RR,RLに付与するだけでよい分、停止制御中におけるブレーキアクチュエータ18での電力消費量を抑制できる。
(5)車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、路面の勾配が小さくなることがある。この場合、勾配の変化に伴い重力相当力Fgが小さくなるため、車両を停止させるためには、車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力を付与させる必要が生じることがある。ここで、もし仮に登坂路であると判定した後でも積分演算を含む第1の演算処理で制動力BPを演算したとすると、路面が登坂路であると判定されている間では積分演算による演算結果が負の値になる。そのため、路面の勾配の変化に伴い車輪に対して制動力を付与させる必要が生じたにも関わらず、積分演算による演算結果がなかなか正の値にならないため、車両が停止してから車輪FR,FL,RR,RLへの制動力の付与が開始されるまでに遅れが生じる可能性がある。
この点、本実施形態では、登坂路であると判定する後は、積分演算を含まない第2の演算処理で制動力BPが付与されることになる。路面の勾配の変化に伴って減算値DVsubが小さくなると、第2の演算処理で設定される制動力BPは、速やかに正の値に設定される。その結果、車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力を速やかに付与させることができ、車両の停止に貢献できる。
(6)しかも、第2の演算処理で設定される制動力BPが「0(零)」よりも大きくなると、制動力BPの演算方法が、第2の演算処理から第1の演算処理に変更される。すなわち、路面が登坂路であると判定されたことを契機に中断された積分演算が再開される。そして、第1の演算処理によって設定された制動力BPが車輪FR,FL,RR,RLに付与される。したがって、第2の演算処理によって設定された制動力BPが車輪FR,FL,RR,RLに付与される場合と比較して、制動力BPを高詳細に調整できる分、車両の停止時の揺り戻しを抑制できる。
(7)また、本実施形態では、車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力を調整することにより、車両停止時の揺り戻し及び車両の後退が抑制される。そのため、車両の停止するタイミングで該車両の後退を抑制するために車輪に対して駆動力を付与する従来の場合と比較して、エンジンの駆動を調整しなくてもよい分、エンジンに供給される燃料の消費量を低減させることができる。
(8)車両の走行する路面が登坂路ではないと判定された場合には、減算値DVsubに応じた制動力BPを設定することにより、車両の揺り戻しを抑制させつつ該車両を停止させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図10に従って説明する。なお、第2の実施形態は、停止制御処理ルーチンの一部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU19が実行する停止制御処理ルーチンについて、図5に示すフローチャートに基づき説明する。なお、本実施形態の停止制御処理ルーチンは、ステップS10〜S16までとステップS20〜S23までとは、第1の実施形態における停止制御処理ルーチンとほぼ同等である。そこで、本実施形態では、ステップS16の判定処理以降について説明するものとする。
さて、停止制御処理ルーチンにおいて、ステップS14で設定された制動力BPが「0(零)」以下であると判定され(ステップS15が肯定判定)、制動力BPの演算方法が第2の演算処理に変更された場合(ステップS16)、ステップS30の処理が実行される。このステップS30において、第2制動力設定部44は、第1制動力設定部42での制動力BPの演算方法が第1の演算処理から第2の演算処理に変更されてからの経過時間Tを取得する。続いて、ステップS31において、第2制動力設定部44は、ステップS30で取得された経過時間Tが予め設定された時間閾値KT以上であるか否かを判定する。この時間閾値KTは、第2の演算処理によって制動力BPが設定されるようになってから、車体減速度DVSを複数回(例えば5回)取得できる時間に予め設定されている。
そして、ステップS31の判定結果が否定判定(T<KT)である場合、第2制動力設定部44は、今回の車体減速度DVSを一時記憶させると共に、第1フラグFLG1を「OFF」にセットし(ステップS32)、後述するステップS35を実行する旨を登坂路判定部43に出力する。一方、ステップS31の判定結果が肯定判定(T≧KT)である場合、第2制動力設定部44は、ステップS11で取得された車体減速度DVSに対応する目標制動力TBPを、図4に示すマップに基づき設定する。このときの車体減速度DVSは、経過時間Tが時間閾値KT以下であったときに取得した複数の車体減速度DVSの平均値である。続いて、ステップS34において、第2制動力設定部44は、第1フラグFLG1を「ON」にセットし、次のステップS35を実行する旨を登坂路判定部43に出力する。
そして、ステップS35において、登坂路判定部43は、上記ステップS17と同様に、ステップS10で取得された推定車体速度VSに基づき車両が停止したか否かを判定する。そして、ステップS35の判定結果が否定判定である場合、登坂路判定部43は、前述したステップS10を実行する旨を車両状態演算部40に出力する。
一方、ステップS35の判定結果が肯定判定である場合、第2制動力設定部44は、第1フラグFLG1が「ON」であるか否かを判定する(ステップS36)。この判定結果が肯定判定(FLG1=ON)である場合、第2制動力設定部44は、ステップS33で設定された目標制動力TBPを示す情報を制動制御部45に出力する。すると、制動制御部45は、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力がステップS33で取得された目標制動力TBPに近づくように、ブレーキアクチュエータ18を制御する(ステップS37)。その後、停止制御処理ルーチンが、一旦終了される。
一方、ステップS36の判定結果が否定判定(FLG1=OFF)である場合、第2制動力設定部44は、目標制動力TBPを最大勾配用制動力BP1とし、該目標制動力TBPを示す情報を制動制御部45に出力する。この最大勾配用制動力BP1は、アダプティブクルーズコントロールで想定する路面の勾配の最大値(例えば、30%)に対応する目標制動力である。すると、制動制御部45は、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力がステップS33で取得された目標制動力TBPに近づくように、ブレーキアクチュエータ18を制御する(ステップS38)。その後、停止制御処理ルーチンが、一旦終了される。
すなわち、本実施形態では、車両の走行する路面が登坂路であると判定されてからの経過時間Tが時間閾値KT未満である時点で車両が停止した場合には、路面の勾配に対応する目標制動力TBPが設定されていない。そのため、目標制動力TBPは、最大勾配用制動力BP1とされ、該最大勾配用制動力BP1が各車輪FR,FL,RR,RLに付与されるようにブレーキアクチュエータ18が作動する。その結果、車両の後退が確実に規制される。
一方、車両の走行する路面が登坂路であると判定されてからの経過時間Tが時間閾値KT以上となってから車両が停止した場合、複数の車体減速度DVSの平均値に対応する目標制動力TBPが設定される。そして、目標制動力TBPが各車輪FR,FL,RR,RLに付与されるようにブレーキアクチュエータ18が作動する。その結果、ブレーキアクチュエータ18の電力消費量の低減を図りつつ、車両の後退が抑制される。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態における効果(1)、(2)、(4)〜(8)と同等の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(9)車体減速度DVSは、各車輪速度センサSE1〜SE4からの検出信号に基づき算出される値であり、各検出信号には、外乱や車両の振動などに起因したノイズが含まれることがある。こうしたノイズを含んだ検出信号に基づき算出された車体減速度DVSは、実際の車体減速度とは異なる可能性があり、こうした車体減速度DVSに基づき設定された目標制動力TBPは、路面の実際の勾配に対応する制動力であるとは言い難い。
この点、本実施形態では、車両の走行する路面が登坂路であると判定されてから時間閾値KTに相当する時間の間に車体減速度DVSを複数取得し、該各車体減速度DVSの平均値に対応する目標制動力TBPが設定される。そのため、目標制動力TBPが路面の実際の勾配に相当する制動力から大きく乖離することを抑制できる。したがって、車両が停止したタイミングで、各車体減速度DVSの平均値に対応する目標制動力TBPを各車輪FR,FL,RR,RLに付与することによって、車両の後退を規制できる。
(10)また、本実施形態では、車両の走行する路面が登坂路であると判定されてからの経過時間Tが時間閾値KT未満である時点で車両が停止した場合には、複数の車体減速度DVSの平均値に対応する目標制動力TBPが未設定であるため、最大勾配用制動力BP1が各車輪FR,FL,RR,RLに付与される。したがって、複数の車体減速度DVSの平均値に対応する目標制動力TBPが未だ設定されていない状態で車両が停止した場合であっても、車両が停止したタイミングで最大勾配用制動力BP1を各車輪FR,FL,RR,RLに付与することによって、車両の後退を規制できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・各実施形態において、車両の走行する路面が登坂路であると判定された後も、第1の演算処理を行なってもよい。ただし、路面が登坂路であると判定された後は、比例演算による第1演算結果、微分演算による第2演算結果、及び第1演算結果及び第2演算結果の合計値のうち何れか一つに基づき、制動力BPを設定することが望ましい。また、このように設定された制動力BPが「0(零)」を超えた場合、それ以前に演算された積分処理の結果をリセットさせることが望ましい。このように構成することにより、車輪FR,FL,RR,RLへの制動力BPの付与するタイミングが遅れることを抑制できる。
・各実施形態において、第2の演算処理は、比例演算のみを含んだ処理でもよいし、微分演算のみを含んだ処理でもよい。
・第1の実施形態において、目標制動力TBPは、路面が登坂路であると判定された後の車体減速度DVSの大きさに関係なく一定値であってもよい。この場合、目標制動力TBPは、最大勾配用制動力BP1でもよいし、所定制動力BPmaxでもよい。
・各実施形態において、目標減速度TDVSを、推定車体速度VSと該推定車体速度VS以外の他のパラメータとに基づき設定してもよい。例えば、路面のμ値(具体的には、駆動輪のスリップ量)を、目標減速度TDVSを設定するためのパラメータとしてもよい。この場合、目標減速度TDVSを、スリップ量が多いほど小さな値に設定してもよい。
・各実施形態において、停止制御を、運転手によるブレーキペダル21の操作によって車両を停止させる際にも実行させてもよい。運転手によるブレーキ操作中に停止制御が実行されると、車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力が減算値DVsubに対応するように設定された制動力BPに近づくように、ブレーキアクチュエータ18のリニア電磁弁23及び減圧弁27a,27bが駆動する。その結果、運転手によるブレーキ操作中に停止制御が実行される場合であっても、路面が登坂路であるか否かを判定でき、ひいては路面の勾配に応じた適切な停止制御を実行できる。
・各実施形態において、制動装置11は、マスタシリンダ圧を検出するための液圧センサや車両の加速度(減速度)を検出するための加速度センサを設けた構成であってもよい。この場合であっても、液圧センサや加速度センサを用いなくても、車両の走行する路面が登坂路であるか否かを判定できる。
・本発明の停止制御装置が搭載される車両を、クリープ力Fcが発生しない変速機(例えば、デュアルクラッチ式トランスミッション)を備える車両に具体化してもよい。
19…停止制御装置としてのECU、40…減速度取得手段としての車両状態演算部、41…目標減速度設定手段としての車両状態演算部、43…判定手段としての登坂路判定部、44…目標制動力設定手段としての第2制動力設定部、46…制御手段、BP…制動力、DVS…車体減速度、DVsub…減算値、FR,FL,RR,RL…車輪、TBP…目標制動力、TDVS…目標減速度、VS…推定車体速度。

Claims (5)

  1. 車両の減速時に車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力(BP)を調整して車両を停止させる停止制御を行なう車両の停止制御装置であって、
    車両を停止させるための目標となる目標減速度(TDVS)を、車両の車体速度(VS)が0(零)に近づくほど小さな値に設定する目標減速度設定手段(41、S12)と、
    車両の車体減速度(DVS)を取得する減速度取得手段(40、S11)と、
    前記減速度取得手段(40、S11)によって取得される車体減速度(DVS)から前記目標減速度設定手段(41、S12)によって設定される目標減速度(TDVS)を減算した減算値(DVsub)が大きいほど制動力(BP)を小さな値に設定し、該制動力(BP)が車輪(FR,FL,RR,RL)に付与されるように前記停止制御を行なう制御手段(46、S14,S23)と、
    前記制御手段(46、S14,S23)によって設定された制動力(BP)が0(零)である場合に、該車両の走行する路面が登坂路であると判定する判定手段(43、S15)と、を備え
    前記制御手段(46、S16,S21)は、
    前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定される前では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含む第1の演算処理によって設定する一方、
    前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定された後では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含まない第2の演算処理によって設定することを特徴とする車両の停止制御装置。
  2. 前記第2の演算処理は、比例演算及び微分演算の少なくとも一方の演算によって、前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を設定する処理であることを特徴とする請求項に記載の車両の停止制御装置。
  3. 前記制御手段(46、S14,S21,S23)は、
    前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、前記減算値(DVsub)に応じて設定される制動力(BP)が0(零)よりも大きな値になった場合に、
    前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を前記第1の演算処理によって設定し、該制動力(BP)が車輪(FR,FL,RR,RL)に付与されるように前記停止制御を行なうことを特徴とする請求項又は請求項に記載の車両の停止制御装置。
  4. 車両の減速時に車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力(BP)を調整して車両を停止させる停止制御を行なう車両の停止制御装置であって、
    車両を停止させるための目標となる目標減速度(TDVS)を、車両の車体速度(VS)が0(零)に近づくほど小さな値に設定する目標減速度設定手段(41、S12)と、
    車両の車体減速度(DVS)を取得する減速度取得手段(40、S11)と、
    前記減速度取得手段(40、S11)によって取得される車体減速度(DVS)から前記目標減速度設定手段(41、S12)によって設定される目標減速度(TDVS)を減算した減算値(DVsub)が大きいほど制動力(BP)を小さな値に設定し、該制動力(BP)が車輪(FR,FL,RR,RL)に付与されるように前記停止制御を行なう制御手段(46、S14,S23)と、
    前記制御手段(46、S14,S23)によって設定された制動力(BP)が0(零)である場合に、該車両の走行する路面が登坂路であると判定する判定手段(43、S15)と、
    前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定されてから車両が停止するまでの間に、前記減速度取得手段(40、S11)によって取得される車体減速度(DVS)に基づき目標制動力(TBP)を設定する目標制動力設定手段(44、S18,S33)と、を備え、
    前記制御手段(46、S19,S37)は、
    前記判定手段(43、S15)によって車両の走行する路面が登坂路であると判定された後に、車両が停止したことを検出した場合に、
    車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力が前記目標制動力設定手段(44、S18,S33)によって設定された目標制動力(TBP)に近づくように、前記停止制御を行なうことを特徴とする車両の停止制御装置。
  5. 車両の減速時に車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動力(BP)を調整して車両を停止させる車両の停止制御方法であって、
    車両を停止させるための目標となる目標減速度(TDVS)を、車両の車体速度(VS)が0(零)に近づくほど小さな値に設定させる目標減速度設定ステップ(S12)と、
    車両の車体減速度(DVS)を取得させる減速度取得ステップ(S11)と、
    前記減速度取得ステップ(S11)で取得した車体減速度(DVS)から前記目標減速度設定ステップ(S12)で設定した目標減速度(TDVS)を減算した減算値(DVsub)が大きいほど制動力(BP)を小さな値に設定させ、該制動力(BP)を車輪(FR,FL,RR,RL)に付与させる制動ステップ(S14,S23)と、
    前記制動ステップ(S14,S23)で設定した制動力(BP)が0(零)である場合に、車両の走行する路面が登坂路であると判定する判定ステップ(S15)と、を有し、
    前記制動ステップ(S14,S23)では、
    前記判定ステップ(S15)で車両の走行する路面が登坂路であると判定する前では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含む第1の演算処理によって設定させる一方、
    前記判定ステップ(S15)で車両の走行する路面が登坂路であると判定した後では前記減算値(DVsub)に応じた制動力(BP)を、積分演算を含まない第2の演算処理によって設定させることを特徴とする車両の停止制御方法。
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