JP4451493B2 - 異形断面条の製造方法 - Google Patents
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Description
この異形断面条を製造する技術として、特許文献1及び特許文献2に示されるように、平板状のダイとロールとにより成形するものと、段付きロールと平ロールとによって成形するものとがある。
特許文献1に記載の技術は、平板状のダイの板面に対向させてその板面上に設けた長尺平板材料を板面に対応する範囲転動して押圧する押圧ロールを設け、この押圧ロールの押圧転動の完了毎に、平板材料をダイの先端から後方に所定の長さ移送させることにより、異形断面条を製造するものである。
また、特許文献2に記載の技術は、ロール半径が一定とされた平ロールと、軸線方向にロール半径の異なる複数のロール部を備えてなる段付ロールとが互いに軸線を平行にして近接配置され、平ロールと段付ロールとの間隙に挿入された平板状素材を圧延すると共に各ロールにより平板状素材の長手方向に薄肉部を形成して、異形断面条を製造している。
特許文献3に記載の技術は、平板状ダイ及び押圧ロールを備えた金型装置の後方に、成形された長尺金属板を引っ張り且つ整形する第1圧延機を間欠送り吸収装置を介して設け、その後方に脱脂装置及び連続焼鈍炉を設け、更にその後方に第2圧延機とこれに接近してスリットカッターを設けた構成とされ、間欠的な金属材料の移動により金型装置で成形された長尺金属板をそのまま一定速度で移動させながら整形、焼鈍、幅加工を連続的に行うようにしている。
特許文献4に記載の技術は、異形断面の金属板をクランプにより挟持し、金属板を長さ方向に引っ張って歪を矯正するようにしたものにおいて、クランプを金属板の引っ張り方向と交差する方向に分割した複数の分割板で構成して、金属板の材質と形状に応じて挟持力を制御するようにしている。
特許文献5に記載の技術は、異形断面条を長さ方向の異なる箇所で挟み具により挟持し、これらの間隔を広げる方向に移動させることで異形断面条に引っ張り力を加えて矯正する方法において、引っ張りによる異形断面条の変形に応じて挟み具が回転するようにしている。
図1〜図10は、本発明の第1実施形態の製造方法を説明するための図面である。
図10は、最終的に得られる異形断面条Eを示しており、この異形断面条Eは、厚肉部yの両側に同じ幅(A=B)の薄肉部mが形成された形状とされ、厚肉部yの両側面は若干傾斜し、厚肉部yの幅が高さ方向に漸次狭くなるように形成されている。また、両薄肉部mの板厚の目標値は同じ厚さtに設定され、薄肉部mの上面と厚肉部yの側面との間に形成される角部の曲率半径e及び厚肉部yの側面と頂面との間の角部の曲率半径eも同じ目標値に設定される。
平板状素材Mは、延性材料を板状に形成してなるものであり、例えば、Cu−0.1%Fe−0.03%Pの銅合金からなる。
なお、平板状素材が各工程毎に加工されていくため、厚肉部及び薄肉部の形状、寸法等は変化していくが、本明細書では、説明の便宜のため、厚肉部をy、薄肉部をmとして各工程において同一符号を付している。
以下、この異形断面条の製造方法を各工程毎に詳細に説明する。
粗圧延工程においては、コイル状に巻き取られた状態の平板状素材Mを繰り出しながら圧延し、その圧延により成形された異形断面成形材Cをコイル状に巻き取る粗圧延装置51が備えられている。
この粗圧延装置51は、図1に示すように、コイル状に巻き取られた状態の平板状素材Mを所定量ずつ繰り出すアンコイラー(繰り出し機構)52、アンコイラー52から繰り出された平板状素材Mを厚さ方向に押圧しながら異形断面成形材Cに圧延する圧延機53、圧延機53により成形された異形断面成形材Cを一定速度で巻き取るリコイラー(巻き取り機構)54、アンコイラー52と圧延機53との間で平板状素材Mを抑える素材抑え機構55、圧延機53とリコイラー54との間でこれら圧延機53とリコイラー54との速度差を吸収しながら異形断面成形材Cを牽引する速度調整機構56が備えられている。
ダイ58の成形面57は、図3に示すように、異形断面成形材Cの厚肉部yを形成するための溝部61と、薄肉部mを形成するための凸条部62とが並んで形成されている。図の例では、平板部63の上に、平板状素材Mの走行方向に沿う二つの凸条部62がその走行方向と直交する方向に間隔を開けて相互に平行に形成され、これら凸条部62の間に、溝部61が平板状素材Mの走行方向に沿う直線状に形成されている。また、両凸条部62は、その大部分は一定の幅に形成されているが、走行方向の上流方向に向かう先端面は、先端に向かうにしたがって漸次幅を狭くするように傾斜面62aとされている。また、この傾斜面62aは、平板部63の上面との間でも傾斜しており、両凸条部62とも、溝部61に面している側面61aと傾斜面62aとにより鋭利な先端が形成され、その鋭利な先端が平板状素材Mの走行方向の上流方向に向けられた状態で、走行方向と直交する方向に並べられている。そして、このダイ58は、図2に示すように、成形面57を下方に向けた状態に保持されている。
一方、圧延ロール59は、その軸心が平板状素材Mの走行方向に直交する方向に向けられ、図1から図3の矢印で示すように、ダイ58の成形面57の下方位置で、この成形面57に対向する位置を経由して、ダイ58よりも上流で成形面57からずれた鎖線で示す位置とダイ58の成形面57の下流端位置との間を平板状素材Mの走行方向に沿って往復移動させられるようになっている。
このようにして、平板状素材Mを所定ピッチずつ間欠送りしながら、圧延ロール59をダイ58の成形面57に沿って往復移動することにより、平板状素材Mに、ダイ58の溝部61によって形成される厚肉部yと、凸条部62によって形成される薄肉部mとが連続的に形成された異形断面成形材Cが得られる。この異形断面成形材Cは、図10に鎖線で示すように、厚肉部yは最終形状の異形断面条Gのものとほぼ同じ形状に形成されるが、薄肉部mは最終形状よりも広く形成され、後述の圧延工程において、薄肉部mの側縁部が切り落とされる。
なお、図1に示す例では、支持ロール66を異形断面成形材Cの下方に二つ設置しているが、固定状態の支持ロール66を一方のみにして、他方は揺動ロールと同様にばねにより支持して、異形断面成形材Cに押圧力を作用させる構成のものとしてもよい。
この場合、この速度調整機構56による異形断面成形材Cの間欠走行と圧延機53の圧延ロール59の往復移動とは同期することになるが、揺動ロール67によって異形断面成形材Cに作用する張力は変動が少ない方が成形精度がよい。このため、揺動ロール67を押圧するばね68のばね定数を大きく設定し、圧延ロール59の振動数に対して、揺動ロール67の固有振動数が大きくなるように設定されている。具体的には、揺動ロール67の固有振動数をf1、圧延ロール59の振動数をf2としたときに、f1はf2を超え、f2の2倍以下に設定される。
例えば、圧延ロール59の往復振動数f2が300回/分とし、揺動ロール67の固有振動数f1を圧延ロール59の往復振動数f2と同じ(300/分=5/秒)とすると、揺動ロール67の重量が10kgなら、ばね定数は約1.0となるが、揺動ロール67の固有振動数f1を圧延ロール59の往復振動数f2の1.5倍に設定すると、ばね定数は約2.4となる。このように揺動ロール67に接続したばね68のばね定数を圧延ロール59の振動数f2から計算される値よりも大きく設定することにより、厚肉部y及び薄肉部mの寸法、形状を高精度に成形することができる。
ここで、曲がり量は、図6に示すように、曲がりの内側となる側縁に沿って1メートルの長さの2点間を直線で結んだときの、その直線から側縁までの最大ずれ寸法である。
また、これら薄肉部mの板厚のずれΔt、角部の曲率半径e、曲がり量D1をそれぞれ管理しつつ、これらの積で求められる粗圧延管理値Xをより厳しい値で管理することにより、高精度の異形断面成形材Cを得ることができる。しかも、その曲がり量Dは、後の切断工程における薄肉部の幅寸法(|A−B|)にも影響するものであるため、この粗圧延工程の段階で管理しておくことにより、後工程の切断精度を向上させることができる。
焼鈍工程では、異形断面成形材Cに付着した油分を蒸発させる程度に加熱して脱脂した後、異形断面成形材Cを例えば窒素ガス雰囲気で600℃まで加熱して冷却するものである。
<仕上げ圧延工程>
仕上げ圧延工程では、粗圧延工程により成形された異形断面成形材Cを一定速度で走行させながら、厚肉部yと薄肉部mの表面形状に形成したロール(図示略)により、異形断面成形材Cの表面の凹凸面をわずかに押圧して整形するものである。
切断工程では、図7に示すように、コイル状に巻き取られた異形断面成形材Cを所定量ずつ繰り出すアンコイラー(繰り出し機構)71、アンコイラー71から繰り出された異形断面成形材Cの薄肉部mの側縁部を切り落とすスリッター72、切断された異形断面スリット材Eを巻き取るリコイラー73、スリッター72とリコイラー73との間で異形断面スリット材Eを押圧しながら張力を制御する張力制御機構74を用いて、異形断面成形材Cから異形断面スリット材Eを切断し、これを一定速度でコイル状に巻き取ることが行われる。
張力制御機構74は、異形断面スリット材Eの両面に接触するロール75を空気圧等の流体圧によって押圧することにより、異形断面スリット材Eとリコイラー73との間の張力を調整している。図7の符号76は異形断面成形材Cの左右方向位置をスリッター72に案内するガイドである。
この切断工程により、図10に鎖線で示す両側部が切り落とされ、ほぼ最終形状の異形断面条Gと同様に、厚肉部yの両側に薄肉部mがそれぞれ形成される。そこで、両薄肉部mの幅寸法A,Bの差の実測値を|A−B|(mm)とするとき、|A−B|が0.08以下となるように管理される。
この切断工程は、まだ最終工程ではなく、次の矯正工程を経て最終的な異形断面条Gが得られるが、この切断工程において、この幅寸法|A−B|を管理することにより、最終の異形断面条Gの形状、寸法精度を向上させることができる。
矯正工程では、図8に示すように、前工程の切断工程で巻き取られた異形断面スリット材Eのコイルを一定速度で繰り出すアンコイラー(繰り出し機構)81、繰り出された異形断面スリット材Eに所定の張力を付与することにより目的の異形断面条Gとするストレッチ機構82、ストレッチ機構82を通過した異形断面条Gを一定速度で巻き取るリコイラー(巻き取り機構)83が用いられる。この場合、アンコイラー81とストレッチ機構82との間、及びストレッチ機構82とリコイラー83との間では、それぞれ張力調整のため、異形断面スリット材E又は異形断面条Gはたるみ部Es,Gsを形成した状態に支持される。
なお、図8に示す例ではたるみ部Es,Gsをストレッチ機構82の両側に配置したが、いずれか一方のみでもよい。
この矯正工程においては、図6に示したD1の場合と同様の測定方法による異形断面条Gの1メートル当たりの曲がり量(蛇行量)の実測値をD2(mm)とするとき、D2が0.13以下となるように管理される。
そして、その場合に、最終的な異形断面条Gの薄肉部mの幅寸法に影響する曲がり量については、粗圧延工程及び矯正工程の両方においてそれぞれ管理することにより、最終製品の寸法を極めて高い精度で仕上げることができるものである。
この第2実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、粗圧延工程、焼鈍工程、仕上げ圧延工程、切断工程、矯正工程を有している。この場合、この第2実施形態では、粗圧延工程がロールによる成形とされている点が第1実施形態と異なり、その後の焼鈍工程から矯正工程までは第1実施形態とほぼ同じである。したがって、この粗圧延工程について詳細に説明する。
また、図18は、最終的に得られる異形断面条Eを示している。この異形断面条Eは、幅方向の中央位置に配置された薄肉部mを中心に、その両側に、厚肉部yと薄肉部mとが複数ずつ交互に並べられ、両側縁部には厚肉部yが配置されており、5個の薄肉部mと6個の厚肉部yとを有している。また、幅方向の中央位置の薄肉部m1と、両側縁部の厚肉部yに接する薄肉部m1とは、他の薄肉部m2よりも幅が小さく設定され、中央位置の薄肉部m1の両隣の厚肉部yも他の厚肉部yよりも幅が小さく設定されている。また、両側縁部に配置されている厚肉部yは同じ幅(A=B)に設定されている。各薄肉部mの厚さtはすべて同じになるように形成される。その他、図示はしないが、薄肉部mの上面と厚肉部yの側面との間に形成される角部の曲率半径及び厚肉部yの側面と頂面との間の角部の曲率半径が同じ目標値に設定されるのは第1実施形態の場合と同じである。
本実施形態では、段差hが0.4mmとされ、第1の大径ロール部22のロール幅Wが1.0mmとされて、W1/h=2.5となるように設定されている。
より具体的には、ロール半径R4で形成されて軸線P2方向に延在する中間面23dと、この中間面23dの両端23e,23fから両端縁23g,23hまでロール半径が小となるように、かつ、中間面23dを挟んで対称となるようにテーパ面23i,23jが延在している。
本実施形態においては、このΔrが0.06mmに設定されている。すなわち、段差hと、中間面23dのロール半径R4と外周面22aのロール半径R3との差分Δrとの比は、Δr/h=0.15となっており、この段差hと第2の大径ロール部23のロール幅W2との比は、W2/h=10となるように設定されている。
また、中間面23dの両端部のテーパ面23i,23jは、中間面23dに対する角度(軸線P2に対する角度)θが0.1〜5°とされている。
まず、図12に示すように、不図示のロール駆動装置が静止状態の平ロール10及び段付ロール20を駆動し、平ロール10と段付ロール20とを互いの近接部の接線方向の速度成分が平板状素材Mの送り方向となるように回転させる。
同時に、不図示の素材送り装置が平板状素材Mを平ロール10と段付ロール20が形成する間隙に挿入する。
このようにして、平板条素材Mを平ロール10と段付ロール20とが圧延して、寸法精度の高い異形断面成形材Cを製造する。
なお、この粗圧延工程において、第1実施形態と同様に、薄肉部mの板厚tの目標値からのずれΔt、厚肉部の側面と頂面のなす角部及び薄肉部の上面と厚肉部の側面とのなす角部のそれぞれの曲率半径e、異形断面成形材Cの1メートル長さ当たりの曲がり量D1について、それぞれΔtが0.01mm以下、eが0.15mm以下、D1が0.4mm以下とする管理がなされるとともに、これらの積である粗圧延管理値Xが求められ、その粗圧延管理値Xが5×10−4以下となるように管理される。
また、その後の切断工程においては、両側縁部の厚肉部の幅の差|A−B|が0.08mm以下となるように管理される。この場合、第2実施形態では、両側の厚肉部yが切断されるので、厚肉部yの幅寸法A,Bの測定結果により求められる(図18参照)。また、矯正工程においては、異形断面条Gの1メートル長さ当たりの曲がり量D2が0.13mm以下となるように管理される。そして、これら|A−B|の切断管理値Y、D2の矯正管理値Zが求められ、粗圧延管理値、切断管理値、矯正管理値の積(X×Y×Z)が6×10−6以下となるように管理することにより、高精度の形状、寸法の異形断面条が得られる。
従って、異形断面成形材Cにおける薄肉部mの上面を平面状に加工することができ、良好な加工精度を得ることができる。
図16に示すように、従来の段付ロールの場合には薄肉部の幅方向の中央部で肉厚が増加しているが、第2の大径ロール部23の場合には幅方向に亘ってほぼ一定の肉厚となっている。
上述した実施形態では、テーパ面23i,23jを形成してロール半径をロール半径R4からロール半径R3となるように構成したが、図17に示すように、中間面23dの両端23e,23fから両端縁23g,23hに向けて、断面視弧状となるようにロール半径を漸次小となるように構成してもよい。このように形成しても上記と同様の効果を得ることができる。
52 アンコイラー
53 圧延機
54 リコイラー
55 素材抑え機構
56 速度調整機構
57 成形面
58 ダイ
59 圧延ロール
61 溝部
62 凸条部
65 ブレーキ部材
66 支持ロール
67 揺動ロール
68 ばね
71 スリッター
72 リコイラー
73 張力調整機構
74 ロール
81 アンコイラー
82 ストレッチ機構
83 リコイラー
84 クランプ部材
1 圧延機
10 平ロール
20 段付ロール
22 第1の大径ロール部
23 第2の大径ロール部
23d 中間面(中間部分)
23e,23f 両端(定位置)
23g,23h 両端縁
30 粗圧延装置
M 平板状素材
C 異形断面成形材
G 異形断面条
Claims (9)
- 平板状素材を圧延して厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面成形材を形成してコイル状に巻き取る粗圧延工程と、コイル状に巻き取られた前記異形断面成形材を繰り出しながらその両側縁部に配置される前記厚肉部又は薄肉部の幅方向の途中位置を長さ方向に沿って切断して両側縁部を切り落とすことにより異形断面スリット材を形成してコイル状に巻き取る切断工程と、コイル状に巻き取られた前記異形断面スリット材を繰り出しながら矯正して異形断面条を得る矯正工程とを有し、
前記粗圧延工程では、前記薄肉部の板厚の目標値からのずれをΔt(mm)、前記厚肉部の側面と頂面とのなす角部の曲率半径の実測値をe(mm)、前記異形断面成形材の1メートル長さ当たりの曲がり量の実測値をD1(mm)としたとき、Δtが0.01以下であり、eが0.15以下であり、D1が0.4以下であり、かつ、Δt×e×D1で求められる粗圧延管理値をXとするとき、Xが5×10−4以下となるように圧延し、
前記切断工程では、両側縁部に配置されている前記厚肉部又は薄肉部の側縁からの幅の差の実測値を|A−B|(mm)とするとき、|A−B|が0.08以下となるように切断し、
前記矯正工程では、前記異形断面条の1メートル長さ当たりの曲がり量の実測値をD2(mm)としたとき、D2が0.13以下となるように矯正することを特徴とする異形断面条の製造方法。 - さらに、前記切断工程において測定した|A−B|を切断管理値Yとし、矯正工程において測定したD2を矯正管理値Zとするとき、前記粗圧延管理値X、切断管理値Y、矯正管理値Zの積(X×Y×Z)が6×10−6以下となるように前記異形断面条を製造することを特徴とする請求項1記載の異形断面条の製造方法。
- 前記粗圧延工程では、前記厚肉部及び薄肉部を形成するための成形面を有するダイ、及び該ダイの成形面に対向する位置とダイの成形面からずれた位置との間でダイの成形面の長さ方向に沿って往復移動させられる圧延ロールにより、圧延ロールがダイの成形面からずれた位置にあるときに前記平板状素材を長さ方向に間欠送りし、圧延ロールがダイの成形面に対向する位置にあるときに該圧延ロールと前記ダイの成形面との間に前記平板状素材を挟みこんで圧延することを特徴とする請求項2に記載の異形断面条の製造方法。
- 前記粗圧延工程では、前記ダイよりも下流位置で巻き取り機構により前記異形断面成形材を一定速度で巻き取りながら、前記ダイよりも上流位置で前記平板状素材に接触するブレーキ部材を押圧してブレーキ摩擦力を付与し、かつ、前記ダイと前記巻き取り機構との間で、前記異形断面成形材の片面を支持ロールで支持しつつ異形断面成形材の他面に接触する揺動ロールをばねにより押圧することにより前記異形断面成形材を湾曲させた状態で牽引することを特徴とする請求項3に記載の異形断面条の製造方法。
- 前記ばねにより押圧された状態の前記揺動ロールの固有振動数をf1、前記圧延ロールの振動数をf2とするとき、f1がf2を超えf2の2倍以下となるように、前記ばねのばね定数が定められていることを特徴とする請求項4に記載の異形断面条の製造方法。
- 前記粗圧延工程では、前記厚肉部を形成するための小径ロール部及び前記薄肉部を形成するための大径ロール部が軸線方向に並んで形成された段付きロールと、半径が軸線方向に沿って一定とされた平ロールとの間で前記平板状素材を挟みこんで圧延することを特徴とする請求項2に記載の異形断面条の製造方法。
- 前記段付きロールは、広幅の大径ロール部とこれより細幅の大径ロール部とが小径ロール部を介して並べられて形成されるとともに、広幅の大径ロール部の径が細幅の大径ロール部の径よりも大きく形成され、これら両大径ロール部の半径の差分をΔrとし、前記細幅の大径ロール部と前記小径ロール部との半径の差分をhとするとき、Δr/h=0.01〜0.5とされていることを特徴とする請求項6記載の異形断面条の製造方法。
- 前記切断工程では、前記スリッターにより分離された各異形断面スリット材を巻き取り機構により一定速度で巻き取りながら、該巻き取り機構と前記スリッターとの間で各異形断面スリット材を押圧してその張力を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の異形断面条の製造方法。
- 前記矯正工程では、前記異形断面スリット材を繰り出し機構により一定速度で繰り出しながら、矯正後の異形断面条を巻き取り機構により一定速度で巻き取るとともに、これら繰り出し機構と巻き取り機構との間に前記異形断面スリット材及び異形断面条にたるみ部を形成した状態で前記異形断面スリット材を間欠送り機構により間欠送りし、その間欠送りされる前記異形断面スリット材の前記厚肉部及び薄肉部を弾性部材により押圧することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の異形断面条の製造方法。
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