JP5961267B2 - 帯状ワークの冷間加工方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状ワークの冷間加工方法及びその装置に関し、特に縦横比(長尺板状製品の長さと幅の比率)が30を超えるような細長くて長尺な長尺板状製品好ましくは多数個取りできる長さの帯状ワークを対象とする。
例えばアルミニウム、銅及びその合金等の広幅の圧延材に生ずるキャンバー(横曲がり)を、圧延時にローラーの位置、圧力、開度の左右調整成分等を調整して矯正する方法が知られている(特許文献1〜3)。しかしこれらの技術は、前記各調整等に伴って結果的に広幅な圧延材内部の幅及び長さ方向に圧縮あるいは引張の残留応力を不均一に分布させ存在させることとなる。また、この残留応力の不均一な分布傾向は、巻取り時に、結果としてわずかに生じているキャンバーを強制的に矯正しながら巻取ることによりさらに不均一さが増大している。なお、この残留応力が不均一に分布する傾向は広幅な圧延材の長さ方向よりは幅方向に顕著に存在し、現れることがある。また、圧延材である帯状ワークが通過する経路の上下に配置された一対のローラーを設け、複数対のローラーを側面視で千鳥状に配置したローラーレベラーも知られている(特許文献4)。このローラーレベラーでは、加熱下または非加熱下にて、上下のローラーからワークが繰り返し曲げ作用を受けることで、圧延のわずかな不均一によって生じた帯状ワークの長手方向への塑性伸びの不揃いが軽減される。それにより、帯状ワーク表面が平坦化される。
特開平4−305304号公報 特開平7−214131号公報 特開2011−25289号公報 特開平6−182445号公報
広幅な圧延材から、縦横比が30を超えるような細長くて長尺な長尺板状製品の製品長さに両端の加工代を加えた長さで大板状にシャーリング加工にて切出し、または同時にこの切出した大板を細長くて長尺な長尺板状製品の輪郭形状を有する金型を使用してのプレス打抜き加工により長尺板状製品に加工する製品加工技術がある。図34に示すように、幅広な圧延材から切出した大板800から長尺板状製品810の輪郭形状を有する金型を使用しての連続プレス打抜き加工する技術では、その材料取りにおいて通常「さん幅(bridge)」と呼ばれる間隔をあけて各長尺板状製品810を打抜く必要があり、その結果大量のスクラップが生じて材料歩留まりが極めて悪いという問題を有する。また、幅広な圧延材から切出した大板800は前記した幅及び長さ方向に圧縮あるいは引張の残留応力が不均一に分布し存在しているため、打抜かれて内部応力が開放された縦横比が30を超えるような長尺板状製品810にはキャンバー、反り、ねじれ、うねり等の多くの変形が複合されて生じており、そのままでは使用に耐えないという問題も有する。
なお、幅広な圧延材を切断した大板からの連続プレス打抜きによる大量スクラップの発生問題に対しては、幅広な圧延材から上下2軸に複数枚の円盤状の回転刃(カッターバイト)が各々所望間隔で所望セット数組立てられたスリッティングマシーン(図示せず)にて狭幅な長尺板状製品の幅の帯材を多条にスリットし、この各帯材を長尺板状製品長さに切断して使用することにより防止でき、長尺板状製品と同じ長さで前記「さん幅」の素材が製品生産数と同数スクラップになるという無駄は無くすことができる。
しかし、圧延材を前記スリッティングマシーンにてスリットされた帯材には、前記広幅圧延材の圧延時の圧延装置各部の調整等に伴う圧延材内部の幅及び長さ方向に圧縮あるいは引張の残留応力の不均一な分布が存在する。それに加えて、前記スリッティングマシーンの前記対向する回転刃間にはクリアランスが存在し、このクリアランスが各回転刃の組合せ毎すなわち各スリットされた帯材の縁毎に各々異なることに伴い発生する、スリットされた各々の帯材内部の各部分には幅及び長さ方向に圧縮あるいは引張の残留応力の分布の不均一さがさらに上乗せされる。それらにより帯材には、大きなキャンバー(横曲り)と不規則な反りやねじれ(うねり)が発生することとなる。即ちスリッティングマシーンにより帯状ワークに加工すると、板厚tの帯状ワークあるいは長尺板状製品に、図35(A)に拡大して示す長手方向端部から見た反りS1や、図35(B)に示す側面から見たねじれ(うねり)Mや、図35(C)に示す平面視で横曲りとなるキャンバーCや、図35(D)に示す側面から見た反りS2等が確認された。キャンバーCとは平面視での横曲りを意味し、長尺板状製品を、例えばその一側面を載置して垂直に立てた際に、その一側面が長手方向に沿って直線状とならずに、横曲がりする現象である。図35(C)に示すように、仮想載置面Tから長尺板状製品の一側面までの最大隙間がキャンバーC量として測定される。
図35(A)に示すように長手方向の端部から見た反りS1だけであれば、特許文献4に示すローラーレベラーに帯状ワークを通すことで、平坦化により矯正できるかもしれない。また、図35(C)に示すキャンバーは圧延時にも生じるため、圧延時のキャンバーは例えば特許文献1〜3のようにして矯正することができるかもしれない。しかし、たとえ矯正できたとしても、その後スリッティングマシーンにて広幅の圧延材を幅狭の帯状ワークにスリット加工すると拘束されていた残留応力が開放されて歪となって現れ大きなキャンバーが生じてしまう。
そこで、本発明の幾つかの態様は、スリッティングマシーンにてスリット加工等の後の冷間加工によって、キャンバーや側面視での反りやねじれ(うねり)等の変形を矯正することができる帯状ワークの冷間加工方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
帯状ワークの長手方向で離間された位置にて、前記帯状ワークを第1及び第2クランプ部によりクランプする第1工程と、
前記帯状ワークをクランプした前記第1及び第2クランプ部を相対的に前記長手方向に沿って移動させて、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを、引張力を付与して塑性領域まで伸長する第2工程と、
前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークへの前記引張力を解除して、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークに生じた塑性伸びの一部を弾性回復させる第3工程と、
その後、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを長尺板状製品に加工する第4工程と、
を有する帯状ワークの冷間加工方法に関する。
本発明の他の態様は、
帯状ワークの長手方向に沿った搬送方向に前記帯状ワークを搬送する搬送部と、
前記搬送方向の下流側に配置され、前記帯状ワークをクランプする第1クランプ部と、
前記搬送方向の上流側に配置され、前記帯状ワークをクランプする第2クランプ部と、
前記帯状ワークをクランプした前記第1及び第2クランプ部を相対的に前記長手方向に沿って移動させて、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを、引張力を付与して塑性領域まで伸長させ、前記引張力を解除して、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークに生じた塑性伸びの一部を弾性回復させる引張/解除駆動部と、
を有する帯状ワークの冷間加工装置に関する。
本発明の一態様及び他の態様によれば、第1,第2クランプ部の間の帯状ワークは、引張力が付与されて塑性領域まで伸長された後に、引張力が解除されることで塑性伸びの一部が弾性回復される。引張力の大きさは、帯状ワークが塑性領域まで伸長されても破断せずに弾性回復できる大きさである。帯状ワークに引張力が付与されることで、帯状ワークに対するそれまでの加工履歴がほぼキャンセルされて、一方向に揃った塑性歪が帯状ワークに均一に形成される。それにより、圧延時に生じた不均一な内部残留応力や、スリット加工(せん断加工)時に幅方向の両サイドに生じた不均一でアンバランスに分布した内部残留応力は、各部でほぼ一定となり不均一さやアンバランスが殆ど無くなる。結果として、圧延時及び/又は幅寸法加工のためのスリット加工(せん断加工)時に生じたキャンバーや反りやうねりを含む変形が矯正されて長さ方向、幅方向とも真直ぐとなる。また、塑性変形により加工硬化して硬度も向上することが期待される。
本発明の一態様では、前記第2工程では、前記第1,第2クランプ部間の長さLの前記帯状ワークを長さ(L+ΔL1)に伸長させ、前記第3工程では、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを長さ(L+ΔL2)(ただし、ΔL1>ΔL2>0)に戻すことができる。本発明の他の態様では、上述した第2,第3工程を引張/解除駆動部により実施することができる。
本発明の一態様では、第1,第2クランプ部の間の帯状ワークは、引張力が付与されて長さLからL+ΔL1に伸長された後に、引張力が解除されることで長さL+ΔL2に塑性変形される。引張力の付与時の伸びΔL1よりも、引張力の解除時の伸びΔL2が小さい状態まで弾性回復される。第1,第2クランプ部の間の帯状ワークに永久伸びΔL2が生じた状態では、塑性変形などに依る外観品質を損なうこと無く、帯状ワークの板厚及び幅を製品規格内とすることができる。
本発明の一態様では、前記帯状ワークを前記長手方向に沿った搬送方向に搬送して、第N(Nは整数)サイクルと第(N+1)サイクルの各々にて、前記第1〜第4工程がそれぞれ実施され、前記第2工程は、前記搬送方向の下流側に配置された前記第1クランプ部に対して、前記搬送方向の上流側に配置された前記第2クランプ部を、前記搬送方向とは逆方向に移動させることができる。本発明の他の態様では、前記引張/解除部が、前記第1クランプ部に対して前記第2クランプ部を前記搬送方向とは逆方向に移動させて、前記帯状ワークに前記引張力を付与することができる。
帯状ワークは、例えばコイル状に巻回された状態から送り出されることで、長手方向に搬送される。こうして、間欠または連続搬送される帯状ワークに対して、複数サイクルに亘って第1〜第4工程を繰り返すことができる。その際、各サイクルの第2工程では、下流側の第1クランプ部に対して上流側の第2クランプ部を搬送方向とは逆方向に移動させる。こうして、第2工程及び第3工程を実施すると、下流側の第1クランプ部にてクランプされた第1クランプ領域の位置は不動であるのに対して、上流側の第2クランプ部にてクランプされた第2クランプ領域の位置がずらされる。よって、位置が不動である第1クランプ領域の位置を基準として、第4工程にて帯状ワークを加工することができる。その際、加工対象は第1クランプ領域よりも上流側であるので、第1クランプ領域を基準として帯状ワークをさらに先方に搬送することで、長尺板状製品に加工することができる。
本発明の他の態様では、前記搬送部は、前記第1,第2クランプ部の間に配置され、前記帯状ワークを挟んで上下に配置された一対の駆動ローラーを、前記搬送方向に沿って複数対配置した全輪駆動ローラーを含むことができる。
全輪駆動ローラーにより、帯状ワークがローラー間でスリップして搬送不良や搬送遅れが生じることを防止でき、あるいは帯状ワークが蛇行して搬送されることを防止できる。
本発明の一態様では、前記第Nサイクル及び前記第(N+1)サイクルの前記第1工程では、前記第1クランプ部が前記帯状ワークの搬送先端部の少なくとも一部をクランプし、前記第Nサイクル及び前記第(N+1)サイクルの前記第4工程では、前記第1及び第2クランプ部でのクランプ力を解除した後に前記帯状ワークを搬送し、前記搬送先端部を前記帯状ワークから除去する先端除去工程を含むことができる。本発明の他の態様では、前記第1クランプ部よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記第1及び第2クランプ部でのクランプ力が解除された後に搬送された前記帯状ワークの搬送先端部を切断して除去する切断部をさらに有し、前記帯状ワークの前記搬送先端部は、前記第1クランプ部にてクランプされた第1クランプ領域と、前記第2クランプ部にてクランプされた第2クランプ領域とを含むことができる。
こうして、第1クランプ部でクランプされることで矯正されなかった搬送先端部が長尺板状製品の一部に用いられることを防止できる。
本発明の一態様では、前記Nサイクルの前記第1工程にて前記第2クランプ部によりクランプされていた前記帯状ワークの第2クランプ領域を、前記第(N+1)サイクルの前記第1工程の前に検出する工程をさらに有し、前記Nサイクルの前記第1工程での前記第2クランプ領域が、前記第(N+1)サイクルの前記第1工程にて前記第1クランプ部によりクランプされる第1クランプ領域とオーバーラップさせることができる。本発明の他の態様では、前記第2クランプ部によりクランプされていた前記帯状ワークの前記第2クランプ領域を検出する検出部をさらに有し、前記搬送ローラーは、前記引張/解除駆動部にて前記引張力が解除され、かつ、前記第1,第2クランプ部でのクランプ解除後に駆動され、前記検出部からの出力に基づいて停止されて、前記第2クランプ領域を、前記第1クランプ部によりクランプされる前記第1クランプ領域とオーバーラップさせることができる。
こうすることで、第1,第2クランプでクランプされることで矯正されなかったクランプ領域が長尺板状製品の一部に用いられることを防止できる。しかも、第1,第2クランプでのクランプ領域の一部または全部がオーバーラップすることから、クランプ領域の面積が最小限となる。よって、帯状ワークから除去される端材長さが最小限となり、材料を有効利用できる。
本発明の一態様では、前記第Nサイクルの前記第4工程よりも前に前記帯状ワークにマーキング部を付与する工程をさらに有し、前記第(N+1)サイクルの前記第1工程の前に、前記マーキング部を位置検出して前記帯状ワークを搬送停止させて、前記第1クランプ部での前記第1クランプ領域を設定することができる。本発明の他の態様では、前記第2クランプ領域と一定の位置関係にある領域にて前記帯状ワークにマーキング部を付与するマーキング付与部をさらに有し、前記検出部は、前記マーキング部を検出することができる。
マーキング部を位置検出して、第1クランプ部によりクランプされる第1クランプ領域を、それ以前に第2クランプ部にてクランプされていた第2クランプ領域と実質的に同一に設定することが容易となる。
本発明の一態様では、前記先端除去工程にて前記帯状ワークから除去される前記搬送先端部は、前記クランプ領域及び前記マーキング部を含むことができる。本発明の他の態様では、前記マーキング付与部は、前記第2クランプ領域内に前記マーキング部を付与することができる。
こうすると、マーキング部が長尺板状製品に残存しないように、マーキング部をクランプ領域と共に帯状ワークから除去することができる。なお、マーキング部は、孔あけ等の外形加工やインク塗布等が適用できる。
本発明の一態様では、前記長尺板状製品の長さをLpとしたとき、L>Lp×n(nは自然数)であり、前記第4工程は、前記長さLの帯状ワークをn個の前記長尺板状製品に分離する工程を含むことができる。本発明の他の態様では、前記長尺板状製品の長さをLpとしたとき、L>Lp×n(nは自然数)であって、前記長尺板状製品の長さLpを測長する測長部をさらに有し、前記切断部は、前記測長部により測長された長さL毎に前記帯状ワークを切断してn個の前記長尺板状製品に分離すことができる。
つまり、第1,第2クランプ部間の帯状ワークから長尺板状製品を1個取りするものに限らず、複数個取りすることができる。複数個の製品取りとすることで、長尺板状製品1個当たりのクランプ領域の長さが減少するので、材料の効率利用が可能となる。
本発明の一態様では、前記長尺板状製品の長さを変更する時に、前記第1,第2クランプ部の少なくとも一方の位置を調整して、前記第1,第2クランプ部間の前記長さLを変更する工程をさらに有することができる。本発明の他の態様では、前記第1,第2クランプ部の少なくとも一方の位置を調整して、前記第1,第2クランプ部間の前記長さLを変更するクランプ位置調整機構をさらに有することができる。
L>Lp×nで示す通り、第1,第2クランプ部間の帯状ワークの長さLは長尺板状製品の長さをLpの整数n倍に近いほど、無駄に除去される材料が生じない。よって、長尺板状製品の長さを変更する時に、第1,第2クランプ部間の長さLを変更することが好ましい。
本発明の一態様では、前記長尺板状製品の長さをLpとしたとき、L>Lp×n(nは2以上の整数)であり、前記先端除去工程にて前記帯状ワークから除去される前記搬送先端部の長さをLsとしたとき、100×(Ls−ΔL2)/(L+ΔL2)<1.4%の関係を満たすことができる。
複数個取りすることで矯正される帯状ワークの長さL、永久伸びΔL2は長くなる一方で、搬送先端部の長さをLsは長尺板状製品の取り数に拘わらず一定である。よって、長尺板状製品の長さLp毎に帯状ワークの長さLと取り数nとを設定することで、100×(Ls−ΔL2)/(L+ΔL2)で定義されるロス率を1.4%未満に低減させることができる。
本発明の一態様では、100×ΔL1/Lで計算される塑性伸びを0.5%〜2%とすることができる。第1,第2クランプ間の帯状ワークの長さLに対して、引張力を付与した時の引張長さΔL1を0.5〜2%とすることで、引張力を解除することで弾性回復させて、ΔL2の永久伸びを有する塑性変形が実現される。また、この範囲の引張により、キャンバーを実用上支障がない程度まで減少でき、もしくは解消されることが確認できた。
本発明の一態様では、前記第1工程〜前記第3工程の前に、前記帯状ワークの断面二次モーメントを大きくするフォーミング加工工程をさらに有することができる。また、本発明の他の態様では、前記搬送方向にて前記第2クランプ部よりも上流側に設けられ、前記帯状ワークの断面二次モーメントを大きくするフォーミング加工部をさらに有することができる。本発明のさらに他の態様では、帯状ワークの長手方向に連続して形成された凸リブ及びまたは凹リブを設けることにより断面二次モーメントを大きくされた長尺板状製品とすることができる。
断面二次モーメントとは、曲げモーメントに対する帯状ワークの変形のし難さを表した量であり、フォーミング加工により帯状ワークの断面二次モーメントを大きくすることで、帯状ワークの曲げ剛性を高めることができる。このフォーミング加工時に帯状ワークに生じる不均一な内部残留応力を含む加工履歴は、その後に実施される第1〜第3工程による引張力を付与する塑性加工によりキャンセルされる。それにより、曲げ剛性が高められたことで平面度がさらに向上した帯状ワークの塑性歪が一方向に揃えられる。
本発明のさらに他の態様は、上述した本発明の一態様に係る方法により製造された長尺板状製品であって、100×ΔL2/Lで計算される永久伸びが0.15%〜1.6%である長尺板状製品に関する。
塑性伸びを0.5〜2%として引張した後に弾性回復させると、永久伸びは0.15〜1.6%となる。よって、本発明の他の態様に係る長尺板状製品は、0.15%〜1.6%の永久伸びを有する塑性加工品とすることができる。
本発明の他の態様では、前記第1クランプ部は、第1押動力により駆動されて前記第1クランプ領域にて前記帯状ワークを押圧する押圧部を含み、前記切断部は、前記押圧部の側面に沿って昇降案内され、切断刃を備えた昇降ブロックと、伸長状態にて前記昇降ブロックを上限位置に維持し、第2押圧力が前記昇降ブロックに作用した時に圧縮状態にて前記昇降ブロックと前記押圧部とを一体的に移動させる付勢部材と、を含むことができる。
こうすると、切断のための第2押動力を利用して、少なくとも切断中、好ましくは切断の直前から切断中に亘って、帯状ワークをクランプすることができる。
本発明の他の態様では、前記切断部は、前記第2押圧力を発生させるエアシリンダー及びロッドを含み、前記ロッドと前記昇降ブロックとの間にギャップを設けることができる。
こうすると、ギャップの距離を移動することで十分に加速されたロッドにより昇降ブロックが押圧されて、帯状ワークの切り口をシャープにして切断することができる。
図1は、本発明方法の実施形態における初期マーキング工程を示す図である。 図2は、本発明方法の実施形態におけるマーキング部の検出/位置決め工程を示す図である。 図3は、本発明方法の実施形態におけるクランプ工程(第1工程)を示す図である。 図4は、本発明方法の実施形態における引張工程(第2工程)を示す図である。 図5は、帯状ワークの荷重−伸び特性を示す図である。 図6は、本発明方法の実施形態における引張解除工程(第3工程)を示す図である。 図7は、本発明方法の実施形態における長尺板状製品への加工工程(第4工程)の一部である搬送先端部の送り工程を示す図である。 図8は、本発明方法の実施形態における長尺板状製品への加工工程(第4工程)の一部である搬送先端部の除去工程を示す図である。 図9は、本発明方法の実施形態における長尺板状製品への加工工程(第4工程)の一部を示し、長さL+ΔL2の帯状ワークから最初の長尺板状製品の分離工程を示す図である。 図10は、本発明方法の実施形態における長尺板状製品への加工工程(第4工程)の一部を示し、長さL+ΔL2の帯状ワークから最後の長尺板状製品の分離工程を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る装置全体を概略的に示す正面図である。 図12は、図11に示す装置の帯状ワークの供給装置を示す図である。 図13は、図11に示す冷間加工装置の上流ブロック部の平面図である。 図14は、図11に示す冷間加工装置の上流ブロック部の正面図である。 図15は、第2クランプ部及びマーキング付与部の詳細を示す図である。 図16は、図11に示す冷間加工装置の下流ブロック部の平面図である。 図17は、図11に示す冷間加工装置の下流ブロック部の正面図である。 図18は、第1クランプ部及び切断部の詳細を示す図である。 図19は、長尺板状製品の形状加工装置の平面図である。 図20は、長尺板状製品の形状加工装置の正面図である。 図21(A)は形状加工の第1工程を示す図であり、図21(B)は図21(A)のI−I断面図である。 図22(A)は形状加工の第2工程を示す図であり、図22(B)は図21(A)のII−II断面図である。 図23は、長尺板状製品の端末形状を成型するプレス加工手順を示す説明図である。 図24は、本発明に係る長尺板状製品の一例を含む製品全体の概略斜視図である。 図25は、フォーミング加工部を有する上流ブロック部の正面図である。 図26は、図25に示す上流ブロック部の平面図である。 図27は、送りローラー、フォーミング加工ローラー及びガイドローラーを示す正面図である。 図28(A)〜図28(C)は、図27のD−D断面、F−F断面及びH−H断面を示す図である。 図29は、送りローラー、フォーミング加工ローラー及びガイドローラーと、それらを通過する帯状ワークを示す平面図である。 図30(A)及び図30(B)は、図27のE−E断面及びG−G断面を示す図である。 図31(A)〜図31(E)は、帯状ワークの断面二次モーメントを大きくするフォーミング加工例を示す図である。 図32は、図15に示すI−I断面及び図18に示すJ−J断面を示す図である。 図33は、帯状ワークの端部の切断加工例を示す図である。 図34は、広幅な圧延材製大板からの長尺板状製品の材料取り状況を示す説明図である。 図35(A)〜図35(D)は、素材加工時の要因により長尺板状製品に生ずる各種変形を示す図である。 図36は、フォーミング加工ローラーをフラットロールと逃げ溝付ロールの組合せに変更した図27のH−H断面を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.帯状ワークの冷間加工方法
以下、図1〜図10を参照して、本発明に係る縦横比(長尺板状製品の長さと幅の比率)が30を超えるような細長くて長尺な長尺板状製品、例えば幅が約14mm、長さが約420〜1200mm程度(縦横比;30〜85)の長尺板状製品を、一回の矯正加工で10〜20枚多数個取り可能な極めて長尺な帯状ワークの冷間方法の実施形態について説明する。
1.1.初期マーキング工程
図1は、初期マーキング工程を示す図である。帯状ワーク10は、金属例えばアルミニュウム−マグネシュウム系合金であるアルミニゥム合金A3004−H14を素材としているが、これに限定されない。帯状ワーク10は、板厚が例えば1.3mmとなるように広幅で圧延された後に、スリッティングマシーン(図示せず)により幅が例えば14.0mmになるように両サイドがスリット加工(せん断加工)されて帯状に加工され、その後リコイラー(図示せず)によりコイル状に巻取られ、後述するアンコイラー210より巻き出されて冷間加工装置100に供給されている。
図1に概略的に示す冷間加工装置100は、帯状ワーク10の長手方向に沿った搬送方向Aの下流側(図1の左側)より順に、検出部110、切断部120、第1クランプ部130、測長ローラー(広義には測長部)140、四輪駆動ローラー(広義には搬送部、全輪駆動ローラー)150、マーキング付与部160、第2クランプ部170及び送りローラー(広義には搬送部)180等を有することができる。
図1に示す初期マーキング工程では、送りローラー180により帯状ワーク10が搬送され、帯状ワーク10の搬送先端部11Aがマーキング付与部160を通過した後に送りローラー180は停止される。この停止位置制御に高い精度は不要であり、目視観測により手動停止させても良い。
図1は、マーキング付与部160が駆動されたマーキング付与動作を示し、搬送先端部11Aに例えばピアス孔(広義にはマーキング部)11aが形成される。このとき、少なくともピアス孔11aが形成される間は、第2クランプ部170により帯状ワーク10をクランプすることができる。
1.2.マーキング部の検出/位置決め工程
マーキング部11aが形成された帯状ワーク10は、送りローラー180が再駆動されることで先方に送出される。帯状ワーク10のマーキング部11aが検出部110によって検出されると、送りローラー180が停止される。それにより、帯状ワーク10のマーキング部11aを基準として、帯状ワーク10が位置決めされる。このとき、図2に示す位置にて、第1クランプ部130が帯状ワーク10をクランプして、少なくとも帯状ワーク10の搬送先端部11A側を位置固定しても良い。ここで、第1クランプ部130は、帯状ワーク10を挟んで対向配置される固定クランパー(固定部)131及び可動クランパー(押圧部)132を含むことができる。クランプ状態では、押圧部132が押圧降下されて、固定部131と押圧部132との間で帯状ワーク10がクランプされる。
図1に示す初期マーキング工程では、第2クランプ部170により帯状ワーク10がクランプされる第2クランプ領域と一定の位置関係にある位置にピアス孔(広義にはマーキング部)11aが形成される。図2の検出部110にてマーキング部11aを検出することは、検出部110と一定の位置関係にある第1クランプ部130により帯状ワーク10がクランプされる第1クランプ領域を検出することと等価である。よって、第2クランプ部170に対するマーキング付与部160の位置関係と、第1クランプ部130に対する検出部110の検出位置関係とを一致させれば、第2クランプ部170にてクランプされた第2クランプ領域を、その後の帯状ワーク10の搬送により第1クランプ部130にてクランプすることができる。
1.3.クランプ工程(第1工程)
図3は、帯状ワーク10の長手方向で離間された位置にて、帯状ワーク10を後述する引張/解除駆動部(油圧駆動装置)により第1及び第2クランプ部130,170にて強固にクランプする第1工程を示している。ここで、第2クランプ部170も、帯状ワーク10を挟んで対向配置される固定部(固定クランパー)171及び押圧部(可動クランパー)172を含むことができる。クランプ状態では、押圧部172が押圧降下されて、固定部171と押圧部172との間で帯状ワーク10が強固にクランプされる。図に示すように、第1クランプ部130にてクランプされる帯状ワーク10の第1クランプ領域の長さをL131とし、第1クランプ領域よりも下流の搬送先端部11Aの長さをL11Aとする。なお、図3の帯状ワーク10のクロスハッチング部は、第1及び第2クランプ部130,170によって強固にクランプされて圧縮残留歪が発生している領域を示す。
1.4.引張(塑性域)工程(第2工程)
図4は、帯状ワーク10を強固にクランプした第1及び第2クランプ部130,170を相対的に長手方向に沿って移動させて、第1,第2クランプ部130,170間の帯状ワーク10を、引張力F1を付与して塑性領域まで伸長する第2工程を示している。本実施形態では、搬送方向Aにて上流側の第2クランプ部170を、搬送方向Aとは逆向きの方向Bに移動させることで、帯状ワーク10に引張力F1を作用させている。ここで、図3に示す第1工程にて第1,第2クランプ部130,170間の帯状ワーク10の長さをLとすると、図4に示す第2工程では、第1,第2クランプ部間の長さLの帯状ワーク10を長さ(L+ΔL1)に伸長させている。
図5は、帯状ワーク10の荷重−伸び特性を示す図である。帯状ワーク10に引張荷重を作用させると、当初は弾性範囲で伸びが生ずる。弾性範囲では、荷重の作用を解除すると、伸びは零に戻る。本実施形態では、伸びΔL1は塑性範囲に属する。伸び率(100×ΔL1/L)は、例えば0.5%〜2%であり、さらに好ましくは0.5%〜1.5%である。弾性範囲の伸び率は、図5から例えば0.25%程度であるので、弾性範囲を超える塑性範囲での伸び率の下限は0.5%とした。破断に至る伸び率は6.4〜6.7%である。伸び率が2%を超えると、破断に至らない範囲であってもリューダースラインが目立ち易くなり、また、厚さ及び幅も減少して製品企画寸法を確保するのが困難となる。0.5%〜2%の伸び率であれば、厚さ及び幅の減少は1/100mm以下のオーダーである。本実施形態では、L=10m、ΔL1=10cmとし、伸び率(100×ΔL1/L)=1%である。
1.5.引張解除(弾性回復)工程(第3工程)
図6は、第1,第2クランプ部130,170間の帯状ワーク10への引張力F1を解除して、第1,第2クランプ部130,170間の帯状ワーク10に生じた塑性伸び(ΔL1)の一部を弾性回復させる第3工程を示している。図6中のF2は帯状ワーク10から生ずる弾性回復力である。本実施形態では、第1クランプ部130が固定で、第2クランプ部170が可動であるので、弾性回復力F2により第2クランプ部170が戻し移動される。この結果、第3工程では、第1,第2クランプ部130,170間の帯状ワーク10を長さ(L+ΔL2)(ただし、ΔL1>ΔL2>0)に戻すことができる。
図5に示すように、塑性範囲まで伸ばした後に荷重を解除すると、伸びは弾性範囲とほぼ等しい傾きで弾性回復する。第2工程での伸び率(100×ΔL1/L)を例えば0.5%〜2%とすると、第3工程にて得られる永久伸び率(100×ΔL2/L)は、例えば0.15〜1.6%となる。つまり、第3工程では、塑性範囲での伸びΔL1を、例えば0.35〜0.4%だけ弾性回復させて永久伸びΔL2とすることができる。本実施形態では、第2工程にてL=10mの帯状ワーク10をΔL1=10cmとして伸び率1%で引張された後、第3工程の弾性回復により4cm回復してΔL2=6cmとなり、戻り後の永久伸び率(100×ΔL2/L)=0.6%であった。
帯状ワーク10の第1,第2クランプ部130,170間の全長(L)に亘り塑性域に至る引張力が付与されることで、帯状ワーク10に対するそれまでの加工履歴がほぼキャンセルされて一方向に揃った塑性歪が帯状ワーク10に均一に形成される。それにより、圧延時に生じた不均一な内部残留応力や、スリット加工(せん断加工)時に幅方向の両サイドに生じた不均一でアンバランスに分布した内部残留応力は、各部でほぼ一定となり不均一さやアンバランスが殆ど無くなる。結果として、圧延時及び/又は幅寸法加工のためのスリット加工(せん断加工)時に生じたキャンバーや反りやねじれ(うねり)を含む変形が矯正されて長さ方向、幅方向とも真直ぐとなる。図35(C)に示す長さ2m当たりのキャンバー量CがC=1.6mmであった帯状ワーク10は、伸び率0.5%のときに実用上無視できるC=0.92mmまで減少し、伸び率0.75〜2%ではC=0まで矯正することができた。また、帯状ワーク10は塑性変形により加工硬化して硬度も向上することが期待される。
また、図6に示すように、第3工程の終了後にマーキング付与部160が駆動され、帯状ワーク10に2つ目のマーキング部11bが形成される。第2工程〜第3工程の動作は、第1工程での第1,第2クランプ部130,170での後述する引張/解除駆動部によるクランプ動作は継続して実施される。第1,第2クランプ部130,170でのクランプ解除は、マーキング部11bを付与した後に実施することが好ましい。矯正加工状態を維持した状態で、基準位置となるマーキング部11bを付与できるからである。ただし、第1,第2クランプ部130,170でのクランプ解除後に、マーキング部11bを付与してもよい。図6に示すL160は、マーキング部11bを含むピアス代領域の長さを示している。
1.6.長尺板状製品への加工工程
図7〜図10は、長尺板状製品への加工工程を示している。図7ではまず、帯状ワーク10から除去される搬送先端部11Aの長さが、切断部120よりも下流に位置するように、帯状ワーク10が搬送される。このとき、帯状ワーク10の搬送駆動は、四輪駆動ローラー150にて実施することができる。四輪駆動方式により、帯状ワーク10は蛇行せずかつスリップせずに正確に供給される。帯状ワーク10の送り量は、測長ローラー140が帯状ワーク10により回転された回転量から取得することができる。測長ローラー140にて所定の送り量が測長されたら、四輪駆動ローラー150の駆動が停止される。
ここで、図7に示す搬送先端部11Aの長さLsは、マーキング部11aの形成領域L11A、第1クランプ部130による第1クランプ領域L131の総和領域及びマージンを含む長さとされる。図7に示す搬送先端部11Aの長さLsの上流側には、帯状ワーク10のうち塑性加工により矯正された長さL+ΔL2が続いている。
次に、図8に示すように、搬送先端部11Aと第1クランプ領域L131を加えた領域が切断部120により帯状ワーク10から分離される。このとき、少なくとも切断部120が搬送先端部11Aを切断している間は、第1クランプ部130により帯状ワーク10をクランプすることができるが、矯正された長さL+ΔL2の後端から第2クランプ170までの距離は第1クランプ領域L131の長さである。
図8に示す切断工程により、帯状ワーク10の上流側の長さL+ΔL2の領域は、塑性加工により矯正された領域のみとなる。この長さL+ΔL2の領域を用いて、長尺板状製品20(図9参照)が加工される。ここで、図9に示す長尺板状製品20の長さをLpとする。そうすると、L+ΔL2≧Lp×n(ただし、nは自然数)が成立する。
n=1、つまり長さLの帯状ワーク10から長尺板状製品20を1個取りするものでも良い。ただし、nを複数として長さLの帯状ワーク10から長尺板状製品20を複数個取りにするとさらに良い。この理由については後述するが、図9〜図10は、長さLの帯状ワーク10から長尺板状製品20を複数個取りする例を示している。
図9では、帯状ワーク10から分離される最初の長尺板状製品20の長さLpが、切断部120よりも下流に位置するように、帯状ワーク10が搬送される。このとき、帯状ワーク10の搬送駆動は四輪駆動ローラー150にて実施でき、帯状ワーク10の送り量は測長ローラー140の回転量から取得することができる。長尺板状製品20の長さLp分だけ搬送された後に停止され、切断部120により長尺板状製品20が帯状ワーク10から切断され分離される。このとき、帯状ワーク10の矯正された部分の長さはL+ΔL2−Lpであり、その後端から第2クランプ170までの距離はLp+L131である。
以降は、図9の動作が繰り返し行われ、図10では長さL+ΔL2の帯状ワーク10から最後の長尺板状製品20を分離する動作を示している。この冷間加工装置100の制御部(図示せず)は、図9〜図10に示すように切断部120が動作する毎にカウントアップし、予め設定された長尺板状製品20の取り数nに達したか否かが判断される。図10に示す切断動作によりカウント値nに達すると、第4工程が終了する。これにより、第1サイクルが終了する。なお、図2に示す状況に準じ、検出部110にてマーキング部11bを検出したことにより第1サイクルを終了してもよい。
第1サイクルでの第4工程が終了すると、第2サイクルに移行する。第2サイクルでは、図1の初期工程を除いて、第1サイクルと同様にして、図2〜図4及び図6〜図10の動作が実施され、以降、帯状ワーク10が残存する限りサイクル動作が繰り返される。ここで、第2サイクルにて実施される図2の動作自体は第1サイクルと実質的に同じであり、2つ目のマーキング部11bが検出部110にて検出されるまで、帯状ワーク10が先方に送られる。この際、[L+ΔL2−(n×Lp)]の長さの端材が生じた場合、この端材の長さも含めて搬送される。
以上、本発明方法の一実施形態について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、汎用性を考慮すると長尺板状製品20の長さLpは種々様々である。そこで、第1,第2クランプ部130,170間の距離Lを可変して、第1〜第4工程を実施することが好ましい。以下に説明する冷間加工装置では、第1,第2クランプ部130,170間の距離Lを可変することも含め、具体的構成に基づいて第1〜第4工程の実施についてさらに詳細に説明する。また、帯状ワーク10の材質はアルミニュウム−マグネシュウム系合金であるJIS H 4000 アルミニウム板及びアルミニウム合金板のアルミニゥム合金A3004−H14を素材として説明したがこれに限定されるものではなく、破断時の伸び率が概ね8%程度以上の特性を有する非鉄金属であれば、前記規格のA2000、A7000番代を除くA1000、A3000、A4000、A5000、A6000番代のアルミニゥム合金あるいはJIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条の無酸素銅C1020、タフピッチ銅C1100、リン脱酸銅C1201、C1220、C1221や銅合金などに0.5%〜2.0%の塑性域の引張伸びを加えて弾性回復させることにより使用できるものである。
2.帯状ワークの冷間加工装置
図11は、本発明の実施形態に係る装置の全体を概略的に示す正面図である。図11において、図1に示す冷間加工装置100の上流側にワーク供給装置200が連結されている。また、冷間加工装置100は、上流ブロック部300と、下流ブロック部400と、上流及び下流ブロック部300,400間に配置される搬送台500とを含んでいる。
2.1.ワーク供給装置
ワーク供給装置200は、アンコイラー(広義には供給部)210と、フラットローラー220と、バッファー部230とを含むことができる。
アンコイラー210は、図示しないモーターにより図11の矢印B方向に回転駆動され、コイル状に巻回された帯状ワーク10をアンコイルしながら供給する。フラットローラー220は、図12に示すように、所定の圧力で転接される上ローラー221と下ローラー222を含む。上ローラー221及び下ローラー222の少なくとも一方を回転駆動させ、上ローラー221及び下ローラー222間に帯状ワーク10を挟んで供給する。なお、本実施形態では下ローラー222が回転駆動され、上ローラー221は搬送時に下ローラー222により駆動され搬送される帯状ワーク10に圧接される。そのために、上ローラー221は、駆動シリンダー223により下ローラー222に対して接離可能に配置されている。上ローラー221及び下ローラー222は、例えばSKD等の高強度なダイス鋼にて高剛性に形成され、図35(A)に示すように長手方向の端部から見た反りS1が、平坦化するように矯正される。
バッファー部230は、図12に示すように、支点231にて回動自在に支持されたアーム232の自由端部に取り付けられたダンサーローラー233を有する。ダンサーローラー233は、上流側のアンコイラー210でのワーク供給速度と、下流側にある冷間加工装置100でのワーク搬送速度とが一致しない時に、帯状ワーク10のテンションまたはアーム232及びダンサーローラー233の自重により矢印C方向に揺動する。それにより、供給途中の帯状ワーク10を図11に示すように撓ませてバッファリングすることができる。加えて、ダンサーローラー233の高さ位置に基づいて、アンコイラー210を駆動するモーター(図示せず)を制御しても良い。例えば、ダンサーローラー233の高さ位置に応じて抵抗値が変化して、モーターに通電される電流を制御するスライダックス(電流制御器)を設けることができる。ダンサーローラー233の位置が低いと電流が低下してアンコイラー210でのワーク供給速度が遅くなる。こうして、帯状ワーク10やダンサーローラー233が床面に接触することを防止できる。ダンサーローラー233の位置を例えば光学的に検出して、モーターを制御しても良い。
2.2.冷間加工装置の上流ブロック部
図13及び図14は、図11に示す冷間加工装置100の上流ブロック部300の平面図及び正面図である。上流ブロック部300は、基台301上にて、搬送方向Aの上流側から順に、ローラーレベラー310、送りローラー180、第2クランプ部170及びマーキング付与部160を配置して構成されている。
2.2.1.ローラーレベラー
ローラーレベラー310は、帯状ワーク10の搬送経路の上下に配置された一対のローラー311,312を設け、複数対のローラーを側面視で千鳥状に配置している。この点で、ローラーレベラー310は特許文献4と共通の構造を有するが、特許文献4とは異なり非加熱であり、帯状ワーク10を冷間加工している。ローラーレベラー310により、図35(A)に示すように長手方向の端部から見た反りS1や図35(B)に示すねじれ(うねり)Mが矯正される。ただし、第1〜第3工程を実施して塑性域への引張をしないと、これらの変形S1,Mは完全には無くならない。
また、アンコイラー210より巻き出された帯状ワーク10には巻癖が付いている。そこで、この巻癖をローラーレベラー310にて少なくとも一部除去して、送りローラー180に帯状ワーク10を確実に通す(噛み込ませる)ことができるようにしている。
2.2.2.送りローラー
送りローラー180は、所定の圧力で転接される上ローラー181と下ローラー182を含む。上ローラー181及び下ローラー182の少なくとも一方を回転駆動させ、上ローラー181及び下ローラー182間に帯状ワーク10を挟んで搬送・供給する。なお、本実施形態では下ローラー182が回転駆動され、上ローラー181は搬送時に下ローラー182と同時駆動されて搬送される帯状ワーク10を挟持するように圧接される。そのために、上ローラー181は、駆動シリンダー183により下ローラー182に対して接離可能に配置されている。
2.2.3.第2クランプ部及び引張/解除駆動部
第2クランプ部170は、図14及び図15に示すように、ベース盤320上に載置されている。ベース盤320には、引張/解除駆動部として例えば油圧駆動装置(広義には直線駆動部)321が設けられている。油圧駆動装置321は、油圧シリンダー321Aにより進退駆動されるロッド321Bを有する。このロッド321Bに連結された可動盤323が、図13に示す2つのリニアガイド322に沿って移動可能に設けられている。油圧駆動装置321は、図4に示す第2工程を実施する時には、油圧シリンダー321Aの第1油室に油を供給して、第2クランプ部170に引張力F1を付与して、第2クランプ部170を初期位置からΔL1だけ移動させる。図5に示す第3工程を実施する時には、油圧シリンダー321Aの第1油室から油が排出されて、図4に示す引張力F1が解除される。それにより、帯状ワーク10は弾性回復されて、第2クランプ部170は(ΔL1−ΔL2)だけ戻される。さらに、第1,第2クランプ部130,170でのクランプ力が解除された後、油圧シリンダー321Aの第2油室に油が供給されて、第2クランプ部170はΔL2だけ戻され、その後初期位置に復帰される。なお、復帰する時期は、図10に示すように第1サイクル終了後であっても良い。
第2クランプ部170は、図15に示すように、可動盤323に固定された固定クランパー171に対して押圧される可動クランパー(第2押圧部)172を有する。可動クランパー172と固定クランパー171との間の領域(第2クランプ領域)にて帯状ワーク10がクランプされる。可動クランパー172と固定クランパー171との内部には、可動クランパー172と固定クランパー171との間の帯状ワーク10の搬送経路と干渉しない位置に、圧縮コイルスプリングなどの付勢部材324が設けられ、可動クランパー172を上方に移動付勢している。
可動クランパー172に押圧力(第1押圧力)を付与する油圧駆動装置331及びトグル機構340が、可動盤323の上方に固定された取付盤330に載置されている。油圧駆動装置331は、油圧シリンダー331Aにより進退駆動されるロッド331Bを有する。油圧シリンダー331Aは、取付盤330に対して支点軸342により揺動自在に支持されている。トグル機構340は、第1リンク341及び第2リンク345を有する。第1リンク341の一端は、ロッド331Bと連結される。第1リンク341は、油圧シリンダー331A及びロッド331Bと一体で支点軸342を支点として揺動しながら進退する。第1リンク341の他端は、第2リンク345の一端と支点軸343を介して回動自在に連結される。第2リンク345は、支点軸344に回動自在に支持される。ロッド331Bの引張力は、第1リンク341を介して、第2リンク345の作用点となる支点軸343に伝達される。それにより、支点軸344の廻りに回動する第2リンク345は、てこの原理により倍力されて、その力点346にて可動クランパー172を下方に押圧する。それにより、可動クランパー172と固定クランパー171との間の領域(第2クランプ領域)にて帯状ワーク10が強固にクランプされる。その結果、強力な引張力が作用する上述した冷間加工方法の第1〜第3工程に亘って、帯状ワーク10をスリップさせることなく第2クランプ部170により強固に安定してクランプし続けることができる。なお、可動クランパー172と固定クランパー171との間の領域(第2クランプ領域)の帯状ワーク10(図3以降のクロスハッチング部)は、油圧駆動装置331及びトグル機構340より発生する強力なクランプ力により高い加工率の圧縮加工を受けて圧縮残留歪が発生し、長尺板状製品20用としては適さないことも有り得る。
2.2.4.マーキング付与部
マーキング付与部160は、図15に示すように、固定クランパー171の下流端部に穿設された上向きテーパー状のピアス孔162に向けてパンチング駆動されるピアスパンチ161を有する。ピアスパンチ161は、例えば可動クランパー172に沿って昇降可能に支持された昇降ブロック163に固定されている。昇降ブロック163には例えば圧縮コイルスプリング等の付勢部材164が配置され、付勢部材164の下端は、可動クランパー172に固定されたボルト172Aの頭部と当接している。付勢部材164は、昇降ブロック163を可動クランパー172に対して上方に移動付勢させる浮上スプリングとして機能する。その反力として、付勢部材164は可動クランパー172を下方に移動付勢する。ただし、付勢部材164の下向き付勢力は複数の付勢部材324の上向きのトータル付勢力よりも弱い。よって、可動クランパー172又は昇降ブロック163に押圧外力が作用しない限り、可動クランパー172は複数の付勢部材324のトータル付勢力により固定クランパー171より離間されている。
昇降ブロック163に押圧力(第2押圧力)を付与するエアー駆動装置350が、取付盤330に載置され取り付けられている。エアー駆動装置350は、エアシリンダー350Aにより進退駆動されるロッド350Bを有する。ここで、ロッド350Bの後退時には、ロッド350Bの下端と昇降ブロック163の上端との間にはギャップGが確保されている。これにより、エアシリンダー350Aにより前進駆動されるロッド350Bの当初の第1期間のストローク範囲(ギャップGに相当)では、ロッド350Bは昇降ブロック163を押圧しないで空走し、その空走している間に十分に増速される。ロッド350Bの第2期間のストローク範囲で、十分に加速されたロッド350Bが昇降ブロック163に高速で当接すると共にピアスパンチ161を瞬時に高速で押し下げることにより、ピアスパンチ161が帯状ワーク10にピアス(マーキング部)11a,11bを穿孔し形成することができる。
ロッド350Bの第2期間のストローク範囲では、昇降ブロック163の付勢部材164が圧縮されながら、ボルト172Aを介して可動クランパー172を、複数の付勢部材324の付勢力に抗して押し下げる。それにより、ピアスを形成する前からピアス形成中に亘って、帯状ワーク10をクランプすることができる。この場合のクランプ力は、上述した第1〜第3工程での強固なクランプ力は必要がない。よって、第1押圧力を付与する油圧駆動装置331は駆動する必要がなく、マーキングのための駆動力であるエアー駆動装置350での第2押圧力を兼用して、マーキング部形成時に帯状ワーク10をクランプできる。なお、油圧駆動装置331により可動クランパー172を押し下げて帯状ワーク10をクランプしている間に、エアー駆動装置350を駆動してマーキング部を付与しても良い。
2.2.5.クランプ位置調整機構
上述したマーキング付与部160及び第2クランプ部170を搭載した図14及び図15に示すベース盤320には、図13に示すボールねじ軸360に螺合されるボールねじナット部(図示せず)が固定されている。よって、ボールねじ軸360を、図示しないハンドル等によって回転させることで、ベース盤320をボールねじ軸360の長手方向に沿って移動させることができる。図14には、ベース盤320や、油圧駆動装置321に接続されるチューブや配線類370等が、実線で示す位置から一点鎖線で示す位置に移動できることを示している。本実施形態では、ベース盤320の移動ストロークは750mm程度確保されている。
ベース盤320を移動させることで、図11に示す第1,第2クランプ部130,170間の距離(図3等に示す距離L)を可変させることができる。換言すれば、ベース盤320を移動させることで、第2クランプ位置を調整できる。本実施形態では、ベース盤320、ボールねじ軸360、ボールねじナット部(図示せず)、ハンドル(図示せず)及びベース盤320の直線移動案内機構(図示せず)等で、クランプ位置調整機構を構成している。距離Lを可変とすることで、長尺板状製品20の長さLpと個数nに応じて、L>n×Lpを満たす適切な長さLに調整することができる。また、n個の長尺板状製品20を加工することにより生ずる端材の長さ[L+ΔL2−(n×Lp)]を短くすることができる。なお、クランプ位置調整機構は、第1,第2クランプ部130,170を相対的に移動させるものであれば良い。
ここで、n個の長尺板状製品20が得られる矯正加工(第1〜第3工程)後の帯状ワーク10の長さは、(L+ΔL2)である。矯正加工前の帯状ワークの元の長さLは、矯正加工によりΔL2だけ伸長され、n個の長尺板状製品20に対して長さLsの端材の長さがロスとなる(但し、Ls=L11A+L131、L11A=L160、L131=L171とする)。ロス率を100×(Ls−ΔL2)/(L+ΔL2)と定義すると、ロス率<1.4%とすることができる。例えば、L=10m、ΔL2=6cmとすると、Ls=197mmでロス率は1.36%、Ls=183mmでロス率は1.2%、Ls=162mmでロス率は1.0%、Ls=141mmでロス率は0.8%である。
2.3.下流ブロック部
図16及び図17は、図11に示す冷間加工装置100の下流ブロック部400の平面図及び正面図である。下流ブロック部400は、基台401上にて、搬送方向Aの上流側から順に、四輪駆動ローラー150、測長ローラー140、第1クランプ部130、切断部120及び検出部110を配置して構成されている。
2.3.1.四輪駆動ローラー
四輪駆動ローラー150は、上流側に配置される一対の上ローラー151及び下ローラー152と、好ましくは下流側に配置される一対の上ローラー153及び下ローラー154とを含む。4つのローラー151〜154を例えば単一の駆動源157により駆動される全輪駆動ローラーとすることで、上述した通り帯状ワーク10は蛇行せずかつスリップせずに正確に供給される。本実施形態では上ローラー151,153は搬送時に下ローラー152,154に帯状ワーク10を介して圧接される。そのために、上ローラー151,153は、駆動シリンダー155,156により下ローラー152,154に対して接離可能に配置されている。
2.3.2.測長ローラー
長尺板状製品20の長さに切断するための帯状ワーク10の送り量は、測長ローラー140が接している帯状ワーク10により回転された回転量から取得する。測長ローラー140は、上ローラー141と下ローラー142とを含む。本実施形態では上ローラー141は測長時に下ローラー142に帯状ワーク10を介して圧接される。そのために、上ローラー141は、駆動シリンダー143により下ローラー142に対して接離可能に配置されている。測長ローラー140にて所定の送り量が測長されたら、四輪駆動ローラー150の駆動が停止制御される。
2.3.3.第1クランプ部
第1クランプ部130は、第2クランプ部170のベース盤320が可動であった点を除いて、第2クランプ部170と同一の構成を有することができる。つまり、第1クランプ部130は、図17に示すようにベース盤410が基台401に固定され、図13〜図15に示すような可動盤320、油圧駆動装置321、リニアガイド322及びボールねじ軸360等は下流ブロック部400には設けられていない。
第1クランプ部130について、図18を参照して説明する。なお、図18に示す部材のうち、図13〜図15に示した第2クランプ部170と同一機能を有する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。第1クランプ部130には、図18に示すように、ベース盤410に固定された固定クランパー131に対して押圧駆動される可動クランパー132が設けられている。可動クランパー132の押圧駆動機構は第2クランプ部170と同様に構成され、第1クランプ部130にも、油圧駆動装置331及びトグル機構340が設けられている。よって、油圧駆動装置331を駆動してロッド331Bに引張力を作用させ、第1クランプ部130においても可動クランパー132に強固な押圧力(第1押圧力)を付与して、可動クランパー132と固定クランパー131との間の領域(第1クランプ領域)にて帯状ワーク10を強固にクランプすることができる。その結果、強力な引張力が作用する上述した冷間加工方法の第1〜第3工程に亘って、帯状ワーク10をスリップさせることなく第1クランプ部130により強固に安定してクランプし続けることができる。なお、可動クランパー132と固定クランパー131との間の領域(第1クランプ領域)の帯状ワーク10(図3以降のクロスハッチング部)は、油圧駆動装置331及びトグル機構340より発生する強力なクランプ力により高い加工率の圧縮加工を受けて圧縮残留歪が発生し、長尺板状製品20用としては適さないことも有り得る。また、油圧駆動装置331の駆動を解除すると、第1クランプ部130においても第2クランプ部170と同様にして、付勢部材324により可動クランパー132を固定クランパー131から離間させることができる。なお、固定クランパー131には、図15に示すピアス孔162は設けられていないことと、その後端エッジ部が後述する切断刃121との間で帯状ワーク10に対する刃部を形成する点が、第2クランプ部170の固定クランパー171と相違する。
2.3.4.切断部
図18に示す切断部120もまた、第2クランプ部170の下流側に隣接配置されるマーキング付与部160と同様にして、第1クランプ部130の下流側に隣接配置される。切断部120は、以下の2点を除いて、マーキング付与部160と共通の構成を有する。そこで、図18に示す部材のうち、図13〜図15に示したマーキング付与部160と同一機能を有する部材については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。相違点の一つは、マーキング付与部160の昇降ブロック163に固定されるピアスパンチ161に代えて、例えば先端が鋭角な切断刃121を有することである。相違点の他の一つは、切断刃121の移動範囲には切断刃121と干渉する部材が配置されないことである。
そのため、切断部120においても、図18に示すエアシリンダー350Aにより前進駆動されるロッド350Bの当初の第1期間のストローク範囲(ギャップGに相当)では、ロッド350Bは昇降ブロック163を押圧しないで空走し、その空走している間に十分に増速される。ロッド350Bの第2期間のストローク範囲で、十分に加速されたロッド350Bが昇降ブロック163に高速で当接すると共に切断刃121を瞬時に高速で押し下げることにより、切断刃121が帯状ワーク10を瞬時に切断することができる。よって、帯状ワーク10の切り口をシャープに維持することができる。
また、切断部120でもマーキング付与部160と同様にして、切断前から切断中に亘って、切断のための駆動力であるエアー駆動装置350での第2押圧力を兼用し、付勢部材164及びボルト132Aを介して可動クランパー132を押圧して、帯状ワーク10をクランプすることができる。この場合は、可動クランパー132と固定クランパー131との間の領域(第1クランプ領域)の帯状ワーク10は、強力なクランプ力が発生していないので高い加工率の圧縮加工は受けず、従って該領域は圧縮残留歪が殆ど発生しないので長尺板状製品20用として適していてスクラップ化されることはない。
2.3.5.検出部
図17に示す検出部110は、帯状ワーク10に形成されたマーキング部11a,11bを、帯状ワーク10とは非接触にて、例えば光学的に検出する。検出部110は、帯状ワーク10に向け光を出射し、その反射光の光量によりマーキング部11a,11bの有無を検出する。マーキング部11a,11bが存在しないと帯状ワーク10の金属面で反射されるのに対し、マーキング部11a,11bが存在し例えばそれが孔であると、その孔から光が漏れて反射光量は低減する。検出部110は、その反射光量の変化に基づいて、マーキング部11a,11bの有無を検出できる。
なお、検出部110の検出スポットとしては、第2クランプ領域とマーキング部との位置関係と、第1クランプ領域と検出スポットとの位置関係とが一致することが好ましい。こうすると、第1,第2クランプ領域の長さ(面積)が同一であれば、第1クランプ領域と第2クランプ領域とを一致させることができるからである。それにより、端材の長さを短縮することができる。
2.4.搬送台
図11に示す搬送台500は、上流ブロック部300と下流ブロック部400との間に位置する帯状ワーク10の下面を支えるものである。搬送台500は、帯状ワーク10が撓んで床面に接地することを防止するものである。搬送台500の搬送面には、帯状ワーク10との間の摩擦抵抗を低減するための加工や、従動ローラーなどの設備を設けることができる。
2.5.長尺板状製品の形状加工装置
上述した冷間加工方法の第4工程は、長尺板状製品20を長さLp毎に切断するものに限らない。図11に示す冷間加工装置100とオンラインまたはオフラインにて、形状加工装置を設けることができる。
図19及び図20は、長尺板状製品20の形状加工装置600の平面図及び正面図である。形状加工装置600は、基台601上にて、搬送方向Aの上流側に第1プレス部610が、下流側に第2プレス部620が設けられている。第1プレス部610は、固定金型611・613と可動金型612・614を有する。第2プレス部620も、固定金型621・623と可動金型622・624とを有する。
第1,第2プレス部610,620は、長さLpの長尺板状製品20の例えば両端部を所定の形状にプレス加工する。そのプレス加工の一例を、図21(A)(B)及び図22(A)(B)に示す。図21(A)(B)は第1プレス工程後の加工形状を示している。第1工程では、長尺板状製品20の両端(図21(A)は一端のみ示す)が、破線の外形線20A1から実線の外形線20A2となるように切断加工される。同時に、長尺板状製品20の表裏面に貫通する位置決め孔20Bが穿孔・形成される。この第1工程では、図21(A)の矢印I−I線の断面は図21(B)の通りである。
第2工程では、図22(A)の位置決め孔20Bを使用して長尺板状製品20の加工位置が高精度で位置決めされ、次いでII−II線の断面が図22(B)に示すように例えば湾曲加工される。
図19及び図20に示す第1プレス部610では、長尺板状製品20の一端部について上述した第1,第2工程が実施される。第2プレス部620では、長尺板状製品20の他端部について上述した第1,第2工程が実施される。長尺板状製品20の長さLpに合わせて、第1,第2プレス部610,620間の距離が可変である。このために、例えば第1プレス部610が基台601に対して搬送方向Aに沿って移動可能に配置される。そして、図19に示すように搬送方向Aに沿ってボールねじ軸630が設けられ、第1プレス部610にはボールねじ軸630に螺合するボールねじナット部631が固定されている。図19に示すハンドル640によりボールねじ軸630を回転させることで、ボールねじ軸630に沿ってボールねじナット部631が移動して、第1プレス部610の位置を変更できる。
図23は、第1プレス部610にて実施される第1,第2工程の実施手順を示している。第2プレス部620でも第1プレス部610と同一手順でプレス加工が同時に実施される。冷間加工装置100から搬出された長尺板状製品20は、インライン又はオフラインにて形状加工装置600に供給され、図23の矢印A方向により供給される。長尺板状製品20は、ハンドリング装置(図示せず)により保持され、搬送方向AよりポジションP1に供給される。
その後、長尺板状製品20はポジションP1より搬送方向Aに対し直交する方向のポジションP2にハンドリングされて移動する。そして、ポジションP2にて、固定金型611と可動金型612との間で、図21(A)(B)に示す第1工程のプレス加工が実施される。
その後、長尺板状製品20はポジションP2よりポジションP3にハンドリングされて移動する。そして、ポジションP3にて、固定金型613と可動金型614との間で、図22(A)(B)に示す第2工程のプレス加工が実施される。第1,第2工程が実施された長尺板状製品20はポジションP3からポジションP4を経て、形状加工装置600の外部に搬出される。
3.長尺板状製品の具体例
図24は、長尺板状製品20を含む製品例を示している。図24に示す製品は、例えば自動車用エアコンディショナーのラジエターの前方に配置されるコンデンサー700である。コンデンサーは、自動車のキャビンを冷やすことにより吸熱し気化した冷媒を冷却して再び液状に戻すものである。
コンデンサー700は、下側ヘッダーパイプ701、上側ヘッダーパイプ702、2つのサイドシート703,704によって形成される枠の内側に、放熱器コア705が配置されて構成される。ヘッダーパイプ701,702には、それぞれパイプ701A,702Aが連結され、冷媒が供給/排出される。本実施形態の長尺板状製品20は、サイドシート703,704である。
4.フォーミング加工部
図25及び図26は、図11、図13及び図14に示す上流ブロック部300の変形例を示し、フォーミング加工部380を有する上流ブロック部300Aの正面図及び平面図を示している。図25及び図26に示す上流ブロック部300Aは、搬送方向Aに対して送りローラー180よりも下流であって、第2クランプ部170よりも上流に、一つ又は複数のフォーミング加工ローラー390A,390Bを有する。
フォーミング加工ローラー390Aは、所定の圧力で転接される上ローラー391Aと下ローラー392Aを含む(図27も参照)。上ローラー391A及び下ローラー392Aの少なくとも一方を回転駆動させ、上ローラー391A及び下ローラー392A間に帯状ワーク10を挟んでフォーミング加工する。なお、本実施形態では下ローラー392Aが回転駆動され、上ローラー391Aは搬送時に下ローラー392Aと同時駆動されて搬送される帯状ワーク10を挟持するように圧接される。そのために、上ローラー391Aは、駆動シリンダー393Aにより下ローラー392Aに対して接離可能に配置されている。フォーミング加工ローラー390Bも同様に、上ローラー391B、下ローラー392B及び駆動シリンダー393Bを有している。
フォーミング加工部380は、フォーミング加工ローラー390A,390Bにてフォーミング加工される帯状ワークが幅方向に位置ずれすることを防止して搬送ガイドする一対または複数対のガイドローラー394,395をさらに有することができる(図27も参照)。本実施形態では、ガイドローラー394は送りローラー180とフォーミング加工ローラー390Aとの間に設けられ、ガイドローラー395はフォーミング加工ローラー390A,390B間に設けられている。ガイドローラーの数と設置位置についてはこれに限定されない。なお、各々のガイドローラーは図示しない各ステーにベアリングを介して回動自在に固定されている。
図28(A)〜図28(C)は、図27のD−D断面、F−F断面及びH−H断面を示す図である。図28(A)に示す送りローラー180は、上ローラー181と下ローラー182との平坦な周面の間に挟まれる帯状ワーク10を直線搬送する。一方、図28(B)に示すフォーミング加工ローラー390Aは、上ローラー391Aの周面に設けられた例えば環状凸条部391A1と、下ローラー392Aの周面に設けられた例えば環状凹溝部392A1とが対向している。図28(C)に示すフォーミング加工ローラー390Bも、上ローラー391Bの周面に設けられた例えば環状凸条部391B1と、下ローラー392Bの周面に設けられた例えば環状凹溝部392B1とが対向している。だたし、フォーミング加工ローラー390Bの環状凸条部391B1及び環状凹溝部392B1の曲率(曲率半径)は、フォーミング加工ローラー390Aの環状凸条部391A1及び環状凹溝部392A1の曲率(曲率半径)と同一としたり、より大きくあるいはより小さくすることができる。なお、フォーミング加工ローラー390Bに代えて、図36に示す引張ローラー390Cを用い、引張ローラー390Cとフォーミング加工ローラー390Aとの間で帯状ワーク10をわずかに引張ってもよい。また、引張ローラー390Cは、図36に示すように、平坦な周面391C1を有する上ロール391C(フラットロール)と、フォーミング加工ローラー390Aで形成されたリブ部10Aに対する環状逃げ溝392C1を設けた下ロール392C(逃げ溝付ロール)とにより構成してもよい。
図29は、フォーミング加工ローラー390A,390B及びガイドローラー394,395と、それらを通過する帯状ワーク10の平面図である。帯状ワーク10は、フォーミング加工ローラー390Aを通過することで凹リブ10Aが形成され、その後フォーミング加工ローラー390Bを通過することで凹リブ10Bが形成される(図28(B)(C)も参照)。
図30(A)及び図30(B)は、図27のE−E断面及びG−G断面を示す図である。図29、図30(A)及び図30(B)に示すように、ガイドローラー394,395は、帯状ワーク10の両側縁部に転接する一対のローラーにて構成される。なお、いずれのガイドローラー394,395も、送りローラー180により搬送される帯状ワーク10と転接して従動回転する従動ローラーとし、駆動ローラーとする必要は必ずしもない。
ここで、フォーミング加工部380は、第1,第2クランプ部130,170による塑性加工を行う前に、帯状ワーク10の断面二次モーメントを大きくするために、帯状ワーク10の断面形状を変化させるものである。断面二次モーメントとは、曲げモーメントに対する帯状ワーク10の変形のし難さを表した量であり、フォーミング加工により帯状ワーク10の断面二次モーメントを大きくすることで、薄板状の帯状ワーク10の平面度を向上させることができると同時に、曲げ剛性を高めることができる。ここで、図24に示すサイドシート703,704(長尺状製品20)の一方と放熱器コア705との間に放熱フィン(図示せず)が配設される。帯状ワーク10を切断することで得られる長尺状製品20の曲げ剛性が高いと、放熱フィン(図示せず)に対するサイドシート703,704(長尺状製品20)の一方からの押圧力が増大する。なお、フォーミング加工時に帯状ワーク10の幅方向に万一不均一な内部残留応力が生じても、その加工履歴は、その後に実施される第1,第2クランプ部130,170による引張力を付与する塑性加工によりキャンセルされる。それにより、曲げ剛性が高められた帯状ワーク10の塑性歪が一方向に揃えられる。
図31(A)〜図31(E)は、帯状ワーク10の断面二次モーメントを大きくするフォーミング加工例を示す図である。帯状ワーク10に凹リブ10A(10B)を設ける図31(A)の加工例の他に、図31(B)(C)に示すように、凹リブ10A(10B)と共にあるいは単独で帯状ワーク10の両端に曲げ部10Cを形成することができる。あるいは、図31(D)に示すように帯状ワーク10自体を湾曲させ、もしくは図31(E)に示すように帯状ワーク10に複数の凹リブ10A(10B)を設けても良い。
図13及び図14に示す上流ブロック部300に代えて図25及び図26に示すフォーミング加工部380を有する上流ブロック部300Aを採用する場合には、凹リブ10Bを有する帯状ワーク10の形状に合わせて、フォーミング加工部380よりも下流側にて帯状ワーク10を圧接するクランパー形状等を変更する必要がある。図32は、図15に示すI−I断面及び図18に示すJ−J断面を示す図である。第1クランプ部130の固定クランパー131及び可動クランパー132と、第2クランプ部170の固定クランパー171及び可動クランパー172とは、二点鎖線で示す平坦な断面形状から、凹リブ10Bの形状に合わせてその断面形状が凸形状又は凹形状となる直線状の凸条又は凹条を有する形状に変更される。
また、形状加工装置600は、図21(A)の端部切断加工例に代えて、図33に示す端部形状の端部切断加工を実施することができる。図33では、フォーミング加工部380にて凹リブ10Bが形成された長尺板状製品20の長手方向の両端(図33では一端のみ図示)を、実線の外形線20A1から破線の外形線20A3のように湾曲状(図33では円弧状を図示)に切断している。図21(A)に示す切断加工後の外形線20A2は、図24に示すコンデンサー700の下側ヘッダーパイプ701及び上側ヘッダーパイプ702に嵌入される挿入端部の形状である。一方、図33に示す切断加工後の外形線20A3は、図24に示すコンデンサー700の下側ヘッダーパイプ701及び上側ヘッダーパイプ702の外周面に沿って配置される端部形状となる。なお、図33では、フォーミング加工部380にて形成された凹リブ10Bが上面を向くよう長尺板状製品20の表裏を裏返して記載している。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
例えば、第1,第2クランプ部130,170、引張/解除駆動部321の駆動源は油圧に限定されず、切断部120やマーキング付与部160の駆動源もエアーに限定されない。マーキング付与部160は、ピアスを形成するものに限らず、他の形状のマーキング部であってもよく、帯状ワーク10を形状加工するものに限らず、インクジェットなどによりインクを塗布するものなど検出部110にて検出可能なマーキングが付与できればどのような構成のものでも良い。帯状ワーク10を形状加工する場合は、レーザー加工装置を用いても良い。特に、マーキング付与部160は、第2クランプ部170の第2クランプ領域内にマーキング部を付与することができる。こうすると、図6に示すピアス代領域L160を第2クランプ領域外に設ける必要がなく、端材の長さを短くできる利点がある。第2クランプ部170の第2クランプ領域内にマーキング部を付与するには、例えば第2クランプ部170に貫通孔を設け、該貫通孔を貫通してレーザー照射できるレーザー加工装置を配置することができる。この他、第3工程終了後に帯状ワーク10を送り移動して、マーキング付与部160により第2クランプ領域にマーキング部を付与しても良い。
10 帯状ワーク、10A,10B 凹リブ、10C 凸リブ、11A 搬送先端部、11a,11b マーキング部、20 長尺板状製品、100 冷間加工装置、110 検出部、120 切断部、121 切断刃、130 第1クランプ部、131 固定部(固定クランパー)、132 押圧部(可動クランパー)、140 測長部(測長ローラー)、150 搬送部(四輪駆動ローラー)、160 マーキング付与部、163 昇降ブロック、164 付勢部材、170 第2クランプ部、171 固定部(固定クランパー)、172 押圧部(可動クランパー)、180 送りローラー(搬送部)、200 ワーク供給装置、210 アンコイラー(供給部)、220 フラットローラー、230 バッファー部、300,300A 上流ブロック部、310 レベラーローラー、320 ベース盤、321 引張/解除駆動部(油圧駆動装置)、350A エアシリンダー、350B ロッド、360 ボールねじ、320,360 クランプ位置調整機構、380 フォーミング加工部、390A,390B フォーミング加工ローラー、394,395 ガイドローラー、400 下流ブロック部、500 搬送台、A 搬送方向、G ギャップ、L 第1,第2クランプ部間の帯状ワークの長さ、Lp 長尺板状製品の長さ、Ls 搬送先端部の長さ、ΔL1 塑性伸び、ΔL2 弾性回復後の永久伸び

Claims (20)

  1. 帯状ワークを、前記帯状ワークの長手方向に沿った搬送方向に搬送する第N(Nは整数)サイクルと第(N+1)サイクルとの各々が、前記帯状ワークの搬送先端部の少なくとも一部を含む第1クランプ領域を第1クランプ部によりクランプし、前記搬送方向の上流側にて前記帯状ワークの第2クランプ領域を第2クランプ部によりクランプする第1工程と、
    前記第1クランプ部に対して前記第2クランプ部を前記搬送方向とは逆方向に移動させて、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを、引張力を付与して塑性領域まで伸長する第2工程と、
    前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークへの前記引張力を解除して、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークに生じた塑性伸びの一部を弾性回復させる第3工程と、
    その後、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを長尺板状製品に加工する第4工程と、
    を有し、
    前記Nサイクルの前記第1工程にて前記第2クランプ部によりクランプされていた前記第2クランプ領域を、前記第(N+1)サイクルの前記第1工程の前に検出して、前記第(N+1)サイクルの前記第1工程にて前記第1クランプ部によりクランプされる前記第1クランプ領域にオーバーラップさせ、
    前記第Nサイクル及び前記第(N+1)サイクルの前記第4工程では、前記第1及び第2クランプ部でのクランプ力を解除した後に前記帯状ワークを搬送し、前記搬送先端部を前記帯状ワークから除去する先端除去工程を含むこと特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2工程では、前記第1,第2クランプ部間の長さLの前記帯状ワークを長さ(L+ΔL1)に伸長させ、
    前記第3工程では、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを長さ(L+ΔL2)(ただし、ΔL1>ΔL2>0)に戻すことを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第Nサイクルの前記第4工程よりも前に前記帯状ワークにマーキング部を付与する工程をさらに有し、
    前記第(N+1)サイクルの前記第1工程の前に、前記マーキング部を位置検出して前記帯状ワークを搬送停止させて、前記第1クランプ部での前記第1クランプ領域を設定することを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  4. 請求項3において、
    前記先端除去工程にて前記帯状ワークから除去される前記搬送先端部は、前記第1クランプ領域及び前記マーキング部を含むことを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  5. 請求項4において、
    前記マーキング部は、前記第2クランプ領域内に形成されることを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  6. 請求項2において、
    前記長尺板状製品の長さをLpとしたとき、L>Lp×n(nは自然数)であり、
    前記第4工程は、前記長さLの帯状ワークをn個の前記長尺板状製品に分離する工程を含むことを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  7. 請求項2において、
    前記長尺板状製品の長さを変更する時に、前記第1,第2クランプ部の少なくとも一方の位置を調整して、前記第1,第2クランプ部間の前記長さLを変更する工程をさらに有することを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  8. 請求項2において、
    前記長尺板状製品の長さをLpとしたとき、L>Lp×n(nは2以上の整数)であり、
    前記先端除去工程にて前記帯状ワークから除去される前記搬送先端部の長さをLsとしたとき、100×(Ls−ΔL2)/(L+ΔL2)<1.4%であることを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  9. 請求項2において、
    100×ΔL1/Lで計算される塑性伸びが0.5%〜2%であることを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、
    前記第1工程〜前記第3工程の前に、前記帯状ワークの断面二次モーメントを大きくするフォーミング加工工程をさらに有することを特徴とする帯状ワークの冷間加工方法。
  11. 帯状ワークの長手方向に沿った搬送方向に前記帯状ワークを搬送する搬送部と、
    前記帯状ワークの搬送先端部の少なくとも一部を含む第1クランプ領域をクランプする第1クランプ部と、
    前記第1クランプ部よりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記帯状ワークの第2クランプ領域をクランプする第2クランプ部と、
    前記第1クランプ部に対して前記第2クランプ部を前記搬送方向とは逆方向に移動させて、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを、引張力を付与して塑性領域まで伸長させ、前記引張力を解除して、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークに生じた塑性伸びの一部を弾性回復させる引張/解除駆動部と、
    前記第1クランプ部よりも前記搬送方向の下流側に配置され、前記第1及び第2クランプ部でのクランプ力が解除された後に前記搬送部により搬送された前記帯状ワークの前記搬送先端部を切断して除去する切断部と、
    前記第2クランプ部によりクランプされていた前記帯状ワークの前記第2クランプ領域を検出する検出部と、
    を有し、
    前記搬送部は、前記引張/解除駆動部にて前記引張力が解除され、かつ、前記第1,第2クランプ部でのクランプ解除後に駆動され、前記検出部からの出力に基づいて停止されて、前記検出部にて検出された前記第2クランプ領域と、前記第1クランプ部によりクランプされる前記第1クランプ領域とがオーバーラップされることを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  12. 請求項11において、
    前記引張/解除駆動部は、前記第1,第2クランプ部間の長さLの前記帯状ワークを長さ(L+ΔL1)に伸長させ、その後、前記第1,第2クランプ部間の前記帯状ワークを長さ(L+ΔL2)(ただし、ΔL1>ΔL2>0)に戻すことを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  13. 請求項11または12において、
    前記搬送部は、前記第1,第2クランプ部の間に配置され、前記帯状ワークを挟んで上下に配置された一対の駆動ローラーを、前記搬送方向に沿って複数対配置した全輪駆動ローラーを含むことを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項において、
    前記第2クランプ領域と一定の位置関係にある領域にて前記帯状ワークにマーキング部を付与するマーキング付与部をさらに有し、
    前記検出部は、前記マーキング部を検出することを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  15. 請求項14において、
    前記マーキング付与部は、前記第2クランプ領域内に前記マーキング部を付与することを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  16. 請求項12において、
    尺板状製品の長さをLpとしたとき、L>Lp×n(nは自然数)であって、前記長尺板状製品の長さLpを測長する測長部をさらに有し、
    前記切断部は、前記測長部により測長された長さLp毎に前記帯状ワークを切断してn個の前記長尺板状製品に分離すことを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  17. 請求項12において、
    前記第1,第2クランプ部の少なくとも一方の位置を調整して、前記第1,第2クランプ部間の前記長さLを変更するクランプ位置調整機構をさらに有することを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  18. 請求項11〜15のいずれか一項において、
    前記第1クランプ部は、第1押動力により駆動されて前記第1クランプ領域にて前記帯状ワークを押圧する押圧部を含み、
    前記切断部は、
    前記押圧部の側面に沿って昇降案内され、切断刃を備えた昇降ブロックと、
    伸長状態にて前記昇降ブロックを上限位置に維持し、第2押圧力が前記昇降ブロックに作用した時に圧縮状態にて前記昇降ブロックと前記押圧部とを一体的に移動させる付勢部材と、
    を含むことを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  19. 請求項18において、
    前記切断部は、前記第2押圧力を発生させるエアシリンダー及びロッドを含み、前記ロッドと前記昇降ブロックとの間にはギャップが設けられていることを特徴とする帯状ワークの冷間加工装置。
  20. 請求項11〜19のいずれか一項において、
    前記搬送方向にて前記第2クランプ部よりも上流側に設けられ、前記帯状ワークの断面二次モーメントを大きくするフォーミング加工部をさらに有することを特徴とする冷間加工装置。
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