JP5623169B2 - 異形断面銅合金条の製造方法 - Google Patents

異形断面銅合金条の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5623169B2
JP5623169B2 JP2010165871A JP2010165871A JP5623169B2 JP 5623169 B2 JP5623169 B2 JP 5623169B2 JP 2010165871 A JP2010165871 A JP 2010165871A JP 2010165871 A JP2010165871 A JP 2010165871A JP 5623169 B2 JP5623169 B2 JP 5623169B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper alloy
section
flat
thick
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010165871A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012024813A (ja
Inventor
櫻井 健
健 櫻井
▲すくも▼田俊緑
俊緑 ▲すくも▼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Shindoh Co Ltd filed Critical Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Priority to JP2010165871A priority Critical patent/JP5623169B2/ja
Publication of JP2012024813A publication Critical patent/JP2012024813A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5623169B2 publication Critical patent/JP5623169B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
    • B21B27/02Shape or construction of rolls
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geometry (AREA)

Description

本発明は異形断面銅合金条の製造方法に関し、特に詳しくは、材料ロスにより歩留まりを低下させることがなく、設備費の増大等を招くことがなく、仕上げ圧延工程を必要とせず、厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下に成形することができる異形断面銅合金条の製造方法に関する。
周知のように、例えば、LEDやパワートランジスタ等のリードフレームや基板に、銅合金等の金属からなる異形断面条が用いられている。この異形断面条を製造する場合は、通常、平板状銅合金材を圧延して厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面成形材を形成する粗圧延工程と、その粗圧延工程にて形成された異形断面成形材を調質し、或いは、異形断面成形材に耐熱性を付与する為の焼鈍工程と、その焼鈍された異形断面成形材の寸法精度を上げ製品とする為の仕上げ圧延工程とを有する。
一般的には、粗圧延或いは仕上げ圧延工程では、一組のロールの一方を複数の大径部と小径部とが交互に並べられた段付きロールとし、他方を平ロールとして、これらロールの間に平板状銅合金材を送り込んで圧延することにより、大径部によって成形される薄肉部と小径部によって成形される厚肉部とを有する異形断面条が製造されている。
このような異形断面条の成形において、大径部の両側面は適宜角度の傾斜面とされている。この場合、この傾斜面と小径部表面との間の角部に材料が十分に充満する必要があるが、幅方向の両端部(条の両側部)では、材料が自由端である端縁に流れ易いため、その端縁に近い位置の厚肉部では、ロールの小径部の表面と大径部の傾斜面とのなす形状と一致せず、幅方向の中央部の厚肉部に比べ、角部がだれた形状になり易く、成形時の歪みの発生もおき易くなっている。
このような問題を解決するため、特許文献1、特許文献2記載の技術がある。
特許文献1に記載の技術では、複数個の大径部を同じ断面形状で並べた段付きロールとし、幅方向の最も両端位置に、中央部の厚肉部とその両側の薄肉部との間の傾斜面と同じ角度の傾斜面で薄肉部から連続する端部側厚肉部を形成することにより、この端部側厚肉部では材料の充満が不十分となるが、製品となる中央部の厚肉部では十分に材料を充満させることができるようにしている。
特許文献2に記載の技術では、ロールの幅方向の両端部に、材料のメタルフローを規制するために、端部側の厚肉部の断面積を中央部の厚肉部の断面積のほぼ1/2とする位置に、薄肉部形成用の凸条部(大径部)よりも高いメタルフロー規制用凸条部と、このメタルフロー規制用凸条部に対応する凹条部とを配置することにより、このメタルフロー規制用凸条部と凹条部との間では圧延が行われないようにして、材料の流れ込みが生じないようにしている。
また、半導体用リードフレーム材等の製造時に発生する廃棄物(ニッケルめっき付銅合金屑等)を利用した銅合金材を使用して、異形断面成形材を安価に製造する技術が特許文献3に開示されている。
特許文献3に記載の技術は、鋳塊から板厚方向に一定の厚さを有する平板を製造し、その平板を異形ロールにより冷間圧延して、板幅方向に厚さの異なる異形断面銅合金板を製造するに当たり、異形ロールによる冷間圧延の中間又は最終で一度も焼鈍を行わずに、高耐熱性を有し、かつ高導電性及び優れた曲げ加工性を有する異形断面銅合金板を得ており、薄肉部の冷間加工率は30〜90%である。Ni:0.03〜0.5質量%、P:0.01〜0.2質量%を含有し、NiとPとの質量比であるNi/Pが2〜10であり、残部銅及び不可避不純物からなる銅合金を用い、望ましくはSn:0.005〜0.5%又は/及びFe:0.005〜0.20%を含み、必要に応じてZn:0.005〜0.5%を含む。
特開平6−328153号公報 特開平7−39979号公報 特開2007−39735号公報
特許文献1記載の技術では、端部側厚肉部は材料が十分に充満しないため使用できない部分であり、その分、材料にロスが生じて歩留まりが悪かった。
特許文献2記載の技術も、メタルフロー規制用凸条部と凹条部とで成形した部分は、使用に供される部分ではないため、特許文献1記載の技術と同様に、材料ロスとなって歩留まりを低下させるとともに、メタルフローを生じさせないように成形することが難しく、また、二つのロールともが段付き形状となるため、設備費がかさむ問題も生じていた。
特許文献3記載の技術では、異形断面成形材時の焼鈍工程は省けるが、寸法精度に若干問題があり、仕上げ圧延工程を省くことは出来なかった。
本発明は、材料ロスにより歩留まりを低下させることがなく、設備費の増大等を招くことがなく、仕上げ圧延工程を必要とせず、厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下に成形することができる異形断面銅合金条の製造方法を提供する。
特に、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有する銅合金材を使用することにより、仕上げ圧延工程を必要とせず、焼鈍工程も必要としない、厚み方向の寸法精度を±0.003mm以下に成形する異形断面銅合金条の製造方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、厚肉部が充満不十分となるのは、材料が幅方向の両端方向に逃げるようにメタルフローするからであり、これを解決するために、逃げる分に対応して、材料を適切に逆に両端部から厚肉部に寄せるように流動させてやれば、厚肉部のだれや薄肉部の変形を防止でき、寸法精度を上げる為の仕上げ圧延工程を省略しても、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下に成形可能であることを見出した。
また、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有する銅合金材に本発明の加工方法を適用することにより、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.003mm以下に成形可能であることを見出した。この場合、銅合金材自体に耐熱性があるので、異形断面条に耐熱性を付与する為の焼鈍工程は当然不要となる。
これらの知見より、本発明の異形断面銅合金条の製造方法は、複数の大径部と小径部とが交互に並んだ段付きロールと、該段付きロールと平行に配置した平ロールとの間で平板状銅合金材を圧延して、複数の厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面銅合金条を製造する方法であって、前記段付きロールと平ロールとの間で前記平板状銅合金材を圧延するに際し、前記平板状銅合金材の幅方向の両端部に、前記段付きロールの小径部により厚肉部を形成しつつ、前記小径部から突出する凸条部により、前記厚肉部の端縁部の少なくとも一部を幅方向の内方に向けて押圧加工を施し、当該厚肉部の厚さTを0.5〜0.8mmとし、前記厚肉部の端縁部を押圧加工して形成される端縁溝部により残る厚さT1が、T1=0.3×T〜0.9×Tの範囲に設定され、前記厚肉部に隣接する前記薄肉部の厚さT2が、T2=0.20×T〜0.85×Tの範囲に設定され、前記端縁溝部を有する厚肉部の側面と半径方向に沿う垂線とのなす角度θが、θ=0〜60°の範囲に設定され、仕上げ圧延工程を必要とせず、厚み方向の寸法精度が±0.005mm以下であることを特徴とする。
T1が0.3×T未満であると、厚み方向の寸法精度が低下すると共にねじれ変形が起き、0.9×Tを超えると、メタルフローを抑制する効果が薄れて厚み方向の寸法精度が低下する。
T2が0.20×T未満であると、厚み方向の寸法精度が低下すると共にねじれ変形が起き、0.85×Tを超えると、メタルフローを抑制する効果が薄れて、角部にダレが起き易く、厚み方向の寸法精度が低下する。
角度θが60°を超えると、メタルフローを抑制する効果が薄れて角部のだれがおき易くなり、厚み方向の寸法精度も低下する。
特に、Tが0.5〜0.8mmの範囲内であると、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下にて成形可能となり、Tがこの範囲内を外れると、異形断面条の厚み方向の寸法精度が±0.008mm程度まで低下する傾向が見られる。
更に、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下にて成形可能となるので、寸法精度を上げる為の仕上げ圧延工程を省略することができる。
更に、本発明の異形断面銅合金条の製造方法は、前記平板状銅合金材が、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする。
この成分組成の平板状銅合金材は、特に本発明の異形断面銅合金条の製造方法と非常に相性が良く、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.003mm以下にて成形可能となる。特に、Tが0.5〜0.8mmであるとよく、Tがこの範囲内を外れると、異形断面条の厚み方向の寸法精度が±0.005mm程度まで低下する傾向が見られる。
また、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.003mm以下にて成形可能となるので、寸法精度を上げる為の仕上げ圧延工程を省略することができ、平板状銅合金材がNi;0.01〜0.050質量%を含有しているので耐熱性を有しており、異形断面条に耐熱性を付与する為の焼鈍工程も不要となる。
更に、本発明の異形断面銅合金条の製造方法は、前記平板状銅合金材の製造原料の一部として、半導体用リードフレーム材等の製造時に発生する廃棄物から得られるニッケルめっき付き銅合金を使用することを特徴とする。
Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成の平板状銅合金材を製造する際のNiの供給源として、半導体用リードフレーム材等の機械加工時に発生するNiめっき付き銅合金屑を使用することにより、廃棄物のリサイクルが図れ、製造コストも低減することになる。
本発明は、材料ロスにより歩留まり低下させることがなく、設備費の増大等を招くことがなく、仕上げ圧延工程を必要とせず、厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下に成形することができる異形断面銅合金条を製造することができる。
本発明に係る異形断面銅合金条の製造方法の一実施形態において用いられる段付きロールと平ロールとの間で平板状銅合金材を圧延している状態を示す斜視図である。 図1の段付きロールと平ロールとの圧延部分を示す縦断面図である。 図1の段付きロールの正面図である。 一実施形態の方法で製造された異形断面銅合金条の縦断面図であり、(a)が圧延後の状態、(b)が圧延後に両端縁部を切り落とした状態を示す。 段付きロールの凸条部についての変形例を示す部分断面図である。
次に本発明の実施形態につき図を参照に説明する。
本実施形態では、図1に示す製造装置を使用することが好ましい。
この製造装置は、図1に示すように、段付きロール1と平ロール2とを備えている。段付きロール1は、半径R1とされた複数の大径部3と、半径R2とされた複数の小径部4とが幅方向に交互に並んだ形状とされ、平ロール2は、幅方向にわたって均一な半径R3とされることにより、外周面が凹凸のない平坦な円周面とされている。これら両ロール1,2は、その間に間隙を開けて両軸線P1,P2を平行にして配置され、図示略の駆動機構によって回転駆動される構成とされている。これら段付きロール1と平ロール2との間に平板状銅合金材5を通すことにより、段付きロール1の大径部3と小径部4とに対応して、薄肉部6と厚肉部7とが幅方向に並んだ異形断面条8が形成されるようになっている。
段付きロール1は、図示例では3個の大径部3が小径部4を介して幅方向に並んで配置され、両端部が小径部4とされている。各大径部3は、その外周面が軸線P1方向に平行に形成され、図2及び図3に示すように、両側面11が半径内方に向かうにしたがって漸次大径部3の幅を大きくするように半径方向に対して所定の角度で傾斜した傾斜面とされ、また、小径部4は、その外周面が軸線P1方向に平行に形成されている。したがって、小径部4の外周面と大径部3の側面11との間の角部のなす角度は90°よりも大きく、また、大径部3の外周面と側面11との間の角部のなす角度も90°より大きく形成されており、大径部3は台形状の断面となるように形成されている。さらに、大径部3の外周面と側面11との間は例えば0.05〜0.2mmの曲率半径r1で面取り加工されている。
また、この段付きロール1の両端部の小径部4には、大径部3の半径R1より小さいが小径部4の半径R2より大きい半径R4を有し、小径部4から若干の高さで突出する凸条部12が形成されている。この凸条部12は、平板状銅合金材5の幅方向両端部に形成される厚肉部7の端縁部を押圧加工するようになっている。
この場合、凸条部12は、段付きロール1の幅方向内方に位置する側縁部で平板状銅合金材5を押圧加工するようになっており、その部分の側面13は、半径方向内方に向かうにしたがって隣接する大径部3の側面11に近づくように、半径方向に対して所定の角度で傾斜した傾斜面とされ、この側面13と外周面との間の角度が90°よりも大きく形成されている。また、その傾斜面13と外周面との間は0.1〜0.2mmの曲率半径r2で面取り加工されている。
次に、このように構成した製造装置によって平板状銅合金材5から異形断面条8を製造する方法について説明する。
平板状銅合金材5は、銅を97.0質量%以上含有し、Fe、P、Mg、Zn、Si、Ni、Sn、Zr等の金属を少なくとも一種以上含み、他が不可避不純物である組成の厚さ0.6〜1.0mmの銅合金材を用途に応じて適宜選択することが好ましい。
具体的には、三菱伸銅(株)製の商品名OFC、TC、C151、TAMAC194、TAMAC4、TAMAC2、DC1B、ZC、MZC1等の銅合金条であり、強度と導電率のバランスの優れた、Cu−Fe−P系のTAMAC194、TAMAC4、TAMAC2、或いは、Cu−Zr系のZC、MZC1を適用するのが好ましい。
更に、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有する銅合金材を適用するのが特に好ましい。
図1に示すように、段付きロール1と平ロール2との間に平板状銅合金材5を通過させて圧延すると、段付きロール1の大径部3によって薄肉部6が形成され、小径部4によって厚肉部7が形成され、これら薄肉部6と厚肉部7とが幅方向に交互に並んだ異形断面銅合金条8が形成される。
この場合、図2に示すように、平ロール2の上で段付きロール1の大径部3によって平板状銅合金材5が圧縮されることにより、この平板状銅合金材5が異形断面条8に変形される過程で、大径部3に押圧される部分には破線矢印に示すようにメタルフローが生じる。このうち、大径部3の外周面で押圧される部分では、この大径部3の外周面と平ロール2との間の薄い部分から、隣接する小径部4と平ロール2との間の厚い部分へ回り込むように材料が流動し、また、大径部3の側面11で押圧される部分では、この側面11が傾斜面であることから、この大径部3に小径部4を介して隣接する他方の大径部3に向けて材料が流動する。このようなメタルフローにおいて、小径部4の両側に大径部3が配置されている部分、例えば図2の右側半分の部分では、両大径部3の間で、その一方の大径部3から他方の大径部3に向けて材料が相互に押圧されるので、大径部3と小径部4との間で形成される溝状部分に緊密に材料が充満して、精度よく厚肉部7を形成することができる。
一方、段付きロール1の両端部に位置する小径部4の部分(図2の左側半分の部分)では、その内側の大径部3の側面11によって材料が押圧されるので、凸条部12がなければ外側に材料が逃げてしまい、大径部3と小径部4との間に鎖線で示すような欠肉部Aが生じることになるが、凸条部12が平板状銅合金材5の端縁部を押圧することにより、図2に実線矢印で示したように、この凸条部12の外周面と平ロール2との間で材料が、小径部4と平ロール2との間に回り込むように流動し、また、凸条部12の内側の側面13は傾斜面であるので、この側面13が小径部4を介して隣接する大径部3に向けて材料を押圧する。
この際に、平板状銅合金材5の端縁部を押圧加工して形成される端縁溝部14(図4参照)により残る厚さT1が、厚肉部7の厚さをTとするとき、T1=0.3×T〜0.9×Tの範囲に設定され、厚肉部7に隣接する薄肉部6の厚さをT2するとき、T2=0.20×T〜0.85×Tの範囲に設定され、押圧加工されている端縁溝部14を有する厚肉部7の側面(厚肉部7と薄肉部6との間の傾斜面)7aと半径方向に沿う垂線とのなす角度θをθ=0〜60°(厚肉部7の外周面と側面7aとのなす角度では90〜150°)の範囲に設定することにより、幅方向の両端部では、段付きロール1の大径部3の側面11と小径部4の外周面との間に形成される角部にも緊密に材料が充満し、前述したような欠肉部Aの発生を確実に防止し、精度よく厚肉部7を形成し、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下とすることができる。したがって、その後の仕上げ圧延工程及び焼鈍工程は不要である。
T1が0.3×T未満であると、厚み方向の寸法精度が低下すると共にねじれ変形が起き、0.9×Tを超えると、メタルフローを抑制する効果が薄れて厚み方向の寸法精度が低下する。
T2が0.20×T未満であると、厚み方向の寸法精度が低下すると共にねじれ変形が起き、0.85×Tを超えると、メタルフローを抑制する効果が薄れて、角部にダレが起き易く、厚み方向の寸法精度が低下する。
角度θが60°を超えると、メタルフローを抑制する効果が薄れて角部のだれがおき易くなり、厚み方向の寸法精度も低下する。
更に、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有する銅合金材を適用すれば、異形断面条の厚み方向の寸法精度を±0.003mm以下とすることができる。
なお、この幅方向両端部の厚肉部7の端縁部には、凸条部12によって押圧加工されることにより、図4(a)に示すように若干窪んだ端縁溝部14が形成されるが、この端縁溝部14の部分は図4(b)に示すように切り落としてもよいし、0〜3mmの範囲で残しておいてもよい。
幅50mmで厚さ1.0mmの三菱伸銅(株)TAMAC194銅合金材(質量にてCu:97.0%以上、Fe:2.3%、P:0.03%、Zn:0.12%)を使用し、図1に示す製造装置を使用して、本発明の製造方法にて、厚肉部の厚さT、厚肉部の端縁部を押圧加工して形成される端縁溝部により残る厚さT1、薄肉部の厚さT2、押圧加工されている端縁溝部を有する厚肉部の側面と半径方向に沿う垂線とのなす角度θを表1の様に変えて、厚肉部の幅が1.0mm、薄肉部の幅が4.0mmの異形断面条を製造し、この異形断面条に仕上げ圧延工程を施さずに、厚肉部及び薄肉部の厚さの加工精度を測定した。また、比較例として、T、T1、T2、θを表1に示すように変えた異形断面条を製造して、同様に加工精度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005623169
表1から明らかな様に、本発明の製造方法により製造された異形断面銅合金条は、仕上げ圧延をすることなく、厚み方向の寸法精度が±0.005mm以下となることがわかる。
表面にNiめっきがなされた銅合金屑をNi源として、一般的な手法、例えば、銅合金鋳塊を加熱又は均質加熱処理した後に熱間圧延し、熱間圧延後の板を水冷し、冷間圧延を行い、焼鈍を行うことにより製造された、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.050質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有する銅合金材を使用し、図1に示す製造装置を使用して、本発明の製造方法にて、厚肉部の厚さT、厚肉部の端縁部を押圧加工して形成される端縁溝部により残る厚さT1、薄肉部の厚さT2、押圧加工されている端縁溝部を有する厚肉部の側面と半径方向に沿う垂線とのなす角度θを表2の様に変えて、厚肉部の幅が1.0mm、薄肉部の幅が4.0mmの異形断面条を製造し、この異形断面条に仕上げ圧延工程及び焼鈍工程を施さずに、厚肉部及び薄肉部の厚さの加工精度を測定した。また、比較例として、T、T1、T2、θを表2に示すように変えた異形断面条を製造して、同様に加工精度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005623169
表2から明らかな様に、本発明の製造方法により製造された異形断面銅合金条は、仕上げ圧延をすることなく、厚み方向の寸法精度が±0.003mm以下となることがわかる。
更に、実施例2−1〜2−6の異形断面銅合金条の薄肉部から試料を切り出し、400℃で5分間の加熱を行い、その前後でビッカース硬さ(Hv)を測定した。ビッカース硬さの測定は、マイクロビッカース硬度計にて、4.9N(0.5kgf)の加重を加えて行った。
その結果を表3に示す。
Figure 0005623169
表3から明らかな様に、本発明の製造方法により製造された異形断面銅合金条は、十分な耐熱性を有していることがわかり、耐熱性を付与するための焼鈍処理が不要であることがわかる。
これらの結果より、本発明の製造方法により、材料ロスにより歩留まりを低下させることがなく、設備費の増大等を招くことがなく、仕上げ圧延工程を必要とせず、厚み方向の寸法精度を±0.005mm以下に成形された異形断面銅合金条を得られることがわかる。
以上、本発明の実施形態の製造方法について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、凸条部12に、その側面13と外周面との間の角部を若干の曲率半径r2で面取りしたが、図7に示す段付きロール21の凸条部22のように、曲率半径r3をさらに大きくして、断面が凸円弧面となる側面23としてもよい。
要は、凸条部は、段付きロールの幅方向内方に向く側面が、その外周端から半径方向内方に向かうにしたがって隣接する大径部の側面に漸次近づく方向に傾斜している形状であればよく、平坦面、凸円弧面のいずれでもよい。
また、厚肉部と薄肉部との数や寸法等は図示例に限定されるものではなく、複数の厚肉部どうし、薄肉部どうしの厚さや幅をそれぞれ同じ寸法に設定してもよいし、それぞれ異なる寸法に設定したものとしてもよい。
1 段付きロール
2 平ロール
3 大径部
4 小径部
5 平板状銅合金材
6 薄肉部
7 厚肉部
7a 側面
8 異形断面銅合金条
11 側面(傾斜面)
12 凸条部
13 側面(傾斜面)
14 溝状部
21 段付きロール
22 凸条部
23 側面(傾斜面)

Claims (3)

  1. 複数の大径部と小径部とが交互に並んだ段付きロールと、該段付きロールと平行に配置した平ロールとの間で平板状銅合金材を圧延して、複数の厚肉部と薄肉部とが幅方向に並んだ異形断面銅合金条を製造する方法であって、前記段付きロールと平ロールとの間で前記平板状銅合金材を圧延するに際し、前記平板状銅合金材の幅方向の両端部に、前記段付きロールの小径部により厚肉部を形成しつつ、前記小径部から突出する凸条部により、前記厚肉部の端縁部の少なくとも一部を幅方向の内方に向けて押圧加工を施し、当該厚肉部の厚さTを0.5〜0.8mmとし、前記厚肉部の端縁部を押圧加工して形成される端縁溝部により残る厚さT1が、T1=0.3×T〜0.9×Tの範囲に設定され、前記厚肉部に隣接する前記薄肉部の厚さT2が、T2=0.20×T〜0.85×Tの範囲に設定され、前記端縁溝部を有する厚肉部の側面と半径方向に沿う垂線とのなす角度θが、θ=0〜60°の範囲に設定され、仕上げ圧延工程を必要とせず、厚み方向の寸法精度が±0.005mm以下であることを特徴とする異形断面銅合金条の製造方法。
  2. 前記平板状銅合金材が、Fe;0.05〜0.15質量%、P;0.015〜0.050質量%およびZn;0.01〜0.20質量%、Ni;0.01〜0.50質量%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1に記載の異形断面銅合金条の製造方法。
  3. 前記平板状銅合金材の製造原料の一部として、半導体用リードフレーム材等の製造時に発生する廃棄物から得られるNiめっき付き銅合金を使用することを特徴とする請求項2に記載の異形断面銅合金条の製造方法。
JP2010165871A 2010-07-23 2010-07-23 異形断面銅合金条の製造方法 Active JP5623169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010165871A JP5623169B2 (ja) 2010-07-23 2010-07-23 異形断面銅合金条の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010165871A JP5623169B2 (ja) 2010-07-23 2010-07-23 異形断面銅合金条の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012024813A JP2012024813A (ja) 2012-02-09
JP5623169B2 true JP5623169B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=45778403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010165871A Active JP5623169B2 (ja) 2010-07-23 2010-07-23 異形断面銅合金条の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5623169B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103801560B (zh) * 2014-01-23 2016-06-01 中冶华天工程技术有限公司 二辊可逆轧机采用连铸圆坯轧制生产的轧辊装置及工艺
JP6683093B2 (ja) * 2016-09-27 2020-04-15 日本製鉄株式会社 凸条付き溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法と、ホットスタンプ成形体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3585547B2 (ja) * 1994-12-05 2004-11-04 日新製鋼株式会社 異形断面帯材の製造方法及び突条付きロール
JP3962751B2 (ja) * 2004-08-17 2007-08-22 株式会社神戸製鋼所 曲げ加工性を備えた電気電子部品用銅合金板
JP5138170B2 (ja) * 2006-02-12 2013-02-06 三菱伸銅株式会社 銅合金製塑性加工材及びその製造方法
JP5210714B2 (ja) * 2008-06-03 2013-06-12 三菱伸銅株式会社 異形条材の製造方法及び異形条材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012024813A (ja) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI574809B (zh) A punching processing method, a punching processing apparatus, and a laminated core manufacturing method
WO2010090352A1 (ja) 熱間圧延用チタン素材およびその製造方法
CN104191166A (zh) 一种铝合金高筒薄壁环件的轧制成形方法
JP6608675B2 (ja) 放熱板およびその製造方法
JP4780601B2 (ja) プレス成形性に優れたマグネシウム合金板およびその製造方法
JP4451493B2 (ja) 異形断面条の製造方法
TWI616242B (zh) 附帶凸條金屬板的製造方法
JP2004124151A (ja) アルミニウム合金の熱処理方法
JP5623169B2 (ja) 異形断面銅合金条の製造方法
JP4780600B2 (ja) 深絞り性に優れたマグネシウム合金板およびその製造方法
JP5869288B2 (ja) 曲げ加工性に優れた異方性の少ない異形断面銅合金板及びその製造方法
JP3798299B2 (ja) 異形条の製造方法およびリードフレームの製造方法
JP2007203343A (ja) 円筒軸の整形方法および整形金型
JP2006110621A (ja) アルミニウム合金製型鍛造品の製造方法及び温間型鍛造用アルミニウム合金製予備成形品
JP6684568B2 (ja) 異方性とネック成形性に優れた飲料缶ボディ用または飲料ボトル缶ボディ用アルミニウム合金板の製造方法
JP5573414B2 (ja) 鋼材の鍛造方法
JP6621040B2 (ja) 金属部品製造装置及び金属部品製造方法
JP2012152780A (ja) アルミニウム合金板の成形加工方法
KR100399313B1 (ko) 박판 가공용 롤 금형
JP2010005659A (ja) Mg板の製造方法
KR20240017983A (ko) 구리-니켈-주석 합금
JP2009195987A (ja) 円筒軸の製造方法
JP2009191296A (ja) 塑性加工性に優れた鋼細線又は薄帯鋼板
JP5237867B2 (ja) リードフレーム用Fe−Ni系合金材料およびその製造方法
JP2004082186A (ja) 異形条の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140916

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5623169

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250