JP3798299B2 - 異形条の製造方法およびリードフレームの製造方法 - Google Patents

異形条の製造方法およびリードフレームの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚肉部および薄肉部を有する異形条の製造方法およびリードフレームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
異形条は、例えばリードフレームの製造に使用されるものであり、その幅方向における一部分が厚肉部とされ、他の部分が薄肉部とされている。薄肉部は主に半導体素子のリード部を形成するために利用され、厚肉部は半導体チップを載せて放熱性を高めるために利用される。
【0003】
この種の異形条を製造する方法の一例が、特開平6−269889号公報に記載されている。この方法では、金属板条材を間歇的に金型に送り込みながら、揺動ロールにより金属板条材を金型に押し当てて圧延する。金型の表面には予め凹凸が形成されているため、図18に示すように、金属板条材20には長手方向に連続する厚肉部22aと薄肉部22bがそれぞれ形成され、異形条22となる。従来法では、さらにこの異形条22に対し、表面の加工油等を除去するための脱脂処理、および異形条を軟化させて仕上げ圧延を容易にするための焼鈍処理を施した後、異形条を最終寸法に近づけるための仕上げ圧延を行う。この仕上げ圧延では、異形条22の厚肉部22aと薄肉部22bに、それぞれ同じ圧下率(通常は10〜40%)で圧延を行い、厚肉部24aと薄肉部24bを有する異形条24を得る。さらに、この異形条24の両側縁部をスリッターで切り落とすことにより、異形条製品としていた。
【0004】
なお、従来は異形条の素材として、電気伝導度および放熱性を高める観点から無酸素銅などの純銅に近い材質が主に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近は半導体素子のリードフレームに対する寸法精度上の要求がさらに厳しくなり、打ち抜き時のバリの発生や肉厚不均一などを抑制して、異形条の成形精度を高める要望が強くなってきている。それと同時に、製造コストの削減が強く望まれている。
【0006】
本発明は、打ち抜き時のバリの発生や肉厚不均一などを抑制して異形条の成形精度を高めることができ、同時に製造コストを削減できる、異形条の製造方法およびリードフレームの製造方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る異形条の製造方法は、軟化温度が250℃〜600℃の銅合金製であり厚さが一定の金属板条材を繰り出しつつ、この金属板条材を金型とロールの間に挟んで圧延することにより、前記金属板条材の幅方向における一部を相対的に低い圧下率で圧延して厚肉部を形成する一方、金属板条材の幅方向における他の部分を相対的に高い圧下率で圧延して薄肉部を形成した後、焼鈍を行わないことにより、前記薄肉部の結晶粒が水平方向に平たく潰れた形状とされた異形条製品を得る。
【0008】
この方法によれば、一度の圧延で最終寸法または最終寸法に近い寸法を有する異形条を得るため、得られた異形条は加工硬化した状態となり、その後の打ち抜き加工時にバリが発生しにくい。さらに、異形条は軟化温度が250℃〜600℃の銅合金で形成されているから、例えば半導体素子製造プロセスで加熱されたとしても再結晶化による軟化が生じにくく、リードの軟化による不具合を防ぐことが可能となり、扱いやすいリードフレーム等を得ることができる。さらに、焼鈍工程を除いたことにより製造コストが削減できる。
また、薄肉部の結晶粒が圧下方向に潰れて水平方向に平たく潰れた形状とされているので、リードフレーム等を打ち抜き加工する際に、結晶粒の剪断が容易でありバリが発生しにくい利点が得られる。
【0009】
前記圧延の後に、前記厚肉部および前記薄肉部に対する圧下率がいずれも1%〜15%である仕上げ圧延を行ってもよい。
【0010】
前記銅合金の組成は限定されないが、以下の組成は本発明に好適である。
(1)0.05〜0.15wt%の鉄、0.015〜0.05wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
(2)0.10〜0.20wt%の錫、0.003〜0.024wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
(3)0.015〜0.15wt%のジルコニウム、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
(4)2.1〜2.6wt%の鉄、0.05〜0.20wt%の亜鉛、0.015〜0.15wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
(5)0.015〜0.04wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
(6)0.002〜0.01wt%のリン、0.5〜0.8wt%のマグネシウム、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
(7)0.01〜0.03wt%の珪素、0.2〜0.4wt%のクロム、0.07〜0.13wt%のジルコニウム、不可避不純物、および銅からなる銅合金。
これら合金を使用した場合、半導体製造プロセス等において再結晶化による軟化を効果的に防止できる。
【0011】
前記異形条の製造方法を行った後に、得られた異形条に対して打ち抜き加工を行い、リードフレームを得てもよい。この場合、打ち抜き時のバリの発生や肉厚不均一などを抑制してリードフレームの成形精度を高めることができ、同時に製造コストを削減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更してよい。
【0013】
図1〜図3は、本発明に係る異形条の製造方法に使用できるV型ミル圧延装置を示している。なお、本発明を実施するための装置は、図示したV型ミル圧延装置に限定されることはなく、遊星圧延装置など他の形式の異形条圧延装置もしくは異形条鍛造装置も使用できる。
【0014】
この圧延装置は、金属板条材2を間欠的に走行させるアンコイラおよびリコイラ(図示略)と、金属板条材2を挟んで圧延するための金型1および揺動ロール4を具備している。金型1は、超硬合金等の硬質材料で形成され、直方体状をなしており、金属板条材2の走行方向にその長手方向を一致させて水平に配置されている。金型1の下面には一対の凸部6が形成され、これら凸部6は、金属板条材2の走行方向に延びる金型中心線に対して対称となっている。ただし、本発明は凸部が対称に形成された形状に限定されない。
【0015】
凸部6は、図4に示すように直角三角形状をなし、その尖端6cを金属板条材2の走行方向上流側へ向けてそれぞれ形成されている。凸部6同士の向かい合う辺6aは、互いに平行とされており、これらの間に、一定幅の凹部8が形成されている。凸部6の金型1下面からの突出量は、製造すべき異形条の厚肉部14の厚さW3から、薄肉部12の厚さW2を引いた寸法に略一致する。これにより、凸部6により薄肉部12が圧延される一方、凹部8により厚肉部14が圧延される。
【0016】
凸部6の尖端6cは金型1の上流側端部よりも若干下流側に設定されている。また、凸部6の斜辺6bの末端は、金型1の下流側端部よりも若干上流側に設定されている。凸部6の斜辺6bおよび平行辺6aは、全長に亘って、金型1の下面に対して鈍角をなす傾斜面で形成されている。
【0017】
揺動ロール4は、図示しない揺動装置により図2に示すように、転がりながら水平に前進後退する。揺動ロール4の移動範囲は、この例では、金型1の下流側端部から、凸部6の尖端6cに対向する位置までとされている。揺動ロール4の動作タイミングは以下の動作を繰り返すように設定されている。
【0018】
(1)揺動ロール4が金型1の下流側端部まで後退したら、金属板条材2を一定長下流側へ送る。
(2)送りが完了したら、揺動ロール4がスリップせずに転がりながら上流側へ前進して、金型1へ金属板条材2を押しつけ、凸部6を金属板条材2の上面に埋没させて薄肉部12を形成するとともに、凹部8により厚肉部14を形成する。(3)圧延が完了したら、揺動ロール4を後退させ、凸部6の一部を金属板条材2の未圧延部分と対向させる。
【0019】
本発明の方法に使用する金属板条材2は、軟化温度が250℃〜600℃の銅合金製であることが必要である。軟化温度が前記範囲より低いと、例えば異形条からリードフレームを形成し、このリードフレームを半導体製造に使用した場合に、半導体製造プロセスで高温に曝されると、再結晶化を生じて軟化するおそれがある。そのような軟化が生じると、リードフレームのリード部(端子ピン)が曲がりやすくなって使用上の不都合が生じる。
【0020】
金属板条材2を形成する銅合金は、本発明では限定されないが、以下の銅合金が好適である。
(1)0.05〜0.15wt%の鉄、0.015〜0.05wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。例えば、三菱伸銅株式会社製「TAMAC4」。
(2)0.10〜0.20wt%の錫、0.003〜0.024wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。例えば、三菱伸銅株式会社製「TAMAC2」。
(3)0.015〜0.15wt%のジルコニウム、不可避不純物、および銅からなる銅合金。三菱伸銅株式会社製「ZC」。
(4)2.1〜2.6wt%の鉄、0.05〜0.20wt%の亜鉛、0.015〜0.15wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。三菱伸銅株式会社製「TAMAC194」。
(5)0.015〜0.04wt%のリン、不可避不純物、および銅からなる銅合金。例えば、リン脱酸銅。
(6)0.002〜0.01wt%のリン、0.5〜0.8wt%のマグネシウム、不可避不純物、および銅からなる銅合金。例えば、三菱伸銅株式会社製「MSP1」。
(7)0.01〜0.03wt%の珪素、0.2〜0.4wt%のクロム、0.07〜0.13wt%のジルコニウム、不可避不純物、および銅からなる銅合金。例えば、三菱伸銅株式会社製「OMCL」。
【0021】
これら銅合金を使用した場合、半導体製造プロセス等において再結晶化による軟化を効果的に防止でき、しかも電気伝導性及び熱伝導性において純銅に比べて遜色が少ないという利点がある。特に、銅合金(3)を用いた場合には、再結晶温度が高いため、半導体製造プロセスにおいて高温に曝されても軟化しにくく、リードフレームのリード部の強度が低下しにくいという利点が得られる。
【0022】
この実施形態の異形条の製造方法では、厚さが一定の金属板条材2を間欠的に繰り出しつつ、金属板条材2を金型1とロール4の間に挟んで圧延することにより、金属板条材2の幅方向中央部を、凹部8により相対的に低い圧下率で圧延して厚肉部14を形成する一方、金属板条材2の幅方向両端部を、凸部6により相対的に高い圧下率で圧延して薄肉部12を形成する。
【0023】
薄肉部12における金属板条材2の圧下率は、図8において(W1−W2)/W1と定義され、本発明では限定されないが、40〜90%であることが好ましく、より好ましくは50〜80%である。
また、厚肉部14における金属板条材2の圧下率は、(W1−W3)/W1と定義され、本発明では限定されないが、10〜50%であることが好ましく、より好ましくは15〜40%である。
これら範囲であれば、本発明の効果が良好に得られる。一方、圧下率が大きすぎると金属板条材2の割れなどが生じるおそれがあり、圧下率が小さすぎると加工硬化が不十分となる。
【0024】
この実施形態では、前記異形化圧延が完了した後、焼鈍を行わずに、必要に応じて仕上げ圧延を行い、周知のストレッチャーにより異形条10の歪みを除去し、さらに薄肉部12の端部をスリッターにより厚肉部14と平行に切り落として整形することにより、異形条製品を得る。得られた異形条製品はリコイラに巻き取られて次工程へ送られる。
【0025】
得られた異形条10は異形化圧延により加工硬化した状態であるから、その後の打ち抜き加工時にバリが発生しにくい。バリが発生しにくいと、端面形状が良好になって寸法精度が高められるばかりか、バリが剥がれて金属粉が発生することも少なく、これら金属粉が打ち抜き加工時に異形条表面に付着し、異形条表面に押し込み傷を生じることも少ない。
【0026】
また、異形条10は軟化温度が250℃〜600℃の銅合金で形成されているから、例えば半導体素子製造プロセスで加熱されたとしても、再結晶化による軟化が生じにくく、リードや端子ピンの曲がり等の軟化による不具合を防ぐことが可能となり、扱いやすいリードフレーム等を製造できる。この点を図11を用いて説明する。
【0027】
図11は、本発明の異形条製造方法で得られた異形条と、焼鈍工程を設けていた従来の異形条製造方法で得られた異形条と、軟化温度の低い(約200℃)の無酸素銅を本発明の加工条件で圧延した異形条の、加熱後の硬度を比較したグラフである。本発明の加工条件を採用しても、軟化温度の低い金属材料を使用すると、半導体製造プロセス等において加熱された場合に再結晶化により硬度が低下し、使用に耐えなくなる。
【0028】
また、この実施形態では、従来は必須だった焼鈍工程および仕上げ圧延工程を除いたことにより製造コストが削減できる。
【0029】
さらに、この実施形態では、異形化圧延の後に焼鈍を行っていないから、異形化圧延によって生じた結晶粒状態が最終製品で維持される。薄肉部12は凸部6によって圧延される際に、金属板条材2の幅方向への材料流れが生じ、かつ高い圧下率が加わるため、圧下方向に潰れて幅方向に延びた結晶粒が得られる。これにより、リードフレーム等を打ち抜き加工する際に、結晶粒の剪断が容易であり、この点からもバリが発生しにくい利点が得られる。特に、薄肉部12は主としてリードフレームのリード部(端子ピン)が形成される領域であり、打ち抜きにより微細加工を行う必要があるから、結晶粒の剪断が容易でバリが発生しにくいことにより、いっそうの微細加工が可能となる。
【0030】
なお、本発明では、必要に応じて、異形化圧延の後に仕上げ圧延工程を設けてもよい。
【0031】
上記のようにして得られた異形条の用途は限定されないが、例えば半導体素子製造用のリードフレームの製造に使用することができる。この場合、得られた異形条に対して打ち抜き加工を行い、リードフレームを得ればよい。
【0032】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げて本発明の効果を実証する。図1〜図6に示す装置を用いて、以下の各条件で異形条を製造した。
【0033】
[異形条の共通寸法]
薄肉部の厚さ: 0.4mm
厚肉部の厚さ: 1.3mm
厚肉部の幅: 27.2mm
薄肉部の幅: 22.4mm
【0034】
[実施例の製造条件]
金属板条材2の厚さ: 1.6mm
金属板条材2の幅: 33mm
金属板条材2の材質:TAMAC2(組成:0.14wt%Sn−0.01wt%P−残部Cu)
焼鈍:なし
仕上げ圧延:なし
異形化圧延後にストレッチャーで歪み除去後、スリッターにより整形
【0035】
[従来例の製造条件]
金属板条材の厚さ: 1.8mm
金属板条材の幅: 33mm
金属板条材の材質:TAMAC2(組成:0.14wt%Sn−0.01wt%P−残部Cu)
異形化圧延後の焼鈍:あり
焼鈍条件:570℃×60分加熱後、還元雰囲気で冷却
焼鈍後に酸洗い、仕上げ圧延
ストレッチャーで歪み除去後、スリッターにより整形
【0036】
前記条件で得られた実施例および比較例の異形条を用いて、リードフレームの打ち抜き加工を行い、リード部分に生じたバリの高さ、ダレ量、打ち抜き断面における剪断面積の割合、打ち抜き断面における破断面の割合、寸法精度、金型摩耗量、銅粉の発生量をそれぞれ比較した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003798299
【0038】
さらに、図9に示す各断面▲1▼(a)〜▲3▼(b)で撮影した顕微鏡写真(200倍)を図12〜図17に示す。図12▲1▼(b)、図13▲2▼(b)、および図14▲3▼(b)に示すように、実施例の異形条の薄肉部では、個々の結晶粒が水平方向に平たく潰れていることがわかる。
これに対し、従来例の異形条の薄肉部では、図15▲1▼(b)、図16▲2▼(b)、および図17▲3▼(b)に示すように、個々の結晶粒があまり潰れておらず、図10で模式的に表した通りの結果が確認できた。
【0039】
本発明の方法では、薄肉部における結晶粒の潰れによっても、バリおよびダレが抑制されているものと考えられる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る異形条の製造方法およびリードフレームの製造方法によれば、一度の圧延で最終寸法または最終寸法に近い寸法を有する異形条を得るため、厚さのばらつきが少ない異形条を製造することが可能であるうえ、得られた異形条は加工硬化した状態であるから、その後の打ち抜き加工時にバリが発生しにくい。また、薄肉部の結晶粒が圧下方向に潰れて水平方向に平たく潰れた形状とされているので、リードフレームを打ち抜き加工する際に、結晶粒の剪断が容易でありバリがさらに発生しにくい。さらに、異形条は軟化温度が250℃〜600℃の銅合金で形成されているから、例えば半導体素子製造プロセスで加熱されたとしても再結晶化による軟化が生じにくく、リードの曲がり等の軟化による不具合を防ぐことが可能となり、扱いやすいリードフレーム等を得ることができる。さらに、焼鈍工程を除いたことにより製造コストが削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る異形条の製造方法に使用できる圧延装置の平面図である。
【図2】 前記圧延装置の側面図である。
【図3】 前記圧延装置の背面図である。
【図4】 前記圧延装置の金型の下面図である。
【図5】 前記金型の側面図である。
【図6】 前記金型の背面図である。
【図7】 圧延途中にある金属板条材の平面図である。
【図8】 本発明の効果を説明するための断面図である。
【図9】 異形条の写真撮影箇所を示す斜視図である。
【図10】 本発明の結晶粒の相違を示す模式図である。
【図11】 本発明の効果を示すグラフである。
【図12】 実施例で得られた異形条の顕微鏡写真である。
【図13】 実施例で得られた異形条の顕微鏡写真である。
【図14】 実施例で得られた異形条の顕微鏡写真である。
【図15】 比較例で得られた異形条の顕微鏡写真である。
【図16】 比較例で得られた異形条の顕微鏡写真である。
【図17】 比較例で得られた異形条の顕微鏡写真である。
【図18】 従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型
2 金属板条材
4 揺動ロール
6 凸部
8 凹部
10 異形条
12 薄肉部
14 厚肉部
W1 金属板条材の厚さ
W2 薄肉部の厚さ
W3 厚肉部の厚さ

Claims (10)

  1. 軟化温度が250℃〜600℃の銅合金製であり厚さが一定の金属板条材を繰り出しつつ、この金属板条材を金型とロールの間に挟んで圧延することにより、前記金属板条材の幅方向における一部を相対的に低い圧下率で圧延して厚肉部を形成する一方、金属板条材の幅方向における他の部分を相対的に高い圧下率で圧延して薄肉部を形成した後、焼鈍を行わないことにより、前記薄肉部の結晶粒が水平方向に平たく潰れた形状とされた異形条を得ることを特徴とする異形条の製造方法。
  2. 前記圧延の後に、前記厚肉部および前記薄肉部に対する圧下率がいずれも1%〜15%である仕上げ圧延を行うことを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  3. 前記銅合金は、0.05〜0.15wt%の鉄、0.015〜0.05wt%のリン、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  4. 前記銅合金は、0.10〜0.20wt%の錫、0.003〜0.024wt%のリン、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  5. 前記銅合金は、0.015〜0.15wt%のジルコニウム、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  6. 前記銅合金は、2.1〜2.6wt%の鉄、0.05〜0.20wt%の亜鉛、0.015〜0.15wt%のリン、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  7. 前記銅合金は、0.015〜0.04wt%のリン、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  8. 前記銅合金は、0.002〜0.01wt%のリン、0.5〜0.8wt%のマグネシウム、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  9. 前記銅合金は、0.01〜0.03wt%の珪素、0.2〜0.4wt%のクロム、0.07〜0.13wt%のジルコニウム、不可避不純物、および銅からなることを特徴とする請求項1記載の異形条の製造方法。
  10. 請求項1記載の異形条の製造方法を行った後に、得られた異形条に対して打ち抜き加工を行い、リードフレームを得ることを特徴とするリードフレームの製造方法。
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