JP3659208B2 - MgまたはMg合金帯板の製造方法および製造装置 - Google Patents
MgまたはMg合金帯板の製造方法および製造装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塑性加工性が不芳なMgまたはMg合金帯板の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製品の一般的な加工では、一部の構造用材料や鋳物材料等を除いて、圧延により製造された母材である金属板にプレス成形加工を行うことによるプロセスを用いることが、製造コストや製品の表面品質さらには製品の形状安定性といった総合的な観点から、最も有利である。このため、金属板の製造では、ロールを使用した圧延方法が多用されている。また、金属帯の連続的な製造においても、通常は、圧延前後に被圧延帯である金属帯のコイルへの巻き取りとコイルからの巻き戻しとを繰り返しながら圧延を行うことによる圧延方法が用いられる。
【0003】
また、金属材料は塑性加工に伴って加工硬化するので、塑性加工をある程度行った後には、加工性改善を目的として一般的に焼鈍が行われる。また、金属材料の変形抵抗は加工温度の上昇に伴って低下する傾向があるため、加工性に劣る金属材料に圧延を行うには、加熱炉等の加熱装置を用いて材料の温度を高めて、熱間圧延や温間圧延が行われる。
【0004】
一方、実用金属材料の中で最も軽量であるMgまたはMg合金は、比強度、比剛性、振動吸収性、さらには近年特に循環型社会への適応の観点から特に重視されるリサイクル性等が優れている。このため、例えば自動車や航空機といった軽量化が要求される輸送機器の部品のみならず、携帯電話等の可搬型情報通信機器の筐体や部品等としても、近年大量に用いられるようになってきた。なお、以降の説明では、Mg合金を例にとる。
【0005】
しかしながら、通常使用されるMg合金の結晶構造は最密六方晶であって常温での塑性変形では底面すべりしか期待できないため、Mg合金には、変形抵抗自体は小さいにもかかわらず、加工割れが発生し易いという問題がある。そのため、前述したような各種の用途に対しては、ダイキャスト法やチクソモールド法といった製造プロセスが一般的に採用されている。このダイキャスト法やチクソモールド法によれば、比較的複雑な形状であっても一度の加工で所望の形状に成形できるものの、製品の品質安定性が劣り、製品表面に欠陥が生じ易いという問題がある。製品の表面に欠陥が生じると、パテ埋めや研磨等といった補修作業が必要となり、成形加工後の後処理に多大なコストを要してしまう。
【0006】
ところで、Mg合金板にプレス成形を行うことに関しては、近年、温間成形技術の開発や適切なプレス成形条件の選定等によって、限界絞り比:3.0 以上が確保できる等、プレス成形自体に伴う技術的問題は解決されつつある。プレス成形により加工されたMg合金からなる製品は、形状安定性に優れるとともに美麗な表面を有し、成形加工後の後処理が殆ど不要であることから、経済性および量産性がいずれも著しく優れていることが、既に確認されている。
【0007】
一方、Mg合金帯板の圧延母材の製造方法として、生産性の観点から、鋳造されたインゴットに熱間鍛造や熱間粗圧延を行うことによるプロセスと、丸ビレットを母材として熱間押出し加工を行うことによるプロセスとの二つのプロセスが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれのプロセスも、プレス成形の母材となるMg合金帯板の工業的規模での製造方法としては、確立されていない。
【0009】
すなわち、前者のプロセスでは鍛造または粗圧延等を行い、後者のプロセスでは押出し加工を行うために、何れのプロセスによっても、製造された板の板厚は、比較的大きくばらついてしまう。すなわち、前者のプロセスでは、高い生産性が要求されることから比較的大きな圧延機を用いて高圧下率で熱間粗圧延を行うこととなり、板厚が大きくばらついてしまう。また、後者のプロセスでは、押出し加工の際に金型が変形すること等に起因して、幅方向の板厚の均一性が確保できない。このように板厚がばらついた圧延素材に対して圧延を行って板厚を均一化しようとすると、板厚が厚い部位は板厚が薄い部位よりも延ばされて長くなるため、圧延後の板形状が不安定になってしまう。
【0010】
また、Mg合金であっても一般的な圧延加工は可能であるが、前述のようにその結晶構造は最密六方晶であるために常温での圧延加工性は著しく低い。このため、最終の仕上げ圧延を除いて、通常は600K〜750Kまで加熱した熱間圧延あるいは450K程度まで加熱した温間圧延を行う必要がある。しかし、圧延による素材の割れを抑制するためには、熱間圧延法を採用した場合であっても、1回の圧延(1パス) での圧下率は通常25%以下と低く制限され、さらに数回の圧延の総圧下率が累積で60%程度に達したときには、焼鈍処理を行う必要がある。
【0011】
また、Mg合金は熱伝導性に優れ、比重も比熱も小さいことから、圧延を行う前に被圧延帯を予め加熱しても短時間で温度が低下してしまうため、長尺の被圧延帯を安定して圧延することは極めて困難である。
【0012】
さらに、Mg合金は極めて活性な材料であるため、600K〜750Kまで加熱する必要がある熱間圧延法や、450K程度まで加熱する必要がある温間圧延法を用いるために加熱すると、局部的な過熱や加熱状態での通板停止等の操業上の不可避な要因により、発火してしまうおそれもある。
【0013】
これらの理由により、Mg合金帯板を圧延加工により製造することは難しく、ひいてはその製造コストを著しく上昇させていた。このため、Mg合金帯板を安価に安定して供給することはできない状況にあり、Mg合金帯板にプレス成形を行うことによるMg合金製品も普及していないのが実状である。
【0014】
このため、他の多くの金属材料と同様に、圧延によって製造されたMg合金帯板を母材としてプレス成形を行うことによるプロセスを、工業的規模で真に確立することが、各方面から強く要請されている。
【0015】
本発明の目的は、Mg合金板を圧延素材として用いても、プレス成形の母材となるMg合金帯板を、板厚の均一性および平坦度を充分に維持しながら圧延によって安価に製造する方法を、工業的規模で真に確立することであり、これにより、圧延によって製造されたMg合金帯板を母材としてプレス成形を行うことによるMg合金製品の製造プロセスを確立することである。
【0016】
本発明は、圧延機によって繰り返し圧延されるMgまたはMg合金からなる被圧延帯を加熱ロールによって前記被圧延帯に接触し周囲を周回させ、熱伝導によって該被圧延帯を加熱する第1の加熱装置および第2の加熱装置を圧延機を挟んだ位置にそれぞれ配置し、第1の加熱装置および第2の加熱装置を用いて被圧延帯を加熱しながら、1MPa以上の張力を付与し、圧延機を用いて被圧延帯に繰り返し圧延を行うことを特徴とするMgまたはMg合金帯板の製造方法である。
【0018】
これらの本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造方法では、第1の加熱装置および第2の加熱装置のうちの一方または双方が、被圧延帯の表面に当接しながら回転するとともに内部に発熱機構を組み込まれた加熱用ロールを有することが、望ましい。
【0019】
これらの本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造方法では、繰り返し圧延が、被圧延帯に1MPa 以上の張力を付与して、行われる。望ましくは5MPa 以上とする。
【0020】
これらの本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造方法では、第1の加熱装置および第2の加熱装置のうちの一方または双方を用いて、圧延機により繰り返し圧延を行われた被圧延帯に、焼鈍を行うことが、例示される。
【0021】
これらの本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造方法では、第1の加熱装置および第2の加熱装置のうちの一方または双方を用いて被圧延帯を 400〜750Kに加熱してから、圧延機を用いて圧下率:5〜50%で圧延を行うことが、例示される。
【0022】
これらの本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造方法では、焼鈍が、第1の加熱装置および第2の加熱装置のうちの一方または双方を用いて被圧延帯を 400〜680Kに加熱することにより、行われることが、例示される。
【0023】
別の観点からは、本発明は、MgまたはMg合金からなる被圧延帯に繰り返し圧延を行う圧延機と、圧延機を挟んだ位置にそれぞれ配置されて、被圧延帯に接触することによる熱伝導によってこの被圧延帯を加熱する第1の加熱装置および第2の加熱装置とを備えることを特徴とするMgまたはMg合金帯板の製造装置である。
【0024】
この本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造装置では、第1の加熱装置および第2の加熱装置のうちの一方または双方が、被圧延帯の表面に当接しながら回転するとともに内部に発熱機構を組み込まれた加熱用ロールを有することが例示される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるMgまたはMg合金帯板の製造方法および製造装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明は、Mg合金帯板の製造方法および製造装置を例にとって行う。
【0026】
図1は、本実施の形態の製造装置1の構成例を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、この製造装置1により製造されるMg合金帯板2は、特定組成を有するものには限定されない。例えば、Mgを50質量%以上含有し、圧延温度を上昇することにより圧延加工性が改善されるMg合金帯板であれば、その全てが適用対象とされる。
【0027】
コイル状に巻き取られたMg合金帯板2は、図中の第1の巻き取りリール3から送り出され、第1の加熱装置4を構成する加熱ロール4a〜4cの周囲を周回することにより圧延加工に適した温度に昇温される。
【0028】
第1の加熱装置4により圧延加工に適した温度に昇温されたMg合金帯板2は、圧延機5に供給されて圧延される。圧延機5により圧延された後に直ちに、第2の加熱装置6を構成する加熱ロール6a〜6cの周囲を周回することにより焼鈍され、場合によっては、冷却ロール7aおよび冷却エアブロー7bにより構成される第2の冷却装置7により冷却されてから、図中右の第2の巻き取りリール8によりコイルに巻き取られる。
【0029】
全てのMg合金帯板2の圧延および焼鈍が終了し、Mg合金帯板2の殆どが第2の巻き取りリール8に巻き取られた後には、先程と逆工程により2回目の繰り返し圧延が行われる。すなわち、Mg合金帯板2は、第2の巻き取りリール8から送り出され、第2の加熱装置6を構成する加熱ロール6a〜6cの周囲を周回することにより圧延加工に適した温度に昇温されてから圧延機5に投入され、圧延される。
【0030】
その後、Mg合金帯板2は、第1の加熱装置4を構成する加熱ロール4a〜4cの周囲を周回することにより焼鈍され、場合によっては冷却ロール9aおよび冷却エアブロー9bにより構成される第1の冷却装置9を用いて冷却されてから、第1の巻き取りリール3によりコイルに巻き取られる。なお、第1の冷却装置9は、板厚が比較的厚いMg合金帯板2に対しては用いないことが多い。
【0031】
本実施の形態で用いる加熱用ロール4a〜4c、6a〜6cは、電気抵抗体を用いた熱源を内蔵されており、Mg合金帯板2に対する温度管理性および安定性が優れるのみならず、Mg合金帯板2の過熱を確実に防止できるために製造時におけるMg合金帯板2の耐発火性(安全性)も優れる。さらに、後述するように、平滑な加熱用ロール4a〜4c、6a〜6cに押し付けて加熱しながらMg合金帯板2を搬送できるため、後述するように、Mg合金帯板2に対する形状矯正能力も優れる。
【0032】
ここで、図1に示す本実施の形態の製造装置1を用いてMg合金帯板2に圧延加工を行うには、圧延機5と、第1の巻き取りリール3、第2の巻き取りリール4との間におけるMg合金帯板2に所定の張力を付与することが極めて有効である。圧延機5と、第1の巻き取りリール3、第2の巻き取りリール4との間におけるMg合金帯板2に所定の張力を付与することにより、Mg合金帯板2の蛇行が防止されて圧延を安定して行うことができるとともに、圧延工程で発生した板形状不良が殆ど矯正される。板形状不良が矯正されるのは、この製造装置1では、Mg合金帯板2に張力を付与して強制的に板形状を平坦化させた状態で焼鈍処理を行うことができるためである。
【0033】
かかる効果を有するためには、Mg合金帯板2に付与する張力は1MPa 以上である。5MPa 以上であればより望ましい。また、張力の上限値は特に規定しないが、設備コストの理由から100MPa 以下であることが望ましい。
【0034】
また、本実施の形態の製造装置1では、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6として、Mg合金帯板2の表面に当接しながら回転するとともに内部に発熱機構を組み込まれた加熱用ロール4a〜4c、6a〜6cを有する加熱装置を用いており、この第1の加熱装置4および第2の加熱装置6により、Mg合金帯板2に接触することによる熱伝導によってMg合金帯板2を加熱する。
【0035】
すなわち、本発明者らは、まず、Mg合金帯板を高い生産性で圧延によって製造する方法を検討した。前述したように、Mg合金は常温での塑性変形能に劣るため、Mg合金帯板の生産性を高めるためには適当な温度に加熱してから圧延を行うことが必要である。しかし、長尺のMg合金帯板を十分に加熱してから圧延を行ったとしても、圧延に比較的長時間を要するため、Mg合金帯板の長手方向に温度勾配を生じてしまう。このため、最初に圧延を行われる先端部は所定の温度に十分に加熱されていたとしても、後端部では温度が低下してしまい、大きな圧下率の圧延を行うことはできない。かかる問題は、Mg合金帯板の板厚が小さくなればなる程、また圧延長さが長くなればなる程、顕著になる。
【0036】
これに対し、本実施の形態では、Mg合金からなる被圧延帯2を加熱する加熱装置4、6を、この被圧延帯2を圧延する圧延機5の近傍に配置し、被圧延帯2をこの加熱装置4、6により加熱した直後に圧延機5により圧延するため、温度低下による弊害を除去することができる。
【0037】
すなわち、圧延機5の近傍に設置する加熱装置4、6としては、電気加熱炉、誘導加熱装置(IH)、赤外線加熱装置あるいは直接通電加熱装置等の様々な公知の加熱装置を適用することが考えられるが、例えば電気式等の適当な手段による発熱機構を内部に組み込まれた加熱ロール4a〜4c、6a〜6cの外周面に、被圧延帯2を接触させて加熱することが、温度制御性、火災に対する安全性およびコストの観点から最も有効である。
【0038】
また、この加熱ロール4a〜4c、6a〜6cを有する加熱装置4、6を圧延機5の近傍に設置することにより、一回の圧延での圧下率を、圧延の先端部および後端部を問わずに、20%以上確保できる。
【0039】
この本実施の形態により圧延を行っても、数回の圧延を繰り返した後には加工硬化により、20%以上の圧下率を確保し続けることは困難となる。このため、この場合には、焼鈍を行う必要が生じる。
【0040】
ここで、Mg合金帯板2に焼鈍を行うには、図1に示す製造装置1において、圧延機5による圧延加工は行わずにMg合金帯板2を素通りさせ、第1の加熱装置4または第2の加熱装置6だけを用いてMg合金帯板2を通板すればよいと、一見考えられるが、これでは、Mg合金帯板2の生産性が著しく低下する。
【0041】
さらに、例えば第1の加熱装置4を用いて600K程度まで加熱された後に圧延加工を行われたMg合金帯板2は、圧延機5の圧延ロールに熱を奪われることや大気中への放熱すること等によって温度低下しているため、圧延によって導入された歪みが必ずしも完全には除去されずに、そのまま残存していると考えられる。つまり、この例の場合には、第1の加熱装置4による加熱は、圧延のために適した温度にMg合金帯板2を昇温することが主目的であり、圧延後のMg合金帯板2に残存する歪みを除去するのには不十分なものである。
【0042】
そこで、本実施の形態では、このような焼鈍のための専用処理を省略するために、圧延機5の出側に配置された第2の加熱装置6を用いて、圧延直後の比較的高い温度にあるMg合金帯板2に対して、直接的に焼鈍を行うのである。
【0043】
このように、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6のうちの一方の加熱装置4または6を用いて焼鈍を圧延直後に直ちに行うことにより、圧延機5の片側にのみ加熱装置が一基設置されていた従来のように、圧延機5を通過したMg合金帯板2をその都度巻き取りリールにより巻取る必要がなくなり、圧延機5を一往復させる間にMg合金帯板2に二度の圧延加工を行うことができる。
【0044】
また、本実施の形態では、圧延されるMg合金帯板2は、圧延機5と、第1の巻き取りリール3、第2の巻き取りリール4との間におけるMg合金帯板2に所定の張力を付与された状態で、加熱用ロール4a〜4c、6a〜6cの外周面に接触しながら、通板される。このため、板厚が大きくばらついている圧延母材を用いた場合であっても、圧延機5による比較的小さい圧下率での圧延加工により板厚のばらつきが確実に改善され、製造されるMg合金帯板2の平坦度が維持され、また、Mg合金帯板2の長さ方向への曲がりの発生が防止される。
【0045】
次に、本実施の形態の製造装置1によりMg合金帯板2を製造した場合の生産性が優れることを、以下に列記する4つの観点から説明する。
【0046】
▲1▼一度の圧延で圧延素材に割れを生じずに大きな圧下率を確保できること
本実施の形態の製造装置1では、Mg合金帯板2を第1の加熱装置4および第2の加熱装置6を用いて圧延直前に確実に加熱するため、一度の圧延における圧下率を、最低でも10%以上、場合によっては20%以上確保できる。
【0047】
▲2▼焼鈍専用の熱処理が不要であること
本実施の形態の製造装置1では、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6のうちのいずれかを用いて圧延後直ちに焼鈍を行うことができるため、例えば、(i)繰り返し圧延を数回繰り返した後にMg合金帯板2を圧延機5から取り外して行われることや、(ii)圧延機5による圧延加工を行うことなく加熱用ロール4a〜4c、6a〜6cだけを用いて通板を繰り返して行われることによる、数回の加熱圧延を行った後に行われる「焼鈍専用の熱処理」が不要となる。
【0048】
▲3▼高い圧延速度すなわち通板速度が確保できること
本実施の形態の製造装置1では、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6のうちのいずれかを用いて圧延後直ちに焼鈍を行うことができるため、圧延速度すなわち通板速度を、Mg合金帯板2の板厚が3.0mm である場合には最低でも1m/min以上、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6の加熱能力、さらには加工されるMg合金帯板2の板厚等によっては、5m/min以上もしくは10m/min 以上に設定することができる。
【0049】
▲4▼余計なコイルの巻き直し作業が不要となること
本実施の形態の製造装置1では、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6を圧延機5を挟んで配置するため、余計なコイルの巻き直し作業が不要となる。ここで、「余計なコイルの巻き直し作業」とは、前述のように、圧延機5の片側にのみ加熱装置が設置されている場合に、一回の圧延が終了した後に、通板方向を反転させて圧延加工を行わずに素通りさせて、次の圧延加工のために再度コイルに巻き直す作業である。このような巻き直し作業は、圧延後の焼鈍を兼ねて行われることもあるが、基本的には直接的な圧延加工には関係しないために生産性を著しく低下させる作業である。
【0050】
本実施の形態の製造装置1を用いてMg合金帯板2を製造すれば、上記▲1▼〜▲4▼の効果も得られることから、従来の製造装置に比較して生産性を大きく向上することができるが、さらに、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6のうちの少なくとも一方の加熱装置4、6を用いてMg合金帯板2を 400〜750Kに加熱し、圧延機5を用いて圧下率:5〜50%で圧延を行うこと、また、第1の加熱装置4および第2の加熱装置6のうちの少なくとも一方の加熱装置4、6を用いてMg合金帯板2を 400〜680Kに加熱して焼鈍することにより、さらに生産性を向上することができる。以下、その理由を説明する。
【0051】
前述したように、圧延機5により圧延を行われるMg合金帯板2を第1の加熱装置4または第2の加熱装置6により加熱する目的は、Mg合金帯板2を圧延加工を行うのに適した温度に昇温することである。Mg合金帯板2の加熱圧延の場合、温度が高ければ高いほど、その変形抵抗は小さくなり、大きな圧下率を確保できることとなる。しかしながら、本発明者らによる詳細な検討の結果、加工温度と加工後の金属組織および圧延後の製品の仕上がりの関係には、好適な範囲があることが判明した。
【0052】
すなわち、圧延加工時のMg合金帯板2の温度が400K未満であると、大きな圧下率を確保することは困難であり、Mg合金帯板2には割れが生じ易くなる。このことは、六方晶格子の底面滑りが主たる変形機構であることに起因すると推定される。このため、生産性に優れた圧延加工を行うためには、第1の加熱装置4または第2の加熱装置6によりMg合金帯板2を400K以上に加熱することが望ましい。
【0053】
第1の加熱装置4または第2の加熱装置6による加熱温度が400K以上であると、加工温度を上昇させることにより、Mg合金帯板2の変形抵抗は徐々に低下し、加工温度が高ければ高いほど、加工割れを生じることなく比較的大きな圧下率を確保することができる。これは、加工温度の上昇によって六方晶格子の底面以外の面でも滑り活動が活発になることに起因するためと推定される。同様の観点から、第1の加熱装置4または第2の加熱装置6による加熱温度は450K以上であることがさらに望ましい。
【0054】
そして、圧延加工時のMg合金帯板2の加熱温度が600Kを超えると、Mg合金帯板2の変形抵抗はさらに一段と小さくなり、大きな圧下率を確保することができる。これは、単なる結晶格子面における滑りだけでなく、結晶粒界における粒界滑りもMg合金帯板2の変形に寄与するようになるためと考えられる。このような温度域での圧延は、450 〜600Kの温度域での圧延に比較すると、製品の外観品質が僅かに劣ることとなるので、仕上げ圧延としては好ましくはないが、生産性には優れていることから中間圧延としては充分に適用できる。
【0055】
さらに、圧延加工時のMg合金帯板2の加熱温度を高めることにより、Mg合金帯板2の変形抵抗はさらに小さくなるものの、圧延後の結晶粒径が大きくなり過ぎ、その後の圧延加工性に悪影響を及ぼすようになる。また、結晶粒径が大きくなり過ぎると、圧延時にMg合金帯板2の端面から割れが生じ易くなる。さらに、Mg合金帯板2を高温まで加熱し過ぎると、溶融または発火の危険性を無視できなくなる。このような観点から、圧延加工前の第1の加熱装置4または第2の加熱装置6によるMg合金帯板2の加熱温度の上限は、750K以下とすることが望ましい。
【0056】
以上説明したように、圧延加工時のMg合金帯板2の加熱温度と圧延性および圧延後の製品の仕上がりの関係から、圧延加工前のMg合金帯板2の加熱温度は、400K以上750K以下の範囲が好ましく、より好ましくは450K以上750K以下である。また、主として生産性向上を重視する圧延加工では、Mg合金帯板2の加熱温度は600K以上750K以下であることが好ましく、生産性よりも製品の仕上がりを重視する仕上げ圧延では、Mg合金帯板2の加熱温度は600K以下であることが好ましい。
【0057】
次に、圧延機5における1パス当たりの圧下率の限定理由について述べる。
圧延機5における1パス当たりの圧下率が5%未満であると、生産性が低下するばかりでなく、結晶粒径が粗大化し、圧延後の製品の品質が大きく低下するおそれがある。このため、圧延機5における1パス当たりの圧下率は5%以上であることが望ましく、10%以上であることがより望ましい。圧下率が10%確保されていれば、結晶粒径の著しい粗大化は基本的には発生しなくなる。
【0058】
しかし、圧延機5における1パス当たりの圧下率が50%を超えると、生産性は優れるものの、圧延加工によりMg合金帯板2に割れが発生する危険性がある。各種条件にて検討した結果、1パスの圧延における圧下率が50%を超えると、Mg合金帯板2に生じる割れが顕著となるので、1パスの圧延での圧下率は50%以下であることが好ましい。素材の割れを抑制するという観点からは、1パスの圧延での圧下率は40%以下にすることがより好ましく、さらに好ましくは30%以下である。ただし、圧下率を小さくすることにより、当然のことながら、生産性は低下する。
【0059】
また、生産性よりも製品の仕上がりを重視する仕上げ圧延であれば、1パスの圧延での圧下率は20%以下に抑制することが好ましい。
以上のことから、1パスの圧延での圧下率は、5〜50%であることが好ましく、10〜40%であることがさらに好ましい。
【0060】
最後に、圧延装置5による圧延終了後における第1の加熱装置4または第2の加熱装置6による焼鈍温度の限定理由について、説明する。
圧延後の焼鈍は、圧延により導入された歪みを除去することを目的とする。本発明者らが、圧延後の焼鈍温度と、歪みの除去効果、すなわち焼鈍後のMg合金の硬度との関係を調査したところ、400K未満の焼鈍温度では十分な歪み取り効果が得られないことが判明した。このため、圧延後の焼鈍温度は400K以上に限定する。さらに、焼鈍温度が高ければ高いほど歪み除去効果が高いこともわかった。このため、圧延後の焼鈍温度は550K以上であることが好ましい。
【0061】
一方、焼鈍温度が680Kを超えると、Mg合金帯板2は十分に軟化するが、同時に結晶成長も促進され、結晶粒径が粗大化してしまう。このため、焼鈍温度は680K以下であることが好ましい。
【0062】
このため、圧延後の焼鈍温度は、400K以上680K以下であることが好ましく、同様の観点から550K以上680K以下であることがより好ましい。
次に、板厚のばらつきが大きなMg合金板を圧延母材として、本実施の形態の製造装置1を用いて、Mg合金帯板2の圧延を行う状況を説明する。
【0063】
本実施の形態では、圧延機5によって繰り返し圧延を行われるMg合金からなる被圧延帯2を加熱するとともに圧延機5を挟んだ位置にそれぞれ配置された第1の加熱装置4および第2の加熱装置6を用いて被圧延帯2を加熱しながら、圧延機5を用いて被圧延帯2に繰り返し圧延を行うことにより、Mg合金帯板2を製造する。
【0064】
ここで、プレス成形用母材では、板厚変動の小さな板が要求される。このような板の製造には、本実施の形態でも用いるようなコイル状の帯板を用いる圧延加工が最も適していると考えられる。しかしながら、いかに生産性に優れた圧延方法といえども、熱間粗圧延や押出し加工の方が、さらに生産性に優れていることは否めない。このため、圧延母材の製造には、大きな生産性が得られる製造方法を用いるのが適している。このような製造方法による圧延母材は、比較的安価に入手可能である反面、板厚が大きくばらついている。したがって、前述したように、そのままコイル圧延に使用した場合には、板の平坦度が悪化したり、板の曲がりが生じる等、生産性に優れた圧延加工を行うことはできない。
【0065】
本発明者らは、板厚が大きくばらつく圧延素材を有効に活用する方法について検討した。
精密に制御された圧延を行えば、板厚のばらつき自体は解消可能であるものの、圧延前に板厚が厚かった部位は薄かった部位よりも長く延びてしまう。このため、板の平坦度は悪化し、さらには板が長手方向で曲がってしまい、コイル圧延の継続が不可能となってしまう。
【0066】
そこで、本発明者らは、まず、低圧下率での圧延を行うことを検討した。その結果、低圧下率で圧延すると、圧延後の平坦度の悪化は認められたものの、圧下率が小さいことが寄与してその悪化の程度は比較的小さく、直ちにコイル圧延の継続が不可能になることは無かった。ただし、次の圧延を実施した際には、低圧下率であるにもかかわらず、板材の平坦度は大きく悪化し、板には曲がりが生じて、コイル圧延の継続は不可能となった。このことは、平坦度が悪化して曲がった板を圧延したことに起因していると考えられる。
【0067】
次に、圧延時に付与する張力を強くしながら、かつ低圧下率での圧延を行ったところ、圧延後の平坦度には改善傾向が僅かに認められた。ただし、この場合でも圧延を繰り返すことにより、板の曲がりは増大し、コイル圧延の継続は不可能であった。
【0068】
そこで、本発明者らは、本実施の形態の製造装置1を用いて、圧延時に付与する張力を高く設定して、圧延機5の前後における第1の加熱装置4および第2の加熱装置6を活用しながら、低圧下率での圧延を試みた。その結果、圧延により生じた平坦度のばらつきは、圧延後の加熱処理により、その殆どが解消された。
【0069】
次に、同様な条件で2回目の圧延を行った。第1の加熱装置4および第2の加熱装置6をともに使用しなかった場合には、2回目以降の圧延では、大きな板曲がりが発生したが、本実施の形態の製造装置1を使用した場合には、平坦度の悪化は認められるものの、板の曲がりは認め難く、圧延を継続することが可能であった。
【0070】
このことは、Mg合金帯板2に1MPa以上の張力を付与しながら加熱することにより、圧延で生じた平坦度のばらつきや板の曲がりが、圧延機5の直後の第1の加熱装置4または第2の加熱装置6による加熱によって解消され、次の圧延加工が行われる際には板厚のばらつきは残存しているものの、平坦度や板の曲がりは殆ど生じない圧延素材が圧延機5に供給できることに起因していると考えられる。
【0071】
このため、本実施の形態の製造装置1によれば、板厚ばらつきの大きな圧延素材を用いる場合でも、板厚のばらつきを改善することができ、板厚のばらつきが改善された後には、通常の生産性に優れた圧延方法を活用できる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、板厚がばらついた圧延素材を用いても圧延後の板形状が不安定にならず、長尺の被圧延帯を安定して圧延することができ、さらにMg合金では常に充分な注意が要求される発火を防止できる。
【0073】
このため、本実施の形態によれば、プレス成形の母材となるMg合金帯板の工業的規模で製造でき、これにより、Mg合金帯板にプレス成形を行うことによるMg合金製品を普及させることができる。
【0074】
【実施例】
次に、本発明を実施例を参照しながら詳細に説明するが、これは本発明の例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0075】
被加工素材として、市販のMg合金(ASTM;AZ31相当) からなる粗圧延材 (板厚:152mm)を使用し、この粗圧延材を、2段の熱間ロール圧延機を使用して、5.0mm ×1000mm×13000mm の板まで熱間粗圧延により加工した。圧延後の板は、平坦性に劣っていたので、ローラーレベラーを使用して、室温で形状矯正を行った。
【0076】
形状矯正後の板厚分布を計測したところ、板幅方向の中央部の板厚は5.5mm であり、板の端から100mm の部位における板厚は4.8mm 、4.9mm であり、板厚のばらつきが大きいことが確認された。
【0077】
このままではMg合金板の長さが短いので、上記材料の先後端に長さ20m程度のステンレス鋼製の金属板を機械的に接続することにより延長し、図1に示す製造装置1における第1の巻き取りリール3によりコイル状に巻き取った後に、4段のロール圧延機5による圧延加工に供した。なお、この圧延加工はMg合金の部位だけについて行った。
【0078】
(実施例1)
上記の圧延母材を用いて、圧延機5の先後端には単位断面積当たり9.8N/mm2の張力を付与し、圧下率5%を目標として圧延加工を行った。張力は、第2の巻き取りリール8の回転トルクにより付与し、圧延機5には4段ロール圧延機5を用いた。圧延は、無潤滑の条件により行った。なお、圧延前後の第1の加熱装置4および第2の加熱装置6には、電気抵抗を利用した発熱機構が組み込まれた、直径300mm の加熱用ロール4a〜4cと、6a〜6cを用いた。
【0079】
圧延機5の前方の加熱用ロール4a〜4cによる加熱温度は523Kに設定し、圧延機5の後方の加熱用ロール6a〜6cは623Kに設定して、3.0m/minの圧延速度により圧延加工を行った。
【0080】
圧延加工直後には、Mg合金帯板2の中央部だけが大きく伸びる、いわゆる腹伸びが確認されたが、第2の加熱装置6を通過した後には、目視では、腹伸び形状を確認することは出来なくなった。また、Mg合金帯板2の曲がり等は、全く確認されなかった。
【0081】
この圧延が終了した後に、板幅方向の板厚を測定したところ、板中央部の板厚は5.0mm であり、板の端から100mm の部位の板厚は4.6mm と4.7mm であった。
さらに、同一条件にて2回目の繰り返し圧延を行ったが、圧延直後には腹伸び形状が認められるものの、第2の加熱装置6の通過後には、そのような形状は目視では認められなかった。2回目の繰り返し圧延終了後において、幅方向の板厚分布を測定したところ、板中央部では4.8mm であり、板の端から100mm の部位では4.4mm と4.5mm であった。
【0082】
同一の条件にて、さらに3回目の繰り返し圧延を行ったところ、何の問題もなく圧延は継続可能であり、圧延直後でも、腹伸び形状は殆ど確認できなくなった。このときの板厚分布は、中央部で4.1mm であり、板の端から100mm の部位では4.0mm と4.1mm とであり、板厚のばらつきが殆ど解消されていることが確認された。
【0083】
(比較例1)
上記実施例と同様の条件で、圧延直後の圧延機5の出側の第2の加熱装置6を使用しないで、同様の圧延加工を行った。
【0084】
1回目の圧延直後の板形状は、実施例1と同様な腹伸び形状であるが、第2の加熱装置6が無いため、そのままの形状で巻き取りコイルに巻き取られた。
この圧延が終了した後に、板幅方向の板厚を測定したところ、板中央部の板厚は5.1mm であり、板の端から100mm の部位の板厚は4.4mm と4.5mm であり、上記実施例1と殆ど差異が認められなかった。
【0085】
次に、1回目の圧延と同一条件にて、2回目の圧延を実施したところ、腹伸び形状はさらに著しくなるとともに、板の曲がりが発生したので、それ以上の圧延を継続することができなくなった。
【0086】
(実施例2)
形状矯正が施された圧延母材 (板厚:4mm)を用いたこと以外は、実施例1の方法と同様の方法によって、以下の条件にて圧延加工を行った。
【0087】
前方張力:9.8N/mm2
後方張力:9.8N/mm2
狙い圧下率:25%
圧延機5の入側の加熱温度:600K
圧延後5の出側の加熱温度:623K
通板速度:10m/min
上記条件にて1回目の圧延が完了した後、今度は通板方向を逆転させて、直ちに次の圧延を同一の条件で行った。このようにして、圧延機5を5回往復させることにより、Mg合金の板厚は0.95mmまで低減されたが、圧延板では割れ等の欠陥は認められなかった。この際、トータルの圧下率は76%であった。
【0088】
< 比較例2>
形状矯正が施された圧延母材 (板厚:4mm)を用いた点、および圧延後の加熱だけを行わないこと以外は、実施例2の方法と同様の方法によって、以下の条件にて圧延加工を行った。
【0089】
前方張力:9.8N/mm2
後方張力:9.8N/mm2
狙い圧下率:25%
圧延機5の入側の加熱温度:600K
圧延後5の出側の加熱温度:なし
通板速度:10m/min
1回目の圧延では、実施例2と同様に圧延が可能であり、圧延後の板厚が3.0mm であることが確認された。その後、通板方向を逆転させて、直ちに次の圧延を行ったが、圧延後の板厚は2.6mm であり、25%の圧下率を確保することが出来なかった。さらに、次の圧延を行ったところ、板の端部に割れの発生が認められ、圧延を継続することができなかった。
【0090】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、Mg合金板を圧延素材として用いても、プレス成形の母材となるMg合金帯板を、板厚の均一性および平坦度を充分に維持しながら圧延によって安価に製造する方法を、工業的規模で真に確立することができた。
【0091】
すなわち、本発明により、短時間で大量のマグネシウム合金帯板の製造が可能となり、その経済的効果は著しい。また、生産性には優れるものの板厚の均一性に劣る素材を母材として用いても、帯状のマグネシウム合金板を生産できる。
【0092】
このため、本発明により、圧延によって製造されたMg合金帯板を母材としてプレス成形を行うことによるMg合金製品の製造プロセスを確立することができる。かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の製造装置の構成例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 製造装置
2 Mg合金帯板
3 第1の巻き取りリール
4 第1の加熱装置
4a〜4c 加熱ロール
5 圧延機
6 第2の加熱装置
6a〜6c 加熱ロール
7 第2の冷却装置
7a 冷却ロール
7b 冷却エアブロー
8 第2の巻き取りリール
9 第1の冷却装置
9a 冷却ロール
9b 冷却エアブロー
Claims (5)
- 圧延機によって繰り返し圧延されるMgまたはMg合金からなる被圧延帯を、加熱ロールによって前記被圧延帯に接触し周囲を周回させ、熱伝導によって該被圧延帯を加熱する第1の加熱装置および第2の加熱装置を前記圧延機を挟んだ位置にそれぞれ配置し、該第1の加熱装置および第2の加熱装置を用いて被圧延帯を加熱しながら、1MPa以上の張力を付与し、前記圧延機を用いて該被圧延帯に繰り返し圧延を行うことを特徴とするMgまたはMg合金帯板の製造方法。
- 前記第1の加熱装置および/または前記第2の加熱装置を用いて、前記圧延機により繰り返し圧延を行われた被圧延帯に、焼鈍を行う請求項1に記載されたMgまたはMg合金帯板の製造方法。
- 前記第1の加熱装置および/または前記第2の加熱装置を用いて前記被圧延帯を 400〜750Kに加熱してから、前記圧延機を用いて圧下率:5〜50%で圧延を行う請求項1または請求項2までのいずれか1項に記載されたMgまたはMg合金帯板の製造方法。
- MgまたはMg合金からなる被圧延帯に繰り返し圧延を行う圧延機と、該圧延機を挟んだ位置にそれぞれ配置されて、前記被圧延帯に接触することによる熱伝導によって該被圧延帯を加熱する第1の加熱装置および第2の加熱装置とを備えることを特徴とするMgまたはMg合金帯板の製造装置。
- 前記第1の加熱装置および/または前記第2の加熱装置は、前記被圧延帯の表面に当接しながら回転するとともに内部に発熱機構を組み込まれた加熱用ロールを有する請求項4に記載されたMgまたはMg合金帯板の製造装置。
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