JP2017094393A - スラブの形状調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイジングプレスでスラブの全長にわたって幅圧下を行う際に、クロップ切断における切断量を低減することで歩留りの悪化を抑制すること。
【解決手段】サイジングプレスの金型3a,3bを用いて、スラブ2を長手方向の全長にわたって板幅方向に圧下することで、スラブ2の先端部及び尾端部の少なくとも一方の端部の板幅を第1板幅に幅圧下する際に、板幅を第1板幅W1よりも大きな第2板幅W2に幅圧下する第1幅圧下処理を、長手方向に複数回施すことで板幅を第2板幅W2に幅圧下する第1幅圧下工程と、第1幅圧下処理が施された箇所を板幅方向に圧下することで板幅を第1板幅W1に幅圧下する第2幅圧下処理を、長手方向に複数回施すことで板幅を第1板幅に幅圧下する第2幅圧下工程とを備え、第2幅圧下工程では、いずれかの第2幅圧下処理において、第1幅圧下処理が施された箇所と、第1幅圧下処理が施されていない箇所とが幅圧下される。
【選択図】図6

Description

本開示は、スラブの形状調整方法に関する。
一般に、熱延鋼板の製造ライン(ホットストリップミル)の仕上圧延機入側では、仕上圧延時における通板(被圧延材の搬送)を安定させるため、シートバーの先端部及び尾端部に粗圧延工程で形成されたクロップ部と呼ばれる非定常変形部の切断が行われる。ここで、シートバーとは、粗圧延終了後、且つ仕上圧延前の状態の鋼板のことをいう。
シートバーの先端部及び尾端部は、サイジングプレスによる幅圧下プレス、幅圧延機による幅圧延及び粗圧延機による水平圧下などによって様々な形状に変形する。
このうち、板幅方向の端部よりも板幅方向の中央付近が圧延方向に長く伸びた平面形状をタング形状といい、板幅方向の中央部よりも板幅方向の端部が圧延方向に長く伸びた平面形状をフィッシュテール形状という。
クロップ部の形状が板幅方向の中心を中心軸として板幅方向に左右非対称な場合、そのままの状態でシートバーを仕上圧延機へ通板してしまうと、シートバーの板幅方向における両端側では仕上圧延ロールに偏荷重が生じることがあるため、仕上圧延中に被圧延材であるシートバーや鋼板の蛇行が発生する。また、シートバーの先端部及び尾端部は、端面、上面及び下面の三面から熱が逃げるために温度低下が激しく、定常部と比較して温度が低くなる。この温度が低くなった部分は、変形抵抗が高くなるため、仕上圧延機での噛み込み不良の原因となる。
このような仕上圧延機でのクロップ部に起因したトラブルを回避するため、粗圧延終了後且つ仕上圧延前に、シートバーの先端部及び尾端部のクロップ部が切断(クロップ切断)される。クロップ切断を行うことにより、被圧延材であるシートバーや鋼板の蛇行の防止、絞り防止及び噛み込みの安定化といった効果が得られる。
ここで、シートバーの先端部及び尾端部のクロップ部の大きさは、幅圧下プレスにおける幅圧下の条件に影響されることが知られている。クロップ部が大きい場合、クロップ切断における切断量を増大させる必要があるため、歩留りの悪化を招くこととなる。
これに対して、例えば、特許文献1には、スラブの進行方向に対して開いた形の溝をサイジングプレスの金型に掘り、幅圧下プレス時にスラブの先端が後方に移動しないようにすることで、先端部を矩形化させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、先端部の幅圧下プレス時に、スラブを前方に押し出すことで、先端部の圧延方向への変形を抑制し、矩形に近づける方法が開示されている。特許文献1,2によれば、スクラップ部が矩形化することで、クロップ切断における切断量が少なくなり、歩留りを改善することができる。
さらに、特許文献3には、幅圧延により板幅を大きく減少させる方法において、幅圧下プレスにより予成形によって歩留まりロスを低減させる技術が開示されている。特許文献3では、先端部または後端部を幅圧下プレスによって、先端部もしくは後端部から定常部に向けて板幅が広くなるような形状に予成形し、幅圧延によって生じるフィッシュテール形状を小さくしている。
特開2011−218441号公報 特開2013−208648号公報 特開2008−254034号公報
しかし、特許文献1に開示された方法では、スラブの先端が後方に移動しないようにさせることで先端部を矩形化させているものの、幅圧下プレスにおける幅圧下量が大きい場合には、板幅方向の中央部に集中するひずみの発生は抑えられない。このため、幅圧下量が大きい場合には、先端部の形状が板面の面積が大きなタング形状となり易くなり、クロップ切断における切断量が多くなるために歩留りの悪化を抑制することが困難となる。
また、特許文献2に開示された方法では、スラブを押し出すことで、先端部の変形を抑制しているが、幅圧下プレスの幅圧下量が大きくなった場合には、スラブが固定されていることで先端部の圧延方向への変形が顕著になる。このため、幅圧下量が大きい場合には、クロップ切断における切断量が多くなるために歩留りの悪化を抑制することが困難となる。さらに、同様の幅圧下プレスを尾端部に対して行う場合においても、尾端部の圧延方向への変形が顕著となるため、歩留りの悪化を抑制することが困難となる。
さらに、特許文献3に開示された方法は、幅圧延による大幅圧下を前提としており、サイジングプレスのみでスラブの長手方向全長にわたって幅圧下を施すものではない。幅圧延による大幅圧下では、複数回の圧延を要するために、製造ラインの能率が大幅に低下する。さらに、幅圧延による大幅圧下では、圧延に時間を要することから温度が低下するため、幅圧下後のスラブ再加熱や低温のスラブを圧延するための高耐荷重の圧延機が必要となる。このため、工程数の省略、設備数の削減、設備の低廉化を考えると、サイジングプレスのみでスラブの全長にわたって幅圧下を行うことが望ましい。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、サイジングプレスでスラブの全長にわたって幅圧下を行う際に、クロップ切断における切断量を低減することで歩留りの悪化を抑制することができるスラブの形状調整方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、金型を用いてスラブを板幅方向に圧下することで、上記スラブの板幅を第1板幅に幅圧下する際に、上記スラブの長手方向両端部である先端部及び尾端部の少なくとも一方の端部において、金型を用いて上記スラブを板幅方向に圧下することで上記スラブの板幅を上記第1板幅よりも大きな第2板幅に幅圧下する第1幅圧下処理を、上記長手方向に複数回施すことで上記端部の板幅を上記第2板幅に幅圧下する第1幅圧下工程と、上記第1幅圧下工程の後、上記スラブの上記第1幅圧下処理が施された箇所を、上記金型を用いて上記板幅方向に圧下することで上記スラブの板幅を上記第1板幅に幅圧下する第2幅圧下処理を、上記長手方向に複数回施すことで上記端部の板幅を上記第1板幅に幅圧下する第2幅圧下工程とを備えることを特徴とするスラブの形状調整方法が提供される。
本発明の一態様によれば、サイジングプレスでスラブの全長にわたって幅圧下を行う際に、クロップ切断における切断量を低減することで歩留りの悪化を抑制することができる。
クロップ部の平面形状の代表例を示す平面図であり、(a)はタング形状の一例を示す平面図、(b)はタング形状の一例を示す平面図、(c)はフィッシュテール形状の一例を示す平面図、(d)はタング形状の一例を示す平面図、(e)はフィッシュテール形状の一例を示す平面図である。 幅圧下プレス時の圧延方向のスラブの変形を示す平面図であり、(a)は幅圧下量が200mm未満の場合における一例を示す平面図、(b)は幅圧下量が200mm以上の場合における一例を示す平面図である。 幅圧下プレス時の板厚方向のスラブの変形を示す側面図である。 幅圧下量とタング形状及びフィッシュテール形状との関係を示すグラフである。 スラブの部位を示す平面図である。 第1実施形態に係るスラブの形状調整方法を示す平面図であり、(a)は第1幅圧下工程における先端部の状態を示す平面図、(b)は第1幅圧下工程における図6(a)の後の状態を示す平面図、(c)は第2幅圧下工程における先端部の状態を示す平面図、(d)は第2幅圧下工程における図6(c)の後の状態を示す平面図、(e)は定常幅圧下工程における先端部の状態を示す平面図である。 スラブの形状調整方法別の接触長を示す平面図であり、(a)はスラブの先端側の板幅を、初期板幅から第1板幅となるまで1回の幅圧下処理で圧下した状態を示す平面図、(b)はスラブの先端側に、第1幅圧下工程で1回の第1幅圧下処理を施し、第2幅圧下工程で第2幅圧下処理を施した状態を示す平面図、(c)はスラブ2の先端側に、第1幅圧下工程で2回の第1幅圧下処理を施し、第2幅圧下工程で第2幅圧下処理を施した状態を示す平面図である。 第1幅圧下工程においてスラブを逆走させる距離の違いによる接触長の違いを示す説明図であり、(a)は第1距離が十分に大きい場合における第2幅圧下工程の様子を示す平面図、(b)は第1距離が小さい場合における第2幅圧下工程の様子を示す平面図である。 第1距離を示す平面図である。 第1幅圧下工程における接触長の全長と第2幅圧下処理の接触長との関係を示す説明図であり、(a)は第1幅圧下工程における接触長の全長が長い場合における第1幅圧下工程終了後の状態を示す平面図、(b)は図10(a)の後に第2幅圧下処理を1回施した状態を示す平面図、(c)は第1幅圧下工程における接触長の全長が短い場合における第1幅圧下工程終了後の状態を示す平面図、(d)は図10(c)の後に第2幅圧下処理を1回施した状態を示す平面図である。 第2実施形態に係るスラブの形状調整方法を示す平面図であり、(a)は定常幅圧下工程における先端部の状態を示す平面図、(b)は第1幅圧下工程における先端部の状態を示す平面図、(c)は第1幅圧下工程における図11(b)の後の状態を示す平面図、(d)は第2幅圧下工程における先端部の状態を示す平面図、(e)は第2幅圧下工程における図11(d)の後の状態を示す平面図である。 スラブの形状調整方法別の接触長を示す平面図であり、(a)はスラブの先端側の板幅を、初期板幅から第1板幅となるまで1回の幅圧下処理で圧下した状態を示す平面図、(b)はスラブの尾端側に、第1幅圧下工程で1回の第1幅圧下処理を施し、第2幅圧下工程で第2幅圧下処理を施した状態を示す平面図である。 第2距離が尾端部の変形へ与える影響を示す平面図であり、(a)は第2距離が十分に大きい場合における第2幅圧下工程の様子を示す平面図、(b)は第2距離が小さい場合における第2幅圧下工程の様子を示す平面図である。
上述のように、シートバーの長手方向両端部である先端部及び尾端部におけるクロップ部の形状は、タング形状とフィッシュテール形状との2種類に大別される。図1にシートバー1におけるクロップ部の平面形状(輪郭)の代表例を示す。タング形状は、図1(a)に示すように、板幅方向(図1の紙面における左右方向)の端部よりも板幅方向の中央付近が圧延方向である長手方向(図1の紙面における上下方向)に長く伸びた平面形状を有する。また、図1(b)に示すように、タング形状は、端部がくぼんだ形状となる場合もある。一方、フィッシュテール形状は、図1(c)に示すように、中央部よりも端部が長手方向に長く伸びた平面形状を有する。
なお、以下の説明では、図1(a)に示すように、タング形状の端部において、長手方向の最端となる部分を最端部1Aといい、幅非定常部の開始位置である部分を根元部1Bという。また、最端部1Aから根元部1Bまでの長手方向の長さをタング長さという。このとき、図1(b)のように先端がくぼんだタング形状では、略板幅方向に端部が二つ存在することになる。この場合、根元部1Bまでの長さが短い方の端部を最端部1Aとする。一方、図1(c)に示すように、フィッシュテール形状の端部においては、長手方向の最端となる部分を最端部1Cといい、板幅方向の中央部において長手方向に最も凹んだ部分を最凹部1Dという。また、最端部1Cから最凹部1Dまでの長手方向の長さをフィッシュテール長さという。
クロップ部の平面形状は、粗圧延工程の条件によっては、図1(d)や図1(e)に示すように、シートバー1の板幅方向の中心を中心軸として、板幅方向に対して左右非対称な形状になる場合がある。図1(e)に示すような非対称なフィッシュテール形状の場合には、略幅方向に二つ存在する端部のうち、最凹部1Dからの長手方向の距離が短い方の端部における長手方向最端を最端部1Cとする。
サイジングプレスでスラブの先端部及び尾端部に幅圧下プレスを行う際、スラブの先端部及び尾端部は、長手方向及び長手方向と板幅方向とに垂直な板厚方向に変形する。図2には、板幅1500mm、板厚260mmのスラブ2の先端部に対して幅圧下量の異なる幅圧下プレスを行った場合における、変形後の先端部の状態を示す。図2(a)は200mm未満の幅圧下量とした場合、図2(b)は200mm以上の幅圧下量とした場合をそれぞれ示す。サイジングプレスは、スラブ2の板幅方向に対向して設けられた一対の金型3a,3bを有し、この一対の金型3a,3bを間に配されたスラブ2の板幅中心へ移動させることでスラブ2の幅圧下プレスを行う。図2(a)に示す幅圧下量が200mm未満の幅圧下プレスを行う場合、圧延方向となるスラブ2の長手方向(図2の紙面に対する左右方向)への変形は、板幅方向の両端部のみが変形する。一方、図2(b)に示す幅圧下量が200mm以上の幅圧下プレスを行う場合、板幅方向の中央部までひずみが浸透するため、板幅方向の中央部が大きくスラブ2の長手方向へ大きく変形する。
図3には、図2(a),図2(b)に示した例の場合における、先端部の板厚方向の変形後の形状例を示す。図3(a)には図2(a)と同様に200mm未満の幅圧下量とした場合、図3(b)には図2(b)と同様に200mm以上の幅圧下量とした場合をそれぞれ示す。図3(a)に示す幅圧下量が200mm未満の幅圧下プレスを行う場合、板厚方向においても板幅方向の両端部が変形し、板幅方向の両端部のみが増厚する。幅圧下プレス後に行われる水平圧延では、増厚した板幅方向の両端部が圧延方向に伸ばされるため、幅圧下量が200mm未満の幅圧下プレスを行う場合には、スラブ2の先端部がフィッシュテール形状となる。一方、図3(b)に示す幅圧下量が200mm以上の幅圧下プレスを行う場合、板幅方向の中央部が増厚することとなる。幅圧下プレス後に行われる水平圧延では、増厚した板幅方向の中央部が圧延方向に伸ばされるため、幅圧下量が200mm以上300mm未満の幅圧下プレスを行う場合には、スラブ2の先端部のフィッシュテール長さが短くなる。さらに、幅圧下量が300mm以上の幅圧下プレスを行う場合には、スラブ2の先端部の形状がタング形状となる。
つまり、圧延方向及び板厚方向の変形を考えると、幅圧下量が200mm未満では、幅圧下プレス後のスラブ2の先端部の形状は、フィッシュテール形状となり、幅圧下量の増加とともにフィッシュテール長さが長くなる。幅圧下量が200mm以上300mm未満では、幅圧下プレス後のスラブ2の先端部の形状は、フィッシュテール形状となるものの、幅圧下量の増加とともに、フィッシュテール長さが減少する。幅圧下量が300mm以上では、幅圧下プレス後のスラブ2の先端部の形状は、タング形状となり、幅圧下量の増加とともにタング長さが長くなる。図4に、幅圧下量とフィッシュテール形状及びタング形状との関係を示したグラフを示す。図4の縦軸プラス側はタング長さを表しており、縦軸のマイナス側の絶対値がフィッシュテール長さを表している。
また、上記の圧延方向及び板厚方向における変形は、板幅方向の中央部にひずみが入ることで生じるため、スラブ2の板幅が狭くなるほど顕著となる。特に、板幅が1500mm以下のスラブ2の場合、板幅方向の中央部の変形が顕著に表れるようになる。
さらに、スラブ2の先端部における変形について説明したが、このような変形は尾端部でも同様に起こり得る。
以上のように、幅圧下プレスにおける幅圧下量が増加すると、シートバーの長手方向両端部におけるタング長さが長くなる。タング長さが大きい場合、仕上圧延前に行われるスクラップ切断における切断量(クロップ重量)の増加によって、歩留りが悪化する。これに対して、本発明者らは、幅圧下プレスにおける幅圧下量が大きい条件において、クロップ重量を低減可能なスラブ2の形状調整方法(幅圧下方法)について鋭意検討をした結果、本発明に係るスラブ2の形状調整方法を知見するに至った。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、詳細に説明する。なお、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<第1実施形態>
[熱延鋼板の製造方法]
本発明の第1実施形態に係るスラブ2の形状調整方法は、熱延鋼板の製造工程において、粗圧延工程で行われるスラブ2の幅圧下プレスに適用される。熱延鋼板の製造工程は、スラブ2から鋼帯を製造する工程であり、工程順に、加熱工程、粗圧延工程、仕上圧延工程、冷却工程、巻き取り工程に大別される。以下、加熱工程側を上流側、巻き取り工程側を下流側として説明する。
加熱工程では、スラブ2が加熱炉で1100℃〜1300℃まで加熱され、テーブルの上に抽出された後、その後の粗圧延工程が行われる設備へと搬送される。
粗圧延工程では、搬送されてきたスラブに、少なくとも一対のロールをそれぞれ具備した幅圧延機と粗圧延機とによって、幅圧延と水平圧延とが行われる。幅圧延機は、粗圧延機の上流側及び下流側の少なくとも一方に設けられる。幅圧延及び水平圧延は、上流工程側から下流工程側へ向かう前進方向に搬送(順送)されながら行われる場合と、前進方向の逆方向となる後進方向に搬送(逆走)されながら行われる場合とがある。さらに、粗圧延工程では、スラブ2が順送されながら幅圧延及び水平圧延が行われる場合と、スラブ2が順送と逆走とが2回以上繰り返されながら幅圧延及び水平圧延が行われる場合とがある。幅圧延及び水平圧延が順送のみによって行われる場合、粗圧延工程では、幅圧延機及び粗圧延機による圧延処理によって、スラブ2を所定の板幅及び板厚のシートバー1とする。
粗圧延工程では、粗圧延機のさらに上流側に、スラブ2を幅方向に圧下し、スラブ2の形状制御をするためのサイジングプレスが設置されている。このサイジングプレスは、スラブ2の幅圧下効率が幅圧延機よりも高いため、スラブ2の幅を大きく減少(幅圧下プレス)させる場合に使用される。第1実施形態では、幅圧延機による幅圧延の前に、このサイジングプレスによる幅圧下プレスを行う。サイジングプレスは、スラブ2の板幅方向に対向して配される一対の金型3a,3bと、一対の金型3a,3bの上流側及び下流側に設けられるピンチロール(不図示)とを有する。サイジングプレスは、ピンチロールを用いてスラブを間欠的に搬送しながら、一対の金型3a,3bを板幅方向に動かし、スラブ2を板幅方向に圧下することでスラブ2の板幅を小さくする。ピンチロールは、スラブ2を上流工程側から下流工程側へ向かう前進方向に搬送(順送)及び前進方向の逆方向となる後進方向に搬送(逆走)することができる。一対の金型3a,3bは、スラブ2との接触面において、下流工程側にスラブ2の搬送方向と平行部と、上流工程側にスラブ2の搬送方向に所定の角度で傾斜した傾斜部とを有する。また、一対の金型3a,3bは、この接触面が対向するように配される。
粗圧延工程で用いられるスラブ2のサイズは、板幅が600mm〜2500mmの一般的なものである。サイジングプレスによる幅圧下量は、0mm超400mm以下である。なお、サイジングプレスの耐荷重が大きい場合や一対の金型3a,3bのテーパー角度が大きい場合には、サイジングプレスの幅圧下量は、400mm超600mm以下であってもよい。
サイジングプレスによる幅圧下プレスでは、所定の搬送ピッチでスラブ2が搬送(搬送処理)された後、一対の金型3a,3bによって、一対の金型3a,3bの間に配されたスラブ2の領域が所定の板幅まで幅圧下される(幅圧下処理)。搬送処理では、ピンチロールの正転動作または逆転動作によって、スラブ2を順送または逆走させることができる。搬送ピッチは、ピンチロールによる一度の搬送処理によってスラブ2が順送または逆走する際の移動距離であり、一対の金型3a,3bの形状及び寸法に応じて、スラブ2の長手方向の長さよりも短い長さに設定される。そして、このスラブ2の搬送処理と幅圧下処理とが繰り返されることで、長手方向の全長にわたってスラブ2の幅圧下プレスが行われる。
幅圧下プレスにおける幅圧下処理による幅圧下量である目標幅圧下量dWは、幅圧下プレス前のスラブ2の板幅と、熱延鋼板の製品板幅とによって決められる。この際、スラブ2の初期の板幅から幅圧下プレスを施した後の板幅を予測し、その後の粗圧延工程における水平圧延と幅圧延を施した後の板幅を予測し、さらにその後の仕上圧延を施した後の板幅を予測し、最終的に予測された板幅が製品板幅となるように、目標幅圧下量dWを設定する。幅圧下プレスによるスラブ2の形状調整方法の詳細については、後述する。
仕上圧延工程では、上下一対のロールを具備した水平圧延機を少なくとも1機以上備えた仕上圧延機を用いて、粗圧延されたシートバー1に対して水平圧延が行われる。このときの水平圧延は、シートバー1を一方向にのみ搬送させて行われる。
冷却工程では、搬送されている仕上圧延後の鋼板に板厚方向の上下両方向から水を噴射させて、鋼板を冷却する。
巻き取り工程では、冷却工程で冷却された鋼板を、コイラーを用いて巻き取り、コイル状にする。
[スラブの形状調整方法]
次に、第1実施形態に係るスラブ2の形状調整方法について説明する。
スラブ2は、図5に示すように、熱延工程における圧延方向(スラブ2の長手方向)の下流側から、先端部2T、定常部2M及び尾端部2Bの3領域に分けられる。また、先端部2T及び尾端部2Bにおける長手方向の最端を、先端2T及び尾端2Bとそれぞれいう。幅圧下プレス前における、スラブ2の板幅方向(図5の紙面に対する上下方向)の長さは、初期板幅W0[mm]である。なお、上述のように、幅圧下プレスでは幅圧下量が300mm以上の場合、端部がタング形状となりやすいことから、幅圧下プレスの条件としては、下記(1)式で算出される目標幅圧下量dWが300mm以上であることが好ましい。(1)式において、W1は幅開圧下プレスによって最終的に幅圧下されたスラブ2の板幅[mm]を示す。また、スラブ2の初期板幅W0が1500mm以下となると、端部がタング形状となりやすいことから、スラブ2の条件としては、初期板幅W0が1500mm以下であることが好ましい。
dW=W0−W1 ・・・(1)
まず、図6(a),図6(b)に示すように、サイジングプレスにて、先端部2Tに対して、スラブ2の板幅方向に圧下することでスラブ2の板幅を第2板幅W2[mm]に幅圧下する第1幅圧下処理を長手方向に2回施す(第1幅圧下工程)。第2板幅W2は、第1板幅W1よりも大きく且つ初期板幅W0よりも小さな板幅である。第1幅圧下工程では、先端部2Tの先端2T側及び尾端2B側の2領域に対して、それぞれ第1幅圧下処理を施す。第1幅圧下工程では、はじめに、図6(a)に示すように、先端部2Tの先端2T側に対して第1幅圧下処理を施す。この第1幅圧下処理では、サイジングプレスの一対の金型3a,3bで、先端部2Tの先端2T側を板幅方向に圧下(鍛造)することにより、圧下された箇所の板幅を第2板幅W2にする。次いで、圧下されていない先端部2Tの尾端2B側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで、熱延工程における圧延方向(図6の紙面に対する右方向)に、スラブ2を搬送(順送)させる。さらに、図6(b)に示すように、先端部2Tの尾端2B側に対して第1幅圧下処理を施す。この第1幅圧下処理では、先端側2Tの場合と同様に、一対の金型3a,3bで先端部2Tの尾端2B側を板幅方向に圧下することにより、圧下された箇所の板幅を第2板幅W2にする。その後、先端部2Tの先端2T側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで、熱延工程における圧延方向と逆方向に、スラブ2を搬送(逆走)させることで、第1幅圧下工程が終了する。第1幅圧下工程では、先端部2Tに対して長手方向に計2回の第1幅圧下処理を施すことにより、先端部2Tの板幅が第2板幅W2に幅圧下される。
第1幅圧下工程の後、図6(c),図6(d)に示すように、サイジングプレスにて、第1幅圧下処理が施された先端部2Tに対して、スラブ2の板幅方向に圧下することでスラブ2の板幅を第1板幅W1に幅圧下する第2幅圧下処理を長手方向に2回施す(第2幅圧下工程)。第2幅圧下工程では、はじめに、図6(c)に示すように、先端部2Tの先端2T側に対して第2幅圧下処理を施す。この第2幅圧下処理では、サイジングプレスの一対の金型3a,3bで、先端部2Tの先端2T側を板幅方向に圧下(鍛造)することにより、圧下された箇所の板幅を第1板幅W1にする。次いで、第2幅圧下処理が施されていない先端部2Tの尾端2B側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで順送させる。さらに、図6(d)に示すように、先端部2Tの尾端2B側に対して第2幅圧下処理を施す。この第2幅圧下処理では、先端部2Tの先端側2Tの場合と同様に、一対の金型3a,3bで先端部2Tの尾端2B側を板幅方向に圧下することにより、圧下された箇所の板幅を第1板幅W1にする。第2幅圧下工程では、先端部2Tに対して長手方向に計2回の第2幅圧下処理を施すことにより、先端部2Tの板幅が第1板幅W1に幅圧下される。
なお、第2幅圧下工程では、少なくとも第1幅圧下工程にて第2板幅W2となった箇所の板幅が、すべて第1板幅W1となるように幅圧下が行われる。このため、図6(d)に示すように、2回目の第2幅圧下処理では、第1幅圧下工程にて幅圧下が施されていない、板幅が初期板幅W0となる定常部2Mの先端2T側の領域も、板幅が初期板幅W0よりも小さくなるように幅圧下が施される。この際、定常部2Mの先端2T側の領域は、一対の金型3a,3bの傾斜部によって幅圧下される。
第2幅圧下工程の後、スラブ2の定常部2M及び尾端部2Bの板幅が第1板幅W1となるまで幅圧下が施されていない箇所について、板幅が第1板幅W1となるように幅圧下を施す(定常幅圧下工程)。定常幅圧下工程では、まず、定常部2M及び尾端部2Bの板幅が第1板幅W1となるまで幅圧下が施されていない箇所のうち先端2T側の領域が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで、スラブ2を順送させる。次いで、図6(e)に示すように、一対の金型3a,3bによる圧下位置に配された箇所に対して定常幅圧下処理を施す。この定常幅圧下処理では、一対の金型3a,3bで圧下位置に配された箇所を板幅方向に圧下することにより、この箇所の板幅を第1板幅W1にする。さらに、このスラブ2の順送及び定常幅圧下処理が繰り返し行われることで、スラブ2の長手方向全長にわたって幅圧下プレスが施される。
以上のように、第1実施形態に係るスラブ2の形状調整方法によれば、スラブ2の長手方向全長における板幅が第1板幅W1に調整される。上述のように、幅圧下プレスの幅圧下量が大きい場合、初期板幅W0から第1板幅W1への幅圧下を1回の幅圧下処理で行うと、板幅の中央部にひずみが入るために先端部2Tの形状がタング長さの長いタング形状となる。これに対して、第1実施形態に係るスラブ2の形状調整方法では、スラブ2の先端部2Tを幅圧下する際に、第1幅圧下工程及び第2幅圧下工程の2回に分けて幅圧下を行う。これにより、1回の幅圧下処理による幅圧下量を小さくすることができ、板幅方向の中央部へひずみが入りにくくなるため、先端部2Tの形状を、タング長さの短いタング形状またはフィッシュテール形状とすることができる。
また、第1実施形態では、第1幅圧下工程において、スラブ2の先端2T側に対して長手方向に2回の第1幅圧下処理を施す。これに対して、第1幅圧下工程において、スラブ2の先端2T側に対して第1幅圧下処理を1回しか施さない場合、タング長さの低減やフィッシュテール形状化といったタング抑制効果を得ることがほとんどできない。図7にスラブ2の先端2T側を板幅が第1板幅W1となるまで幅圧下する際における、形状調整方法別の接触長Lを示す。図7(a)には、スラブ2の先端2T側の板幅を、初期板幅W0から第1板幅W1となるまで1回の幅圧下処理で圧下した状態を示す。図7(b)には、第1幅圧下工程でスラブ2の先端2T側に1回の第1幅圧下処理を施し、その後、第2幅圧下工程でスラブ2の先端2T側に第2幅圧下処理を施した状態を示す。図7(c)には、上記の第1実施形態と同様に、第1幅圧下工程でスラブ2の先端2T側に2回の第1幅圧下処理を施し、その後、第2幅圧下工程で先端2Tを含む箇所(先端部2Tの先端2T側)に第2幅圧下処理を施した状態を示す。図7(a)〜図7(c)では、直前に施された幅圧下処理によって、斜線で示した箇所が圧下される。幅圧下プレスでは、金型3a,3bに対するスラブ2の長手方向の接触長Lが長くなるほど、スラブ2の長手方向への変形量が大きくなるため、幅圧下プレス後の端部形状がタング形状である場合にはタング長さが長くなる一因となる。このため、タング長さを短くするためには、一回の幅圧下量を小さくすることに加え、接触長Lを短くすることも重要となる。第1幅圧下工程において第1幅圧下処理を1回だけ行った図7(b)の場合、第1幅圧下工程で幅圧下した箇所に重ね合せるように第2幅圧下工程での幅圧下が行われる。このため、図7(b)における接触長Lは、1回の幅圧下処理で第1板幅W1に幅圧下する図7(a)における接触長Lと同程度の長さとなり、タング抑制効果を十分に得られることができない。これに対して、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理を2回行った図7(c)における接触長Lは、図7(a),図7(b)における接触長Lよりも短くなっており、タング抑制効果を得ることができる。
また、第1幅圧下工程において長手方向に2回の第1幅圧下処理を施す第1実施形態の場合、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理後にスラブを逆走させる第1距離D1が小さい場合にはタング抑制効果が十分に得られない場合がある。図8(a)には第1距離D1が十分に大きい場合における第2幅圧下工程の様子、図8(b)には第1距離D1が小さい場合における第2幅圧下工程の様子をそれぞれ示す。図8(a),図8(b)を比較すると、第1距離D1が短い図8(b)では、1回目の第2幅圧下処理における接触長Lが長くなり、第1幅圧下工程を行わずに1回の幅圧下で板幅を第1板幅W1とする場合(例えば、図7(a)のような場合)と同程度となることがわかる。つまり、タング抑制効果を十分に得るためには、第2幅圧下処理における接触長Lを、第1幅圧下工程を行わずに1回の幅圧下で板幅を第1板幅W1に圧下する場合よりも短くする必要がある。図9に示すように、第2幅圧下処理における金型3a,3bの傾斜部がスラブ2と接触する部分の接触長LTSは、下記(2)式で算出される。なお、(2)式において、dWP2は下記(3)式で算出される第2幅圧下処理によるスラブ2の幅圧下量、θはスラブ2の長手方向に対する金型3a,3bの傾斜部の傾斜角度をそれぞれ示す。
Figure 2017094393
dWP2=W2−W1 ・・・(3)
そして、第2幅圧下処理における接触長LTSを、第1幅圧下工程を行わずに1回の幅圧下で板幅を第1板幅W1に圧下する場合よりも短くするためには、第1距離D1を接触長LTSよりも長くすればよく、第1距離D1が下記(4)式を満たせばよい。
Figure 2017094393
なお、第1実施形態では、第1幅圧下工程における接触長の全長LT1は、(5)式を満たすことが好ましい。第1幅圧下工程における接触長の全長LT1は、第1幅圧下工程において、2回の第1幅圧下処理によって一対の金型3a,3bと接触するスラブ2の領域の長手方向の長さである。つまり、第1幅圧下工程における接触長の全長LT1は、先端2Tから2回目の幅圧下処理によって一対の金型3a,3bの傾斜部と接する領域までの長手方向の長さとなる。第1幅圧下処理における接触長Lが(5)式を満たす場合、図10(a)に示すように、第1幅圧下工程の終了直後の状態において、スラブ2が1対の金型3a,3bの平行部と接触した状態となる。このため、図10(b)に示すように、第2幅圧下工程の第2幅圧下処理における接触長Lを短くすることができる。一方、第1幅圧下処理における接触長Lが(5)式を満たさない場合、図10(c)に示すように、第1幅圧下工程の終了直後の状態において、スラブ2が1対の金型3a,3bの傾斜部のみと接触し、1対の金型3a,3bの平行部とは接触しない状態となる。このため、図10(d)に示すように、第1距離D1が(4)式を満たしていたとしても、第2幅圧下工程の第2幅圧下処理における接触長Lを短くすることができず、タング抑制効果を得ることができなくなる可能性がある。
Figure 2017094393
また、第1実施形態では、第1幅圧下工程における接触長の全長LT1は、初期板幅W0の半分以上の長さであることが好ましく、一般的な板幅のスラブ2であれば350mm以上であることが好ましい。第1幅圧下工程における接触長の全長LT1が初期板幅W0の半分未満の長さである場合、定常幅圧下処理による先端部2Tの板幅中央への影響が大きくなるため、タング抑制効果が十分に得られない可能性がある。
さらに、第1実施形態では、第1幅圧下処理による幅圧下量dWP1及び第2幅圧下処理による幅圧下量dWP2は、どのような値でもよいが、タング抑制効果の観点からは300mm未満であることが好ましい。
<第2実施形態>
[スラブの形状調整方法]
次に、図5,図11〜図13を参照して、本発明の第2実施形態に係るスラブ2の形状調整方法について説明する。第2実施形態に係るスラブ2の形状調整方法は、第1実施形態と同様に、熱延鋼板の製造工程において、粗圧延工程で行われるスラブ2の幅圧下プレスに適用される。熱延鋼板の製造工程は、第1実施形態と同様である。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、先端部2T、定常部2M及び尾端部2Bからなるスラブ2を、板幅方向に圧下することで、スラブ2の長手方向全長における板幅を初期板幅W0から最終的に第1板幅W1に幅圧下する。
まず、図11(a)に示すように、サイジングプレスにて、先端部2T及び定常部2Mに対して、板幅が第1板幅W1となるように幅圧下を施す(定常幅圧下工程)。第2実施形態での定常幅圧下工程では、第1実施形態の定常幅圧下工程と同様に、スラブ2の定常幅圧下処理と順送とを繰り返し行うことで、先端2Tから圧延方向にかけて幅圧下処理が施される。そして、定常部2Mの尾端2B側まで定常幅圧下処理が施されることで、定常幅圧下工程が終了する。なお、定常幅圧下工程が終了した状態では、図11(a)に示すように、尾端部2Bの定常部2M側の領域は、一対の金型3a,3bの傾斜部によって平面視で傾斜状に幅圧下された状態となる。
定常幅圧下工程の後、板幅が第2板幅W2よりも大きな尾端部2Bの先端2T側に対して、板幅が第1板幅W1よりも大きく且つ初期板幅W0よりも小さな第2板幅W2となるように幅圧下する第1幅圧下処理を施す(第1幅圧下工程)。第1幅圧下工程では、はじめに、板幅が第2板幅W2よりも大きな尾端部2Bの先端2T側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで、スラブ2を順送させる。次いで、図11(b)に示すように、尾端部2Bの先端2T側に対して第1幅圧下処理を施す。この第1幅圧下処理では、サイジングプレスの一対の金型3a,3bで、尾端部2Bの先端2T側を板幅方向に圧下することにより、圧下された箇所の板幅を第2板幅W2にする。さらに、尾端部2Bの尾端2B側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで、スラブ2を順送させる。その後、図11(c)に示すように、尾端部2Bの尾端2B側に対して第1幅圧下処理を施す。この第1幅圧下処理では、尾端部2Bの先端側2Tの場合と同様に、一対の金型3a,3bで尾端部2Bの尾端2B側を板幅方向に圧下することにより、圧下された箇所の板幅を第2板幅W2にする。その後、尾端部2Bの先端2T側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで、スラブ2を逆送させることで、第1幅圧下工程が終了する。第1幅圧下工程では、尾端部2Bに対して長手方向に計2回の第1幅圧下処理を施すことにより、尾端部2Bの板幅が第2板幅W2に幅圧下される。
第1幅圧下工程の後、図11(d),図11(e)に示すように、サイジングプレスにて、第1幅圧下施された尾端部2Bに対して、スラブ2の板幅方向に圧下することでスラブ2の板幅を第1板幅W1に幅圧下する第2幅圧下処理を長手方向に2回施す(第2幅圧下工程)。第2幅圧下工程では、はじめに、図11(d)に示すように、尾端部2Bの先端2T側に対して1回目の第2幅圧下処理を施す。1回目の第2幅圧下処理では、サイジングプレスの一対の金型3a,3bで、尾端部2Bの先端2T側を板幅方向に圧下することにより、圧下された箇所の板幅を第1板幅W1にする。次いで、第2幅圧下処理が施されていない尾端部2Bの尾端2B側が一対の金型3a,3bによる圧下位置にくるまで順送させる。さらに、図11(e)に示すように、尾端部2Bの尾端2B側に対して2回目の第2幅圧下処理を施す。2回目の第2幅圧下処理では、尾端部2Bの先端側2Tの場合と同様に、一対の金型3a,3bで尾端部2Bの尾端2B側を板幅方向に圧下することにより、圧下された箇所の板幅を第1板幅W1にする。第2幅圧下工程では、尾端部2Bに対して長手方向に計2回の第2幅圧下処理を施すことにより、尾端部2Bの板幅が第1板幅W1に幅圧下される。
なお、第2幅圧下工程では、尾端部2Bの長手方向の全長にわたって第2幅圧下処理が施されることで、尾端部2Bの長手方向の全長の板幅が第1板幅W1となる。このため、図11(d)に示すように、尾端部2Bの先端2T側を幅圧下する1回目の第2幅圧下処理では、第1幅圧下処理が施されていない箇所と、第1幅圧下処理が施された箇所とが幅圧下される。ここで、第1幅圧下処理が施されていない箇所とは、尾端部2Bの先端2T側の、板幅が第2板幅W2よりも小さく第1板幅W1よりも大きな、図11(d)に示す平面視で傾斜状となる領域である。
以上のように、第2実施形態に係るスラブ2の形状調整方法によれば、スラブ2の長手方向全長における板幅が第1板幅W1に調整される。また、第2実施形態に係るスラブ2の形状調整方法では、第1実施形態の先端部2Tと同様に、スラブ2の尾端部2Bを幅圧下する際に、第1及び第2幅圧下工程の2回に分けて幅圧下を行う。これにより、1回の幅圧下処理における幅圧下量を小さくすることができ、板幅の中央部へひずみが入りにくくなるため、尾端部2Bの形状を、タング長さの短いタング形状またはフィッシュテール形状とすることができる。
また、第2実施形態では、第1幅圧下工程において、スラブ2の尾端2Bに対して長手方向に2回の第1幅圧下処理を施すことにより、タング抑制効果を得ることができる。第2幅圧下工程において、スラブ2の尾端2B側に対して第2幅圧下処理を1回しか施さない場合、タング長さの低減やフィッシュテール形状化といったタング抑制効果を得ることがほとんどできない。図12に尾端2B側を板幅が第1板幅W1となるまで幅圧下する際における、形状調整方法別の接触長Lを示す。図12(a)には、スラブ2の尾端2B側の板幅を、初期板幅W0から第1板幅W1となるまで1回の幅圧下処理で圧下した状態を示す。図12(b)には、第1幅圧下工程が施された尾端2B側の領域に対して、第2幅圧下工程にて長手方向に1回の第2幅圧下処理で第2板幅W2から第1板幅W1となるまで圧下した状態を示す。図12(a),図12(b)では、直前に施された幅圧下処理によって、斜線で示した箇所が圧下される。第2幅圧下工程において、第2幅圧下処理を1回だけ行った図12(b)の場合、接触長Tは、1回の幅圧下処理で第1板幅W1に幅圧下する図12(a)における接触長Lと同程度の長さとなる。つまり、図12(b)のように第2幅圧下工程における第2幅圧下処理を1回しか行わない場合には、タング抑制効果を十分に得られることができない。一方、第2実施形態に係るスラブ2の形状調整方法よれば、第2幅圧下処理における接触長Tを短くすることができるため、タング抑制効果を得ることができるようになる。
また、第2実施形態において、第1幅圧下処理を初めに施す位置である尾端部2Bの先端2T側端は、どのような方法で決定されてもよい。例えば、尾端部2Bの先端2T側端は、第1幅圧下処理を長手方向に施す回数(第2実施形態では2回)に、スラブ2を長手方向に間欠的に搬送させる際の距離でさる搬送ピッチD[mm]を乗じた距離だけ、尾端2Bから離れた位置であってもよい。さらに、尾端部2Bの先端2T側端は、第1幅圧下工程によって、長手方向に伸長するスラブ2の長さを予測して決定されてもよい。なお、第1幅圧下工程によって第1幅圧下処理を施す領域の長手方向の長さである第2距離D2が短い場合、定常幅圧下処理の影響によって尾端部2Bが変形してしまい、十分なタング抑制効果を得ることができない場合がある。図13(a)には第2距離D2が十分に長い場合における定常幅圧下工程の終了時の様子、図13(b)には第2距離D2が短い場合における定常幅圧下工程の終了時の様子をそれぞれ示す。ここで、第2距離D2は、第1幅圧下工程において、初期板幅W0から第2板幅W2への幅圧下が施される領域の長さであり、定常幅圧下工程において圧下が全くされてない領域の長さである。図13(a)のように、第2距離D2が十分に長い場合には、定常幅圧下工程によって尾端部2Bが変形することはないが、図13(b)のように、第2距離D2が短い場合には、定常幅圧下工程によって尾端部2Bが変形することがある。しかし、図13(a)のように、第2距離D2が十分に長い場合には、定常幅圧下工程において、尾端部2Bが変形することはない。ここで、尾端部2Bの変形に影響がない第2距離D2としては、第2距離D2が下記(6)式を満たすことが知られている。第2実施形態では、第2距離D2が(6)式を満たすようにすることで、より確実にタング抑制効果を得ることができる。
Figure 2017094393
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1幅圧下工程における接触長の全長LT1は、初期板幅W0の半分以上の長さであることが好ましく、一般的な板幅のスラブ2であれば350mm以上であることが好ましい。第1幅圧下工程における接触長の全長LT1が初期板幅W0の半分未満の長さである場合、定常幅圧下処理による尾端部2Bの板幅中央への影響が大きくなるため、タング抑制効果が十分に得られない可能性がある。
さらに、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1幅圧下処理による幅圧下量dWP1及び第2幅圧下処理による幅圧下量dWP2は、どのような値でもよいが、タング抑制効果の観点からは300mm以下であることが好ましい。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである
例えば、上記第1実施形態では、先端部2Tに、第1及び第2幅圧下工程では長手方向に2回の第1及び2幅圧下処理をそれぞれ施すとしたが、本発明はかかる例に限定されない。第1及び第2幅圧下工程において、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に施す回数が3回以上であってもよい。この際、第1及び第2幅圧下処理を施す先端部2Tの長さは上記第1実施形態の場合よりも長くなってもよい。なお、一般的な寸法のサイジングプレスの場合、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数がそれぞれ4回以上の場合、4回目以降に第1及び第2幅圧下処理が施される箇所は、スラブ2の先端2Tからの距離が遠いために、幅圧下されても先端部2Tの形状変化に与える影響はほとんどない。つまり、一般的な寸法のサイジングプレスの場合、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数が3回以上であれば、ほぼ同等のタング抑制効果となることから、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数は、2回または3回であることが好ましい。さらに、サイジングプレスの能率の観点からは、幅圧下工程におけるプレス回数(一対の金型3a,3bで幅圧下処理を行う回数)は、少ない方がよく、プレス回数の増加によって能率が低下することとなる。このため、タング抑制効果と能率との両立を考慮すると第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数は、それぞれ2回であることがより好ましい。なお、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理をn(nは2以上の整数)回施す場合、上記第1実施形態における第1距離D1は、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理をn回施した後に、スラブ2を搬送させる距離となる。このため、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理が3回以上施される場合においても、上記第1実施形態と同様に算出される第1距離D1が(4)式を満たすようにすることで第2幅圧下処理における接触長LTSが短くなり、高いタング抑制効果を得ることができる。また、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理をn回施す場合、第1幅圧下工程における接触長の全長LT1は、搬送ピッチDを用いた下記(7)式で示される。(7)式において、Lは1回目の幅圧下処理時の接触長Lを示す。そして、(7)式で示される第1幅圧下工程における接触長の全長LT1が、(5)式を満たすことでより高いタング抑制効果を得ることができる。
T1=(n−1)×D+L ・・・(7)
また、上記第2実施形態では、尾端部2Bに、第1及び第2幅圧下工程では長手方向に2回の第1及び第2幅圧下処理をそれぞれ施すとしたが、本発明はかかる例に限定されない。第1及び第2幅圧下工程において、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に施す回数は3回以上であってもよい。この際、第1及び第2幅圧下処理を施す尾端部2Bの長さは上記第1実施形態の場合よりも長くなってもよい。なお、一般的な寸法のサイジングプレスの場合、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数がそれぞれ4回以上の場合、ほぼ同等のタング抑制効果を得ることができる。また、一般的な寸法のサイジングプレスの場合、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数がそれぞれ5回以上である場合、5回目以降に第1及び第2幅圧下処理が施される箇所は、スラブ2の尾端2Bからの距離が遠いために、幅圧下されても尾端部2Bの形状変化に与える影響はほとんどない。つまり、一般的な寸法のサイジングプレスの場合、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数が4回以上であれば、ほぼ同等のタング抑制効果となることから、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数は、2回、3回または4回であることが好ましい。さらに、サイジングプレスの能率の観点からは、タング抑制効果と能率との両立を考慮すると第1及び第2幅圧下処理を長手方向に行う回数は、それぞれ2回または3回であることがより好ましい。
さらに、上記第1及び第2実施形態では、第1幅圧下工程にて第1幅圧下処理を長手方向に行う回数と、第2幅圧下工程にて第2幅圧下処理を長手方向に行う回数とが同じ回数であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。第1幅圧下工程にて第1幅圧下処理を長手方向に行う回数と、第2幅圧下工程にて第2幅圧下処理を長手方向に行う回数とは、それぞれ複数回であれば、異なる回数であってもよい。
さらに、上記第1及び第2実施形態では、第1幅圧下工程の第1幅圧下処理では、1回の圧下で板幅を初期板幅W0から第2板幅W2に幅圧下するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、スラブ2の長手方向の同一箇所に対して、複数回の圧下を行うことで、板幅を初期板幅W0から第2板幅W2に幅圧下してもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、スラブ2の板幅方向に2回の幅圧下を行う箇所を先端部2Tまたは尾端部2Bとする構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。スラブ2の板幅方向に2回の幅圧下を行う箇所は、先端部2T及び尾端部2Bの両端部、あるいは先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方と定常部2Mであってもよい。先端部2T及び尾端部2Bの両端部に板幅方向への幅圧下を2回行う場合、まず、先端部2Tに対して第1及び第2幅圧下工程を行い、先端部2Tの板幅を第1板幅W1とする。次いで、定常部2Mに対して定常幅圧下工程を行い、定常部2Mの板幅を第1板幅W1とする。さらに、尾端部2Bに対して第1及び第2幅圧下工程を行い、尾端部2Bの板幅を第1板幅W1とする。この場合、先端部2Tにおける第2板幅W2と尾端部2Bにおける第2板幅W2とを異なる板幅としてもよい。また、先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方と定常部2Mに板幅方向への幅圧下を2回行う場合、上記第1実施形態、第2実施形態または上記の両端部に2回の幅圧下を行う際において、定常部2Mについても第1及び第2幅圧下工程が行われる。なお、能率の観点からは、板幅方向への幅圧下を2回行う箇所については、先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方であることが好ましい。
さらに、上記第1及び第2実施形態では、幅圧下プレス後のスラブ2の最終的な板幅を長手方向にわたって均一な第1板幅W1とするとしたが、本発明はかかる例に限定されない。先端部2T、定常部2M及び尾端部2Bに対して異なる条件で幅圧下プレスを施した場合、各部位で板幅方向の板厚分布が異なる。この場合、幅圧下プレス後に行われる水平圧延において、圧延される際の板幅方向への幅拡がりの挙動が各部位で異なるために、板幅が均一にならないことがある。このため、幅圧下プレス後のスラブ2の最終的な板幅を、板厚分布に起因した幅拡がり挙動に応じて、長手方向に変化させてもよい。
さらに、上記第1及び第2実施形態では、第1幅圧下工程で幅圧下される箇所と、第2幅圧下工程で幅圧下される箇所とは同じ個所であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。幅圧下プレスにおいて、最終的にスラブ2の全長の板幅が第1板幅W1となっていれば、第1幅圧下工程で幅圧下される箇所と第2幅圧下工程で幅圧下される箇所とは、完全に同じ箇所でなくてもよい。
さらに、上記第1及び第2実施形態では、熱延鋼板となるスラブ2を対象としたが、本発明はかかる例に限定されない。本発明は、幅圧下により厚板や形鋼などの他の製品となるスラブ2の形状を調整する場合においても適用することができる。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るスラブ2の形状調整方法は、サイジングプレスの金型3a,3bを用いて、スラブ2を長手方向の全長にわたって板幅方向に圧下することで、スラブ2の長手方向の両端部である先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方の端部の板幅を第1板幅に幅圧下する際に、スラブ2の先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方の端部において、スラブ2を板幅方向に圧下することでスラブ2の板幅を第1板幅W1よりも大きな第2板幅W2に幅圧下する第1幅圧下処理を、長手方向に複数回施すことで端部の板幅を第2板幅W2に幅圧下する第1幅圧下工程と、第1幅圧下工程の後、スラブ2の第1幅圧下処理が施された箇所を板幅方向に圧下することでスラブ2の板幅を第1板幅W1に幅圧下する第2幅圧下処理を、長手方向に複数回施すことで端部の板幅を第1板幅に幅圧下する第2幅圧下工程とを備え、第2幅圧下工程では、複数回施される第2幅圧下処理のうち、いずれかの第2幅圧下処理において、スラブ2の第1幅圧下処理が施された箇所と、第1幅圧下処理が施されていない箇所とが幅圧下される。
上記(1)の構成によれば、先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方の端部に対して、板幅方向に少なくとも2回に分けて幅圧下処理を施す。このため、一度の幅圧下処理による幅圧下量を小さくすることができるため、板幅の中央にひずみが入らないようにすることができる。このため、幅圧下プレスの幅圧下量が大きい場合においても、タング抑制効果を得ることができ、歩留りの悪化を抑制することができる。また、第1及び第2幅圧下工程において、第1及び第2幅圧下処理を長手方向に複数回施すことにより、第1及び第2幅圧下処理をする際の接触長Tを短くすることができ、より高いタング抑制効果を得ることができるようになる。
また、上記(1)の構成によれば、サイジングプレスでスラブ2の長手方向の全長にわたって幅圧下をするため、特許文献3のように幅圧延を行うことでスラブ2の長手方向の全長にわたって幅圧下をする方法に比べ、幅圧下に要する時間を短縮することができる。これにより、工程数の省略、設備数の削減及び設備の低廉化をすることができる。
(2)上記(1)の構成において、第1幅圧下工程では、複数回の第1幅圧下処理の間に、尾端から先端に向かう長手方向に平行な前進方向にスラブ2を順送させ、複数回の第1幅圧下処理の後に、前進方向の逆方向となる後進方向にスラブを逆走させ、第2幅圧下工程では、複数回の第2幅圧下処理の間に、前進方向にスラブを順送させる。
(3)上記(2)の構成において、先端部2Tを幅圧下する際の第1幅圧下工程では、複数回の第1幅圧下処理の後に、(4)式で算出される第1距離D1以上の長さだけ、逆方向にスラブ2を逆走させる。
上記(3)の構成によれば、接触長Lを、第1幅圧下工程を行わずに1回の幅圧下で板幅を第1板幅W1に圧下する場合よりも短くすることができるようになる。このため、より高いタング抑制効果を得ることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つの構成において、先端部2Tを幅圧下する際の第1幅圧下工程では、先端部2Tに第1幅圧下処理を施す回数が2回であり、先端部2Tを幅圧下する際の第2幅圧下工程では、先端部2Tに第2幅圧下処理を施す回数が、第1幅圧下工程にて先端部2Tに第1幅圧下処理を施す回数と等しい。
上記(4)の構成によれば、少ないプレス回数で効果的にタング抑制効果を得ることができるようになることから、タング抑制効果と能率とを両立させることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つの構成において、尾端部2Bを幅圧下する際の第1幅圧下工程では、複数回の第1幅圧下処理により、スラブ2の尾端2Bから長手方向に(6)式で算出される第2距離D2以上の長さを幅圧下する。
上記(4)の構成によれば、定常部2Mを定常幅圧下処理することによる、尾端部2Bの変形を抑制することができるため、より高いタング抑制効果を得ることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つの構成において、尾端部2Bを幅圧下する際の第1幅圧下工程では、尾端部2Bに第1幅圧下処理を施す回数が2回または3回であり、尾端部2Bを幅圧下する際の第2幅圧下工程では、尾端部2Bに第2幅圧下処理を施す回数が、第1幅圧下工程にて尾端部2Bに第1幅圧下処理を施す回数と等しい。
上記(5)の構成によれば、少ないプレス回数で効果的にタング抑制効果を得ることができるようになることから、タング抑制効果と能率とを両立させることができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つの構成において、第1幅圧下工程におけるスラブ2の板幅の幅圧下量と、第2幅圧下工程におけるスラブ2の板幅の幅圧下量との合計の幅圧下量である目標幅圧下量を、300mm以上とする。
上記(7)の構成によれば、シートバーの端部の形状がタング長さの長いタング形状となりやすい幅圧下量の条件において、高いタング抑制効果を得ることができる。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1つの構成において、第1幅圧下工程では、第1幅圧下処理を施す前のスラブ2の板幅を1500mm以下とする。
上記(8)の構成によれば、シートバーの端部の形状がタング長さの長いタング形状となりやすいスラブ2の寸法条件において、高いタング抑制効果を得ることができる。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つの構成において、先端部2Tを幅圧下する際の第1幅圧下工程における第2板幅W2と、尾端部2Bを幅圧下する際の第1幅圧下工程における第2板幅W2とを異なる板幅とする。
通常、幅圧下プレスによって幅圧下をする場合、金型3a,3bの形状などの圧下条件の違いから、先端部2Tと尾端部2Bとでは同一の幅圧下量であっても変形する量や変形後の形状が異なる。これに対して、上記(9)の構成によれば、圧下条件に応じて先端部2T及び尾端部2B毎に最適な第2板幅W2を設定することができ、より高いタング抑制効果を得ることができる。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかの構成において、スラブ2の第1幅圧下工程及び第2幅圧下工程にて幅圧下がされていない箇所において、スラブ2を板幅方向に1回幅圧下することでスラブ2の板幅を第1板幅にする定常幅圧下処理を、長手方向に複数回施す定常幅圧下工程をさらに備え、第1幅圧下工程、第2幅圧下工程及び定常幅圧下工程により、スラブの長手方向の全長を幅圧下する。
上記(10)の構成によれば、初期板幅W0から第1板幅W1に2回の幅圧下で行う箇所を、スラブ2の先端部2T及び尾端部2Bの少なくとも一方の端部のみとすることで、サイジングプレスの能率を高めることができる。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかの構成において、サイジングプレスによる幅圧下を、熱延圧延ライン上の加熱炉より下流側、且つ粗圧延より上流側で実施する。
次に、本発明者らが行った実施例1について説明する。実施例1では、上記第1実施形態に係るスラブ2の形状調整方法を用いて、スラブ2の長手方向全長にわたって幅圧下プレスを行い、幅圧下プレスをしたスラブ2を粗圧延した。スラブ2の寸法は、板幅1200mm、板厚260mmである。粗圧延後のシートバー1の板厚は、35mmである。そして、粗圧延後のシートバー1について、先端部2Tの不良部分であるクロップを切断し、切断したクロップの切断面積及び重量を測定した。また、実施例1では比較例1として、上記第1実施形態と異なる条件でも幅圧下プレス及び粗圧延を行い、同様にクロップを評価した。
表1に、幅圧下プレスの条件と、先端部2Tのクロップの評価結果を示す。表1において、第2距離D2は、第2実施形態と同様に、第1幅圧下工程において板幅が初期板幅W0から第2板幅W2に幅圧下される箇所の長手方向の長さを示す。表1に示すように、実施例1−1〜1−6の条件では、第1幅圧下処理を長手方向に施す回数を2回〜25回に変化させて第1幅圧下工程を行った。第1幅圧下処理を施す回数を2回とした実施例1−1では、第1距離D1を300mmとした。第1幅圧下処理を施す回数を25回とした実施例1−6の条件では、スラブ2の長手方向全長にわたって第1幅圧下処理を行った。また、実施例1−1〜1−6の条件では、第1幅圧下工程における幅圧下量を200mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を200mmとした。実施例1−7,1−8の条件では、実施例1−1と同様に、第1幅圧下処理を施す回数を2回とした。実施例1−7の条件では、第1幅圧下工程における幅圧下量を150mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を250mmとし、第1距離D1を360mmとした。実施例1−8の条件では、第1幅圧下工程における幅圧下量を250mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を150mmとし、第1距離D1を250mmとした。実施例1−9の条件では、第1距離D1を220mmとし、その他の条件については実施例1−1と同じとした。なお、実施例1−1〜1−8では第1距離D1を(4)式を満たす値とし、実施例1−9では第1距離D1を(4)式を満たす値とした。
比較例1−1の条件では、幅圧下を第1幅圧下処理と第2幅圧下処理とに分けずに、定常幅圧下工程と同様に、スラブ2の全長にわたって定常幅圧下処理を複数回行うことで、一回の圧下で初期板幅W0から第1板幅W1に圧下をした。比較例1−2の条件では、第1幅圧下処理を施す回数を1回とし、第1幅圧下工程における幅圧下量を200mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を200mmとした。
なお、長手方向の全長にわたって第1幅圧下処理及び第2幅圧下処理を行った実施例1−6及び定常幅圧下処理のみを行った比較例1−1を除いた、実施例1−1〜1−5,1−7〜1−9及び比較例1−2の条件では、第1幅圧下処理及び第2幅圧下処理を施していない、長手方向の箇所については、定常幅圧下工程による定常幅圧下処理を施した。つまり、実施例1及び比較例1では、第1幅圧下処理や第2幅圧下処理、定常幅圧下処理を行うことで、スラブ2の長手方向の全長にわたって、スラブ2の板幅が1200mmから800mmになるまで幅圧下を行った。
Figure 2017094393
比較例1−1の条件では、先端部2Tの形状がタング形状となり、先端部2Tのクロップ重量が72kgとなることを確認した。比較例1−2の条件では、先端部2Tの形状がフィッシュテール形状となったものの、比較例1−1と同様に、先端部2Tのクロップ重量が72kgとなることを確認した。
一方、実施例1−1〜1−9の条件では、先端部2Tの形状がいずれもフィッシュテール形状となり、先端部2Tのクロップ重量が比較例1−1,1−2よりいずれも減少することを確認した。特に、第1距離D1が(4)式を満たす実施例1−1〜1−8の条件では、先端部2Tのクロップ重量が22kg以下と、大幅に減少することを確認した。また、実施例1−1〜1−6の条件では、第1幅圧下処理を長手方向に施す回数を様々に変化させたが、いずれの条件においてもクロップの重量は同程度となることを確認した。なお、実施例1−9の条件では、第1距離D1が(4)式を満たさないため、実施例1−1〜1−8の条件に比べて先端部2Tのクロップ重量が増加したが、比較例1−1,1−2に比べては先端部2Tのクロップ重量が減少することが確認された。
次に、本発明者らが行った実施例2について説明する。実施例2では、上記第2実施形態に係るスラブ2の形状調整方法を用いて、スラブ2の長手方向全長にわたって幅圧下プレスを行い、幅圧下プレスをしたスラブ2を粗圧延した。スラブ2の寸法は、板幅1200mm、板厚260mmである。粗圧延後のシートバー1の板厚は、35mmである。そして、粗圧延後のシートバー1について、先端部2Tの不良部分であるクロップを切断し、切断したクロップの切断面積及び重量を測定した。また、実施例2では比較例2として、上記第2実施形態と異なる条件でも幅圧下プレス及び粗圧延を行い、同様にクロップを評価した。
表2に、幅圧下プレスの条件と、先端部2Tのクロップの評価結果を示す。表2において、第1距離D1は、第1実施形態と同様に、第1幅圧下工程において第1幅圧下処理が施された後にスラブ2を逆走させる距離を示す。表2に示すように、実施例2−1〜2−6の条件では、第1幅圧下処理を長手方向に施す回数を2回〜25回に変化させて第1幅圧下工程を行った。第1幅圧下処理を施す回数を2回とした実施例2−1では、第2距離D2を450mmとした。第1幅圧下処理を施す回数を25回とした実施例2−6の条件では、スラブ2の長手方向全長にわたって第1幅圧下処理を行った。また、実施例2−1〜2−6の条件では、第1幅圧下工程における幅圧下量を200mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を200mmとした。実施例2−7,2−8の条件では、実施例2−1と同様に、第1幅圧下処理を施す回数を2回とした。実施例2−7の条件では、第1幅圧下工程における幅圧下量を150mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を250mmとし、第2距離D2を450mmとした。実施例1−8の条件では、第1幅圧下工程における幅圧下量を250mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を150mmとし、第2距離D2を450mmとした。
比較例2−1の条件では、幅圧下を第1幅圧下処理と第2幅圧下処理とに分けずに、定常幅圧下工程と同様に、スラブ2の全長にわたって定常幅圧下処理を複数回行うことで、一回の圧下で初期板幅W0から第1板幅W1に圧下をした。比較例2−2の条件では、第1幅圧下処理を施す回数を1回とし、第1幅圧下工程における幅圧下量を200mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を200mmとし、第2距離D2を450mmとした。比較例2−3の条件では、第1幅圧下処理を施す回数を1回とし、第1幅圧下工程における幅圧下量を200mmとし、第2幅圧下工程における幅圧下量を200mmとした。また、比較例2−3における第2距離D2は、(6)式を満たさない値として80mmとした。
なお、長手方向の全長にわたって第1幅圧下処理及び第2幅圧下処理を行った実施例2−6及び定常幅圧下処理のみを行った比較例2−1を除いた、実施例2−1〜2−5,2−7,8及び比較例2−2,2−3の条件では、第1幅圧下処理及び第2幅圧下処理を施していない、長手方向の箇所については、定常幅圧下工程による定常幅圧下処理を施した。つまり、実施例2及び実施例2では、第1幅圧下処理や第2幅圧下処理、定常幅圧下処理を行うことで、スラブ2の長手方向の全長にわたって、スラブ2の板幅が1200mmから800mmになるまで幅圧下を行った。
Figure 2017094393
実施例2−1〜2−8の条件では、尾端部2Bの形状がいずれもフィッシュテール形状となり、尾端部2Bのクロップ重量も15.5kg以下となった。また、実施例2−1〜2−6の条件では、第1幅圧下処理を長手方向に施す回数を様々に変化させたが、いずれの条件においてもクロップの重量は同程度となることを確認した。
一方、比較例2−1の条件では、尾端部2Bの形状がタング形状となり、尾端部2Bのクロップ重量が実施例2−1〜2−8に比べて増大し50kgとなることを確認した。比較例2−2,2−3の条件では、尾端部2Bの形状がフィッシュテール形状となったものの、尾端部2Bのクロップ重量が実施例2−1〜2−8に比べて増大し42kg以上となることを確認した。
以上の実施例1,2の結果から、本発明によれば、幅圧下プレスの幅圧下量が多い場合においても、クロップ切断による切断量を低減させることができ、歩留りの悪化を抑制することができることが確認された。
1 シートバー
1A 最端部
1B 根元部
1C 最端部
1D 最凹部
2 スラブ
2T 先端部
2T 先端
2M 定常部
2B 尾端部
2B 尾端
3a,3b 金型
W0 初期板幅
W1 第1板幅
W2 第2板幅
D1 第1距離
D2 第2距離

Claims (11)

  1. サイジングプレスの金型を用いて、スラブを長手方向の全長にわたって板幅方向に圧下することで、前記スラブの前記長手方向の両端部である先端部及び尾端部の少なくとも一方の端部の板幅を第1板幅に幅圧下する際に、
    前記スラブの前記先端部及び前記尾端部の少なくとも一方の端部において、前記スラブを板幅方向に圧下することで前記スラブの板幅を前記第1板幅よりも大きな第2板幅に幅圧下する第1幅圧下処理を、前記長手方向に複数回施すことで前記端部の板幅を前記第2板幅に幅圧下する第1幅圧下工程と、
    前記第1幅圧下工程の後、前記スラブの前記第1幅圧下処理が施された箇所を、前記金型を用いて前記板幅方向に圧下することで前記スラブの板幅を前記第1板幅に幅圧下する第2幅圧下処理を、前記長手方向に複数回施すことで前記端部の板幅を前記第1板幅に幅圧下する第2幅圧下工程と
    を備え、
    前記第2幅圧下工程では、複数回施される前記第2幅圧下処理のうち、いずれかの前記第2幅圧下処理において、前記スラブの前記第1幅圧下処理が施された箇所と、前記第1幅圧下処理が施されていない箇所とが幅圧下されることを特徴とするスラブの形状調整方法。
  2. 前記第1幅圧下工程では、複数回の前記第1幅圧下処理の間に、前記スラブの尾端から先端に向かう前記長手方向に平行な前進方向に前記スラブを順送させ、複数回の前記第1幅圧下処理の後に、前記前進方向と逆方向となる後進方向に前記スラブを逆走させ、
    前記第2幅圧下工程では、複数回の前記第2幅圧下処理の間に、前記前進方向に前記スラブを順送させることを特徴とする請求項1に記載のスラブの形状調整方法。
  3. 前記先端部を幅圧下する際の前記第1幅圧下工程では、複数回の前記第1幅圧下処理の後に、(4)式で算出される第1距離D1以上の長さだけ、前記逆方向に前記スラブを逆走させることを特徴とする請求項2に記載のスラブの形状調整方法。
    D1>dWP2/(2・tanθ) ・・・(4)
    D1:第1距離[mm]
    dWP2:第2幅圧下工程における幅圧下量[mm]
    θ:金型の傾斜角度[度]
  4. 前記先端部を幅圧下する際の前記第1幅圧下工程では、前記先端部に前記第1幅圧下処理を施す回数が2回であり、
    前記先端部を幅圧下する際の前記第2幅圧下工程では、前記先端部に前記第2幅圧下処理を施す回数が、前記第1幅圧下工程にて前記先端部に前記第1幅圧下処理を施す回数と等しいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
  5. 前記尾端部を幅圧下する際の前記第1幅圧下工程では、複数回の前記第1幅圧下処理により、前記スラブの尾端から長手方向に(6)式で算出される第2距離D2以上の長さを幅圧下することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
    D2>dW/2 ・・・(6)
    D2:第2距離[mm]
    dW:目標幅圧下量[mm]
  6. 前記尾端部を幅圧下する際の前記第1幅圧下工程では、前記尾端部に前記第1幅圧下処理を施す回数が2回または3回であり、
    前記尾端部を幅圧下する際の前記第2幅圧下工程では、前記尾端部に前記第2幅圧下処理を施す回数が、前記第1幅圧下工程にて前記尾端部に前記第1幅圧下処理を施す回数と等しいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
  7. 前記第1幅圧下工程における前記スラブの板幅の幅圧下量と、前記第2幅圧下工程における前記スラブの板幅の幅圧下量との合計の幅圧下量である目標幅圧下量を、300mm以上とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
  8. 前記第1幅圧下工程では、前記第1幅圧下処理を施す前の前記スラブの板幅を1500mm以下とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
  9. 前記先端部を幅圧下する際の前記第1幅圧下工程における前記第2板幅と、前記尾端部を幅圧下する際の前記第1幅圧下工程における前記第2板幅とを異なる板幅とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
  10. 前記スラブの前記第1幅圧下工程及び前記第2幅圧下工程にて幅圧下がされていない箇所において、前記スラブを板幅方向に1回幅圧下することで前記スラブの板幅を前記第1板幅にする定常幅圧下処理を、前記長手方向に複数回施す定常幅圧下工程をさらに備え、
    前記第1幅圧下工程、前記第2幅圧下工程及び前記定常幅圧下工程により、前記スラブの長手方向の全長を幅圧下することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
  11. 前記サイジングプレスによる幅圧下を、熱延圧延ライン上の加熱炉より下流側、且つ粗圧延より上流側で実施することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスラブの形状調整方法。
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