JP5401926B2 - スラブ幅圧下用金型およびそれを用いたスラブ幅圧下方法 - Google Patents

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本発明は、熱延鋼板を製造する際、シートバー先後端のクロップロスを低減して歩留まりを向上させるためのスラブ幅圧下用金型と、それを用いたスラブ幅圧下方法に関するものである。
近年、主として大陸パイプラインでの原油や天然ガス等の資源の輸送効率化を目的に、API規格にしてX70〜100といった大径厚肉高強度パイプ材の需要が高まっている。これらの資源を効率的に輸送するため、パイプ内部には高い内圧がかけられており、かつ寒冷地での使用や地震による地殻変動なども考慮し、高靭性、高強度といった特性がパイプ材にとって非常に重要となっている。これらのパイプラインにて使用されるパイプは肉厚が15〜25mm程度、外径は20インチ程度以上と大径であり、従来は高強度パイプとしては長手方向に縦長形状である厚鋼板の短辺側を円形に成形した後、突合せ部を長手方向に溶接してパイプとする電縫管が多用されている。通常、厚鋼板は熱間スラブを1基、あるいは2基の圧延機を有する厚板ミルでの多パス圧延にて略矩形形状に製造されるものであり、その製品長は最大でも30m程度である。
これに対し、近年、厚鋼板を薄板圧延用の熱間圧延ラインにて圧延してコイル状に巻き取って熱延鋼板コイルとした後、コイルを巻きほどいて所定の長さに切断した後に電縫管に成形する他、熱延鋼板を長手方向にらせん状に成形すると同時に板幅端部の突合せ部を溶接しながらパイプに製造するスパイラル鋼管の需要が高まっている。熱延鋼板コイルは、最大45トン程度までの製造が可能であり、例えば20mm厚み、板幅1900mm程度であれば熱延鋼板の長さは151m程度となり、直径28インチのスパイラル鋼管に成形したときのパイプ長は約128mとなる。このように、パイプ成形前の母材を熱延鋼板コイルとすることにより、厚鋼板から製造する場合に比べ、連続して長いパイプの製造が可能となることから生産性の向上も期待できる。
このようなパイプ素材を薄板圧延用の熱間圧延ラインにて製造する場合、一般に、制御圧延と呼ばれる圧延方法が行われている。これは、パイプ素材には高い靭性が求められることから、仕上圧延をオーステナイト再結晶温度以下にて実施して歪を累積させ、その直後に冷却を施すことにより、非常に微細な結晶組織を得るための技術である。この際、微細な組織を得るためには仕上圧延にて加える圧下率が非常に重要であり、例えばX70以上のグレードでは65%程度以上の圧下を加えることにより、高い靭性が得られるものである。このためには、例えば厚み20mmの製品を製造するためにはシートバー厚みは57mm以上、厚み25mmの製品を製造するためにはシートバー厚みは71mm以上が必要となる。
さて、通常、仕上圧延の前にてクロップと呼ばれるシートバー先後端部の非定常変形部をシャー切断した後に仕上圧延が行われている。クロップは、大別するとタングと呼ばれる凸形状(図10)とフィッシュテールと呼ばれる凹形状(図11)に分類されるが、製品幅不良、仕上圧延での通板性悪化、低温であることからロールへの損傷等の問題を引き起こすため、仕上圧延前に切断されているものである。切断されたクロップは歩留まり落ちとなるため(以後、クロップロスと呼ぶ)、生産性の観点から極力小さくすることが望ましい。更に、前述したようなパイプ素材用熱延鋼板では、材質上の観点からシートバーを厚くせざるを得ず、またパイプに成形することからスラブ幅も広いことから、クロップカットにより歩留まりが大きく悪化する。また、パイプ素材は高強度厚肉材であることから、コイラーにて巻き取った際に最外周側となる最後端部がフィッシュテール形状であった場合には、バンドにて外周を捕縛した後にフィッシュテール部が突出してバンドが切れ易く、またコイル巻取り状態の姿勢にて搬送する際にも突出したフィッシュテール部が障害となるなど、コイルハンドリング上の問題を引き起こすために回避しなければならない。
このクロップ形状は、粗圧延工程における幅プレス、エッジャーでの幅圧下条件によって大きく変化することから、従来よりクロップロス低減のための様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1では幅プレスでのスラブ幅、幅圧下量に応じ、スラブ先後端圧下時の金型とスラブの接触長等を規定することによりクロップロスを低減する技術が提案されている。
また、特許文献2では、先端、後端のいずれか一方から所定長さ幅圧下した後、他方の端から逆方向にむけて幅圧下を行う技術(以後、逆方向プレスと呼ぶ)提案されている。
また、特許文献3では、スラブ先後端部の幅を目標幅より広目に圧下し、エッジャーと組み合わせてクロップ形状を制御してクロップロスを低減する技術が提案されている。
特開昭58−215202号公報 特開昭62−84801号公報 特開昭63−180301号公報
しかしながら、前記した従来技術(特許文献1〜3)では、各々に問題を有していた。
特許文献1に示されている技術では、本発明者等の検討ではスラブ幅が広くない範囲ではクロップ低減に効果が認められるものの、パイプ素材として多用されている5尺幅以上、特に6尺、7尺といった広幅スラブにて幅圧下を行った場合には効果が小さく、かつフィッシュテール形状となることが不可避であり、前述したごとくコイルハンドリング状の問題を引き起こすこととなる。
また、特許文献2に示されている技術は、特にスラブ後端部のフィッシュテールの改善策として逆方向プレスを提案しており、かつその説明にはスラブ先端部にはフィッシュテールが生じることがないとの説明がされている。スラブ先端部に比べて後端部のフィッシュテールが大きくなるのは、図12に示すような従来のスラブ幅圧下用金型50を使用してスラブ11を幅圧下した場合、傾斜部にて圧下される領域ではスラブ後端部に向けた材料流れが発生するためである。本発明者等の検討では、スラブ幅が広い条件では、幅圧下量にかかわらず幅プレスによる幅圧下にてスラブ先端部がフィッシュテール形状となることが不可避であり、かつ一旦フィッシュテール形状となってしまった場合には、その後の粗圧延にてフィッシュテール形状となることが避けられない。また、逆方向プレスを実施したとしても、適切な幅圧下条件を設定しない場合には、特に広幅スラブでは後端部もフィッシュテールとなってしまうことが不可避である。
そして、特許文献3に開示されている技術での問題点は特許文献1での問題点と同様であり、スラブ先後端部の幅を目標幅より広目に圧下する際、パイプ素材として多用されている5尺幅以上、特に6尺、7尺といった広幅スラブの場合では、たとえ幅圧下量が小さくてもフィッシュテール形状となることが不可避であり、広幅スラブに対してはほとんど効果が認められないものである。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、幅プレスを備えた熱間圧延ラインにおいて、スラブ(特に広幅スラブ)から熱延鋼板を製造する際に、シートバー先後端のクロップロスを低減して歩留まりを向上させることができるスラブ幅圧下用金型およびそれを用いたスラブ幅圧下方法を提供することを目的とするものである。
前述したごとく、特に広幅スラブでは、幅圧下による歪が板幅内部まで浸透しづらいことから、従来技術では先後端のフィッシュテール形状を改善することは困難であった。また、逆方向プレス技術などでは、幅圧下を行っている途中でスラブ位置を調整しなければならないことから、スラブ全長の幅圧下完了までに要する時間が長くなってしまい、生産性の低下、スラブ温度の低下などを引き起こすものである。本発明では、特にパイプ素材用熱延鋼板の製造に必要となる最大2300mm程度の広幅スラブまでを対象としており、シートバー段階でのクロップロス低減のための幅圧下技術について鋭意検討を重ねた結果、幅プレスの金型形状と幅圧下条件を適切に設定することにより、シートバー段階でのフィッシュテール形状を制御できることを知見したものである。
本発明は、以上のようなような知見に基づいてなされたものであり、以下のような特徴をしている。
[1]スラブを板幅方向に圧下するために使用するスラブ幅圧下用金型であって、圧下面はスラブの進行方向に平行な部分とその両端の一定曲率の曲面部からなり、前記平行部と1つの曲面部の長手方向長さの和が、圧下するスラブのうち最大スラブ幅の1/2長以上であり、両端の曲面部の曲率半径が、最大幅圧下量の1/2以上であることを特徴とするスラブ幅圧下用金型。
[2]前記[1]に記載のスラブ幅圧下用金型を用いたスラブ幅圧下方法であって、スラブ先後端圧下時の前記金型とスラブとの接触長さを、スラブ幅の1/2長以下の範囲にて、スラブ幅とスラブ幅圧下量によって決定することを特徴とするスラブ幅圧下方法。
本発明によれば、幅プレスを備えた熱間圧延ラインにおいて、スラブ(特に広幅スラブ)から熱延鋼板を製造する際に、シートバー先後端部のクロップロスを大幅に低減して、歩留まりの大幅な向上が可能である。
本発明の一実施形態を図3〜13に基づいて説明する。
まず、図13は薄板圧延用の熱間圧延ラインの例を示した図であり、本発明の一実施形態についてこの熱間圧延ラインを前提として説明する。
この熱間圧延ラインにおいては、通常、250mm程度の厚みのスラブが、加熱炉1にて1100〜1250℃程度に加熱された後に幅プレス2にて幅圧下を施される。幅プレス2によるスラブの幅圧下は、同一幅のスラブから異なる幅の製品を製造するために行われており、幅圧下量はスラブ幅と製品幅を考慮して設定されている。幅プレス2にて幅圧下されたスラブは、その後、粗圧延工程を経てシートバーに成形される。ここでは、粗圧延工程は複数パスの圧延を行うリバース圧延機4aと、進行方向に向かって1パスの圧延を行う1方向圧延機4bによって行われる。リバース圧延機4aの前後にはエッジャーロール3a、3b、1方向圧延機4bの進行方向前方にはエッジャーロール3cが具備されており、各水平圧延パスの直前に、所定量の幅圧下が行われる。この際、エッジャーロール3a、3b、3cでの幅圧下量は、各水平圧延パスでの幅広がり量を計算し、その幅広がり量を補償するように設定されている。そして、粗圧延工程にて成形されたシートバーは、クロップシャー5にて先端部のクロップ部を切断除去された後、仕上圧延機群6にて所定の仕上厚みまで圧下され、コイラー7にて巻き取られる。また、仕上圧延中、シートバー後端部がクロップシャー位置に来たタイミングにて、後端のクロップ部も切断除去される。
さて、上述した幅プレス2でスラブの幅圧下を行う際に使用される金型は、前述の従来技術(特許文献1〜3)にも開示されているように、通常、図12に示したごとく圧下面が平行部と傾斜部からなる台形形状の金型50が一般的である。
これに対して、本発明の一実施形態において、幅プレス2で使用される幅圧下用金型の形状を図3に示す。図3に示すように、この幅圧下用金型20は、圧下面はスラブの進行方向に平行な部分20aとその両端の一定曲率の曲面部20bとからなっている。そして、前記平行部20aの長さをL、曲面部20bの曲率半径をR、この熱間圧延ラインでの最大スラブ幅をWとすると、下記(1)式の関係を満たすようになっている。
Figure 0005401926
幅プレスによる幅圧下では、幅圧下歪は長手方向と板厚方向の歪となるが、特に広幅材では非変形域の拘束により歪が板幅内部まで浸透しづらく、かつスラブの先後端部は自由端であることから長手方向に材料が流れ易くなる。
図4、図5は、図3に示したこの実施形態の幅圧下用金型20を用いた時のスラブ11の先端部の幅圧下状況の例を示す図であり、図4は金型20とスラブ11の接触長ls=W/2の場合、図5は金型20とスラブ11の接触長ls<W/2の場合の例である。
なお、この実施形態の幅圧下用金型20は、長手方向に対して対象な形状であることから、従来の幅圧下用金型50のように傾斜部での圧下によるスラブ後端方向への材料流れを生じることは無く、このことからこの実施形態における効果はスラブ先端、後端で同等となる。つまり、本説明はスラブ先端と後端に共通した説明となることから、特に断らない限りは代表してスラブ先端部での効果を例に説明を行う。
この実施形態の幅圧下用金型20を用いた幅圧下では、塑性変形域は幅圧下方向から略45°傾いた主せん断応力面近傍で大きくなることから、図4に示したごとく、ls=W/2程度とすることにより、スラブ11先端部においても歪を板幅中央部まで浸透させることが可能である。図6はこの際のスラブ11先端部の板厚プロフィルであり、スラブ11先端部の板幅中央部近傍も幅圧下より増肉しており、板幅中央部近辺の増肉部はつづく粗圧延工程での水平圧延にて大部分が長手方向の変形となることから、タング傾向のクロップ形状とすることが可能となる。これに対し、図5に示した例では、金型20とスラブ11の接触長lsが短いことから、スラブ11先端部では板幅中央部まで歪が浸透せず、図7に示すごとく板幅方向に凹型の板厚プロフィルとなる。このような板厚プロフィルのスラブを水平圧延した場合には、増肉した部分が長手方向に伸びやすいことから、フィッシュテール形状となることが不可避である。
この実施形態は、このような金型形状と幅圧下条件による塑性変形領域を詳細に調査して得られた知見に基づいてなされたものである。そして、フィッシュテール形状を防止するための適切な塑性変形領域は、スラブ厚、スラブ幅、幅圧下量によって変化することから、これらのパラメータをもとに、適切な金型−スラブ接触長lsを設定することが必要となる。
図8は、幅プレスによるスラブ先後端の幅圧下時の金型−スラブ接触長lsとシートバー段階でのクロップ長lcの関係を模式的に示したものである。ここで、クロップ長lcの定義は、図10に示すようにタング形状の場合は、板幅中央部の最凸部と定常幅となる位置との長手方向距離として扱い、図11に示すようにフィッシュテール形状の場合は、凹部最先端部と最底部の長手方向距離として扱った。
図8に示すように、接触長lsが大きくなるほどクロップ長lcは低減し、幅圧下量が小さい場合にはls=W/2程度にてフィッシュテール形状からタング形状に遷移している。そして、幅圧下量が大きくなるほどこの遷移点は短くなる傾向にあり、この傾向を考慮して金型―スラブ長lsを設定することにより、クロップロスの大幅低減が可能となる。実際には、スラブ厚、スラブ幅、幅圧下量をパラメータとして、予め実験やFEM解析等で図8の関係を求めておくことにより、スラブ先後端幅圧下時の適切な金型−スラブ接触長lsを設定することが可能である。
また、図9はスラブ先端部幅圧下時の金型端付近の状況を示す図であり、この熱間圧延ラインにおける幅プレス2による最大幅圧下量をΔWとすると、曲面部20bの形状は下記(2)式の関係を満たすようになっている。
Figure 0005401926
この実施形態の幅圧下用金型20では、金型平行部20aの長さLを極力長くしており、金型両端部では金型平行部20aからの変化を連続的とするために曲率半径一定の曲面20bとしている。これは、端部を傾斜面とした場合、平行部長さLを長くするために端部の傾斜をきつくしなければならず、その近辺では幅圧下時に大きなせん断応力が作用して亀裂が発生する危険性があり、亀裂が発生した場合には最終製品にて表面欠陥として残存してしまうためである。このことから、この実施形態では端部を曲面としてせん断応力を緩和しているものである。しかしながら、片側圧下量、すなわち全幅圧下量ΔWの半分の量(ΔW/2)に対し、曲面部20bの曲率半径Rが小さい場合には、幅圧下時に金型20の側面とスラブ11とが擦れてしまい、幅圧下荷重の増大や金型20側面部の表面荒れを進展させるなどの問題を引き起こすことから、この実施形態では上記(2)式の関係に限定しているものである。
なお、この実施形態では、上述したように、スラブ先端部での状況を代表に説明を行ったが、スラブ後端部については、スラブ先端部より圧下を開始し、スラブ後端部においてクロップ形状を最小化するための金型−スラブ接触長とした幅圧下を行うためには、例えば、その1パス前における送りピッチを調整することにより可能となる。
本発明の実施例について説明する。
この実施例においては、図13に示した熱間圧延ラインにて、API規格X80グレード、厚み250mm、幅2300mm、長さ9090mmの寸法のスラブ(重量33トン)を1200℃まで加熱したのち、幅プレス2によって幅圧下を行った。そして、粗圧延工程では粗圧延機4aにて7パスのリバース圧延、粗圧延機4bでの1方向圧延の合計8パスの圧延にて厚み80mmのシートバーに成形し、その後7パスの仕上圧延にて25.4mmの厚みに仕上げ、コイラーにて巻き取った。
そして、本発明例として、図3に示した本発明の一実施形態の幅圧下用金型20を用いて幅圧下を行った。その際、金型20の形状は、平行部20aの長さL=1000mm、曲面部20bの曲率半径R=175mmとし、スラブ先後端部での金型−スラブ接触長さlsはスラブ幅の1/2、すなわち1150mmとした。
一方、比較例として、図12に示した従来の幅圧下用金型50を用いて幅圧下を行った。その際、スラブ先後端での金型−スラブ接触長lsは、前記特許文献1での条件を参照し、ls/W=0.3、すなわちls=690mmとした。
本発明例と比較例の比較は、シートバー段階での先後端のクロップ部をクロップシャー5にて切断し、オフラインにてクロップ形状を測定することによって行った。
図1は本発明例におけるシートバー12先後端のクロップ形状であり、先端部は27mm、後端部は20mm程度の若干のフィッシュテール形状であった。これに対し、図2は比較例におけるシートバー12先後端のクロップ形状であり、先端部は221mm、後端部は247mmの大きなフィッシュテール形状となっている。
この結果、本発明例においては、比較例に比べて、シートバー先後端部のクロップロスを大幅に低減して、歩留まりの大幅な向上ができた。
このように、本発明では、幅圧下用金型形状と幅圧下方法を最適化することにより、シートバー先後端部のクロップ形状を適切に制御することが可能であり、これによってクロップロスを大幅に低減可能であることが確認できた。
また、この実施例であげたようなパイプ用素材の圧延では、仕上板厚が厚いことからロール表面に加わる面圧もそれほど大きくなく、かつ薄板とは異なり仕上圧延での通板性も良好であることから、上記の本発明例のようにクロップ長lcを例えば20〜30mmと非常に短くすることにより、シートバー先後端部のクロップ部を切断すること無しに仕上圧延を行うことも可能である。
本発明例におけるシートバー先後端部のクロップ形状を示す図 比較例におけるシートバー先後端部クロップ形状を示す図 本発明の一実施形態の幅圧下用金型形状を示す図 本発明の一実施形態におけるスラブ幅圧下時の塑性変形域を示す図 金型−スラブ接触長が短い条件でのスラブ幅圧下時の塑性変形域を示す図 図4の本発明の一実施形態におけるスラブ先端幅圧下時の板厚プロフィルを示す図 図5の金型−スラブ接触長が短い条件でのスラブ幅圧下時の板厚プロフィルを示す図 金型−スラブ接触長とクロップ長の関係を示す図 本発明の一実施形態による幅圧下時の金型端曲面部での状況を示す図 タング形状を示す説明図 フィッシュテール形状を示す説明図 従来の幅圧下用金型での圧下状況を示す図 薄板圧延用の熱間圧延ラインの例を示す図
符号の説明
1 加熱炉
2 幅プレス
3a、3b、3c エッジャーロール
4a、4b 粗圧延機
5 クロップシャー
6 仕上圧延機群
7 コイラー
11 スラブ
12 シートバー
20 幅圧下用金型
20a 平行部
20b 曲面部
50 幅圧下用金型

Claims (2)

  1. スラブを板幅方向に圧下するために使用するスラブ幅圧下用金型であって、圧下面はスラブの進行方向に平行な部分とその両端の一定曲率の曲面部からなり、前記平行部と1つの曲面部の長手方向長さの和が、圧下するスラブのうち最大スラブ幅の1/2長以上であり、両端の曲面部の曲率半径が、最大幅圧下量の1/2以上であることを特徴とするスラブ幅圧下用金型。
  2. 請求項1に記載のスラブ幅圧下用金型を用いたスラブ幅圧下方法であって、スラブ先後端圧下時の前記金型とスラブとの接触長さを、スラブ幅の1/2長以下の範囲にて、スラブ幅とスラブ幅圧下量によって決定することを特徴とするスラブ幅圧下方法。
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