JP5509665B2 - 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置および巻き取り方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度厚肉熱延鋼板コイルを安定的に製造するための高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置および巻き取り方法に関するものである。
近年、主として大陸パイプラインでの原油や天然ガス等の資源の輸送効率化を目的に、API規格にしてX70〜100といった大径厚肉高強度パイプ材の需要が高まっている。これらの資源を効率的に輸送するため、パイプ内部には高い内圧がかけられており、かつ寒冷地での使用や地震による地殻変動なども考慮し、高靭性、高強度といった特性がパイプ材にとって非常に重要となっている。これらのパイプラインにて使用されるパイプは肉厚が15〜25mm程度、外径は20インチ程度以上と大径であり、従来は高強度パイプとしては長手方向に縦長形状である厚鋼板の短辺側を円形に成形した後、突合せ部を長手方向に溶接してパイプとするUOE管が多用されている。通常、厚鋼板は熱間スラブを1基、あるいは2基の圧延機を有する厚板ミルでの多パス圧延にて略矩形形状に製造されるものであり、その製品長は最大でも30m程度である。
これに対し、近年、厚鋼板を薄板圧延用の熱延鋼板製造ラインにて圧延してコイル状に巻き取って熱延鋼板コイルとした後、コイルを巻きほどいてロール成形および中高周波溶接により電縫管にする他、熱延鋼板を長手方向にらせん状に成形すると同時に板幅端部の突合せ部を溶接しながらパイプに製造するスパイラル鋼管の需要が高まっている。熱延鋼板コイルは、最大45トン程度までの製造が可能であり、例えば20mm厚み、板幅1900mm程度であれば熱延鋼板の長さは151m程度となり、例えば直径28インチのスパイラル鋼管に成形したときのパイプ長は約128mとなる。このように、パイプ成形前の母材を熱延鋼板コイルとすることにより、厚鋼板から製造する場合に比べ、連続して長いパイプの製造が可能となることから生産性の向上も期待できる。
ところで、熱延鋼板製造ラインのホットストリップミルの仕上圧延機を通過した後の熱延鋼板(ホットストリップあるいは単にストリップということがある)1は、通常、図3に示すようなコイラー装置によりコイルに巻き取られる。すなわち、熱延鋼板の先端部1aは、ピンチロール3により下方に進行してエプロン2とスロートガイド4との間に導かれ、さらに、マンドレルの周辺に配置された複数のラッパーロール5(5a〜5d)、円弧状のストリップガイド6およびマンドレル7の3点支持状態により順次曲げられ、回転するマンドレルに巻き付けられる。次いで巻き取りが進行し、最終的に熱延鋼板はコイル状に巻き取られ、熱延コイルを形成する。巻き取りが完了すると、マンドレルが縮径して、コイルを引き出せるようになっている。
そして、通常、熱延コイルの巻き取り終了時には、図4に示すように熱延鋼板の尾端部がコイル下側に位置するようにマンドレルの回転を停止する。次いで、巻き取り中はコイル下方にて待機しているコイルカー(図3には示されていない)を上昇させてコイル尾端部1bに該コイルカーに備えられているクレードルロール8を接触させ、コイルの自重で尾端部1bの巻き緩みを抑えこんだ状態としてからマンドレル7やラッパーロール5a〜5dを開放し、そのままコイルカーのクレードルロール8に搭載した状態にてコイルカーを下降させて、コイラー装置からコイルを抜き出している。そして、コイラー装置から抜き出された熱延コイルは、搬送中の巻き緩みを防止するために、コイラーに隣接して設置されているバンディング装置に搬送されて、1本、あるいは複数本の帯状鋼帯(バンド)で最外周部を環状に固定される。
しかしながら、本発明で特に対象としているラインパイプ素材に代表される高強度厚肉熱延鋼板では、鋼板の断面積が大きく、かつ強度が非常に高いことから、タイトに巻き取るための張力を付与することが非常に困難となる。また、一般的に高強度材では曲げ加工後のスプリングバックが非常に大きく、コイル巻き取り完了後、コイルの下方で待機しているクレードルロール8を上昇させてコイルに押圧した後、コイル抜き出しのためにラッパーロール5a〜5dを退避し、コイル回転中心となっていたマンドレルを縮径すると、コイルのマンドレル7やラッパーロール5a〜5dで固定されていた弾性歪成分が開放されてスプリングバックが発生し、コイル外周部の巻き緩みが顕著となる。
図5に高強度厚肉材の巻き取り後、コイル抜き出し時での巻き姿の例を示すが、スプリングバックの発生により、コイル外周部で巻き緩みが生じている。コイルの巻き緩みが大きい場合にはコイルが浮き上がりコイラーからの抜き出しができない、コイルカーでの搬送時のコイル振動が顕著となって姿勢が不安定となる、また、バンド掛け後、搬送時にバンドが切れるなどの問題点があった。
このように、高強度厚肉鋼板の巻き取りには多くの課題があるが、例えば特許文献1には、厚肉鋼板の最先端部はピンチロールやラッパーロール等によって曲げることが困難であるため、最先端部の巻き付き性がよくないが、これを改善するため、内巻き3周程度までにマンドレル外径を拡大し、マンドレルと鋼板の密着性を高めてスリップを防止し、コイルの巻き取り形状の劣化を抑える方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
高強度厚肉熱延鋼板を、上述した従来の巻き取り方法でコイル状に巻き取る場合、先端部は例えば特許文献1に開示されている上記の技術等により対応が可能であるが、鋼板の先端部以外の部分、とりわけコイル外周側となるストリップ尾端部とその近傍では、スプリングバックによる巻き緩みが発生しやすく、上述のごとくコイルの取り出し・搬送等の取り扱いに障害を招きやすくなり、巻き緩みがひどい場合にはコイルカー(コイル台車)に搭載した状態にてコイラー装置から抜き出す際にコイルが浮き上がってコイルカーから転げ落ちるほどである。
このため、高強度厚肉鋼板の圧延が可能である強力圧延機を具備した熱延鋼板製造ラインにおいても、巻き取り装置でのコイルの巻き取り、抜き出し可否が高強度厚肉熱延鋼板の製造可否を決定しているといっても過言ではない。
特開2003−80313号公報
本発明は、上記のような事情を鑑みてなされたものであり、高強度厚肉熱延鋼板を、巻き緩みや浮き上がりを低減した状態でコイルに巻き取ることができる巻き取り装置と巻き取り方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の手段を採用する。
[1]コイラー装置と該コイラー装置からコイルを抜き出すコイルカーを備える高強度
厚肉熱延鋼板の巻き取り装置であって、該コイルカーは、コイル軸心方向と平行
な方向に中心軸を有する、コイルを支持するための2本のクレードルロールを備
え、かつ2本のクレードルロールの軸心間距離を可変にする手段を備えているこ
とを特徴とする、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置。
[2][1]に記載の高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置を用いた巻き取り方法であっ
て、2本のクレードルロールの軸心間距離を、鋼種、巻き取り温度、コイル重
量、板厚、板幅に応じて設定したことを特徴とする、高強度厚肉熱延鋼板の巻き
取り方法。
なお、本発明では高強度の定義はAPI規格にてX65以上、厚肉熱延鋼板は製品厚にて15mm以上のものを対象としている。
本発明による高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置と巻き取り方法によれば、コイルカーに搭載された2本のクレードルロールの軸心間隔を適切に決定することにより、コイル自重の曲げモーメントを大きくできることを利用して、スプリングバックによるコイルの浮き上がりを押さえて、高強度厚肉熱延鋼板を、巻き緩みを低減した状態でコイルに巻き取り、コイラー装置から抜き出すことができる。
本発明によるコイルの浮き上がり量が低減された状態を示す図 従来技術によるコイルの浮き上がりを示す図 熱延鋼板のコイラー装置を示す図 外周部において巻き緩みがないコイルの状態を示す図 外周部において巻き緩みが発生したコイルの状態を示す図
以下、図1〜3に基づいて本発明の実施形態について説明する。
本発明者らは、この高強度厚肉熱延鋼板コイルのスプリングバックによるコイル浮き上がりの問題を解決するための技術について鋭意検討を重ねた結果、コイル自重によって発生する曲げモーメントを大きくすることにより、コイルの浮き上がり、巻き緩みを抑制した巻き取りが可能であることを見出し、本発明を完成した。
ここで、本発明における熱延鋼板のコイラー装置による巻き取りについて図3に基づいて詳述する。この巻き取りは基本的には、通常の熱延鋼板のそれと同じである。
コイラー装置により熱延鋼板1の先端部を巻き取るにあたっては、ピンチロール3、マンドレル7、ラッパーロール5などの各ロールの周速は、熱延鋼板1の厚さや硬さ(強度)などに応じて、熱延鋼板1の搬送速度に対し、10〜30%のリード率をもたせた値、すなわち、10〜30%速い速度に制御している。この際、マンドレル7、ラッパーロール5のリード率は、ピンチロール3のリード率以上としている。
そして、熱延鋼板1の先端部の巻き付き完了の時点でリード率はクリアされ、以降、熱延鋼板1の搬送速度と実質的(冷却による熱収縮や張力による幅縮みなどの影響を除けばという意味)に同期した周速に制御される。
なお、図3ではラッパーロールの数は4基としているが、3基のものもあり、熱延鋼板のコイラー装置では一般的には3〜4基である。
コイラー装置内にて熱延鋼板1の先端部に緩みが生じ、波打って巻き取られたような場合、以降の巻き取りが継続できなくなるか、運良く先端部の巻き取りに成功したとしても、以降の巻き部が波打って巻き取られている部分の外側に重なるため、巻きが太くなってハウジングとの間で詰まりが発生して抜き出せなくなり、ひとたびそのような事態になると、コイラー装置の各部が受ける損傷は大きく、復旧までに何時間もの多大な時間を要することとなる。
いずれにせよ、このような事態になるのを防止するため、コイラー装置により熱延鋼板1の先端部を巻き取るにあたっては、熱延鋼板1の緩みを最小限にする目的で、熱延鋼板1の最先端部1aがマンドレル7に巻き付きを開始してから巻き付き完了までの間、ピンチロール3、マンドレル7、ラッパーロール5などの各ロールの周速にはリード率をもたせ、熱延鋼板1を引張りながら巻き取りを行うことで、熱延鋼板1の先端部に緩みが生じないようにして、波打って巻き取られるのを防止している。
そして、熱延鋼板1の先端部の巻き付き完了後は、マンドレル7は、熱延鋼板1の搬送速度、すなわち、仕上圧延機の最終圧延機の出側における熱延鋼板1の搬送速度と実質的に同期しながら、ピンチロール3(3a、3b)との間で、所望の張力に近づける張力制御を行いながら巻き取りを行っている。
さらに巻き取りが進行し、熱延鋼板1の尾端部1bがピンチロール3を抜けた後は、熱延鋼板1には張力が作用しないことから、一般的な熱延鋼板の巻き取り作業では、退避させておいたラッパーロール5a〜5dのうち少なくとも1つ以上のラッパーロールをコイル外周部に押圧し、コイル尾端部1bの緩みを抑制している。
なお、熱延鋼板の尾端部がコイラーの手前20m程度に来ると、巻き取り終了に向けて、熱延鋼板の搬送速度(巻き取り速度)は減速される。
通常、板厚が薄い、あるいは強度が低い材料では、すでに触れたように、図4に示されるように、2本のクレードルロール上のコイル尾端部1bはコイル1の自重によって発生する曲げモーメントにてスプリングバックが抑制され、マンドレル7を縮径後、コイルカー9にてコイルの抜き出しが可能となっている。
これに対し、近年、需要が高まっている高強度厚肉ラインパイプ素材のごとく、板厚が厚く、かつ強度の高い鋼板のコイルでは、コイル自重による曲げモーメントではスプリングバックを抑制できない事態が発生する。
そもそも、コイル自重による曲げモーメントは、マンドレル縮径後にコイルを支えている2つのクレードルロールの軸心間距離に依存しており、本発明者らは高強度厚肉熱延鋼板コイルのスプリングバックによるコイル浮き上がりを防止するためには、コイルを2点で支持しているクレードルロール8の軸心間距離を拡大することにより対応可能であることを見出した。
なお、クレードルロール8は、コイルカーに同径のものが2本備えられており、コイルカーがコイルの下に待機したときに、2本のクレードルロールの軸はコイル軸心(マンドレル軸心)と平行になっている。
コイルの自重がコイル内径中心点に下向きに作用する集中荷重と単純化すると、コイル自重によるモーメントは、コイル自重と2本のクレードルロールの軸心間距離の積に依存し、与えられたコイル自重は固定条件であることから、クレードルロールの軸心間距離を拡大することにより曲げモーメントが増大することになる。このため、スプリングバックを抑制する効果が増大し、コイルの巻き緩みや浮き上がりの抑制に大きな効果を有するものであり、本発明の巻き取り装置では、クレードルロールの軸心間距離を可変とする手段を設けることを特徴としている。
ところで、厚肉鋼板の巻き取りでは、板厚中心部のわずかな領域を除き、ほぼ全断面が塑性状態となっていると考えられ、この状態からのスプリングバックによって発生する曲げモーメント力は、概略、下記の(1)式の塑性モーメントMpに比例するものと考えられる。
Mp=(hw/4)・σ (1)
(1)式において、hは板厚、wは板幅、σは材料の降伏応力である。
(1)式より、スプリングバック力は高い強度、厚い板厚、広い板幅の場合には大きくなることから、とりわけ高強度厚肉熱延鋼板では大きな問題となる。また、コイル自重による曲げモーメントは、単位幅あたりのコイル重量(以後、単位幅コイル重量とよぶ)に依存することから、コイル重量が一定でも、板幅によってその効果が異なるものである。
これらのことから、本発明の第2の発明では、鋼種、巻き取り温度、コイル重量、板厚、板幅に応じて、クレードルロールの軸心間距離を決定することを特徴とするものである。これは、鋼種、巻き取り温度によって降伏応力σyが変化すること、(1)式の塑性モーメントは板厚の2乗と板幅の1乗に比例すること、また、単位幅コイル重量はコイル重量と板幅で変化すること、等の要因により、スプリングバックによるコイル浮き上がりを抑制するための適切なクレードルロールの軸心間距離の決定には、これらのパラメータを考慮する必要があるためである。
なお、スプリングバックによるコイル浮き上がりを抑制するために必要なクレードルロールの軸心間距離は、これらのパラメータを基に、あらかじめ実験やFEM等の解析によって求めておけばよい。
図1および図2に、本発明の実施形態とその比較例をそれぞれ示す。
図1および図2において、コイラー装置は図3に示されたものと同じである。9はコイルカーである。図ではコイル下に待機して、上昇後のコイルカーが示されている。コイルカー9には、前述したように、コイルカー9が上昇してコイル1に当接する2本の同径のクレードルロール8がコイル中心軸方向と平行に設けられている。
クレードルロール8はコイルカー9上で水平方向に移動可能な手段が設けられており、2本のクレードルロールは、マンドレル7の回転軸心に対して対称に近接離反が可能な構造となっている。図1および図2において、Lは2本のクレードルロールの軸心間距離を示している。
図1に示される実施例では、鋼種、巻き取り温度、コイル重量、板厚、板幅に対して、スプリングバックによるコイル浮き上がり力を抑制するための自重による曲げモーメントを算出してクレードルロール間距離Lを適切に設定した例であり、図2に示される比較例よりも、クレードルロール間心距離Lが大きい。
コイルのマンドレルからの抜き出しは、コイル尾端部がコイル下方に位置する状態にてマンドレル7の回転を停止し、コイルカー9を上昇させてクレードルロール8がコイルに接触した状態にて上下方向位置を固定した後に、マンドレル7の縮径を実施することにより行われた。この場合、コイルの浮き上がりは一切発生せず、問題なくコイルの抜き出しが可能であった。
これに対し、図2に示される比較例は、クレードルロール間距離Lが図1に示される本発明の適切な範囲を外れ、図1の実施態様よりも小さく、不適切に設定された例である。このため、コイル自重による曲げモーメントを十分に確保することができず、マンドレル7を縮径した瞬間にコイル外周部が巻き緩み、コイルが浮き上がり、コイル内径部がマンドレルと強接触してしまったことから、コイルの抜き出しが不可能であった。
以下、本発明の実施例について説明する。
対象とした材料はAPI規格X80グレードであり、厚み250mm、幅1200、1500、1800mm、重量24トン、30トンのスラブを熱間圧延ラインの粗圧延工程、仕上圧延工程を経て厚み19、22、25.4mmに仕上げ、冷却テーブル上にて520℃まで冷却したのちにコイラー装置により巻き取った。
本発明で使用したコイラー装置は図1、2に示したもの(図3に示されるものと同じ)であり、ラッパーロール5a〜5dの直径はφ440mm、マンドレル7の外径はφ750mmである。最終仕上圧延機出側、すなわち冷却テーブル上での熱延鋼板速度は150mpmであり、熱延鋼板先端部1aは150mpmの速度にてコイラー装置に進入し巻き付きが開始される。この際、マンドレル7、ラッパーロール5a〜5dの速度は、熱延鋼板1の速度に対して所定のリード率にて巻取りが開始されるように、熱延鋼板先端部が最終仕上圧延機を抜けたタイミングあたりから加速をはじめている。そして、巻き付き開始時のマンドレル7のリード率は15%とし、ラッパーロール5a〜5dのリード率は25%に設定した。
巻き付き開始後、マンドレル7とラッパーロール5a〜5dの減速を開始し、5回転(5巻き)に設定した巻付き完了時点においてマンドレル7とラッパーロール5a〜5dの速度が熱延鋼板1の搬送速度に同期するように150mpmまで減速した。巻き付き完了後はマンドレル7は熱延鋼板1の搬送速度と同期しながら回転し、次いで、熱延鋼板1の尾端部1bが巻き取り装置手前20m程度の位置に来た時点で減速を開始し、巻き取り終了に向けて、熱延鋼板の搬送速度(巻き取り速度)は減速される。
そして、巻き取り終了時には、熱延鋼板1の尾端部1bがコイル下側となり、かつ2本のクレードルロール8が該尾端部1bで押接可能な位置にて、マンドレルの回転を停止した。そして、コイル下方で待機させていたコイルカー9を上昇させ、該コイルカーに備えられたクレードルロール8をコイル下面に押圧して上下位置を固定した。
この際、2本のクレードルロール軸心間距離Lを変更して設定し、本発明の効果について検証した。
本発明の実施例においては、クレードルロール間距離Lは、550〜950mmの間で可変であり、L=550、650、750、850、950mmの5水準に設定した。比較例でのLは、従来の巻き取り装置でのクレードルロール軸心間距離と同程度の550mmに固定した。
表1に本実施例での評価結果を示す。
Figure 0005509665
表1において、○印は、マンドレルを縮径した瞬間にコイルの浮き上がりが発生しなかったことを、△印はコイルの浮き上がりは発生したがコイルの抜き出しは可能であったことを、そして×印は大きなコイルの浮き上がりが発生してコイルの抜き出しが不可であったことを、それぞれ示している。
本発明の実施例では、No.12を除いて、いずれもコイルの浮き上がりはなく、コイルの抜き出しに支障はなかった。本発明の実施例No.12(板厚:25.4mm、板幅:1800mm、クレードルロール間距離L:950mm)の条件では、本実施例で使用した巻き取り設備のクレードルロール可変範囲の上限以上への設定が必要であったため、クレードルロール間距離が950mmの条件では、結果として若干のコイル浮き上がりが発生したものの、コイルの抜き出しは可能であった。
クレードルロール間距離Lを、従来の巻き取り装置でのクレードルロール軸心間距離と同程度の550mmに固定とした場合、以下に示すように比較例の一部にはコイルが浮き上がり、コイル抜き出しができなかった。
板厚が25.4mmでは、いずれの比較例もコイルが浮き上がり、コイル抜き出しができなかった。板厚が22mmでは、コイル重量30トン板幅1800mmのNo.24、コイル重量24トンでは板幅1500mm、1800mmのNo.32、No.33でコイル浮き上がりが生じ、コイルの抜き出しができなかった。板厚が19mmではコイル重量24トン板幅1800mmのNo.36でコイル浮き上がりが生じ、コイルの抜き出しができなかった。これら以外の比較例No.22、23、25〜27、31、34、35では、No.31以外はコイルの浮き上がりはなく、コイルの抜き出しに支障はなかった。また、比較例No.31はコイルの浮き上がりは発生したがコイルの抜き出しは可能であった。
このように、従来の巻き取り装置でのクレードルロール軸心間距離と同程度の550mmに固定した比較例では、コイル重量がより軽い方が、また、板厚がより厚い方が、そして板幅がより広い方がコイルの浮き上がり現象が頻発し、コイルの抜き出しができない状況が頻発した。
これに対し、本発明にてクレードルロール間距離Lを適切に設定した場合には、比較例ではコイル浮き上がりが発生していた鋼板コイルにおいても、コイルの浮き上がりが抑制できることが確認できた。
1:熱延鋼板コイル
2:エプロン
3a、3b:ピンチロール
4:スロートガイド
5a〜5d:ラッパーロール
6:ストリップガイド
7:マンドレル
8:クレードルロール
9:コイルカー

Claims (2)

  1. コイラー装置と該コイラー装置からコイルを抜き出すコイルカーを備える高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置であって、該コイルカーは、コイル軸心方向と平行な方向に中心軸を有する、コイルを支持するための2本のクレードルロールを備え、かつ2本のクレードルロールの軸心間距離を可変にする手段を備えていることを特徴とする、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置。
  2. 請求項1に記載の高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置を用いた巻き取り方法であって、2本のクレードルロールの軸心間距離を、鋼種、巻き取り温度、コイル重量、板厚、板幅に応じて設定したことを特徴とする、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法。
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