JP5024099B2 - 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法 - Google Patents

熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5024099B2
JP5024099B2 JP2008031403A JP2008031403A JP5024099B2 JP 5024099 B2 JP5024099 B2 JP 5024099B2 JP 2008031403 A JP2008031403 A JP 2008031403A JP 2008031403 A JP2008031403 A JP 2008031403A JP 5024099 B2 JP5024099 B2 JP 5024099B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
width
slab
inclined portion
width reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008031403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009190048A (ja
Inventor
勝 三宅
拓郎 矢崎
敏樹 蛭田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2008031403A priority Critical patent/JP5024099B2/ja
Publication of JP2009190048A publication Critical patent/JP2009190048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5024099B2 publication Critical patent/JP5024099B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、幅プレス装置(幅圧下装置)による熱間スラブの幅圧下において、スリップを防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法に関するものである。
熱間スラブの幅変更手段として、連続鋳造プロセスにて製造されたスラブを温度が低下しないうちに、あるいは一旦温度が低下した後に加熱炉に投入して所定の温度まで加熱した状態にて、該熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置された1対の金型にて熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する板幅プレス装置が用いられている。
この板幅プレス装置による幅圧下では、通常、900〜2000mm程度の幅の熱間スラブに対して最大300〜350mm程度の幅圧下が行われており、連続鋳造にて同一幅に鋳造されたスラブより異なる幅の鋼板製品の製造を可能としている。これにより、連続鋳造プロセスでの幅変更回数の低減、熱間圧延プロセスでのスケジュールフリー圧延の拡大、コイル単重の増大など、鋼板製造プロセスの生産性向上や合理化に大きく寄与しており、そのメリットは板幅プレス装置による幅圧下能力が大きいほど拡大する。
しかしながら、従来の傾斜部が1段しかない金型(以後この金型を平金型とよぶ)にて幅圧下量を増大させていくと、当該パスでは前パスにて金型傾斜部で圧下されたスラブ傾斜面と金型傾斜部から接触が開始されるようになることから、摩擦係数が小さい条件では圧下時にスラブがスリップする現象が発生し、従来の幅圧下用金型および幅圧下方法では熱間スラブの幅圧下量をあまり大きくできないという問題点があった。なお、金型とスラブの間の摩擦係数は鋼種や加熱温度による酸化スケールの状態や金型表面の状態に大きく左右されることから、スリップを防止する目的にて定常的に摩擦係数を高く維持することは困難である。
このことから、金型形状や送りピッチの設定によって大幅圧下時のスリップを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
すなわち、特許文献1では、下式を満たすように送りピッチPあるいは金型の傾斜角αを設定することを特徴としている。
P>ΔW/(2・tanα)
ここで、ΔWは片側の金型による幅圧下量(mm)である。通常、板幅プレス装置による幅圧下では、傾斜部の傾斜角αが12°程度であり、例えば幅圧下量を300mmとすると、上式による設定では送りピッチPは706mm以上となり、本条件では金型平行部がスラブ側面の未圧下部と接触を開始することから、幅圧下開始時にスリップが発生することはない。
また、特許文献1では、金型傾斜部の途中に中間平行部(第2の平行部)を形成して、金型傾斜部を第1の傾斜部と第2の傾斜部に分け、当該パスでは、前パスにてこの第2の平行部にて圧下された部分と金型平行部(第1の平行部)が接触を開始するように金型形状と送りピッチを設定することにより、幅圧下時のスリップを防止する方法が開示されている。以後、第1の傾斜部と第2の傾斜部を有する金型形状を2段金型とよぶ。
そして、特許文献2では、同様にスリップ防止の観点から用いる2段金型の形状に関して、幅圧下荷重の観点から下死点における金型と材料の接触長さを所定長さ以下に規定する方法が提案されている。
特開平9−253780号公報 特開2007−222894号公報
しかしながら、前記した幅圧下時のスリップ防止に関する従来技術(特許文献1、2)では、幅圧下時の通板安定性等の観点から大きな問題点を有していた。
まず、特許文献1に開示されている送りピッチを調整する技術では、例えば金型傾斜角度αを12°、幅圧下量Wを300mmとすると、送りピッチPを706mm以上としなければならず、通常350〜400mmに設定されている送りピッチの2倍程度となってしまうことから幅圧下荷重の大幅な増大が避けられない。このことから、幅圧下量が制限されてしまい、前記した大幅圧下によってえられるメリットの縮小が避けられない。
また、従来技術による2段金型では、理想的な幅圧下条件が満たされた状態ではスリップ防止に大きな効果を有するが、幅圧下にて生ずるドッグボーン高さが長手方向に不均一となりやすく、送りピッチの周期にて長手方向に凹凸形状を形成することから、凹凸形態のドッグボーンがピンチロールや搬送ロールに突っかかり、所定のピッチのパス間送りが困難となることによってスリップを引き起こす原因となっている。このことを説明するため、図8、図9に、長手方向のドッグボーンの凹凸部の断面形状を模式的に示す。なお、凸部ドッグボーン高さH1と凹部ドッグボーン高さH2との差を以後はドッグボーン凹凸量とよぶ。通常、図10に示すように、幅プレス装置では幅圧下を行う金型10の前後位置に上下のピンチロール7、7’、8、8’と、入出側搬送ロール5、6とを具備しており、圧下パス間でのスラブ11の搬送に使用されている。ピンチロールの形式として、上下の駆動ピンチロールにてスラブを狭圧してドッグボーンを軽圧下しながら所定の送りピッチの間欠運動をする形式、また上ピンチロールは非駆動とし、駆動ロールである下ピンチロールにスラブを押し付けて摩擦力を確保してスラブのパス間送りを行う形式のものがある。いずれの形式のピンチロール装置においても、ドッグボーンが大きくなると、搬送中にドッグボーンがピンチロール8、8’へ突っかかって進行不良となり、圧下パス間での所定の送りピッチの確保が困難となる。なお、図10中の9、9’は、上下の座屈防止ロールである。
前記した従来技術では、図4に示すように、当該圧下パスでは前圧下パスにて中間平行部にて圧下された部分と金型平行部が接触を開始するように金型形状と送りピッチを設定することにより幅圧下時のスリップを防止するものであるが、進行不良により送りピッチが所定の値より小さくなった場合には、図5に示すように前圧下パスにて第1の傾斜部にて圧下された部分が、当該圧下パスにおいても同じく第1の傾斜部と接触を開始するようになる。そうすると、2段金型でのスリップ防止効果を発揮することできないという問題点を有している。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、幅プレス装置(幅圧下装置)による熱間スラブの幅圧下において、スリップを防止して安定的に幅圧下を可能とする熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明者らは幅プレス装置でのスリップを防止するための金型形状と幅圧下条件について鋭意検討を重ねた結果、2段金型によるドッグボーン凹凸に起因する通板性の悪化を改善するための金型形状と幅圧下条件を見出した。すなわち、後に詳述するように、2段金型によるドッグボーンの凹凸発生メカニズムは、当該圧下パスでは前圧下パスにて中間平行部(第2の平行部)で圧下された部分と金型平行部(第1の平行部)が接触を開始するように金型形状と送りピッチを設定してスリップを防止するという、従来技術での2段金型の基本思想自体に起因していることを知見した。
本発明はこれらの知見に基づきなされたもので、以下のような特徴を有する。
[1]熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置され、熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する幅圧下用金型であり、熱間スラブの進行方向出側の圧下面に熱間スラブ側面に平行な金型平行部を有し、この金型平行部に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって広がる第1の傾斜部と、第1の傾斜部の熱間スラブの進行方向入側端に連続して熱間スラブの側面に略平行な中間平行部と、中間平行部の熱間スラブ進行方向入側端に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって広がる第2の傾斜部を有し、第1の傾斜部の高さの2倍以上の幅圧下を行う際に、(1)式の関係を満たすように決定された金型形状であることを特徴とする熱間スラブの幅圧下用金型。
Figure 0005024099
[2]第1の傾斜部がスラブの進行方向に対してなす角度が、第2の傾斜部がスラブの進行方向に対してなす角度より大きいことを特徴とする前記[1]に記載の熱間スラブの幅圧下用金型。
[3]第1の傾斜部の角度を一定として、(2)式の関係を満たすように決定された金型形状であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の熱間スラブの幅圧下用金型。
Figure 0005024099
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の幅圧下用金型を用いて熱間スラブの幅圧下を行うことを特徴とする熱間スラブの幅圧下方法。
本発明においては、熱間スラブの幅圧下を行う際に、スリップを防止して安定的した幅圧下が可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
熱間スラブの幅圧下に用いられる2段金型は、一般的に図6に示すように進行方向出側の圧下面に熱間スラブ11の側面に平行な金型平行部3(a点〜b点)を有し、この金型平行部3に連続して熱間スラブ11の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第1の傾斜部1(b点〜c点)と、第1の傾斜部1の熱間スラブ11の進行方向入側端に連続して熱間スラブ11の側面に略平行な中間平行部4(c点〜d点)と、中間平行部4の熱間スラブ11進行方向入側端に連続して熱間スラブ11の進行方向入側方向に向かって傾斜角αで広がる第2の傾斜部2(d点〜e点)を有している。
そして、従来技術では、当該圧下パスでは金型平行部3を前圧下パスにて中間平行部4で圧下された面に当てることによりスラブ11が進行方向にスリップすることを防止するものであるが、前述したように、この従来技術ではドッグボーンが長手方向に不均一な凹凸形状となるので、そのメカニズムについて詳しく説明する。
実際のスラブ11内部の材料流れは複雑であるが、従来技術では図7に模式的に示すように、金型平行部3で圧下される領域Aおよび中間平行部4で圧下される領域Cでは材料は圧下方向に流れるが、第1の傾斜部1で圧下される領域Bおよび第2の傾斜部2で圧下される領域Dでは材料はそれぞれ傾斜角α、αに略垂直方向に流れることとなる。したがって、領域A、Cでは、材料は圧下方向だけに流れようとするが、領域B、Dでは長手方向にも流れることから、領域A、Cの圧下方向の流れは領域B、Dにて若干拘束されることとなる。塑性変形では体積変化は起こらないことから、圧下方向の流れが拘束された場合には、その分の体積は進行方向と板厚方向に流れることとなるが、同様に変形部周囲の材料の拘束により進行方向には材料は流れにくいため、端部が自由表面である板厚方向に材料は大きく流れることとなる。すなわち、領域A、Cでは領域B、Dに比べて板厚方向の流れが増加することにより、ドッグボーンの高さが高くなることが不可避である。それに加え、従来技術では当該圧下パスにて中間平行部4にて圧下された領域Cは、次の圧下パスにて金型平行部3で圧下されることとなるため、周囲に比べて更にドッグボーンが高くなるものである。すなわち、従来技術ではスリップを防止する目的にて金型10とスラブ11の平行部同士にて圧下を開始するように送りピッチf、第1の傾斜部角度α、第1の傾斜部高さwを決定していたものであるが、実はこの関係自体がドッグボーンの長手方向の凹凸を拡大する原因となっている。そして、この長手方向のドッグボーンの凹凸が搬送ロール6やピンチロール8、8’に突っかかることにより搬送不良を引き起こし、結果として、図5のような幅圧下形態となってしまうことから、進行方向のスリップを引き起こす大きな原因となっているものである。
本発明者等は、この2段金型による幅圧下での搬送不良を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、送りピッチf、第1傾斜部1の傾斜角α、第1傾斜部1の高さw、中間平行部4の長さLを(1)式を満たすように決定することが有効であることを見出した。
Figure 0005024099
前述したごとく、2段金型を使用する場合には材料流れの観点から多少のドッグボーンの凹凸が生ずることは不可避であるが、従来技術では図7に示した領域Aと領域C間の距離と送りピッチfを同じに設定していたことから、より一層、長手方向のドッグボーンの凹凸量を増大させていたものである。このようなことから、本発明者等は領域Aと領域C間の距離と送りピッチfをずらすことにより、ドッグボーンの長手方向の凹凸を低減することを着想した。
図1は、本発明の一実施形態を示す図であり、この実施形態による幅圧下用2段金型20にて幅圧下する際のその金型20とスラブ11の接触開始時点を表している。この実施形態では、前述の(1)式の関係を満たすことにより、当該圧下パスでは前圧下パスでの領域Dから圧下を開始させるものであり、従来技術の問題であったドッグボーンの長手方向の凹凸の低減が可能である。
更に、本発明者等はドッグボーンの凹凸量を低減するための条件として、第1傾斜部角度αを一定として第1傾斜部1の高さwと送りピッチfを(2)式の関係を満たす範囲で設定することが非常に有効であることを見出した。
Figure 0005024099
図2は有限要素法による計算結果であり、板厚235mm、板幅1500mmの熱間スラブを、前述の(1)式の関係を満たす2段金型20にて350mmの幅圧下を行った際の圧下条件とドッグボーン凹凸量との関係を示したものである。横軸は(2)式中の数式の値であり、α=17°、f=400mmの条件にてwを変更したものである(以後、(2)式中の数式を金型形状パラメータとよぶ)。また、縦軸は傾斜部が1段しかない平金型(傾斜角α=12°)による幅圧下時のドッグボーン凹凸量に対するこの実施形態による2段金型20でのドッグボーン凹凸量の比率を示している(以後、この比率をドッグボーン凹凸係数とよぶ)。ドッグボーン凹凸係数は、金型形状パラメータが0.5程度より大きい範囲にて急激に増加していることから、(2)式に示すように、金型形状パラメータが0.5以下となるように金型形状と圧下条件を決定することが好適である。送りピッチfが一定の場合、金型形状パラメータを小さくするためにはwを小さくする、すなわち金型形状が平金型に近づくことを意味しており、このことからドッグボーン凹凸量が小さくなるものである。
さて、(1)式の関係を満たす2段金型20による幅圧下では、従来の2段金型によるスリップ防止の思想である金型10とスラブ11の平行部同士からの接触は成り立たないことを意味している。しかしながら、図1に示したこの実施形態による幅圧下用2段金型20による幅圧下において、さらに、第1の傾斜部1がスラブ11の進行方向に対してなす角度αが第2の傾斜部2がスラブ11の進行方向に対してなす角度αより大きくしており、これによって当該圧下パスでは前圧下パスにて第2傾斜部2にて圧下された面(領域D)に金型平行部4と第1の傾斜部1が交わる頂点(b点)付近が楔状につきささるように圧下が開始されるため、大きなスリップ防止効果があることを見出した。
図3も有限要素法による計算結果であり、板厚235mm、板幅1500mmの熱間スラブを、(1)式の関係を満たす2段金型20にて350mmの幅圧下を行った際の、幅圧下条件と幅圧下によるスラブの先後進挙動を示した図である。ここでは、金型20とスラブ11間の摩擦係数を0.1としてスリップを発生しやすくした条件であり、縦軸は圧下開始から下死点にかけた金型20の動きに対するスラブ11の先端と尾端の進行方向の平均相対変位量である。前述したごとく、この実施形態による金型20では第1の傾斜部1がスラブ11の進行方向に対してなす角度αが第2の傾斜部がスラブの進行方向に対してなす角αより大きいことから、当該圧下パスでは前圧下パスにて第2傾斜部2で圧下された面(領域D)に対し、金型平行部3と第1の傾斜部1が交わる頂点(b点)付近が楔状につきささるように圧下が開始されることによりスリップ防止効果が得られるものであるが、金型形状パラメータが小さい条件では、当該圧下パスでは前圧下パスにて第2の傾斜部2にて圧下された面(領域D)と第2傾斜部2が接触し、かつ金型形状パラメータが小さくなるほどのその部分の接触長が長くなる。このため、摩擦係数が小さい条件では、平金型でのスリップ現象と同じく金型20とスラブ11間に働く摩擦力が低減するため、圧下中のスラブ11の後進量が拡大することとなる。このスラブの後退現象は、図3に示したように金型形状パラメータが略0.3以上の範囲にて急激に拡大することから、(2)式に示すように、金型形状パラメータを0.3以上とすることが好ましい。
以下、本発明の実施例を述べる。ここでは、幅プレス装置を用い、厚み235mm、幅1500mm、長さ9000mmの普通鋼スラブに対し、送りピッチ400mm、加熱温度1200℃、幅圧下サイクル毎分50回として、下記の(イ)〜(へ)、(イ’)〜(へ’)の条件にて幅圧下を実施した。なお、幅圧下量Pは全て350mmである。
(イ)実施例1は、本発明による2段金型Aによる幅圧下での結果であり、第1傾斜部の傾斜角度α1=17°、第2傾斜部の傾斜角α2=12°、第1傾斜部の高さw1=40mm、中間平行部の長さL=57mmとし、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ロ)実施例2は、本発明による2段金型Bによる幅圧下での結果であり、第1傾斜部の傾斜角度α1=17°、第2傾斜部の傾斜角α2=12°、第1傾斜部の高さw1=50mm、中間平行部の長さL=72mmとし、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ハ)実施例3は、本発明による2段金型Cによる幅圧下での結果であり、第1傾斜部の傾斜角度α1=17°、第2傾斜部の傾斜角α2=12°、第1傾斜部の高さw1=60mm、中間平行部の長さL=100mmとし、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ニ)比較例1は、従来の平金型Dによる幅圧下での結果であり、傾斜部の傾斜角度α1=12°とし、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ホ)比較例2は、本発明の範囲外の形状を有する2段金型Eによる幅圧下での結果であり、第1傾斜部の傾斜角度α1=17°、第2傾斜部の傾斜角α2=12°、第1傾斜部の高さw1=87.5mm、中間平行部の長さL=125.5mmとし、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
(ヘ)比較例3は、本発明の範囲外の形状を有する2段金型Fによる幅圧下での結果であり、第1傾斜部の傾斜角度α1=17°、第2傾斜部の傾斜角α2=12°、第1傾斜部の高さw1=30mm、中間平行部の長さL=43mmとし、金型に潤滑剤を塗布しないで幅圧下を実施した。
なお、(イ’)〜(へ’)の条件は、各々(イ)〜(へ)の条件にて圧下パス間にて金型に潤滑剤を塗布して幅圧下を行った。
Figure 0005024099
表1は金型に潤滑剤を塗布しなかった(イ)〜(へ)の条件における本発明による効果を示す表であり、本発明による2段金型を用いた実施例1〜3と比較例3の条件では、基準としている平金型でのドッグボーン凹凸量(比較例1)に比べて20%以下のドッグボーン凹凸量となっており、全長にわたり全く問題が無く幅圧下が可能であった。これに対し、比較例2の本発明の範囲外の形状を有する2段金型Eによる幅圧下では、ドッグボーン凹凸係数が2.88と大きく、幅プレス出側のピンチロールにドッグボーンがつっかかって搬送不良を引き起こし、1本のスラブの幅圧下を完了する時間が30%程度増加した。
Figure 0005024099
また、表2は圧下パス間にて金型に潤滑剤を塗布した(イ’)〜(へ’)の条件の場合であり、本発明による2段金型を用いた実施例1’〜3’と比較例2’の条件では金型と材料間のスリップは発生せず、安定した通板が可能であった。これに対し、従来の平金型である金型Dを用いた比較例1’と本発明の範囲外の形状を有する従来の2段金型である金型Fを用いた比較例3’では、圧下時に金型とスラブ間にスリップが生じて安定した幅圧下が困難であり、特に金型Dでは1本のスラブの幅圧下を完了することができなかった。
以上のように、本発明によれば、幅圧下にて生ずる長手方向のドッグボーンの凹凸量が低減して搬送が安定化するとともに、金型とスラブの間のグリップ力が増大することから、非常に安定したスラブの幅圧下が可能であった。
本発明の一実施形態による幅圧下用金型での圧下状況を示す図である。 本発明の一実施形態による幅圧下用金型でのドッグボーン凹凸低減量を示す計算結果図である。 本発明の一実施形態による幅圧下用金型でのスラブの先進後挙動を示す計算結果図である。 従来の2段金型による圧下開始点における状況を示す図である。 従来の2段金型にて、送りピッチが短くなった場合の状況を示す図である。 2段金型の形状を説明する図である。 2段金型の金型平行部、中間平行部、第1傾斜部、第2傾斜部の各々にて圧下される領域を示す模式図である。 2段金型にて幅圧下した際の、長手方向のドッグボーン凸部の断面形状を表す模式図である。 2段金型にて幅圧下した際の、長手方向のドッグボーン凹部の断面形状を表す模式図である。 幅プレス装置の各種ロールの配置を示す模式図である。
符号の説明
1 2段金型の第1傾斜部
2 2段金型の第2傾斜部
3 2段金型の金型平行部
4 2段金型の中間平行部
5 幅プレス装置の入側搬送ロール
6 幅プレス装置の出側搬送ロール
7 幅プレス装置の入側上ピンチロール
7’ 幅プレス装置の入側下ピンチロール
8 幅プレス装置の出側上ピンチロール
8’ 幅プレス装置の出側下ピンチロール
9 幅プレス装置の上座屈防止ロール
9’ 幅プレス装置の下座屈防止ロール
10 幅プレス装置の金型
11 スラブ
20 2段金型

Claims (4)

  1. 熱間スラブの板幅方向に相対峙して設置され、熱間スラブを板幅方向に間欠的に圧下する幅圧下用金型であり、熱間スラブの進行方向出側の圧下面に熱間スラブ側面に平行な金型平行部を有し、この金型平行部に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって広がる第1の傾斜部と、第1の傾斜部の熱間スラブの進行方向入側端に連続して熱間スラブの側面に略平行な中間平行部と、中間平行部の熱間スラブ進行方向入側端に連続して熱間スラブの進行方向入側方向に向かって広がる第2の傾斜部を有し、第1の傾斜部の高さの2倍以上の幅圧下を行う際に、(1)式の関係を満たすように決定された金型形状であることを特徴とする熱間スラブの幅圧下用金型。
    Figure 0005024099
  2. 第1の傾斜部がスラブの進行方向に対してなす角度が、第2の傾斜部がスラブの進行方向に対してなす角度より大きいことを特徴とする請求項1に記載の熱間スラブの幅圧下用金型。
  3. 第1の傾斜部の角度を一定として、(2)式の関係を満たすように決定された金型形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間スラブの幅圧下用金型。
    Figure 0005024099
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の幅圧下用金型を用いて熱間スラブの幅圧下を行うことを特徴とする熱間スラブの幅圧下方法。
JP2008031403A 2008-02-13 2008-02-13 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法 Expired - Fee Related JP5024099B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008031403A JP5024099B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008031403A JP5024099B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009190048A JP2009190048A (ja) 2009-08-27
JP5024099B2 true JP5024099B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=41072551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008031403A Expired - Fee Related JP5024099B2 (ja) 2008-02-13 2008-02-13 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5024099B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03174902A (ja) * 1989-09-06 1991-07-30 Sumitomo Metal Ind Ltd 熱間スラブの幅サイジング方法および装置
JPH04147701A (ja) * 1990-10-08 1992-05-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 熱間スラブの幅サイジング方法
JPH08224605A (ja) * 1995-11-27 1996-09-03 Kawasaki Steel Corp 熱間スラブの幅圧下プレス装置及びこの装置を用いた幅圧下プレス方法
JP3229542B2 (ja) * 1996-03-25 2001-11-19 川崎製鉄株式会社 熱間スラブの連続幅プレス方法
JP2002120001A (ja) * 2000-10-12 2002-04-23 Kawasaki Steel Corp 熱間スラブの幅プレス用金型および熱間圧延方法
JP4784334B2 (ja) * 2006-02-22 2011-10-05 Jfeスチール株式会社 熱間スラブの幅圧下用金型を用いた幅プレス方法及び同方法に用いる金型

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009190048A (ja) 2009-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009202185A (ja) 可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法
JP2016078057A (ja) スラブのキャンバー抑制方法及びキャンバー抑制装置、並びにスラブのガイド装置
JP5024099B2 (ja) 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法
JP5962283B2 (ja) 熱間スラブの形状調節方法
JP5141282B2 (ja) 熱間スラブの幅圧下用金型および幅圧下方法
JP4784334B2 (ja) 熱間スラブの幅圧下用金型を用いた幅プレス方法及び同方法に用いる金型
JP6365626B2 (ja) スラブの形状調整方法
JP2009006361A (ja) 熱間圧延方法
JP5058658B2 (ja) 金属スラブの幅圧下方法
JP6172108B2 (ja) 熱延鋼板の圧延方法
JP4474970B2 (ja) U型鋼矢板の矯正方法、u型鋼矢板の矯正装置
JP6627730B2 (ja) 熱間スラブ用幅圧下装置、熱間スラブの幅圧下方法および熱延鋼板の製造方法
JP5141009B2 (ja) 熱間スラブの幅圧下用金型
JP6915595B2 (ja) スラブの幅圧下方法
JP6005581B2 (ja) プレス金型
JP2010075977A (ja) サイジングプレスによるスラブの成形方法
JP7276278B2 (ja) ハット形鋼矢板の矯正装置、矯正方法およびハット形鋼矢板の製造方法
JP5581668B2 (ja) T形鋼の製造設備及び製造方法
JP5903826B2 (ja) 熱間スラブのサイジング圧延方法
JP5742525B2 (ja) 熱間ステンレス鋼スラブの幅圧下方法
JP5521724B2 (ja) 金属スラブの幅圧下方法
JP2006272427A (ja) 熱間スラブの板幅圧下方法および板幅圧下装置
JP5401926B2 (ja) スラブ幅圧下用金型およびそれを用いたスラブ幅圧下方法
RU2581697C1 (ru) Способ правки толстолистового проката
JP2001219202A (ja) 熱間幅圧下プレスにおけるプレス方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100823

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120604

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees