JP2009202185A - 可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】先端部のかみ込み速度を速め、かつ総圧延パス数を低減することにより、高能率な圧延を可能とする可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】熱間スラブを可逆式圧延機による複数パス圧延によって所定厚みまで減厚する可逆式圧延機による圧延方法であって、各圧延パスでの圧延材尾端部にて圧延ロ−ルのロ−ルギャップを順次狭めながら圧下を実施し、各圧延パスにおける圧延材尾端部の厚みを定常部の厚みより薄くする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間スラブを可逆式圧延機による複数パス圧延によって所定厚みまで減厚する可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法に関するものである。
熱延鋼帯は、通常200mm〜300mm程度の厚みのスラブから、粗圧延工程、仕上圧延工程を経て所望の板厚にまで減厚され、必要な材質を確保するために高速で走行しながらランナウトテーブルにて所定の冷却処理を施され、ダウンコイラーにてコイル状に巻き取られている。近年、多くの熱間圧延ラインの粗圧延工程では、加熱炉から抽出されたスラブに対して板幅方向に対峙する1対の金型にて大きな幅圧下加工を行うサイジングプレス装置が具備され、最大350mm程度の幅圧下を施した後、複数パスの圧延を経てシートバーに成形されている。
サイジングプレスによって幅圧下を施されたスラブは、幅圧下された量に応じ、板厚方向に増肉するとともに、長手方向にも延伸される。圧延ラインによって異なるが、スラブ幅は通常800〜1800mm程度であり、広幅圧延が可能なラインでは2000mm幅程度のスラブの圧延も行われている。粗圧延工程の圧延機構成もラインによって異なっており、1台の可逆式圧延機での複数パスで粗バーを形成するライン、あるいは可逆式圧延機での複数パスと1台以上の一方向圧延機を組み合わせた構成にて複数パス圧延を実施してシートバーの成形が行われている。
この際、特にスラブ幅が1000mm以下と狭く、かつ幅圧下量が200mm以上と大きい条件では、サイジングプレスによる幅圧下での増肉量が顕著となる。スラブ先端部は自由端であることから、幅圧下によって板幅中央部が大きく増肉する傾向がある。例えば、250mm厚み、1000mm幅程度のスラブに350mmの幅圧下を加えると、スラブ先端部の最大厚みが350mm程度まで増加することもある。
そして、幅圧下につづく水平圧延では、圧延ロールと圧延材間に作用する摩擦力により材料をロールギャップ間に引き込むことにより圧延を開始することが可能である。例えば、材料先端部と圧延ロールが接触を開始する際の単純な力の釣り合いから求められた(1)式にて、噛み込み可否の目安が得られる。
θ < tan-1μ ・・・ (1)
(1)式にてθは接触角であり、圧延ロールの中心を原点としてロールギャップ出口位置を基準とした際の、圧延材先端部と圧延ロ−ルが接触する点までの角度である。また、μは圧延材と圧延ロ−ル間の摩擦係数である(以後、θ=tan-1μとなる角度をかみ込み限界角度とよぶ)。(1)式によると、かみ込み限界角度は圧延材と圧延ロ−ル間の摩擦係数によって決定される、すなわち圧延開始が可能な圧下量が決定されることを意味している。
通常、(1)式によって決定される圧下量はかみ込み限界と呼ばれており、粗圧延工程でのパススケジュールを決定する際、特に粗圧延工程の前半にて圧下量の制約条件となっている。このことから、スラブ厚を厚くしたり、サイジングプレスでの幅圧下による増肉が大きくなると、粗圧延工程にて所望のシートバーを成形するまでの圧延パス数を増加せざるをえず、生産性を落とす原因となっている。また、粗圧延工程での圧延パス数増加は圧延材の温度低下を招き、材質不良や圧延負荷の増加等、様々な問題の原因となる。
従来より、大圧下による生産性の向上や組織のつくりこみ等の目的により、圧延でのかみ込み限界を上げるための様々な技術が提案されている。例えば、(1)式にて摩擦係数を上げる手段として、圧延材の先端部かみ込み直前に増摩剤をスプレーし、かみ込み限界圧下量を増加させる技術が提案されている(例えば特許文献1)。
また、切削加工により圧延材先端の板厚を最薄として先端部の形状を圧延方向に10°程度の傾斜を有するテーパ状に加工することにより、かみ込み性を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献2)。
また、(1)式のかみ込み限界式は、圧延材に外力が働いていない状態を想定して導かれたものであるが、かみ込み時に圧延材に圧延方向の押し込み力を加えることにより、かみ込み限界を上げることが可能である。
このことから、隣接した2台の圧延機にて同時に圧延を行う際、下流側の圧延機での圧延条件によって決定される入側速度にくらべ、上流側の圧延機の出側速度を速めることにより、下流側圧延機での圧延材に押し込み力を加え、かみ込み限界圧下量を増加させる技術が提案されている (例えば特許文献3)。
また、同様な押し込み作用を、圧延機入側に設置したピンチロールにて負荷する技術も提案されている(例えば特許文献4)。
そして、可逆式圧延機にて1パス目と3パス目の圧延中に圧延機のギャップを変更することにより、圧延方向先端部の板厚をテーパ状に成形し、引き続き行われる圧延方向に隣接した圧延機での圧下量を増大させる技術が提案されている(例えば特許文献5)
以下に、上述した特許文献の特許公開番号を示すと共に、以下の発明の開示の項で参照する非特許文献についても合わせて記すものとする。
特開平6−63634号公報 特開2000−246302号公報 特開2004−90065号公報 特開昭63−238904号公報 特開平10−328710号公報 「圧延理論とその応用」誠文堂新光社 日本鉄鋼協会(編集委員長 岡本豊彦)(1969) p.324
しかしながら、前掲した従来技術では、各々以下のような問題点を有していた。まず、特許文献1に示されている増摩剤を塗布する技術では、摩擦係数を上昇させてかみ込み性を改善する効果は認められるが、増摩剤により圧延ロールの摩耗の進行が顕著になり、圧延ロールの寿命を大幅に短縮してしまうという問題点があった。また、増摩剤の塗布量が上下の圧延ロールで異なると、圧延材先端部に反りを発生させ、ひどい場合には次圧延パスが不可能になるなどの問題点があった。
また、特許文献2に示されている先端部をテーパ状に加工する技術では、熱間切削装置などの特別な設備を設置することが必要であり、かつ切削によって発生する切りくずの処理を十分に行わないと、周辺設備を損傷したり圧延材の表面欠陥を発生するなどの問題点があった。
特許文献3に示されている押し込み力を付加する技術は、隣接する2台の圧延機でのかみ込み限界の増大を目的としていることから、1台の圧延機では全く機能しないものである。この点で、特許文献4に示されている技術では、ピンチロールを用いて押し込み力を付加することから単体の圧延機でのかみ込み限界を増大させることが可能であるが、粗圧延工程のように圧延材の厚みが厚い条件では、圧縮力負荷装置や座屈防止ガイドなどの設備が大型化するという問題点がある。
さらに、特許文献5に示されている技術では、可逆式圧延機による3パス圧延のみを想定し、かつ常に圧延方向の先端部のみにテーパ加工を施すものであり、5パス、7パスといったパス数の多い条件では生産性の向上に全く寄与しないものであった。
本発明では、これら従来技術の問題点に鑑み、特に、先端部のかみ込み速度を速め、かつ総圧延パス数を低減することにより、高能率な圧延を可能とする可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る発明は、熱間スラブを可逆式圧延機による複数パス圧延によって所定厚みまで減厚する可逆式圧延機による圧延方法であって、各圧延パスでの圧延材尾端部にて圧延ロ−ルのロ−ルギャップを順次狭めながら圧下を実施し、各圧延パスにおける圧延材尾端部の厚みを定常部の厚みより薄くすることを特徴とする可逆式圧延機による圧延方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の可逆式圧延機による圧延方法において、前記尾端部の圧延方向の長さを、次圧延パスの先端部圧延条件から求まる接触弧長より長くすることを特徴とする可逆式圧延機による圧延方法である。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の可逆式圧延機による圧延方法を用いて、熱延鋼帯を製造することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法である。
本発明により、熱間スラブを可逆式圧延機による複数パス圧延によって所定厚みのシ−トバ―まで減厚する粗加工工程において、総圧延パス数を低減することにより生産性の高い圧延が可能となる。
本発明を実施するための最良の形態について、以下に図および数式を参照して説明を行う。圧延での先端部かみ込み限界は、前述の(1)式に示したように摩擦係数によってほぼ決定されるが、圧延材の先端部が噛み込んだ後、すなわち定常圧延状態では圧延可能な圧下量の限界が増大することが知られている。これは、定常状態での圧延可否はロールバイト内での力の釣り合いから決定され、中立点とよばれる圧延圧力のピーク位置がロールバイト内に存在することが条件となる。このことから、定常部では先端部のかみ込み限界角度にくらべ、概略2倍程度の接触角までの圧延が可能であることが知られている。
図3は、スラブ先端部のかみ込み限界条件の例を示す図である。また図4は、スラブ定常部での圧延可能限界条件の例を示す図である。圧延ロール径φ1150mm、圧延材厚300mm、圧延ロールと圧延材間の摩擦係数を0.3とした条件における、先端部のかみ込み限界と定常部での圧延可能限界の例を示すものである。
圧延材先端部でのかみ込み限界角が16.7°、圧下量が48.5mmであるのに対し、定常圧延状態では接触角32.3°、圧下量178mmと大幅に圧延可能限界が拡大する。ただし、圧延機の耐荷重やトルク制約によっても最大圧下量は制約され、板幅が広い、あるいは圧延温度が低くなる粗工程の後半では、圧延負荷の制約により圧下量限界が決定される場合もある。本発明では、定常部での圧下量が増加することから圧延負荷が高くなるため、圧延負荷制約低減のためにかみ込み後に熱間潤滑を適用することも有効である。
例えば、図3、図4の条件にて、熱間潤滑適用により摩擦係数が0.2になったと仮定すると、定常圧延状態での圧延可能限界は接触角22.3°、圧下量86mmとなるが、摩擦係数0.3における先端部かみ込み限界よりもはるかに大きい。
また、圧延材先端部のかみ込み限界は、圧延速度に大きく依存することが経験的に知られている。熱間圧延における圧延材と圧延ロール間の摩擦係数は、圧延材表面の酸化スケールの状態、圧延ロール肌の状態などに影響されることから定量的な予測は困難である。しかしながら、一般に図5に示すように圧延速度が速くなるにつれて摩擦係数が低下する傾向にある(非特許文献1参照)。
このことから、実操業では圧延材かみ込み時は低速にてかみ込み性を確保し、先端部がかみ込んだ後に直ちに所定圧延速度まで加速する方法が用いられている。図5によると、極低速度でかみ込むことにより非常に大きな圧下量が得られることになるが、粗圧延工程の初期では圧延材長が短く、加速による生産性向上や圧延材温度低減などの効果はほとんど得られない。
本発明は、上記した可逆式圧延機での問題点の解決策を鋭意検討したことにより考案したものであり、各圧延パスでの尾端部近辺にてロ−ルギャップを狭める、つまり次圧延での圧延材先端部の板厚を薄くすることにより定常部での圧下量を大幅に増大させ、圧延パス数の削減が可能であること、そして先端部のかみ込み速度を上昇させる効果と合わせることにより大幅な生産性の向上が可能となることを想到した。
本発明による圧延方法を、1パス目、2パス目を例に説明する。まず図1は、本発明に係る可逆式圧延機による圧延方法における1パス目の状況を説明した図である。厚みH0のスラブを、かみ込み限界以下の圧下量ΔH(=H0−H1)にて圧下を開始し、H1の厚みにて定常部での圧延を実施する。そして、圧延材尾端部が尻抜けする以前にロ−ルギャップをΔh1(=H1−h1)だけ締め込み、その状態にて尾端部尻抜けまで圧延を行う(以後、各パスでの尾端部の薄厚部を予成形部とよぶ)。この際、定常部板厚Hより薄い板厚hとなる予成形部の圧延方向長さL1を、2パス目の先端部圧延条件をもとに(2)式から求まる接触弧長ld2より長くなるように、圧下系の特性(圧下速度)を考慮してギャップ変更を実施する。
L1>ld2=SQRT(R’(h1−H2)) ・・・ (2)
なお、R’は圧延荷重による圧延ロ−ル弾性変形を考慮した扁平ロ−ル半径、Hは2パス目定常部での板厚である。
1パス目予成形長さL1を2パス目先端部での接触弧長ld2より長くする理由は、図4にて例示した定常部での圧下量限界は定常圧延状態を仮定して得られる値であり、2パス目先端部をかみ込み限界程度の圧下量にて圧延を開始すると、2パス目かみ込み以後に順次圧下量が増大するように1パス目の予成形部をテーパ形状に成形した場合には、テーパ形状部の圧延時にスリップが発生する危険性があるためである。
このため、本発明では、圧延材先端部にて定常圧延状態がほぼ確立される状態、つまり当該パスにて圧延材先端部がロールバイトを出た後から圧下量を増大させるように前パスでの尾端部予成形を行うことも規定している。これにより、当該パスにて先端部から定常部にかけて安定した圧下量の増大が可能となる。
なお、熱間圧延材は板厚が薄いほど温度低下が早いことから、加工時の変形抵抗が高くなったり、定常部との組織の不均一性を生じることがあることから、当該パスでの予成形長さは次パス先端部の圧延での接触弧長以上でなるべく短くすることが望ましい。
図2は、本発明に係る可逆式圧延機による圧延方法における2パス目の状況例を示す図である。1パス目の最尾端部板厚hからかみ込み限界以下の圧下量ΔH2=(h−H2)にて圧延を開始し、Hの厚みにて定常部での圧延を実施する。
そして、圧延材尾端部が尻抜けする以前に圧下ギャップをΔh(=H−h)だけ締め込み、その状態にて尾端部尻抜けまで圧延を行う。この際、定常部板厚Hより薄い板厚hとなる予成形部の長さLを、3パス目の先端部圧延条件をもとに前述の(2)式と同様に求まる接触弧長ld3より長くなるように、圧下系の特性(圧下速度)を考慮してギャップ変更を実施する。
以後、可逆式圧延機にて所望の板厚が得られるまで本発明による圧延方法を繰り返すことにより、従来の可逆式圧延機での圧延パス数を削減し、生産性の高い圧延が可能となる。なお、各パス尾端部の予成形部の板厚は、圧延機の仕様(耐荷重、トルク、圧下系特性)、次パスかみ込み時の圧延速度等を考慮して決定すればよい。
本発明による効果は、従来、圧延でのかみ込み限界から幅圧下量を規制しているサイジングプレスでの狭幅スラブの幅圧量の拡大や、粗圧延パス数削減による温度工程能力の向上、それによるスラブ加熱温度の低下など多岐にわたるものである。また、本発明による圧延方法は、1台あるいは2台の可逆式圧延機を用いる厚板プロセスでの圧延パス削減にも応用することが可能である。
以下、本発明を適用した実施例について述べることとする。圧延ロ−ル径φ1150mmの1台の可逆式圧延機にて通常7パス圧延にてシ−トバ−を成形する条件、また通常5パス圧延にてシ−トバ−を成形する条件に本発明を適用した。使用した圧延機の耐荷重は4000tonf、最大トルク600tonf-M、圧延速度120mpmの一定速度にて先端部から尾端部までの圧延を実施する。
表1は、通常7パス圧延にてシ−トバ−を成形する普通鋼の圧延条件の例であり、スラブ厚み250mm、スラブ幅1100mm、スラブ加熱温度1200℃、サイジングプレスによる幅圧下350mmの条件にて最先端部の最大厚みが350mm程度まで増肉する場合における各圧延パスでの板厚、圧延負荷等のデ−タである。通常、本条件では1〜6パスまでの各パス圧下量を先端部のかみ込み限界制約により決定しており(摩擦係数0.3を仮定して(1)式によりかみ込み限界角度は16.7°、かみ込み限界圧下量は48.5mm)、シ−トバ−厚みは30mmである。
Figure 2009202185
本発明では、表1に示すように先端部の接触角をかみ込み限界以下に抑制してかみ込み性を確保しつつ、定常部での圧下量を増大することにより5パス圧延にて厚み30mmのシ−トバ−に成形している。定常部にて中立点がロ−ルバイト内に存在する条件から求めた定常部での限界接触角は32°程度であり、圧下量が増大する定常部、そして予成形のために更に圧下をしめこむ尾端部においても圧延は安定している。尾端部の予成形長さは接触弧長より多少長めの300mmに設定しており、次パス先端部から定常部へ推移するテ−パ部においてもスリップは発生しなかった。また、全パスとも圧延機仕様以下の圧延負荷であった。
表2は、通常5パス圧延にてシ−トバ−を成形する普通鋼の圧延条件の例であり、スラブ厚み220mm、スラブ幅800mm、スラブ加熱温度1200℃、シ−トバ-厚30mmの条件における各パス圧延での板厚と圧延負荷等のデ−タである。通常、本条件では1〜5パスまでの各パス圧下量を先端部のかみ込み限界以下にてほぼ等分した値に設定している。
Figure 2009202185
本発明では、表2に示すように先端部の接触角をかみ込み限界以下に抑制してかみ込み性を確保しつつ、定常部での圧下量を増大することにより3パス圧延にて厚み30mmのシ−トバ−に成形している。圧下量が増大する定常部、そして予成形のために更に圧下をしめこむ尾端部においても、中立点がロ−ルバイト内に存在する条件から求めた定常部での限界接触角は32°以下の条件となっており、圧延は安定している。本条件でも、尾端部の予成形長さは接触弧長より多少長めの300mmに設定しており、次パス先端部から定常部へ推移するテ−パ部においてもスリップは発生しなかった。また、全パスとも圧延機仕様以下の圧延負荷であった。
なお、本発明では定常部、尾端部での圧下量が大きいことから圧延負荷が高くなるため、ロ−ル肌荒れ等の発生が懸念される。このことから、かみ込み直後、圧下量が大きくなる定常部にて熱間潤滑を適用することも可能である。仮に、熱間潤滑により摩擦係数が0.2に低下したとすると、中立点がロ−ルバイト内に存在する条件から求めた定常部での限界接触角は23°程度となる。表1,2の条件では、定常部での接触角は23°以下であることから、摩擦係数0.2程度の潤滑性を有する熱間潤滑を適用しても圧延は可能である。
また、尾端の予成形部では接触角が25〜26°となるパスも存在しているが、通常、圧延材尾端部では次圧延パスでのかみ込み性を確保するために潤滑剤の塗布を中止して油分を焼失させており、本発明の圧延方法においても尾端部予成形部の圧延前に潤滑剤を焼失させておくことにより、尾端でのスリップを回避することが可能である。
以上に示した実施例により、本発明では従来技術の問題点であった増摩剤使用によるロ−ル摩耗や圧延材反りも生じさせず、先端部のテ−パ加工や圧延材の押し込みのための特別な設備の設置も必要はなく、単独の可逆式圧延機のみで定常部圧下量の増大、ひいては圧延パスの大幅な削減が可能であることがわかる。
本発明に係る可逆式圧延機による圧延方法における1パス目の状況を説明した図である。 本発明に係る可逆式圧延機による圧延方法における2パス目の状況例を示す図である。 スラブ先端部のかみ込み限界条件の例を示す図である。 スラブ定常部での圧延可能限界条件の例を示す図である。 かみ込み限界の圧延速度依存性の例を示す図である。

Claims (3)

  1. 熱間スラブを可逆式圧延機による複数パス圧延によって所定厚みまで減厚する可逆式圧延機による圧延方法であって、
    各圧延パスでの圧延材尾端部にて圧延ロ−ルのロ−ルギャップを順次狭めながら圧下を実施し、各圧延パスにおける圧延材尾端部の厚みを定常部の厚みより薄くすることを特徴とする可逆式圧延機による圧延方法。
  2. 請求項1記載の可逆式圧延機による圧延方法において、
    前記尾端部の圧延方向の長さを、次圧延パスの先端部圧延条件から求まる接触弧長より長くすることを特徴とする可逆式圧延機による圧延方法。
  3. 請求項1または2に記載の可逆式圧延機による圧延方法を用いて、熱延鋼帯を製造することを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
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