JP2009006361A - 熱間圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱間スラブを幅圧下プレス装置により幅圧下した後に板厚方向の粗圧延を行う鋼板の熱間圧延を行う際に、粗圧延での噛み込みにより圧延不能となることなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延できる熱間圧延方法を提供すること。
【解決手段】熱間スラブに対して幅圧下プレス装置により幅圧下を行った後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法において、少なくともスラブの寸法および幅圧下量を含む情報から幅圧下後のスラブの先端部の最大厚さを予測し、該最大厚さに対して粗圧延の1パス目の圧下量を設定することを特徴とする熱間圧延方法を用いる。幅圧下プレス装置の金型のプレス面が、熱間スラブの進行方向に対して8度以上23度以下の傾斜部を有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板を熱間圧延するに際して、熱間スラブを幅圧下プレス装置により幅圧下した後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法に関するもので、粗圧延での噛み込み不良による圧延不能となることなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延できる熱間圧延方法に関するものである。
スラブから鋼板を製造する熱間圧延において、所望の鋼板製品の幅よりも広い幅を有するスラブに対して、幅圧下プレス装置よりスラブの幅圧下を行った後に、板厚方向の圧延を行う熱間圧延が行われている。
この幅圧下プレス装置は、サイジングプレス装置とも呼ばれ、図2に示すように、スラブ1を進行させながらプレス金型2により幅圧下して、スラブ幅の調整を行う装置である。図2において、Wはスラブ幅、Hはスラブ厚さ、Lはスラブ長さを示す。幅圧下された後のスラブ1は、その後粗圧延および仕上圧延により所定の厚さまで圧延され、熱延鋼板としてコイル状に巻き取られていく。
ここで、幅圧下プレスされたスラブは、長手方向および厚さ方向へ増肉する。特に、幅圧下プレス後のスラブのC断面(幅×厚さの断面)は、図4に示すようなスラブ幅端部よりやや内側をピークとしたいわゆるドッグボーン形状となることが知られている。粗圧延での1パス目では、このような幅圧下プレスによるスラブの増厚による噛み込み限界を考慮した圧下量を設定する必要がある。噛み込み限界とは、圧延材が圧延ロール間に噛み込まれて圧延が成立するための圧下量の制限である。噛み込み限界は、圧延ロールのロール径や摩擦係数など主に設備的な固有条件によって決まるものである。
幅圧下プレスでのスラブの変形挙動については、いくつかの検討調査結果が開示されており、非特許文献1では、幅圧下プレス後のドッグボーンピーク厚さを、プレス前のスラブ幅とスラブ厚さ、および幅圧下量をパラメータとした回帰式で予測する方法を開示している。
「サイジングプレスによる大幅圧下時のスラブの変形」川崎製鉄技報 1989年、21−3、p.188−194
熱間圧延での生産能率を向上させるためには、圧延パス数を抑制することが必要である。そのためには1パス当りの圧下量を大きくする必要があるが、その制約要因として圧延ロールと材料との噛み込み限界、耐圧延荷重限界、圧延モーターパワー限界がある。熱間スラブを幅圧下プレス装置により幅圧下した後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法では、幅圧下プレスを行うとスラブは増厚するため、粗圧延での1パス目での噛み込み限界が問題となる。そのために、熱間圧延での粗圧延1パス目では、このような幅圧下プレスによるスラブの増厚による噛み込み限界を考慮した圧下量を設定する必要がある。そして圧下量を設定するためには、幅プレス後のスラブ厚さに対して、所定の圧下量を得られるように圧延ロールの圧下位置(ロール間隙)を設定する必要がある。しかしながら、幅圧下プレス後のスラブは熱間の状態ですぐに粗圧延を施されるため、センサーなどでスラブの厚さを測定することは困難であり、粗圧延1パス目で最適な圧下量を設定することが困難であるという問題があった。
非特許文献1に記載の方法は、幅圧下プレス後のドッグボーンピーク厚さを、プレス前のスラブ幅とスラブ厚さ、および幅圧下量をパラメータとした回帰式で予測するものであり、スラブの長手方向での定常部(長手方向での先端部および尾端部以外の部分)でのドッグボーンピーク厚さを予測するものである。しかしながら、噛み込みで問題となるのは、スラブの先端部での厚さであり、定常部の厚さをもとに1パス目の圧下位置を設定すると、適切な圧下量が設定できないという問題がある。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、熱間スラブを幅圧下プレス装置により幅圧下した後に板厚方向の粗圧延を行う鋼板の熱間圧延を行う際に、粗圧延での噛み込みにより圧延不能となることなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延できる熱間圧延方法を提供することにある。
前述の目的を達成するために本発明では、第1に、熱間スラブに対して幅圧下プレス装置により幅圧下を行った後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法において、少なくともスラブの寸法および幅圧下量を含む情報から幅圧下後のスラブの先端部の最大厚さを予測し、該最大厚さに対して粗圧延の1パス目の圧下量を設定することとした。
また、第2に、第1の発明において、幅圧下プレス装置の金型のプレス面の傾斜部が熱間スラブの進行方向(長手方向)に対して8度以上23度以下の傾斜となる形状を有する金型を用いることとした。
さらに、第3に、第1または第2の発明において、幅圧下プレス装置の金型のプレス面が少なくとも2つ以上の平行部と傾斜部を有する形状である金型を用いることとした。
本発明によれば、熱間スラブを幅圧下プレス装置により幅圧下した後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延を行う際に、粗圧延で噛み込みによる圧延不能が発生することなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
幅圧下プレスされたスラブは、長手方向および厚さ方向へ増肉する。図3に幅圧下プレス前のスラブのC断面を模式的に示す。図3において、H0はスラブの厚さ、W0はスラブの幅である。図4に幅圧下プレス後のスラブ定常部のC断面を模式的に示す。ここで、スラブ定常部とは、スラブ長手方向での中央位置と定義した。幅圧下プレス後のスラブのC断面(幅×厚さの断面)は、図4に示すようなスラブ幅端部よりやや内側をピークとしたいわゆるドッグボーン形状となることが知られている。このドッグボーンピーク厚さ(最大厚さ:H1)については、プレス前のスラブ幅とスラブ厚さ、および幅圧下量から予測できることが知られており、上記非特許文献1では、下記(1)式のような回帰式を開示している。
H1=H0×(b×ΔW/W0+1) ・・・(1)
ここで、H1:ドッグボーンピーク厚さ(最大厚さ)
H0:幅圧下プレス前のスラブ厚さ
ΔW:幅圧下量 (ΔW=W0−W1)
W0:幅圧下プレス前のスラブ幅
W1:幅圧下プレス後のスラブ幅
b:定数
である。
ところで、上記(1)式はスラブ定常部でのドッグボーンピーク厚さを予測するものであるが、本発明者らがプレス時のスラブの変形挙動を鋭意研究した結果、スラブの定常部と先端部ではC断面の形状が異なっていることを見出した。
図5に幅圧下プレス後のスラブ先端部のC断面を模式的に示す。定常部では、従来から言われているように、幅端部からやや内側の部分が盛り上がったいわゆるドッグボーン形状であるのに対し、先端部分では幅中央部の盛り上がりが大きい形状となっている。このように、先端部と定常部でC断面形状が異なるのは、両者において幅圧下プレスを施したときに材料の流動が異なり、先端部では長手方向への材料の流動が大きいためと推測される。
幅圧下プレスによる最大厚さ部の増厚量について、下記(2)式、(3)式に示すように、定常部の増厚量をΔH1、先端部の増厚量をΔH2と定義し、幅圧下量(ΔW)と増厚量(ΔH1(定常部)、ΔH2(先端部))との関係について実験的に調査を行った。結果を図1に示す。
ΔH1=H1−H0 ・・・(2)
ΔH2=H2−H0 ・・・(3)
図1は、幅圧下プレス前の厚さH0が250mm、幅1200mmのスラブについて、幅圧下量ΔWを50mmから300mmまで変化させて幅圧下プレスしたときの結果である。また、幅圧下プレス装置の金型2として、図6に示すような平行部2Aと傾斜部2Bからなる金型を使用し、傾斜部2Bの角度θを12度とした。なお、図6において、矢印はスラブ1の進行方向を示している。
図1によれば、幅圧下量が増大すると増厚量も大きくなるが、いずれの幅圧下量においても定常部に比べて先端部の増厚量は小さくなっていることがわかる。
本発明者らは、このようにスラブの定常部と先端部では増厚特性が異なることに着目し、さらに粗圧延での1パス目の圧下設定で重要となる噛み込み制約について、スラブ先端部の厚さを予測し、該厚さに対して1パスの圧下量を設定することに着目して、本発明に至ったものである。
また、幅圧下プレス装置の金型の形状もスラブ先端部の変形に大きく影響を与えることをも見出し、本発明に至ったものである。幅圧下プレス装置の金型の形状を変化させた場合について、以下に説明する。
図6に示す幅圧下プレス装置の金型2において、プレス面の傾斜部2Bの角度θを変えた条件で幅圧下プレスを行ったときのスラブの先端部と定常部の増厚量について調査した。図7に、幅圧下プレス装置の金型2の傾斜部2Bの角度θと、スラブの先端部と定常部の増厚量の関係を示す。ここで、幅圧下プレス前の厚さH0が250mm、幅1200mmのスラブについて、幅圧下量ΔWを200mmとして幅圧下プレスを行った。図7によれば、傾斜角度θが変化しても定常部の増厚量は変わらないが、先端部の増厚量は傾斜角度θが大きくなると小さくなることがわかる。逆に、傾斜角度が小さくなると先端部の増厚量は大きくなり、θが8度より小さくなると著しく増大することが分かる。先端部の増厚量が大きくなると、粗圧延での噛み込みが制約されてくるので、以上のことから、粗圧延での圧延能率の面からは、幅圧下プレス装置の金型2の傾斜部2Bの角度θは8度以上が望ましいことが分かる。
一方、幅圧下プレス装置の金型2の傾斜部2Bの角度θが大きくなると、定常部でのドッグボーンピークの位置はより端部側で発生するようになり、粗圧延での幅戻りが大きくなることが経験的に知られている。概ね、θが23度より大きくなると、幅圧下効率(粗圧延での幅戻り量を考慮した幅圧下量)が低下するため、幅圧下効率の面からは角度θは23度以下が望ましい。
また、図6に示すような1段の平行部2Aと傾斜部2Bからなる金型を使用した場合に、傾斜角度θを大きくすると、スラブ1と金型2との間でスリップが発生し、幅圧下プレスの作業効率の低下や、幅端面での擦り掻き疵の発生などの問題が発生する。
そのようなスリップを抑制するためには、図8に示すような、第1の傾斜部2B1と第2の傾斜部2B2の中間に平行部2A2を設けた金型を用いることが望ましい。
上記のような傾斜部の中間に平行部を設けた金型を用いた場合には、第1の傾斜部2B1の傾斜角度θ1を8度以上、23度以下とすることが望ましい。
以上のように、熱間スラブに対して幅圧下プレス装置により幅圧下を行った後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法においては、少なくともスラブの寸法および幅圧下量を含む情報から幅圧下後のスラブの先端部の最大厚さを予測し、該最大厚さに対して粗圧延の1パス目の圧下を設定することで、粗圧延での噛み込みによる圧延不能が発生することなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延することが可能になる。
また、上記において、幅圧下プレス装置の金型の傾斜部がスラブの長手方向に対して8度以上23度以下の傾斜角度を有する形状の金型を用いることで、粗圧延での圧延能率が向上する。
さらに、上記の傾斜角度が大きい場合には、幅圧下プレス装置の金型が少なくとも2つ以上の平行部と傾斜部を有する形状で、かつ第1の傾斜部の傾斜角度が8度以上23度以下である金型を用いることが好ましい。
以上説明したように、上記の本発明方法を用いることで、粗圧延での噛み込みによる圧延不能が発生することがなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延することが可能になる。
図9に示すような熱間圧延ラインを用いて、熱間スラブに幅圧下を行なった後に粗圧延を行った。図9において、1は熱間スラブ、3は幅圧下プレス装置、4は粗圧延機の第1スタンド、5は粗圧延機の第2スタンドである。加熱炉から抽出された熱間スラブ1は、幅圧下プレス装置3で幅圧下された後、粗圧延機の第1スタンド4および第2スタンド5で複数パスの粗圧延を施され、ついでさらに下流側に設置された仕上圧延機(図9では図示せず。)にて仕上圧延を施され、熱延鋼板としてコイル状に巻き取られる。
本実施例では、幅圧下プレス装置3の金型として、図6に示すような平行部2Aと傾斜部2Bからなる金型を使用し、平行部2Aの長さを500mm、傾斜部2Bの長さ(スラブ進行方向での長さ)を900mmとし、傾斜角度θを5度とした。粗圧延機4は、1200mmのワークロール径を有する2段圧延機である。
粗圧延機4において、圧延材が圧延ロール間に噛み込まれて圧延が成立するための圧下量の制限を噛み込み限界Δhmとすると、Δhmは下記の(4)式で示すことができる。
Δhm=2×R×{1−cos(tan-1μ)} ・・・(4)
ここで、μ:ワークロールと圧延材と間の摩擦係数
R:ワークロール半径
である。
本実施例では、μ=0.3(予め圧延荷重から算出)、R=600mmであるので、
Δhm=51mm
となる。
圧延に用いたスラブは、1200℃に加熱した低炭素鋼スラブで、幅圧下プレス前の厚さH0が250mm、幅1200mmである。なお、以下に示す実施例No.1、2において幅圧下量は300mmとする。
上記の条件では、図1に示す関係から、定常部と先端部の最大厚はそれぞれ以下の式で求めることができる。
H1=H0×(0.48×ΔW/W0+1) ・・・(5)
H2=H0×(0.55×ΔW/W0+1) ・・・(6)
実施例No.1では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを(6)式により算出した値を用いてロール圧下位置を設定した。スラブ先端厚の最大厚さは、284mmと予測され、粗圧延1パス目は噛み込み限界である51mmの圧下量が取れるように、ロール圧下位置を233mmに設定した。
実施例No.2では、幅圧下プレス後のスラブ定常部の最大厚さを(5)式により算出した値を用いてロール圧下位置を設定した。スラブの最大厚さは、280mmと予測され、粗圧延1パス目は噛み込み限界である51mmの圧下量が取れるように、ロール圧下位置を229mmに設定した。
表1に、上記の条件と圧延結果を示す。
Figure 2009006361
幅圧下プレス後のスラブを粗圧延機4で圧延を行ったところ、本発明例であるNo.1では、噛み込みの問題も生じることなく、良好な圧延が可能であった。一方、比較例であるNo.2では、スラブ先端部の最大厚からの圧下量が55mmとなり、噛み込み限界以上の圧下量の設定となったため、噛み込み不良で圧延できなかった。
実施例2では、実施例1と同じ熱間圧延ラインにおいて、幅圧下プレス装置3の金型として、図6に示すような平行部2Aと傾斜部2Bからなる金型を使用し、平行部2Aの長さを500mm、傾斜部2Bの長さ(スラブ進行方向での長さ)を900mmとし、傾斜角度θを8度および12度とした。傾斜角度θが8度の金型を用いたときの先端部の最大厚は下記(7)式で、傾斜角度θが12度の金型を用いたときの先端部の最大厚は下記(8)式で、それぞれ求められる。
H2=H0×(0.48×ΔW/W0+1) ・・・(7)
H2=H0×(0.29×ΔW/W0+1) ・・・(8)
圧延に用いたスラブは、1200℃に加熱した低炭素鋼スラブで、幅圧下プレス前の厚さH0を250mm、幅1200mmである。なお、以下に示す実施例No.3〜5においては、幅圧下量は200mmとする。
実施例No.3では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを(7)式により算出してロール圧下位置を設定した。スラブ先端厚の最大厚さは、270mmと予測され、粗圧延1パス目は噛み込み限界である51mmの圧下量が取れるように、ロール圧下位置を219mmに設定した。
実施例No.4では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを(8)式により算出してロール圧下位置を設定した。スラブ先端厚の最大厚さは、262mmと予測され、粗圧延1パス目は噛み込み限界である51mmの圧下量が取れるように、ロール圧下位置を211mmに設定した。
実施例No.5では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを予測することはせず、従来から一般的に行われているように、粗圧延1パス目は幅圧下を行わない場合のスラブ圧延でのロール圧下位置250mmに設定した。圧下量は12mmとした。
表2に、上記の条件と圧延結果を示す。
Figure 2009006361
本発明例であるNo.3、4では、粗圧延の1パス目から噛み込み限界まで圧延できたため、粗圧延パスが増加することなく能率的な熱間圧延が可能であったが、比較例であるNo.5では、1パスでの圧下量が小さいため、粗圧延パス数を余分に費やす必要が生じて、熱間圧延の能率が低下した。
実施例3では、実施例1と同じ熱間圧延ラインにおいて、幅圧下プレス装置3の金型として、図8に示すような平行部2A1と傾斜部2B1、および平行部2A2と傾斜部2B2の2段からなる金型を使用し、平行部2A1の長さを500mm、傾斜部2B1の長さ(スラブ進行方向での長さ)を300mm、平行部2A2の長さを200mm、傾斜部2B1の長さ(スラブ進行方向での長さ)を400mmとし、傾斜角度θ1を12度および23度とした。傾斜角度θ2は16度とした。傾斜角度θ1が12度の金型を用いたときの先端部の最大厚は上記(8)式で、傾斜角度θ1が23度の金型を用いたときの先端部の最大厚は下記(9)式で求められる。
H2=H0×(0.22×ΔW/W0+1) ・・・(9)
圧延に用いたスラブは、1200℃に加熱した低炭素鋼スラブで、幅圧下プレス前の厚さH0を270mm、幅900mmである。なお、以下に示す実施例No.6〜8において幅圧下量は150mmとする。
実施例No.6では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを上記(8)式により算出した。スラブ先端厚の最大厚さは、283mmと予測され、粗圧延1パス目は噛み込み限界である51mmの圧下量が取れるように、ロール圧下位置を232mmに設定した。
実施例No.7では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを上記(9)式により算出した。スラブ先端厚の最大厚さは、280mmと予測され、粗圧延1パス目は噛み込み限界である51mmの圧下量が取れるように、ロール圧下位置を229mmに設定した。
実施例No.8では、幅圧下プレス後のスラブ先端部の最大厚さを予測することはせず、従来から一般的に行われているように、粗圧延1パス目は幅圧下を行わない場合のスラブ圧延でのロール圧下位置270mmに設定した。
表3に、上記の条件と圧延結果を示す。
Figure 2009006361
本発明例であるNo.6、7では、粗圧延の1パス目から噛み込み限界まで圧延できたため、粗圧延パスが増加することなく能率的な熱間圧延が可能であったが、比較例であるNo.8では、1パスでの圧下量が小さいため、粗圧延パス数を余分に費やす必要が生じて、熱間圧延の能率が低下した。
以上の結果から、本発明を用いることで、熱間スラブを幅圧下プレス装置により幅圧下した後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法に際し、粗圧延での噛み込みによる圧延不能が発生することなく、少ない圧延パス数で生産能率良く圧延することが可能になることが分かった。
、幅圧下量(ΔW)と増厚量(ΔH1(定常部)、ΔH2(先端部))との関係の一例を示すグラフ。 幅圧下プレス装置を示す図。 幅圧下プレス前のスラブのC断面(幅×厚さの断面)を模式的に示す図。 幅圧下プレス後のスラブ定常部のC断面を模式的に示す図。 幅圧下プレス後のスラブ先端部のC断面を模式的に示す図。 幅圧下プレス装置の金型の一例を示す図。 傾斜部の角度を変えた条件で幅圧下プレスを行ったときのスラブの先端部と定常部の増厚量の関係を示すグラフ。 幅圧下プレス装置の金型の一例を示す図。 熱間圧延ラインの概略図。
符号の説明
1 スラブ
2 金型
2A(2A1、2A2) 平行部
2B(2B1、2B2) 傾斜部
3 幅圧下プレス装置
4 粗圧延機の第1スタンド
5 粗圧延機の第2スタンド
L スラブ長さ
H(H0、H1、H2) スラブ厚さ
W(W0、W1、W2) スラブ幅
θ(θ1、θ2) 傾斜角度

Claims (3)

  1. 熱間スラブに対して幅圧下プレス装置により幅圧下を行った後に板厚方向の粗圧延を行う熱間圧延方法において、少なくともスラブの寸法および幅圧下量を含む情報から幅圧下後のスラブの先端部の最大厚さを予測し、該最大厚さに対して粗圧延の1パス目の圧下量を設定することを特徴とする熱間圧延方法。
  2. 幅圧下プレス装置の金型のプレス面が、熱間スラブの進行方向に対して8度以上23度以下の傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延方法。
  3. 幅圧下プレス装置の金型のプレス面が、熱間スラブの進行方向に対して少なくとも2つ以上の平行部と傾斜部とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱間圧延方法。
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