JP5581668B2 - T形鋼の製造設備及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法に関する。
図12にT形鋼の断面形状を示す。T形鋼20は、ウェブ21とフランジ22とからなる断面がT字状の形鋼であり、造船や橋梁等の分野で広く使用され、その用途や使用条件、使用箇所等によって様々な寸法の製品が製造されている。
通常用いられるT形鋼20の寸法は、ウェブ高さ:200〜1000mm程度、ウェブ厚:8〜25mm程度、ウェブ内法寸法:190〜980mm程度、フランジ幅:80〜400mm程度、フランジ厚:12〜40mm程度である。さらに、造船用として用いられるT形鋼20の場合には、ウェブ高さはフランジ幅の2倍以上であることが多い。
また、T形鋼20はウェブ21とフランジ22とを溶接して製造されることが一般的であるが、熱間圧延にて一体成形する技術も提案されている。
例えば、ウェブ厚、フランジ厚、ウェブ高さおよびフランジ幅が様々な寸法のT形鋼を効率よく熱間圧延にて製造するため、ユニバーサル圧延機を中間圧延工程と仕上圧延工程に1基ずつ配置した熱間圧延設備が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図13に熱間圧延設備の一例を示す。
この熱間圧延設備101は、加熱炉(図示せず)から搬出された素材鋼片を往復圧延して断面略T字形に粗成形する粗造形圧延機102と、この粗造形圧延機102により略T字形状に粗成形したT形鋼片(図15参照)を略製品寸法のT形鋼に成形するための中間圧延機群103と、略製品寸法に成形されたT形鋼を製品寸法に成形する仕上ユニバーサル圧延機106とを備えている。中間圧延機群103は、粗ユニバーサル圧延機104と粗ユニバーサル圧延機104の下流に設置されたエッジャ圧延機105とを備えている。
粗造形圧延機102による圧延工程が粗造形圧延工程であり、図14(A)に粗造形圧延機102の構成を模式的に示す。粗造形圧延機102は、3組の孔型を形成した上ロール102a及び下ロール102bを備えている。そして、粗造形圧延機102は、これらの孔型で素材鋼片を順次圧延し、図15に示すウェブ21及びフランジ22からなる被圧延材(T形鋼片)Hを得るようになっている。
また、中間圧延機群103を構成する粗ユニバーサル圧延機104及びエッジャ圧延機105による圧延工程が中間圧延工程であり、図14(B)に粗ユニバーサル圧延機104の構成を、図14(C)にエッジャ圧延機105の構成を模式的に示す。粗ユニバーサル圧延機104は、図14(B)に示すように一対の水平ロール141a,141bと、一対の竪ロール142a,142bとを備えている。エッジャ圧延機105は、図14(C)に示すように、それぞれが大径ロール部153と小径ロール部154とを有する一対のエッジャロール151a,151bを有している。粗造形圧延工程で得られた被圧延材(T形鋼片)Hは、粗造形圧延機102の下流側に設置された中間圧延機群103を構成する粗ユニバーサル圧延機104及びエッジャ圧延機105によりウェブ21とフランジ22の厚みが減じられるとともにフランジ22のフランジ幅が調整された被圧延材(略製品寸法のT形鋼)Hとなる。この際に、水平ロール141a,141bのロール開度を調整することによってロール交換を行わずとも種々のウェブ厚に調整でき、また竪ロール142aのロール開度を調整することによって種々のフランジ厚に調整できる。さらに、一対のエッジャロール151a,151bの小径部154間の間隔を調整することでフランジ幅を調整できる。
更に、仕上ユニバーサル圧延機106による圧延工程が仕上圧延工程であり、図14(D)に仕上ユニバーサル圧延機の構成を模式的に示す。仕上ユニバーサル圧延機106は、図14(D)に示すように、一対の水平ロール161a,161bと、一対の竪ロール162a,162bとを備えている。そして、中間圧延工程で得られた被圧延材Hは、仕上ユニバーサル圧延機106によりフランジ22が垂直に立てられて製品断面形状となる。
ところで、熱間圧延されたT形鋼20においては、その冷却中において、図16に示すように、フランジ22の側が凹状になるような曲りが生じてしまう問題がある。
この問題については、特許文献1にも指摘されており、特許文献1に記載されたT形鋼の製造方法では、その対策として、T形鋼の圧延中あるいは仕上圧延後の高温時に、例えばフランジ外面に注水してフランジを冷却し、ステム(ウェブ)とフランジの温度差を極力僅少に保持しながらT形鋼を冷却するようにしている。
また、特許文献2には、熱間圧延を終了したT形鋼を、ウェブが略水平方向を指向する姿勢で長手方向へ搬送しながら、当該T形鋼のフランジの外面、または、フランジの内面および外面を水冷する技術が開示されている。
特公昭43−19671号公報 特開2008−126259号公報
しかしながら、これら特許文献1及び2に記載された従来のT形鋼の製造方法にあっては、以下のような問題があることがわかった。
即ち、特許文献1に記載されたT形鋼の製造方法では、T形鋼を冷却中にフランジ側への曲りが生じることの対策として、T形鋼の圧延中あるいは仕上圧延後の高温時に、例えばフランジ外面に注水してフランジを冷却するようにしてあるが、具体的にT形鋼を製造する製造設備のどの場所でフランジを冷却すれば、冷却によるT形鋼の曲りが効果的に防止できるかが記載されていない。
また、特許文献2では、熱間圧延を終了したT形鋼のフランジを水冷により冷却することが記載されているものの、本発明者らの検討によれば、この特許文献2に記載された方法には以下のような問題があることがわかった。
即ち、熱間圧延を終了した後にT形鋼のフランジを水冷により冷却すると、水冷によってT形鋼のフランジが収縮するため、冷却中及び冷却直後のT形鋼にフランジ側への曲り(フランジ側が凹状になる曲り)が発生する。フランジとウェブとの温度差は熱間圧延終了時には100℃程度かそれ以上となっており、熱間圧延後においてその温度差を解消するようにフランジ冷却によって製品の曲りを防止するためには強力な冷却を行う必要があり、その結果、フランジ側への曲りが過大になって圧延ラインからT形鋼が飛び出してしまうというトラブルが発生する可能性がある。
また、T形鋼の場合には、フランジを水冷によって冷却してもフランジの収縮によってフランジ側への曲りが発生してしまうため、H形鋼のようにウェブの左右両側にフランジを有する形鋼を熱間圧延後にフランジを水冷する場合と比べて熱ひずみ緩和効果が小さく、フランジ冷却による曲り矯正効果自体が小さいという問題がある。H形鋼のフランジを水冷する場合には、左右のフランジの熱収縮が均等であればH形鋼に曲りは発生せず、ウェブに圧縮応力、フランジに引張応力が作用して、熱間または温間域であることによる応力緩和効果によってこれら応力が緩和され、室温まで冷却された後に形鋼に発生する残留応力を軽減する効果が得られる。ところが、T形鋼のようにウェブの片側のみにフランジがある形鋼では、フランジを水冷して収縮させてもフランジ側への曲りが発生するために、ウェブやフランジに生じる応力はウェブの両側にフランジがある形鋼に比べてはるかに小さなレベルとなり、応力緩和効果が充分に得られない。その結果、室温まで冷却した後のT形鋼の曲り量は水冷しない場合に比べてほとんど改善しない。
次に、特許文献2ではT形鋼のウェブが略水平方向を指向する姿勢で長手方向へ搬送する必要があるが、フランジが片側にしかないT形鋼をウェブが略水平方向を指向する姿勢に保ちつつ冷却するためには、ウェブ先端を支持する機構を設ける必要があるため、設備費が高価になるという問題がある。十分な冷却を行うためには冷却設備を長くする必要があり、ウェブ支持機構の費用も冷却設備が長いほど大きくなる。
以上のような問題があったため、従来の熱間圧延によるT形鋼の製造方法では、フランジとウェブとの温度差によって発生する冷却曲りの問題を解決することができず、熱間圧延によりT形鋼を製造する場合の大きな障害となっていた。
従って、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、フランジとウェブとの温度差によって発生する冷却曲りを極力小さくすることができる熱間圧延によるT形鋼の製造設備及び製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係るT形鋼の製造設備は、加熱炉から搬送された素材鋼片を断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延機と、粗造形圧延機の後段に設置され、前記粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に圧延するための中間圧延機群と、該中間圧延機群の後段に設置され、前記中間圧延機群により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延機とを備えた、熱間圧延によるT形鋼の製造設備であって、前記仕上圧延機の前面に、前記被圧延材の前記フランジを水冷により冷却する冷却装置を設置し、前記冷却装置は、前記フランジの外面に向けて注水する外面水冷ノズル及び/又は前記フランジの内面に向けて注水する内面水冷ノズルを有し、前記外面水冷ノズル及び/又は前記内面水冷ノズルは、前記被圧延材のウェブが前記被圧延材を搬送するローラテーブルの上面に対して略水平の状態から前記被圧延材が前記仕上圧延機から離れて前記ウェブの先端と前記フランジの下端とが同じ高さ状態までの、前記ウェブのいずれの傾斜状態においても、前記フランジの外面及び/又は内面に向けて注水可能な位置及び向きに設けられていることを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係るT形鋼の製造設備は、請求項1記載のT形鋼の製造設備において、前記被圧延材の前記フランジ内面を冷却する内面水冷ノズルは、前記ウェブより上側の上フランジ内面を冷却する上フランジ内面水冷ノズルと、前記ウェブより下側の下フランジ内面を冷却する下フランジ内面水冷ノズルと、を備えており、前記上フランジ内面水冷ノズルの噴射角は、前記ローラテーブルの上面に対して下向きのαの角度とし、前記下フランジ内面水冷ノズルの噴射角は、前記ローラテーブルの上面に対して上向きのβの角度とし、上フランジ内面水冷ノズルの噴射角αよりも前記下フランジ内面水冷ノズルの噴射角βを大きく(α<β)設定したことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項3に係るT形鋼の製造設備は、請求項1又は2記載のT形鋼の製造設備において、前記冷却装置を、前記仕上圧延機の圧延機本体の外側に配置したことを特徴としている。
ここで、圧延機本体の外側とは、圧延機の圧延ロールを支持するロールチョック等を収めているハウジングや、ハウジング内まで延設されているガイド類の外側のことを意味している。
また、本発明のうち請求項4に係るT形鋼の製造設備は、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のT形鋼の製造設備において、前記中間圧延機群は、ロール外周面の幅が前記粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材のウェブ内法寸法より広い上下の水平ロールを有する第1の粗ユニバーサル圧延機と、前記被圧延材のフランジの端面を圧下するエッジャ圧延機と、ロール外周面の幅が前記被圧延材のウェブ内法寸法以下である上下の水平ロールおよび一方がフランジをその板厚方向に圧下し他方がウェブの端面をウェブの高さ方向に圧下する左右の竪ロールを有する第2の粗ユニバーサル圧延機と、を備えていることを特徴としている。
一方、本発明のうち請求項5に係るT形鋼の製造方法は、加熱炉から搬送された素材鋼片を粗造形圧延機によって断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延工程と、該粗造形圧延工程により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を中間圧延機群によって略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に圧延する中間圧延工程と、該中間圧延工程により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を仕上圧延機によって製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延工程と、を備えた熱間圧延によるT形鋼の製造方法であって、前記仕上圧延工程では、前記仕上圧延機の前面で、前記被圧延材の前記ウェブが当該被圧延材を搬送するローラテーブルの上面に対して略水平の状態から前記被圧延材が前記仕上圧延機から離れて前記ウェブの先端と前記フランジ下端とが同じ高さ状態までの、前記ウェブのいずれの傾斜状態においても、前記フランジの外面及び/又は内面に向けて水冷により冷却するようにしたことを特徴としている。
なお、本発明における断面略T字形の被圧延材の各圧延機での圧延は、ウェブが水平となる姿勢で行うものとする。
本発明のうち請求項1に係るT形鋼の製造設備によれば、仕上圧延機の前面で、前記被圧延材の前記フランジを水冷により冷却するようにしたので、フランジの水冷で被圧延材に生じた曲りをその後の仕上圧延によって塑性加工をして真っ直ぐにすることができる。そして、フランジの水冷によりフランジとウェブとの温度差を小さくでき、その温度差が小さくなった状態で仕上圧延による塑性加工を受けて真っ直ぐになったT形鋼は、室温まで冷却しても曲りが小さく、フランジとウェブの温度差によって発生する冷却曲りを極力小さくすることができる。
また、本発明のうち請求項1に係るT形鋼の製造設備では、被圧延材であるT形鋼のフランジ外面を水冷する外面水冷ノズル及び/又はフランジ内面を水冷する内面水冷ノズルを有し、外面水冷ノズル及び/又は内面水冷ノズルは、被圧延材のウェブが被圧延材を搬送するローラテーブルの上面に対して略水平の状態からウェブの先端とフランジの下端とが同じ高さの状態まで傾斜した場合に、ウェブのいずれの傾斜状態においても、前記フランジの外面および内面に向けて注水可能な位置及び向きに設けられているので、被圧延材の圧延方向(搬送方向)に外面水冷ノズルや内面水冷ノズルを複数並べて冷却装置とする場合でも、各ノズルの設置位置におけるウェブの傾斜状態の違いによらずにノズルの高さ方向位置や冷却水の噴射角度が同じですみ、設備構造の簡素化と設備費の低減を図ることができる。また、被圧延材のウェブが略水平方向を指向する姿勢で長手方向へ搬送する必要がないため、被圧延材のウェブ先端を支持する機構が不要となり、設備費を低減することができる。
また、本発明のうち請求項2に係るT形鋼の製造設備によれば、請求項1記載のT形鋼の製造設備において、被圧延材の前記フランジ内面を冷却する内面水冷ノズルは、ウェブより上側の上フランジ内面を冷却する上フランジ内面水冷ノズルと、ウェブより下側の下フランジ内面を冷却する下フランジ内面水冷ノズルと、を備えており、上フランジ内面水冷ノズルの噴射角は、ローラテーブルの上面に対して下向きのαの角度とし、下フランジ内面水冷ノズルの噴射角は、ローラテーブルの上面に対して上向きのβの角度とし、上フランジ内面水冷ノズルの噴射角αよりも下フランジ内面水冷ノズルの噴射角βを大きく(α<β)設定したので、ウェブのいずれの傾斜状態においても上下のフランジ内面に噴射された冷却水がより垂直に近い角度で衝突するようになり、冷却能力が向上する。また、上下フランジの冷却状態の差異が小さくなり、上下フランジの温度差を小さくすることができる。
また、本発明のうち請求項3に係るT形鋼の製造設備によれば、請求項1又は2記載のT形鋼の製造設備において、冷却装置が仕上圧延機の圧延機本体の外側に配置されているので、スペースがなく冷却装置の設置が困難な仕上圧延機の圧延機本体へ冷却装置を配置する場合に比べ、少ない設備費で大きな冷却能力を得ることができる。また、圧延機本体の外側では概ねウェブが傾斜した姿勢となっているため、上フランジ内面へ向けて噴射した冷却水がウェブ上面へ滞留することなく排水され、ウェブの上下面で不均一な冷却となることを抑制できる。
また、本発明のうち請求項4に係るT形鋼の製造設備によれば、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のT形鋼の製造設備において、中間圧延機群は、ロール外周面の幅が前記粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材のウェブ内法寸法より広い上下の水平ロールを有する第1の粗ユニバーサル圧延機と、被圧延材のフランジの端面を圧下するエッジャ圧延機と、ロール外周面の幅が被圧延材のウェブ内法寸法以下である上下の水平ロールおよび一方がフランジをその板厚方向に圧下し他方がウェブの端面をウェブの高さ方向に圧下する左右の竪ロールを有する第2の粗ユニバーサル圧延機とを備えているので、熱間圧延のままで、端部の形状が良好で、目標値を満足するウェブ高さのウェブが得られ、熱間圧延後にウェブ先端部を切断する必要がない。切断工程が不要となるため、製造工程の短縮と、製造コストの低減を可能とすることができる。さらに、第1及び第2の粗ユニバーサル圧延機でウェブとフランジの圧下率のバランスを変えることにより、被圧延材の出側の曲りを圧延で制御することができるので、水冷の曲り制御を容易にすることができる。
更に、本発明のうち請求項5に係るT形鋼の製造方法によれば、仕上圧延工程では、仕上圧延機の前面で、被圧延材の前記ウェブが当該被圧延材を搬送するローラテーブルの上面に対して略水平の状態から前記ウェブの先端と前記フランジ下端とが同じ高さの状態まで傾斜した場合に、前記ウェブのいずれの傾斜状態においても、前記フランジの外面及び/又は内面に向けて水冷により冷却するようにしたので、フランジの水冷で被圧延材に生じた曲りをその後の仕上圧延によって塑性加工をして真っ直ぐにすることができる。そして、フランジの水冷によりフランジとウェブとの温度差を小さくでき、その温度差が小さくなった状態で仕上圧延による塑性加工を受けて真っ直ぐになったT形鋼は、室温まで冷却しても曲りが小さく、フランジとウェブの温度差によって発生する冷却曲りを極力小さくすることができる。
なお、ウェブ厚がフランジ厚よりも小さく、ウェブ高さがフランジ幅の2倍以上である造船用T形鋼は、熱間圧延においてフランジとウェブの温度差が大きくなりやすく、また熱間圧延後に冷却曲りを矯正することが難しいため、本発明の適用が特に効果的である。
本発明に係るT形鋼の製造設備の第1実施形態の概略構成図である。 本発明に係る冷却装置を、仕上ユニバーサル圧延機の圧延機本体の前面に配置した状態を示す図である。 (a)は本発明の冷却装置の構成と、被圧延材が圧延ロール近傍にあるときに冷却装置による冷却状況を説明するための模式図、(b)、(c)は、被圧延材が圧延ロールから離れてウェブが傾斜し、ローラテーブル上に乗るまでの冷却装置による冷却状況を説明するための模式図である。 本発明の冷却装置の別の構成を説明するための模式図である。 本発明の冷却装置の別の構成を説明するための模式図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる第1の粗ユニバーサル圧延機を説明するための模式図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられるエッジャ圧延機を説明するための模式図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる第2の粗ユニバーサル圧延機を説明するための模式図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる第2の粗ユニバーサル圧延機の変形例を説明するための模式図である。 図1に示すT形鋼の製造設備に用いられる仕上圧延機を説明するための模式図である。 本発明に係るT形鋼の製造設備の第2実施形態の概略構成図である。 T形鋼の断面図である。 従来のT形鋼の製造設備を示す概略構成図である。 (A)は従来のT形鋼の製造設備に用いられる粗造形圧延機を説明するための模式図、(B)は従来のT形鋼の製造設備に用いられる粗ユニバーサル圧延機を説明するための模式図、(C)は従来のT形鋼の製造設備に用いられるエッジャ圧延機を説明するための模式図、(D)は従来のT形鋼の製造設備に用いられる仕上ユニバーサル圧延機を説明するための模式図である。 略T字断面形状のT形鋼片の断面図である。 T形鋼の冷却途中におけるフランジ側への曲り状況を説明するための部分斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るT形鋼の製造設備の第1実施形態の概略構成図である。
図1に示すT形鋼の製造設備1は、上流側から下流側に向けて、即ち前段側から後段側に向けて粗造形圧延機2、中間圧延機群3、及び仕上圧延機7を順次配設してなる。
粗造形圧延機2は、加熱炉(図示せず)からローラテーブル(図示せず)上を搬送された被圧延材(素材鋼片、図示せず)を往復圧延して断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材(T形鋼片、図15参照)Hに粗圧延する(粗造形圧延工程)。粗造形圧延機2としては、公知の設備が利用でき、例えば、孔型を有するロールが装備された二重式圧延機とする。
中間圧延機群3は、粗造形圧延機2の後段に設置されており、粗造形圧延機2により粗圧延された断面略T字形のウェブ21及びフランジ22からなる被圧延材Hを略製品寸法のウェブ21及びフランジ22からなる被圧延材Hに圧延する(中間圧延工程)。
この中間圧延機群3は、本実施形態においては、図6に示す第1の粗ユニバーサル圧延機4と、この第1の粗ユニバーサル圧延機4の後段に設置された図7に示すエッジャ圧延機5と、エッジャ圧延機5の後段に設置された図8に示す第2の粗ユニバーサル圧延機6とで構成されている。なお、この中間圧延機群3は、粗ユニバーサル圧延機を2台とエッジャ圧延機を1台とで構成されているが、これは一例であって、中間圧延機群3の圧延機の台数に制限はなく、例えば、粗ユニバーサル圧延機1台とエッジャ圧延機1台とで構成してもよい。また、粗ユニバーサル圧延機が3台以上、エッジャ圧延機が2台以上の構成であってもよい。
ここで、第1の粗ユニバーサル圧延機4は、図6に示すように、水平軸上を回転する上下一対の水平ロール41a,41bと、垂直軸上を回転する左右一対の竪ロール42a,42bとを有している。上下一対の水平ロール41a,41b及び左右一対の竪ロール42a,42bは、それぞれ、対向配置されている。
水平ロール41a,41bの外周面の幅W1は、被圧延材Hのウェブ21の内法寸法L(フランジ内面からウェブ先端までの距離)より大きく設定される。水平ロール41a,41bの外周面の幅W1は、好ましくは、ウェブ21の内法寸法Lの105〜150%とする。
第1の粗ユニバーサル圧延機4では、水平ロール41a,41bによりウェブ21の高さ方向の全面を板厚方向に圧下し、竪ロール42aと水平ロール41a,41bの側面でフランジ22をその板厚方向に圧下する。
ウェブ21の板厚調整は、水平ロール41a,41bの開度調整で行い、フランジ22の板厚調整は、竪ロール42aと水平ロール41a,41bの側面との開度調整で行う。
また、エッジャ圧延機5は、図7に示すように、水平軸方向に大径ロール部53と小径ロール部52を備えたエッジャロール51a,51bを有し、大径ロール部53が被圧延材Hのウェブ21を誘導し、小径ロール部52のロール表面52aがフランジ22の端面をその幅方向に圧下する。
大径ロール部53のロール径と小径ロール部52のロール径は、小径ロール52によるフランジ22の端面の圧延中に、大径ロール部53のロール表面がウェブ21の板厚方向の上下面に若干の隙間を有するように調整することが好ましい。若干の隙間を設けることで、大径ロール部53がウェブ21に接触した場合に発生する余分な圧延反力をなくすとともに、大径ロール部53がガイドとして働き、上下のウェブ面から上下のフランジ先端までの長さを揃える効果が生まれ、寸法精度を向上させることができる。隙間は2mm以下とすることが好ましい。
更に、第2の粗ユニバーサル圧延機6は、図8に示すように、水平軸上を回転する上下一対の水平ロール61a,61bと、垂直軸上を回転する左右一対の竪ロール62a,62bとを備えている。上下一対の水平ロール61a,61b及び左右一対の竪ロール62a,62bは、それぞれ、対向配置されている。
水平ロール61a,61bのロール外周面の幅W2は、被圧延材Hのウェブ21の内法寸法L(フランジ内面からウェブ先端部までの距離)以下とする。水平ロール61a,61bのロール外周面の幅W2は、好ましくは、ウェブ21の内法寸法Lの70〜100%程度とする。さらにW1とW2との差は30mm以上確保することが好ましい。被圧延材Hのフランジ22を水平ロール61a,61bの側面に押し付けた場合、ウェブ21の先端部は水平ロール61a,61bのロール外周面より外側に突出するので、竪ロール62bでウェブ21を圧下することが可能となる。
なお、第2の粗ユニバーサル圧延機6の水平ロール61a,61bのロール外周面の幅W2を被圧延材Hのウェブ21の内法寸法Lと同じにする場合には、図9に示すように、ウェブ21の先端部側のコーナ部Cをウェブ面を圧延しない形状に加工したものを用いることが好ましい。水平ロール61a,61bのロール外周面の幅W2がウェブ21の内法寸法Lと同じ寸法であるため、竪ロール62bでウェブ21の先端を圧下することが可能であるとともに、ウェブ面を圧延しない形状に加工されたコーナー部Cによりウェブ21の先端部近傍と水平ロール61a,61bとの間に空間ができるため、ウェブ21の先端部を圧下したことによるウェブ厚み増加分を吸収することができる。コーナー部Cの加工としては、例えば、円弧状加工、面取り加工、段差加工などを施せばよい。
第2の粗ユニバーサル圧延機6では、水平ロール61a,61bのロール開度を調整して、ウェブ21の板厚を調整し、竪ロール62aと水平ロール61a,61bの一方の側面との開度を調整することによりフランジ22の板厚を調整し、竪ロール62bと水平ロール61a,61bの他方の側面との開度を調整することによりウェブ21の高さと端部の形状とを調整する。
上述した中間圧延機群3を構成する第1の粗ユニバーサル圧延機4、エッジャ圧延機5、及び第2の粗ユニバーサル圧延機6による中間圧延工程においては、仕上圧延が可能な形状が得られるまで、往復圧延を行う。中間圧延工程では、フランジが垂直から外側に傾斜した状態で圧延する。
そして、仕上圧延機7は、中間圧延機群3の後方に設置され、中間圧延機群3により略製品寸法に圧延された被圧延材Hを製品寸法のウェブ21及びフランジ22からなるT形鋼20に仕上圧延する(仕上圧延工程)。
仕上圧延機7は、仕上ユニバーサル圧延機で構成されており、図10に示すように、水平軸上を回転する上下一対の水平ロール71a,71bと、垂直軸上を回転する左右一対の竪ロール72a,72bとを備えている。水平ロール71a,71bの側面はロール面と直交させる。
竪ロール72aで被圧延材Hのフランジ22を軽圧下圧延すると、ウェブ21に対してフランジ22が垂直に成形される。竪ロール72bを水平ロール71a,71bの、フランジ22と対向しない側の側面に押圧することで水平ロール71a,71bを軸方向に移動しないようにできる。
仕上ユニバーサル圧延機では、ウェブ21はほとんど圧下されないか、または、形・寸法を整える程度に軽圧下される。特に、第2の粗ユニバーサル圧延機6での圧延によって、水平ロール61a,61bにより圧下される部分と圧下されない部分(ウェブ21の先端部近傍)で板厚差が生じている場合には、これを解消するようにウェブ21を軽圧下する。この目的に適うため、水平ロール71a,71bの圧下面の幅は、ウェブ内法寸法より大きくする。好ましくは、ウェブ21の内法寸法Lの105〜150%程度とする。
仕上ユニバーサル圧延機と粗ユニバーサル圧延機は、一般にフランジ22側の竪ロールの形状が異なる。すなわち、粗ユニバーサル圧延機においては、図8に示すように、竪ロール62aの側面はフランジの傾斜に合せて山形形状となっているが、仕上ユニバーサル圧延機においては、図10に示すように、竪ロール72aの側面は平面になっている。
そして、本実施形態のT形鋼の製造設備1においては、図1に示すように、仕上圧延機7の前面に、冷却装置8が設置されている。
この冷却装置8は、仕上圧延機7による仕上圧延工程において、仕上圧延機7の前面で、被圧延材Hのフランジ22を水冷により冷却するようにしている。これにより、仕上圧延機7の前でフランジ22の水冷を行い、水冷の後に仕上圧延機7で被圧延材Hの仕上圧延をすることになり、水冷で被圧延材Hに生じた曲りを仕上圧延の塑性加工で修正して真っ直ぐにすることができる。そして、フランジ22の水冷によりフランジ22とウェブ21との温度差を小さくでき、その温度差が小さな状態で圧延による塑性加工を受けて真っ直ぐになったT形鋼は室温まで冷却しても曲りが小さく、フランジ22とウェブ21の温度差によって発生する冷却曲りを極力小さくすることができる。このため、従来の熱間圧延後のフランジ水冷の場合に比べて曲り量を大幅に低減できる。
図2は、仕上ユニバーサル圧延機7の前面に設置されている冷却装置8を示すものである。
仕上ユニバーサル圧延機7は、上下一対の水平ロール71a,71b及び左右一対の竪ロール72a,72b(不図示)を支持するロールチョック等を収めているハウジング11と、水平ロール71a,71b及び竪ロール72a,72bで囲まれた空間のパスライン中心に被圧延材Hを導くようにハウジング11に固定されたウェブガイド12a〜12dとを備えている。そして、冷却装置8は、ハウジング11とウェブガイド12a〜12dを含む圧延機本体に対して前面の外側に設置されており、圧延ラインに沿って並べた複数の水冷ノズルを有し、被圧延材Hのフランジ22の外面および内面を冷却するように構成されている。
冷却装置8の構成を図3〜図5を参照して説明する。
冷却装置8は、図3(a)に示すように、被圧延材Hのフランジ22の外面に向けて注水する外面水冷ノズル8aを有している。ここで、図3(a)に示す状態において、被圧延材Hは、仕上圧延機7の近傍にあり、圧延姿勢が保たれており、ウェブ21がローラテーブル13の上面に対して略平行の状態となっている。一方、被圧延材Hが仕上圧延機7から離れると、被圧延材Hのウェブ21が被圧延材Hを搬送するローラテーブル13の上面に対して略水平の状態から、図3(b)に示すようにウェブ21の先端が下がってウェブが傾斜し、数m離れたところで図3(c)に示すようにローラテーブル13にウェブ21の先端が接触し、フランジ22の下端と同じ高さの状態まで傾斜する。この時の図3(a)の状態から図3(c)の状態に至るまでの距離は、被圧延材Hの寸法や強度によっても異なる。冷却装置8の外面水冷ノズル8aは、図3(a)〜図3(c)に示すように、ウェブ21のいずれの傾斜状態においても、フランジ22の外面に向けて注水可能な位置及び向きに設けられている。
また、冷却装置8には、図3(a)に示すように、被圧延材Hのフランジ22の内面に向けて注水する上下一対の内面水冷ノズル8b,8c(以下、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cと称する)が設けられている。これら上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cは、図3(a)〜図3(c)に示すように、外面水冷ノズル8aと同様に、被圧延材Hのウェブ21が被圧延材Hを搬送するローラテーブル13の上面に対して略水平の状態からウェブ21の先端とフランジ22の下端とが同じ高さの状態まで傾斜した場合において、ウェブ21のいずれの傾斜状態においても、フランジ22の内面に向けて注水可能な位置及び向きに設けられている。
従って、被圧延材Hの圧延方向(搬送方向)に外面水冷ノズル8a、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cを複数並べて冷却装置8とする場合でも、各ノズルの設置位置におけるウェブの傾斜状態の違いによらずにノズルの高さ方向位置や冷却水の噴射角度が同じですみ、設備構造の簡素化と設備費の低減を図ることができる。また、被圧延材Hが仕上ユニバーサル圧延機7から離れてウェブ21が傾斜した状態で搬送されている状態であっても被圧延材Hのフランジを冷却することができるため、ウェブを水平に保持するウェブ先端支持設備が不要で、設備費を低減することができる。また、圧延機から離れた位置まで冷却設備を設置することができ、冷却長さを増やすことによって冷却能力を増強する自由度が高くなる。
なお、外面水冷ノズル8aと、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cは、必要な冷却能力に応じていずれか一方のみ(外面水冷ノズル8aのみ、或いは上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cのみ)を設置してもよく、あるいは必要な冷却能力に応じていずれか一方のみを使用してもよい。
ここで、被圧延材Hのフランジ22は内面の温度が外面よりも高い場合が多い。これは、フランジ22の内面が高温のウェブ21から放射熱を受けるのに対し、フランジ22の外面は近くに高温の物体が存在しないため、温度が低下しやすいためである。また、中間圧延工程の粗ユニバーサル圧延において、フランジ22の内面は水平ロール側面の回転移動方向と被圧延材の進行方向が異なるため、ロールと圧延材表面のすべりが大きく、摩擦による発熱が大きいが、フランジ22の外面はロール表面の回転移動方向と被圧延材Hの進行方向が同じであるために摩擦発熱が小さいことも寄与している。そこで、いずれか一方のみを冷却する場合は、温度が高いフランジ22の内面を冷却するように、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cのみを設置または使用することが好ましい。
さらに、冷却装置8は、ウェブ21が水平な状態において上フランジ内面を効果的に冷却するために、上フランジ内面水冷ノズル8bからの冷却水の噴射角度が水平から下向きとなるように設置することが好ましい。噴射角度を下向きにすれば、ウェブ21が水平な状態において、上フランジ内面を水冷する冷却水がウェブ21に当たりにくくなる。また、圧延機に被圧延材Hを誘導する左右のサイドガイドの上に上フランジ内面水冷ノズル8bを設置することができ、ノズル設置の設備費を安価にできるという利点もある。一方、下フランジ内面水冷ノズル8cは、左右のサイドガイドの動作を妨げずに下フランジ内面を効果的に冷却する目的から、ローラテーブル13の上面よりも下側の位置に水平から上向きの噴射角度となるように設置することが好ましい。
ここで、冷却装置8は、図4に示すように、上フランジ内面水冷ノズル8bの水平からの下向き噴射角αよりも、下フランジ内面水冷ノズル8cの水平からの上向き噴射角βが大きくなるように設置することが好ましい。これは、被圧延材Hの姿勢が図3(a)に示すようなウェブ21が略水平となっているのは水平ロール71a,71b及び竪ロール72a,72bの近傍に限られ、圧延機本体の外側ではウェブ21が傾斜した状態となるためである。すなわち、熱間圧延によるT形鋼の製造においては、被圧延材Hのウェブ21が傾斜している状態が一般的であり、この状態に適した水冷設備が効果的である。上フランジ内面水冷ノズル8bの水平からの下向き噴射角αよりも下フランジ内面水冷ノズル8cの水平からの上向き噴射角βが大きくなるように設置すれば、被圧延材Hのフランジ22の下フランジ内面を水冷する冷却水がウェブに当りにくくなり、冷却の必要がないウェブの温度を低下させる問題が生じにくくなる。また、被圧延材Hのウェブ21が傾斜した状態であっても、被圧延材Hのフランジ22の下フランジ内面に冷却水が衝突する角度が垂直に近くなるので、冷却能力が向上する効果がある。なお図4に示すように、被圧延材Hのフランジ22のフランジ外面を冷却する外面水冷ノズル8aにも下向きの傾斜角を設けてもよい。
なお、各水冷ノズルの具体的角度は被圧延材や設備の仕様に応じて適宜定めることができるが、αは5〜50°程度、βは15〜60°程度、外面水冷ノズル8aの下向き傾斜角は0〜45°程度が好ましい。また、βはαより10〜40°程度大きいことが好ましい。噴射角は、図4および図5に示すように、ノズルからの噴流の中心線(通常はノズルの向き)が水平と成す角を意味する。
また、図4では、上フランジ内面水冷ノズル8bと下フランジ内面水冷ノズル8cの両方が、被圧延材Hのウェブ21の先端よりも外側に位置しており、被圧延材Hと、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cが衝突しにくい位置関係としている。
さらに、図5に示すように、下フランジ内面水冷ノズル8cをローラテーブル13を構成している隣接した一対のローラの間に設置すれば、被圧延材Hが衝突する恐れがなく、下フランジ内面水冷ノズル8cを被圧延材Hのフランジ22の下フランジ内面に近づけることができ、近接化の効果としてより低い水圧や少ない水量で上フランジ内面と同じ冷却能力を得ることができるため、設備費を低減することができる。
なお、図3〜5に示す冷却装置8の各水冷ノズルは、噴射角を調整できる機構とし、製造するT形鋼の寸法に応じて適切な噴射角を設定できる構造が好ましい。
また、仕上圧延機7の前面に設置された冷却装置8の圧延方向の長さは、冷却能力を確保する観点から例えば5m以上としてもよいが、仕上圧延機(仕上ユニバーサル圧延機)7における圧延は通常1パスであり、圧延速度を遅くしても生産性への影響が少ないことを考慮し、冷却装置8の長さは5m未満としても特に問題はなく、冷却能力、生産性、設備コストなどを考慮して決定すればよい。なお、冷却装置8の最大長さは中間圧延機群3の後面と仕上圧延機7の前面との間の距離とすればよい。
次に、本発明に係るT形鋼の製造設備の第2実施形態を図11を参照して説明する。図11は、本発明に係るT形鋼の製造設備の第2実施形態の概略構成図である。
図11に示すT形鋼の製造設備1は、図1に示すT形鋼の製造設備と基本構成は同様で、上流側から下流側に向けて、即ち前段側から後段側に向けて粗造形圧延機2、中間圧延機群3、及び仕上圧延機(仕上ユニバーサル圧延機)7を順次配設してなる。そして、中間圧延機群3は、第1の粗ユニバーサル圧延機4、エッジャ圧延機5及び第2の粗ユニバーサル圧延機6を備えている。また、仕上圧延機7の前面には、仕上圧延機7による仕上圧延工程において、仕上圧延機7の前面で、被圧延材Hのフランジ22を水冷により冷却する冷却装置8が設置されている。
しかし、図11に示すT形鋼の製造設備1は、図1に示すT形鋼の製造装置1と異なり、図11において破線で示すように、中間圧延機群3の前面あるいは後面に冷却装置9,10を設置してある。冷却装置9,10も、第1の粗ユニバーサル圧延機4または第2の粗ユニバーサル圧延機6を構成しているハウジングとウェブガイド(不図示)を含む圧延機本体に対して外側に設置されており、図3〜図5で示した冷却装置8と同様の構成(外面水冷ノズル、上フランジ内面水冷ノズル、下フランジ内面水冷ノズル)を有している。この冷却装置9,10は、中間圧延機群3の前面及び後面のいずれか一方に設置することで十分な冷却曲り制御効果が得られる。
冷却装置9,10は、中間圧延機群3による往復圧延の中間圧延工程において、中間圧延機群3の前面あるいは後面で、被圧延材Hのフランジ22を水冷により冷却するようにしている。これにより、中間圧延工程において、フランジ水冷による曲りを圧延の塑性加工で真っ直ぐにして冷却曲りを制御しつつフランジ22とウェブ21との温度差を小さくすることができる。このため、仕上圧延機7の前面でのフランジ水冷に加えて実施することにより、最終製品となるT形鋼の冷却曲りをより一層小さくすることができる。ただし、フランジ22の温度を低下させる効果はフランジ厚が薄いほど大きいため、中間圧延機群3の前後のフランジ水冷よりも仕上圧延機7の前のフランジ水冷の方がフランジ冷却の効果が大きい。また、これら冷却装置9,10は、全ての往復圧延のパスにおいて必ずしも使用する必要はなく、被圧延材Hの温度や曲りに応じて適宜選択して使用すればよい。
冷却装置9,10の構成は、図3〜図5に示す冷却装置8と同様であるので、その説明は、省略する。
また、中間圧延機群3の前面又は後面に設置された冷却装置9,10の圧延方向の長さは、冷却能力、生産性、設備コストなどを考慮して決定することが好ましい。冷却装置が短すぎると、被圧延材Hが冷却装置9,10内を移動する間にフランジ22を水冷する時間が短すぎて冷却能力が不足し、これを補うために圧延速度を遅くすると圧延時間が長くかかってしまい、生産性が低下する。一方、冷却装置が長すぎると、冷却装置9,10内を通過する時間が長くなるために冷却能力が向上するものの、被圧延材Hを冷却装置9,10から抜けるまで搬送すると中間圧延機群3から距離が離れたところまで移動させることになり、往復圧延での被圧延材Hの移動時間が長いために結局生産性が低下するのを避けられない。また、使用する冷却水の量が多くなりポンプや配管などの設備コストが過大になるという問題もある。このため、中間圧延機群3の前面又は後面に設置されて冷却装置9,10の圧延方向の長さは、例えば5m以上20m以下とすることができるが、上記の事情を考慮して被圧延材や設備の仕様に応じて適宜定めればよい。
なお、本実施形態では、仕上圧延機7の前面に設置された冷却装置8および中間圧延機群3の前面及び後面に設置された冷却装置9,10を、圧延機本体の外側に配置している。これは、圧延機本体にはスペースがなく有効な冷却装置の設置が困難であることに加え、圧延機直近で上フランジ内面の冷却を行うと、ウェブが水平であるためにウェブ上面に冷却水が滞留してウェブの上下面で不均一な冷却となるからである。これに対し、圧延機本体の外側であれば、冷却装置の設置は容易であり、また、ウェブが概ね傾斜した姿勢となっているため、上フランジ内面へ噴射した冷却水はウェブ上面へ滞留することなく排水される。したがって、冷却装置8,9,10は、圧延機本体の外側に配置することが望ましい。
一方、本発明の冷却装置8,9,10は、被圧延材Hの各圧延機での圧延姿勢と同じウェブ21が水平となる姿勢でもフランジ22が冷却できることから、圧延機本体に近づけて設置することができる。例えば、中間圧延工程での往復圧延における圧延能率向上(圧延時間短縮)のためには、圧延機本体と冷却装置の距離は近いほどよく、圧延機本体と冷却装置の距離Dが10m以下とするのが好ましい。さらに好ましくは距離Dを5m以下とする。
また、本発明の特徴である、被圧延材Hのウェブ21が被圧延材Hを搬送するローラテーブル13の上面に対して略水平の状態からウェブ21の先端とフランジ22の下端とが同じ高さの状態まで傾斜した場合に、ウェブ21のいずれの傾斜状態においても、前記フランジ22の外面および内面を冷却するという観点から、本発明の冷却装置と冷却方法は、造船用などの用途として用いられるウェブ高さがフランジ幅の2倍以上のT形鋼を製造する場合に、特に好適である。ウェブ高さがフランジ幅の2倍未満のT形鋼は、ローラテーブル13上でのフランジ22が大きく傾斜した状態となるため、冷却水と被圧延材のフランジ22の表面との衝突角度が垂直から大きく外れ、冷却能力が低下する場合がある。これに対し、ウェブ高さがフランジ幅の2倍以上のT形鋼であれば、外面水冷ノズル8a、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cを複数並べて冷却装置8とする場合に、各ノズル8a,8b,8cそれぞれでノズルの高さ方向位置や冷却水の噴射角度を一定としても、ウェブ21のいずれの傾斜状態においても冷却水と被圧延材のフランジ表面との衝突角度を適正な範囲に保つことができる。
なお、本実施形態では、外面水冷ノズル8a、上フランジ内面水冷ノズル8b及び下フランジ内面水冷ノズル8cを複数並べて冷却装置8とする場合に、各ノズル8a,8b,8cそれぞれでノズルの高さ方向位置や冷却水の噴射角度を一定としているが、本発明はこれに限定されるものではない。冷却水と被圧延材のフランジ22の表面との衝突角度がより適切となるように、例えば、外面水冷ノズル8aについて、圧延機本体から離れるにつれてノズル高さ方向位置を高く、冷却水の噴射角度を大きくするなど、ノズルの設置位置におけるフランジの傾斜状態に応じて、異なる高さ方向位置及び噴射角度となるように各ノズルを設置してもよい。
なお、第1及び第2の実施形態にあって、中間圧延機群3は、粗ユニバーサル圧延機を2台とエッジャ圧延機を1台とで構成されているが、これは一例であって、中間圧延機群3の圧延機の台数に制限はなく、例えば、粗ユニバーサル圧延機1台とエッジャ圧延機1台とで構成してもよい。また、粗ユニバーサル圧延機が3台以上、エッジャ圧延機が2台以上の構成であってもよい。
ただし、エッジャ圧延機5の前側に第1の粗ユニバーサル圧延機4を、エッジャ圧延機5の後側に第2の粗ユニバーサル圧延機6を配置する中間圧延機群(UEU)3では、第1及び第2の粗ユニバーサル圧延機4,6で圧延曲りをフランジ22側にもウェブ21側にも発生させることができ、曲りを調整してフランジ22を水冷により冷却できるため、粗ユニバーサル圧延機1台とエッジャ圧延機1台の中間圧延機群(UE)に比べて、水冷の曲り制御が容易になるというメリットがある。
第1及び第2の粗ユニバーサル圧延機4,6は、図6及び図8に示すように、それぞれ、ウェブ厚を上下の水平ロール41a,41b、61a,61bで圧下し、フランジ厚を水平ロール41a,41b、61a,61bの側面と竪ロール42a、62aとで圧下するため、ウェブ21とフランジ22の圧下率を独立して調整できる。一般にウェブ21の圧下率<フランジ22の圧下率とすれば、フランジ22の延伸がウェブ21よりも大きくなるため、被圧延材Hはウェブ21側に曲り、逆にフランジ22の圧下率<ウェブ21の圧下率とすれば、被圧延材Hはフランジ21側に曲がる。このようにウェブ21とフランジ22の圧下率のバランスを変えることにより、第1及び第2の粗ユニバーサル圧延機4,6では、被圧延材Hの出側の曲りを制御することができる。
一方、エッジャ圧延機5は、図7に示すように、フランジ22の端面のみを圧下するため、圧下により常にウェブ21側への曲りが発生する。また、フランジ幅を目標寸法にするためにエッジャ圧延機5のフランジ幅圧下量を適切な量にする必要があり、曲りを制御するために圧下量を調整する余地は小さい。このことから、エッジャ圧延機5の前側に第1の粗ユニバーサル圧延機4を、エッジャ圧延機5の後側に第2の粗ユニバーサル圧延機6を配置する中間圧延機群(UEU)3の方が粗ユニバーサル圧延機1台とエッジャ圧延機1台の中間圧延機群(UE)よりもT形鋼の製造に好ましい。
第1の実施例として、図1に示すT形鋼の製造設備1を用いて、厚さ250mm、幅310mmの矩形断面を有するブルームから、ウェブ高さ300mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚9mm、フランジ厚16mmを目標寸法とするT形鋼を圧延した。
図1に示すように、冷却装置8を仕上圧延機(仕上ユニバーサル圧延機)7の前面に設置した。冷却装置8は仕上圧延機7の本体の外側に近接させて設置し、圧延機本体と冷却装置との距離Dは3mとした。フランジ外面水冷ノズル8aの噴射方向は水平方向に対し10°下向きとした。また仕上圧延機7に被圧延材Hを誘導するフランジ22側のサイドガイドに組み込んでサイドガイドに追従して左右方向(ウェブ高さ方向)に移動する構造とし、被圧延材Hのフランジ22の外面とフランジ外面水冷ノズル8aの距離が被圧延材Hの断面寸法によらず一定に保たれる構成とした。上フランジ内面水冷ノズル8bの噴射方向は水平方向に対して10°下向きとし、被圧延材Hのウェブ21の先端側のサイドガイドに搭載して左右方向に移動する構造とした。下フランジ内面水冷ノズル8cの噴射方向は水平方向に対して30°上向きとし、フランジ22側のサイドガイドに追従して左右方向に移動する構造とした。
また、冷却装置8は図5の冷却ノズルを圧延方向に多数配置した構造とし、全体の冷却長さは10mとした。
粗造形圧延機2としては複数の孔型を設けた上下ロールを有する二重式圧延機を用いた。
中間圧延機群を構成する第1の粗ユニバーサル圧延機4としては、図6に示す構造のものを用いた。水平ロール41a,41bとしては、側面の鉛直方向からの角度(鉛直方向線と水平ロール41a,41bの側面とのなす角度)が7°のものを用いた。左右の竪ロール42a,42bは対向するように配置し、断面形状においてロール面の幅方向中心を頂点とする、鉛直から角度7°傾いた斜辺を有する上下対称の山形形状とした。また、左右の竪ロール42a,42bのうち、水平ロール41a,41bの側面を押圧するものは、フランジ22の圧延で水平ロール41a,41bが水平軸方向に移動しないように、押圧力を調整した。
エッジャ圧延機5としては、図7に示す構造のものを用いた。段差部分の傾斜角は鉛直から角度7°とした。
第2の粗ユニバーサル圧延機6としては、図8に示す構造のものを用いた。水平ロール61a,61bはフランジ22を圧延する側の側面を鉛直から角度7°傾けた。また、左右の竪ロール62a,62bのうち、フランジ22を圧延する一方の竪ロール62aは、断面形状においてロール面の幅方向中心を頂点とする、鉛直から角度7°傾いた斜辺を有する上下対称の山形形状とし、ウェブ21の先端部を高さ方向に圧下する他方の竪ロール62bは、ロール面が平坦な円筒型とした。
仕上圧延機7は、図10に示す構造の仕上ユニバーサル圧延機を用いた。
仕上圧延機7の前面に設置した冷却装置8は、圧延方向に並べた複数のノズルによって長さ10mにわたってフランジ22の外面と内面の双方を水冷により冷却可能な構造とした。
T形鋼の製造においては、最初に加熱炉で昇温したブルームを粗造形圧延機2で圧延し、図15に示すような略T字断面形状のT形鋼片とした。得られたT形鋼片のウェブ厚は40mm、フランジ厚は75mm、ウェブ高さ375mm、フランジ幅130mmであった。
続いて、第1の粗ユニバーサル圧延機4、エッジャ圧延機5、及び第2の粗ユニバーサル圧延機6をこの順に上流側から下流側に向けて近接配置した中間圧延機群3で5パスの往復圧延を行って、ウェブ21とフランジ22を圧下した。
最後に、仕上圧延機7で1パスの圧延を行い、フランジ22の傾斜を鉛直に整形した。仕上圧延機7による仕上圧延の前に、仕上圧延機7の前面に設置した冷却装置8を用いて、被圧延材Hのフランジ外面と内面の双方を水冷により冷却した。なお、ウェブ部は軽圧下した。
仕上圧延機7の後面で被圧延材Hの表面温度を測定したところ、フランジ22の表面温度が730℃、ウェブ21の表面温度が725℃であった。この被圧延材Hを室温まで冷却後の長さ10mあたりの曲り量は5mm以下と非常に小さかった。
また、第2の実施例として、仕上圧延機7の前面に冷却装置8を設置するとともに中間圧延機群3の後面にも冷却装置10(図11参照)を設置したT形鋼の製造装置によってT形鋼を製造した。ここで、冷却装置10により、中間圧延機群3で往復圧延を行う際にもフランジ22の水冷を行った。冷却装置10は長さ10mにわたってフランジ22の外面を冷却する構造とした。5パスの往復圧延で1パス目圧延後、2パス目圧延前、3パス目圧延後、4パス目圧延前、5パス目圧延後の5回、被圧延材全長のフランジ22を冷却装置10で冷却しつつ中間圧延を行った。その後、被圧延材Hを仕上圧延機7に搬送し、仕上圧延機7の前面に設置した冷却装置8を用いて、被圧延材Hのフランジ22の外面と内面の双方を冷却した後に仕上圧延を行った。
仕上圧延機7の後面で被圧延材Hの表面温度を測定したところ、フランジ22の表面温度が720℃、ウェブ21の表面温度が725℃であった。この被圧延材Hを圧延後に長さ10mに切断して室温まで冷却したところ、冷却後の被圧延材Hに発生した長さ10mあたりの曲り量は5mm以下と非常に小さかった。
一方、比較例として、中間圧延機群3の前後と仕上圧延機7の前のフランジ22の水冷による冷却を行わず、仕上圧延機7の後面で水冷して、同様の熱間圧延工程でT形鋼を圧延した。仕上圧延機7の直後の被圧延材Hの表面温度を測定したところ、フランジ22の表面が833℃、ウェブ21が735℃であった。この被圧延材Hのフランジ22を仕上圧延機7の後面で水冷したところ、冷却装置内でフランジ22側への曲りが発生し、冷却装置に被圧延材Hが接触したため被圧延材Hの搬送ができなくなり、操業に支障をきたした。被圧延材Hを室温まで冷却したところ、冷却後の被圧延材Hの長さ10mあたりの曲り量は85mm程度であった。曲り量が大きかったため、プレスを用いた曲り矯正が必要となり、製造コストが増加するとともに、プレス工程に時間がかかり生産性を阻害することがわかった。特にウェブ21側に曲げる矯正を行うため、ウェブ21が圧縮を受けて座屈する形状不良がプレス中に多発し、プレス矯正が非常に困難であった。プレス矯正で形状不良が直しきれなかったT形鋼はスクラップとなり、歩留りが低下して製造コストが大幅に増加した。
以上のように、本発明のT形鋼の製造設備および製造方法を用いると、生産性を阻害する冷却による曲りを防止して熱間圧延によってT形鋼を低コストで大量に製造することが可能になる。
1 T形鋼の製造設備
2 粗造形圧延機
3 中間圧延機群
4 第1の粗ユニバーサル圧延機
5 エッジャ圧延機
6 第2の粗ユニバーサル圧延機
7 仕上圧延機(仕上ユニバーサル圧延機)
8,9,10 冷却装置
8a 外面水冷ノズル
8b 上フランジ内面水冷ノズル
8c 下フランジ内面水冷ノズル
11 ハウジング
12a,12b,12c,12d ウェブガイド
13 ローラテーブル
20 T形鋼
21 ウェブ
22 フランジ
41a,41b 水平ロール
42a,42b 竪ロール
51a,51b エッジャロール
52 小径ロール部
53 大径ロール部
61a,61b 水平ロール
62a,62b 竪ロール
71a,71b 水平ロール
72a,72b 竪ロール
101 T形鋼の製造設備
102 粗造形圧延機
102a 上ロール
102b 下ロール
103 中間圧延機群
104 粗ユニバーサル圧延機
141a,141b 水平ロール
142a,142b 竪ロール
105 エッジャ圧延機
151a,151b エッジャロール
153 大径ロール部
154 小径ロール部
106 仕上ユニバーサル圧延機
161a,161b 水平ロール
162a,162b 竪ロール
W1 第1の粗ユニバーサル圧延機の水平ロールの外周面の幅
W2 第2の粗ユニバーサル圧延機の水平ロールの外周面の幅
L ウェブ内法寸法
H 被圧延材
D 圧延機本体と冷却装置との距離

Claims (5)

  1. 加熱炉から搬送された素材鋼片を断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延機と、粗造形圧延機の後段に設置され、前記粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に圧延するための中間圧延機群と、該中間圧延機群の後段に設置され、前記中間圧延機群により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延機とを備えた、熱間圧延によるT形鋼の製造設備であって、
    前記仕上圧延機の前面に、前記被圧延材の前記フランジを水冷により冷却する冷却装置を設置し、
    前記冷却装置は、前記フランジの外面に向けて注水する外面水冷ノズル及び/又は前記フランジの内面に向けて注水する内面水冷ノズルを有し、
    前記外面水冷ノズル及び/又は前記内面水冷ノズルは、前記被圧延材のウェブが前記被圧延材を搬送するローラテーブルの上面に対して略水平の状態から前記被圧延材が前記仕上圧延機から離れて前記ウェブの先端と前記フランジの下端とが同じ高さ状態までの、前記ウェブのいずれの傾斜状態においても、前記フランジの外面及び/又は内面に向けて注水可能な位置及び向きに設けられていることを特徴とするT形鋼の製造設備。
  2. 前記被圧延材の前記フランジ内面を冷却する内面水冷ノズルは、前記ウェブより上側の上フランジ内面を冷却する上フランジ内面水冷ノズルと、前記ウェブより下側の下フランジ内面を冷却する下フランジ内面水冷ノズルと、を備えており、
    前記上フランジ内面水冷ノズルの噴射角は、前記ローラテーブルの上面に対して下向きのαの角度とし、前記下フランジ内面水冷ノズルの噴射角は、前記ローラテーブルの上面に対して上向きのβの角度とし、
    前記上フランジ内面水冷ノズルの噴射角αよりも前記下フランジ内面水冷ノズルの噴射角βを大きく(α<β)設定したことを特徴とする請求項1記載のT形鋼の製造設備。
  3. 前記冷却装置を、前記仕上圧延機の圧延機本体の外側に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のT形鋼の製造設備。
  4. 前記中間圧延機群は、ロール外周面の幅が前記粗造形圧延機により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材のウェブ内法寸法より広い上下の水平ロールを有する第1の粗ユニバーサル圧延機と、前記被圧延材のフランジの端面を圧下するエッジャ圧延機と、ロール外周面の幅が前記被圧延材のウェブ内法寸法以下である上下の水平ロールおよび一方がフランジをその板厚方向に圧下し他方がウェブの端面をウェブの高さ方向に圧下する左右の竪ロールを有する第2の粗ユニバーサル圧延機と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のT形鋼の製造設備。
  5. 加熱炉から搬送された素材鋼片を粗造形圧延機によって断面略T字形のウェブ及びフランジからなる被圧延材に粗圧延する粗造形圧延工程と、該粗造形圧延工程により粗圧延された断面略T字形のウェブ及びフランジからなる前記被圧延材を中間圧延機群によって略製品寸法のウェブ及びフランジからなる被圧延材に圧延する中間圧延工程と、該中間圧延工程により略製品寸法に圧延された前記被圧延材を仕上圧延機によって製品寸法のウェブ及びフランジからなるT形鋼に仕上圧延する仕上圧延工程と、を備えた熱間圧延によるT形鋼の製造方法であって、
    前記仕上圧延工程では、前記仕上圧延機の前面で、前記被圧延材の前記ウェブが当該被圧延材を搬送するローラテーブルの上面に対して略水平の状態から前記被圧延材が前記仕上圧延機から離れて前記ウェブの先端と前記フランジ下端とが同じ高さ状態までの、前記ウェブのいずれの傾斜状態においても、前記フランジの外面及び/又は内面に向けて水冷により冷却するようにしたことを特徴とするT形鋼の製造方法。
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