JP6915737B2 - ハット形鋼矢板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハット形鋼矢板の製造方法に関するものであり、特に鋸断後において寸法精度が優れる端部が得られるハット形鋼矢板の製造方法に関する。
熱間圧延によって製造される形鋼は、断面各部の厚み差や冷却条件差による温度差によって、冷却後に反りが発生したり、熱間圧延後、熱間鋸断される場合は、温度差により断面内に生じる残留応力が熱間鋸断部で開放されることで端部変形が発生する。
特許文献1は、形鋼の拘束冷却方法に関し、熱間圧延中に生じる断面内温度不均一に起因する反りを解消するため、拘束冷却開始時の形鋼温度にもとづいて、冷却中の形鋼温度や変態点率等を推測し、これらを基に反りが生じないように拘束冷却条件を選定することが記載されている。
形鋼に端部変形が生じた場合は、鋸断後において端部形状の矯正作業が必要となるが、レベラー矯正では、長手方向の端部には、圧下を加えることができないため修正が困難で、一方、プレス矯正を用いると矯正は可能であるが、生産効率が低下する。
特許文献2は、圧延ラインにおける鋼矢板等の端部形状精整法に関し、フランジ部の先端に継手部を有するU形鋼矢板を圧延した際、圧延後の冷却過程においてウェブやフランジの厚みの相違によりフランジがウェブより早く冷却され、また、鋸断により熱応力が開放されることなどにより形状不良を生じやすい長手方向の端部を、仕上げ圧延前の表面温度を特定範囲とし、鋸断後にフランジ付け根部(コーナ部)に冷却を施すことにより、寸法公差内とすることが記載されている。
特許文献3は、形鋼の端部形状制御方法に関し、熱間鋸断直近のフランジ又はウェブの外表面の温度を測定し、当該温度と端曲がりの相関実績から求まる、端曲がりが生じない冷却基準温度となるように鋸断中および/または鋸断後において強制冷却を行うことが記載されている。
特開平2−15816号公報 特開昭53−81464号公報 特開昭55−139105号公報
ところで,図11(a)にその断面形状の全体を示すように,ウェブ部2と、フランジ部3と、継手部4と、フランジ部3と継手部4との間に腕部5とを有するハット形状のハット形鋼矢板1の場合、腕部5を有する分、U形鋼矢板よりも断面寸法が大きくなる。このためハット形鋼矢板1では,圧延仕上がり時の断面内各部位の温度の不均一に起因して冷却後に生じる残留応力が断面形状に与える影響が大きく、特に圧延後に製品長さに鋸断(ハット形鋼矢板1を幅方向に鋸断)したとき、残留応力による端部の変形がより大きくなり、場合によっては寸法公差を外れる場合が生じる。図11(b)には、ハット形鋼矢板1の継手部4を拡大した状態、図11(c)には、ハット形鋼矢板1の継手部4同士が嵌合する状態が示されている。
図12はハット形鋼矢板1の端部に生じる変形の模式図であり,左右の継手部4が外側に広がりつつ上にも反るいわゆる「ラッパ変形」(図12(a)参照)、逆に、左右の継手部4が内側に狭まりつつ下にも反る「逆ラッパ変形」(図12(b)参照)、あるいは、左右の継手部4の一方が「ラッパ変形」、他方が「逆ラッパ変形」という形状に変形する場合がある。
特許文献1に記載された技術は、鋼矢板の上下方向の反りを防止しようとする技術であり、製品端部のラッパ変形を防止するものではない。また、拘束冷却を行うためには、非常に大きな設備投資が必要となる。
特許文献2に記載された技術は、圧延後の熱間鋸断時にU形鋼矢板のフランジ付け根部を冷却する技術であり、そのままハット形鋼矢板に適用できる技術ではない。特に,ハット形鋼矢板はU形鋼矢板よりも複雑な形状でサイズ(全幅寸法)も大きいため、圧延パス数が多くなり熱間鋸断時の温度が非常に低くなる。このため,この技術では効果が見込めない。また、鋼矢板は熱間鋸断以外に冷間で所定の長さに鋸断する場合も多いが、この技術は冷間鋸断された鋼矢板の鋸断部には全く対応ができない。
特許文献3に記載された技術は、熱間鋸断時の鋼矢板の内外面の温度差によって発生するとされる端部の変形を防止しようとする技術であり、内外面の温度差ではなく、各部位の温度差によって発生するハット形鋼矢板の端部変形に適用できるものではない。また、特許文献2と同様に、鋼矢板は熱間鋸断以外に冷間で所定の長さに鋸断する場合も多いが、この技術は冷間鋸断された鋼矢板の鋸断部には全く対応ができない。
そこで、本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、圧延後の熱間、冷間を問わず所定の製品長さに切断されたハット形鋼矢板の端部に「ラッパ変形」「逆ラッパ変形」という形状不良がない、良好な形状のハット形鋼矢板を安価に実現するハット形鋼矢板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、ウェブ部、フランジ部、腕部および継手部から構成されるハット形鋼矢板を、熱間圧延により該ハット形鋼矢板の形状に造形した後に、幅方向に切断するハット形鋼矢板の製造方法において、仕上げ圧延機の最終孔型での圧延において前記継手部を冷却し、該冷却を行う冷媒の単位時間あたりの流量Qを前記仕上げ圧延機による圧延の際の圧延速度Vで除した値Q/Vと、前記切断した後の切断面端部の曲がり量との関係を予め定めておき、該関係から前記曲がり量が許容範囲内となる前記値Q/Vの範囲を設定し、前記圧延速度Vの変化に対応させて前記値Q/Vを前記設定した範囲に収めるように前記冷媒の単位時間当たりの流量Qを調整することを特徴とするハット形鋼矢板の製造方法が提供される。
本発明に係るハット形鋼矢板の製造方法によれば、熱間あるいは冷間で鋸断した際の長手部端部の変形を抑制できるハット形鋼矢板を安価に実現するハット形鋼矢板の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るハット形鋼矢板を製造するハット形鋼矢板の製造ラインを示した平面図である。 仕上げ圧延機の孔型形状を示す正面図である。 K1孔型の前面に設置された前面ガイドと継手部冷却装置及びウェブ部冷却装置を示す図であり、(a)は正面図を、(b)は側面図を示す。 継手部の冷却制御及びウェブ部の冷却制御の設備構成を示す模式図である。 仕上げ圧延後のハット形鋼矢板の全幅方向の温度分布の一例を示すグラフである。 ハット形鋼矢板の長手方向残留応力の幅方向分布の一例を示すグラフである。 残留応力差Δσと端部変形量(継手部の曲がり量)との関係を示すグラフである。 温度差ΔTと端部変形量(継手部の曲がり量)との関係を示すグラフである。 温度差ΔTと残留応力差Δσとの関係を示すグラフである。 Q/Vと端部変形量(継手部の曲がり量)との関係を示すグラフである。 ハット形鋼矢板を示し、(a)はハット形鋼矢板の断面形状の全体を示す図、(b)は、ハット形鋼矢板の継手部を拡大した状態を示す図、(c)は、ハット形鋼矢板の継手部同士が嵌合する状態を示す図である。 ハット形鋼矢板の長手方向端部の変形を示す模式図であり、(a)はラッパ変形を、(b)は逆ラッパ変形を示す。 ハット形鋼矢板に反り(上反り)がある状態を示す模式図である。 ウェブ冷却水量Qw/圧延速度Vと反り量Sとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1はハット形鋼矢板の製造ラインを示した平面図である。ハット形鋼矢板の製造ラインは、加熱炉10、複数台の熱間圧延機、すなわち、粗圧延機11、中間圧延機12、及び仕上げ圧延機13を備える。また、ハット形鋼矢板の製造ラインは、熱間圧延機の仕上げ圧延機13の下流側に、熱間鋸断装置14を備える。中間圧延機12は2台の圧延機をタンデムに配置して構成されている。
加熱炉10で素材であるスラブやブルームを所定の温度に加熱し、粗圧延機11、中間圧延機12、仕上げ圧延機13の順に熱間で孔型圧延を行い、図11に示すハット形の製品形状に仕上げられる。熱間鋸断装置14は、圧延で延ばされた製品を所定の長さに熱間で切断するものである。
各圧延機には、複数の孔型が刻設されており、例えば仕上げ圧延機13では図2に示すように、上圧延ロール21及び下圧延ロール22に2つの孔型K2,K1が刻設されている。K1孔型が最終圧延を行う孔型であり、爪曲げと成形圧延が同時に行われる。なお,仕上げ圧延は合計3パスのリバース圧延となっており、K2孔型圧延は1パス目の圧延で仕上げ圧延機13の前面(図1の左側)から後面(図1の右側)側に向かって圧延される。K1孔型圧延は2パス目のリバース圧延で行われ、仕上げ圧延機13の後面から前面側に向かって圧延される。仕上げ圧延の3パス目は、仕上げ圧延機13の前面から後面へ向けて被圧延材を通すが、圧下を行わないダミー圧延パスである。
図3は、このK1孔型の前面に設置された前面ガイド23と,前面ガイド23内に設置された継手部冷却装置25及びウェブ部冷却装置26を示す模式図である。図3(a)は圧延方向から見た正面図であり、図3(b)は側面図である。前面ガイド23は、ハット形鋼矢板のウェブ部2、フランジ部3、及び腕部5を案内する上ガイド23aと下ガイド23bとを有する。上ガイド23a内には、継手部冷却ヘッダー25aが配置され、この継手部冷却ヘッダー25aには継手部冷却ノズル25bが設けられている。継手部冷却ヘッダー25aは圧延方向(図3(b)中の左右方向)に延在し、継手部冷却ノズル25bはハット形鋼矢板1の継手部4に対向する位置に、継手部冷却ヘッダー25aの延在方向に沿って複数配置されている。そして継手部冷却ノズル25bが継手部4に向けて冷媒を噴出可能となっており、この継手部冷却ノズル25bでハット形鋼矢板の継手部4が冷却される。継手部冷却ヘッダー25aと継手部冷却ノズル25bと、後述する継手部冷却水流量調整弁25eおよびこの継手部冷却水流量調整弁25eの開度調整を行う演算装置30が継手部冷却装置25を構成している。この図では上ガイド23aに継手部冷却装置25が配置され、上方から継手部4の冷却を行っているが,下ガイド23bに継手部冷却ヘッダー25a、継手部冷却ノズル25bを配置し、下方から継手部4を冷却してもよい。また、継手部4内で最も冷却を行うべき部位は、継手部4の突起部4a(図11(b)参照)であるが、この突起部4aを中心として、爪部4bや腕部5にかけて冷却を行ってもよい。さらに、後面ガイド24(図4参照)に継手部冷却装置25を設けてもよい。
上ガイド23aにはウェブ上面冷却ヘッダー26aおよびウェブ上面冷却ノズル26bも配置され、ハット形鋼矢板1のウェブ部2上面を冷却することができる。すなわち、ウェブ上面冷却ノズル26bは、ウェブ上面冷却ヘッダー26aのウェブ部2上面に対向する位置に配置され、ウェブ部2上面に対して冷媒を噴射可能とされている。下ガイド23bにはウェブ下面冷却ヘッダー26cおよびウェブ下面冷却ノズル26dが配置されており、ハット形鋼矢板1のウェブ部2下面(裏面)を冷却する。すなわち、ウェブ下面冷却ノズル26dは、ウェブ下面冷却ヘッダー26cのウェブ部2下面に対向する位置に配置され、ウェブ部2下面に対して冷媒を噴射可能とされている。ウェブ上面冷却ヘッダー26aおよびウェブ下面冷却ヘッダー26cは、継手部冷却ヘッダー25aと同様に圧延方向(図3(b)中の左右方向)に延在しており、ウェブ上面冷却ノズル26b及びウェブ下面冷却ノズル26dは、所定の冷却能力が発揮できるよう、それぞれヘッダーの延在方向に複数個ずつ配置されている。これら、ウェブ上面冷却ヘッダー26a、ウェブ上面冷却ノズル26b、ウェブ下面冷却ヘッダー26c、及びウェブ下面冷却ノズル26dと、後述するウェブ上面冷却水流量調整弁26e、ウェブ下面冷却水流量調整弁26f、および、これらウェブ上面冷却水流量調整弁26e、ウェブ下面冷却水流量調整弁26fの開度調整を行う演算装置30がウェブ部冷却装置26を構成している。なお、後面ガイド24にウェブ部冷却装置26を設けてもよい。
図4は、仕上げ圧延機13の最終孔型K1圧延の際に、継手部4の冷却制御およびウェブ部2の冷却制御を可能とした設備構成を示す模式図である。孔型K1の前面ガイド23の上ガイド23aに設けられた左右のそれぞれの継手部冷却ヘッダー25a、ウェブ上面冷却ヘッダー26a、ウェブ下面冷却ヘッダー26c(図4では図示省略)は、それぞれ、冷却水配管によって冷却水ポンプ29に接続されている。それぞれの冷却水配管には、流量調整弁25e(継手部冷却水流量調整弁25e),26e(ウェブ上面冷却水流量調整弁26e),26f(ウェブ下面冷却水流量調整弁26f:図示省略)が設けられており、これら流量調整弁25e,26e,26fにより冷却ヘッダー25a,26a,26cへの冷却水供給量、すなわち、単位時間当たりの流量Qを個別に調整可能となっている。流量調整弁25e,26e,26fの開度調整は演算装置30が行う。
演算装置30は、流量調整弁25e,26e,26fの開度調整とともに、仕上げ圧延機13のミルモータ13aに回転数指令の信号を送り、仕上げ圧延機13によるハット形鋼矢板1の圧延速度の制御も行う。演算装置30は、上位コンピュータ(図示せず)からの被圧延材の圧延条件情報にもとづき、仕上げ圧延機13の仕上げ圧延速度V(以下、単に圧延速度Vとも云う)を調整するために、ミルモータ13aへ回転数指令の信号を送る。圧延速度V(m/秒)は、圧延の噛み込み時に定常部よりも速くするほか、曲がりの発生有無や、焼付き等の疵の発生有無にもとづいて調整が行われる。演算装置30は、流量調整弁25e,26e,26fの開度の調整を行い、継手部4やウェブ部2の上面、ウェブ部2の下面を冷却する冷媒(本実施形態では水)の単位時間あたりの流量Q(リットル/秒)の調整を行う流量制御手段として機能する。圧延速度Vが変化すると一定量の冷却能力を発揮させるための冷媒の単位時間あたりの流量Qは変化するため、本実施形態では、演算装置30は圧延速度Vの変化に応じて各冷却ヘッダー25a,26a,26cへ供給する冷却水の単位時間あたりの流量Qを調整するようにしている。具体的には、各冷却ヘッダーへ供給する冷却水の単位時間あたりの流量Qを圧延速度Vで除した値Q/Vが一定範囲内となるように、演算装置30が各流量調整弁25e,26e,26fの開度を調整し、各冷却ヘッダー25a,26a,26cへの冷却水の流量Qを制御する。
Q/Vの具体的な数値範囲は、継手部冷却装置25については、Q/Vの値と熱間鋸断装置14で切断した後の切断面端部の曲がり量との関係、あるいはQ/Vの値と仕上げ圧延後の所定時点におけるフランジ部の最低温度Tfと継手部4ないし腕部5の最高温度Tgとの温度差ΔT(=Tg−Tf)との関係を予め定めておき、これらいずれかの関係から曲がり量が許容範囲内となるQ/Vの範囲、あるいは、温度差ΔTが所定範囲となるQ/Vの範囲として設定してある。Q/Vがある範囲となるように継手部冷却装置25からの冷却水の流量Qを調整することで、切断面端部の曲がりが抑制できる理由の詳細は後述する。
また、ウェブ部冷却装置26によりウェブ部2を冷却する理由は、後述するとおり、圧延後のCB(クーリングベッド)上での自然冷却時の反りを防止するためである。したがって、ウェブ部冷却装置26についてのQ/Vの具体的な数値範囲については、Q/Vの値とクーリングベッド上でのハット形鋼矢板の反り量との関係を予め定めておき、該関係から反り量が許容範囲となるQ/Vの範囲として設定してある。
仕上げ圧延機13により仕上げ圧延が施されたハット形鋼矢板1は、ハット形鋼矢板1の搬送方向に沿って配列されたテーブルローラー35により下流側へと送られるが、仕上げ圧延機13の下流側には温度計31が配置されており、この温度計31は、仕上げ圧延後、すなわち、最終孔型K1による圧延が施された後のハット形鋼矢板1の幅方向の温度プロフィルの測定が可能となっている。温度計31による温度プロフィルの測定結果は演算装置30に送られる。前述の温度差ΔT(=Tg−Tf)を所定範囲としたい場合、演算装置30は、温度測定結果から得られるΔTと目標とするΔTとを比較し、次材圧延時には、目標とするΔTが得られるように継手部冷却装置25やウェブ部冷却装置26の流量調整弁25e,26e,26fへの開度設定指令や、仕上げ圧延機13のミルモータ13aへの回転数指令を補正する。
左側の継手部4と右側の継手部4、及びウェブ部2の面の冷媒(本実施形態では冷却水)の流量は、それぞれ個別に設定することができる。ハット形鋼矢板1の継手形状は,図11(b)に示すように左右で非対称な形状であるため、左右の継手部4で温度差が生じやすいが、左右の継手部4の冷却水流量を個別に設定することで、一方の継手部のみの変形が問題になる場合にも対応が可能となる。
また、ウェブ部2の面の冷却は,圧延後のCB(クーリングベッド)上での自然冷却時の上反り発生抑止に効果がある。CB上で上反りが大きい場合、CBでの製品の搬送に支障をきたすほか、常温まで冷却したのちに行うローラー矯正において、製品がロールに噛み込んでいかないといった不具合が発生する。上述のとおりウェブ部2の面の冷却を行うことで、かような不具合を抑止することができる。
なお、演算装置30は、圧延を行う毎に、各冷却ヘッダー25a,26a,26cへ供給する冷却水の単位時間あたりの流量Qと圧延速度Vの実績を記録する記録手段を有している。この記録手段は、圧延中の流量Qと圧延速度Vの経時変化のデータを記録可能である。詳細は後述するが、継手部4を冷却する冷媒の単位時間あたりの流量Q、圧延速度Vは継手部4の曲がり量、すなわち、切断面端部の曲がり量に影響を及ぼす。したがって、これらQ、Vの実績を記録しておくことで、得られたQ、Vと、実際に得られた継手部4の曲がり量との関係を調査することで、最適な流量Qおよび圧延速度Vを求めることができる。
次に本発明に至った経緯について説明する。先ず、本発明のハット形鋼矢板1について、継手部4ないし腕部5の残留応力の最大値σgとフランジ部3の残留応力の最小値σfとの残留応力差Δσ(=σg−σf)を特定した理由について説明する。
本発明者らは、種々の条件で熱間圧延されローラー矯正されたハット形鋼矢板1について、圧延終了時の温度分布、製品での残留応力分布と端部の変形について、各種の調査、検討を行った。
図5は仕上げ圧延後のハット形鋼矢板1を熱間鋸断装置14にて鋸断する際に、熱間鋸断装置14の入側でハット形鋼矢板1の全幅方向の温度プロフィルを測定した例である。圧延素材2本の温度プロフィルを示しており、太線は、先に説明した継手部冷却装置25で左側の継手部4を実験的に冷媒として水を用いて冷却したケースである。この例のように、ハット形鋼矢板1は左右の継手部4およびウェブ部2が、フランジ部3および腕部5よりも高温で仕上げられる。また、継手部4の冷却によって、継手部4の冷却をしない場合よりも、継手部4の温度を低温に仕上げられることがわかる。
図6は、図5に示した2本の素材から製品化したハット形鋼矢板1について、冷間でローラー矯正を行った後の長手方向の残留応力を幅方向にわたって測定した結果である。ローラー矯正後も残留応力があり、ウェブ部2の幅方向中央と継手部4の近傍で引張りの残留応力、フランジ部3の近傍で圧縮の残留応力となっている。〇で示す仕上げ圧延で継手部4の冷却を実施した製品は、△で示した継手部4の冷却なしの製品に対して、継手部4とフランジ部3の近傍の残留応力の差が小さくなっていることが分かる。
この2つの製品について、継手部4の曲がり量を調査したところ、継手部4の水冷なしの製品は、左側の継手部4で+6.7mm、右側の継手部4で+6.1mmであり、継手部4の水冷を実施した製品は、左側の継手部4で+3.7mm、右側の継手部4で+4.9mmであり、仕上げ圧延での継手部4の水冷によって継手部4の変形が小さくなっていることが認められた。なお、継手部4の曲がり量は、図12に示すように、長手定常部の継手外縁線を延長し、この外延線と長手端部の継手部4の外端との幅方向の位置の差をとったものであり、端部が広がっている場合を符号+で、端部が狭まっている場合を符号−とした。
次に、上記の知見をより定量的に評価するために、図6で定義を示した継手部4の近傍の残留応力の最大値σgとフランジ部3の近傍の残留応力の最小値σfとの差σg−σfを残留応力差Δσとし、各種の製品での継手部4の曲がり量との定量的な関係を調査していった。この調査結果を図7に示す。図7では、有効幅900mmのハット形鋼矢板1の内、ウェブ厚10.8mmで有効高さが230mmの10Hサイズを〇で、ウェブ厚13.2mmで有効高さが300mmの25Hサイズを△で示している。なお、残留応力は、ハット形鋼矢板の長手方向中央の表裏面に全幅方向に複数のひずみゲージを貼りつけていき、これらの初期ひずみを計測し、この後、ひずみゲージ貼付位置のすぐ傍でハット形鋼矢板を幅方向に冷間鋸断し、冷間鋸断によって残留応力が解放された後のひずみをこれらひずみゲージで計測し、初期ひずみからのひずみの変化量から、各部位の残留応力を算出して求めている。
図7から、継手部4の曲がり量は、残留応力差Δσで整理できることがわかる。ハット形鋼矢板1を使用する際には図11(c)に示すように左右の継手部4を嵌合させることから、継手部4の曲がり量には嵌合のための許容差があり、ハット形鋼矢板1の場合、約±4mm以内とする必要がある。継手部4の曲がり量が約±4mm以内を満たす残留応力差Δσの範囲は、10H、25Hの場合ともに、0〜60MPaとなる。
つまり、継手部4の残留応力の最大値σgとフランジ部3の残留応力の最小値σfとの差である残留応力差Δσ(=σg−σf)を0MPa以上60MPa以下の範囲内とすることで、継手部4の曲がり量を継手嵌合に問題のない程度とすることができる。なお、継手部4を局部的に冷却して継手部4の温度が腕部5の温度よりも低下する場合は、継手部4の残留応力の最大値よりも腕部5の残留応力の最大値が大きくなる場合があり得る。この場合、継手部4の残留応力の最大値σgとフランジ部3の残留応力の最小値σfの差が60MPa以下であっても、腕部5の残留圧縮応力の最大値とフランジ部3の残留圧縮応力の最小値σfが60MPaを超えると、継手部4の曲がり量が約±4mm以内とならなくなる。よって、本発明のハット形鋼矢板1では、継手部4ないし腕部5の残留応力最大値σgとフランジ部3の残留応力最小値σfとの残留応力差Δσ(=σg−σf)が0MPa以上60MPa以下である必要がある。
次に、継手部4の冷却により継手部4の曲がり量を抑制でき、本発明のハット形鋼矢板1の製造方法を完成するに至った検討結果について説明する。
図5で定義を示した継手部4の最高温度Tgとフランジ部3の最低温度Tfとの差を温度差ΔT(=Tg−Tf)とし、製品での継手部4の曲がり量との関係を調査した。また、左右それぞれの継手部4を個別のデータとした。この調査結果を図8に示す。図8から、継手部4の曲がり量は、温度差ΔTでも整理することができることがわかる。継手部4の曲がり量が約±4mm以内を満たす温度差ΔTの範囲は、本データの場合、30〜50℃となる。
このように、継手部4の曲がり量が上記の残留応力差Δσ、温度差ΔTの双方で整理できるのは、図9に示すように、ΔTとΔσにほぼ線形となる相関関係があるためである。したがって、温度差ΔTと切断をした後の切断面端部の曲がり量との関係を定めておき、この関係に基づき前記曲がり量を許容値内とできるΔTの範囲が得られるように、仕上げ圧延時に継手部4の冷却を行うことで、継手部4の曲がり量を抑制することができる。あるいは、温度差ΔTとΔσとの関係を定めておき、この関係に基づき残留応力差Δσが0MPa以上60MPa以下となるΔTの範囲が得られるように仕上げ圧延機13の最終孔型K1での圧延において前記継手部4の冷却を行うことでも、継手部4の曲がり量を抑制することができる。
なお、温度差ΔTは、熱間圧延を終了後、すなわち、仕上げ圧延機13の最終孔型K1での圧延を終了した後、ウェブ部2が500℃まで温度降下するまでの間の同一時点におけるフランジ部3の最低温度Tfと継手部4ないし腕部5の最高温度Tgとの差とする。温度差ΔTをフランジ部3の最低温度Tfと継手部4ないし腕部5の最高温度Tgとの差とするのは、継手部4の最高温度とフランジ部3の最低温度Tfとの差のみを、曲がりを抑制できる範囲としたとしても、腕部5の最高温度とフランジ部3の最低温度Tfとの差が曲がりを抑制できない範囲である場合には、曲がりを抑制できなくなるからである。また、温度差ΔTを熱間圧延終了後、すなわち、仕上げ圧延機13の最終孔型K1での圧延を終了した後、ウェブ部2が500℃まで温度降下するまでの間の同一時点における温度差としたのは、ハット形鋼矢板1の温度がある程度以下にまで下がった後、具体的にはウェブ部2の温度で500℃未満にまで下がった後の段階では、既に曲がりを発生させる程の残留応力差を発生させてしまっているためである。つまり、ウェブ部2の温度で500℃以上の段階における温度差ΔTを調整しないと、残留応力差Δσを変化させることはできず、曲がり抑制にも寄与しないためである。
また、図5に示した結果から、温度差ΔTは、継手部4の冷却を強めると小さくなる。よって、継手部冷却ヘッダー25aに供給する単位時間あたりの冷却水の流量Qをある程度まで大きくすれば、温度差ΔTは小さくなる。しかし、上述のとおり圧延速度Vによって同じ流量Qでも継手部4の冷却能力は異なってくるため、圧延速度Vに応じて冷却水の流量Qを変化させるとよい。具体的には冷却水の流量Qを圧延速度Vで除したQ/VでΔTを整理できることがわかった。したがってQ/VとΔTの関係を予め求めておき、Q/Vを変化させることでΔTを調整することが好ましい。圧延速度Vの変化がないか、あっても同じ流量QであるときのΔTへの影響があまり大きくない場合には、圧延速度Vを考慮せずに流量Qのみを変化させてΔTを調整するようにしてもよい。
温度差ΔTを調整する方法の場合は、上述した温度計31を用いて仕上げ圧延後のハット形鋼矢板1の全幅方向の温度プロフィルを測定し、その測定結果から、次材の仕上げ圧延時に目標とするΔTを達成できるように、冷媒の流量Qを補正するようにすることもできる。このようにすることで、圧延本数を重ねる毎に温度差ΔTの制御精度が向上し、曲がり量をより抑制することができる。
次に上記の知見から継手部4の変形抑止を簡便な方法で実用化できる、本発明のハット形鋼矢板1の製造方法の実施形態について説明する。図3、図4に示した設備を用いて、仕上げ圧延で種々の冷却条件を適用し、得られた各製品の継手部4の曲がり量を調査した。この調査結果の一例を図10に示す.冷媒として水を用い,継手部4の冷却水流量Q(リットル/秒)をK1孔型での仕上げ圧延速度V(m/秒)で除したQ/Vで継手部4の曲がり量を整理できることが判明した。
圧延速度は、上述のとおり圧延の噛み込み時に定常部よりも速くするほか,圧延での製品の曲がりの発生有無や焼付き等の疵の発生有無で調整が行われる。したがって、この冷却水の単位時間あたりの流量Qを仕上げ圧延速度Vで除した値Q/Vと切断面端部における継手部4の曲がり量との関係を定め、この関係から,継手部4の曲がり量が許容範囲になるQ/Vの範囲を設定し、圧延速度Vの変化に対応させて、Q/Vを一定値範囲に収めるように冷却水流量Qを調整することで継手部4の変形量を許容内に収めることができる。
左側の継手部4と右側の継手部4、ウェブ部2の面の冷媒(本実施形態では冷却水)の流量は、それぞれ個別に設定することができる。ハット形鋼矢板1の継手形状は,図11(b)に示すように左右で非対称な形状であるため、左右の継手部4で温度差が生じやすいが、左右の継手部4の冷却水流量を個別に設定することで、一方の継手部4のみの変形が問題になる場合にも対応が可能となる。ウェブ部2の面の冷却が必要となるのは、上述したとおり、圧延後のCB(クーリングベッド)上での自然冷却時の反りを防止する必要性がある場合である。よって、ウェブ部2の面の冷媒の流量を継手部4の冷媒の流量とは独立して設定可能とすることで、継手部4の曲がり抑制のための継手部4の冷却水流量とは関係なく、反りの発生の有無、程度により設定することができる。
このウェブ部2の面の冷却は、製品長が例えば15m以上と長い場合に有効となる。図13は、ハット形鋼矢板1に上反りが発生している状態を示す模式図である。図13に示すとおり、ある製品長のハット形鋼矢板1の長手方向両端のウェブ2の上面を結ぶ直線を基準直線とし、この基準直線から長手方向中央のウェブ2の上面に垂線をおろしたとき、この垂線上における基準直線とウェブ2の上面との距離を、その製品長での反り量Sと定義する。反り量Sは、製品長の2乗にほぼ比例して大きくなるので、同じ製造条件で製造した場合でも、製品長20mのハット形鋼矢板1のCB(クーリングベッド)上での反り量は、製品長10mのハット形鋼矢板1のCB(クーリングベッド)上での反り量の約4倍と、非常に大きくなる。
図3、図4に示した設備を用いて、製品長が20mとなるハット形鋼矢板25Hを製造するにあたり、仕上げ圧延で冷媒として水を用いて種々のウェブ部冷却条件を適用し、得られた各製品の反り量Sを調査した。その結果、図14に示すように、ウェブ部2への冷却水流量Qw(リットル/秒)をK1孔型での仕上げ圧延速度V(m/秒)で除したQw/Vで反り量Sを整理できることが判明した。この関係から、反り量Sが許容範囲となるQw/Vの範囲ないし条件を設定することができる。
なお、以上説明した実施形態の全てにおいて、冷媒には水を用いたが、他の冷媒を用いることもできる。
また、圧延後のハット形鋼矢板1を常温にまで自然冷却するCB(冷却床)にて、継手部4の曲がりを確認し、継手部4の曲がり量が大きすぎる場合(+4mmを超える場合)は、後続の圧延材に対し冷却水流量を増やす、圧延速度を遅くする、あるいはこの両者を行う、という方法で継手部4の曲がり量を制御することもできる。逆に、継手部4の曲がり量が小さすぎる(=内側に縮んでいる)場合は、継手部4の冷却水流量を減じる、圧延速度を速くする、といった制御を行うことができる。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るハット形鋼矢板1は、ウェブ部2、フランジ部3、腕部5および継手部4から構成されるハット形鋼矢板1であり、継手部4ないし腕部5の残留応力最大値σgとフランジ部3の残留応力最小値σfとの差である残留応力差Δσ(=σg−σf)が0MPa以上60MPa以下であることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量を、継手嵌合に問題のない程度とすることができる。
(2)本発明の一態様に係るハット形鋼矢板1の製造方法は、ウェブ部2、フランジ部3、腕部5および継手部4から構成されるハット形鋼矢板1を、熱間圧延により該ハット形鋼矢板1の形状に造形した後に、幅方向に切断するハット形鋼矢板1の製造方法において、前記熱間圧延を終了後、前記ウェブ部2が500℃まで温度降下するまでの間の同一時点における、前記フランジ部3の最低温度Tfと前記継手部4ないし前記腕部5の最高温度Tgとの差を温度差ΔT(=Tg−Tf)とし、該温度差ΔTと前記切断をした後の切断面端部の曲がり量との関係を定めておき、この関係に基づき前記曲がり量を許容値内とできるΔTの範囲が得られるように仕上げ圧延機13の最終孔型K1での圧延において前記継手部4の冷却を行うことを特徴とする。
上記(2)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量が、継手嵌合に問題のない程度であるハット形鋼矢板1を製造できる。
(3)本発明の一態様に係るハット形鋼矢板1の製造方法は、ウェブ部2、フランジ部3、腕部5および継手部4から構成されるハット形鋼矢板1を、熱間圧延により該ハット形鋼矢板1の形状に造形した後に、幅方向に切断するハット形鋼矢板1の製造方法において、前記熱間圧延を終了後、前記ウェブ部2が500℃まで温度降下するまでの間の同一時点における、前記フランジ部3の最低温度Tfと前記継手部4ないし前記腕部5の最高温度Tgとの差を温度差ΔT(=Tg−Tf)、継手部4ないし腕部5の残留応力最大値σgとフランジ部3の残留応力最小値σfとの差を残留応力差Δσ(=σg−σf)とし、前記温度差ΔTと前記残留応力差Δσとの関係を定めておき、この関係に基づき前記残留応力差Δσを0MPa以上60MPa以下とできるΔTの範囲が得られるように仕上げ圧延機13の最終孔型K1での圧延において前記継手部4の冷却を行うことを特徴とする。
上記(3)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量が、継手嵌合に問題のない程度であるハット形鋼矢板1を製造できる。
(4)本発明の一態様に係るハット形鋼矢板の製造方法は、ウェブ部2、フランジ部3、腕部5および継手部4から構成されるハット形鋼矢板1を、熱間圧延により該ハット形鋼矢板1の形状に造形した後に、幅方向に切断するハット形鋼矢板1の製造方法において、仕上げ圧延機13の最終孔型K1での圧延において前記継手部4を冷却し、該冷却を行う冷媒の単位時間あたりの流量Qを前記仕上げ圧延機13による圧延の際の圧延速度Vで除した値Q/Vと、前記切断した後の切断面端部の曲がり量との関係を予め定めておき、該関係から前記曲がり量が許容範囲内となる前記値Q/Vの範囲を設定し、前記圧延速度Vの変化に対応させて前記値Q/Vを前記設定した範囲に収めるように前記冷媒の単位時間当たりの流量Qを調整することを特徴とする。
上記(4)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量が、継手嵌合に問題のない程度であるハット形鋼矢板1を製造できる。
(5)上記(2)乃至(4)のいずれかの構成において、前記継手部4の冷却を、左右の継手部4について個別に行うことを特徴とする。
ハット形鋼矢板1の継手形状は、左右で非対称な形状であるため、左右の継手部4で温度差が生じやすいが、上記(5)の構成によれば、左右の継手部4の冷却を個別に設定することで、一方の継手部4のみの変形が問題になる場合にも対応が可能となる。
(6)上記(2)乃至(5)のいずれかの構成において、前記継手部4の冷却に加えて、前記ウェブ部2の冷却を行うことを特徴とする。
上記(6)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を圧延後にCB(クーリングベッド)上で自然冷却する際に、ハット形鋼矢板1に上反りが発生することを抑制することができる。
(7)本発明の一態様に係るハット形鋼矢板の製造設備は、ウェブ部2、フランジ部3、腕部5および継手部4から構成されるハット形鋼矢板1を、熱間圧延により該ハット形鋼矢板1の形状に造形する熱間圧延機(粗圧延機11、中間圧延機12、及び仕上げ圧延機13)と、該熱間圧延により得られたハット形鋼矢板1を幅方向に切断する鋸断装置(熱間鋸断装置14)とを有するハット形鋼矢板1の製造設備において、前記熱間圧延機の仕上げ圧延機13のガイド(前面ガイド23)内に前記継手部4を冷却する継手部冷却装置25を備え、該継手部冷却装置25は前記継手部4を冷却する冷媒の単位時間あたりの流量Qを調整可能であり、前記仕上げ圧延機13は圧延速度Vを調整可能であり、前記流量Qと圧延速度Vの実績を記録する記録手段を有することを特徴とする。
上記(7)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量に影響を及ぼす、継手部4を冷却する冷媒の流量Q、仕上げ圧延機13の圧延速度Vを調整可能であり、また、流量Qと圧延速度Vの実績を記録できるため、鋸断装置で切断面端部の曲がり量と、流量Q、圧延速度Vの関係から最適な圧延速度、流量Qを見出すことが可能となる。
(8)上記(7)の構成において、前記熱間圧延を終了後、前記ウェブ部2が500℃まで温度降下するまでの間の同一時点における、前記フランジ部3の最低温度Tfと前記継手部4ないし前記腕部5の最高温度Tgとの差である温度差ΔT(=Tg−Tf)を、予め設定された許容値内とするように前記継手部冷却装置25からの冷媒の単位時間当たりの流量Qを設定する流量制御手段を備えたことを特徴とする。
上記(8)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量が、継手嵌合に問題のない程度であるハット形鋼矢板1を製造できる。
(9)上記(8)の構成において、前記仕上げ圧延機13の下流側で、前記ウェブ部2が500℃まで温度降下する位置よりも上流側に、前記ハット形鋼矢板1の全幅方向の温度分布を測定する温度計31を有し、前記流量制御手段は、該温度計31による温度分布測定結果にもとづき、次材の仕上げ圧延時に前記冷媒の流量Qを補正することを特徴とする。
上記(9)の構成によれば、圧延本数を重ねる毎にΔTの制御精度が向上し、より継手嵌合に問題のない程度であるハット形鋼矢板1を製造できるようになる。
(10)上記(7)の構成において、前記流量Qを前記圧延速度Vで除した値Q/Vと、前記切断した後の切断面端部の曲がり量との関係から、前記曲がり量が許容範囲内となる前記値Q/Vの範囲が予め設定され、前記圧延速度Vの変化に対応させて前記値Q/Vを前記設定した範囲に収めるように前記冷媒の単位時間当たりの流量Qを調整する流量制御手段を有することを特徴とする。
上記(10)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を幅方向に沿って切断した後の切断面端部の曲がり量が、継手嵌合に問題のない程度であるハット形鋼矢板1を製造できる。
(11)上記(7)乃至(10)の構成において、前記ガイド(前面ガイド23)内に、前記継手部冷却装置25に加えて、ウェブ部2を冷却するウェブ部冷却装置26を有することを特徴とする。
上記(11)の構成によれば、ハット形鋼矢板1を圧延後にCB(クーリングベッド)上で自然冷却する際の上反り発生を抑制したハット形鋼矢板1を製造することができる。
<実施例1>
図1,図2,図3,図4に示したハット形鋼矢板の圧延製造ラインにて、ウェブ厚が10.8mm,有効幅が900mmであるハット形鋼矢板10Hの製造を実施した。
熱間鋸断装置(ホットソー)14の前面に温度計31を配置し、この温度計31にて仕上げ圧延後のハット形鋼矢板1の幅方向の温度分布を測定し、適合例では、継手部4の最高温度とフランジ部3の最低温度との差ΔTの目標を、温度差ΔTと継手部4の曲がり量との関係から設定した。具体的には、図8に示す温度差ΔTと継手部4の曲がり量との関係から、曲がり量を許容値(±4mm)内とできるΔTの範囲として目標値40℃、目標範囲30〜50℃と設定し、K1孔型での仕上げ圧延の際に、継手部冷却水流量を左右それぞれで個別に調整した。一方、比較例では、継手部冷却をまったく実施しないケース(比較例1)と、最大流量で冷却するケース(比較例2)を実施した。温度プロフィルは熱間鋸断装置14で鋸断時の時間経過とともに、時々刻々変化するので、ウェブ部2の最高温度が550℃時点の温度プロフィルから温度差ΔTを算出した.なお、すべてのケースで仕上げ圧延速度は2m/sである。
このように製造したハット形鋼矢板1について、冷却床CBにて常温まで自然冷却を行い、その後にレベラー矯正を行った後、製品の長手中央で冷間鋸断を行い、この切断面端部の変形量を調査するとともに、残留応力も調査した。この結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006915737
表1の結果から、継手部4の最高温度とフランジ部3の最低温度との差ΔTの目標を、温度差ΔTと継手部の曲がり量との関係から設定し、温度差ΔTがこの目標に従うように継手部4の冷却を施した適合例では、継手部4の曲がり量が左右の継手部4ともに±4mm以内となっている。一方、比較例1および比較例2では、継手部4の冷却水流量が不適正であるため、継手部4の曲がり量が±4mm以内を満足しなかった。
<実施例2>
次に、図1、図2、図3、図4に示したハット形鋼矢板1の圧延製造ラインにて、ウェブ厚が13.2mm、有効幅が900mmであるハット形鋼矢板25Hの製造を実施した。本実施例では、適合例、比較例とも圧延素材を5本ずつ用意し、仕上げ最終圧延であるK1孔型での圧延における圧延速度を圧延素材ごとに1.0〜4.0m/sの間で変化させていった。継手冷却水流量Qを圧延速度Vで除した値(Q/V)は図10から目標値2.0(L/s)/(m/s)、許容範囲1.6〜2.4とし、素材毎の仕上げ圧延速度の変化とともに、冷却水流量を調整した場合(適合例)と、仕上げ圧延速度の変化によらず冷却水流量を一定とした場合(比較例)で圧延を実施した。
これらの製品について、熱間鋸断された製品端部の継手部曲がり量を調査した。この結果を表2に示す。
Figure 0006915737
表2の結果から、図10に示したQ/Vの値と継手部4の曲がり量との関係から、継手部4の曲がり量を±4mm以内できるように、Q/Vの目標値を2.0、許容範囲を1.6〜2.4を許容範囲として継手部4の冷却水流量を調整した適合例では、いずれの仕上げ圧延速度条件においても、継手部4の曲がり量が±4mm以内となっていることがわかる。一方、仕上げ圧延速度Vによらず継手部4の冷却水流量を一定とした比較例では、仕上げ圧延速度条件によっては、継手部4の曲がり量が±4mm以内であるものもあるが(V=2.0m/sの場合)、仕上げ圧延速度の変化により継手部4の曲がり量が±4mm以内を達成できない場合があることがわかる。
<実施例3>
図1、図2、図3、図4に示したハット形鋼矢板1の圧延製造ラインにて、ウェブ厚が13.2mm、有効幅が900mmであるハット形鋼矢板25Hのうち製品長が20mとなる長尺製品の製造を実施した。製造にあたっては、仕上げ最終圧延であるK1孔型での圧延における圧延速度を2.0m/s、継手冷却水量Qを圧延速度Vで除した値(Q/V)を2.0(L/s)/(m/s)とした。そして、ウェブ冷却水量Qwを4.0(L/s)としてウェブ冷却を行った場合と、ウェブ冷却を行わなかった場合とについて、それぞれ3本ずつ製造した。
この結果、ウェブ冷却を行って製造した製品3本、ウェブ冷却を行わずに製造した製品3本、いずれも継手部4の曲がり量は±4mm以内を満足していた。一方で、ウェブ冷却を行った場合は3本の製品ともにCB上での反り量は50mm以下で特に問題はなかったのに対し、ウェブ冷却を行わなかった場合には3本の製品ともに反り量Sが200mm以上と非常に大きくなり、CBでの製品搬送において製品の斜行が発生し、隣り合う製品との接触および重なりが生じた。このため、ウェブ冷却を行わなかった製品については、オペレータが天井クレーンを使用して、CB上での搬送状態を修正する作業が発生し、その間の製造のピッチダウンが生じた。
1 ハット形鋼矢板
2 ウェブ部
3 フランジ部
4 継手部
5 腕部
10 加熱炉
11 粗圧延機(熱間圧延機)
12 中間圧延機(熱間圧延機)
13 仕上げ圧延機(熱間圧延機)
13a ミルモータ
14 熱間鋸断装置(鋸断装置:ホットソーHS)
21 上圧延ロール
22 下圧延ロール
23 前面ガイド(ガイド)
23a 上ガイド
23b 下ガイド
24 後面ガイド
25 継手部冷却装置
25a 継手部冷却ヘッダー
25b 継手部冷却ノズル
25e 流量調整弁(継手部冷却水流量調整弁)
26 ウェブ部冷却装置
26a ウェブ上面冷却ヘッダー
26b ウェブ上面冷却ノズル
26c ウェブ下面冷却ヘッダー
26d ウェブ下面冷却ノズル
26e 流量調整弁(ウェブ上面冷却水流量調整弁)
29 冷却水ポンプ
30 演算装置(流量制御手段)
31 温度計

Claims (3)

  1. ウェブ部、フランジ部、腕部および継手部から構成されるハット形鋼矢板を、熱間圧延により該ハット形鋼矢板の形状に造形した後に、幅方向に切断するハット形鋼矢板の製造方法において、
    仕上げ圧延機の最終孔型での圧延において前記継手部を冷却し、
    該冷却を行う冷媒の単位時間あたりの流量Qを前記仕上げ圧延機による圧延の際の圧延速度Vで除した値Q/Vと、前記切断した後の切断面端部の曲がり量との関係を予め定めておき、該関係から前記曲がり量が許容範囲内となる前記値Q/Vの範囲を設定し、前記圧延速度Vの変化に対応させて前記値Q/Vを前記設定した範囲に収めるように前記冷媒の単位時間当たりの流量Qを調整することを特徴とするハット形鋼矢板の製造方法。
  2. 前記継手部の冷却を、左右の継手部について個別に行うことを特徴とする請求項1に記載のハット形鋼矢板の製造方法。
  3. 前記継手部の冷却に加えて、前記ウェブ部の冷却を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のハット形鋼矢板の製造方法。
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