JP6703306B2 - H形鋼の製造方法 - Google Patents
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0.97≦λfs/λws≦1.07 ・・・(6)
ここで、λwsは、ウェブ相当部における同時圧下領域での入側厚と出側厚の比であり、λfsは、フランジ相当部における同時圧下領域での入側厚と出側厚の比である。また、λws及びλfsは次式(4)、(5)、(4’)、(5’)で求める。
竪ロールとフランジ相当部との接触長Ldf、水平ロールとウェブ相当部との接触長Ldw、に関し、tf0をフランジ相当部の圧延前厚み、tf1をフランジ相当部の圧延後厚み、tw0をウェブ相当部の圧延前厚み、tw1をウェブ相当部の圧延後厚み、Dvを竪ロール径、Dhを水平ロール径、LdsをLdwとLdfの値のうちの小さい方として、ウェブ相当部とフランジ相当部の同時圧下領域の長さとし、
Ldf>Ldwの場合、
λws=tw0/tw1 ・・・(4)
λfs=(tf1+Lds2/Dv)/tf1 ・・・(5)
Ldf≦Ldwの場合、
λws=(tw1+2Lds2/Dh)/tw1 ・・・(4’)
λfs=tf0/tf1 ・・・(5’)
300[mm]≦Dv≦0.33×Dh ・・・(8)
但し、Dh:水平ロール径である。
1.0≦λf/λw≦1.03 ・・・(9)
ここで、全領域とは、圧延前後のウェブ相当部およびフランジ相当部それぞれの圧下全体の領域のことであり、ウェブ相当部の場合には、接触長Ldwで示される領域であり、以下の式(2)で示され、フランジ相当部の場合には、接触長Ldfで示される領域であり、以下の式(3)で示される。
但し、Δtw:ウェブ相当部の圧下量(tw0−tw1)
但し、Δtf:フランジ相当部の圧下量(tf0−tf1)
である。
Ldf>Ldw ・・・(1)
また、ウェブ相当部20とフランジ相当部12を同時に圧下する領域(図中のLdw領域)では、ウェブ相当部20の延伸がフランジ相当部12の延伸に対して大きくなり、ウェブ相当部20の伸びがフランジ相当部12の伸びに拘束される。
以上説明した理由により、図3に示す従来の構成の中間ユニバーサル圧延機5aにおいては、ウェブ相当部20の圧延を板圧延とみなした場合よりも大きな水平ロール荷重が作用してしまうことが分かっている。
このような中間ユニバーサル圧延機5aにおいて、ウェブ相当部20とフランジ相当部12の厚み比tf/twの値が1.2〜2.3程度である製品の中間材を圧延造形する場合、フランジ相当部12の圧下を行う領域の接触長Ldfと、ウェブ相当部20の圧下を行う領域の接触長Ldwとの差が小さくなり、フランジ相当部12のみが圧下される領域がほぼなくなり、また、同時圧下領域においてウェブ相当部20の延伸がフランジ相当部12の延伸に対して大きくなるといった事もないため、竪ロール及び水平ロールの圧延荷重の低減が図られるものと推定される。
また、竪ロールとフランジ相当部12との接触長Ldfは、以下の式(3)で示される。
例えば、Ldf>Ldwの場合、Lds=Ldwとなり、同時圧下領域のウェブ延伸λws及びフランジ延伸λfsはそれぞれ以下の式(4)、(5)に示すものとなる。
λws=tw0/tw1 ・・・(4)
λfs=(tf1+Lds2/Dv)/tf1 ・・・(5)
圧延後の厚みには、ロール荷重(実測値、あるいはモデル式等による推定値)とミル剛性から計算される圧延中のロール隙を用いれば良い。あるいは、オンライン測定機による厚みの実測値を用いても良い。
0.97≦λfs/λws≦1.07 ・・・(6)
更に好ましくは、以下の式(7)に示す条件を満たしても良い。
0.98≦λfs/λws≦1.05 ・・・(7)
この式(7)に示す範囲であれば、圧延荷重を12%以上低減させることが可能となり、被圧延材の長手方向の端部において圧延が不安定になる可能性が低くなる。
図8に示すように、ロール径比Dv/Dhを0.33以下とした場合には、竪ロール荷重比Pv/Pvcの値についても0.9以下にすることができる。
以上のことから、竪ロール径Dvは以下の式(8)に示すような値とすることが望ましい。
300[mm]≦Dv≦0.33×Dh ・・・(8)
一方、フランジ圧下率を低減し、フランジ/ウェブ延伸比λf/λwを1.0よりも小さくすると、水平ロール荷重の低減率が低下したり、ウェブ波も発生しやすくなる。具体的には、図5、図6に示すような範囲を含む以下の式(9)を満たすことが好ましい。
1.0≦λf/λw≦1.03 ・・・(9)
即ち、λf/λw<1.0となると、水平ロール荷重が過大となり、ウェブ波も発生する。また、1.03<λf/λwとなると、竪ロール荷重が過大となり、フランジ幅拡がりも過大となる。
但し、このような構成であっても、竪ロール径は例えば300mm以上とすることが好ましい。これは、竪ロール径が300mm未満であると、噛み込み角が過大となり圧延の安定性が低下したり、バックアップロール70、71とのヘルツ応力(ヘルツの接触応力)も過大となりロール寿命が短くなる恐れがあるからである。
本発明の実施例1として、中間ユニバーサル圧延機の水平ロール径Dhを1600mm、竪ロール径Dvを550mmとして、サイズ1000×400×16/32[mm]のH形鋼製品の圧延を所定のパススケジュールで行った。その際、λfs/λwsの値を上記式(6)の範囲内である0.97〜0.98として行った。
また、比較例1として、中間ユニバーサル圧延機の竪ロール径Dvを1100mmとし、実施例1と同様のパススケジュールでH形鋼製品の圧延を行った。この場合のλfs/λwsの値は約0.94であった。
実施例1と比較例1を比べると、中間ユニバーサル圧延機において、比較例1に比べ実施例1では、水平ロール荷重が平均で13%減少し、竪ロール荷重が平均で10%減少した。これにより、ロール摩耗の低減が実現され、ロール研削回数の低減を図ることができた。
本発明の実施例2として、中間ユニバーサル圧延機の水平ロール径Dhを1600mm、竪ロール径Dvを385mmとして、サイズ1000×400×19/32[mm]のH形鋼製品の圧延を所定のパススケジュールで行った。その際、λfs/λwsの値を上記式(6)の範囲内である1.02〜1.03として行った。なお、このときのDv/Dhは0.24であり、0.33×Dhは、0.33×1600mm=528mmとなるため、上記式(8)の条件の範囲内である。
また、比較例2として、中間ユニバーサル圧延機の竪ロール径Dvを1100mmとし、実施例2と同様のパススケジュールでH形鋼製品の圧延を行った。この場合も、λfs/λwsの値は比較例1とほぼ同じ約0.94であった。なお、このときのDv/Dhは0.69であり、0.33×Dhは、0.33×1600mm=528mmとなるため、上記式(8)の条件の範囲外である。
実施例2と比較例2を比べると、中間ユニバーサル圧延機において、比較例2に比べ実施例2では、水平ロール荷重及び竪ロール荷重の両方が平均で20%減少した。これにより、ロール摩耗の低減が実現され、ロール研削回数の低減を図ることができた。
本発明の実施例3として、中間ユニバーサル圧延機の水平ロール径Dhを1600mm、竪ロール径Dvを435mmとして、サイズ900×300×16/19[mm])のH形鋼製品の圧延を所定のパススケジュールで行った。その際、λfs/λwsの値を上記式(6)の範囲内である1.04〜1.05として行った。この時のDv/Dhは0.27であり、0.33×Dhは、0.33×1600mm=528mmとなるため、上記式(8)の条件の範囲内である。さらに、λf/λwは、1.002〜1.026であり、上記式(9)を満たしている。
また、比較例3として、中間ユニバーサル圧延機の竪ロール径Dvを1155mmとし、実施例3と同様のH形鋼製品の圧延を行った。その際、λfs/λwsの値を上記式(6)の範囲外である0.96として行った。この時のDv/Dhは0.72であり、0.33×Dhは、0.33×1600mm=528mmとなるため、上記式(8)の条件の範囲外である。一方、λf/λwは、0.998〜1.034であり、一部のパスでは上記式(9)の条件の範囲外であった。
実施例3と比較例3を比べると、中間ユニバーサル圧延機において、比較例3に比べ実施例3では、水平ロール荷重及び竪ロール荷重がそれぞれ平均で18%、20%減少した。そのために、実施例3では、比較例3よりも1パス当たりの圧下率を大きくすることが可能となり、圧延パス数を2パス低減することができた。その結果、圧延効率を高めることができた。
2…加熱炉
4…粗圧延機
5(5a、5b)…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
12…フランジ相当部
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…ウェブ相当部
21…上水平ロール(中間ユニバーサル圧延機)
22…下水平ロール(中間ユニバーサル圧延機)
31、32…竪ロール(中間ユニバーサル圧延機)
51、52…小径竪ロール
70、71…バックアップロール
A…被圧延材
T…製造ライン
Claims (5)
- 被圧延材に対しユニバーサル圧延を行いH形鋼を製造するH形鋼の製造方法であって、
前記被圧延材はフランジ相当部及びウェブ相当部を有し、
前記ユニバーサル圧延を行う圧延機において、
水平ロールと竪ロールのロール軸は圧延方向に対する垂直な同一断面内にあり、
水平ロールによる前記ウェブ相当部の圧下と、竪ロールによる前記フランジ相当部の圧下と、が同時に行われる同時圧下領域では、ウェブ延伸λwsとフランジ延伸λfsの比が以下の式(6)を満たす条件で圧延が行われることを特徴とする、H形鋼の製造方法。
0.97≦λfs/λws≦1.07 ・・・(6)
ここで、λwsは、ウェブ相当部における同時圧下領域での入側厚と出側厚の比であり、λfsは、フランジ相当部における同時圧下領域での入側厚と出側厚の比である。また、λws及びλfsは次式(4)、(5)、(4’)、(5’)で求める。
竪ロールとフランジ相当部との接触長Ldf、水平ロールとウェブ相当部との接触長Ldw、に関し、tf0をフランジ相当部の圧延前厚み、tf1をフランジ相当部の圧延後厚み、tw0をウェブ相当部の圧延前厚み、tw1をウェブ相当部の圧延後厚み、Dvを竪ロール径、Dhを水平ロール径、LdsをLdwとLdfの値のうちの小さい方として、ウェブ相当部とフランジ相当部の同時圧下領域の長さとし、
Ldf>Ldwの場合、
λws=tw0/tw1 ・・・(4)
λfs=(tf1+Lds2/Dv)/tf1 ・・・(5)
Ldf≦Ldwの場合、
λws=(tw1+2Lds2/Dh)/tw1 ・・・(4’)
λfs=tf0/tf1 ・・・(5’) - 前記ユニバーサル圧延を行う圧延機の竪ロール径Dvは、以下の式(8)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
300[mm]≦Dv≦0.33×Dh ・・・(8)
但し、Dh:水平ロール径である。 - 前記ユニバーサル圧延を行う圧延機は、中間ユニバーサル圧延機であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
- 前記ユニバーサル圧延を行う圧延機において、竪ロールの後方には当該竪ロールに接触して支持する構成のバックアップロールが設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
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