JP7280504B2 - 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 - Google Patents
左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7280504B2 JP7280504B2 JP2019148791A JP2019148791A JP7280504B2 JP 7280504 B2 JP7280504 B2 JP 7280504B2 JP 2019148791 A JP2019148791 A JP 2019148791A JP 2019148791 A JP2019148791 A JP 2019148791A JP 7280504 B2 JP7280504 B2 JP 7280504B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- universal
- reduction
- flange
- fillet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
Description
0<ΔBi≦0.2tf ・・・(1)
但し、ΔBi:各圧延機でのウェブ内法拡幅量、tf:各圧延機での圧延前の薄手側フランジ厚であり、フィレット部の平均圧下率rfrは以下の式(2)で定まる。
rfr=(tw0+AR0/bR0-tw-AR/bR)/(tw0+AR0/bR0) ・・・(2)
ここで、tw0:圧延前のウェブ厚、tw:圧延後のウェブ厚、AR0:圧延前のフィレット部面積、AR:圧延後のフィレット部面積、bR0:圧延前のフィレット部幅、bR:圧延後のフィレット部幅、である。
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含む、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼(いわゆる異厚H形鋼)の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、粗圧延機列4、中間圧延機列5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。また、本明細書では、被圧延材Aは圧延方向左右にフランジ部が位置するいわゆる「H姿勢」にて圧延造形されるものとして説明する。また、被圧延材Aの各圧延段階において、最終H形鋼製品のフランジに相当する部位をフランジ部12と呼称し、そのフランジ部12の一方を薄肉フランジ部12a、他方を厚肉フランジ部12bと呼称する場合がある。また、ウェブに相当する部分をウェブ部20と呼称する場合がある。
次に、図1に示した中間圧延機列5の構成の概要について説明する。図2は中間圧延機列5の構成の一例を示す概略説明図である。なお、図2に示す構成は一例であり、本発明における中間圧延機列5の構成はこれに限定されるものではない。
次に、図2に示した中間圧延機列5を構成する中間ユニバーサル圧延機U1~U7について説明する。図3は中間ユニバーサル圧延機U1のロール構成についての概略説明図(正面断面図)であり、(a)がロール構成の概略、(b)が圧延時の断面概略を示している。図3に示すように、中間ユニバーサル圧延機U1には、上下一対の水平ロール21、22と、左右一対の竪ロール31、32が設けられている。水平ロール21、22は、そのロール周面が被圧延材Aのウェブ部20に当接可能に構成され、そのロール側面の一部がフランジ部12(12a、12b)の内面に当接可能に構成されている。また、竪ロール31、32は、そのロール周面がフランジ部12(12a、12b)の外面に当接可能に構成されている。図示の構成では、一方の竪ロール31の周面が薄肉フランジ部12aの外面に当接し、他方の竪ロール32の周面が厚肉フランジ部12bの外面に当接する構成となっている。なお、図3では、各ロールのロール軸や圧延機筐体等の構成は図示を省略している。
次に、エッジャー圧延機E1~E4の概略的な構成について説明する。図4はエッジャー圧延機E1のロール構成についての概略説明図(正面断面図)である。図4に示すように、エッジャー圧延機E1には、上下一対の水平ロール41、42が設けられている。水平ロール41、42は、そのロール周面の一部が左右のフランジ部12(12a、12b)のフランジ幅方向先端部のみに当接可能に構成されている。
本発明者らは、略H形形状の非対称な被圧延材Aに対し、例えば中間ユニバーサル圧延機U1~U7において内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う場合に関し、その圧延特性の検討を行った。図5は、ウェブ内法448mm、フランジ厚32mm/16mm、ウェブ厚14mmの被圧延材A(H形粗形材13)に対し、厚肉フランジ部の圧下率0.34、ウェブ圧下率0.31、内法拡幅量8mmと固定した条件で薄肉フランジ部の圧下率を変えた場合の圧延時の曲がりを数値解析したグラフである。なお、図5のグラフでは、曲がりの評価は、被圧延材Aのロールバイト出口からの距離に応じたウェブ高さ中心位置のずれによって行い、参考として内法拡幅を行わない場合のグラフも記載している。
以上検討したような圧延特性に鑑み、本発明者らは、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し拡幅圧延を伴うユニバーサル圧延を行う場合の、内法拡幅量とフランジ幅の減少率との関係を数値解析により調査し、適正な圧延条件について鋭意検討を行った。
0<ΔBi≦0.2tf ・・・(1)
ここで、ΔBiの値が0超なのは、式(1)はウェブ内法拡幅を行う条件下での圧延特性を規定しているからである。
上記の通り、式(1)を満たす圧延条件でユニバーサル圧延を行うことで、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し、曲がり等の通材不良を抑制させ、安定的に圧延造形を実施することができるが、一方で、設備条件等の理由により、上記式(1)を満たす圧延条件が実現されない場合には、左右のフランジ部(薄肉フランジ部12a及び厚肉フランジ部12b)に対する厚み圧下率を等しくした上で、曲がりを抑制させるための何らかの手段を講じる必要がある。
rfr=(tw0+AR0/bR0-tw-AR/bR)/(tw0+AR0/bR0) ・・・(2)
ユニバーサル圧延において、被圧延材Aのフィレット部50の左右圧下率差を調整する手段としては、フィレット部50の左右圧下率差を所定の適正範囲とする前段階工程において、被圧延材Aのフィレット部50の形状(曲率半径)を左右(薄手側と厚手側)で非対称とすることが考えられる。例えば、中間圧延機列5におけるユニバーサル圧延においてフィレット部50の左右圧下率差を所定の適正範囲にする際には、粗圧延機列4で造形されたH形粗形材13の断面形状をフィレット部50(以下、フィレット部50a、50bとも記載)が左右非対称となるように構成することが望ましい。
なお、左右フィレット部50(50a、50b)に対し左右圧下率差を設けるような、より詳細で具体的なパススケジュールについては、実施例において後述する。
以上、図8に示す解析結果に基き算出された式(1)で示す圧延条件下で、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行うことで、圧下率によらずフランジ幅の減少が抑えられ、フランジ幅の減少に伴う減面率の左右差の影響なく通材させることができる。例えば、製品と同じ左右フランジ厚み比を有するH形粗形材13に対し、左右同じ圧下率でもってユニバーサル圧延を施し、最終製品である非対称H形鋼製品を製造する場合に、各ユニバーサル圧延の圧延条件を式(1)で示す圧延条件とすることで通材不良を抑えることができる。
即ち、既存の設備(既存の構成のユニバーサル圧延機)において非対称H形鋼製品を製造するにあたり、圧延条件を調整するだけで、圧延造形時の被圧延材Aの曲がりの発生を抑え、通材性を向上させ、圧延の安定化を実現させることができる。これにより安定的に非対称H形鋼を製造することができ、生産性の向上が図られる。
2…加熱炉
4…粗圧延機列
5…中間圧延機列
8…仕上ユニバーサル圧延機
11…素材
12…フランジ部
12a…薄肉フランジ部
12b…厚肉フランジ部
13…H形粗形材
14…中間材
16…非対称H形鋼製品
20…ウェブ部
21、22…(中間ユニバーサル圧延機の)水平ロール
31、32…(中間ユニバーサル圧延機の)竪ロール
41、42…(エッジャー圧延機の)水平ロール
50…フィレット部
50a…フィレット部(厚手側)
51a、51b…(前段の)上下孔型ロール
52a、52b…(後段の)上下孔型ロール
50b…フィレット部(薄手側)
54…厚手側フィレット対応部
55…薄手側フィレット対応部
U1~U7…中間ユニバーサル圧延機(中間ユニバーサル圧延スタンド)
E1~E4…エッジャー圧延機
A…被圧延材
T…製造ライン
Claims (4)
- 左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼の製造方法であって、
1又は複数の中間ユニバーサル圧延機を有する中間圧延機列で行われる中間圧延工程と、
仕上ユニバーサル圧延機で行われる仕上圧延工程と、を含み、
前記中間圧延工程及び前記仕上圧延工程でのユニバーサル圧延において被圧延材の左右フランジ部に対する厚み圧下率が等しい圧延条件下で、
ユニバーサル圧延の圧延条件が以下の式(1)を満たす場合には、当該圧延条件下のままユニバーサル圧延を行い、
ユニバーサル圧延の圧延条件が以下の式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における厚手側フィレット部の平均圧下率が薄手側フィレット部の平均圧下率よりも大きい圧延条件でもってユニバーサル圧延を行うことを特徴とする、非対称H形鋼の製造方法。
0<ΔBi≦0.2tf ・・・(1)
但し、ΔBi:各圧延機でのウェブ内法拡幅量、tf:各圧延機での圧延前の薄手側フランジ厚であり、フィレット部の平均圧下率rfrは以下の式(2)で定まる。
rfr=(tw0+AR0/bR0-tw-AR/bR)/(tw0+AR0/bR0) ・・・(2)
ここで、tw0:圧延前のウェブ厚、tw:圧延後のウェブ厚、AR0:圧延前のフィレット部面積、AR:圧延後のフィレット部面積、bR0:圧延前のフィレット部幅、bR:圧延後のフィレット部幅、である。 - ユニバーサル圧延の圧延条件が前記式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における前記厚手側フィレット部の平均圧下率と前記薄手側フィレット部の平均圧下率との圧下率差と、当該ユニバーサル圧延における被圧延材の曲がり量との関係に基づき、前記圧下率差を定めることを特徴とする、請求項1に記載の非対称H形鋼の製造方法。
- ユニバーサル圧延の圧延条件が前記式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における前記厚手側フィレット部の平均圧下率と前記薄手側フィレット部の平均圧下率との圧下率差が0.025~0.053となる圧延条件でもってユニバーサル圧延を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の非対称H形鋼の製造方法。
- 前記中間圧延工程及び前記仕上圧延工程は、1方向での1圧延機1パス圧延で行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の非対称H形鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019148791A JP7280504B2 (ja) | 2019-08-14 | 2019-08-14 | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019148791A JP7280504B2 (ja) | 2019-08-14 | 2019-08-14 | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021030233A JP2021030233A (ja) | 2021-03-01 |
JP7280504B2 true JP7280504B2 (ja) | 2023-05-24 |
Family
ID=74674614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019148791A Active JP7280504B2 (ja) | 2019-08-14 | 2019-08-14 | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7280504B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013248640A (ja) | 2012-05-31 | 2013-12-12 | Jfe Steel Corp | 形鋼用曲り矯正装置および形鋼の曲り矯正方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5114472B2 (ja) * | 1971-10-25 | 1976-05-10 | ||
JPS5139183B2 (ja) * | 1972-07-18 | 1976-10-26 | ||
JPS5930488B2 (ja) * | 1976-06-14 | 1984-07-27 | 新日本製鐵株式会社 | オフセツト方式によるフランジ厚の異なる形鋼のユニバ−サル圧延法 |
JPS61135404A (ja) * | 1984-12-04 | 1986-06-23 | Kawasaki Steel Corp | H形鋼の熱間圧延方法 |
JPH03268803A (ja) * | 1990-03-19 | 1991-11-29 | Kawasaki Steel Corp | H形鋼の圧延方法 |
JPH0550101A (ja) * | 1991-08-19 | 1993-03-02 | Kawasaki Steel Corp | H形鋼の圧延方法 |
JP3211331B2 (ja) * | 1992-03-02 | 2001-09-25 | 住友金属工業株式会社 | H形鋼の熱間圧延方法 |
JPH07178402A (ja) * | 1993-12-24 | 1995-07-18 | Nkk Corp | 鋼製連壁用形鋼の製造方法 |
-
2019
- 2019-08-14 JP JP2019148791A patent/JP7280504B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013248640A (ja) | 2012-05-31 | 2013-12-12 | Jfe Steel Corp | 形鋼用曲り矯正装置および形鋼の曲り矯正方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021030233A (ja) | 2021-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4453771B2 (ja) | T形鋼の製造方法および圧延設備列 | |
JP7280503B2 (ja) | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 | |
US11364524B2 (en) | Method for producing H-shaped steel | |
JP7280505B2 (ja) | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 | |
JP7280504B2 (ja) | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 | |
JP5141839B2 (ja) | T形鋼の製造方法および圧延設備 | |
KR101064173B1 (ko) | T형강 열간 압연 라인의 냉각 장치, t형강의 제조 설비 및, 제조 방법 | |
JPS59133902A (ja) | H形鋼の熱間圧延方法 | |
US20200391261A1 (en) | Method for producing h-shaped steel | |
JP7343779B2 (ja) | 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 | |
JP6417991B2 (ja) | フランジを有する形鋼のエッジャー圧延機 | |
US20200078842A1 (en) | Method for producing h-shaped steel | |
JP4023436B2 (ja) | ユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法 | |
JP3339466B2 (ja) | H形鋼とその圧延方法 | |
JP2021109180A (ja) | H形鋼の製造方法 | |
JP3211331B2 (ja) | H形鋼の熱間圧延方法 | |
US11292039B2 (en) | Method for producing H-shaped steel | |
RU2386508C2 (ru) | Способ изготовления гнутого тонкостенного профиля швеллерного типа | |
WO2013108418A1 (ja) | T形鋼の製造方法および圧延設備 | |
JPH0364201B2 (ja) | ||
JP6703306B2 (ja) | H形鋼の製造方法 | |
JP6747256B2 (ja) | H形鋼の製造方法 | |
RU2388564C1 (ru) | Профилегибочный стан | |
JP2023100065A (ja) | ハット形鋼矢板の製造設備及び製造方法 | |
EP3388159A1 (en) | Method for producing steel h-beam, and steel h-beam product |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220407 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230324 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230411 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230424 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7280504 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |