JP7280504B2 - 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼をユニバーサル圧延によって製造する製造方法に関する。
例えばH形鋼や軌条といった各種形鋼の製造は、一般的に孔型圧延法(カリバー法)やユニバーサル圧延法によって行われることが知られている。特に近年では、均質な変形が期待でき、材質の向上や寸法精度の高精度化が図れるといった観点から、中間ユニバーサル圧延機、エッジャー圧延機、仕上圧延機を備えた圧延機列によってユニバーサル圧延法が行われている。
左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼は力学的利点が大きいため建築構造物や橋梁等の梁材に好適に用いられる。具体的には、地面や床面に対し一方のフランジを接地させ、他方のフランジを上方に位置するような設置態様を採った場合に、厚みが薄いフランジを接地面とし、厚みの厚いフランジを上方とすることが知られている。これは、接地面ではフランジが接地された地面(あるいは床面等)を含めた剛性となるのに対し、上方のフランジはそれ単体での剛性が求められるために、上方のフランジをより厚いものとすることが望ましいからである。このような態様により、所望の剛性の梁材を、軽量且つ少量の材料でもって製造できるため、生産性の向上やコスト削減が図られる。
しかしながら、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼は断面が非対称であるがゆえ、その製造過程において歪みや曲がりといった通材不良が生じることが多く、その改善を図るために様々な技術が創案されている。
例えば特許文献1には、非対称H形鋼の圧延方法が開示され、その製造の際には曲がりが生じることが記載されている。特許文献1の技術では、一般的には非駆動である左右竪ロールを個別駆動させ、左右独立に回転速度(回転数)を調整して曲がりを抑制させている。
また、例えば特許文献2には、非対称H形鋼のユニバーサル圧延での左右竪ロールの圧延荷重が左右不均一となることで水平ロールに対するスラスト荷重がかかり、スラスト変位が生じるのを抑制する技術が開示されている。具体的には、左右のフランジの一方(片側)を冷却することで、当該フランジの圧延荷重を増加させ、水平ロールに働くスラスト荷重を低減させている。
特開平5-177201号公報 特開2006-68777号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、一般的には非駆動で従動ロールである竪ロールを駆動させるための設備の新設や改造が必要となり、設備コストの増加や設備構成の煩雑化が懸念される。また、上記特許文献2に記載の技術は、左右竪ロールの圧延荷重を揃えることを目的としており、非対称H形鋼の圧延を歪みや曲がりを生じさせることなく行うための適正条件については何ら開示されていない。
上記事情に鑑み、本発明の目的は、既存の製造設備で左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼を製造する場合に、被圧延材に発生する曲がり等の通材不良を抑制させ、安定的に非対称H形鋼を製造することができる技術を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼の製造方法であって、1又は複数の中間ユニバーサル圧延機を有する中間圧延機列で行われる中間圧延工程と、仕上ユニバーサル圧延機で行われる仕上圧延工程と、を含み、前記中間圧延工程及び前記仕上圧延工程でのユニバーサル圧延において被圧延材の左右フランジ部に対する厚み圧下率が等しい圧延条件下で、ユニバーサル圧延の圧延条件が以下の式(1)を満たす場合には、当該圧延条件下のままユニバーサル圧延を行い、ユニバーサル圧延の圧延条件が以下の式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における厚手側フィレット部の平均圧下率が薄手側フィレット部の平均圧下率よりも大きい圧延条件でもってユニバーサル圧延を行うことを特徴とする、非対称H形鋼の製造方法が提供される。
0<ΔBi≦0.2tf ・・・(1)
但し、ΔBi:各圧延機でのウェブ内法拡幅量、tf:各圧延機での圧延前の薄手側フランジ厚であり、フィレット部の平均圧下率rfrは以下の式(2)で定まる。
rfr=(tw0+AR0/bR0-tw-AR/bR)/(tw0+AR0/bR0) ・・・(2)
ここで、tw0:圧延前のウェブ厚、tw:圧延後のウェブ厚、AR0:圧延前のフィレット部面積、AR:圧延後のフィレット部面積、bR0:圧延前のフィレット部幅、bR:圧延後のフィレット部幅、である。
ユニバーサル圧延の圧延条件が前記式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における前記厚手側フィレット部の平均圧下率と前記薄手側フィレット部の平均圧下率との圧下率差と、当該ユニバーサル圧延における被圧延材の曲がり量との関係に基づき、前記圧下率差を定めても良い。
ユニバーサル圧延の圧延条件が前記式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における前記厚手側フィレット部の平均圧下率と前記薄手側フィレット部の平均圧下率との圧下率差が0.025~0.053となる圧延条件でもってユニバーサル圧延を行っても良い。
前記中間圧延工程及び前記仕上圧延工程は、1方向での1圧延機1パス圧延で行われても良い。
本発明によれば、既存の製造設備で左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼を製造する場合に、被圧延材に発生する曲がり等の通材不良を抑制させ、安定的に非対称H形鋼を製造することができる。
非対称H形鋼の製造ラインについての概略説明図である。 中間圧延機列の構成の一例を示す概略説明図である。 中間ユニバーサル圧延機のロール構成についての概略説明図である。 エッジャー圧延機のロール構成についての概略説明図である。 被圧延材に対し、厚肉フランジ部の圧下率0.34、ウェブ圧下率0.31、内法拡幅8mmと固定した条件で薄肉フランジ部の圧下率を変えた場合の圧延時の曲がりを数値解析したグラフである。 厚肉フランジ部の圧下率と薄肉フランジ部の圧下率を等しくした条件下における、被圧延材Aの各部位の幅方向移動量の推移と、各フランジ幅の広がり量の推移を示したグラフである。 薄肉フランジ部にのみ押し下げが生じた場合の被圧延材の変形に関する概略説明図である。 一般的な略H形形状の被圧延材に対し拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う際の、片側内法拡幅量/フランジ厚とフランジ幅減少率との関係を示すグラフである。 フィレット部の概略説明図である。 フィレット部の圧下状態と曲がりの関係を示すグラフである。 フィレット部の左右圧下率差と曲がりの関係を示すグラフである。 粗圧延機に設けられる孔型の形状の一例を示す概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、本明細書における「ユニバーサル圧延機」とは、形鋼圧延時に水平ロールと竪ロールを用いて大きな延伸を伴う圧延を行う圧延機を指し、「エッジャー圧延機」とはユニバーサル圧延機と併せて用いられ極めて軽圧下な圧延を行う圧延機を指すものとし、本明細書では、それら圧延機を「圧延スタンド」あるいは単に「スタンド」と呼称する場合もある。
(製造ラインの概要)
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含む、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼(いわゆる異厚H形鋼)の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、粗圧延機列4、中間圧延機列5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。また、本明細書では、被圧延材Aは圧延方向左右にフランジ部が位置するいわゆる「H姿勢」にて圧延造形されるものとして説明する。また、被圧延材Aの各圧延段階において、最終H形鋼製品のフランジに相当する部位をフランジ部12と呼称し、そのフランジ部12の一方を薄肉フランジ部12a、他方を厚肉フランジ部12bと呼称する場合がある。また、ウェブに相当する部分をウェブ部20と呼称する場合がある。
図1に示すように、製造ラインTでは、加熱炉2から抽出された例えばスラブやブルームといった素材11である被圧延材Aが粗圧延機列4において粗圧延される。次いで、中間圧延機列5において中間ユニバーサル圧延される。通常の場合、粗圧延機列4には例えばブレイクダウンミルや粗圧延機等が複数スタンド配置され、それらスタンドのロールには、例えば合計で4~6個程度の孔型が刻設されている。これら孔型を経由して数10パス程度のリバース圧延を行うことで左右非対称のドッグボーン形状のH形粗形材13が造形される。ここで造形されるH形粗形材13の左右のフランジに相当する部位の厚み比は、最終製品の左右フランジ厚み比を中間圧延以降で造形するに好適な比率とされる。次いで、H形粗形材13に対し中間圧延機列5において所定の圧延が行われ、左右非対称の中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8での1方向1パス圧延の仕上圧延により最終製品形状となり、非対称H形鋼製品16が製造される。
(中間圧延機列の構成の概要)
次に、図1に示した中間圧延機列5の構成の概要について説明する。図2は中間圧延機列5の構成の一例を示す概略説明図である。なお、図2に示す構成は一例であり、本発明における中間圧延機列5の構成はこれに限定されるものではない。
図2に示すように、中間圧延機列5は7基の中間ユニバーサル圧延機U1~U7と、4基のエッジャー圧延機E1~E4から構成されている。中間ユニバーサル圧延機U1~U7は水平ロールでウェブ厚、竪ロールでフランジ厚を圧下し、最終的に略製品の厚みに圧延造形するユニバーサル圧延機である。また、エッジャー圧延機E1~E4はユニバーサル圧延機で未圧下となるフランジ先端部を整形する補助的な役割を有する圧延機である。図示の構成では、上流から順にU1~U7を配置した構成において、U1とU2の間にE1が配置され、U3とU4の間にE2が配置され、U5とU6の間にE3が配置され、U6とU7の間にE4が配置されている。このように構成される中間圧延機列5において被圧延材Aに対し1方向での1圧延機1パス圧延を施すことで中間材14は造形される。
(中間ユニバーサル圧延機の概略的な構成)
次に、図2に示した中間圧延機列5を構成する中間ユニバーサル圧延機U1~U7について説明する。図3は中間ユニバーサル圧延機U1のロール構成についての概略説明図(正面断面図)であり、(a)がロール構成の概略、(b)が圧延時の断面概略を示している。図3に示すように、中間ユニバーサル圧延機U1には、上下一対の水平ロール21、22と、左右一対の竪ロール31、32が設けられている。水平ロール21、22は、そのロール周面が被圧延材Aのウェブ部20に当接可能に構成され、そのロール側面の一部がフランジ部12(12a、12b)の内面に当接可能に構成されている。また、竪ロール31、32は、そのロール周面がフランジ部12(12a、12b)の外面に当接可能に構成されている。図示の構成では、一方の竪ロール31の周面が薄肉フランジ部12aの外面に当接し、他方の竪ロール32の周面が厚肉フランジ部12bの外面に当接する構成となっている。なお、図3では、各ロールのロール軸や圧延機筐体等の構成は図示を省略している。
図3に示す中間ユニバーサル圧延機U1では、被圧延材Aのウェブ部20に対し、水平ロール21、22の周面が当接し、当該ウェブ部20の厚み方向に対して圧下が加えられる。また、被圧延材Aのフランジ部12(12a、12b)に対し、水平ロール21、22の側面の一部が当該フランジ部12(12a、12b)の内面に当接し、フランジ部12の内側面を押し広げるような、いわゆる内法拡幅が行われる。加えて、被圧延材Aのフランジ部12(12a、12b)に対し、水平ロール21、22の側面の一部が当該フランジ部12(12a、12b)の内面に当接し、竪ロール31、32の周面がフランジ部12(12a、12b)の外面に当接し、当該フランジ部12(12a、12b)の厚み方向に対して圧下が加えられる。このようにして、被圧延材Aのフランジ部12(12a、12b)及びウェブ部20が所定の厚みに圧下される。
図3には、中間ユニバーサル圧延機U1の概略的構成を例として図示したが、中間圧延機列5に配置される7基の中間ユニバーサル圧延機U1~U7はいずれも同じようなロール構成を有している。これら中間ユニバーサル圧延機U1~U7では原則として1方向での1圧延機1パス圧延が行われ、後段の圧延機(圧延スタンド)に被圧延材Aは順次送られる。
一般的なH形鋼のユニバーサル圧延では、左右フランジ部の圧下率を等しくすることで、ユニバーサル圧延での被圧延材Aの曲がりは抑制できると考えられていた。しかしながら、本発明者らの検討によれば、圧延条件によっては左右フランジ部の圧下率が等しくても大きな曲がりが発生し、通材不良となる場合があることが分かっている。そこで本発明者らは、これら中間ユニバーサル圧延機U1~U7での圧延に関し、数値解析によって左右フランジ厚みの異なる非対称な被圧延材Aに対する圧延特性を調査し、適正な圧延条件を見出すべく鋭意検討を行った。本検討結果については、グラフ等を参照して後述する。
(エッジャー圧延機の概略的な構成)
次に、エッジャー圧延機E1~E4の概略的な構成について説明する。図4はエッジャー圧延機E1のロール構成についての概略説明図(正面断面図)である。図4に示すように、エッジャー圧延機E1には、上下一対の水平ロール41、42が設けられている。水平ロール41、42は、そのロール周面の一部が左右のフランジ部12(12a、12b)のフランジ幅方向先端部のみに当接可能に構成されている。
図4に示すエッジャー圧延機E1では、被圧延材Aの左右フランジ部12(12a、12b)の幅方向先端部のみに対し上下水平ロール41、42の周面が当接し、中間ユニバーサル圧延機U1~U7で未圧下となるフランジ部12の先端部の整形が軽圧下によって行われる。図4には、エッジャー圧延機E1の概略的構成を例として図示したが、4基のエッジャー圧延機E1~E4はいずれも同じようなロール構成を有している。このようなエッジャー圧延は、中間ユニバーサル圧延機U1~U7からなる圧延機列の任意のスタンド間で1方向1パス圧延にて行われ、一例として、図2の構成ではU1とU2の間、U3とU4の間、U5とU6の間、U6とU7の間、でそれぞれ行われる。
(非対称な被圧延材Aのユニバーサル圧延での圧延特性)
本発明者らは、略H形形状の非対称な被圧延材Aに対し、例えば中間ユニバーサル圧延機U1~U7において内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う場合に関し、その圧延特性の検討を行った。図5は、ウェブ内法448mm、フランジ厚32mm/16mm、ウェブ厚14mmの被圧延材A(H形粗形材13)に対し、厚肉フランジ部の圧下率0.34、ウェブ圧下率0.31、内法拡幅量8mmと固定した条件で薄肉フランジ部の圧下率を変えた場合の圧延時の曲がりを数値解析したグラフである。なお、図5のグラフでは、曲がりの評価は、被圧延材Aのロールバイト出口からの距離に応じたウェブ高さ中心位置のずれによって行い、参考として内法拡幅を行わない場合のグラフも記載している。
図5に示すように、厚肉フランジ部の圧下率と薄肉フランジ部の圧下率を等しくした場合(両方0.34とした場合)、被圧延材Aは厚肉フランジ方向(以下、厚手側とも記載)に大きく曲がっていることが分かる。そして、薄肉フランジ部12aの圧下率が小さくなるにつれて厚手側への曲がりが抑制され、薄肉フランジ部12aの圧下率を0.28とした条件でほぼ曲がりが解消されている。なお、薄肉フランジ部12aの圧下率を0.26とした条件では薄肉フランジ方向(以下、薄手側とも記載)への曲がりが生じていることが分かる。
このように、厚肉フランジ部12bの圧下率と薄肉フランジ部12aの圧下率に差をつけることで、被圧延材Aの曲がりの抑制を図ることができる一方、H形粗形材のフランジ厚み比を製品のフランジ厚み比に比べ大きくしなくてはならないことや、圧下率差に応じて左右フランジ幅差が大きくなることなどの問題点があり、所望形状の最終製品を得ることが困難である。
このような事情に鑑み、本発明者らは、厚肉フランジ部12bの圧下率と薄肉フランジ部12aの圧下率を等しくした場合に、厚手側に曲がりが生じる現象について更なる検証を行った。図6は、厚肉フランジ部12bの圧下率と薄肉フランジ部12aの圧下率を等しくした条件下における、被圧延材Aの各部位(厚手側フランジ、ウェブ中央、薄手側フランジ)の幅方向移動量の推移(ウェブ高方向移動量)と、各フランジ(厚手側フランジ、薄手側フランジ)幅の広がり量の推移(フランジ幅広がり)を示したグラフである。なお、図6のグラフの横軸は対象ロールの最圧下点を0とした時の距離を示す。
図6に示すように、薄手側フランジ幅が一旦減少した後に、竪ロールの当接により幅広がりしているのに対し、厚手側フランジ幅は減少することなく竪ロールの当接により幅広がりしている。この結果から、ユニバーサル圧延時時に拡幅圧延を伴う場合、水平ロール側面によりフランジ内側面を押し広げる圧延造形が行われるが、その際に薄手側フランジのフランジ幅のみが減少していることが分かった。即ち、厚肉フランジ部12bの圧下率と薄肉フランジ部12aの圧下率を等しくしたとしても、両者の減面率は等しくならず薄肉フランジ部12aの減面率の方が大きくなるとの現象が見られる。このような現象は、フランジ厚が薄い場合、水平ロール側面の摩擦力により薄肉フランジ部12a全体が下方に押圧されるように圧延造形されることに起因すると考えられる。
図7は、薄肉フランジ部12aにのみ押し下げが生じた場合の被圧延材の変形に関する概略説明図である。図7に示すように、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し拡幅圧延を伴うユニバーサル圧延を行う場合、上述したように、薄手側フランジのフランジ幅のみが減少し、薄肉フランジ部12aの減面率の方が大きくなる(図7中の斜線部参照)。薄肉側フランジ幅の減少した分の肉量は、被圧延材Aの長手方向(圧延方向)への伸びに転嫁されるため、薄手側のフランジ延伸が厚手側に比べ大きくなり、その結果として曲がりが生じているものと考えられる。
(曲がりの発生しない適正な圧延条件)
以上検討したような圧延特性に鑑み、本発明者らは、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し拡幅圧延を伴うユニバーサル圧延を行う場合の、内法拡幅量とフランジ幅の減少率との関係を数値解析により調査し、適正な圧延条件について鋭意検討を行った。
本発明者らは、上述したように、被圧延材Aの曲がりの発生の原因がフランジ幅の減少にあることに鑑み、一般的な略H形形状の被圧延材に対し内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う際の、内法拡幅量とフランジ幅減少率との関係を数値解析により調査した。図8は、一般的な略H形形状の被圧延材に対し拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う際の、片側内法拡幅量/フランジ厚とフランジ幅減少率との関係を示すグラフであり、フランジ厚が16.0mm~32.0mmの各値である場合についての調査結果である。なお、フランジ厚16.0mmの場合のみ圧下率0.2(20%)、0.25(25%)、0.3(30%)での数値を算出し、その他のフランジ厚については圧下率0.25(25%)での数値を算出した。
図8に示すように、フランジ幅の減少率は圧下率によらず内法拡幅量とフランジ厚の比で整理され、いずれの条件でも概ね同様の傾向となることが分かる。そして、いずれの条件下においても片側内法拡幅量/フランジ厚が0.1を超えると急激にフランジ幅が減少する傾向がある。図8の解析結果に基づき、内法拡幅を伴うユニバーサル圧延では、内法拡幅量/フランジ厚が0.2を超えるとフランジ幅が減少するとの結果が得られたため、内法拡幅量/フランジ厚を0.2以下(20%以下)とすることでフランジ幅の減少が抑えられ、フランジ幅の減少に伴う減面率の左右差の影響なく通材させることが可能となる。
以上の図8に示す解析結果から、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う際の、各圧延機でのウェブ内法拡幅量をΔBi、各圧延機での圧延前の薄手側フランジ厚をtfとすると、以下の式(1)を満たす圧延条件とすることで曲がり等の通材不良を抑制させ、安定的に圧延造形を実施することが可能であることが示された。
0<ΔBi≦0.2tf ・・・(1)
ここで、ΔBiの値が0超なのは、式(1)はウェブ内法拡幅を行う条件下での圧延特性を規定しているからである。
なお、被圧延材Aに対し内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行う際の内法拡幅量は左右フランジ厚の合計未満とすることが好ましい。これは、フランジ厚以上の内法拡幅量を採ろうとすると、水平ロール側面でフランジ内面を押し広げる(拡幅する)前に、水平ロール平行部(周面部)でフランジ先端を圧下してしまう懸念があるからである。即ち、水平ロール平行部でフランジを幅方向に過剰に圧下することになり、フランジ座屈やフランジを押し潰すといった形状不良を伴う圧延造形となってしまう恐れがあるからである。
(曲がり等の通材不良を抑制させる技術)
上記の通り、式(1)を満たす圧延条件でユニバーサル圧延を行うことで、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し、曲がり等の通材不良を抑制させ、安定的に圧延造形を実施することができるが、一方で、設備条件等の理由により、上記式(1)を満たす圧延条件が実現されない場合には、左右のフランジ部(薄肉フランジ部12a及び厚肉フランジ部12b)に対する厚み圧下率を等しくした上で、曲がりを抑制させるための何らかの手段を講じる必要がある。
本発明者らは、図7等を参照して上述したように、曲がりの発生メカニズムが左右のフランジ幅拡がり量の差(即ち、実減面率の左右差)に起因するものであることに着目し、略H形断面の被圧延材Aのユニバーサル圧延時に左右のフィレット部の減面率を非対称にすることで曲がりの発生を抑制することができると考え、左右のフィレット部の圧下状態(減面率)の曲がりへの影響について検討を行った。なお、上記「フィレット部」とは、被圧延材Aのフランジ部12とウェブ部20の接続部において曲率半径(R)を有する付け根に相当する部位を指す。
図9はフィレット部50の概略説明図である。ここで、図9では一例として厚肉フランジ部12bとウェブ部20との接続部を拡大して図示しているが、薄肉フランジ部12aとウェブ部20との接続部も同様のフィレット部50を有する。図9に示すように、フィレット部50は、フランジ部12とウェブ部20の接続部における付け根に位置する曲率半径を有する部位である。具体的には、フランジ部12とウェブ部20の接続部において、フランジ部12の内側面12’の延長線と、ウェブ部20の表面20’の延長線と、接続部外面に囲まれた部分(図9中の斜線部)である。
また、図9中の拡大図に示すように、フィレット部50の面積は幾何学計算により求まる。求まった面積をフィレット部50の幅で割った値をフィレット部50の平均厚みとし、その平均厚み(AR0/bR0あるいはAR/bR)でもってフィレット部50の平均圧下率(以下、単に圧下率とも記載)は算定される。例えば、被圧延材Aのユニバーサル圧延において、ウェブ部20の圧延前厚みをtw0、圧延後厚みをtw、フィレット部50の圧延前面積をAR0、圧延後面積をAR、圧延前幅をbR0、圧延後幅をbR、とすると、フィレット部50の平均圧下率rfrは以下の式(2)で表される。
rfr=(tw0+AR0/bR0-tw-AR/bR)/(tw0+AR0/bR0) ・・・(2)
図10は、フィレット部50の圧下状態と曲がりの関係を示すグラフであり、左右対称のフィレット部50を備えた略H形断面の被圧延材Aに対し、ユニバーサル圧延機の水平ロールにおける厚手側のフィレット対応部の曲率半径を固定(=30mm)した状態で、薄手側のフィレット対応部の曲率半径(即ち、圧延後の薄手側フィレット部の曲率半径であり、図中横軸の薄手側フィレットR)を30~33.5mmで変化させた際の曲がり量の変化を示したものである。なお、図10(a)はウェブ高さ448mm、フランジ厚32mm/16mm、ウェブ厚14mm、フランジ圧下率0.34、ウェブ圧下率0.31、圧延前のフィレット部曲率半径34mmとの寸法の被圧延材(圧延前)を用いたデータであり、図10(b)はウェブ高さ480mm、フランジ厚48mm/32mm、ウェブ厚20mm、フランジ圧下率0.33、ウェブ圧下率0.30、圧延前のフィレット部曲率半径39mmとの寸法の被圧延材(圧延前)を用いたデータである。また、図中縦軸の曲がり量としては、ユニバーサル圧延機の1.5m下流での曲がり量を用いた。
また、図11は図10の結果を左右のフィレット部50の圧下率差で整理したデータであり、フィレット部50の左右圧下率差と曲がりの関係を示すグラフである。図11(a)、(b)は上記図10(a)、(b)に対応した条件のデータであり、図11(c)は(a)、(b)を重ねたものである。図11に示すグラフから、フィレット部50の左右圧下率差と曲がり量との間には線形関係があることが読み取れる。
また、図11(a)、(b)の比較からは、被圧延材A(圧延前)の寸法に応じてフィレット部50の左右圧下率差と曲がり量との間の関係は異なるものの、いずれの場合も線形関係であるため、通材可能な曲がり量の許容範囲(通材可能範囲)を定めることで、通材可能であるようなフィレット部50の左右圧下率差の数値範囲が規定できることが分かる。例えば、図示のように1.5m下流での曲がり量の許容範囲を経験値から±15mmと定めると、図11(a)の場合はフィレット部50の左右圧下率差が約0.025~0.06の範囲が適正範囲に規定され、図11(b)の場合はフィレット部50の左右圧下率差が約0.015~0.053が適正範囲に規定される。これら図11(a)と(b)を重ねて示した図11(c)に基づき、例えばフィレット部50の左右圧下率差は0.025~0.053の範囲を適正範囲に設定することが好ましいと言える。
以上、図9~図11を参照して得られた知見から、左右非対称の被圧延材Aにユニバーサル圧延を行う場合に、フィレット部50に対する左右圧下率差が所定の適正範囲内に収まるように圧延することで、曲がり量を許容範囲(例えば±15mm)に抑えることが可能となり、通材性の向上が図られることが分かる。
(フィレット部の左右圧下率差を調整する手段)
ユニバーサル圧延において、被圧延材Aのフィレット部50の左右圧下率差を調整する手段としては、フィレット部50の左右圧下率差を所定の適正範囲とする前段階工程において、被圧延材Aのフィレット部50の形状(曲率半径)を左右(薄手側と厚手側)で非対称とすることが考えられる。例えば、中間圧延機列5におけるユニバーサル圧延においてフィレット部50の左右圧下率差を所定の適正範囲にする際には、粗圧延機列4で造形されたH形粗形材13の断面形状をフィレット部50(以下、フィレット部50a、50bとも記載)が左右非対称となるように構成することが望ましい。
なお、被圧延材Aのフィレット部50の左右圧下率差を調整する手段として、ユニバーサル圧延の水平ロールの形状を左右非対称とし、左右対称形状のフィレット部を左右非対称形状の水平ロールで圧下することで圧下率の調整を図ることも考え得る。しかしながら、このような方法を採ると左右非対称なフィレット部が残存し、製品のフィレット部も左右非対称となってしまうため好ましくない。
図12は、左右非対称なフィレット部50(50a、50b)を圧延造形するのに用いられ、粗圧延機列4を構成する粗圧延機に設けられる孔型の形状の一例を示す概略説明図であり、破線は前段孔型形状を示し、実線は後段(当該)孔型形状を示す。例えば、粗圧延機列4がR1、R2の2スタンドで構成される場合、R1が前段孔型を備え、R2が後段孔型を備える、といった孔型構成が考えられる。ここで、図12(a)は孔型形状、(b)は前段孔型での圧延後(後段孔型圧延前)の被圧延材A形状、(c)は後段孔型での圧延後の被圧延材A形状、をそれぞれ示している。
図12に示すように、粗圧延機における圧延造形は前段の上下孔型ロール51a、51bから導出された被圧延材Aに対し、後段の上下孔型ロール52a、52bを用いた孔型圧延により行われる。ここで、前段の上下孔型ロール51a、51bにおいて、左右対称に造形されたフィレット部50に対し、後段の上下孔型ロール52a、52bの左右のフィレット対応部54、55(厚手側フィレット対応部54、薄手側フィレット対応部55)の形状を非対称とすることで左右のフィレット部50(50a、50b)に対する圧下率を異なるものとし、所定の左右圧下率差を設けることが可能となる。
具体的には、例えば前段の上下孔型ロール51a、51bにおいては、左右フィレット部50の曲率半径を対称に造形し、後段の上下孔型ロール52a、52bにおいては、厚手側フィレット対応部54の曲率半径を75mm、薄手側フィレット対応部55の曲率半径を45mmとする。このような孔型形状とすることで、左右のフィレット部50(厚手側50a、薄手側50b)に対する圧下率を「厚手側>薄手側」とし、左右圧下率に差を設けることができる。なお、ここで設ける左右圧下率差は、図11に示したデータに基づき、例えば0.025~0.053とすることが好ましい。
なお、左右フィレット部50(50a、50b)に対し左右圧下率差を設けるような、より詳細で具体的なパススケジュールについては、実施例において後述する。
(作用効果)
以上、図8に示す解析結果に基き算出された式(1)で示す圧延条件下で、左右のフランジ厚が異なる被圧延材Aに対し内法拡幅を伴うユニバーサル圧延を行うことで、圧下率によらずフランジ幅の減少が抑えられ、フランジ幅の減少に伴う減面率の左右差の影響なく通材させることができる。例えば、製品と同じ左右フランジ厚み比を有するH形粗形材13に対し、左右同じ圧下率でもってユニバーサル圧延を施し、最終製品である非対称H形鋼製品を製造する場合に、各ユニバーサル圧延の圧延条件を式(1)で示す圧延条件とすることで通材不良を抑えることができる。
即ち、既存の設備(既存の構成のユニバーサル圧延機)において非対称H形鋼製品を製造するにあたり、圧延条件を調整するだけで、圧延造形時の被圧延材Aの曲がりの発生を抑え、通材性を向上させ、圧延の安定化を実現させることができる。これにより安定的に非対称H形鋼を製造することができ、生産性の向上が図られる。
また、製品と同じ左右フランジ厚み比を有するH形粗形材13に対し、左右同じ圧下率でもってユニバーサル圧延を施すにあたり、上記式(1)を満たさないような圧延条件下であっても、左右のフィレット部50(50a、50b)に対する左右の圧下率に差を設けることで、圧延造形時の被圧延材Aの曲がりを抑えることができる。特に、左右圧下率差が所定の適正範囲内に収まるように圧延することで、効果的に圧延造形時の被圧延材Aの曲がりの発生を抑え、通材性を向上させ、圧延の安定化を実現させることができる。これにより安定的に非対称H形鋼を製造することができ、生産性の向上が図られる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態では、本発明技術を中間ユニバーサル圧延機U1~U7に適用する場合を例示して説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではない。即ち、本発明技術はユニバーサル圧延機に全般的に適用可能であり、中間ユニバーサル圧延機U1~U7に限らず、仕上ユニバーサル圧延機8に適用することも可能である。また、中間圧延機列5を構成する任意のスタンドに適用しても良く、全てのスタンドに適用しても良い。また、エッジャー圧延機E1~E4の構成についても、図4に例示した構成以外のものを用いる場合にも適用できる。また、素材としては矩形断面のスラブやブルームのほか、連続鋳造されたビームブランクといった素材を使用して非対称H形鋼を製造する場合にも適用できる。
上記実施の形態で図1~4を参照して説明した構成の製造ラインTにおいて、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼(幅492mmウェブ厚6mm厚肉フランジ厚12mm薄肉フランジ厚8mm)を以下の表1で示すパススケジュールでもって圧延造形した。なお、表1における「共通」は実施例と比較例に共通する圧延条件であり、実施例では粗圧延工程の仕上り断面(被圧延材断面)において厚手側のフィレット部曲率半径(フィレットR)を75mmとし、薄手側のフィレット部曲率半径45mmとで左右非対称とした。一方で、比較例では、厚手側のフィレット部曲率半径(フィレットR)を45mmとし、薄手側のフィレット部曲率半径45mmと等しくし、左右圧下率差を設けなかった。なお、表1には、フィレット部の左右非対称性に伴い生じた(左右)圧下率差も記載している。
Figure 0007280504000001
表1のように、実施例では、U1~U3においてフィレット部に対する左右圧下率差が特に大きく設けられている。これにより、ユニバーサル圧延時、特にU1~U3での圧延時に、左右のフィレット部の減面率を非対称にし、曲がりの発生が抑制され、その結果、実施例では通材不良が生じることなく圧延が実施できた。
一方、比較例では、フィレット部に対する左右圧下率差を設けなかったため、左右のフランジ部減面率の左右差に起因し、曲がりが生じた。その結果、比較例ではU2での被圧延材の曲がりが大きく通材不良となり、U3以降の圧延が実施不可能であった。
本発明は、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼をユニバーサル圧延によって製造する製造方法に適用できる。
1…圧延設備
2…加熱炉
4…粗圧延機列
5…中間圧延機列
8…仕上ユニバーサル圧延機
11…素材
12…フランジ部
12a…薄肉フランジ部
12b…厚肉フランジ部
13…H形粗形材
14…中間材
16…非対称H形鋼製品
20…ウェブ部
21、22…(中間ユニバーサル圧延機の)水平ロール
31、32…(中間ユニバーサル圧延機の)竪ロール
41、42…(エッジャー圧延機の)水平ロール
50…フィレット部
50a…フィレット部(厚手側)
51a、51b…(前段の)上下孔型ロール
52a、52b…(後段の)上下孔型ロール
50b…フィレット部(薄手側)
54…厚手側フィレット対応部
55…薄手側フィレット対応部
U1~U7…中間ユニバーサル圧延機(中間ユニバーサル圧延スタンド)
E1~E4…エッジャー圧延機
A…被圧延材
T…製造ライン

Claims (4)

  1. 左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼の製造方法であって、
    1又は複数の中間ユニバーサル圧延機を有する中間圧延機列で行われる中間圧延工程と、
    仕上ユニバーサル圧延機で行われる仕上圧延工程と、を含み、
    前記中間圧延工程及び前記仕上圧延工程でのユニバーサル圧延において被圧延材の左右フランジ部に対する厚み圧下率が等しい圧延条件下で、
    ユニバーサル圧延の圧延条件が以下の式(1)を満たす場合には、当該圧延条件下のままユニバーサル圧延を行い、
    ユニバーサル圧延の圧延条件が以下の式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における厚手側フィレット部の平均圧下率が薄手側フィレット部の平均圧下率よりも大きい圧延条件でもってユニバーサル圧延を行うことを特徴とする、非対称H形鋼の製造方法。
    0<ΔBi≦0.2tf ・・・(1)
    但し、ΔBi:各圧延機でのウェブ内法拡幅量、tf:各圧延機での圧延前の薄手側フランジ厚であり、フィレット部の平均圧下率rfrは以下の式(2)で定まる。
    rfr=(tw0+AR0/bR0-tw-AR/bR)/(tw0+AR0/bR0) ・・・(2)
    ここで、tw0:圧延前のウェブ厚、tw:圧延後のウェブ厚、AR0:圧延前のフィレット部面積、AR:圧延後のフィレット部面積、bR0:圧延前のフィレット部幅、bR:圧延後のフィレット部幅、である。
  2. ユニバーサル圧延の圧延条件が前記式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における前記厚手側フィレット部の平均圧下率と前記薄手側フィレット部の平均圧下率との圧下率差と、当該ユニバーサル圧延における被圧延材の曲がり量との関係に基づき、前記圧下率差を定めることを特徴とする、請求項1に記載の非対称H形鋼の製造方法。
  3. ユニバーサル圧延の圧延条件が前記式(1)を満たさない場合には、当該ユニバーサル圧延における前記厚手側フィレット部の平均圧下率と前記薄手側フィレット部の平均圧下率との圧下率差が0.025~0.053となる圧延条件でもってユニバーサル圧延を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の非対称H形鋼の製造方法。
  4. 前記中間圧延工程及び前記仕上圧延工程は、1方向での1圧延機1パス圧延で行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の非対称H形鋼の製造方法。
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