JP7343779B2 - 左右フランジ厚みの異なる非対称h形鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
粗形材に対し、中間ユニバーサル圧延機及びエッジャー圧延機を含む中間圧延機列においてリバース圧延でもって中間材を圧延造形する中間圧延工程と、を備え、
前記中間圧延工程におけるリバース圧延では、前記中間ユニバーサル圧延機での圧延に引き続いて前記エッジャー圧延機への噛み込みを伴うパスでは左右のフランジ延伸が等しい圧延条件でもって圧延造形を行い、前記中間ユニバーサル圧延機での圧延後に前記エッジャー圧延機への噛み込みを伴わないパスでは左右フランジ延伸比αが以下の式(6)を満たすような圧延条件で圧延造形を行うことを特徴とする、非対称H形鋼の製造方法が提供される。
1<α<1+2Bi・γ・Lf/{{γ・Lf}2+D・Lf-Lf2} ・・・(6)
但し、Bi:被圧延材のウェブ内法、Lf:被圧延材のフランジ片幅、D:中間ユニバーサル圧延機の水平ロール径、γ:中間ユニバーサル圧延機の水平ロール側面の勾配、α:エッジャー圧延機への噛み込みを伴わないパスでの中間ユニバーサル圧延機における左右フランジの延伸λ1、λ2がλ2>λ1である場合に、λ2/λ1で規定される延伸比、である。
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1において構成される、左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼(いわゆる異厚H形鋼)の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、粗圧延機列4、中間圧延機列5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。また、本明細書では、被圧延材Aは圧延方向左右にフランジ部が位置するいわゆる「H姿勢」にて圧延造形されるものとして説明する。また、被圧延材Aの各圧延段階において、最終H形鋼製品のフランジに相当する部位をフランジ部12と呼称し、そのフランジ部12の一方(例えば薄肉側)をフランジ部12a、他方(例えば厚肉側)をフランジ部12bと呼称する場合がある。また、ウェブに相当する部分をウェブ部20と呼称する場合がある。
次に、図1に示した中間圧延機列5の構成の概要について説明する。図2は中間圧延機列5の構成の一例を示す概略説明図である。なお、図2に示す構成は一例であり、本発明における中間圧延機列5の構成はこれに限定されるものではない。
次に、図2に示した中間圧延機列5に配置される中間ユニバーサル圧延機U1について説明する。図3は中間ユニバーサル圧延機U1のロール構成についての概略説明図(正面断面図)であり、(a)がロール構成の概略、(b)が圧延時の断面概略を示している。図3に示すように、中間ユニバーサル圧延機U1には、上下一対の水平ロール21、22と、左右一対の竪ロール31、32が設けられている。水平ロール21、22は、そのロール周面が被圧延材Aのウェブ部20に当接可能に構成され、そのロール側面の一部がフランジ部12(12a、12b)の内面に当接可能に構成されている。また、竪ロール31、32は、そのロール周面がフランジ部12(12a、12b)の外面に当接可能に構成されている。なお、図3では、各ロールのロール軸や圧延機筐体等の構成は図示を省略している。
次に、エッジャー圧延機E1の概略的な構成について説明する。図4はエッジャー圧延機E1のロール構成についての概略説明図(正面断面図)である。図4に示すように、エッジャー圧延機E1には、上下一対の水平ロール41、42が設けられている。水平ロール41、42は、そのロール周面の一部が左右のフランジ部12(12a、12b)のフランジ幅方向先端部のみに当接可能に構成されている。
以上、図2~4を参照して説明した中間ユニバーサル圧延機U1とエッジャー圧延機E1はタンデムに構成されており、中間圧延工程では、この中間圧延機列5において被圧延材Aに対しリバース圧延により複数パスでの圧延造形が実施される。即ち、図2に示す中間圧延機列5においては、上流側から下流側に向かう方向(図中の左から右方向)を圧延方向とするパスと、下流側から上流側に向かう方向(図中の右から左方向)を圧延方向とするパスと、を同一の被圧延材Aに対し繰り返し行うことで圧延造形が進められる。
図7は、被圧延材Aに曲がりが発生した場合のユニバーサル圧延機(U1)の圧延ロールからのずれ量(左右フランジ位置のずれ量)に関する概略説明図であり、(a)はユニバーサル圧延機の概略側面図、(b)はユニバーサル圧延機の概略平面図である。なお、図面の簡略化のため、図7では被圧延材Aの長手方向端部に注視して図示し、図7(a)では竪ロールを省略している。
r=Bi/(α-1) ・・・(1)
ここで、Biは被圧延材Aのウェブ内法、αはフランジ部12(12a、12b)の左右延伸比であり、以下では左右フランジ延伸比α、あるいは単に延伸比αと記載する。
XL=(D・Lf-Lf2)0.5 ・・・(2)
そして、曲率半径rに対する上記距離XLでの左右フランジ部の曲がりに伴うずれ量(以下、単にずれ量とも記載)δは、幾何学的に以下の式(3)で表される。
δ=r-(r2-XL2)0.5=r-(r2-D・Lf+Lf2)0.5 ・・・(3)
δlmt=γ・Lf ・・・(4)
ここで、γとはフランジ部12の勾配であり、このフランジ部12の勾配γとは、フランジ部12の鉛直方向からの傾斜角(即ち、水平ロール21、22の側面の傾斜角)をφ(図6参照)とした場合にtanφで表される値である。
α<1+2Bi・γ・Lf/{{γ・Lf}2+D・Lf-Lf2} ・・・(5)
なお、上述したように1<αであることから、通材性を損なうことなく左右非対称の中間材14を圧延造形するための条件としては、以下の式(6)が導出される。
1<α<1+2Bi・γ・Lf/{{γ・Lf}2+D・Lf-Lf2} ・・・(6)
以上の知見から、ユニバーサル圧延機(U1)を含むような圧延機列においてリバース圧延によって左右非対称な中間材14を圧延造形する場合に、エッジャー圧延機(E1)への噛み込みを伴うパス(図5(a)参照)では左右のフランジ延伸が等しい圧延条件でもって圧延造形を行い、エッジャー圧延機(E1)への噛み込みを伴わないパス(図5(b)参照)では左右フランジ延伸比αを、上記式(6)を満たすような範囲内において左右の圧下率を不均一とすることで通材性に問題を生じることなくリバース圧延が実施可能であることが分かる。
以上説明したように、粗圧延工程において造形された粗形材に対し、ユニバーサル圧延機(U1)を含むような圧延機列においてリバース圧延によって左右非対称な中間材14を圧延造形する場合に、エッジャー圧延機(E1)への噛み込みを伴うパス(図5(a)参照)では左右のフランジ延伸が等しい圧延条件でもって圧延造形を行い、エッジャー圧延機(E1)への噛み込みを伴わないパス(図5(b)参照)では左右フランジ延伸比αが上記式(6)を満たすような圧延条件で圧延造形を行うといった方法を採ることで、通材不良を起こすことなく左右フランジ厚みの異なる中間材14が圧延造形される。即ち、リバース圧延の圧延方向(パス方向)に応じて圧下率条件を変えて設定することで、ユニバーサル圧延機でのリバース圧延における左右フランジ厚みの異なる中間材14の安定した圧延造形が実現される。
実施例1、比較例1は、粗形材の寸法が、ウェブ厚が34mm、ウェブ内法が470mm、左右フランジ厚が共に80mmであるような被圧延材を用い、最終製品としては断面寸法が500mm×200mm×6mm×13mm‐9mmであるような異厚H形鋼を製造する場合の中間圧延工程のパススケジュールである。実施例1、比較例1で用いた水平ロールのロール径Dは1200mm、フランジ部勾配γは6%、被圧延材のウェブ内法Biは478mmである。また、フランジ片幅Lfは100mmとなるようにエッジャー圧延機の圧下を調整した。従って、上記式(6)から求められる、許容される左右フランジ延伸比αは1.052未満(α<1.052)である。また、以下の表1、2中の一部パスでは延伸比αが1前後の値(0.997~1.006)となっているが、これは操業上のばらつきによるものであり、このようなパスは延伸比がほぼ等しい条件とみなしてよい。
また、実施例2、比較例2は、粗形材の寸法が、ウェブ厚が34mm、ウェブ内法が470mm、左右フランジ厚が一方は80mm、他方は72.5mmであるような被圧延材を用い、最終製品としては断面寸法が500mm×200mm×6mm×13mm‐9mmであるような異厚H形鋼を製造する場合の中間圧延工程のパススケジュールである。水平ロールのロール径D、フランジ部勾配γ、被圧延材のウェブ内法Bi、フランジ片幅Lfは上記実施例1、比較例1と同様であり、許容される左右フランジ延伸比αは1.052未満(α<1.052)である。また、以下の表3、4中の一部パスでは延伸比αが1前後の値(0.997~1.006)となっているが、これは操業上のばらつきによるものであり、このようなパスは延伸比がほぼ等しい条件とみなしてよい。
2…加熱炉
4…粗圧延機列
5…中間圧延機列
8…仕上ユニバーサル圧延機
11…素材
12(12a、12b)…フランジ部
13…粗形材
14…中間材
16…非対称H形鋼製品
20…ウェブ部
21、22…(中間ユニバーサル圧延機の)上下水平ロール
31、32…(中間ユニバーサル圧延機の)左右竪ロール
41、42…(エッジャー圧延機の)上下水平ロール
50(50a、50b)…ガイド機構
U1…中間ユニバーサル圧延機
E1…エッジャー圧延機
A…被圧延材
T…製造ライン
Claims (3)
- 左右フランジ厚みの異なる非対称H形鋼の製造方法であって、
粗形材に対し、中間ユニバーサル圧延機及びエッジャー圧延機を含む中間圧延機列においてリバース圧延でもって中間材を圧延造形する中間圧延工程と、を備え、
前記中間圧延工程におけるリバース圧延では、前記中間ユニバーサル圧延機での圧延に引き続いて前記エッジャー圧延機への噛み込みを伴うパスでは左右のフランジ延伸が等しい圧延条件でもって圧延造形を行い、前記中間ユニバーサル圧延機での圧延後に前記エッジャー圧延機への噛み込みを伴わないパスでは左右フランジ延伸比αが以下の式(6)を満たすような圧延条件で圧延造形を行うことを特徴とする、非対称H形鋼の製造方法。
1<α<1+2Bi・γ・Lf/{{γ・Lf}2+D・Lf-Lf2} ・・・(6)
但し、Bi:被圧延材のウェブ内法、Lf:被圧延材のフランジ片幅、D:中間ユニバーサル圧延機の水平ロール径、γ:中間ユニバーサル圧延機の水平ロール側面の勾配、α:エッジャー圧延機への噛み込みを伴わないパスでの中間ユニバーサル圧延機における左右フランジの延伸λ1、λ2がλ2>λ1である場合に、λ2/λ1で規定される延伸比、である。 - 前記粗形材は粗圧延工程において圧延造形され、
前記粗圧延工程で圧延造形される粗形材の断面形状は、略H形状であることを特徴とする、請求項1に記載の非対称H形鋼の製造方法。 - 前記粗形材は粗圧延工程において圧延造形され、
前記粗圧延工程で圧延造形される粗形材の断面形状は、左右対称であり、左右フランジ厚が等しい形状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の非対称H形鋼の製造方法。
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