JP7295397B2 - 形鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含むH形鋼の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。また、中間ユニバーサル圧延機5に近接してエッジャー圧延機9が設けられている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、その形状に関わらず総称して同一の符号を用い「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を図示する場合がある。
次に、粗圧延機4でのH形粗形材13(以下、単に粗形材13とも記載)の圧延造形の概略について図面を参照して説明する。図2は、矩形断面素材であるスラブ11から粗形材13を圧延造形する粗圧延工程に関する概略説明図であり、(a)~(e)の順で被圧延材Aが複数の各孔型において圧延造形される様子を示している。なお、(b)~(e)に示す孔型圧延造形は、各孔型においてそれぞれ1パスあるいは複数パスのいずれのパス回数で行われても良い。
図2を参照して上述したように圧延造形される粗形材13に関し、本発明者らは、当該粗形材13の一部に疵が発生しているのを発見し、当該疵の原因について鋭意検討を行った。検討の結果、粗形材13の疵の原因は図2に示す圧延造形ではなく、その前段階である加熱炉2内部で発生していることを見出した。
特に、フランジ幅やフランジ厚を増した大型のH形鋼製品の製造時には、圧延造形時にフランジの厚み圧下が充分に取れないために、上述したように粗形材において発生した疵を消去することが困難となり、製品における疵の残存率(疵発生率)が高くなる懸念がある。
また、折れ込み疵は上記凹み(以下、圧痕とも記載)が圧縮されて形成される疵であることに鑑み、スラブ裏面に圧痕が付与された後に、当該圧痕が圧縮され折れ込み疵が生じる場所は、エッジング圧延での圧縮変形において圧縮ひずみが局所的に大きくなる範囲であると考えられる。そこで、本発明者らは、エッジング圧延における被圧延材表面の圧縮変形状況について解析を行い、変形過程について考察し、折れ込み疵の発生が顕著となるような範囲について検討を行った。
以上のような事情に鑑み、本発明者らは、加熱炉2においてスラブ裏面に付与された圧痕を除去(あるいは軽減)するための技術について検討した。以下では、本検討について図面を参照して説明する。
圧下量の下限値は、圧痕を完全に消去しない状態で後段の圧延を行った際に、どの程度、圧痕が製品に影響を与えるのかにより定まる。そこで、本発明者らは、まず、板厚250mmのスラブと、板厚300mmのスラブを所定のフランジ板厚まで圧延造形した場合の凹み(圧痕)の残存状況(疵の深さ:凹み量)を試験圧延と計算により評価し、各条件の圧下率と凹み量の算出結果を以下の表1~表8にまとめた。なお、各表の数値の単位は板厚についてはいずれも「mm」であり、圧下率は無次元の比率値(スラブ板厚/フランジ板厚)である。
同様に、表6~表8に示す各条件下では、スラブ段階で凹み量は7.9mm以下、3.1mm以下、3.8mm以下まで低減しておくことが必要であるといえる。
また、上記表2、4、6、8を参照し、スラブ板厚が300mm(誤差を含め290mm~310mm)の場合、同様にスラブ段階での最小圧下量は約13mmが設定される。
また、上記表5、6を参照し、製品最小フランジ厚が19mmであるようなH形鋼製品を製造する場合、スラブ段階で約7mm以上の圧下を行うことが好ましいといえる。特に、上記表6によれば、スラブ板厚300mmの場合にはスラブ段階で約5mm以上の圧下を行うことが好ましいといえる。
また、上記表7、8を参照し、製品最大フランジ厚が40mmであるようなH形鋼製品を製造する場合、スラブ段階で約14mm以上の圧下を行うことが好ましいといえる。特に、上記表8によれば、スラブ板厚300mmの場合にはスラブ段階で約13mm以上の圧下を行うことが好ましいといえる。
特に、大型のH形鋼製品を製造する場合には、圧延造形時にフランジの厚み圧下が充分に取れないために、製品における疵の残存率(疵発生率)が高くなると考えられるが、圧痕を消去する圧延を行うことで疵の残存率を大幅に低減させることができる。
上記実施の形態においては、加熱炉2から抽出されたスラブ11に対し、エッジング圧延前に裏面に付与されていた圧痕を消去する圧延を行うのに、上下ロール(図6~図8参照)を個別に用意して用いるとの説明を行ったが、本発明技術を実施するためには、必ずしもこのような上下ロールを用意する必要はなく、他の圧延工程を実施するために既に圧延機のロールに設けられているロールを用いてスラブ裏面の圧痕を消去するといった方法も考えられる。ここでは、本発明の他の実施の形態として、平造形圧延を行うために設けられた孔型を用いてスラブ裏面の圧痕を消去する技術について説明する。
2…加熱炉
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…フランジ部
40…固定スキッド
42…可動スキッド
50…上下フラットロール
60…上下水平ロール
70…平造形圧延を行う孔型
80…孔型ロール
88…カラー部
A…被圧延材
T…製造ライン
Claims (9)
- 加熱炉から抽出されたスラブを素材とし、当該素材を被圧延材として圧延造形を行いH形鋼を製造する製造方法であって、
前記圧延造形には、被圧延材を所定の略ドッグボーン形状に圧延造形するエッジング圧延と、エッジング圧延工程完了後の被圧延材を90°あるいは270°回転させてウェブ部の圧延を行う平造形圧延が含まれ、
前記エッジング圧延前に前記素材の幅一部領域であって、前記H形鋼のウェブとなる部位の範囲を除く領域に対し所定の圧下量の圧下を施すことを特徴とする、形鋼の製造方法。 - 前記所定の圧下量は、前記素材に対し加熱炉内において付与された圧痕の凹み量の2倍に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の形鋼の製造方法。
- 前記所定の圧下量の圧下は、前記平造形圧延を行う孔型に形成されたカラー部を用いた複数パスのリバース圧延にて施されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の形鋼の製造方法。
- 前記複数パスのリバース圧延では、前記素材と前記カラー部とのロール軸方向での相対的な位置が異なる状態で各パスでの圧延が行われることを特徴とする、請求項3に記載の形鋼の製造方法。
- 前記素材の断面形状とH形鋼のフランジ板厚との関係に基づき、前記所定の圧下量を設定することを特徴とする、請求項1に記載の形鋼の製造方法。
- 前記素材のスラブ厚が240mm~260mmであり、前記素材に付与された圧痕の凹み量が最大で10mmであり、前記H形鋼の寸法において最小フランジ厚が19mmである場合、前記所定の圧下量は7mm以上に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の形鋼の製造方法。
- 前記素材のスラブ厚が240mm~260mmであり、前記素材に付与された圧痕の凹み量が最大で10mmであり、前記H形鋼の寸法において最大フランジ厚が40mmである場合、前記所定の圧下量は14mm以上に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の形鋼の製造方法。
- 前記素材のスラブ厚が290mm~310mmであり、前記素材に付与された圧痕の凹み量が最大で10mmであり、前記H形鋼の寸法において最小フランジ厚が19mmである場合、前記所定の圧下量は5mm以上に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の形鋼の製造方法。
- 前記素材のスラブ厚が290mm~310mmであり、前記素材に付与された圧痕の凹み量が最大で10mmであり、前記H形鋼の寸法において最大フランジ厚が40mmである場合、前記所定の圧下量は13mm以上に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の形鋼の製造方法。
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