JP3310179B2 - 鋼板の圧延疵防止方法 - Google Patents

鋼板の圧延疵防止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延により鋼
板(厚板、薄板)を製造する際、圧延された鋼板に発生
する圧延疵を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延により鋼板を製造する場合、圧
延後の鋼板の幅方向端部から数十mmの位置に、鋼板長
さ方向に延びる線状疵、あるいはシーム疵と呼ばれる圧
延疵が発生する場合がある。この疵はまた、圧延後の鋼
板の先後端部でも、板幅方向に発生する。
【0003】現状では、これら圧延疵が発生する度毎
に、鋼板四周囲に発生した圧延疵を、グラインダーや溶
接などによる手入れで除去しており、鋼板を熱間圧延す
る上で余分な工程を必要としている。また、この手入れ
によって除去できないほど深い疵の場合には、圧延した
鋼板自体が不良となる。
【0004】これらの疵は、スラブの幅方向側部の連続
鋳造時の内部欠陥や、熱間圧延中のスラブのコーナー部
の耳割れなどが原因であると考えられており、これらの
疵の発生を考慮して、予めスラブの幅方向側部の切り捨
て量(耳部)を多く取ったりすると、歩留りが極めて悪
いスラブ設計になってしまう問題がある。
【0005】従来から、この圧延疵を防止するために、
これまで多くの方法が提案されている。例えば、特開昭
60−33803号や特開昭59−39202号には、
スラブのコーナー部に予めテーパー加工を施す方法や、
丸みを持たせるよう加工する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
手段を施しても、圧延線状疵が発生する場合があり、圧
延線状疵を完全に防止することはできない。そして、こ
の事実は、従来技術のように、単にスラブのコーナー部
を手入れするだけでは、圧延疵を防止できないこと、お
よび、圧延疵が、従来考えられてきた以外の原因により
発生することを意味している。
【0007】本発明は、このような事情に着目してなさ
れたものであって、圧延疵の原因を解明するとともに、
この圧延疵を完全に防止できる方法を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この圧延
疵発生の原因を調査したところ、従来技術のように、た
とえスラブのコーナー部を手入れしたとしても、スラブ
の側面でスラブ稜線直下の部分に、水平方向に延在する
凹部が残存すると、圧延疵が発生してしまうことを知見
した。即ち、スラブが、連続鋳造のままか、前記コーナ
ー部の面削などの手入れをされているかに関わらず、ス
ラブ側面でかつスラブの稜線直下に凹部を有し、該凹部
が水平方向に延在している鋳造スラブについては、熱間
圧延中に該凹部を起点にして、圧延疵が発生することを
知見した。
【0009】したがって、本発明の要旨は、圧延用スラ
ブの稜線部をロールにより面取り圧延し、このスラブの
凹部を平滑化したのちに熱間圧延するに際し、前記面取
り圧延用ロールの傾き角度と圧下量とを各々調節自在と
し、該ロールの傾き角度と圧下量を、前記凹部の断面形
状に応じて決定することである。
【0010】
【0011】また、この面取り圧延における、面取り用
ロールの傾き角度に対する面取り時の圧下量は、後述す
る通り、ロールの傾き角度と圧下量および圧延疵の発生
状況との関係を調査した実際のデータから、次式で求め
られる。 d=a・θ2 +bθ+c、(但し、d:面取り圧延時の
圧下量、θ:面取り用ロールの傾き角度、a、b、c:
スラブ側面でかつスラブの稜線直下の凹部形状により定
まる係数) したがって、面取り圧延時のロールの傾き角度と圧下量
との関係が、前記式で表わされる関係となるように面取
り圧延することが、凹部平滑作業の効率化の上で更に好
ましい。
【0012】面取り圧延は、冷間よりもスラブが熱間の
状態で行うことが、凹部の平滑化の効率上好ましく、ま
た、確実に圧延疵を防止するためには、後述する通り、
スラブの幅側面と先後端側面の、スラブの四周囲の稜線
部を面取り圧延することが好ましい。
【0013】そして、スラブが熱間の状態で面取り圧延
を行うには、実際の鋼板の製造ラインにおいて、連続鋳
造機出側の、鋳片のガス切断機等の後面において行う方
法がラインの効率上好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の土台となる、圧
延疵=線状疵発生のメカニズムの解明について詳述す
る。図1に、線状疵の発生した圧延鋼板を示すが、図1
(a)は線状疵2の発生した鋼板1の斜視図、図1
(b)は図1(a)の線状疵部分X1の表面ミクロ組織
写真を図面化した図、図1(c)は線状疵部分Y1の板
厚方向の断面マクロ組織写真を図面化した図、図1
(d)は図1(c)の線状疵部分Y1の板厚方向の断面
ミクロ組織写真を図面化した図である。
【0015】図1(a)、(b)に示す通り、圧延疵
は、圧延鋼板の幅方向の端部近傍に、鋼板の長手方向に
延在する線状疵2である。図1(c)から、メタルフロ
ーは鋼板の内部から端部に向かって流れるとともに、鋼
板の上下面に流れ込んでいる様子が分かる。そして、図
1(c)、(d)から、このメタルフローに沿って、鋼
板の表面から内部に斜めに疵2が発生していることも分
かる。また、同図からは、線状疵の内部にスケール3を
深く噛みこんでいることも分かる。このスケール3の噛
み込み現象は、熱間圧延中でなければ生じないものであ
る。
【0016】したがって、以上のことから、線状疵は、
圧延前のスラブに発生していたものではなく、熱間圧延
工程で発生したこと、およびスラブのいずれかの面にあ
った線状疵の発生起点が、熱間圧延工程で、鋼板の上下
面に移動してきたものであることが推測される。
【0017】次に、このスラブでの線状疵の発生起点を
特定する。図2に、線状疵の発生起点を探るための目印
となるステンレス鋼片(SUS304)を各コーナー部
に溶接したスラブを用いて小型熱間圧延実験を行った結
果を示す。図2(a)は目印となるステンレス鋼片5を
各コーナーに溶接したスラブ4の斜視図、図2(b)
は、このスラブを圧延した鋼板1表面の、線状疵2とス
テンレス鋼5との位置関係を示す説明図、図2(c)
は、図2(b)の線状疵2とステンレス鋼5とが隣接す
るX2部分の板厚方向の断面マクロ組織写真を図面化し
た図である。
【0018】図2(b)、(c)から、線状疵2はステ
ンレス鋼5と鋼板幅方向端部との間に発生していること
が分かる。ステンレス鋼5は、元々図2(a)の通り、
スラブの各コーナー部に溶接されていたのであるから、
線状疵発生起点は、スラブの上下面には無く、スラブ側
面の上方部に存在し、この発生起点が、前記した通り、
熱間圧延工程で、鋼板の上下面に移動してきたものであ
ることが推測される。
【0019】次に、今度は、鋼板の長手方向の先後端部
に発生する圧延疵の原因を調査した結果を図3に示す。
図3(a)は、長手方向の先後端部に、線状疵6の発生
した圧延鋼板1の斜視図、図3(b)は図3(a)の線
状疵部分X3の板厚方向の断面マクロ組織写真を図面化
した図、図3(c)は、図3(b)の線状疵部分Y2を
拡大して示す板厚方向の断面ミクロ組織写真を図面化し
た図である。
【0020】図3(a)から、圧延鋼板1の長手方向の
先後端部に、圧延疵が、線状疵6として鋼板の幅方向に
延在していることが分かる。また、図3(b)から、前
記図1(c)や図2(c)の場合と同様に、メタルフロ
ーは鋼板1の内部から端部に向かって流れるとともに、
鋼板1の上下面に流れ込んでいる様子が分かる。そし
て、図3(c)から、このメタルフローに沿って表面か
ら内部に斜めに疵2が発生していることも分かる。
【0021】したがって、この鋼板の長手方向の先後端
部に発生している線状疵も、前記鋼板の幅方向端部近傍
に発生する線状疵と同様の形態を呈しており、この両者
の疵は製品の幅方向端部あるいは長さ方向先後端部にに
発生するかの差であり、いずれも同じ要因であると考え
られる。そして、以上の結果から、圧延線状疵発生の要
因となるものの存在位置が、スラブ側面のコーナー直下
に相当する箇所に存在していると特定できる。
【0022】そこで、圧延線状疵発生の要因を特定する
ため、スラブ側面のコーナー直下の表面を実製造に用い
られるスラブについて調査した。図4(a)、(c)、
(e)、(g)は、連続鋳造により製造されたスラブ4
端部の、種々の断面形状を示す説明図、図4(b)は
(a)に、図4(d)は(c)に、図4(f)は(e)
に、図4(h)は(g)に対応し、各々の断面形状のス
ラブを圧延した後の鋼板1の幅方向端部近傍に発生する
線状疵2の発生状況を示す、鋼板1の平面図である。
【0023】図4(a)に示す通り、通常の連続鋳造ま
まのスラブの断面形状は、スラブ厚み方向中央部がやや
膨らんだ形状になっており、図4(b)の通り、圧延後
の鋼板先後端部に線状疵は発生していない。これに対
し、図4(b)のスラブ4に示す通り、連続鋳造ままの
場合でも、スラブ側面でスラブ稜線直下の形状(図の右
側)が、凹部Aのようにヘコミを有するスラブが生じる
ことがある。また、図4(e)、(g)のスラブ4に示
す通り、連続鋳造後、スラブを切削や研削等の面削をし
た場合、あるいは連続鋳造後スラブをガストーチ等で定
寸切断する場合にも、スラブ側面でスラブ稜線直下に凹
部A(図の右側)を有するスラブが生じることがある。
【0024】このスラブを熱間圧延すると、図4
(d)、(f)、(h)の鋼板1に示す通り、スラブの
幅方向側面に凹部形状を有するスラブの場合、縦圧(ス
ラブの幅方向が圧延後鋼板の幅方向になる圧延)では、
圧延後の鋼板幅方向端部に線状疵2が発生している。ま
た、横圧(スラブの幅方向が圧延後鋼板の長さ方向にな
る圧延)では、圧延後の鋼板先後端部に線状疵2が発生
している。
【0025】この結果から、スラブ側面でスラブ稜線直
下の凹部が、圧延後の鋼板の幅方向端部や先後端部の線
状疵の起点になっていると確認できる。
【0026】以上の事実から、線状疵の原因は特定され
たが、更に確認のため、プラスティン(粘土)の圧延に
より疵の発生状況を再現テストした結果を図5に示す。
同図は、図5(a)のように厚さ60mm、長さ150
mm、幅100mm、の試験片のコーナー部の直下5m
m、の近傍に長さ15mm、深さ3mm、の凹部Aを設
け、この試験片を図5(b)から(h)の最終厚み8m
mまで順次圧延した際の、前記凹部の形状と位置の変化
を示す、各々試験片の断面図である。
【0027】同図から、スラブ4の側面の凹部Aが起点
となって、圧延中にこれらの凹凸が押し込まれ、圧延が
さらに進行することにより、鋼板1の上下面に回り込
み、線状疵2が発生することが分かる。したがって、こ
の線状疵の防止には、スラブ側面に発生した凹部形状を
除去するのが効果的であることが証明された。
【0028】ちなみに、従来技術でも、スラブのコーナ
ー部の加工や手入れを実施することはあっても、このス
ラブ側面でスラブ稜線直下に発生する凹部形状に注目し
たものは、一切無い。したがって、たまたま、前記コー
ナー部の加工や手入れによって、本発明で問題とするこ
の凹部が平滑化される可能性は否定しないものの、本発
明のように、この凹部が線状疵の原因となっていること
を解明しない限り、圧延疵を完全に防止することは不可
能である。
【0029】本発明において、スラブ側面に発生した凹
部形状の除去とは、最低、線状疵の発生原因となる、ス
ラブ側面でスラブ稜線直下の凹部の除去ないし平滑化で
ある。ただ、これに加えて、この凹部以外のスラブ側面
の凹凸を除去ないしスラブ側面の平滑化を図っても良
い。また、合わせて、スラブ上下面の平滑化を図っても
良い。
【0030】前記した通り、面取り圧延は、スラブが熱
間の状態で行うことが、凹部の平滑化の効率上好まし
く、また、確実に圧延疵を防止するためには、スラブの
幅側面と先後端側面の、スラブの四周囲の稜線部を面取
り圧延することが好ましい。スラブが熱間の状態で面取
り圧延を行うためには、実際の鋼板の製造ラインにおい
ては、連続鋳造機出側の、鋳片の切断機の後面において
行う方法や圧延ライン(加熱炉の後)で行う方法があ
る。
【0031】この際、スラブの四周囲の稜線部を面取り
圧延するためには、面取り圧延機にて、同時に四周囲を
面取りするのは難しく、スラブの幅側面と先後端側面と
を分けて行うため、スラブを転回する必要がある。その
ためには、連続鋳造機の出側でまず、スラブの幅側面な
どの面取り圧延を行い、しかるのちに、凹部の発生状況
に応じて、圧延ライン(加熱炉の後)で、スラブの残り
の先後端側面について面取り圧延を行う方が、連続鋳造
ラインから圧延ラインの搬送途中で、スラブを転回でき
るため、ラインの効率上好ましい。
【0032】スラブ表面の手入れには、通常、グライン
ダーによる切削や研削、あるいはトーチによる溶削や溶
接等が適用されている。しかし、実際のスラブ四周囲の
凹部の確実な除去乃至平滑化と、平滑化効率を考慮する
と、この凹部の平滑化を面取り圧延により行うことが必
要である。
【0033】この面取り圧延は、スラブの稜線部を面取
り圧延するロールを有し、かつこのロールの垂直方向に
対する傾き角度、圧下量、上下左右位置を適宜設定して
行うものである。この際、前記面取り用ロールの傾き角
度に対する面取り時の好ましい圧下量は、実験により求
めることができる。
【0034】図6は、線状疵発生に及ぼす面取り用ロー
ルの傾き角度と圧下量との関係を示す説明図であり、同
図は、図5(a)のような厚さ60mm、長さ150m
m、幅100mm、の試験鋼片の側面で稜線直下に、長
さ(幅)40mm、深さ3mm、の凹部を設け、この試
験片を図6に示す種々の条件で、面取り圧延し、その後
一定の条件で熱間圧延した場合の線状疵発生状況を示し
ている。
【0035】同図から、面取り用ロールの傾き角度と圧
下量とは、下記式で求められる。 d=a・θ2 +bθ+c、(但し、d:面取り圧延時の
圧下量、θ:面取り用ロールの傾き角度、a、b、c:
スラブ側面でかつスラブの稜線直下の凹部形状により定
まる係数)、
【0036】この式から、面取り用ロールの水平方向に
対する傾き角度が小さいほど、スラブのコーナー部の圧
下量を多く取らなければ、凹部を平滑化することが出来
ず、逆に、ロールの傾き角度が大きければ、小さな圧下
量で平滑化可能であることが分かる。
【0037】このことを、図7により説明する。図7
は、面取り用ロールの水平方向に対する傾き角度を変え
圧下量は一定として、コーナー部の面取り圧延した後の
スラブの断面形状を示している。同図において、(a)
は面取り用ロールの水平方向に対する傾き角度θ1を3
0°で圧下量d1を10mmとし、(b)はロールの傾
き角度θ2は60°として、圧下量d2は5mmとして
いる。
【0038】同図より分かる通り、圧下量dが10mm
と、凹部の深さ3mmに対して大きく取っても、面取り
用ロールの水平方向に対する傾き角度θ1を30°の場
合には、凹部を除去できないばかりか、逆に凹部の深さ
を大きくしてしまい、より線状疵が発生しやすくなる。
これに対し、ロールの傾き角度θ2を60°とした場合
には、5mmの圧下量でも、初期の凹部を除去してお
り、線状疵は発生しない。
【0039】したがって、この面取り用ロールの傾き角
度と圧下量の関係は、スラブ側面コーナー部直下の凹部
形状により変わるため、面取り圧延前にスラブの断面形
状を判定し、その形状に応じて、疵防止に必要な傾き角
度、および圧下量を決定することにより、疵を完全に防
止できる。
【0040】
【実施例】スラブ厚230〜270mmのスラブを用い
て、面取り圧延の条件を種々変えて実施したものについ
て熱間圧延し、線状疵の発生状況を調べた。結果を表1
に示す。表1において、圧延後の鋼板の幅方向端部や先
後端部に線状疵が発生した鋼板は不良、いずれにも発生
しなかった鋼板は良好として判定した。
【0041】スラブの幅側面や先後端側面に凹部を有す
る場合、面取り圧延を全く実施しないNo1〜6の比較
例では、圧延後の鋼板の幅方向端部や先後端部に線状疵
が発生している。これに対して、No7〜14の、連続
鋳造機の出側でまず、スラブの幅側面などの面取り圧延
を行い、しかるのちに、凹部の発生状況に応じて、圧延
ラインでスラブの残りの先後端側面について面取り圧延
をした本発明例では、凹部形状が変化しても、圧延後の
鋼板の幅方向端部や先後端部に線状疵が発生していな
い。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧延後の鋼板の幅方向端部や先後端部に発生する線状疵
の発生を完全に防止することができる。しかも、この効
果を、従来の鋼板の製造プロセスを、著しく変更した
り、製造コストの増加を招かずに達成することができる
点で工業的な価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、幅方向端部に線状疵の発生した鋼板を
示し、図1(a)は線状疵の発生した鋼板の斜視図、図
1(b)は鋼板の線状疵部分の表面ミクロ組織写真を図
面化した図、図1(c)は鋼板の線状疵部分の板厚方向
断面マクロ組織写真を図面化した図、図1(d)は鋼板
の線状疵部分の板厚方向断面ミクロ組織写真を図面化し
た図である。
【図2】図2は、線状疵の履歴を調査するために、目印
をつけたスラブの圧延実験結果を示し、図2(a)は目
印をつけたスラブの斜視図、図2(b)はこのスラブを
圧延した鋼板表面を示す説明図、図2(c)は鋼板の線
状疵部分の板厚方向断面マクロ組織写真を図面化した図
である。
【図3】図3は、長手方向の先後端部に線状疵の発生し
た鋼板を示し、図3(a)は線状疵の発生した鋼板の斜
視図、図3(b)は鋼板の線状疵部分の板厚方向断面マ
クロ組織写真を図面化した図、図3(c)は鋼板の線状
疵部分の板厚方向断面ミクロ組織写真を図面化した図で
ある。
【図4】図4(a)、(c)、(e)、(g)は、連続
鋳造によるスラブの端部の板厚方向の断面形状を示す断
面図、図4(b)、(d)、(f)、(h)は、各々図
4(a)〜(g)に対応し、前記断面形状のスラブ圧延
時の、鋼板の線状疵の発生状況を示す平面図である。
【図5】図5は、プラスティンの圧延により疵の発生状
況を再現調査した結果を示し、図5(a)は試験片に設
けた凹部、図5(b)から(h)は試験片を最終厚みま
で圧延した際の凹部形状と位置の変化を各々示す、試験
片の断面図である。
【図6】図6は、線状疵発生に及ぼす面取り用ロールの
傾き角度と圧下量との関係を示す説明図である。
【図7】図7は、面取り用ロールの傾き角度を変えてス
ラブコーナー部の面取り圧延した後のスラブの断面形状
を示す断面図である。
【符号の説明】
1;熱間圧延鋼板、 2;鋼板幅方向端部の線状疵、 3;スケール、 4;スラブ、 5;ステンレス、 6;鋼板先後端部の線状疵、 A;スラブ側面の凹部、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−262807(JP,A) 特開 平4−33701(JP,A) 特開 昭60−33803(JP,A) 特開 昭63−16803(JP,A) 特開 昭59−189002(JP,A) 特公 平6−4162(JP,B2) 特公 平6−241(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延用スラブの稜線部をロールにより面
    取り圧延し、該スラブの側面でかつスラブ稜線直下に水
    平方向に延在する凹部を平滑化したのちに熱間圧延する
    に際し、前記ロールの傾き角度と圧下量を各々調節自在
    とし、面取り圧延時のロールの傾き角度と圧下量を、前
    記凹部の断面形状に応じて決定することを特徴とする鋼
    板の圧延疵防止方法。
  2. 【請求項2】 前記面取り圧延時のロールの傾き角度と
    圧下量との関係が、下記式で表わされる関係となるよう
    に面取り圧延する、請求項1に記載の鋼板の圧延疵防止
    方法。d=a・θ 2 +bθ+c、(但し、d:面取り圧
    延時の圧下量、θ:面取り用ロールの傾き角度、a、
    b、c:スラブ側面でかつスラブの稜線直下の凹部形状
    により定まる係数)
  3. 【請求項3】 前記面取り圧延を連続鋳造機の出側にお
    いて行う請求項1または2に記載の鋼板の圧延疵防止方
    法。
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