JP2008126259A - T形鋼の製造方法および冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】T形鋼の寸法が変化しても曲がりや反りを発生させることなく、現状のH形鋼の水冷設備を流用し、低コストで水冷できる冷却方法および冷却装置を提供する。
【解決手段】T形鋼12の搬送経路にパスラインを挟んで設けられ、互いに接離する方向に移動する一対のサイドガイド14と、サイドガイド14に組み込まれT形鋼12のウエブ12aを略水平に支持するためのウエブ支承ローラー13と、T形鋼12のウエブ12aの上方および下方にパスラインに沿って設けられ、T形鋼12のフランジ12b内面を冷却する冷却ノズル16a、16bと、T形鋼12のフランジ12b外面と対峙する位置にパスラインに沿って設けられ、フランジ12b外面を冷却する冷却ノズル15bとを備える冷却装置11を用いて、T形鋼12のウエブ12aを略水平に維持し、かつ当該T形鋼をその長手方向に移動させつつ、フランジ外面、または、フランジ内面および外面を水冷する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間圧延されたT形鋼を均一にかつ低コストで冷却することができるT形鋼の製造方法および冷却装置に関する。
T形鋼を製造する方法として、以下に説明する2種類の製造方法が知られる。
一つの製造方法は、建築用鋼材として用いられてきた、例えば150×9〜300×32といった小寸法のT形鋼の製造方法である。この製造方法は、2重式圧延機の圧延ロールに設けられる多数の孔型を用いる孔型圧延法によってブルームから圧延T形鋼を直接製造するものである。
もう一つの製造方法は、ユニバーサルミルによってH形鋼またはI形鋼を仕上げ圧延すると同時に、そのH形鋼またはI形鋼のウエブを長手方向へ切断することによって、2条のT形鋼を製造する方法である。この製造方法によれば、主に生産性の向上が図られる。
しかし、後者の製造方法では、熱間のT形鋼を冷却する際におけるウエブ厚みがフランジ厚みに比べて非常に薄いため、ウエブを切断した後の冷却の際に、ウエブが座屈して曲がりを生じたり、ウエブの面外変形からウエブ波といわれる永久変形が発生することがある。これを防ぐために、例えば特許文献1〜4には、H形鋼、特にウエブ厚みの薄いH形鋼の製造に際してフランジの外面を水冷する方法が開示される。
これらの発明では、いずれもユニバーサルミルによってH形鋼またはI形鋼を仕上げ圧延すると同時にそのウエブを長手方向に切断して2条のT形鋼を得た後に各々のT形鋼のフランジの外面、または、フランジの内面および外面を冷却する。
しかし、特許文献1〜4により開示されたT形鋼のフランジ冷却方法では、仕上圧延ならびにウエブ切断工程においてはウエブが水平方向を指向するとともにフランジが鉛直方向を指向する姿勢で支持されるのに対し、フランジ冷却工程ではフランジがウエブよりも下に位置する姿勢でフランジの冷却を行う必要がある。このため、冷却工程に搬送される前に長尺かつ大質量のT形鋼を転回して姿勢を変更する必要がある。
また、特許文献4により開示された発明では、冷却工程に搬送される前に2条のT形鋼のウエブ同士を上下に重ね合わせておく必要があるため、専用の転回装置や重ね合わせ装置を設置する必要がある。また、冷却装置についてもT形鋼専用のものを新たに設ける必要があるなど、T形鋼の製造のための設備費用が著しく嵩む。
さらに、特許文献1〜3により開示された発明では、フランジに垂直な方向の曲がりである上下反りにはフランジの外面への冷却水量を調整することにより対応できるが、フランジの幅方向の曲がりである左右曲がりには対応できない。また、被水冷材であるT形鋼の寸法、特にフランジの幅が変化した際に、スプレーノズルの方向や位置の変更等といった水冷条件を適切にするための調整を行うことができない。
また、特許文献4により開示された発明では、フランジに垂直な方向の曲がりである左右曲がりにはフランジの外面への冷却水量を調整することにより対応できるが、フランジの幅方向の曲がりである上下反りには対応できない。また、被水冷材であるT形鋼の寸法、特にフランジの幅が変化した際に、スプレーノズルの方向や位置の変更等といった水冷条件を適切にするための調整を行うことができない。さらに、冷却中にT形鋼を側面から支持するガイドが存在しないため、T形鋼の左右曲がり状況によってはT形鋼が自重で転倒したり、搬送ラインから飛び出したりする危険性がある。
ところで、本出願人は、図7に示すように、特許文献5により、H形鋼1のウエブ1aの上方および下方にパスラインに沿って設けられ、H形鋼1のフランジ1bの内面を冷却する4つの冷却ノズル2a〜2dと、H形鋼1のフランジ1bの外面と対峙する位置にパスラインに沿って設けられ、フランジ1bの外面を冷却する2つの冷却ノズル3a、3bとを少なくとも備えるH形鋼1の冷却装置4を用い、H形鋼1や平行フランジ溝形鋼(図示しない)等の形鋼を中間圧延あるいは仕上げ圧延等の熱間圧延後に冷却する際に、ウエブ1aの内幅が小さい形鋼1であってもそのフランジ1bおよびフィレット(ウエブ1aおよびフランジ1bの接合部)の内面を効果的に冷却することができ、また、冷却水の噴射により落下したスケールがノズル等に堆積するのを防止することができることを、開示した。
本出願人はさらに、図8に示すように、特許文献6により、搬送用ローラ5の下方で圧延方向とそれぞれ平行に、かつ、搬送用ローラ5によって搬送されるH形鋼6の両フランジ6b間に配置した3本のヘッダー管7に設けたノズル8の、一方のフランジ6b側に配置したヘッダー管7のノズル8から一方のフランジ6bの下部内面へ向けて、また、他方のフランジ6b側に配置したヘッダー管7のノズル8から他方のフランジ6bの下部内面へ向けて、両ヘッダー管7の間に配置したヘッダー管7のノズル8からウエブ6aの下面へ向けて、それぞれ冷却水を噴射することにより、極厚H形鋼やフランジ厚さに比べてウエブ厚さが相対的に厚いH形鋼9に対してそのウエブ高さが増加しても、フランジ6bおよびウエブ6aを均一に冷却することができ、不均一冷却に伴う形状不良の発生を抑制できることを開示した。
特許文献5、6に記載された冷却装置4,10を用いて冷却を行うことにより、搬送されるH形鋼や溝形鋼等のウエブ高さやフランジ幅が変更された場合にあっても、被冷却材を均一に冷却できる。
特開平10−202301号公報 特開平10−216825号公報 特開平10−216826号公報 特開平10−235407号公報 特開2003−19510号公報 特開2005−238252号公報
特許文献5、6に開示されたH形鋼の冷却装置4,10を流用してT形鋼を冷却すれば、搬送されるT形鋼のウエブ高さやフランジ幅が変更された場合にも均一に冷却することができるのではと一見考えられる。
しかし、T形鋼にはH形鋼の片側のフランジが存在しないので、そのまま図6に示すH形鋼の冷却装置4に搬送すると、ウエブが水平面(搬送テーブル面)に対して傾いた状態で冷却されることとなる。このようにウエブが傾いているため必然的にフランジも鉛直面に対して傾斜し(図7で言えばウエブ1aが時計方向に回転して傾斜する)、上フランジ内面冷却用ノズル2a、2cおよび下フランジ内面冷却用ノズル2b、2dから噴射された冷却水が上フランジ内面および下フランジ内面に対して適切に当たらないことになる。したがって、T形鋼1の横断面内において上下対称かつ均一に冷却することが難しい。
これを改善するためには、例えば、上下のノズル2a〜2dを可動式として、フランジ1aの傾斜の程度に合わせて噴射位置および噴射角度を調整する必要がある。しかし、フランジ1bの高さおよびウエブ1aの幅によって傾斜角度が変化するために、噴射位置および噴射角度を製品の寸法毎に調整する必要があるので、冷却装置4の構造が複雑になって設備投資が嵩む。さらに、フランジ1bの外面についても、フランジ1bが傾斜していることから、冷却ノズル3a、3bからフランジ1bの外面各部までの距離が一定ではなくなり、これを調整する機構を設ける必要も生じ、設備投資が著しく嵩む。
また、上記問題点を解決するために、T形鋼のウエブを搬送テーブルから持ち上げた後にH形鋼の冷却装置4に進入させ、ウエブを持ち上げた状態で冷却するという発想はできなくはないが、一旦T形鋼の移動を停止し持ち上げることになり生産性が低下することになる。また、移動させながら持ち上げた場合、搬送テーブルの下に新たにウエブ昇降装置を設けると、T形鋼がこの昇降装置へ進入する際に昇降装置にウエブが引っ掛かり、T形鋼が搬送不能になるおそれがあり、実現が困難であった。さらには、上述した搬送テーブルの下にウエブ昇降装置を設けると、T形鋼の製造ラインを用いてH形鋼を製造する際に、新たに設けたウエブ昇降装置が障害になってH形鋼の搬送や冷却に支障を来す可能性があった。
このような課題は、船体補強部材であるロンジ材として圧延T形鋼を用いる場合に、特に顕著になる。すなわち、ロンジ材として用いられる圧延T形鋼は、ウエブの高さが350mm以上であるとともにフランジの幅が200mm以下であり、かつ、ウエブの先端面が圧延ロールによる圧下をされた圧延面であるという特徴、すなわちフランジの幅に対してウエブの高さが極端に大きいという特徴を有するので、上述した建築用鋼材用の小寸法のT形鋼に比較すると、ウエブがフランジに対し上下左右に変形し易いからである。
本発明は、上述した従来の熱間圧延T形鋼の製造方法、とりわけH形鋼のウエブを切断し2条のT形鋼とした後の水冷時に発生する曲がりを防止するためのフランジ水冷方法や水冷装置における問題に鑑みてなされたものである。
本発明者らは、例えば特許文献5、6により開示された従来のH形鋼の水冷装置4,10を流用してH形鋼や溝形鋼同様に曲がり、反りさらには捩れ等を生じることなく熱間圧延T形鋼を均一に冷却することを検討した結果、熱間圧延されたT形鋼を水冷する際には、ウエブが略水平を指向する姿勢でT形鋼を搬送すればよいことを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(i)熱間圧延を終了したT形鋼を、ウエブが略水平方向を指向する姿勢で長手方向へ搬送しながら、このT形鋼のフランジの外面、または、このフランジの内面および外面を水冷することを特徴とするT形鋼の製造方法。
(ii)熱間圧延を終了したT形鋼を、ウエブの先端部およびフランジの一方の端部がともに搬送テーブルに接触する姿勢で長手方向へ搬送しながら、設置高さが下流に向かうに連れて段階的に高くなるように長手方向へ並設される複数のウエブ支持部材を用いて、T形鋼の姿勢をウエブが略水平方向を指向する姿勢に変更し、この姿勢で長手方向へ搬送しながら、T形鋼のフランジの内面、または、フランジの内面および外面を水冷することを特徴とするT形鋼の製造方法。
(iii)ウエブの先端部およびフランジの一方の端部がともに搬送テーブルに接触する姿勢で長手方向へ搬送されるT形鋼の搬送経路にパスラインを挟んで設けられ、互いに接離する方向に移動する一対のサイドガイドと、設置高さが下流に向かうに連れて段階的に高くなるように長手方向へ並設されてサイドガイドに収納可能に組み込まれ、T形鋼の姿勢をウエブが略水平方向を指向する姿勢に変更するための複数のウエブ支持部材と、ウエブが略水平方向を指向する姿勢のT形鋼のウエブの上方および下方に設けられ、T形鋼のフランジの内面を冷却する複数の冷却ノズルと、T形鋼のフランジの外面と対峙する位置にパスラインに沿って設けられ、フランジの外面を冷却する複数の冷却ノズルとを備えることを特徴とするT形鋼の冷却装置。
(iv)ウエブ支持部材が、ウエブ支承ローラーである上記(iii)のT形鋼の冷却装置。
(v)さらに、フランジの内面を冷却する複数の冷却ノズルの噴射角度を調整する噴射角度調整機構と、フランジの外面を冷却する複数の冷却ノズルの噴射角度を調整する噴射角度調整機構とを備える上記(iii)または(iv)のT形鋼の冷却装置。
これらの本発明では、T形鋼が船体補強部材であるロンジ材として用いられる圧延T形鋼であることが例示される。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)被冷却材であるT形鋼の寸法が変化しても、H形鋼と同一設備を用いて曲がりや反りを発生させることなく、T形鋼を水冷することができる。
(2)既存のH形鋼の水冷設備を改造することにより、設備投資を可及的に抑制しながら、T形鋼を適切に水冷するための冷却方法を実現するとともに、冷却装置を構築することができる。
(3)従来のT形鋼の水冷方法や水冷装置では必要であったT形鋼の転回装置や、2条T形鋼のウエブ同士の重ね合せ装置等を用いる必要がなくなるので、設備投資を抑制できる。
このように、本発明によれば、T形鋼の寸法が変化しても曲がりや反りを発生させることなく適切な水冷が可能であり、さらには、新たな水冷設備を設置する必要なく、現状のH形鋼の水冷設備を流用することにより低コストでT形鋼を適切に水冷することができる冷却方法および冷却装置を提供することができる。
本発明に係るT形鋼の製造方法および冷却装置を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本出願人が特許文献5により開示した図7に示すH形鋼1の冷却装置4をベースに改造を加えたT形鋼の冷却装置11の構成を例示する説明図である。この冷却装置11は、熱間圧延を終了して搬送テーブル(ローラー)17上を搬送されるT形鋼12のフランジ12bの内外面の水冷を行う。また、図2は、この冷却装置11を用いてT形鋼12を冷却する状況を示す上面図である。
本実施の形態の冷却装置11では、熱間圧延を終了して搬送テーブル(ローラー)17上を搬送されるT形鋼12のウエブ12aを略水平に保って水冷を行う点に特徴がある。これにより、特許文献5、6により開示したH形鋼の冷却装置4、10と同様に設けられる上下のフランジ内面冷却用ノズル16a、16bから噴射される冷却水を、正確にウエブ12aの目的部位に均等に噴射することができ、均一に冷却することができる。また、T形鋼12のフランジ12bの上下の部分へのノズル15bからの距離が等しくなるので、フランジ12bを均一に冷却することができる。
水冷時のT形鋼12のウエブ12aを略水平に保つためのウエブ支持部材は特定のものに限定されるものではなく、フランジ12bやウエブ12aを例えば回動自在の支持ロール等により支持することが例示される。
また、本実施の形態は、H形鋼またはI形鋼からT形鋼12を半裁して製造する場合や、ユニバーサル圧延機で直接T形鋼12を製造する場合等といった、T形鋼12の製造時に幅広く使用することができる。以下、ウエブ12aを支持するウエブ支持部材について、説明する。
図1に示すように、T形鋼12のウエブ12aの端部のうちフランジ12bが存在しない側を支承するウエブ支承ローラー13を図6に示す冷却装置4に加えて、冷却時のT形鋼12のウエブ12aが略水平になるように支持しながらフランジ12bの内外面の水冷を行う。すなわち、本実施の形態ではウエブ支持部材としてウエブ支承ローラー13を用いる。これにより、H形鋼に比較しても遜色なくT形鋼12を均一に冷却することができる。
図1に示す冷却装置11では、右側のサイドガイド14aに組込まれたフランジ外面冷却ノズル15aならびに左側のサイドガイド14bの上下方向に配置されたフランジ内面冷却用ノズル16c、16dからの冷却水は、T形鋼12には右フランジが存在しないため噴射しない。
また、ウエブ支承ローラー13は可動式であって、H形鋼や溝形鋼といった図1の右側にもフランジが存在する形鋼を冷却する際に支障を来さないように、サイドガイド14a内に収納可能な(リトラクタブルな)構造とすることが望ましい。
図3は、このウエブ支承ローラー13のリトラクタブル構造の一例を示す説明図である。なお、図3では、フランジ12bの左方に配置される、上下フランジ内面冷却用ノズル、サイドガイドおよび、フランジ外面冷却用ノズルは、図面を簡略化するために省略してある。
本実施の形態では、図3に示すように、ウエブ支承ローラー13は円筒状であり、T形鋼12のウエブ12aと線接触するように構成される。このウエブ支承ローラー13は、サイドガイド14aにより図1中の両向き矢印方向へ回動自在に支持されるウエブ支承ローラー架台18の端面に回転自在に搭載される。ウエブ支承ローラー架台18を回動することによりウエブ支承ローラー13を出し入れするための駆動源には、小型モータ、油圧若しくは空圧シリンダー等を用いることができ、特定の型式の駆動源には限定されない。
図4(a)および図4(b)は、図1〜3に示す円筒状のウエブ支承ローラー13の替わりに球面状のウエブ支承ローラー13−1を用いた場合を示す説明図である。図4(a)は比較的フランジ幅B1が大きなT形鋼12を冷却する場合を示し、図4(b)は比較的フランジ幅B2が小さなT形鋼12を冷却する場合を示す。図4においても、フランジ12bの左方に配置される、上下フランジ内面冷却用ノズル、サイドガイドおよび、フランジ外面冷却用ノズルは、図面を簡略化するために省略してある。
図4(a)および図4(b)に示すように、球面状のウエブ支承ローラー13−1をウエブ支承ローラー架台18に回転自在に搭載することにより、T形鋼12とウエブ支承ローラー13−1とが点接触する。このため、サイドガイド14aに対するウエブ支承ローラー13−1の出し入れ程度、すなわちサイドガイド14aに対するウエブ支承ローラー架台18の回動角度を例えば図4(a)および図4(b)に示すように異ならせることにより、T形鋼12のフランジ12bの幅Bが変更されても、常にウエブ12aが略水平になるように支持することができる。
図5は、図3または図4に示す冷却装置11を、左側から右側に向かって見た状態を示す側面図である。ただし、図5に示すフランジ外面水冷ノズル15bは、図3および図4では上下方向に1段配置しているが、本図では上下方向に3段配置する場合を示す。
図5に示すように、ウエブ支承ローラー13(13−1)を固定しているウエブ支承ガイド18は、T形鋼12の搬送時にウエブ12aが突掛けたり、ウエブ12aの変形を防止するため、T形鋼12の進入側(図5における右側部分)を曲線状に滑らかに構成することが望ましい。
また、各ウエブ支承ローラー13(13−1)は、その設置高さが進行方向に向かって段階的に高くなるように配置することにより、T形鋼12の搬送時の姿勢を変更することに起因するT形鋼のねじれを抑制でき、これにより、寸法精度に優れたT形鋼を製造することができる。このような観点から、図5ではウエブ12aが略水平状態になるまで4個のウエブ支承ローラー13(13−1)で段階的にウエブ12aの端部が持ち上がるようにしているが、一般的には各ウエブ支承ローラー13(13−1)の設置高さは、フランジ12bの幅の大きさによって異なるが、2〜5個のウエブ支承ローラー13(13−1)を用いてウエブ12aが略水平状態になるまで段階的に持ち上げるよう、すなわちT形鋼12のフランジ12bの幅の1/2の高さ÷ウエブ端部の持ち上げに関わるウエブ支承ローラー13(13−1)の個数(=2〜5)に相当する分、T形鋼12のウエブ12aの端部が各ウエブ支承ローラー13(13−1)を通過する度に持ち上がる程度に段階的に設けることが望ましい。
以上説明した本実施の形態の冷却装置11を用いてT形鋼12を水冷して製造すれば、T形鋼12の寸法(特にフランジ幅)が変化しても、H形鋼と同一設備を用いて曲がりや反りを発生させることなく、T形鋼12を水冷することができる。また、この冷却装置11は、既存のH形鋼の水冷設備を改造することにより、設備投資を可及的に抑制しながら、T形鋼12を適切に水冷するための冷却方法を実現するとともに、冷却装置を構築することができる。さらに、この冷却装置11を用いれば、従来のT形鋼12の水冷方法や水冷装置では必要であったT形鋼12の転回装置や、2条のT形鋼12のウエブ同士の重ね合せ装置等を用いる必要がなくなり、簡便な装置で実施でき設備投資を抑制できる。
このように、本実施の形態によれば、T形鋼12の寸法が変化しても曲がりや反りを発生させることなく適切な水冷が可能であり、さらには、新たな水冷設備を設置する必要なく、現状のH形鋼の水冷設備を流用することにより低コストでT形鋼12を適切に水冷することができる。
なお、以上の説明では、T形鋼12のフランジ12bの内外面を冷却する場合について説明したが、T形鋼12の寸法や形状等に応じてフランジ12bの内面冷却を省略してもよい。すなわち、フランジ12b厚/ウエブ12a厚が比較的大きく、またフランジ幅/ウエブ高さが比較的大きいT形鋼ほど、仕上圧延の終了後のフランジ12bとウエブ12aの温度差に起因するT形鋼12の放冷課程におけるウエブ高さ方向(フランジに垂直な方向)の反りが発生し易いものの、逆に、フランジ12b厚/ウエブ12a厚が比較的小さく、またフランジ幅/ウエブ高さが比較的小さいT形鋼では、フランジ12bの内面の水冷を省略しフランジ12bの外面のみ水冷するようにしてもよい。フランジ12bの外面冷却ではなく内面冷却を省略するほうが望ましいのは、フランジ12bの内面を冷却する際にウエブ12aの上面あるいは下面に冷却水が多少流れるため、フランジ12bとウエブ12aとの間の温度差を縮小するためには有利だからである。
また、以上の実施の形態の説明におけるT形鋼が船体補強部材であるロンジ材として用いられる圧延T形鋼であることが望ましい。このような圧延T形鋼は、上述したように、フランジの幅に対してウエブの高さが極端に大きいという特徴を有するのでウエブがフランジに対し上下左右に変形し易いため、本実施の形態の製造方法を適用することにより、歩留りの低下をできるだけ抑制しながらロンジ材用の圧延H形鋼を確実に量産できるようになるからである。
次に、本発明を、実施例を参照しながら、さらに具体的に説明する。
図6に示す熱間圧延設備列20の仕上ユニバーサルミルの下流側に本発明の冷却装置11を配置した。すなわち、二重式圧延機(図示しない)により構成される粗圧延機BDによりスラブに複数パスのリバース圧延を行ってT形鋼の粗形鋼片とする。次に、上下の水平ロール21a、21bおよび左右の竪ロール22a、22bを備える粗ユニバーサル圧延機UR、上下のロールを備えるエッジャー圧延機Eおよび、上下の水平ロール21a、21bおよび左右の竪ロール22a、22bを備える仕上ユニバーサル圧延機UFにより構成される。
なお、本実施例で用いる冷却装置11は、外面冷却ノズル15bが設けられたヘッダーを上下方向に3段備える以外は図1および図2に示す構造とした。また,冷却ゾーン長は10mである。
この熱間圧延設備列20により、幅1000mm、厚さ250mmの連続鋳造スラブを加熱炉で1250〜1300℃に加熱し、ブレークダウンミルBDにより10数パスの往復圧延を行って粗形鋼片とし、続いて粗ユニバーサルミルUR、エッジャーミルEにより7パスの往復圧延を行って中間圧延材とし、その後、仕上げユニバーサルミルUFにより1パスの整形圧延を行い、ウエブ高さ500mm、フランジ幅150mm、フランジ厚み25mm、ウエブ厚み15mmのT形鋼を製造した。この圧延T形鋼は、上述したロンジ材用の圧延T形鋼である。
なお、図6における仕上げユニバーサルミルUFの水平ロール24a、24bには、ロール幅が変更可能なロールが組込んだが、幅固定の水平ロールを用いるようにしてもよい。ロール幅変更可能なロールを使用することが望ましいのは、圧延する製品のフランジ厚に応じてロール幅を変更して圧延することで、フランジ厚の大小にかかわらずウエブ高さが一定のT形鋼を製造することができるからである。例えば、主に造船向けのロンジ材として用いられる、厚板同士を溶接して造られるT形鋼はフランジ厚にかかわらずウエブ高さが一定である。
上記の仕上ユニバーサルミルUF終了後、図1〜5の冷却装置11によりフランジ外面およびフランジ内面側に位置する2個所のフィレット(上下フィレット)を冷却した。
本実施例では、図5における各ウエブ支承ローラー13(13−1)の設置高さが、T形鋼12の長手方向へ3mの範囲で進行方向に向かって15〜20mmずつ段階的に高くなるように配置した。
また、冷却条件は次のようにした。フランジ外面冷却の冷却範囲(フランジ幅方向):150mm、フランジ1個所当たりの外面冷却の冷却水量:300リットル/m/分、フィレット冷却の冷却範囲:100mm、フィレット1個所当たりの冷却水量:130リットル/m/分、冷却時の材料搬送速度:3m/秒で冷却装置11内を1パス通材した。
比較のために、仕上ユニバーサル圧延後、本発明の水冷装置において水冷をせずにそのまま通過させ、その後空冷する方法(比較例)により、同一寸法のT形鋼を製造した。
その結果、本発明の冷却装置により冷却を行ったT形鋼は常温まで冷却された状態で左右曲がり、上下反りが見られなかったのに対して、比較例の方法により製造されたT形鋼は、常温まで冷却された状態で特に左右曲がりが大きい製品となり、その後の矯正工程により多くの工数を要した。
なお、本実施例では本発明の水冷装置11を仕上ユニバーサルミルUFの下流側に設置したが、本発明の水冷装置11を中間圧延工程、すなわち図6の粗ユニバーサルミルURの上流側および/またはエッジャーミルEの下流側に設置し、本発明の冷却方法を適用するようにしてもよい。
また、T形鋼の製造プロセスとして図6に示すようなT形鋼の状態で熱間圧延するプロセス以外に、熱間圧延したH形鋼のウエブを切断して2条のT形鋼を製造するプロセスにおいて、得られたT形鋼に本発明の水冷方法を適用することも可能である。
さらに、上記実施例で採用した図1および図2に示す冷却装置以外に本発明の技術的範囲において様々な構造を有する冷却装置を実用に供することが可能であり、例えばT形鋼のウエブ内面冷却ノズル・ヘッダーとして、特許文献6により開示されたH形鋼の水冷装置のノズルヘッダー(図8参照)を用いてもよい。
熱間圧延を終了して搬送テーブル(ローラー)上を搬送されるT形鋼のフランジの内外面の水冷を行う実施の形態の冷却装置の構成を例示する説明図である。 実施の形態の冷却装置を用いてT形鋼を冷却する状況を示す上面図である。 ウエブ支承ローラーのリトラクタブル構造の一例を示す説明図である。 図4(a)および図4(b)は、図1〜3に示す円筒状のウエブ支承ローラーの替わりに球面状のウエブ支承ローラーを用いた場合を示す説明図である。 図3または図4に示す冷却装置を、左側から右側に向かって見た状態を示す側面図である。 実施例における熱間圧延設備列を示す説明図である。 特許文献5により開示されたH形鋼の水冷装置を示す説明図である。 特許文献6により開示されたH形鋼の水冷装置を示す説明図である。
符号の説明
4,10 冷却装置
11 冷却装置
12 T形鋼
12a ウエブ
12b フランジ
13,13−1 ウエブ支承ローラー
14a、14b サイドガイド
15a、15b フランジ外面冷却ノズル
16a〜16d 上下のフランジ内面冷却用ノズル
17 搬送テーブル(ローラー)
18 ウエブ支承ローラー架台
20 熱間圧延設備列
BD 粗圧延機
UR 粗ユニバーサル圧延機
E エッジャー圧延機
UF 仕上ユニバーサル圧延機

Claims (5)

  1. 熱間圧延を終了したT形鋼を、ウエブが略水平方向を指向する姿勢で長手方向へ搬送しながら、当該T形鋼のフランジの外面、または、該フランジの内面および外面を水冷することを特徴とするT形鋼の製造方法。
  2. 熱間圧延を終了したT形鋼を、ウエブの先端部およびフランジの一方の端部がともに搬送テーブルに接触する姿勢で長手方向へ搬送しながら、設置高さが下流に向かうに連れて段階的に高くなるように前記長手方向へ並設される複数のウエブ支持部材を用いて、該T形鋼の姿勢をウエブが略水平方向を指向する姿勢に変更し、当該姿勢で長手方向へ搬送しながら、当該T形鋼のフランジの内面、または、前記フランジの内面および外面を水冷することを特徴とするT形鋼の製造方法。
  3. ウエブの先端部およびフランジの一方の端部がともに搬送テーブルに接触する姿勢で長手方向へ搬送されるT形鋼の搬送経路にパスラインを挟んで設けられ、互いに接離する方向に移動する一対のサイドガイドと、
    設置高さが下流に向かうに連れて段階的に高くなるように前記長手方向へ並設されて前記サイドガイドに収納可能に組み込まれ、前記T形鋼の姿勢をウエブが略水平方向を指向する姿勢に変更するための複数のウエブ支持部材と、
    ウエブが略水平方向を指向する姿勢の前記T形鋼のウエブの上方および下方に設けられ、前記T形鋼のフランジの内面を冷却する複数の冷却ノズルと、前記T形鋼のフランジの外面と対峙する位置に前記パスラインに沿って設けられ、当該フランジの外面を冷却する複数の冷却ノズルと
    を備えることを特徴とするT形鋼の冷却装置。
  4. 前記ウエブ支持部材は、ウエブ支承ローラーである請求項3に記載されたT形鋼の冷却装置。
  5. さらに、前記フランジの内面を冷却する複数の冷却ノズルの噴射角度を調整する噴射角度調整機構と、前記フランジの外面を冷却する複数の冷却ノズルの噴射角度を調整する噴射角度調整機構とを備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載されたT形鋼の冷却装置。
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