JP2001030001A - H形鋼の製造方法 - Google Patents
H形鋼の製造方法Info
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- JP2001030001A JP2001030001A JP20621099A JP20621099A JP2001030001A JP 2001030001 A JP2001030001 A JP 2001030001A JP 20621099 A JP20621099 A JP 20621099A JP 20621099 A JP20621099 A JP 20621099A JP 2001030001 A JP2001030001 A JP 2001030001A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】この発明は、圧延後、高強度、高靭性を付与す
るために加速冷却を行なうH形鋼の製造において、歪矯
正のための工程を必要としない製造方法を提供する。 【解決手段】ブレークダウンミルによりH形鋼形状の素
材に圧延し、粗圧延機により各部寸法を成形後、仕上げ
圧延機における竪ロールの形状を予め調整し、あるいは
竪ロールと水平ロールとのギャップを調整し、予め、冷
却工程後のフランジの開き角度が零となるように実験な
どにより求めておいた角度をフランジに開き角度として
付与する仕上圧延を行なうことを特徴とするH形鋼の製
造方法。
るために加速冷却を行なうH形鋼の製造において、歪矯
正のための工程を必要としない製造方法を提供する。 【解決手段】ブレークダウンミルによりH形鋼形状の素
材に圧延し、粗圧延機により各部寸法を成形後、仕上げ
圧延機における竪ロールの形状を予め調整し、あるいは
竪ロールと水平ロールとのギャップを調整し、予め、冷
却工程後のフランジの開き角度が零となるように実験な
どにより求めておいた角度をフランジに開き角度として
付与する仕上圧延を行なうことを特徴とするH形鋼の製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延後、冷
却を行うH形鋼の製造方法に関し、特に冷却後、矯正機
あるいはプレスによる矯正作業なく能率よくH形鋼を製
造する方法に関する。
却を行うH形鋼の製造方法に関し、特に冷却後、矯正機
あるいはプレスによる矯正作業なく能率よくH形鋼を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築用の部材に対する耐震性の要
望が強まり、柱材や梁材用に強度や靭性に優れたH形鋼
が求められ、その製造方法として制御圧延や制御冷却が
適用されている。
望が強まり、柱材や梁材用に強度や靭性に優れたH形鋼
が求められ、その製造方法として制御圧延や制御冷却が
適用されている。
【0003】制御圧延や制御冷却は高強度・高靭性の鋼
材の一般的な方法であり、制御圧延は1000℃以上に
加熱したスラブやCCBB(continuous c
asting beam blank)素材を一旦中程
度の厚みまで粗圧延し、その後、鋼板の温度が未再結晶
温度域やあるいはその近傍の温度域で最終の仕上げ圧延
を行うもので、制御冷却は圧延後加速冷却によってAr
3温度以上から500℃程度まで冷却し、強度を確保す
るものである。
材の一般的な方法であり、制御圧延は1000℃以上に
加熱したスラブやCCBB(continuous c
asting beam blank)素材を一旦中程
度の厚みまで粗圧延し、その後、鋼板の温度が未再結晶
温度域やあるいはその近傍の温度域で最終の仕上げ圧延
を行うもので、制御冷却は圧延後加速冷却によってAr
3温度以上から500℃程度まで冷却し、強度を確保す
るものである。
【0004】H形鋼のフランジに対して、仕上げ圧延機
後方の加速冷却装置により制御冷却を行う方法として、
フランジ内外面から同時に冷却する方法(特公平5−7
3806号公報、以下先行技術1)、多段にスプレーノ
ズルを配置しガイドの後方からガイドに設けたスリット
を通してH形鋼のフランジ外面を冷却する方法(特開平
5−317948号公報、以下先行技術2)がある。
後方の加速冷却装置により制御冷却を行う方法として、
フランジ内外面から同時に冷却する方法(特公平5−7
3806号公報、以下先行技術1)、多段にスプレーノ
ズルを配置しガイドの後方からガイドに設けたスリット
を通してH形鋼のフランジ外面を冷却する方法(特開平
5−317948号公報、以下先行技術2)がある。
【0005】先行技術1の場合、H形鋼自体、図1に示
すようにフランジ1,フランジ幅(H),フランジ厚み
(t2),ウエブ2、ウエブ高さ(B),ウエブ厚み
(t1)の各寸法が多様であるため、多品種のH形鋼を
能率よく製造するためにはフランジ内面の冷却装置の
幅、位置、高さ等を容易に変更できる複雑な構造とする
か、あるいは冷却装置の位置調整を自在とする機構が必
要であり、更に内面に冷却装置を設けるため、H形鋼と
の衝突の危険性もあり、安定操業の点でも問題があっ
た。
すようにフランジ1,フランジ幅(H),フランジ厚み
(t2),ウエブ2、ウエブ高さ(B),ウエブ厚み
(t1)の各寸法が多様であるため、多品種のH形鋼を
能率よく製造するためにはフランジ内面の冷却装置の
幅、位置、高さ等を容易に変更できる複雑な構造とする
か、あるいは冷却装置の位置調整を自在とする機構が必
要であり、更に内面に冷却装置を設けるため、H形鋼と
の衝突の危険性もあり、安定操業の点でも問題があっ
た。
【0006】先行技術2の場合、スプレーノズルを多段
に配置し、フランジ外面を冷却する方法であり、フラン
ジが外面側からのみ冷却されるため加速冷却等の強冷却
の場合、冷却中にフランジ外面を凹にした反り(図2
(1))が発生する。冷却後、冷却床上で全体の温度が
下がるにつれ、フランジ外面を凸にした曲がり(図2
(2))が発生し、結局H形鋼が常温になった状態では
フランジ外面を凸にした曲がりが残留し、その後、矯正
機やプレスによる矯正作業が発生していた。特に、残留
曲がりがフランジ外面を凸にした曲がりは矯正作業が難
しく、コスト高となっていた。
に配置し、フランジ外面を冷却する方法であり、フラン
ジが外面側からのみ冷却されるため加速冷却等の強冷却
の場合、冷却中にフランジ外面を凹にした反り(図2
(1))が発生する。冷却後、冷却床上で全体の温度が
下がるにつれ、フランジ外面を凸にした曲がり(図2
(2))が発生し、結局H形鋼が常温になった状態では
フランジ外面を凸にした曲がりが残留し、その後、矯正
機やプレスによる矯正作業が発生していた。特に、残留
曲がりがフランジ外面を凸にした曲がりは矯正作業が難
しく、コスト高となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、仕上
げ圧延機後方の加速冷却装置により制御冷却を行う方法
において、内外面から冷却する方法は装置が複雑とな
り、外面から冷却する方法は冷却後、矯正する工程が不
可欠であった。本発明は、複雑な装置を用いることな
く、外面からの冷却のみにより熱歪が少ないH型鋼の製
造方法を提供する。
げ圧延機後方の加速冷却装置により制御冷却を行う方法
において、内外面から冷却する方法は装置が複雑とな
り、外面から冷却する方法は冷却後、矯正する工程が不
可欠であった。本発明は、複雑な装置を用いることな
く、外面からの冷却のみにより熱歪が少ないH型鋼の製
造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明法は高温の鋼材を
冷却した場合に生じる収縮変形を利用し、熱歪なくH形
鋼を製造する方法で、その要旨は以下のとおりである。
冷却した場合に生じる収縮変形を利用し、熱歪なくH形
鋼を製造する方法で、その要旨は以下のとおりである。
【0009】1. 仕上圧延工程と、この工程の後フラ
ンジ外面に冷却水を噴射して冷却を行う工程とを備えた
H形鋼の製造方法において、前記仕上圧延工程は、冷却
工程後にフランジの開き角度が零となるように、フラン
ジの開き角度を調整する工程を備えたことを特徴とする
H形鋼の製造方法。
ンジ外面に冷却水を噴射して冷却を行う工程とを備えた
H形鋼の製造方法において、前記仕上圧延工程は、冷却
工程後にフランジの開き角度が零となるように、フラン
ジの開き角度を調整する工程を備えたことを特徴とする
H形鋼の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、仕上げ圧延後におけ
るH形鋼の形状が、その後の冷却による変形によって、
所望の形状となるように圧延する。以下、図面を参照し
ながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図3は仕上げ圧延の状況を示すもので、仕上げ圧延にお
いてウエブ高さ,ウエブ厚みは最終製品寸法に圧延し、
フランジの角度3(図3中αで示す)を図3(1)に示
すように外側に角度α開いた形状のままで仕上げなけれ
ばならない。仕上げ圧延では図3(2)に示す仕上げ圧
延機の水平ロール4a,4bおよび竪ロール5a,5b
によってフランジを所定の角度αになるように圧延す
る。尚、フランジの角度3は上部フランジが外側に開い
た場合、開き角度(図3中αで示す)が正、内側に閉じ
た場合に負とする。
るH形鋼の形状が、その後の冷却による変形によって、
所望の形状となるように圧延する。以下、図面を参照し
ながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図3は仕上げ圧延の状況を示すもので、仕上げ圧延にお
いてウエブ高さ,ウエブ厚みは最終製品寸法に圧延し、
フランジの角度3(図3中αで示す)を図3(1)に示
すように外側に角度α開いた形状のままで仕上げなけれ
ばならない。仕上げ圧延では図3(2)に示す仕上げ圧
延機の水平ロール4a,4bおよび竪ロール5a,5b
によってフランジを所定の角度αになるように圧延す
る。尚、フランジの角度3は上部フランジが外側に開い
た場合、開き角度(図3中αで示す)が正、内側に閉じ
た場合に負とする。
【0011】仕上げ圧延後の開き角度αは、通過型のフ
ランジ外面冷却用加速冷却装置により、外側から水によ
って強冷却されることにより、両フランジがさらに外側
に開き(開き角度が正)、その後、熱間切断機で切断
後、冷却床で自然放冷中に徐徐に内側に倒れ、常温にお
いて鉛直(開き角度が零)となるような角度とする。
ランジ外面冷却用加速冷却装置により、外側から水によ
って強冷却されることにより、両フランジがさらに外側
に開き(開き角度が正)、その後、熱間切断機で切断
後、冷却床で自然放冷中に徐徐に内側に倒れ、常温にお
いて鉛直(開き角度が零)となるような角度とする。
【0012】開き角度αはフランジの厚み、加速冷却の
開始温度、冷却終了温度、変態温度等によって影響を受
けるため、あらかじめ実験によって求める。図4は、一
例として開き角度αに及ぼすフランジ厚みと冷却開始温
度の影響を示すもので、フランジ厚みが薄いほど、冷却
開始温度が高いほど歪の発生が大きく、開き角度αは大
きい。
開始温度、冷却終了温度、変態温度等によって影響を受
けるため、あらかじめ実験によって求める。図4は、一
例として開き角度αに及ぼすフランジ厚みと冷却開始温
度の影響を示すもので、フランジ厚みが薄いほど、冷却
開始温度が高いほど歪の発生が大きく、開き角度αは大
きい。
【0013】
【実施例】本発明の効果を実施例により説明する。本実
施例では加熱されたスラブをブレークダウンミルによっ
て該フランジ形状としたのち、ユニバーサル方式の粗圧
延機によりリバース圧延し、仕上げ圧延を行い、更に圧
延後にフランジを加速冷却する。スラブは板厚250m
mで加熱温度1250℃とし、加速冷却は770℃〜5
00℃を5〜10℃/secとした。以下に図5に示す
設備配置列を用いた実施例について、詳細に説明する。
施例では加熱されたスラブをブレークダウンミルによっ
て該フランジ形状としたのち、ユニバーサル方式の粗圧
延機によりリバース圧延し、仕上げ圧延を行い、更に圧
延後にフランジを加速冷却する。スラブは板厚250m
mで加熱温度1250℃とし、加速冷却は770℃〜5
00℃を5〜10℃/secとした。以下に図5に示す
設備配置列を用いた実施例について、詳細に説明する。
【0014】本実施例では、スラブを加熱炉6により加
熱後、ブレークダウンミル7によりH形鋼形状の素材に
圧延し、第1の粗圧延機群8及び第2の粗圧延機群9で
のリバース圧延により、各部寸法を圧延成形する。リバ
ース圧延は制御圧延とした。粗圧延後、仕上げ圧延機1
0の竪ロール5a、5bの形状を予め調整し、あるいは
竪ロール5a、5bと水平ロール4a,4bとのギャッ
プを調整し、圧延後のフランジが外側に開いた状態に仕
上げた後、冷却装置11によりフランジ外面を加速冷却
する。
熱後、ブレークダウンミル7によりH形鋼形状の素材に
圧延し、第1の粗圧延機群8及び第2の粗圧延機群9で
のリバース圧延により、各部寸法を圧延成形する。リバ
ース圧延は制御圧延とした。粗圧延後、仕上げ圧延機1
0の竪ロール5a、5bの形状を予め調整し、あるいは
竪ロール5a、5bと水平ロール4a,4bとのギャッ
プを調整し、圧延後のフランジが外側に開いた状態に仕
上げた後、冷却装置11によりフランジ外面を加速冷却
する。
【0015】冷却装置11の構造の一例を図6に示す。
冷却装置はサイドガイド12を兼ねており、高さ550
mmで、冷却水の噴射孔として直径3mmの孔13が2
0mmピッチで千鳥状に開けられた板厚15mmの鋼板
よりなっている。噴射孔は複数のブロックに分割され、
各ブロックは流量調整弁14やオンオフ弁15を有し、
冷却水を独立に流量制御かつオンオフ制御する。
冷却装置はサイドガイド12を兼ねており、高さ550
mmで、冷却水の噴射孔として直径3mmの孔13が2
0mmピッチで千鳥状に開けられた板厚15mmの鋼板
よりなっている。噴射孔は複数のブロックに分割され、
各ブロックは流量調整弁14やオンオフ弁15を有し、
冷却水を独立に流量制御かつオンオフ制御する。
【0016】水流形態はラミナフローが望ましく、飛び
散った液滴がフランジを乗り越え、ウエブを過冷するよ
うな流れは好ましくない。また、他の構造として、スプ
レーノズルを細密に配置し、水量密度1000l/mi
n・m2以上で冷却することも可能である。このような
強冷却条件で制御冷却を行った場合、フランジの全板厚
方向で、同等の加速冷却効果が得られる。
散った液滴がフランジを乗り越え、ウエブを過冷するよ
うな流れは好ましくない。また、他の構造として、スプ
レーノズルを細密に配置し、水量密度1000l/mi
n・m2以上で冷却することも可能である。このような
強冷却条件で制御冷却を行った場合、フランジの全板厚
方向で、同等の加速冷却効果が得られる。
【0017】本発明の実施例として、仕上げ圧延終了時
点のウエブ高さHが572mm,フランジ幅Bが510
mm,ウエブ厚みが60mm,フランジ厚み80mm,
長さ13mのH形鋼において、フランジの開き角度αを
鉛直線に対し0.46度外側に開いた仕上げ圧延を行っ
た。仕上り時のフランジ温度は850℃であった。尚、
本実施例の仕上げ圧延ではフランジを立てる圧延時に行
うウエブ高さBの縮幅圧延は行わなかった。
点のウエブ高さHが572mm,フランジ幅Bが510
mm,ウエブ厚みが60mm,フランジ厚み80mm,
長さ13mのH形鋼において、フランジの開き角度αを
鉛直線に対し0.46度外側に開いた仕上げ圧延を行っ
た。仕上り時のフランジ温度は850℃であった。尚、
本実施例の仕上げ圧延ではフランジを立てる圧延時に行
うウエブ高さBの縮幅圧延は行わなかった。
【0018】仕上げ圧延後の冷却は、冷却装置11に挿
入し、後端が冷却装置内に入ったと同時に全段の噴出口
から冷却水を噴射し、オッシレーションさせながら12
0秒冷却した。水量密度は1500l/min.m2
で、冷却中、冷却水がフランジ上端を乗り越えることは
なく、冷却後、復熱後のフランジ温度は、幅、長手方向
ともに均一で500℃であった。冷却後、熱間圧延機で
採寸、切断し、冷却床にて自然放冷をおこなった。その
結果、フランジの開き角度αは零で、フランジは鉛直と
なり、矯正の必要は生じなかった。
入し、後端が冷却装置内に入ったと同時に全段の噴出口
から冷却水を噴射し、オッシレーションさせながら12
0秒冷却した。水量密度は1500l/min.m2
で、冷却中、冷却水がフランジ上端を乗り越えることは
なく、冷却後、復熱後のフランジ温度は、幅、長手方向
ともに均一で500℃であった。冷却後、熱間圧延機で
採寸、切断し、冷却床にて自然放冷をおこなった。その
結果、フランジの開き角度αは零で、フランジは鉛直と
なり、矯正の必要は生じなかった。
【0019】更に本発明の実施例として、仕上げ圧延終
了時点のウエブ高さHが800mm,フランジ幅Bが3
00mm,ウエブ厚みが19mm,フランジ厚み37m
m,長さ33mのH形鋼において、フランジの開き角度
αを鉛直線に対し0.8度外側に開いた仕上げ圧延を行
った。仕上り時のフランジ温度は920℃であった。仕
上げ圧延後、冷却装置11を搬送速度1.6m/Sで通
過させた。
了時点のウエブ高さHが800mm,フランジ幅Bが3
00mm,ウエブ厚みが19mm,フランジ厚み37m
m,長さ33mのH形鋼において、フランジの開き角度
αを鉛直線に対し0.8度外側に開いた仕上げ圧延を行
った。仕上り時のフランジ温度は920℃であった。仕
上げ圧延後、冷却装置11を搬送速度1.6m/Sで通
過させた。
【0020】冷却は300mmのフランジが全面冷却さ
れるよう下から6段の冷却ブロックからのみ冷却水を噴
射させ、冷却水の水量密度は1500l/min.m2
とした。冷却後、復熱後のフランジ温度は、幅、長手方
向ともに均一で545℃であった。冷却後、熱間圧延機
で採寸、切断し、冷却床にて自然放冷をおこなった。そ
の結果、フランジの開き角度αは0で、フランジは鉛直
となり、矯正の必要は生じなかった。
れるよう下から6段の冷却ブロックからのみ冷却水を噴
射させ、冷却水の水量密度は1500l/min.m2
とした。冷却後、復熱後のフランジ温度は、幅、長手方
向ともに均一で545℃であった。冷却後、熱間圧延機
で採寸、切断し、冷却床にて自然放冷をおこなった。そ
の結果、フランジの開き角度αは0で、フランジは鉛直
となり、矯正の必要は生じなかった。
【0021】次に、比較例として、圧延後、フランジを
鉛直とする仕上げ圧延により、H形鋼を製造した。仕上
げ圧延終了時点のウエブ高さHが572mm,フランジ
幅Bが510mm,ウエブ厚みが60mm,フランジ厚
み80mm,長さ13mのH形鋼において、フランジを
鉛直とする仕上げ圧延を行った。仕上り時のフランジ温
度は830℃であった。
鉛直とする仕上げ圧延により、H形鋼を製造した。仕上
げ圧延終了時点のウエブ高さHが572mm,フランジ
幅Bが510mm,ウエブ厚みが60mm,フランジ厚
み80mm,長さ13mのH形鋼において、フランジを
鉛直とする仕上げ圧延を行った。仕上り時のフランジ温
度は830℃であった。
【0022】仕上げ圧延後の冷却は、冷却装置11に挿
入し、後端が冷却装置内に入ったと同時に全段の噴出口
から冷却水を噴射し、オッシレーションさせながら12
0秒冷却した。水量密度は1500l/min.m2
で、冷却中、冷却水がフランジ上端を乗り越えることは
なく、冷却停止、復熱後のフランジ温度は、幅、長手方
向ともに均一で500℃であった。
入し、後端が冷却装置内に入ったと同時に全段の噴出口
から冷却水を噴射し、オッシレーションさせながら12
0秒冷却した。水量密度は1500l/min.m2
で、冷却中、冷却水がフランジ上端を乗り越えることは
なく、冷却停止、復熱後のフランジ温度は、幅、長手方
向ともに均一で500℃であった。
【0023】冷却停止後、フランジの開き角度は0.2
〜0.5度で、外側に凹状を示したが、熱間圧延機で採
寸、切断し、冷却床にて自然放冷をおこなった後には、
フランジの開き角度は―0.7度で、外側に凸状を示し
た。フランジを鉛直とするため、矯正機によって繰り返
し曲げを行なったが、フランジ厚が80mmと厚く、困
難であった。
〜0.5度で、外側に凹状を示したが、熱間圧延機で採
寸、切断し、冷却床にて自然放冷をおこなった後には、
フランジの開き角度は―0.7度で、外側に凸状を示し
た。フランジを鉛直とするため、矯正機によって繰り返
し曲げを行なったが、フランジ厚が80mmと厚く、困
難であった。
【0024】更に比較例として、仕上げ圧延終了時点の
ウエブ高さHが800mm,フランジ幅Bが300m
m,ウエブ厚みが19mm,フランジ厚み37mm,長
さ33mのH形鋼において、フランジを鉛直とした仕上
げ圧延を行った。仕上り時のフランジ温度は920℃で
あった。仕上げ圧延後、冷却装置11を搬送速度1.6
m/Sで通過させた。冷却水の水量密度は1500l/
min.m2とした。
ウエブ高さHが800mm,フランジ幅Bが300m
m,ウエブ厚みが19mm,フランジ厚み37mm,長
さ33mのH形鋼において、フランジを鉛直とした仕上
げ圧延を行った。仕上り時のフランジ温度は920℃で
あった。仕上げ圧延後、冷却装置11を搬送速度1.6
m/Sで通過させた。冷却水の水量密度は1500l/
min.m2とした。
【0025】冷却停止、復熱後のフランジ温度は、幅、
長手方向ともに均一で545℃であった。冷却停止後、
フランジの開き角度は0.2〜0.5度で、外側に凹状
を示したが、熱間圧延機で採寸、切断し、冷却床にて自
然放冷をおこなった後には、フランジの開き角度は―
0.4度で、外側に凸状を示した。フランジを鉛直とす
るため、矯正機による繰り返し曲げを行なう作業が必要
であった。
長手方向ともに均一で545℃であった。冷却停止後、
フランジの開き角度は0.2〜0.5度で、外側に凹状
を示したが、熱間圧延機で採寸、切断し、冷却床にて自
然放冷をおこなった後には、フランジの開き角度は―
0.4度で、外側に凸状を示した。フランジを鉛直とす
るため、矯正機による繰り返し曲げを行なう作業が必要
であった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、強度と靭性に優れたH形鋼を加速冷却により製造す
る場合、冷却によるフランジの変形を生じないので、精
製工程における矯正作業が不要となり、低コストで高能
率な生産が可能となる。
ば、強度と靭性に優れたH形鋼を加速冷却により製造す
る場合、冷却によるフランジの変形を生じないので、精
製工程における矯正作業が不要となり、低コストで高能
率な生産が可能となる。
【図1】H形鋼の各部の名称を示す図。
【図2】仕上げ圧延後の冷却過程におけるH形鋼の形状
を示すもので、(1)は加速冷却後、(2)は冷却床上
で冷却後の変形状態を示す図。
を示すもので、(1)は加速冷却後、(2)は冷却床上
で冷却後の変形状態を示す図。
【図3】仕上げ圧延の状況を示すもので、(1)は圧延
後の形状、(2)は圧延中の状況を示す図。
後の形状、(2)は圧延中の状況を示す図。
【図4】仕上げ圧延時に付与するフランジの開き角度に
及ぼす諸因子の影響を示す図。
及ぼす諸因子の影響を示す図。
【図5】H形鋼を製造する設備の配置を示す図。
【図6】H形鋼製造に用いる冷却装置の模式図。
1…フランジ、 2…ウエブ、 3…フランジ開き角度α、 4a,4b…水平ロール。 5a,5b…竪ロール。 6…加熱炉 7…ブレークダウン圧延機 8…第一の粗圧延機群 9…第二の粗圧延機群 10…仕上げ圧延機 11…冷却装置 12…ガイド 13…冷却水噴射孔 14…流量調整弁 15…オンオフ弁
Claims (1)
- 【請求項1】 仕上圧延工程と、この工程の後フランジ
外面に冷却水を噴射して冷却を行う工程とを備えたH形
鋼の製造方法において、前記仕上圧延工程は、冷却工程
後にフランジの開き角度が零となるように、フランジの
開き角度を調整する工程を備えたことを特徴とするH形
鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20621099A JP3463614B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | H形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20621099A JP3463614B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | H形鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001030001A true JP2001030001A (ja) | 2001-02-06 |
JP3463614B2 JP3463614B2 (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=16519603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20621099A Expired - Fee Related JP3463614B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | H形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3463614B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107160002A (zh) * | 2017-03-27 | 2017-09-15 | 宁波金凤焊割机械制造有限公司 | 一种钢管束端部切割方法及系统 |
CN107530747A (zh) * | 2015-04-27 | 2018-01-02 | 三菱重工业株式会社 | 压延加工装置 |
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1999
- 1999-07-21 JP JP20621099A patent/JP3463614B2/ja not_active Expired - Fee Related
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