JP3460583B2 - 厚鋼板の製造装置及び厚鋼板の製造方法 - Google Patents

厚鋼板の製造装置及び厚鋼板の製造方法

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JP3460583B2 JP15538598A JP15538598A JP3460583B2 JP 3460583 B2 JP3460583 B2 JP 3460583B2 JP 15538598 A JP15538598 A JP 15538598A JP 15538598 A JP15538598 A JP 15538598A JP 3460583 B2 JP3460583 B2 JP 3460583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延によっ
て厚鋼板を製造する装置に関し、とくに1つの圧延機で
リバース圧延しながら制御圧延によって厚鋼板を製造す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、強度や靭性の優れた厚鋼板が求め
られており、特にその製造法として高温鋼板の圧延と冷
却とを組み合わせた制御圧延・制御冷却が盛んに行なわ
れている。高強度・高靭性の鋼板を製造する一般的な方
法としては、1000℃以上に加熱したスラブを一旦中程度
の厚みまで粗圧延し、その後、鋼板の温度が未再結晶温
度域やその温度域に近い温度域にある状態で最終の仕上
圧延を行う制御圧延が主流である。
【0003】たとえば、厚さ200〜300mmのスラブを1100
〜1200℃程度まで加熱後、圧延機で厚さ40〜60mm程度ま
で粗圧延し、その後調整冷却して、温度が未再結晶域で
ある900℃以下になった時点で再び圧延を開始し、最終
板厚(たとえば20mm)まで圧延する。さらに圧延後は加
速冷却によってAr3変態点温度以上から500℃程度まで冷
却することによって強度を出す、いわゆる制御冷却が一
般に行われている。
【0004】「鉄と鋼」70,10-A193に記載されているよ
うに、2つの圧延機で上記制御圧延・制御冷却を行う場
合には、粗圧延機の後方に温度調整用の冷却装置を設け
て、粗圧延後鋼板温度の調整を行い、さらに仕上圧延機
の後方に加速冷却装置を設けて加速冷却を行うのが効率
のよい一般的な制御圧延・制御冷却の方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、制御圧
延と制御冷却を1つの圧延機によるリバース圧延で実施
し、所定の熱履歴を有する製品を得ようとする場合に
は、圧延の能率が上がらないという問題点を有してい
る。すなわち、粗圧延でスラブから中間厚まで圧延した
後、温度を下げるための温度調整冷却を行う間、圧延機
がストップする。しかもこの段階では鋼板の厚みがまだ
厚いために温度調整に時間がかかる。従って、1ミルで
リバース圧延しながら厚鋼板を製造する設備では制御圧
延・制御冷却を行うと圧延能率が極端に落ちてしまう。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、1ミルで厚鋼板を能率良く制御圧延・制御冷
却することができる厚鋼板の製造装置及び方法を提供す
ることを課題とする。
【0007】前記課題を解決するための第1の手段は、
リバース圧延によって1つの圧延機で圧延を行う厚鋼板
の製造装置であって、圧延機の前後に冷却装置がそれぞ
れ1つ以上設けられ、圧延機の前に設けられた冷却装置
は、スラブ温度を、スラブの粗圧延が完了したときの温
度から、スラブの組織が未再結晶域となる温度まで下げ
る能力を有するものであり、圧延機の後に設けられた冷
却装置は、スラブ温度を、スラブの粗圧延が完了したと
きの温度から、スラブの組織が未再結晶域となる温度ま
で下げる能力を有すると共に、仕上げ圧延後の鋼板の加
速冷却を行う能力を有することを特徴とするもの(請求
項1)である。
【0008】本手段においては、圧延機の前後に冷却装
置がそれぞれ1つ以上設けられているので、同時に2枚
の鋼板を制御圧延、制御冷却しながら圧延することがで
きる。よって、1ミルで制御圧延、制御冷却を行う場合
であっても、厚鋼板を能率良く製造することができる。
【0009】すなわち、1枚のスラブの粗圧延が完了し
た場合に、そのスラブを圧延機後方の冷却装置に送って
調整冷却を行い、未再結晶域まで温度を下げる。この
間、圧延機は、次のスラブの粗圧延を行う。次のスラブ
の粗圧延が完了したら、そのスラブを圧延機前方の冷却
装置に送って調整冷却を行い、未再結晶域まで温度を下
げる。このときには、最初のスラブの調整冷却が終了し
ているので、これを圧延機まで逆送し、仕上圧延を行
う。仕上圧延が終了した時点で、当該鋼板を圧延機後方
の冷却装置に送って、加速冷却や焼入れを行う。それと
同時に、調整冷却が終了した次のスラブを圧延機に送
り、仕上圧延を行う。加速冷却が終了した最初の鋼板
は、精整工程に送られる。それと共に、仕上圧延が終了
した次の鋼板が圧延機後方の冷却装置に送られて加速冷
却や焼入れが行われ、第3のスラブが圧延機に送られて
粗圧延が行われる。このようにして、一つの圧延機によ
り、2枚の鋼板が同時に制御圧延、制御冷却処理され
る。
【0010】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、圧延機の前後に設けられた
却装置がそれぞれ通過型の冷却装置であることを特徴と
するもの(請求項2)である。ここで、通過型の冷却装
置とは、スラブ又は鋼板を停止させることなく、走行さ
せながら冷却を行うものである。
【0011】冷却装置を通過型とすることで、設備の長
さを短くすることができると共に、冷却むらを無くすこ
とができ、制御圧延のための冷却、制御冷却を正確に行
うことができる。
【0012】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段を用いた厚鋼板の製造方
法であって、第1のスラブを圧延機にて粗圧延後、圧延
機後面に設けられた冷却装置によって制御圧延可能な温
度まで冷却すると同時に、この冷却中に第2のスラブを
圧延機にて粗圧延し、粗圧延終了後、圧延機前面に設け
られた冷却装置によって制御圧延可能な温度まで冷却す
ると同時に、前記第1のスラブを圧延機に逆送して仕上
圧延を行い、仕上圧延終了後、圧延機後面に設けられた
冷却装置によって加速冷却を行うと同時に、前記第2の
スラブを圧延機に送って仕上圧延を行い、仕上圧延の終
了後、圧延機後面に設けられた冷却装置によって加速冷
却を行うと同時に、第3のスラブを圧延機で粗圧延し、
以下、これらの工程を繰り返して行うことにより厚鋼板
を製造することを特徴とする厚鋼板の製造方法(請求項
3)である。
【0013】この方法により、圧延機による圧延と冷却
装置による冷却が並行して行われるので、圧延能率良く
厚鋼板を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態
の一例である設備レイアウトと、圧延の手順を示す図で
ある。図1において、1は加熱炉、2は圧延機前面冷却
装置、3はリバース圧延機、4は圧延機後面冷却装置で
ある。圧延機前面冷却装置2、圧延機後面冷却装置4
は、いずれも通過型の冷却装置であり、スラブ又は鋼板
をその中に通過させながら冷却を行うものである。これ
らの設備を利用して、(1)〜(6)の工程により圧延
を行う。
【0015】(1)では、加熱炉1から抽出された第1
のスラブaは、搬送テーブル上を搬送され、圧延機前面
冷却装置2を通過してリバース圧延機3へ送られる。こ
のとき、圧延機前面冷却装置2では冷却水を噴射しない
ので、スラブaは単に冷却装置2を通過し、圧延機3で
粗圧延される。
【0016】続いて(2)では粗圧延の進行とほぼ同期
して第2のスラブbが加熱炉1から抽出されて、第1の
スラブの粗圧延が終了する頃にリバース圧延機3に到着
する。このとき、第1のスラブaと同様に、圧延機前面
冷却装置2では冷却を行わない。粗圧延が終了した第1
のスラブa(以下第1の圧延鋼板とよぶ)は圧延機後面
冷却装置4に送られ、仕上圧延に適当な所定の温度域ま
で温度調整冷却される。この間第2のスラブbはリバー
ス圧延機2で粗圧延される。
【0017】(3)では第2のスラブbの粗圧延が終了
すると、この第2のスラブb(以下第2の圧延鋼板と呼
ぶ)は圧延機前面冷却装置2に送られて温度調整冷却が
開始される。このとき、第1の圧延鋼板aは温度調整冷
却が終了し、逆送されてリバース圧延機3で仕上圧延さ
れる。
【0018】(4)では第1の圧延鋼板aの仕上圧延が
終了し、即座に圧延機後面冷却装置4に送られて、今度
は加速冷却が施される。このとき、第2の圧延鋼板bは
調整冷却が完了し、前進してリバース圧延機3で仕上圧
延が開始される。第1の圧延鋼板aは圧延機後面冷却装
置4を通過し、後の精整工程へ送られる。
【0019】(5)では、第2の圧延鋼板bの仕上圧延
が進行する中、第3のスラブcが加熱炉1から抽出さ
れ、第2の圧延鋼板bの仕上圧延が完了すると同時に第
3のスラブcの粗圧延が開始される。第2の圧延鋼板b
は、このとき、圧延機後面冷却装置4を通過しながら加
速冷却を施される。
【0020】以下、第3、第4のスラブが同様の組み合
わせで粗圧延、仕上圧延される(6)。(6)の状態は
(2)の状態と同じであり、以後(2)→(5)の工程
が繰り返し行われる。
【0021】このように本発明の厚鋼板の製造装置では
常に圧延機が稼働しており、2枚のスラブを交互に圧延
して、効率的に制御圧延・制御冷却することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。本実施例は板厚250mmのスラブを加熱炉で約1250℃
まで加熱し、その後、板厚100mmまで粗圧延した後、調
整冷却して鋼板温度が約900℃となった時点から仕上圧
延を開始し、製品板厚25mmの厚鋼板を製造し、その後、
約770℃から約500℃まで加速冷却を施すものであり、い
わゆる制御圧延・制御冷却を行う典型的な厚鋼板の製造
例である。
【0023】図1を用いて本実施例を説明する。加熱炉
1から抽出された厚さ250mmの第1のスラブaは、搬送
テーブルを送られて長さ8mの圧延機前面冷却装置2を
通過し、リバース圧延機3へ送られた。このとき、圧延
機前面冷却装置2では冷却水を噴射せず、冷却は行わな
かった。リバース圧延機3で約2分の間に厚さ250mmの
第1のスラブaは厚さ100mm、温度約1050℃の第1の圧
延鋼板aへ圧延され、粗圧延終了と同時にリバース圧延
機3後方に設置された、長さ20mの通過型の圧延機後面
冷却装置4へ送られて、温度調整のための冷却が施され
た。
【0024】圧延機後面冷却装置4は、加速冷却を行う
ことも可能な冷却装置で、上下に挟まれた20組の上ロー
ル、下ロール間を圧延直後の厚鋼板を搬送しながらオン
ラインで冷却を行う冷却装置であって、各ロール間のピ
ッチは1000mmである。各上ロール間の上面側には板搬送
方向の上流側の上ロールから下流側の上ロールに向かっ
て、板の進行方向にスリットノズルから2m3/min・mの
水を板に沿って流して冷却を行い、一方下面は100mmピ
ッチで設けた水中に没した円管から水を噴射し、その随
伴流で生じた液流で板幅方向に一様な冷却を行うもので
ある。
【0025】さらにこの冷却装置は複数の冷却ゾーンを
独立にオンオフすることが可能であるので、そのゾーン
のオンオフパターンを変更することによって冷却の強さ
を制御することが可能である。これにより、粗圧延や仕
上圧延の圧延時間とマッチングして温度調整冷却の時間
と冷却強さを制御し、次の圧延直前に鋼板温度が目標圧
延温度となるように冷却を最適化することが容易であ
る。
【0026】通過型の冷却装置でなく、鋼板を停止して
冷却する一斉型の冷却装置を用いて冷却すると、冷却装
置の長さは鋼板長より長く必要でスペースを要し設備費
がかかること、そのため冷却水量が膨大となって経済的
でないこと、等不利であることからこの第2の冷却装置
4は通過型の冷却装置を採用している。また、後に行う
加速冷却に際して、同冷却装置を兼用することでスペー
ス的にまた設備費的にメリットがある。
【0027】この温度調整冷却において、20組の拘束ロ
ールに挟まれた19の冷却ゾーンのうち、上流側の8ゾー
ンから冷却水を噴射し、その中に鋼板を搬送速度12mpm
で通過させた。このとき、通過型の冷却装置で全ゾーン
の冷却水を噴射しないのは、全ゾーン噴射して冷却速度
を上げなくても、鋼板の搬送速度が遅いために、鋼板の
先端と後端の冷却装置2に入る時間がずれても先端の鋼
板温度に比べて後端の鋼板の温度がさほど下がらないた
めである。よって、経済性を考慮して、一部ゾーンのみ
で冷却を行った。
【0028】この圧延機後面冷却装置4において、第1
の圧延鋼板はその温度が復熱ピークで約890℃まで冷却
された。第1の圧延鋼板aが圧延機3で粗圧延されてい
る間に、加熱炉1から第2のスラブbを抽出し、第1の
スラブ同様、圧延機前面冷却装置2を通過させて、リバ
ース圧延機3へ送った。この時、第1の冷却装置2では
冷却水を噴射せず、冷却は行わなかった。第1のスラブ
aの粗圧延が完了し、圧延機後面冷却装置4に送られる
とほぼ同時に、リバース圧延機3で第2のスラブbの粗
圧延を開始した。
【0029】第2のスラブbは、リバース圧延機3で、
第1のスラブ同様、約2分の間に厚さ250mmから100mmま
で圧延され、温度約1050℃の第2の圧延鋼板となり、粗
圧延終了と同時に、長さ8mの通過型の圧延機前面冷却
装置2へ送られて、温度調整のための冷却が施された。
搬送速度は12mpmとした。
【0030】圧延機前面冷却装置2は、圧延機後面冷却
装置4と同じ構造で、上下に挟まれた9組の上ロール、
下ロール間を厚鋼板を搬送しながらオンラインで冷却を
行う通過型の長さ8mの冷却装置であって、各ロール間
のピッチは1000mmである。各上ロール12間の上面側に
は板搬送方向の上流側の上ロールから下流側の上ロール
に向かって、板の進行方向にスリットノズルから2m3/
min・mの水を板に沿って流して冷却しており、一方下面
は100mmピッチで設けられ水中に没した円管から水を噴
射し、その随伴流で生じた液流で板幅方向に一様な冷却
を行っている。
【0031】第2の圧延鋼板bが圧延機前面冷却装置2
で温度調整されている間に、第1の圧延鋼板aはリバー
ス圧延機3で仕上圧延され、最終板厚25mmまで圧延され
た。この仕上圧延における圧延開始温度はAr3変態点よ
り低い約880℃で、仕上温度は約790℃であった。
【0032】仕上圧延完了後、直ちに第1の圧延鋼板a
は圧延機後面冷却装置4に送られて加速冷却が施され
た。このとき、圧延機後面冷却装置4では19ゾーンすべ
てから冷却水を噴射し、第1の鋼板aを21mpmで通過さ
せた。冷却停止温度は約500℃であった。加速冷却後の
第1の圧延鋼板aはさらに下流側の後工程へ送られた。
【0033】第1の圧延鋼板aが仕上圧延から加速冷却
へ移行するころ、第2の圧延鋼板bは、圧延機前面冷却
装置2で温度調整冷却が終了し、約890℃までその温度
が下がった。そこで直ちにリバース圧延機3へ搬送して
仕上圧延を施した。第2の圧延鋼板bの仕上圧延中に、
次の第3のスラブcを加熱炉1から抽出し、第2の圧延
鋼板bの仕上圧延が完了するころに圧延機3へ到着する
ようにした。第2の圧延鋼板bは、仕上圧延後圧延機後
面冷却装置4へ送られ、加速冷却が施された。
【0034】以上のような操業を続けることで圧延機の
稼働率を高く維持することが可能となり、粗圧延、又は
仕上圧延のピッチである2分〜2分30秒毎に鋼板を圧延
製造することが可能であった。
【0035】(比較例1)本発明の比較例として、1つ
の圧延機と圧延機の後面側の温度調整用の冷却装置と、
さらにその下流側の加速冷却装置の設備構成で制御圧延
と制御冷却を行った場合を説明する。比較例の設備構成
を図2に示す。図1において、1は加熱炉、2は圧延機
前面冷却装置、3はリバース圧延機、5は第1の圧延機
後面冷却装置、6は第2の圧延機後面冷却装置(加速冷
却装置)である。
【0036】この比較例は、加熱炉1で板厚250mmのス
ラブaを約1250℃まで加熱し、その後、板厚100mmまで
粗圧延した後、第1の圧延機後面冷却装置5において調
整冷却を行い、板温度が約900℃となった時点から逆送
して仕上圧延を開始し、製品板厚25mmの厚鋼板を製造
し、その後、約770℃から約500℃まで加速冷却を施す例
であり、いわゆる制御圧延・制御冷却を行う典型的な厚
鋼板の製造例であって、実施例に示されるものと同じ鋼
板を製造する例である。
【0037】(1)加熱炉1から抽出された厚さ250mm
の第1のスラブaは、搬送テーブルを搬送されてリバー
ス圧延機3へ送られた。リバース圧延機3で約2分の間
に、厚さ250mmの第1のスラブaは厚さ100mm、温度約10
50℃の第1の圧延鋼板aへ圧延された。
【0038】(2)第1の圧延鋼板aは、粗圧延終了と
同時に、長さ20mの通過型の第1の圧延機後面冷却装置
5へ送られて、温度調整のための冷却が施された。この
冷却装置において、約2分30秒間の調整冷却によって第
1の圧延鋼板aはその温度が復熱ピークで約890℃まで
冷却された。
【0039】(3)調整冷却後の圧延鋼板aは第1の圧
延機後面冷却装置5から逆送されて、仕上圧延された。 (4)圧延鋼板aの仕上圧延中に、第2のスラブbが加
熱炉から抽出されてリバース圧延機3へ搬送された。圧
延鋼板aは仕上圧延され、厚さ25mm、温度約780℃の鋼
板となって、第2の圧延機後面冷却装置6へ搬送されて
加速冷却が施され、冷却終了温度約500℃まで冷却され
た。
【0040】(5)粗圧延された第2の圧延鋼板bは粗
圧延後、第1の圧延機後面冷却装置5で調整冷却を施さ
れた。 (6)、(7)その後同様の圧延を繰り返し第3のスラ
ブcを圧延した。この操業を続けると、圧延能率は12
分に2枚程度の能率となった。実施例と比べると圧延能
率が1/2.5に低下している。
【0041】(比較例2)本発明のもう1つの比較例と
して、1つの圧延機と圧延機の後面側の温度調整用の冷
却装置と、さらにその下流側の加速冷却装置の設備構成
で制御圧延と制御冷却を行う場合を説明する。
【0042】第2の比較例の設備構成を図3に示す。図
3における設備の符号は、図2に示したものと同じであ
る。
【0043】この比較例は、加熱炉1で板厚250mmのス
ラブaを約1250℃まで加熱し、その後、板厚100mmまで
粗圧延した後、第1の圧延機後面冷却装置5において調
整冷却を行い、板温度が約900℃となった時点で逆送し
て仕上げ圧延を開始し、製品板厚25mmの厚鋼板を圧延
し、その後、約770℃から約500℃まで加速冷却を施す例
であり、いわゆる制御圧延・制御冷却を行う典型的な厚
鋼板の製造例であって、実施例、比較例1に示されるも
のと同じ鋼板を製造する例である。
【0044】(1)加熱炉1から抽出された厚さ250mm
の第1のスラブaは、搬送テーブルを搬送され、リバー
ス圧延機3へ送られた。リバース圧延機3で、約2分の
間に250mmの第1のスラブaは厚み100mm。温度約1050℃
の第1の圧延鋼板aへ圧延され、粗圧延終了と同時に、
長さ20mの通過型の第1の圧延機後面冷却装置5へ送ら
れて、温度調整のための冷却が施された。この冷却装置
は、加速冷却をおこなうことも可能な冷却装置で、実施
例で説明した圧延機後面冷却装置4と同じ冷却装置であ
る。第1の圧延機後面冷却装置5において、第1の圧延
鋼板aはその温度が復熱ピークで約890℃まで冷却され
た。
【0045】(2)第1の圧延鋼板aがリバース圧延機
3で粗圧延されている間に、加熱炉1から第2のスラブ
bを抽出し、リバース圧延機3へ送り、第1の圧延鋼板
aが圧延機で粗圧延終了すると同時に第2のスラブbの
粗圧延を開始した。
【0046】(3)第2のスラブbの粗圧延が終了する
ころ、調整冷却後の第1の圧延鋼板aは冷却装置5から
逆送されて、仕上圧延された。第1の圧延鋼板aは仕上
圧延されて厚さ25mm、温度約780℃の鋼板となって、再
び冷却装置5へ搬送されて加速冷却が施され、冷却終了
温度は約500℃であった。しかしながらこの際、粗圧延
された第2の圧延鋼板bは、リバース圧延機3の前面側
で待機しなければならなかった。しかも、この時点では
圧延鋼板厚みが100mmであるために、温度が低下してお
らず、仕上圧延の温度であるAr3変態点以下になるため
には約150℃温度が下がるのを待たなければならなかっ
た。この時間は約7分半程度であった。従って、この間
圧延機3は停止したままであった。
【0047】(4)その後、第2の圧延鋼板bの仕上圧
延を開始し、この圧延が終了するころに第3のスラブc
をリバース圧延機3に搬送した。 (5)仕上圧延が終了した第2の圧延鋼板bは、第1の
圧延機後面冷却装置5へ搬送されて、冷却終了温度約50
0℃まで加速冷却が施され、その後、精整工程に搬送さ
れた。第3のスラブcは、リバース圧延機3で、厚み10
0mm、温度約1050℃の第3の圧延鋼板cへ圧延された。
【0048】(6)この粗圧延中に、第4のスラブdを
加熱炉1から抽出し、第3のスラブcの粗圧延が終了す
ると同時に、これを第1の圧延機後面冷却装置5へ搬送
して、調整冷却を開始し、リバース圧延機3により第4
のスラブdの粗圧延を開始した。この操業を続けると、
圧延能率は10分に2枚程度の能率となった。実施例と
比べると圧延能率が半減している。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明は、リバース圧延
によって1つの圧延機で圧延を行う厚鋼板の製造装置で
あって、圧延機の前後に冷却装置がそれぞれ1つ以上設
けられ、圧延機の前に設けられた冷却装置は、スラブ温
度を、スラブの粗圧延が完了したときの温度から、スラ
ブの組織が未再結晶域となる温度まで下げる能力を有す
るものであり、圧延機の後に設けられた冷却装置は、ス
ラブ温度を、スラブの粗圧延が完了したときの温度か
ら、スラブの組織が未再結晶域となる温度まで下げる能
力を有すると共に、仕上げ圧延後の鋼板の加速冷却を行
う能力を有することを特徴とする厚鋼板の製造装置であ
るので、1つの圧延機でリバース圧延しながら制御圧延
・制御冷却を行う厚鋼板の製造において圧延機の圧延能
率を上げることができる。また、冷却装置として通過型
の冷却装置を用いることにより、精度のよい、省水量型
の冷却が可能となる。
【0050】これらの設備を用いた実際の厚鋼板の製造
方法として、第1のスラブを圧延機にて粗圧延後、圧延
機後面に設けられた冷却装置によって制御圧延可能な温
度まで冷却すると同時に、この冷却中に第2のスラブを
圧延機にて粗圧延し、粗圧延終了後、圧延機前面に設け
られた冷却装置によって制御圧延可能な温度まで冷却す
ると共に、前記第1のスラブを圧延機に逆送して仕上圧
延を行い、仕上圧延終了後、圧延機後面に設けられた冷
却装置によって加速冷却を行うと同時に、前記第2のス
ラブを圧延機に送って仕上圧延を行い、仕上圧延の終了
後、圧延機後面に設けられた冷却装置によって加速冷却
を行うと同時に、第3のスラブを圧延機で粗圧延し、以
下、これらの工程を繰り返して行って厚鋼板を製造する
ことにより、圧延能率よく、厚鋼板を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例及び実施例、これらに
おけるスラブ、鋼板の流れの概要を示す図である。
【図2】比較例1の設備構成及びスラブ、鋼板の流れの
概要を示す図である。
【図3】比較例2の設備構成及びスラブ、鋼板の流れの
概要を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 圧延機前面冷却装置 3 リバース圧延機 4 圧延機後面冷却装置 a 第一のスラブおよび圧延鋼板 b 第二のスラブおよび圧延鋼板 c 第三のスラブおよび圧延鋼板 d 第四のスラブおよび圧延鋼板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 45/02 C21D 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リバース圧延によって1つの圧延機で圧
    延を行う厚鋼板の製造装置であって、圧延機の前後に冷
    却装置がそれぞれ1つ以上設けられ、圧延機の前に設け
    られた冷却装置は、スラブ温度を、スラブの粗圧延が完
    了したときの温度から、スラブの組織が未再結晶域とな
    る温度まで下げる能力を有するものであり、圧延機の後
    に設けられた冷却装置は、スラブ温度を、スラブの粗圧
    延が完了したときの温度から、スラブの組織が未再結晶
    域となる温度まで下げる能力を有すると共に、仕上げ圧
    延後の鋼板の加速冷却を行う能力を有することを特徴と
    する厚鋼板の製造装置。
  2. 【請求項2】 圧延機の前後に設けられた冷却装置がそ
    れぞれ通過型の冷却装置であることを特徴とする請求項
    1に記載の厚鋼板の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の厚鋼板の
    製造装置を用いた厚鋼板の製造方法であって、第1のス
    ラブを圧延機にて粗圧延後、圧延機後面に設けられた冷
    却装置によって制御圧延可能な温度まで冷却すると同時
    に、この冷却中に第2のスラブを圧延機にて粗圧延し、
    粗圧延終了後、圧延機前面に設けられた冷却装置によっ
    て制御圧延可能な温度まで冷却すると同時に、前記第1
    のスラブを圧延機に逆送して仕上圧延を行い、仕上圧延
    終了後、圧延機後面に設けられた冷却装置によって加速
    冷却を行うと同時に、前記第2のスラブを圧延機に送っ
    て仕上圧延を行い、仕上圧延の終了後、圧延機後面に設
    けられた冷却装置によって加速冷却を行うと同時に、第
    3のスラブを圧延機で粗圧延し、以下、これらの工程を
    繰り返して行うことにより厚鋼板を製造することを特徴
    とする厚鋼板の製造方法。
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