JP6005581B2 - プレス金型 - Google Patents

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Description

本発明は、スラブなどの鋳片を幅方向にサイジングプレスする際に用いるプレス金型に関するものである。
一般に、連続鋳造プロセスにおいて鋳造された鋳片(スラブ)に対しては、加熱炉から出て温度が低下しないうちに、または一旦温度が低下した後に加熱炉に再投入して所定の温度まで加熱した状態にて、サイジングプレスが行われる。このサイジングプレスは、一方向に向かって移送される鋳片に対して、この鋳片の幅方向両端からプレス金型を間歇的に押し当てて鋳片の板幅を変更するものである。
このようなサイジングプレスに用いられるプレス金型は鋳片の左右両側に一対設けられ、このプレス金型は鋳片に面する側が斜面状のテーパ面と平面状の平行面とで構成されている。プレス機に入ってきた鋳片は、左右に配備されたプレス金型のテーパ面において挟み込まれることで1回目のプレス加工が行われる。
一方、平行面は、鋳片の移送方向と平行な平面状に形成されており、テーパ面で1回目のプレス加工が行われた鋳片をさらにプレスする部分である。このようにサイジングプレスでは、プレス金型の異なる部分を用いて複数のステップに分けて鋳片をプレスし、代表的な装置であれば、900〜2000mm程度の鋳片を最大300〜350mm程度の幅までプレスして鋼板製品の製造を可能としている。
ところで、このようなサイジングプレス機としては、特許文献1や特許文献2に記載されるようなものがすでに知られている。
たとえば、特許文献1のサイジングプレス機は、テーパ面を、鋳片の進行方向の出側方向に向かって狭まるように傾斜した第1の傾斜部と、鋳片の進行方向に略平行な中間平行部と、この中間平行部から鋳片の進行方向の出側に向かって狭まるように傾斜した第2の傾斜部とで構成し、これらの傾斜部の傾斜角や鋳片の送りピッチなど所定の範囲に調整することにより大きな幅圧下量を達成可能となっている。
また、特許文献2のサイジングプレス機は、プレスを行う際にプレス金型と鋳片との間にすべりが起こらないように、テーパ面による1回目のプレスに引き続いて平行面で2回目のプレスを行う際には、テーパ面でプレスをした部分と平行面でこれらからプレスしようとする部分とが一部重なり合うように鋳片を移送してプレスを行うものである。
なお、特許文献1及び2の他に、サイジングプレス機として、特許文献3〜7に示すものがある。
特開2007−222894号公報 特開2000−254709号公報 特開平03−081005号公報 特開昭63−036902号公報 特開平09−122707号公報 特開2009−190049号公報 特開2000−254702号公報
ところで、近年は鋳片にチタンやステンレス鋼などのように変形抵抗が高い材料をプレスするニーズが大きくなってきている。変形抵抗が高い材料をプレスするには、圧下力を大きくする必要があるが、材料に対応して大きな圧下力でプレスすると、従来の金型では、圧下装置への負担が大きくなる。それ故、実際の生産においては、チタンやステンレス鋼などの変形抵抗の比較的高いスラブは相対的に小さな幅圧下量で加工が行われることが多い。
ところが、例えば最大300〜350mm程度の幅圧下量を目標として上述したプレス金型(従来プレス金型という)でプレスを行う場合、小さな幅圧下量であっても、サイジングプレス機のフレーム等に負荷が発生し、サイジングプレス機の短寿命化の要因となる。即ち、変形抵抗が高いスラブの場合、低圧下量であっても高い荷重が発生する。
また、プレス金型のテーパ面の傾斜角度を10〜15°程度にした場合、図9に示すように、変形抵抗が大きな材料のもの(図中、変形抵抗大)は、幅圧下量(サイジングプレス圧下量)の変化にともなって発生するモーメントが著しく変化する。即ち、従来プレス金型の場合、小さな幅圧下量でもモーメントが非常に大きくなり、圧下装置に過大な負担がかかって設備短寿命化の原因となる。
そのため、最大100mm程度の幅圧下でモーメントが小さくなるように、プレス金型を設定した場合、図9に示すように、小さな幅圧下量での発生モーメントは低く抑えることができるが、限られた幅圧下量にしか対応できない金型となり高生産性に対応できないこととなる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、プレス金型を支持する機構に対する負荷を低減しつつ変形抵抗が高い材料のサイジングプレスを行うことができるプレス金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のプレス金型は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明のプレス金型は、長手方向に移送される鋳片の幅方向の両側を間歇的に押圧することで当該鋳片を所定の幅までプレスするサイジングプレス機に備えられたプレス金型であって、前記プレス金型は、最も出側に設けられ且つ前記鋳片の移送方向と平行な押圧平行部と、前記押圧平行部の入側に連接され且つ鋳片が導入される入側から出側に向けて幅方向に傾斜する押圧テーパ部と、を備えており、前記押圧テーパ部は、傾斜角度が異なる複数のテーパ面を連接させたものであり、前記押圧テーパ部においては、各テーパ面の傾斜角度を前記押圧平行部から順に入側に向けて次第に大きくすると共に、最も入側に位置するテーパ面の傾斜角度を20〜35°としていることを特徴とする。
前記押圧平行部につながるテーパ面の傾斜角度αと前記傾斜角度αのテーパ面に続く他のテーパ面の傾斜角度βとは、式(1)を満たすことが好ましい。
(β/2)−10°≦α≦(β/2)+10° ・・・(1)
前記傾斜角度が最大となるテーパ面から出側に向けて延長した第1延長線と、前記押圧平行部から入側に向けて延長した第2延長線との交点から押圧平行部の出側端点までの長さは、前記鋳片の送り量の1.0〜1.2倍であることが好ましい。
前記傾斜角度が最大となるテーパ面から出側に向けて延長した第1延長線と、前記押圧平行部から入側に向けて延長した前記第2延長線との交点は、前記プレス金型を支持するクランク軸の中心よりも入側に位置させており、前記クランク軸の中心から交点までの移送方向の距離は、前記鋳片の送り量の0.3倍以下としていることが好ましい。
本発明のプレス金型によれば、プレス金型を支持する機構に対する負荷を低減しつつ変形抵抗が高い材料のサイジングプレスを行うことができる。
本発明のサイジングプレス機において鋳片をプレスしている状態を示している。 サイジングプレス機のプレス金型で鋳片にプレスを行っている平面図である。 プレス金型の平面図及び拡大詳細図である。 サイジングプレス時における圧下量と発生する荷重との関係を示す図である。 サイジングプレス時における圧下量と発生するモーメントとの関係を示す図である。 第1テーパ面の傾斜角度αと、第2テーパ面の傾斜角度βと、鋳片の幅方向の寸法偏差量との関係をまとめた図である。 β=20°であるときのサイジングプレス時における圧下量と、モーメントの最大値と、距離Lとの関係を示す図である。 β=35°であるときのサイジングプレス時における圧下量と、モーメントの最大値と、距離Lとの関係を示す図である。 サイジングプレス時における圧下量と発生するモーメントとの関係を示す図である(従来プレス金型)。
以下、本発明のプレス金型が設けられたサイジングプレス機の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、サイジングプレス機2を模式的に示したものである。
図1に示すように、サイジングプレス機2は、長手方向に移送される鋳片Sに対して、この鋳片Sの幅方向の両側を間歇的に押圧するプレス金型1を備えたものであり、プレス金型1を用いて鋳片Sを所定の幅までプレス可能となっている。また、サイジングプレス機2には、図示しない鋳片Sの移送手段が設けられており、鋳片Sを長手方向に沿って移送できるようになっている。
具体的には、サイジングプレス機2は、鋳片Sの幅方向の両側に一対のプレス金型1、1を有している。図2に示すように、プレス金型1には後述する金型移動機構3が設けられており、金型移動機構3により左側のプレス金型1と右側のプレス金型1とが同時に移動して鋳片Sに対して近接離反することにより、鋳片Sを所定の幅寸法にプレスできるようになっている。なお、この鋳片Sには、連続鋳造されたものだけでなく、分塊圧延等を経たスラブなども含まれるし、圧延や鍛造等の塑性加工品を用いても良い。
サイジングプレス機2では、鋳片Sの移送手段が停止している状態、言い換えれば鋳片Sの移送が停止している状態のときには、金型移動機構3を用いて左右一対のプレス金型1、1を互いに近接し合う方向に前進(移動)させ、一対のプレス金型1、1を鋳片Sの幅方向の両側に押し当てて鋳片Sを幅方向にプレスする。そして、鋳片Sのプレスが終わったら、金型移動機構3を用いて左右両側のプレス金型1をいずれも鋳片Sから遠ざけるように後退(移動)させ、鋳片Sの移送手段を用いて鋳片Sを1ピッチ分移送させる。このように本発明のサイジングプレス機2では、移送手段と金型移動機構3とを交互に作動させて鋳片Sの移送とプレス加工とを交番に行うことにより、サイジングプレスが可能となっている。
図2に示すように、詳しくは、金型移動機構3は、鋳片Sに面する側の反対側からプレス金型1を押圧するスライダ7と、このスライダ7を支持する支持フレーム部6とで構成されている。
スライダ7は、移送方向と垂直な方向(図2の紙面における左右方向)に向かってプレス金型1を押圧するものであり、押圧平行部10から押圧テーパ部11にかけてプレス面(プレス加工部)12の反対側に設けられている。スライダ7は、クランク機構8により鋳片S側に向かって前進したり鋳片Sから遠ざかるように後退する。
支持フレーム部6は、スライダ7を支持する部材であり、移送方向と垂直な方向(図2の紙面における左右方向)に沿って長尺に形成されている。支持フレーム部6の内側には上述したスライダ7が鋳片Sの移送方向と垂直な方向に向かって出退自在に収容されている。また、スライダ7の反鋳片側の端部には、クランク機構8が設けられている。クランク機構8は、鋳片Sの移送方向と垂直な方向にスライダ7を鋳片S側に向かって前進又は後退させるもので、スライダ7への動力を伝達するクランク軸9を備えている。
以上のように、サイジングプレス機2では、金型移動機構3により、スライダ7を前進又は後退させながら、鋳片Sの側面を押圧することにより、鋳片Sを所定の幅までプレスすることができる。
さて、上述したように、チタンやステンレス鋼などのように変形抵抗が高い材料で構成された鋳片Sをプレスした場合、低圧下量であっても高い負荷(荷重やモーメント)が金型移動機構3に加わることがある。ここで、金型移動機構3に加わる負荷を低減させるためには、鋳片Sの厚みの低減や鋳片Sの温度上昇をする方法が考えられるが、これらの方法は、生産性などが低下する虞があり、操業において常に取り得ることのできる方策ではない。
そこで、本発明では、鋳片Sの厚みの低減や鋳片Sの温度上昇など鋳片を変更するのではなく、プレス金型1の構成、即ち、鋳片Sをプレスする部分の構造を変えることにより、金型移動機構3にかかる負荷を低減している。
以下、プレス金型1について詳しく説明する。説明の便宜上、プレス金型1に鋳片Sが導入される側を入側といい、プレス金型1から鋳片Sが導出される側を出側という。
図1に示すように、プレス金型1は、鋳片Sの幅方向の側方に離れて一対に配備されている。それぞれのプレス金型1は、矩形状に形成され、当該プレス金型1の鋳片Sと対向する部分(対向部)に、鋳片Sに押し当てることによりプレス加工するプレス加工部12が形成されている。
図2、図3に示すように、プレス加工部12は、大別して、鋳片Sの移送方向に平行な押圧平行部10と、この押圧平行部10から入側に連設されて幅方向に傾斜する押圧テーパ部11とで構成されている。押圧平行部10は、入側から出側に向けて鋳片Sの側面に平行な面(平行面)により構成されている。押圧テーパ部11は、平行面(出側)10から入側にかけて順にテーパ面13を複数連設することにより構成されている。
図3は、押圧テーパ部11の詳細を示したものである。図3を用いて、押圧テーパ部11、即ち、各テーパ面13について詳しく説明する。
図3に示すように、各テーパ面13、13は、平面視において入側から出側に向けて次第に幅方向内側に移行するような傾斜状とされている。各テーパ面13、13の傾斜角度は、それぞれ異なってている。
例えば、平行面(出側)10に最も近いテーパ面13aの傾斜角度αは、他のテーパ面13の傾斜角度より小さく、入側に最も近いテーパ面13bの傾斜角度βは、他のテーパ面13の傾斜角度より大きいものとなっている。即ち、本発明のプレス金型1では、傾斜角度α、βが異なる多段のテーパ面13a、13bにより押圧テーパ部11を構成し、押圧テーパ部11を構成する各テーパ面13a、13bの傾斜角度α、βを押圧平行部10(平行面)から順に入側に向けて次第に大きくしている。
詳しくは、1つの目のテーパ面(第1テーパ面)13aを平行面10の入側端部から引き続き形成し、この第1テーパ面13aの出側端部に引き続き、2つ目のテーパ面(第2テーパ面)13bを形成し、これら第1テーパ面13aと第2テーパ面13bとの2つのテーパ面13により押圧テーパ部11を構成している。
第1テーパ面13aの傾斜角度αは12°とされ、第2テーパ面13bの傾斜角度βは30°とされ、第1テーパ面13aよりも第2テーパ面13bの傾斜角度α、βが大きくなっている。なお、傾斜角度α、βは、平行面10の出側から出側に向けて引いた基準直線L1と、テーパ面13を構成する面とのなす角のことである。
また、第2テーパ面13bの傾斜角度βを第1テーパ面13aよりも大きく、即ち、各テーパ面13の傾斜角度を押圧平行部10から順に入側に向けて次第に大きくしているため、テーパ面13が多段であっても、プレス後の鋳片Sの形状を良くすることができる。
図2に示すように、鋳片Sをプレス金型1に導入すると、まず、第1テーパ面13aが鋳片Sに接触して鋳片Sの側面をプレスし、次に、第1テーパ面13aに続く、第2テーパ面13bが鋳片Sの側面をプレスすることになる。上述したように、第1テーパ面13aと第2テーパ面13bとは傾斜角度が大きくなりつつ(幅方向外側に広がりつつ)多段となっているため、圧下時に、それぞれのテーパ面13(第1テーパ面13a、第2テーパ面13b)が鋳片Sに接触する長さが、従来プレス金型に比して短くなる。そのため、プレス時には、テーパ面13が一様(テーパ面13が1つ)な従来プレス金型に比べて、各テーパ面13と鋳片Sとの接触面積が減少し、プレス荷重(サイジングプレス荷重)が小さくなる。プレス荷重を小さくすることができるため、金型移動機構3にかかる負荷を低減することができる。
図4は、サイジングプレス圧下量と、サイジングプレス荷重と、テーパ面13の傾斜角度との関係をまとめたものである。
図4に示すように、テーパ面13の傾斜角度が大きくなるにしたがって、サイジングプレス荷重が徐々に小さくなる。特に、テーパ面13の傾斜角度が小さい場合は、サイジングプレス荷重を減少する度合いが大きく、テーパ面13の傾斜角度が大きくなるにつれて、サイジングプレス荷重が減少するものの、減少する度合いが小さくなる。ここで、テーパ面13の傾斜角度を大きくすればするほど、サイジングプレス荷重の増加を抑えることができるが、テーパ面13の傾斜角度が35°を超えてしまうと傾斜角度が急過ぎて鋳片Sの形状が不均一になり易く、テーパ面13にしたときのサイジングプレス荷重の減少の割合が小さくなる。そのため、テーパ面13の傾斜角度の上限値は、35°以下にしている。即ち、最も入側に位置するテーパ面13、即ち、第2テーパ面13bの傾斜角度βを35°以下にすることが好ましい。さらに好ましくは、第2テーパ面13bの傾斜角度βを20°以上35°以下にすることが好ましい。
以上、プレス金型は、押圧テーパ部11と押圧平行部10とを備え、押圧テーパ部11を傾斜角度が異なる多段のテーパ面13で構成し、各テーパ面13の傾斜角度を押圧平行部10から順に入側に向けて次第に大きくすると共に、最も入側に位置するテーパ面13の傾斜角度を20〜35°としているため、サイジングプレス荷重を小さくすることができ、金型移動機構3にかかる負荷を低減することができる。加えて、多段のテーパ面13で鋳片Sを圧下したとしても、圧下後の鋳片Sの側面を滑らかにすることができる、即ち、鋳片Sの形状悪化を防止することができる。
なお、上述したように、押圧テーパ部11を傾斜角度が異なる多段のテーパ面13で構成し、テーパ面13の傾斜角度を20〜35°にしているため、サイジングプレス荷重を抑えるだけでなく、図5に示すように、プレス金型のモーメントを0〜350mmの広範囲に亘って小さくすることができる。
さて、鋳片Sをテーパ面13(第1テーパ面13a、第2テーパ面13b)でプレスした後は、平行面10で鋳片Sをプレスすることにより、鋳片Sを目標となる幅にする。このように、テーパ面13でプレス後に、平行面10でプレスするため、平行面の周囲の長さ(移送方向の長さ)を十分にとる必要がある。
そのため、図2に示すように、傾斜角度が最大となるテーパ面13(第2テーパ面13b)から出側に向けて延長した第1延長線L2と、押圧平行部10から入側に向けて延長した第2延長線L1との交点Pとし、この交点Pから押圧平行部10の出側端点までの長さL3を、鋳片Sの送り量の1.0〜1.2倍としている。言い換えれば、平行面10の移送方向の長さを、鋳片Sの送り量よりも長くしている。長さL3を鋳片Sの送り量の1.0倍より短くすると、鋳片Sに平行面(押圧平行部10)10でプレスされない領域が生じてしまい、幅方向の寸法精度が低下してしまう。また、長さL3を鋳片Sの送り量の1.2倍よりも長くすると、鋳片Sと金型の接触面積が増え、プレス荷重が高くなってしまう。
さらに、交点Pは、プレス金型1を支持するクランク軸9の中心よりも入側に位置させており、クランク軸9の中心Oから交点Pまでの移送方向の距離L4は、スラブ(鋳片)の送り量の0.3倍以下としている。言い換えれば、クランク軸9の中心から交点Pまでの移送方向の距離を、平行面の移送方向の長さの0.3倍以下にしている。
交点Pをクランク軸9の中心よりも入側に位置させると、モーメントを低く保つことができる。一方、例えば、後述する図7及び図8の「―●― −40mm」に示すように、長さL4がマイナスなっていて、交点Pをクランク軸の中心よりも出側方向に位置させてしまうと、モーメントの最大値が大きくなってしまう。
また、例えば、後述する図7及び図8の「―■― 120mm」に示すように、送り量400mmに対してクランク軸9の中心Oから交点Pまでの移送方向の距離L4を、スラブ(鋳片)の送り量の0.3倍以下とした場合、モーメントを低く保ちつつ150mm以上のサイジングプレス圧下量を確保することができる。
さて、図6は、圧下前の鋳片幅(スラブ幅)を1300mm、厚さを240mm、鋳片の加熱温度を1000℃、幅圧下量を300mmとしたときの第1テーパ面13aの傾斜角度αと、第2テーパ面13bの傾斜角度βと、鋳片の幅方向の寸法偏差量との関係をまとめたものである。これらテーパ面13の傾斜角度と、幅方向の寸法偏差量との関係は、コンピュータシミュレーションで計算したものである。幅方向の寸法偏差量は、圧下後の鋳片の幅寸法の変化量であり、幅方向の寸法偏差量=0mmが最も望まれる状況である。なお、実操業においては、幅方向の寸法偏差量は20mm以下であれば良いとされている。
図6に示すように、第1テーパ面13aの傾斜角度αと第2テーパ面13bの傾斜角度βとが範囲Aにあるときは、幅方向の寸法偏差量を20mm以下にすることができ、プレス後の鋳片Sの形状も良好であった。即ち、図6に示した結果とまとめると、押圧平行部10につながる第1テーパ面13aの傾斜角度αと、第1テーパ面13aに続く第2テーマ面13b(他のテーパ面)の傾斜角度βとは、式(1)を満たすようにすれば、プレス後の鋳片Sの形状を良好状態に保つことができる。なお、第1テーパ面13aの傾斜角度αと第2テーマ面13bの傾斜角度βとは式(2)を満たすようにしてもよい。
なお、第1テーパ面13aの傾斜角度αと第2テーパ面13bの傾斜角度βとが式(1)及び式(2)を満たす場合であっても、上述したように、第2テーパ面13bの傾斜角度βの上限値は35°とする必要がある。
(β/2)−10°≦α≦(β/2)+10° ・・・(1)
(β/2)−10°<α<(β/2)+10° ・・・(2)
ただし、β≦35°(好ましくは、20°≦β≦35°)
つまり、第1テーパ面13aの傾斜角度αを、第2テーパ面13bの傾斜角度βに対して式(1)又は式(2)で求められる値の範囲内にすることにより、形状が良好な鋳片Sを得ることができる。一方、第1テーパ面13aの傾斜角度αと第2テーパ面13bの傾斜角度βとが式(1)又は式(2)を満たさない場合、幅方向の寸法偏差量が20mm越えとなり、プレス後の鋳片Sの形状が長手方向に沿って波形となる不良となった。
図7は、第2テーパ面13bの傾斜角度βを20°、第1テーパ面13aの傾斜角度αを10°としたときの、圧下量、モーメントの最大値、クランク軸9の中心Oから交点Pまでの移送方向の距離L4との関係をまとめたものである。図8は、第2テーパ面13bの傾斜角度βを35°、第1テーパ面13aの傾斜角度αを10°としたときの、圧下量、モーメントの最大値、クランク軸9の中心Oから交点Pまでの移送方向の距離L4との関係をまとめたものである。図7及び図8は、圧下前のスラブ幅を1300mm、厚さを240mm、鋳片の加熱温度を1000℃、幅圧下量を300mm、送り量を400mmにしたときの結果である。
以上まとめれば、多段のテーパ面13を備え、最も入側に位置するテーパ面13の傾斜角度が20〜35°とされた本発明のプレス金型を用いることで、プレス金型を支持する機構に対する負荷を低減しつつ変形抵抗が高い材料のサイジングプレスを行うことができるものとなる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 プレス金型
2 サイジングプレス機
3 金型移動機構
6 支持フレーム部
7 スライダ
8 クランク機構
9 クランク軸
10 押圧平行部
11 押圧テーパ部
12 プレス加工部
13 テーパ面
13a 第1テーパ面
13b 第2テーパ面
S 鋳片
α 第1テーパ面の傾斜角度
β 第2テーパ面の傾斜角度

Claims (4)

  1. 長手方向に移送される鋳片の幅方向の両側を間歇的に押圧することで当該鋳片を所定の幅までプレスするサイジングプレス機に備えられたプレス金型であって、
    前記プレス金型は、最も出側に設けられ且つ前記鋳片の移送方向と平行な押圧平行部と、前記押圧平行部の入側に連接され且つ鋳片が導入される入側から出側に向けて幅方向に傾斜する押圧テーパ部と、を備えており、
    前記押圧テーパ部は、傾斜角度が異なる複数のテーパ面を連接させたものであり、
    前記押圧テーパ部においては、各テーパ面の傾斜角度を前記押圧平行部から順に入側に向けて次第に大きくすると共に、最も入側に位置するテーパ面の傾斜角度を20〜35°としていることを特徴とするプレス金型。
  2. 前記押圧平行部につながるテーパ面の傾斜角度αと前記傾斜角度αのテーパ面に続く他のテーパ面の傾斜角度βとは、式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のプレス金型。
    (β/2)−10°≦α≦(β/2)+10° ・・・(1)
  3. 前記傾斜角度が最大となるテーパ面から出側に向けて延長した第1延長線と、前記押圧平行部から入側に向けて延長した第2延長線との交点から押圧平行部の出側端点までの長さは、前記鋳片の送り量の1.0〜1.2倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス金型。
  4. 前記傾斜角度が最大となるテーパ面から出側に向けて延長した第1延長線と、前記押圧平行部から入側に向けて延長した前記第2延長線との交点は、前記プレス金型を支持するクランク軸の中心よりも入側に位置させており、前記クランク軸の中心から交点までの移送方向の距離は、前記鋳片の送り量の0.3倍以下としていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレス金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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