JP2018034204A - スラブの幅圧下方法及びサイジングプレス - Google Patents

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寛人 後藤
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Abstract

【課題】クロップ切断における切断量を低減することで歩留りの悪化を抑制することができるスラブの幅圧下方法及びサイジングプレスを提供すること。【解決手段】一対の金型21,22を用いた間欠的な鍛造によりスラブ3を幅圧下する幅圧下方法において、スラブ3の搬送方向下流側の先端部31及びスラブ3の搬送方向上流側の後端部33の少なくとも一方の少なくとも一部を幅圧下する前に、一対の金型21,22のスラブ3との接触面(平行面211,221、傾斜面212,222)及びスラブ3の一対の金型21,22との接触面(側面30)の少なくとも一方に潤滑剤を塗布する。【選択図】図3

Description

本開示は、スラブの幅圧下方法及びサイジングプレスに関する。
一般に、熱延鋼板の製造ライン(ホットストリップミル)では、加熱されたスラブが粗圧延工程や仕上圧延工程などの製造工程を経ることで、所定の板幅及び板厚の鋼板が製造される。
粗圧延工程では、スラブを所定の厚さに圧延する水平圧延や、水平圧延の前にスラブを幅方向に圧下(幅圧下)する幅圧下プレスなどが行われる。幅圧下プレスでは、スラブの幅方向に配される一対の金型を有するサイジングプレスを用いて、一対の金型でスラブを間欠的に鍛造しながら、スラブを長手方向に搬送することで、スラブの長手方向にわたって幅圧下が行われる。このような幅圧下プレスでは、スラブの先端部及び後端部が板厚方向に変形し、幅圧下前に比べ板厚が増した状態となる(増厚)。幅圧下プレス後の粗圧延工程の水平圧延では、先端部及び後端部が増厚した状態でスラブが圧延されるため、圧延後のスラブであるシートバーの先端部及び後端部の、板厚方向からみた輪郭が様々な形状に変化する。このようにスラブやシートバーを板厚方向からみたときの輪郭を平面形状という。
平面形状としては、板幅方向の中央部よりも板幅方向の両端部側が圧延方向に長く伸びた凹状のフィッシュテール形状や、板幅方向の中央部が圧延方向に長く伸びた凸状のタング形状がある。ここで、フィッシュテール形状における最端部から幅方向中央の最凹部までの長手方向の長さをフィッシュテール長さと呼び、タング形状における最端部から幅定常部までの長手方向の長さをタング長さと呼ぶ。
仕上圧延工程では、仕上圧延機による仕上圧延の前に、通板(被圧延材の搬送)の安定化を目的に、シートバーの先端部及び後端部が切除される、クロップ切断が行われる。クロップ切断では、フィッシュテール長さやタング長さに応じた長さの端部がクロップとして切除されるため、フィッシュテール長さやタング長さが長くなるとクロップ切断における切断量が多くなる。クロップ切断における切断量が増加すると、ホットストリップミルでの歩留りが低下することになる。このため、平面形状を調整することで切断量を低減させる取組みが行われている。
例えば、特許文献1には、スラブの進行方向に対して開いた形の溝をサイジングプレスの金型に掘り、幅圧下プレス時にスラブの先端が後方に移動しないようにすることで、先端部を矩形化させる方法が開示されている。また、特許文献2には、先端部の幅圧下プレス時に、スラブを前方に押し出すことで、先端部の圧延方向への変形を抑制し、矩形に近づける方法が開示されている。特許文献1,2によれば、スクラップ部が矩形化することで、クロップ切断における切断量が少なくなり、歩留りを改善することができる。
さらに、特許文献3には、竪ロールを用いた幅圧延において、潤滑油を竪ロール表面に塗布することで、幅圧延時に発生するフィッシュテール形状を短くする方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、サイジングプレスの金型に潤滑油を塗布した後に幅圧下プレスを実施することで荷重を低減する方法が開示されている。
特開2011−218441号公報 特開2013−208648号公報 特開昭55−81002号公報 特開2000−254709号公報
しかし、特許文献1に開示された方法では、スラブの先端が後方に移動しないようにさせることで先端部を矩形化させているものの、幅圧下プレスにおける幅圧下量が大きい場合には、板幅方向の中央部に集中するひずみの発生を抑えることができない。このため、幅圧下量が大きい場合には、先端部の形状が板面の面積が大きなタング形状となり易くなり、クロップ切断における切断量が多くなるために歩留りの悪化を抑制することが困難となる。
また、特許文献2に開示された方法では、スラブを押し出すことで、先端部の変形を抑制しているが、幅圧下プレスの幅圧下量が大きくなった場合には、スラブが固定されていることで先端部の圧延方向への変形が顕著になる。このため、幅圧下量が大きい場合には、クロップ切断における切断量が多くなるために歩留りの悪化を抑制することが困難となる。さらに、同様の幅圧下プレスを尾端部に対して行う場合においても、尾端部の圧延方向への変形が顕著となるため、歩留りの悪化を抑制することが困難となる。
さらに、特許文献3に開示された方法は、幅圧下プレスとはスラブの変形メカニズムの異なる竪ロールによる幅圧延に関するものとなる。このため、特許文献3に開示された方法を幅圧下プレスにおいて単純に適用したとしても、クロップ切断における歩留りの悪化を抑制することは困難となる。
さらに、特許文献4に開示された方法では、プレス荷重を低減させることを目的としており、クロップ切断における歩留りの悪化を抑制することやその方法については開示されていない。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、クロップ切断における切断量を低減することで歩留りの悪化を抑制することができるスラブの幅圧下方法及びサイジングプレスを提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、一対の金型を用いた間欠的な鍛造によりスラブを幅圧下する幅圧下方法において、上記スラブの搬送方向下流側の先端部及び上記スラブの搬送方向上流側の後端部の少なくとも一方の少なくとも一部を幅圧下する前に、上記一対の金型の上記スラブとの接触面及び上記スラブの上記一対の金型との接触面の少なくとも一方に潤滑剤を塗布することを特徴とするスラブの幅圧下方法が提供される。
本発明の一態様によれば、間欠的な鍛造によりスラブを幅圧下する一対の金型と、この一対の金型の上記スラブとの接触面及び上記スラブの上記一対の金型との接触面の少なくとも一方に潤滑剤を塗布するノズルと、上記スラブの搬送方向下流側の先端部及び上記スラブの搬送方向上流側の後端部の少なくとも一方の少なくとも一部が幅圧下される前に、上記ノズルに上記潤滑剤を供給する供給部とを備えることを特徴とするサイジングプレスが提供される。
本発明の一態様によれば、クロップ切断における切断量を低減することで歩留りの悪化を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るサイジングプレスを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るサイジングプレスを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るスラブの幅圧下方法を示す説明図であり、(A)は搬送工程を示す説明図であり、(B)は幅圧下工程を示す説明図であり、(C)は幅圧下工程における(B)の後の状態を示す説明図であり、(D)は(C)の後の搬送工程を示す説明図である。 スラブの部位を示す説明図である。 シートバーの先端部の平面形状を示す平面図であり、(A)はフィッシュテール形状を示す平面図であり、(B)はタング形状を示す平面図である。 シートバーの先端部の平面形状を示す説明図であり、(A)はフィッシュテール形状を示す説明図であり、(B)はタング形状を示す説明図である。 一般的なサイジングプレスを示す平面図である。 幅圧下量及び板幅の違いによる板厚プロフィールの違いを示す平面図であり、(A)は圧下量が小さく板幅が広い場合の板厚プロフィールを示す平面図であり、(B)は圧下量が大きく板幅が狭い場合の板厚プロフィールを示す平面図である。 金型とスラブとの間に生じる摩擦の大きさの違いによる板厚プロフィールを示す説明図であり、(A)は摩擦が大きい場合の板厚プロフィールを示す説明図であり、(B)は摩擦が小さい場合の板厚プロフィールを示す説明図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
上述のように、シートバーの長手方向両端部である先端部及び尾端部の平面形状には、フィッシュテール形状とタング形状とがある。図5にシートバー1の平面形状の代表例を示す。フィッシュテール形状は、図5(A)に示すように、幅方向(図5における左右方向)の中央部よりも両端部側が長手方向(図5における上下方向)に長く伸びた凹形状を有する。フィッシュテール形状の端部において、長手方向の最端から、幅方向中央において長手方向に最も凹んだ箇所までの長手方向の長さが、フィッシュテール長さL1となる。また、タング形状は、図5(B)に示すように、板幅方向の端部よりも板幅方向の中央付近が圧延方向である長手方向に長く伸びた凸形状を有する。タング形状の端部において、長手方向の最端から、幅非定常部の開始位置までの長手方向の長さが、タング長さL2となる。
上述のように、歩留り向上の観点からは、フィッシュテール長さL1及びタング長さL2は短いことが好ましい。また、フィッシュテール形状としては、図6(A)の破線で示す平面形状よりも、フィッシュテール長さが短く、矩形に近い実線で示す平面形状の方が好ましい。さらに、タング形状としては、図6(B)の破線で示す平面形状よりも、矩形に近い実線で示す平面形状の方が好ましい。また、通常、フィッシュテール長さとタング長さとが同定度である場合、タング形状の方が、面積が大きくなることから、クロップ切断時の切断量が増大する。このため、一般的には、平面形状としては、タング形状よりもフィッシュテール形状の方が好ましい。
ここで、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、幅圧下プレスによる幅圧下量が300mm以上のときはタング形状になる。また、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、スラブ3の板幅の影響も受け、幅圧下プレスによる幅圧下量に対する幅圧下前のスラブ3の板幅の比(以下、「板幅と幅圧下量との比」ともいう。)が7.5以下の場合にはタング形状となる。さらに、板幅と幅圧下量との比が7.5より大きいときには、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることが知られている。さらに、板幅と幅圧下量との比が6以上7.5未満のときは、この比が7.5の場合よりもタング長さが大きくなり、クロップ切断時の切断量が著しく増大するとともに、粗圧延工程での通板トラブルの原因となる可能性が生じる。
また、圧延されるスラブの幅方向の板厚分布は、板厚プロフィールと呼ばれ、圧延後のシートバーの平面形状に大きく影響する。幅圧下プレス前のスラブの断面は矩形であることから、板厚プロフィールは、幅圧下プレスの条件によって決定される。
幅圧下プレスで用いられる、一般的なサイジングプレス2aを図7に示す。サイジングプレス2aは、一対の金型21a,22aと、不図示のピンチロールとを備える。
一対の金型21a,22aは、搬送されるスラブ3の幅方向(図7に対する左右方向)の両端側に、対向して設けられる。一対の金型21a,22aは、不図示の駆動装置などによって、スラブ3の幅方向中央側にそれぞれ移動することで、図7に示すように、スラブ3を幅圧下する。また、一対の金型21a,22aは、スラブ3の側面30との接触面において、スラブ3の搬送方向下流側に、搬送方向と平行となる平行面211a,221aと、搬送方向上流側に、搬送方向に所定の角度で傾斜した傾斜面212a,222aを有する。さらに、一対の金型21a,22bは、平行面211a,221a及び傾斜面212a,222aを含む接触面が対向し、搬送方向に対して傾斜面間の間隔が狭くなるように配される。このようなサイジングプレス2aでは、ピンチロールによって所定の搬送ピッチでスラブ3が搬送される搬送工程と、スラブ3が停止した後に、一対の金型21a,22aでスラブ3が幅圧下される幅圧下工程とが繰り返し行われることで、長手方向の全長にわたって、スラブ3が幅圧下される。この際、スラブ3は、幅圧下前後でのスラブ3の幅の差となる所定の幅圧下量だけ幅圧下される。
サイジングプレス2aで幅圧下プレスを施した場合、一般的に板幅と幅圧下量との比で7.5を境として、板厚プロフィールが変わることが知られている。図8(A)に板幅と幅圧下量との比が7.5より大きい場合におけるスラブ3の板厚プロフィール、図8(B)に板幅と幅圧下量との比が7.5以下の場合におけるスラブ3の板厚プロフィールをそれぞれ示す。
図8(A)に示すように、板幅と幅圧下量との比が7.5より大きい場合、幅圧下プレス後のスラブ3の板厚プロフィールは、板厚の厚い増厚部分が板幅の両端側にそれぞれ形成されたダブルバルジ形状となる。ダブルバルジ形状の板厚プロフィールを持つスラブ3に対して、水平圧延を実施すると、増厚部分が被圧延材の搬送方向へ変形するため、シートバー1の平面形状がフィッシュテール形状となる。
一方、図8(B)に示すように、板幅と幅圧下量との比が7.5以下の場合、幅圧下プレス後のスラブ3の板厚プロフィールは、板厚の厚い増厚部分が板幅の中央に形成されたシングルバルジ形状となる。シングルバルジ形状の板厚プロフィールを持つスラブ3に対して、水平圧延を実施すると、板幅方向の中央にある増厚部分が被圧延材の搬送方向に変形するため、シートバー1の平面形状がタング形状になる。平面形状がタング形状の場合、フィッシュテール形状に比べ、形状不良のためにクロップ切断で切断される長手方向端部の面積が大きくなる。つまり、板幅と幅圧下量との比が7.5以下になると、長手方向端部の平面形状がタング形状となるため、クロップ切断時の切断量が増加し、歩留りが低くなってしまう。
これに対して、本発明者らは、板幅と幅圧下量との比が7.5以下の場合においても、クロップ切断による歩留り低下を抑えることができるような幅圧下方法について鋭意検討を行った。
上述のように、板幅と幅圧下量との比が7.5以下の場合には、長手方向端部の板厚プロフィールがシングルバルジ形状になるため、水平圧延後のシートバー1の長手方向端部の平面形状がタング形状になる。つまり、クロップ切断による歩留り低下を抑えるためには、シートバー1の平面形状をフィッシュテール形状とするか、あるいはタング長さの短いタング形状とすればよい。このような平面形状とするには、幅圧下プレス後の長手方向端部の板厚プロフィールをシングルバルジ形状からダブルバルジ形状に変える、あるいはシングルバルジ形状の板幅中央部の板厚を小さくする必要がある。さらに、板幅と幅圧下量との比が6以上の場合には、大きなタング形状が発生するため、平面形状を適正化する必要性が一層大きくなる。
幅圧下プレスを実施する際、金型21a,22aとスラブ3の側面30とが接触しているときは、図9(A)の矢印で示すようにスラブ3を板厚方向へ拘束する摩擦が発生する。しかし、摩擦を低減させて幅圧下プレスを実施した場合には、図9(B)の矢印で示すように、板厚方向へ変形を拘束する摩擦が小さくなるので、スラブ3の幅方向の端部側が板厚方向へ変形しやすくなる。つまり、金型21a,22aとスラブ3との摩擦を低減させることで、板幅方向の中央部に比べて板幅方向の端部の増厚が大きくなることから、ダブルバルジ形状、または、板幅の中央部の板厚が小さいシングルバルジ形状の板厚プロフィールを得ることができる。
以上のように、本発明者らは、幅圧下プレスにおいて、金型とスラブとの摩擦を低減することで、クロップ切断による歩留りの悪化を抑えることができることを知見した。
<サイジングプレス>
上述の知見に基づいた、本発明の一実施形態に係るサイジングプレス2の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るサイジングプレス2は、一対の金型21,22と、複数のノズル23と、供給管24と、供給部25とを備える。また、サイジングプレス2は、一般的なサイジングプレス2aと同様に、スラブ3の搬送を制御する不図示のピンチロールを備える。
一対の金型21,22は、一般的なサイジングプレス2aと同様な構成である。つまり、一対の金型21,22は、搬送されるスラブの幅方向となる左右方向(図1及び図2における左右方向)の両端側に、対向して設けられる。また、一対の金型21,22は、スラブ3の搬送方向下流側に、搬送方向と平行となる平行面211,221と、搬送方向上流側に、搬送方向に所定の角度で傾斜した傾斜面212,222を有する。平行面211,221及び傾斜面212,222は、スラブ3との接触面である。
複数のノズル23は、供給管24を介して供給部25から供給される潤滑剤を一対の金型21,22に噴射する。複数のノズル23は、一対の金型21,22の上方(図2における上側)、且つ左右方向において一対の金型21,22の間に、設けられる。本実施形態では、金型21側及び金型22側の2列に、スラブ3の搬送方向に所定間隔で3個ずつ並んで配された、計6個のノズル23が設けられる。金型21側及び金型22側に配された6個のノズル23は、潤滑剤を噴射するヘッダが、金型21及び金型22の接触面に向いてそれぞれ配される。
供給管24は、複数のノズル23と供給部25とを接続する配管であり、供給部25から供給される潤滑剤を複数のノズル23へと供給する。
供給部25は、潤滑剤を複数のノズル23へと供給する装置である。供給部25は、後述するように、一対の金型21,22によるスラブ3の幅圧下に応じた所定のタイミングで、複数のノズル23へと潤滑剤を供給する。
本実施形態で用いられる潤滑剤には、鉱油か合成エステルを主成分とした油と、水とを混ぜ合わせたものを用いる。これは、スラブ3が高温であることから、油単体で使用すると燃えてしまうためである。
<スラブの幅圧下方法>
次に、図3を参照して、本実施形態に係るスラブ3の幅圧下方法について説明する。本実施形態におけるスラブ3の幅圧下プレスは、熱延鋼板の製造工程において、粗圧延工程で行われるスラブ3の幅圧下プレスに適用される。熱延鋼板の製造工程は、スラブ3から鋼帯を製造する工程であり、工程順に、加熱工程、粗圧延工程、仕上圧延工程、冷却工程、巻き取り工程に大別される。
このうち、粗圧延工程では、加熱炉で加熱されたスラブ3に対して、サイジングプレス2によって幅圧下プレスが施され、その後、少なくとも一対のロールをそれぞれ具備した幅圧延機と粗圧延機とによって、幅圧延と水平圧延とが施されることで、シートバー1が製造される。
幅圧下プレスでは、図3(A)〜図3(E)に示す幅圧下方法によって、スラブ3の幅圧下が行われる。
まず、図3(A)に示すように、ピンチロールによって、先端が平行面211,221の所定の位置となるまでスラブ3が搬送される(搬送工程)。さらに、搬送工程では、複数のノズル23から所定量の潤滑剤が噴射されることで、一対の金型21,22の接触面に潤滑剤が塗布される。潤滑剤の噴射動作は、供給部25によって制御される。なお、図3(A)に示す状態では、一対の金型21,22は、スラブ3と接触しないよう、スラブ3の幅方向にスラブ3から離間して配される。
次いで、図3(B)に示すように、一対の金型21,22をスラブ3の板幅の中央に所定距離だけ移動することで、スラブ3の先端側が、所定の幅圧下量だけ幅圧下される(幅圧下工程)。なお、本実施形態では、幅圧下工程での板幅と幅圧下量との比を7.5以下とし、さらに好ましくは6以下とする。幅圧下工程では、一対の金型21,22のスラブ3との接触面には、潤滑剤が吹き付けられているため、一対の金型21,22とスラブ3との間に生じる摩擦が小さくなる。これにより、スラブ3の先端側における板厚プロフィールを、ダブルバルジ形状または増厚の小さなシングルバルジ形状とすることができ、クロップ切断における切断量を低減することができる。
さらに、幅圧下工程では、図3(C)に示すように、一対の金型21,22が、図3(A)に示す幅圧下が行われる前と同じ位置になるまで、スラブ3の板幅方向の中央と反対側へ移動する。
その後、図3(D)に示すように、図3(A)と同様に、搬送工程が行われる。この搬送工程では、目標の幅圧下量まで幅圧下されていないスラブ3の領域の先端側の端部が、平行面211,221の所定の位置となるように、スラブ3が所定の搬送ピッチで搬送される。さらに、この搬送工程では、複数のノズル23から一対の金型21,22に潤滑剤が塗布される。
次いで、図3(B)及び図3(C)に示す幅圧下工程と、図3(D)に示す搬送工程とが繰り返し行われることで、スラブ3の長手方向にわたって幅圧下が施される。そして、スラブ3の先端に対して長手方向の反対側となる後端が幅圧下されることで、幅圧下プレスが完了する。なお、本実施形態の搬送工程では、所定の搬送ピッチでの搬送が行われるたびに、複数のノズル23から潤滑剤が噴射される。このため、スラブ3の長手方向に間欠的に行われる幅圧下工程においては、一対の金型21,22とスラブ3との間に生じる摩擦が常に小さい状態で幅圧下が行われる。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、一対の金型21,22への潤滑剤の塗布は、幅圧下工程の後に行われる搬送工程毎、つまりスラブ3の全長に渡る各幅圧下工程の前に行われるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。スラブ3の長手方向の中央側となる定常部においては、幅圧下プレス後の板厚プロフィールが先端部及び後端部の平面形状に及ぼす影響が小さい。このため、スラブ3の定常部を幅圧下する際には、一対の金型21,22とスラブ3との間の摩擦力を低減する必要性が低い。また、潤滑剤の塗布により一対の金型21,22とスラブ3との間の摩擦力を低減する場合、板幅方向の端部側が顕著に増厚するようになることから、水平圧延において、圧延後に板幅が大きくなる幅戻りが大きくなる。このため、本発明では、スラブ3の先端部及び後端部の幅圧下を行う際に、潤滑剤を塗布することが好ましい。また、定常部に関しては、板厚プロフィールが先端部及び後端部の平面形状に及ぼす影響が小さいため、潤滑油を塗布しなくてよい.
図4に示すように、スラブ3は、搬送方向の下流側から長手方向に並んだ、先端部31と、定常部32と、後端部33とからなる。先端部31の長手方向の長さLは、先端部31の板幅Dと同じ長さである。後端部33の長手方向の長さLは、後端部33の板幅Dと同じ長さである。定常部32の長手方向の長さは、スラブ3の長手方向の全長から、先端部31及び後端部33の長さL,Lを差し引いた長さである。先端部31及び後端部33は、通常、複数回の幅圧下工程及び搬送工程が繰り返されることで幅圧下される。本発明では、先端部31及び後端部33が幅圧下される際に、少なくとも一回の搬送工程において、潤滑剤が一対の金型21,22に塗布されればよい。また、潤滑剤が塗布されるのは、先端部31及び後端部33の一方が幅圧下される場合のみであってもよい。つまり、先端部31及び後端部33の少なくとも一方の少なくとも一部を幅圧下する際に、一対の金型21,22に潤滑剤が塗布されていれば、潤滑剤が塗布された状態で幅圧下が行われた端部のクロップ切断時の切断量を低減することができる。なお、スラブ3の先端から長手方向に板幅Dよりも離れた領域、及び後端から長手方向に板幅Dよりも離れた領域においては、増厚していてもシートバー1の平面形状には影響をほとんど与えない。このため、潤滑剤を塗布して幅圧下を行う領域を、板幅D,Dと同じ長さの先端部L,Lとすることで、平面形状の改善効果を確実に得ることができる。また、潤滑剤の塗布を、先端部31及び後端部33の少なくともいずれか一方の端部を幅圧下する際にのみ行うことで、潤滑剤の使用量を抑えることができる。一方、上記実施形態のように、スラブ3の長手方向全長にわたって施される幅圧下工程毎に潤滑剤を塗布する場合、潤滑剤の噴射を制御する供給部25の構成を簡易にすることができる。
また、上記実施形態では、複数のノズル23から潤滑剤を一対の金型21,22の接触面(平行面211,221及び傾斜面212,222)に塗布する構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。潤滑剤は、一対の金型21,22とスラブとの摩擦を小さくすることができればよいため、一対の金型21,22に対するスラブ3の接触面である側面30に直接塗布される構成であってもよい。この場合、少なくとも一対の金型21,22で幅圧下が行われる前に、潤滑剤がスラブ3に塗布されればよいため、一対の金型21,22の搬送方向上流側に設けられたヘッダによって、スラブ3の側面30に潤滑剤が塗布されてもよい。また、一対の金型21,22の上方及び下方の少なくとも一方にそれぞれ設けられたノズルによって、スラブ3の側面30に潤滑剤が塗布されてもよい。さらに、複数のノズル23を用いて潤滑剤を塗布するのではなく、他の機構の塗布設備や人手などによって、一対の金型21,22の接触面あるいはスラブ3の側面30に潤滑剤を塗布する構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、熱延鋼板となるスラブ3を対象としたが、本発明はかかる例に限定されない。本発明は、厚板や形鋼などの他の製品となるスラブ3に幅圧下を施す場合においても適用することができる。
さらに、先端部31、定常部32及び後端部33に対して異なる条件で幅圧下を施した場合、各部位で板幅方向の板厚分布が異なる。この場合、幅圧下プレス後に行われる水平圧延において、圧延される際の板幅方向への幅拡がりの挙動が各部位で異なるために、板幅が均一にならないことがある。このため、幅圧下プレス後のスラブ3の最終的な板幅を、板厚分布に起因した幅拡がり挙動に応じて、長手方向に変化させてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るスラブ3の幅圧下方法は、一対の金型21,22を用いた間欠的な鍛造によりスラブ3を幅圧下する幅圧下方法において、スラブ3の搬送方向下流側の先端部31及びスラブ3の搬送方向上流側の後端部33の少なくとも一方の少なくとも一部を幅圧下する前に、一対の金型21,22のスラブ3との接触面(平行面211,221、傾斜面212,222)及びスラブ3の一対の金型21,22との接触面(側面30)の少なくとも一方に潤滑剤を塗布する。
上記(1)の構成によれば、先端部31及び後端部33の少なくともいずれか一方の端部を幅圧下する際に、一対の金型21,22とスラブ3との摩擦を小さくすることができる。このため、端部における板厚プロフィールを、ダブルバルジ形状または増厚の小さなシングルバルジ形状とすることができ、水平圧延後のシートバー1の端部の平面形状をフィッシュテール形状またはタング長さL2の短いタング形状とすることができる。これにより、クロップ切断における切断量が少なくなり、歩留りの悪化を抑制することができるようになる。
また、生産効率の観点では、できるだけ板幅の大きなスラブ3を鋳造し、オーダーに応じた様々な板幅の熱延鋼板をすることが肝要となる。このような操業方法では、サイジングプレスの幅圧下量が大きくなるため、クロップ切断における切断量が多くなることが問題となる。しかし、上記(1)の構成によれば、幅圧下量が大きい場合や幅圧下量に対するスラブ3の板幅の比が小さい場合において、クロップ切断における切断量を少なくすることができるため、生産効率を向上させることができる。
(2)上記(1)の構成において、スラブ3を幅圧下する際には、幅圧下量を300mm以上とする。
(3)上記(1)または(2)の構成において、スラブ3を幅圧下する際には、幅圧下量に対する幅圧下される前のスラブ3の板幅の比を7.5以下とする。
幅圧下量が300mm以上と大きい場合や、幅圧下量に対する幅圧下される前のスラブ3の板幅の比が7.5以下と板幅が狭く幅圧下量が大きい場合には、シートバー1の平面形状がクロップ切断時の切断量が大きなタング形状となりやすい幅圧下条件となる。また、一般的な熱延鋼板の製造ラインでは、圧延可能な最大板幅が2250mm程度であることから、幅圧下量が300mm以上の条件では、幅圧下量に対する幅圧下される前のスラブ3の板幅の比が7.5以下となる。しかし、上記(2)または(3)の構成によれば、このような幅圧下条件においても、平面形状をフィッシュテール形状またはタング長さL2の短いタング形状にすることができる。このため、クロップ切断における切断量が少なくなり、歩留りの悪化を抑制することができるようになる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの構成において、潤滑剤を塗布する際には、一対の金型21,22の接触面及びスラブ3の接触面の少なくとも一方に潤滑剤を塗布するノズル23と、先端部31及び後端部33の少なくとも一方の少なくとも一部が幅圧下される前に、ノズル23に潤滑剤を供給する供給部25とを用いて、潤滑剤を塗布する。
上記(4)の構成によれば、簡易な構成の装置で自動的に潤滑剤の塗布をすることができる。
(5)本発明の一態様に係るサイジングプレス2は、間欠的な鍛造によりスラブ3を幅圧下する一対の金型21,22と、一対の金型21,22のスラブ3との接触面(平行面211,221、傾斜面212,222)及びスラブ3の一対の金型21,22との接触面(側面30)の少なくとも一方に潤滑剤を塗布するノズル23と、スラブ3の搬送方向下流側の先端部31及びスラブの搬送方向上流側の後端部33の少なくとも一方の少なくとも一部が幅圧下される前に、ノズル23に潤滑剤を供給する供給部25とを備える。
上記(5)の構成によれば、上記(1),(4)と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、板幅が1100mm、1400mm、1500mmまたは1800mmと異なる3種類のスラブ3について、上記実施形態と同様に幅圧下プレスを行った。また、すべてのスラブ3について板厚を260mmとし、長さ(板幅方向と板厚方向とに直交する長手方向におけるスラブ3の長さ)を10000mmとした。
さらに、実施例では、スラブ3の先端部31及び後端部33の少なくともいずれか一方が幅圧下される際に、一対の金型21,22に潤滑剤を塗布されるよう、塗布をするタイミングを変えた複数の条件で幅圧下を行った。そして、幅圧下プレスの後、水平圧延機による7パスの圧延で、30mmの板厚となるシートバー1を製造し、先端部及び後端部の平面形状、並びにタング長さ及びフィッシュテール長さを調査した。さらに、先端部及び後端部のクロップ切断を行い、クロップ切断による切断量を測定した。
また、比較例として、一対の金型21,22に潤滑剤を塗布せずに、上記実施例と同様な条件で幅亜圧下プレス及び水平圧延を行った。比較例においても、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状、タング長さ及びフィッシュテール長さ、並びにクロップ切断による切断量を測定した。
表1に、実施例における幅圧下プレスの条件及び、圧延後のシートバー1の調査結果を示す。実施例では、表1に示すように、実施例1−1〜1−3,3,4,5の6条件、及び比較として比較例1,2−1,2−2,3,4,5の6条件の計11条件について、幅圧下プレスを行った。
実施例1−1〜1−3は、スラブ3の板幅が1500mm、幅圧下量が200mmの条件であり、潤滑剤を塗布するタイミングが異なるが、それ以外の条件については同様とした。なお、実施例1−1〜1−3における、板幅と幅圧下量との比は7.5である。
また、潤滑剤を塗布するタイミングの条件として、実施例1−1では、スラブ3の長手方向全長にわたる複数回の幅圧下工程において、幅圧下工程の前に一対の金型21,22に潤滑剤を毎回塗布した条件で幅圧下プレスを行った。実施例1−2では、先端部31及び後端部33について、最先端から3プレス(回)までの各幅圧下工程前、及び最後端までの幅圧下となる最後の3プレスの各幅圧下工程前に、一対の金型21,22に潤滑剤を毎回塗布した条件で幅圧下プレスを行った。なお、搬送ピッチとの関係からも明らかなように、実施例1−2における、最先端から3プレスまでの領域及び最後端までの最後の3プレスの領域は、それぞれ、最先端及び最後端からの長手方向の長さが板幅の長さ(1500mm)未満となる。実施例1−3では、先端部31及び後端部33について、最先端の幅圧下工程前、及び最後端の幅圧下工程前に、一対の金型21,22に潤滑剤を塗布した条件で幅圧下プレスを行った。
比較例1は、実施例1−1〜1−3に対する比較であり、実施例1−1〜1−3と同じ寸法のスラブ3に対して、潤滑剤を塗布せずに幅圧下プレスを行った。比較例1における、潤滑剤の塗布を除いた幅圧下プレスにかかる条件は実施例1−1〜1−3と同じである。
比較例2−2は、スラブ3の板幅が1500mm、幅圧下量が200mmの条件であり、板幅と幅圧下量との比は9.0である。また、比較例2−2における潤滑剤を塗布するタイミングの条件は、実施例1−2と同じとした。
比較例2−1は、比較例2−2に対する比較であり、比較例2−2と同じ寸法のスラブ3に対して、潤滑剤を塗布せずに幅圧下プレスを行った。比較例2−1における、潤滑剤の塗布を除いた幅圧下プレスにかかる条件は比較例2−2と同じである。
実施例3は、スラブ3の板幅が1100mm、幅圧下量が200mmの条件であり、板幅と幅圧下量との比は5.5である。また、実施例3における潤滑剤を塗布するタイミングの条件は、実施例1−2と同じとした。
比較例3は、実施例3に対する比較であり、実施例3と同じ寸法のスラブ3に対して、潤滑剤を塗布せずに幅圧下プレスを行った。比較例3における、潤滑剤の塗布を除いた幅圧下プレスにかかる条件は実施例3と同じである。
実施例4は、スラブ3の板幅が1800mm、幅圧下量が300mmの条件であり、板幅と幅圧下量との比は6.0である。また、実施例4における潤滑剤を塗布するタイミングの条件は、実施例1−2と同じとした。
比較例4は、実施例4に対する比較であり、実施例4と同じ寸法のスラブ3に対して、潤滑剤を塗布せずに幅圧下プレスを行った。比較例4における、潤滑剤の塗布を除いた幅圧下プレスにかかる条件は実施例4と同じである。
実施例5は、スラブ3の板幅が1400mm、幅圧下量が200mmの条件であり、板幅と幅圧下量との比は7.0である。また、実施例5における潤滑剤を塗布するタイミングの条件は、実施例1−2と同じとした。
比較例5は、実施例3に対する比較であり、実施例5と同じ寸法のスラブ3に対して、潤滑剤を塗布せずに幅圧下プレスを行った。比較例5における、潤滑剤の塗布を除いた幅圧下プレスにかかる条件は実施例5と同じである。
Figure 2018034204
比較例1の条件では、表1に示すように、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、タング形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、タング長さは240mmとなり、切断量は73.5kgとなった。また、シートバー1の後端部における、タング長さは180mmとなり、切断量は55.1kgとなった。
実施例1−1の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは20mmとなり、切断量は5.0kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは30mmとなり、切断量は8.5kgとなった。つまり、実施例1の条件によれば、比較例1に比べ、先端部及び後端部の平面形状が改善され、歩留りの低減を抑えることができることが確認された。
実施例1−2の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは20mmとなり、切断量は5.1kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは30mmとなり、切断量は9.3kgとなった。つまり、実施例2の条件によれば、実施例1と同様に、比較例1に比べ、先端部及び後端部の平面形状が改善され、歩留りの低減を抑えることができることが確認された。
実施例1−3の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、タング形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、タング長さは50mmとなり、切断量は15.3kgとなった。また、シートバー1の後端部における、タング長さは40mmとなり、切断量は12.2kgとなった。つまり、実施例3の条件によれば、比較例1に比べ、先端部及び後端部の平面形状が改善され、歩留りの低減を抑えることができることが確認された。
比較例2−1の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは60mmとなり、切断量は7.0kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは90mmとなり、切断量は9.0kgとなった。
比較例2−2の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは120mmとなり、切断量は14.0kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは150mmとなり、切断量は15.0kgとなった。
つまり、比が7.5超のときは、潤滑材を塗布せずともフィッシュテールになり歩留まりの低減が元々少ないうえに、潤滑材を塗布した場合には、フィッシュテールがなり歩留まりが悪くなることが分かった。つまり比が7.5超のときは潤滑材を塗布すべきではない。
比較例3の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、タング形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、タング長さは280mmとなり、切断量は62.9kgとなった。また、シートバー1の後端部における、タング長さは210mmとなり、切断量は47.2kgとなった。
実施例3の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは10mmとなり、切断量は2.2kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは10mmとなり、切断量は2.2kgとなった。つまり、実施例2の条件によれば、比較例2に比べ、先端部及び後端部の平面形状が改善され、歩留りの低減を抑えることができることが確認された。
比較例4の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、タング形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、タング長さは190mmとなり、切断量は69.8kgとなった。また、シートバー1の後端部における、タング長さは150mmとなり、切断量は55.2kgとなった。
実施例4の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは30mmとなり、切断量は11.0kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは20mmとなり、切断量は7.3kgとなった。つまり、実施例3の条件によれば、比較例3に比べ、先端部及び後端部の平面形状が改善され、歩留りの低減を抑えることができることが確認された。
比較例5の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、タング形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、タング長さは260mmとなり、切断量は74.3kgとなった。また、シートバー1の後端部における、タング長さは210mmとなり、切断量は64.3kgとなった。
実施例5の条件では、シートバー1の先端部及び後端部の平面形状は、フィッシュテール形状となることを確認した。シートバー1の先端部における、フィッシュテール長さは10mmとなり、切断量は4.0kgとなった。また、シートバー1の後端部における、フィッシュテール長さは20mmとなり、切断量は6.5kgとなった。つまり、実施例3の条件によれば、比較例5に比べ、先端部及び後端部の平面形状が改善され、歩留りの低減を抑えることができることが確認された。
以上の実施例によって、本発明に係るスラブ3の幅圧下方法及びサイジングプレス2よれば、幅圧下プレスの幅圧下量が大きい場合でも、仕上圧延前のクロップ切断による切断量を低減させることができ、歩留まりの悪化を抑制できることが確認された。
1 シートバー
2,2a サイジングプレス
21,22,21a,22a 金型
211,221,211a,221a 平行面
212,222,212a,222a 傾斜面
23 ノズル
24 供給管
25 供給部
3 スラブ
30 側面
31 先端部
32 定常部
33 後端部
L1 フィッシュテール長さ
L2 タング長さ
先端部の長さ
後端部の長さ
先端部の板幅
後端部の板幅

Claims (5)

  1. 一対の金型を用いた間欠的な鍛造によりスラブを幅圧下する幅圧下方法において、
    前記スラブの搬送方向下流側の先端部及び前記スラブの搬送方向上流側の後端部の少なくとも一方の少なくとも一部を幅圧下する前に、前記一対の金型の前記スラブとの接触面及び前記スラブの前記一対の金型との接触面の少なくとも一方に潤滑剤を塗布することを特徴とするスラブの幅圧下方法。
  2. 前記スラブを幅圧下する際には、幅圧下量を300mm以上とすることを特徴とする請求項1に記載のスラブの幅圧下方法。
  3. 前記スラブを幅圧下する際には、幅圧下量に対する幅圧下される前の前記スラブの板幅の比を7.5以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載のスラブの幅圧下方法。
  4. 前記潤滑剤を塗布する際には、前記一対の金型の接触面及び前記スラブの接触面の少なくとも一方に前記潤滑剤を塗布するノズルと、前記先端部及び前記後端部の少なくとも一方の少なくとも一部が幅圧下される前に、前記ノズルに前記潤滑剤を供給する供給部とを用いて、前記潤滑剤を塗布することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラブの幅圧下方法。
  5. 間欠的な鍛造によりスラブを幅圧下する一対の金型と、
    該一対の金型の前記スラブとの接触面及び前記スラブの前記一対の金型との接触面の少なくとも一方に潤滑剤を塗布するノズルと、
    前記スラブの搬送方向下流側の先端部及び前記スラブの搬送方向上流側の後端部の少なくとも一方の少なくとも一部が幅圧下される前に、前記ノズルに前記潤滑剤を供給する供給部と
    を備えることを特徴とするサイジングプレス。
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