JP4096840B2 - T形鋼の製造方法 - Google Patents

T形鋼の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4096840B2
JP4096840B2 JP2003299798A JP2003299798A JP4096840B2 JP 4096840 B2 JP4096840 B2 JP 4096840B2 JP 2003299798 A JP2003299798 A JP 2003299798A JP 2003299798 A JP2003299798 A JP 2003299798A JP 4096840 B2 JP4096840 B2 JP 4096840B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
web
flange
residual stress
cooling
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003299798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005066644A (ja
Inventor
誠 中世古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2003299798A priority Critical patent/JP4096840B2/ja
Publication of JP2005066644A publication Critical patent/JP2005066644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4096840B2 publication Critical patent/JP4096840B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、熱間圧延されたH形鋼のウェブ中央を長手方向に切断して製造するT形鋼の製造方法に関し、特に、熱間圧延されたH形鋼の残留応力の制御方法に関するものである。
従来からH形鋼については残留応力制御は行われてきたが、それは主としてH形鋼のウェブ波抑制に関するものであり、H形鋼のフランジ厚みとウェブ厚みとが異なるために、圧延終了時のフランジとウェブとの温度差から生じる残留応力がウェブを挫屈させるウェブ波の発生を抑制するための残留応力制御が行われてきた。一般に、H形鋼のウェブはフランジより薄く、かつロール冷却水等がウェブ上に滞留しやすいため、これらの影響によりウェブの温度はフランジの温度より下がりやすい。そのため、ウェブとフランジとが常温となると、温度の高いフランジがウェブより収縮するためにウェブに大きな圧縮応力が発生する。この圧縮応力がウェブの挫屈限界応力を超えるとウェブ波が発生する。
従来のウェブ波の抑制技術としては、例えば特開平6−170431号公報(特許文献1)、特開平8−267118号公報(特許文献2)、特開平9−38702号公報(特許文献3)、特開平9−253731号公報(特許文献4)等があり、圧延後、圧延前、圧延中にフランジを冷却してウェブとフランジとの温度差を小さくして、ウェブの圧縮応力を挫屈限界応力以下にしてウェブ波の発生を回避する残留応力制御方法が提案されていた(従来技術1)。
また、近年T形鋼の需要が高まっており、T形鋼の製造方法としてH形鋼からウェブ中央を切断して製造する方法が開発されている。H形鋼のウェブ中央を長手方向に切断してT形鋼を製造する際に、ウェブに圧縮の残留応力があるため、ハの字に開くよう(外曲がり)に残留応力が解放される。T形鋼に曲がりが発生すると不安定な形のために、山積みやローラー搬送等が困難になり、製造上のネックとなる。このようなT形鋼製造のための残留応力制御方法としては、例えば特開平8−174024号公報(特許文献5)や特開平10−202301号公報(特許文献6)により提案されているものがある(従来技術2)。
特開平6−170431号公報 特開平8−267118号公報 特開平9−38702号公報 特開平9−253731号公報 特開平8−174024号公報 開平10−202301号公報
上記の従来技術1のH形鋼のウェブ波の抑制技術は、フランジを冷却することによって、フランジとウェブの温度がほぼ等しくなるようにし、放冷後のウェブの残留応力、特に圧縮応力がウェブの挫屈応力限界点を超えないように冷却することを特徴としている。従って、残留応力は減少しているものの完全に残留応力がとれているわけではない。
また、上記の従来技術2のTロンジ鋼においても従来技術1と同様に、H形鋼圧延終了するまでの冷却や圧延終了後の冷却、放冷後の矯正機によってウェブの圧縮応力を除去しようとしているものである。しかし、本発明者らは次の問題点1,2があることが分かってきた。
(問題点1):ユニバーサル圧延群の圧延機で圧延しながら冷却する際に、フランジ厚みが厚いもの、例としてフランジ厚み(t2)が25[mm]以上については、ユニバーサル圧延機内での冷却ではフランジとウェブの温度差をほぼ同じとなるまでに十分に冷却しきれない。
(問題点2):H形鋼製造時でフランジ厚みが薄いもの、例としてフランジ厚みが25[mm]未満ではウェブ高さWとフランジ幅Bの比(W/B)が2.5を超えるあたりから、圧延後のフランジ冷却や放冷後に強圧下矯正を行っても十分に残留応力が除去できない。なお、H形鋼のウェブ高さ(W)、フランジ幅(B)、ウェブ厚み(t1)及びフランジ厚み(t2)は図14に示されるとおりの部位の寸法を示すものである。
上記の問題点1では、ユニバーサル圧延群の圧延機で圧延しながら冷却する場合に、リバース型圧延の場合には圧延機の前後で冷却し、いったん冷却装置の外に圧延材を出さなければいけないため、冷却装置の全長を長くすることが難しく、厚みが厚いと冷却時間が必要なため圧延速度も低下させることが必要であるため、圧延能率を著しく阻害する。そのため、フランジ厚みが厚いと十分にフランジを冷却することができない。また、連続圧延によるタンデム型のユニバーサル圧延群でも、フランジ厚みが厚いと冷却装置を長くする必要があるため、圧延機毎に冷却装置を設置することが難しい等の問題があった。
また、上記の問題点2を図1及び図2によって説明を行う。図1はH700×300 12/28(ウェブ高さ700[mm]、フランジ幅300[mm]、ウェブ厚み12[mm]、フランジ厚み22[mm])のH形鋼で残留応力をなくすために、フランジを冷却した時のH形鋼のウェブの残留応力を示した図である。尚、図1及び図2の残留応力の測定にはコンタクトゲージ法を用いた。測定されているのはH形鋼のウェブ上表面での残留応力である。図1ではW/B(ウェブ高さ/フランジ幅)比が約2.3で、この場合には残留応力制御に成功しており、ほぼ残留応力がない状態である。図2はH700×200 12/22(ウェブ高さ700[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み12[mm]、フランジ厚み22[mm])のH形鋼でフランジを冷却した時のH形鋼ウェブの残留応力を示した図である。図2はW/B比が3.5で図1と比べてウェブ中央での圧縮の残留応力が低減されていないことが分かる。H700×200 12/22では、これ以上フランジを冷却しても効果がなく、逆にフランジを冷却しすぎによる強冷却なウェブ波(フランジを強冷却しすぎたために冷却時のフランジの圧縮応力がその温度のウェブの挫屈限界応力を超えるために発生するウェブ波)が発生する。このように、特に薄肉ウェブ、薄肉フランジで、W/B比が大きいH形鋼ではウェブ中央の残留応力を低減することが困難であった。
上記の他にT形鋼製造上の問題点として、どの部位の残留応力をいくらにすれば山積みや搬送上問題がないか分からなかった。また、切断後に曲がりが発生してからでは、対応が不可能なため切断前に曲がり量を知る必要があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、H形鋼のウェブの残留応力を低減して、切断後の曲がりを少なくしたT形鋼の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るT形鋼の製造方法は、H形鋼の段階での残留応力低減方法として、フランジ厚みをt2、フランジ幅をB、ウェブ高さをWとしたとき、
t2<25[mm]、W/B≦2.5の製品を製品サイズ1、
t2≧25[mm]、W/B≦2.5の製品を製品サイズ2、
t2<25[mm]、W/B>2.5の製品を製品サイズ3、
t2≧25[mm]、W/B>2.5の製品を製品サイズ4、
と区分し、
前記製品サイズ1の場合には、次の(2)及び(3)による制御方法の内、少なくとも1つの制御方法を用い、
前記製品サイズ2の場合には、次の(2)の制御方法を用い、
前記製品サイズ3の場合には、次の(1)及び(3)による制御方法の内、少なくとも1つの制御方法を用い、
前記製品サイズ4の場合には、次の(1)及び(2)の制御方法を用いる。
(1)圧延が終了するまでにフランジを冷却する方法、
(2)圧延後にフランジを冷却する方法、
(3)強圧下矯正機による方法
尚、ここでいう強圧下矯正機による方法とは、図15及び図16に示される矯正機の竪ロールのH形鋼フランジへの水平方向の荷重を10t以上、望ましくは20t以上与える方法である。なお、図15及び図16において、15はH形鋼、16は矯正用水平ロール、17は矯正用竪ロールであり、18は矯正用竪ロール17のH形鋼フランジへの水平方向の荷重を示している。
また、本発明に係るT形鋼の製造方法において、ウェブを切断する際には、上記の残留応力低減方法を用いて、H形鋼での放冷後のウェブ中央の残留応力を±4[kgf/mm2](引張又は圧縮)以内にして切断する。
また、本発明に係るT形鋼の製造方法において、H形鋼からウェブを切断してT形鋼を製造する際には、切断前に残留応力センサーによってウェブ残留応力を測定する。
本発明によれば、H形鋼の段階での残留応力低減方法として製品サイズによった処理方法を採用しているので、残留応力が効果的に低減しており、切断後の曲がりを少なくしたT形鋼の製造が可能になっている。特に、ウェブ中央残留応力を4[kgf/mm2]以下にすれば、後述の実施例から明らかなように、曲がりの少ないT形鋼の製造が可能となっており、切断後の山積みやローラー搬送が可能となっている。また、切断直前にウェブの残留応力を測定することにより切断後の曲がり量を判定することができる。
図3は代表的な形鋼製造ラインの構成例を示した図である。この製造ラインは、加熱炉1、BD(ブレークダウン)圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第1フランジ冷却装置4、第2ユニバーサル圧延群5、第2フランジ冷却装置6、仕上げ圧延機7、フランジ冷却装置8、製品切断装置9、形鋼矯正機10及びウェブ切断装置11から構成されており、ウェブ切断装置11によりH形鋼のウェブ中央をその長さ方向に沿って切断することによりT型鋼を製造する。製品切断装置9と形鋼矯正機10との間には冷却床12が設けられており、製品切断装置9により切断されたH形鋼が冷却床12に一旦送り出された後に、形鋼矯正機10により矯正される。また、フランジ冷却装置8の出側にはH形鋼用温度温度計13が設けられており、フランジ冷却装置8により冷却されたH形鋼の温度を計測する。更に、形鋼矯正機10の出側にはX線回折法残留応力測定装置14が設けられており、形鋼矯正機10により矯正されたH形鋼の残留応力を計測する。
本実施形態においては、図3の製造ラインにおいて、
(1)圧延が終了するまでにフランジを冷却する方法、
(2)圧延後にフランジを冷却する方法、
(3)強圧下矯正機による方法
の内、これら(1)〜(3)の方法を製品サイズに応じて1つ以上用いるようにしたものである。この具体例を図4に基づいて説明する。
図4は製品サイズと残留応力制御方法との関係を示した図である。図4の例では製品区分として、フランジ厚みが25[mm]、W/B比が2.5をそれぞれ基準としている。
(製品区分の一例)
(a)製品サイズ1 フランジが薄く、W/B比が小さい
(t2<25[mm]、W/B≦2.5)
(b)製品サイズ2 フランジが厚く、W/B比が小さい
(t2≧25[mm]、W/B≦2.5)
(c)製品サイズ3 フランジが薄く、W/B比が大きい
(t2<25[mm]、W/B>2.5)
(d)製品サイズ4 フランジが厚く、W/B比が大きい
(t2≧25[mm]、W/B>2.5)
製品サイズ1,2のW/B比が小さい場合には、仕上げ圧延後のフランジ冷却装置8によるフランジ冷却が最も効果があり、特にフランジを急冷却することによって、冷却による塑性歪がウェブに影響を与えウェブの残留応力を低減できる。製品サイズ3の場合には、仕上げ圧延後のフランジ冷却装置8によるフランジ冷却では、フランジ断面積が小さいため、フランジが急収縮することによる冷却の塑性歪がウェブ全体に影響を与えることができない。そのため、放冷後は図2のような残留応力となる。従って、この場合にはユニバーサル圧延群3,5の前後のフランジ冷却装置4,6によって圧延終了前までにフランジとウェブとが同じ温度になるようにフランジ冷却を行う。フランジが薄いため、圧延中の冷却でも十分に冷却することができる。製品サイズ4の場合には、フランジ断面積が大きいので仕上げ圧延後のフランジ冷却装置8でも効果があるが、完全に残留応力を除去できない場合があるので、ユニバーサル圧延群3,5の前後の冷却装置4、6も用いて圧延中にもフランジとウェブの温度差を縮めて、最後に仕上げ圧延後のフランジ冷却装置8でフランジ冷却を行う。
また、強圧下矯正機による残留応力低減は、フランジ薄い場合の製品サイズ1,3についても効果があることが分かった。サイズによっては矯正機だけでも残留応力を低減させることができる。
上記の製品サイズに対応した制御方法を纏めると次のとおりである。
(a)製品サイズ1の場合には、上記の(2)圧延後にフランジを冷却する方法及び(3)矯正機(強圧下矯正)による方法の内、少なくとも1つの制御方法を用いる。
(b)製品サイズ2の場合には、上記の(2)圧延後にフランジを冷却する方法を用いる。
(c)製品サイズ3の場合には、上記の(1)圧延が終了するまでにフランジを冷却する方法及び(3)矯正機(強圧下矯正)による方法の内、少なくとも1つの制御方法を用いる。
(d)製品サイズ4の場合には、上記の(1)圧延が終了するまでにフランジを冷却する方法及び(2)圧延後にフランジを冷却する方法を用いる。
また、本実施形態においては、上記の残留応力低減方法を用いて、H形鋼での放冷後のウェブ中央の残留応力を4[kgf/mm2]以下にして、ウェブ切断装置11によりウェブを切断してT形鋼を製造する。残留応力を4[kgf/mm2]以下にすると、切断後も山積みや搬送に問題がないことが分かった。現状の造船材として用いられるT形鋼の製品長は殆どが24[m]以下である。図5は24[m]でのウェブ中の残留応力と曲がりの関係を示した図である。図5の結果からウェブ中央の残留応力の調査すれば曲がり量が把握できることが分かった。従って、製品長24[m]でのローラー搬送可能な曲がり量を50[mm/24m]以下とするべく、ウェブ中央残留応力を±4[kgf/mm2](引張あるいは圧縮)以内としている。
また、本実施形態においては、H形鋼からウェブを切断してT形鋼を製造する際に、切断前に残留応力センサー(X線回折法残留応力測定装置14)によってウェブの残留応力を計測することにより切断後の曲がりを予測するようにしている。切断直前にウェブの残留応力を測定することにより切断後の曲がり量を判定することができる。
本発明の実施例として、図3に示された形鋼製造ラインでT形鋼を製造した。また、ウェブ切断前にX線回折法残留応力測定装置によって残留応力を計測した。
実施例1.
本発明の実施例1として、T250×200 12/22(ウェブ高さ250[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み12[mm]、フランジ厚み22[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH500×200 12/22(ウェブ高さ500[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み12[mm]、フランジ厚み22[mm])で、図4の製品サイズ1に相当する。本実施例1では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延し、圧延終了後に、フランジ冷却装置8によってフランジを冷却し、復熱後のウェブ平均温度を約620℃、フランジ平均温度を約600℃で仕上げ、製品切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10で通常矯正(竪ロールは荷重5t未満)を行い、ウェブ切断装置11で切断した。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図6に示す。ウェブ中央の残留応力は1.2[kgf/mm2](引張残留応力)であった。ウェブ切断後の全長曲がり量は11[mm/24m](内曲がり)で、山積み、ローラー搬送とも可能であった。
実施例2.
本発明の実施例2として、T250×200 11/17(ウェブ高さ250[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み11[mm]、フランジ厚み17[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH500×200 11/17(ウェブ高さ600[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み11[mm]、フランジ厚み17[mm])で、図4の製品サイズ1に相当する。本実施例1では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延し、フランジ冷却は行わなかった。圧延終了後の温度は、ウェブ平均温度が約610℃、フランジ平均温度を約700℃で仕上げ、製品切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10により強圧下矯正(竪ロールは荷重40t)を行い、ウェブ切断装置11で切断した。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図7に示す。ウェブ中央の残留応力は3.8[kgf/mm2](圧縮残留応力)であった。ウェブ切断後の全長曲がり量は45[mm/24m](外曲がり)で、山積み、ローラー搬送とも可能であった。なお、フランジ厚み(t2)がt2≦20(mm)の場合には、この実施例2のように強圧下矯正だけも圧縮残留応力の低減を可能にすることが確認できている。
実施例3.
本発明の実施例3として、T350×300 14/28(ウェブ高さ350[mm]、フランジ幅300[mm]、ウェブ厚み14[mm]、フランジ厚み28[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH700×300 14/28(ウェブ高さ700[mm]、フランジ幅300[mm]、ウェブ厚み14[mm]、フランジ厚み28[mm])で、図4の製品サイズ2に相当する。本実施例3では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延し、圧延終了後、フランジ冷却装置8によってフランジを冷却し、復熱後のウェブ平均温度を約640℃、フランジ平均温度を約610℃で仕上げ、製品切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10により通常矯正(竪ロールは荷重5t未満)を行い、ウェブ切断装置11で切断した。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図8に示す。ウェブ中央の残留応力は0.8[kgf/mm2](引張残留応力)であった。ウェブ切断後の全長曲がり量は−5[mm/24m](内曲がり)で、山積み、搬送とも可能であった。
実施例4.
本発明の実施例4として、T350×200 12/22(ウェブ高さ350[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み12[mm]、フランジ厚み22[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH700×200 12/22(ウェブ高さ700[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み12[mm]、フランジ厚み22[mm])で、図4の製品サイズ3に相当する。本実施例4では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延をおこなった。ユニバーサル圧延群3,5で圧延中、第1フランジ冷却装置4及び第2フランジ冷却装置6で冷却を行った。圧延終了後のウェブ平均温度は約650℃、フランジ平均温度を約660℃で仕上げ、製品切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10により通常矯正(竪ロールは荷重5t未満)を行い、ウェブ切断装置11で切断した。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図9に示す。ウェブ中央の残留応力は−2.9[kgf/mm2](圧縮残留応力)であった。ウェブ切断後の全長曲がり量は41[mm/24m](外曲がり)で、山積み、搬送とも可能であった。
実施例5.
本発明の実施例5として、T450×200 14/28(ウェブ高さ450[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み14[mm]、フランジ厚み28[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH900×200 14/28(ウェブ高さ900[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み14[mm]、フランジ厚み28[mm])で、図4の製品サイズ4に相当する。本実施例5では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延をおこなった。ユニバーサル圧延群3,5で圧延中、第1フランジ冷却装置4及び第2フランジ冷却装置6で冷却を行い、圧延終了後、フランジ冷却装置8によってフランジ冷却を行った。復熱終了後のウェブ平均温度は約660℃、フランジ平均温度を約640℃で、製品を切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10により通常矯正(竪ロールは荷重5t未満)を行い、ウェブ切断装置11で切断した。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図10に示す。ウェブ中央の残留応力は−3.3[kgf/mm2](圧縮残留応力)以下であった。ウェブ切断後の全長曲がり量は44[mm/24m](外曲がり)で、山積み、搬送とも可能であった。
比較例1.
比較例1として、T350×300 14/28(ウェブ高さ350[mm]、フランジ幅300[mm]、ウェブ厚み14[mm]、フランジ厚み28[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH700×300 14/28(ウェブ高さ700[mm]、フランジ幅300[mm]、ウェブ厚み14[mm]、フランジ厚み28[mm])で、図4の製品サイズ2に相当する。本比較例1では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延し、ユニバーサル圧延群3,5で圧延中、第1フランジ冷却装置4及び第2フランジ冷却装置6で冷却を行った。圧延終了後のウェブ平均温度を約640℃、フランジ平均温度を約720で、製品切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10で通常矯正(竪ロールは荷重5t未満)を行い、ウェブ切断装置11で切断した(フランジ冷却装置8による冷却及び形鋼矯正機10による強圧下矯正の両方を行っていない。)。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図11に示す。ウェブ中央の残留応力は−22.1[kgf/mm2](圧縮残留応力)あった。ウェブ切断後の全長曲がり量は310[mm/24m](外曲がり)で、曲がりが大きいために山積み、搬送が不可能であった。
比較例2.
比較例2として、T350×200 9/22(ウェブ高さ350[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み9[mm]、フランジ厚み22[mm])のT形鋼を製造した。圧延H形鋼はH700×200 9/22(ウェブ高さ700[mm]、フランジ幅200[mm]、ウェブ厚み9[mm]、フランジ厚み22[mm])で、図4の製品サイズ3に相当する。本比較例2では加熱炉1より加熱した形鋼素材を、BD圧延機2、第1ユニバーサル圧延群3、第2ユニバーサル圧延群5、仕上げ圧延機7によって圧延をおこなった。圧延終了後、フランジ冷却装置8によってフランジ冷却を行った。冷却復熱後のウェブ平均温度は約650℃、フランジ平均温度を約640℃で仕上げ、製品切断装置9によってクロップを除き24[m]毎に切断し、放冷後、形鋼矯正機10で通常矯正(竪ロールは荷重5t未満)を行い、ウェブ切断装置11で切断した(第1及び第2フランジ冷却装置4,6による冷却及び形鋼矯正機10による強圧下矯正の両方を行っていない。)。同ロットでのウェブ表裏面での残留応力の結果を図12に示す。ウェブ中央の残留応力は−28[kgf/mm2](圧縮残留応力)あった。ウェブ切断後の全長曲がり量は352[mm/24m](外曲がり)で、曲がりが大きいために山積み、搬送が不可能であった。
図13は上記の実施例1〜5及び比較例1,2の制御方法及び計測結果を纏めたものである。ウェブ中央の残留応力及びウェブ切断後の全長曲がり量についてみると、実施例1〜5が比較例1,2に対して格段に優れた特性を示しており、本発明の優位性を確認することができる。
H700×300 12/28のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である。 H700×200 12/22のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である。 形鋼製造ラインを説明するライン図である。 各サイズのH形鋼とその残留応力制御方法の説明図である。 ウェブ中央の残留応力とウェブ切断後の曲がり量の関係を示すグラフである。 H500×200 12/22のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である(実施例1)。 H500×200 11/17のサイズで強圧下矯正を行ったときのウェブの残留応力分布である(実施例2)。 H700×300 14/28のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である(実施例3)。 H700×200 12/22のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である(実施例4)。 H900×200 14/28のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である(実施例5)。 H700×300 14/28のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である(比較例1)。 H700×200 9/22のサイズでフランジ冷却を行ったときのウェブの残留応力分布である(比較例2)。 実施例1〜5及び比較例1,2の制御方法及び計測結果を纏めたものである。 H形鋼の各寸法の説明図である。 矯正機の側面説明図である。 矯正機の正面説明図である。
符号の説明
1 加熱炉、2 BD(ブレイクダウン)圧延機、3 第1ユニバーサル圧延群、
4 第1フランジ冷却装置、5 第2ユニバーサル圧延群、6 第2フランジ冷却装置、7 仕上げ圧延機、8 フランジ冷却装置、9 製品切断装置、10 形鋼矯正機、
11 ウェブ切断装置、12 冷却床、13 H形鋼用温度計、14 X線回析法残留応力測定装置、15 H形鋼、16 矯正用水平ロール、17 矯正用竪ロール 18 矯正用竪ロールのH形鋼フランジへの水平方向の荷重。

Claims (3)

  1. H形鋼の段階での残留応力低減方法として、フランジ厚みをt2、フランジ幅をB、ウェブ高さをWとしたとき、
    t2<25[mm]、W/B≦2.5の製品を製品サイズ1、
    t2≧25[mm]、W/B≦2.5の製品を製品サイズ2、
    t2<25[mm]、W/B>2.5の製品を製品サイズ3、
    t2≧25[mm]、W/B>2.5の製品を製品サイズ4、
    と区分し、
    前記製品サイズ1の場合には、次の(2)及び(3)による制御方法の内、少なくとも1つの制御方法を用い、
    前記製品サイズ2の場合には、次の(2)の制御方法を用い、
    前記製品サイズ3の場合には、次の(1)及び(3)による制御方法の内、少なくとも1つの制御方法を用い、
    前記製品サイズ4の場合には、次の(1)及び(2)の制御方法を用いることを特徴ととするT形鋼の製造方法。
    (1)圧延が終了するまでにフランジを冷却する方法。
    (2)圧延後にフランジを冷却する方法。
    (3)強圧下矯正機による方法。
  2. H形鋼での放冷後のウェブ中央の残留応力を±4[kgf/mm2]以内にしてウェブを切断することを特徴とする請求項1記載のT形鋼の製造方法。
  3. H形鋼からウェブを切断してT形鋼を製造する際に、切断前に残留応力センサーによってウェブ残留応力を測定することを特徴とする請求項1又は2記載のT形鋼の製造方法。
JP2003299798A 2003-08-25 2003-08-25 T形鋼の製造方法 Expired - Lifetime JP4096840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003299798A JP4096840B2 (ja) 2003-08-25 2003-08-25 T形鋼の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003299798A JP4096840B2 (ja) 2003-08-25 2003-08-25 T形鋼の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005066644A JP2005066644A (ja) 2005-03-17
JP4096840B2 true JP4096840B2 (ja) 2008-06-04

Family

ID=34404918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003299798A Expired - Lifetime JP4096840B2 (ja) 2003-08-25 2003-08-25 T形鋼の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4096840B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06232014A (ja) * 1993-02-02 1994-08-19 Nec Toyama Ltd ヒューズ入りチップ型固体電解コンデンサおよびその製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007331027A (ja) * 2005-11-15 2007-12-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 船体補強部材用熱間圧延t形鋼、及び熱間圧延t形鋼の製造方法
JP6481671B2 (ja) * 2016-02-16 2019-03-13 Jfeスチール株式会社 直線形鋼矢板の製造方法、及び直線形鋼矢板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06232014A (ja) * 1993-02-02 1994-08-19 Nec Toyama Ltd ヒューズ入りチップ型固体電解コンデンサおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005066644A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110366456B (zh) 钢板的冷却方法及钢板的冷却装置以及钢板的制造方法
JP2000271603A (ja) 極薄帯板の熱間圧延方法および圧延装置
JP4096840B2 (ja) T形鋼の製造方法
WO2000053349A1 (fr) Dispositif et procede de fabrication de tole d'acier laminee a chaud et dispositif et procede de pressage de l'epaisseur de la tole, utiles dans ces procede et dispositif
JP3528504B2 (ja) 極厚鋼板の製造方法
JP6365626B2 (ja) スラブの形状調整方法
JP2738280B2 (ja) 外法一定平行フランジ溝形鋼の製造方法
JP2003112205A (ja) MgまたはMg合金帯板の製造方法および製造装置
JP3806173B2 (ja) 熱延連続化プロセスによる材質バラツキの小さい熱延鋼板の製造方法
JP2009006361A (ja) 熱間圧延方法
JP7276278B2 (ja) ハット形鋼矢板の矯正装置、矯正方法およびハット形鋼矢板の製造方法
CN114472539B (zh) 一种极限厚规格花纹板的制备方法
JP3339466B2 (ja) H形鋼とその圧延方法
JP7127729B2 (ja) 鋼矢板の製造方法及び鋼矢板製造用の圧延設備列
JP2023113155A (ja) ハット形鋼矢板の製造方法
JP4608762B2 (ja) 幅プレス用金型およびそれを使用した熱間圧延方法
JP2023113156A (ja) ハット形鋼矢板の製造方法
JPH0576905A (ja) 珪素鋼板の冷間圧延における耳割れ防止方法
JP3490814B2 (ja) 平坦度の優れたアルミニウム合金板の製造方法
JPH10258303A (ja) 継目無角形鋼管の製造方法
JP4172084B2 (ja) 板厚プレスによる熱延鋼板の製造方法
JP2023113154A (ja) ハット形鋼矢板の製造方法
JP3496531B2 (ja) 溝形鋼の製造方法
JPH11216501A (ja) 異形断面条の製造方法および装置
JP2005034887A (ja) 幅プレス用凸金型及びそれを用いた熱延鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4096840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140321

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term