JP3490814B2 - 平坦度の優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
平坦度の優れたアルミニウム合金板の製造方法Info
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Description
及び建造物に使用されるアルミニウム合金板の完成部材
あるいはその中間工程部材として優れた平坦度を要する
アルミニウム合金板、特に、広幅板、厚板、広幅厚板等
の大型板部材の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】圧延技術の進歩は、圧延荷重、圧延張
力、熱的及び機械的ロールクラウン等の圧延条件を自動
的に制御する圧延により、圧延の儘で平坦な板を製出す
る技術の開発が盛んに行われている。しかし、板の寸
法、用途によって、より精度の高い平坦性が要求される
場合は圧延のみによって所要の平坦性を得ることは、な
お困難である。このような場合には、所要の板厚にまで
圧延後、板を所要の長さに切断して、ストレッチャーを
用いて圧延方向に平行な方向にストレッチを行い平坦性
を改善する方法が行われている。圧延工程後、コイルに
巻き上げることが可能な板厚の場合には、矯正・仕上げ
設備を用いて、圧延板を通過させながら、圧延方向に平
行に張力を負荷して走行中に連続的にストレッチを行い
つつコイリングする方法が行われている。 【0003】連続ストレッチを行っても、なお十分な平
坦度が得られない場合は、所要の長さに切断した後、圧
延方向に平行にストレッチャーにより張力を加えて平坦
度を矯正する方法が行われる。ストレッチャーによる板
の平坦度を改善する方法としては、相対する一対の掴み
部に板を固定して、圧延方向に平行に引張力を負荷し、
歪みを均一化させる方法が一般的である。類似のストレ
ッチ方法には、板の歪みの比較的少ない部分、例えば、
板幅の中央部或いは両端部を部分的にストレッチする予
備ストレッチを行った後、板幅全体を掴んで引張矯正を
行う2段ストレッチ法、或いは特公昭63ー17528
に示されるごとく、板幅方向に掴み部を複数個に分割
し、板の歪みの分布状況に応じて、板幅方向の引張り力
を変化させて平坦度を改善しようとする方法がある。以
上のように、従来のストレッチ方法は、何れの方法も圧
延方向に平行に引張力を加えて平坦度を改善する方法が
行われている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】アルミニウム及びアル
ミニウム合金は軽量で、強度に優れ、且つ耐食性が良好
であるなどの優れた特性を有しており、近年の構造物、
建造物の大型化、多様化に伴って、この用途分野に於け
るアルミニウム合金板の需要は拡大されつつある。しか
し、従来の製造方法によって得られるアルミニウム合金
板のもつ平坦度ではこれらの用途には適合し得なくなっ
たきた。これらの用途には最終部材製品として平坦性が
要求されるのは勿論であるが、中間部材として更に、切
断・成形加工或いは溶接加工が行われる場合も、この様
な加工後の部材の所要の精度を維持するために、素材で
あるアルミニウム合金板の平坦性が十分なものでなけれ
ばならない。 【0005】従来のアルミニウム合金板の平坦度より
も、更に厳しい平坦度が要求される代表的なアルミニウ
ム合金の用途例として、高層ビル、特にデザインが重視
される公共建築物に使用される広幅外装材、大型タンク
貯槽、宇宙ロケット等の部材等の広幅、厚板或いは広幅
厚板として要求される部材が挙げられる。このような用
途には部材或いは加工素材として、厚さが4mm以上2
00mmにも、幅は200以上4000mmにも及ぶ広
幅ないし厚板が要求される。これらの建築用材料或いは
構造部材としての板材は、組立加工の工程を合理的に行
う目的で、一体として使用される場合だけでなく、部材
の加工工程で切断され、分割して使用される場合も、よ
り高い組立精度が要求される。この様に従来の製造法に
よって得られる平坦度を上廻る優れた平坦性が要求され
る結果、従来の方法による圧延方向に平行な方向にのみ
引張力を負荷するストレッチ方法では必要な平坦度を有
する板を製造することが困難になってきた。 【0006】工業的に行われる板圧延は、一般的には、
熱間圧延とそれに引き続いて行われる冷間圧延で構成さ
れる。これらの圧延においては、板幅方向に一様な圧下
を行うことが可能であれば平坦な板が得られる。しか
し、圧延中の材料から発生する加工発熱、ロール幅方向
に不均一に発生する圧延ロールからの熱放散と圧延潤滑
油のスプレーによるロールの加熱或いは冷却効果等の重
畳効果によって、圧延ロールのロール幅(胴長)方向に
不均衡な温度分布を生じる。このようにロールの幅方向
に発生する不可避的な不均一な温度分布とこの温度分布
の圧延中の経時的変化によって、ロール胴長方向に熱膨
張差によるロール径の変化が生じる。このロール径の変
化に対応して、ロール間隙が変化する。この結果、実際
上板幅全体に亘って均等な圧下を与えることは困難にな
り、板幅方向には不均等な板厚断面が発生する。 【0007】このような板厚の不均等断面が生じた板
は、更に圧延パスを重ねると板厚の厚い部分は薄い部分
より過剰に延ばされることになる。板幅方向で圧下量が
異なる結果、圧下が多く行われた部分では他の部分より
長さ余りの状態となることにより、板の平坦性が損なわ
れる。板幅が1000〜1800mm程度の通常の板幅
迄の圧延板或いは条では、いわゆる中伸び、端伸び或い
は1/4伸び、1/8伸び等と称せられる、ある程度の
規則性を持った板の歪みが発生し、板の平坦度が劣化す
る事は良く知られている。 【0008】この様な不均一圧下による板の平坦性の劣
化を防止する為、圧延荷重によるロールの撓み、ロール
幅方向の不均等放熱冷却を考慮し、予め、圧延ロールに
初期クラウンを設けると同時に、圧延中の加工発熱によ
るロールクラウンの変化を圧延潤滑油の温度、全油量及
びロール胴長方向の油量分布を制御することにより不均
一圧延が行われることを、極力、防止する方法が行われ
る。更に、最終製品板厚に至るまでの間に行われる圧延
パスを重ねる毎に、順次、各パスの圧延潤滑油のスプレ
ー条件、圧延荷重、圧延ロールの初期クラウンを制御し
て、板の平坦性を改善する方法が行われる。しかし、幅
広板、厚板では、この様な制御を積み重ねて平坦性を良
好に維持して行くことが困難である。即ち、厚板では、
熱間圧延のみで最終製品板厚に仕上げられる場合が多
く、熱間圧延に続いて冷間圧延を行う場合も、冷間圧延
パス回数は1〜2回のパスに限られることが多い。更
に、板幅が2000mmを越えるような広幅板ではこの
ような歪みの発生はより複雑になる。 【0009】熱間圧延は、元来、板の高圧下圧延を目的
として、材料の変形抵抗が小さい高温で行われるため、
設備及び被圧延材の熱膨張・収縮の影響を受けやすく、
板厚及び板形状の制御精度は冷間圧延に於けるよりも劣
る。板厚約4mm以上の場合は、生産性の点から熱間圧
延のみによって所要の板厚に仕上げるか、熱間圧延後、
1乃至2パスのみの冷間圧延を施して所要の板厚に仕上
げることが多い。この様に冷間圧延パス回数が少ない場
合には、冷間圧延による平坦度の改善を行うことが難し
く、平坦度に劣る板になり易い。 【0010】しかも、このような広幅、厚板の平坦性の
制御は従来の方法では一層困難になる。即ち、板幅が大
きくなるに従って、ロールクラウン、ロール幅方向の温
度分布或いは幅方向の圧延圧下の均等性の制御が困難に
なる結果、板幅方向の板形状の制御が困難になり、板の
平坦性は更に悪化する。即ち、板幅が広くなるに従って
圧延ロールの胴長が長くなるため、上記の熱的条件が複
雑に作用するとともに、圧延荷重によって生じるロール
の撓みによるロールクラウンの複雑な変化の影響を受
け、平坦度を維持するための制御が困難になる。また、
厚板の場合は圧延パス回数が少なくなり、パス毎の圧延
条件自体の選択によって平坦性を改善する機会が少なく
なるからである。 【0011】また、アルミニウム合金板が熱処理合金の
場合は、圧延後、高温に加熱し、急冷して焼き入れる熱
処理が必要である。熱処理アルミニウム合金では450
〜550℃に加熱後、常温の水中或いは100℃以下の
湯水等の冷却媒中に投入するか、冷却媒をスプレーする
等により焼き入れが行われる。このとき、板が水に接し
て冷却が開始され、完全に冷却されるまでの時間差、更
には、焼き入れ中の冷媒中に発生する気泡等の影響によ
り、板は不均一冷却を受けるため、不均一な歪みが発生
する。広幅で厚い大型の板では複雑な焼き入れ歪みを発
生する。元来、大きい熱膨張係数をもつアルミニウム合
金板の平坦度は急激な温度変化を受けて極度に悪化す
る。圧延後の平坦度に劣る材料に、このような焼き入れ
歪みが重畳した複雑な歪みが生じた場合は、従来のよう
な圧延に平行な方向のみからのストレッチでは平坦性の
優れた板を得ることは極めて困難である。 【0012】通常のストレッチ法では圧延方向に平行な
方向にストレッチを行い、板幅方向に均等に或いは部分
的に異なる引張荷重を負荷し、板の圧延長手方向に残留
永久歪みを残すことによって平坦性が改善される。平坦
度が非常に悪い場合は部分的に残留永久歪みが負荷され
他の部分はストレッチされても弾性変形領域内に止ま
り、ストレッチ荷重の除荷後も平坦性は改善されないま
まとなる。更に、ストレッチ荷重を増加させると板の全
域に永久塑性変形が発生するが変形量に差を生じ、初期
に変形を起こした部分にはストレッチャーストレインを
発生し易くなり、板の外観が損なわれる弊害が生じると
同時に、部分的に過度の板厚減少を起こし、寸法精度不
良の発生に至る。 【0013】また、平坦性の比較的良好な板では、端伸
び部分の平坦性は改善されるにも拘わらず、ストレッチ
ャーの掴み部によって受ける材料の拘束とアルミニウム
合金の引張変形機構の影響によって、掴み部より掴み幅
の距離に相当するだけ離れた部分の板の幅方向中央部分
近傍に歪みが集中し、中伸び状態が現れて板中央部の平
坦性が、逆に損なわれる状況も発生する。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は厚さ4.0mm
以上のアルミニウム合金板の平坦度をストレッチ法によ
り改善する方法において、アルミニウム合金板の圧延方
向に平行な方向に行うストレッチと圧延方向に直角をな
す方向に行うストレッチを前後して行い平坦度を改善す
ることを特徴とするアルミニウム合金板の製造方法であ
る。 【0015】本発明者はアルミニウム合金板の平坦度の
改善について、鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム合
金板に於ける歪みは、板の圧延方向の歪みと板幅方向の
歪みが複雑に合成されたもので考えられ、歪み矯正のた
めのストレッチの方向について種々検討を加えた結果、
その方向によって歪みの矯正効果が異なることを見出
し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。 【0016】 【発明の実施の形態】圧延方向に平行な一方向のみから
行うストレッチ法では、板厚不良、ストレッチャースト
レインの様な問題を避けるためには、板全体の引張永久
歪み量は1.5%以下に止める事が望ましいとされてい
る。しかし、板厚不良或いはストレッチャーストレン等
の弊害を避ける為には出来るだけ一方向のみからによる
ストレッチは行わず、一方向からのストレッチにより部
分的に平坦性を改善した後、異なる方向、即ち、ストレ
ッチ方向を変えて圧延方向に直角な方向からストレッチ
を行うことによって、圧延方向に平行な一方向からのス
トレッチのみでは得られなかった平坦性の改善が得られ
る。このようにストレッチ方向を変えることにより、板
に与えられる歪み分布が一様になり、板厚不良及びスト
レッチャーストレンの発生による寸法及び外観の不良発
生を防止することが出来る。更に、2方向からのストレ
ッチにより、平坦性が改善されるだけでなく、板内部の
残留歪みの分布も一様になり、ストレッチ後の板から種
々の部材を切り出したときの、残留応力による切断後の
歪みの発生も軽減される効果を奏する。 【0017】以上のように、通常行われている圧延方向
に平行な方向の引張矯正に加えて、更に圧延方向に直角
の方向より引張矯正を行う等の2方向からのストレッチ
を行うことによって従来の方法では得られなかった矯正
効果、即ち平坦性の良好なアルミニウム合金板を得るこ
とが出来る。 【0018】本発明の方法において、圧延方向と平行な
方向に行うストレッチと圧延方向に対し直角をなす方向
に行うストレッチとの順序については何れを先に行って
も、それぞれのストレッチ量が同じならば、その差異は
殆ど無く、作業の都合によって決めて差し支えない。ま
た、各々のストレッチを複数回組み合わせて行うことも
差し支えなく、圧延方向と平行に行うストレッチの合計
量と圧延方向に対し直角をなす方向に行うストレッチの
合計量が、それぞれ同じならば、平坦度の改善効果も、
ほぼ同等のものになる。本発明は広幅板、厚板、広幅厚
板において顕著な効果を有するが、上記のごとく圧延方
向と平行な方向と圧延方向に対し直角な方向との2方向
からストレッチを行う方法は通常の板幅、板厚を有する
アルミニウム合金板においても同様の効果を奏すること
は云うまでもない。以下に、その実施例をもって、その
効果を説明する。 【0019】 【実施例】 (実施例 1)厚さ400mm,幅2000mm、長さ
3500mmの2219合金鋳塊を用いて通常の熱間圧
延法により先ず横圧延を行い、幅3500mmとした
後、鋳塊長手方向に圧延を行い板厚13mmに仕上げ、
熱間圧延機に付設されたシェア切断機により切断し、長
さ2100mmの板20枚を得た。引き続いて、冷間圧延
機により板厚6.4mmとし、板長さを4250mmと
した後350℃で焼鈍を行った。焼鈍後、このようにし
て得られた板は中伸びと端伸びの双方が現れていたが、
次に述べる方法でストレッチャーを使用して引張矯正を
行い平坦度を測定した。 【0020】先ず、従来行われた通常のストレッチ法に
より圧延方向に平行に板厚減少率が0.4、0.8%と
なるよう引張応力を加え平坦度を調査した後、更に板厚
減少率が1.2、1.5、2,0%となるよう順次スト
レッチを行い、各板厚減少率での平坦度を測定した。次
に、板厚減少率が0.8%になるまでストレッチした板
について、ストレッチ方向を変え、圧延方向と直角の方
向より全板厚減少率が1.2%、1.5%となるようス
トレッチを加え、各断面減少率での平坦度を測定した。
測定結果を表1に示す。表1中の数字は平坦度の測定値
で、従来の方法によるストレッチを行ったもの及び本発
明の方法によったものについて、測定した歪み発生場所
における歪みの最大値を示したものである。 【0021】なお、平坦度の測定は、測定する板を定盤
の上に置き、定盤と板の隙間を測定することによってお
こなった。歪み発生部が板中央部で直接、間隙を測定で
きない場合は、板の上方に歪み測定の基準とする治具を
置き、板の最大歪み部の板上面と基準治具と間の距離を
測定し、この値から板下面と定盤との間隙を算出し平坦
度の値とした。 【0022】本発明の方法による2方向からストレッチ
を行った場合は顕著な平坦度の改善が認められるが、圧
延方向に平行な方向の一方向のみのからのストレッチで
は、ストレッチ量0.8%程度迄はストレッチ量の増加
に従って平坦度は改善されるが、それ以上では歪みは変
化せず平坦性の改善の効果は認められなかった。 【0023】 【表1】【0024】(実施例 2)通常の方法により2219
合金鋳塊を製造し、均質化処理後、横圧延を含む熱間圧
延により厚さ13mm迄圧延を行った後、切断を行い幅
3100mm、長さ4300mmの板とし、更に冷間圧
延により厚さ6.4mmの板を得た。この板を焼き入れ
炉に装入し、535℃に加熱後、水温が常温である水槽
中に焼き入れした。焼き入れした板を調質ーT37とす
るため、断面減少率7%を与えるためのストレッチを行
った。従来の方法によるストレッチ法としては、圧延方
向に平行な方向或いは圧延方向と直角な方向の何れかの
みによって、断面減少率7%となるストレッチを行っ
た。次に、本発明による方法として、圧延方向と平行に
断面減少率が4%になるようストレッチした後、更に、
全断面減少率が7%となるよう圧延方向と直角になる方
向からストレッチを追加して行った。これらの板の平坦
度を、実施例1と同様の方法で定盤上で測定した結果を
図1に示す。図1(A)は焼き入れ後の歪みの発生状況
を、図1(B)は従来法によってストレッチを行った場
合の歪みの変化を、図1(C)本発明の方法によってス
トレッチを行った場合の歪みの状況を示す。更に、本発
明の方法として、ストレッチの順序を変え、先に圧延方
向に直角な方向から断面減少率が4%となるようストレ
ッチした後、全断面減少率が7%となるよう圧延方向に
平行な方向にストレッチを加えた。この場合も図1
(C)に示したと同様の平坦性の改善が認められた。 【0025】(実施例 3)通常の方法により1100
アルミニウム鋳塊を製造し、均質処理後、幅出し圧延を
含む熱間圧延により厚さ4.0mm迄圧延を行った後、
切断を行い幅2500mm、長さ12000mmの板を
製造した。本発明の方法として、この板を、掴み部幅4
500mmのストレッチャーを用いて、長さ方向の一
端、中央部、他の端部と掴み位置をずらしながら、板の
全長を3分割して各々の部分に0.4%の引張歪みが残
留するよう圧延方向に直角の方向にストレッチを行った
後、更に圧延方向と平行な方向に0.4%の引張歪みが
残留するようストレッチを行った。以上のように圧延方
向に対し2方向からのストレッチを行った後、掴み部を
除く中央部より幅2200mm、長さ3700mmに切
断して、板を3枚を得た。また、本発明の他の方法とし
て同様にして得られた厚さ4.0mmの圧延板を長さ4
000mmに切断し、得られた各板を先ず圧延方向に
0.4%のストレッチを行った後、引き続いて圧延方向
と直角の方向に更に0.4%のストレッチを行った。 【0026】これに対し、従来法により1100合金鋳
塊より、通常の方法により熱間圧延を行い厚さ4mm、
幅2500mmの板を長さ4000mmに切断した後、
通常の方法により、0.8%の引張歪みが残留するよう
圧延方向と平行な方向にのみストレッチを行なった。以
上のようにして得られたストレッチ方法の異なる各板の
掴み部及び余尺部を切断除去して幅2200mm、長さ
3700mmに仕上げた後、それぞれの板の平坦度を測
定した。歪みの発生形態の代表例としては表2に示す
(A)、(B)、(C)の形態が現れ、それぞれの歪み
発生の顕著な部分を点線で示し、その部分の最大歪み量
(単位mm)を数字で示した。この結果から従来法によ
るよりも本発明の方法によるストレッチ後の平坦度が優
れていることは明らかである。なお、本発明の方法によ
る上記の2つのストレッチ方法の間には殆ど差は認めら
れなかったので、表2には本発明の方法による結果とし
て両者の結果を併せて示した。 【0027】 【表2】 【0028】 【発明の効果】以上の実施例からも明らかな如く、本発
明によれば平坦性が飛躍的に優れるアルミニウム合金板
を製造することができる。従って、平坦性或いは部材加
工時の歪み発生の回避が要求されるアルミニウム合金構
造物、航空宇宙機材、建築用内・外装材等の用途に供さ
れるアルミニウム合金板の製造に適用し極めて有益であ
る。
来法によるストレッチ方法の効果(平坦度)の比較を示
す説明図である。 【符号の説明】 1 板の圧延方向 2 平坦度の劣る歪み発生部分とその部分に於ける最大
歪み量(mm)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 厚さ4.0mm以上のアルミニウム板或
いは及びアルミニウム合金板(以下、アルミニウム合金
板と総称する)の平坦度をストレッチ法により改善する
方法において、アルミニウム合金板の圧延方向と平行な
方向に行うストレッチと圧延方向に対し直角をなす方向
に行うストレッチを前後して行い平坦度を改善すること
を特徴とするアルミニウム板及びアルミニウム合金板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28576395A JP3490814B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 平坦度の優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28576395A JP3490814B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 平坦度の優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09122753A JPH09122753A (ja) | 1997-05-13 |
JP3490814B2 true JP3490814B2 (ja) | 2004-01-26 |
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ID=17695742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28576395A Expired - Lifetime JP3490814B2 (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 平坦度の優れたアルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
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DE19828784A1 (de) * | 1998-06-27 | 1999-12-30 | Schloemann Siemag Ag | Verfahren zum Richten von Profilstahl bei gleichzeitiger Minimierung der Eigenspannungen |
-
1995
- 1995-11-02 JP JP28576395A patent/JP3490814B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09122753A (ja) | 1997-05-13 |
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