JP4440019B2 - 自動車前照灯用放電バルブ - Google Patents

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Description

本発明は、電極が対設された放電発光部である密閉ガラス球を有するアークチューブと、前記アークチューブを覆う円筒形状シュラウドガラス管とを備え、自動車用前照灯の光源として用いた場合に、配光制御用のリフレクターと遮光部により所定のクリアカットラインをもつ配光パターンが形成されるように構成された自動車前照灯用放電バルブに関する。
この種の放電バルブを光源とする自動車用前照灯としては、ランプボディと前面カバーで画成された灯室内に、図15に示すような光源である放電バルブ1を挿着した放物面状リフレクター8が収容されており、放電バルブ1の発光がリフレクター8で反射されて所定の配光が形成される。
光源としての放電バルブ1は、図15,16に示すように、アークチューブ3にUVカット作用のある円筒形状シュラウドガラス管5を溶着一体化したアークチューブ本体2が、背後の合成樹脂製絶縁性ベース7に組み付け一体化されて、前方に延出する形態に固定保持されている。具体的には、アークチューブ本体2の後端側が絶縁性ベース7の前面側に金具6aを介して把持固定され、アークチューブ本体2の前端側が絶縁性ベース7から延出する通電路でもあるリードサポート6bで支持されている。
アークチューブ3は、その両端部がピンチシールされて長手方向略中央部に発光物質(金属ハロゲン化物および水銀等)を始動用希ガスとともに封入しかつ電極4,4を対設した密閉ガラス球3aが形成された構造で、対向電極4,4間のアーク放電により発光する。アークチューブ3に溶着一体化された円筒形状のシュラウドガラス管5の外側面には、図15に示すように、リフレクタ―8の有効反射面8aに向かう光の一部を遮って鮮明なクリアカットラインを形成するためのピンストライプと称される左右一対の遮光膜5a,5bが設けられている。また、リフレクター8に挿着されたアークチューブ3の周りには、リフレクター8に固定された金属製の遮光シェード9が設けられて、前方への直射光やリフレクター8の有効反射面8a以外に向かう光を遮光するようになっている。
そして、密閉ガラス球3aには緩衝作用を営む水銀が封入されているが、水銀は地球上の環境汚染の原因となる有害物質であることから、最近では、下記特許文献1に示すように、密閉ガラス球に水銀を封入しない水銀フリーアークチューブの開発が注目されている。
特開2002−93369
発明者は、水銀フリーアークチューブの開発過程で、前記特許文献1に示す水銀フリーアークチューブを試作したところ、以下の問題に直面した。
一般的に自動車用前照灯では、少なくともリフレクター8のバルブ配置位置より上側に形成した有効反射面(多重反射面)8aによってすれ違いビームを形成する構造であり、リフレクターの有効反射面(多重反射面)8aを設計するには、図17に示すように、リフレクター8前方の配光スクリーン上に、光源像(アークチューブの放電発光部であるアーク像)をクリアカットライン・エルボー部Oを中心に放射状に投影する(貼り付ける)ことで設計するが、密閉ガラス球3aに水銀を封入しない分、アーク曲がりが大きく、クリアカットラインCLに沿って投影された光源像(アーク像)A毎に暗部(図18の斜線部B参照)が目立ち、クリアカットラインCLが波線状で真っ直ぐとならず、それだけ視認性が悪いという第1の問題が生じた。
また、水銀を封入しない分、アークが細く、車両走行中等に発生する振動によりアークが揺れ、この結果、クリアカットラインCLが上下に揺れる配光揺れにより視認性が悪いという第2の問題、さらには、電極先端に形成されるアークスポットが明るすぎて、配光ムラが目立ち、それだけ視認性が悪いという第3の問題が生じた。
なお、前記第1,第2,第3の問題については、水銀フリーアークチューブに限るものではなく、程度の差こそあれ、従来の水銀入りアークチューブについても言えることである。
そこで、発明者は、シュラウドガラス管にフロスト処理を施してアークの発光やアークスポットを拡散させてやれば、配光スクリーンに投影される(貼り付ける)アーク像やアークスポット像が拡大されるため、アーク像の暗部やアークスポット像が目立たなくなって、前記した問題が解消されるのではないかと考え、アークチューブを試作しその効果の程を確認したところ、非常に有効であることが確認されたので、この度、本発明を提案するに至ったものである。
本発明は前記した従来技術の問題点および発明者の知見に基づいてなされたもので、その第1の目的は、アーク曲がりの影響を受けない配光を形成できる自動車前照灯用放電バルブを提供することであり、その第2の目的は、アークスポットの影響を受けない配光を形成できる自動車前照灯用放電バルブを提供することである。
前記第1の目的を達成するために、請求項1に係る自動車前照灯用放電バルブにおいては、電極が対設された放電発光部である密閉ガラス球を有するアークチューブと、前記アークチューブを覆う円筒形状シュラウドガラス管とを備え、自動車用前照灯の光源として用いた場合に、遮光部と配光制御用のリフレクターとにより所定のクリアカットラインをもつ配光パターンが形成されるように構成された自動車前照灯用放電バルブであって、
前記配光パターンにおけるクリアカットラインに沿った領域に対応する前記シュラウドガラス管外表面の光出射領域にのみフロスト処理を施すように構成した。
そして、この種の放電バルブにおいて、所定のクリアカットラインを形成する遮光部の具体的な構成としては、シュラウドガラス管外表面に設けたピンストライプと称される遮光膜または/およびシュラウドガラス管とリフレクター間に設けた金属製の遮光シェードで構成する場合が考えられる。
即ち、前方への直射光やリフレクターの有効反射面(前照灯の配光形成に寄与する所定の有効反射面)以外に向かう光を遮光するため、放電バルブの周りには、例えばリフレクターに取着する等して一般に金属製の遮光シェードを設けるが、所定のクリアカットラインを形成する遮光部を、シュラウドガラス管の外表面に設けた遮光膜と金属製遮光シェード(の一部)の双方で構成する場合は、クリアカットラインに対応する遮光膜(形成位置)に整合するように金属製遮光シェード(の一部)を形成する必要があるが、放電中心に対し遮光膜(遮光部)の位置よりもリフレクターに近い位置にある遮光シェード(遮光部)の存在により、鮮明なクリアカットラインが得られる。
また、所定のクリアカットラインを形成する遮光部を、シュラウドガラス管外表面に設けた遮光膜(ピンストライプ)でのみ構成する場合は、この金属製の遮光シェードは前方への直射光やリフレクターの有効反射面以外に向かう光を遮光するためにのみ使用される(クリアカットライン形成用遮光部としては利用しない)ので、クリアカットラインに対応する遮光膜(形成位置)に整合するように金属製の遮光シェードを配置する煩わしさがない。
また、フロスト処理とは、サンドブラスト,レーザ照射,化学エッチング,熱加工または塗料の塗布などにより、シュラウドガラス管の外表面に出射光を拡散させるためのシボ(梨地)を形成する処理をいう。
(作用)放電発光部である密閉ガラス球の発光は、配光制御用のリフレクターと遮光部(例えば、シュラウドガラス管の外表面に設けた遮光膜)によって所定のクリアカットラインをもつ配光が形成されるように構成されているが、リフレクターの有効反射面(多重反射面)を設計するには、図17に示すように、リフレクター前方の配光スクリーン上に、光源像(アークチューブの放電発光部であるアーク像)をクリアカットライン・エルボー部Oを中心に放射状に投影する(貼り付ける)ことで設計されている。このため、配光スクリーン上のクリアカットラインCLに沿って投影された湾曲アーク像の湾曲凸部の内側の暗部Bが連続し、クリアカットラインCLが波線状(図18参照)となるおそれがある。しかし、配光パターンにおけるクリアカットラインCLに沿った領域に対応するシュラウドガラス管の光出射領域(フロスト処理領域)から出射する光は拡散されるので、図7に示されるように、配光スクリーン上のクリアカットラインCLに沿って投影されるアーク像A1は非拡散光のみによって形成される従来のアーク像Aに比べて拡大され、拡大アーク像A1それぞれの巾が相対的に大きくなる分、拡大アーク像A1の湾曲凸部の内側に出現する暗部B1の形状が従来の暗部に比べその面積が縮小し、クリアカットラインCLが真っ直ぐな状態に近づく。
また、フロスト処理領域の面積が広すぎると、シュラウドガラス管における光の直進透過率が下がり放電バルブの出射光量(前照灯としての配光量)の低下につながるが、前照灯の配光パターンにおけるクリアカットラインに沿った領域に対応するシュラウドガラス管外表面の光出射領域にのみフロスト処理領域を設けたので、クリアカットラインに沿った領域における配光量だけが僅かに減少するにとどまり、視認性に影響を与える程の放電バルブの出射光量(前照灯の配光量)の低下はない。
また、配光スクリーン上のクリアカットラインに沿って投影されるアーク像A1は、拡大される分だけ太く、しかも配光パターンにおけるクリアカットラインに沿った領域の配光量が僅かに低下することで、クリアカットラインの過度の鮮明度が緩和されて、車両走行中等に発生する振動によりアークが揺れたとしても、クリアカットラインCLが上下に揺れる配光揺れは目立たない。
請求項2においては、請求項1に記載の自動車前照灯用放電バルブにおいて、 前記フロスト処理領域の少なくとも一部が前記対向電極間であって該電極間に生成されるアークの湾曲凸部の長手方向略中央部に正対して延在するように構成した。
(作用)リフレクターの有効反射面のうち配光パターンのクリアカットラインに沿ってアーク像を投影する分割反射面およびこの分割反射面に向かう光が出射する領域は、放電軸を含む水平面にほぼ沿ったシュラウドガラス管の左右両側にあるので、アークの最大前後長さに相当する電極間距離(位置)内であって、アークの湾曲凸部長手方向略中央部と左右に正対する位置にフロスト処理領域の一部を設けることで、配光スクリーン上のクリアカットラインに沿って投影されるアーク像の少なくとも湾曲凸部が拡大されて、拡大されたアーク像の巾が相対的に大きくなる。このため、クリアカットラインの直線度が高められるとともに、フロスト処理領域の不必要な拡大に伴うシュラウドガラス管における光の直進透過率の低下が抑制されて、放電バルブの出射光量(前照灯の配光量)の低下も僅かとなる。
請求項3においては、請求項1または2に記載の自動車前照灯用放電バルブにおいて、前記フロスト処理領域の少なくとも一部が前記対向電極間に生成されるアークの最大輝度線に正対して延在するように構成した。
(作用)対向電極間に生成されるアークの最大輝度線位置はアークの中でも輝度が高い位置であり、配光スクリーン上のクリアカットラインに沿って投影される拡大アーク像の最大輝度線対応部位が少なくとも拡大されて、拡大アーク像の光量が平滑化される。
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の自動車前照灯用放電バルブにおいて、前記フロスト処理領域を、前記シュラウドガラス管の前記クリアカットライン対応位置を少なくとも下縁とし周方向上方に3度以上20度以下を上縁とする角度幅に設けるように構成した。
(作用)フロスト処理領域の上縁位置が20度を超えると、フロスト処理領域の面積が増える分、クリアカットラインに沿った領域を超えた領域における配光量が低下し、視認性が低下する。一方、フロスト処理領域の上縁位置が3度未満では、配光パターンのクリアカットラインに沿って投影されるアーク像全体(特に拡大アーク像の湾曲凹部側)が十分拡大されず、拡大アーク像それぞれの巾がそれほど大きくならず、クリアカットラインを真っ直ぐな状態に近づける上での効果がない。
また、シュラウドガラス管におけるクリアカットライン対応位置より下方の位置からの出射光は、クリアカットライン形成用の遮光部(遮光膜または/および遮光シェード)により遮光されて前照灯の配光形成に全く寄与しない光であるため、フロスト処理領域の下縁をシュラウドガラス管におけるクリアカットライン対応位置よりも下方にしたとしても配光上の問題はないが、クリアカットライン対応位置をフロスト処理領域の下縁とすることで、フロスト加工処理を行う面積が少なくて済む。
請求項5においては、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車前照灯用放電バルブにおいて、前記フロスト処理領域を前記シュラウドガラス管の左右両側面に周方向同一角度幅に設けるように構成した。
(作用)左配光仕様の前照灯と右配光仕様の前照灯とでは、それぞれの配光パターンにおけるクリアカットライン(の形状)が左右対称となるように、クリアカットライン形成用の遮光部(遮光膜または/および遮光シェード)の形態(形状)が異なっているが、シュラウドガラス管の左右両側面に設けたフロスト処理領域を周方向同一角度幅にすることで、それぞれの仕様の前照灯のバルブ挿着孔に対する放電バルブの挿着位置を周方向に所定角度ずらした位置とすることで、それぞれの仕様の前照灯の光源として使用できる。
請求項6においては、請求項1〜5のいずれかに記載の自動車前照灯用放電バルブにおいて、前記電極先端に出現するアークスポットと周方向に正対する前記シュラウドガラス管外表面の光出射領域にもフロスト処理を施すように構成した。
(作用)アーク放電の際、対向電極先端にはアークスポットと呼ばれる輝度の非常に高い部位が出現するが、アークスポットと周方向に正対するシュラウドガラス管の光出射領域(フロスト処理領域)から出射する光は拡散されるので、配光スクリーン上に投影される全てのアーク像におけるアークスポット部が拡大されて、その輝度が低下し、配光パターンの中にアークスポット部が特に目立つことがなくなって、配光ムラのない配光となる。
また、配光スクリーン上に投影されるアーク像におけるアークスポットを拡大させるべく作用するフロスト処理領域は、シュラウドガラス管外表面における電極先端に出現するアークスポットと周方向に正対する領域に限られるので、投影される全てのアーク像におけるアークスポット部位における配光量だけが減少するにとどまり、視認性に影響を及ぼす程の放電バルブの出射光量(前照灯の配光量)の低下はない。
前記第2の目的を達成するために、請求項7に係る自動車前照灯用放電バルブにおいては、電極が対設された放電発光部である密閉ガラス球を有するアークチューブと、前記アークチューブを覆う円筒形状シュラウドガラス管とを備え、自動車用前照灯の光源として用いた場合に、遮光部と配光制御用のリフレクターとにより所定のクリアカットラインをもつ配光パターンが形成されるように構成された自動車前照灯用放電バルブであって、
前記電極先端に出現するアークスポットと周方向に正対する前記シュラウドガラス管外表面の光出射領域にのみフロスト処理を施すように構成した。
所定のクリアカットラインを形成する遮光部の具体的な構成およびシュラウドガラス管外表面に施すフロスト処理の定義は、既に請求項1において説明したので、重複した説明は省略する。
(作用)また、配光制御用のリフレクターおよび遮光部と前照灯の配光との関係も、請求項1において説明した構成と同様で、リフレクターの有効反射面(多重反射面)は、図17に示すように、リフレクター前方の配光スクリーン上に、光源像(アークチューブの放電発光部であるアーク像)をクリアカットライン・エルボー部Oを中心に放射状に投影する(貼り付ける)ことで設計されている。このため、アーク放電の際に対向電極先端(アークの端部)に出現するアークスポットと呼ばれる輝度の非常に高い部位が、配光スクリーン上に投影された各アーク像の端部にアークスポット部として現れる。しかし、アークスポットと周方向に正対するシュラウドガラス管の光出射領域(フロスト処理領域)から出射する光は拡散されるので、配光スクリーン上に投影される全てのアーク像におけるアークスポット部が拡大されて、その輝度が低下し、配光パターン中にアークスポット部が特に目立つことのない(配光ムラのない)配光となる。
また、フロスト処理領域の面積が広すぎると、シュラウドガラス管における光の直進透過率が下がり放電バルブの出射光量(前照灯としての配光量)の低下につながるが、フロスト処理領域はアークスポットと周方向に正対するシュラウドガラス管外表面の光出射領域に限られるので、投影される全てのアーク像におけるアークスポット部位における配光量だけが減少するにとどまり、視認性に影響を及ぼす程の放電バルブの出射光量(前照灯の配光量)の低下はない。
本発明に係る自動車前照灯用放電バルブよれば、前照灯の配光におけるクリアカットラインが真っ直ぐとならず視認性が悪いという第1の問題およびクリアカットラインが上下に揺れる配光揺れにより視認性が悪いという第2の問題がそれぞれ解消されて、自動車の安全走行に貢献できる。
請求項2によれば、前照灯の配光におけるクリアカットラインの直線性と配光量の確保が効果的に達成されるので、自動車の安全走行に一層貢献できる。
請求項3によれば、配光スクリーン上のクリアカットラインに沿って投影される拡大アーク像の光量が平滑化されることで、前照灯の配光におけるクリアカットラインのさらなる直線性が確保されて、自動車の安全走行にさらに一層貢献できる。
請求項4によれば、配光パターンのクリアカットラインに沿った領域以外の領域では配光量が低下しないので、前照灯としての視認性が十分確保されるとともに、フロスト加工処理面積が少なくて済む分、フロスト加工処理も容易となる。
請求項5によれば、左配光仕様の前照灯と右配光仕様の前照灯のいずれにも共用できるので、仕様に合わせた放電バルブを用意する必要がなくなって、それだけ放電バルブを安価に提供できる。
請求項6によれば、クリアカットラインが真っ直ぐとならず視認性が悪いという第1の問題、クリアカットラインが上下に揺れる配光揺れにより視認性が悪いという第2の問題、さらには配光ムラが目立つため視認性が悪いという第3の問題がそれぞれ解消されて、自動車の安全走行に確実に貢献できる。
を提供できる。
請求項7に係る自動車前照灯用放電バルブよれば、配光ムラが目立つため視認性が悪いという第3の問題が解消されて、自動車の安全走行に貢献できる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図14は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は本発明の第1の実施の形態である放電バルブを光源として適用した自動車用前照灯の正面図、図2は同前照灯の縦断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同放電バルブの縦断面図、図4は遮光シェードの斜視図、図5は同前照灯の配光パターンを示す図、図6は光源ユニットにおけるアークチューブの放電軸を含む水平断面図、図7は配光パターンにおけるクリアカットラインに沿った領域の一部拡大正面図、図8はシュラウドガラス管に設けるフロスト処理領域の位置とその大きさを示す図、図9はフロスト処理領域の位置およびその大きさを異にする仕様1〜4を示す図、図10は仕様1〜4それぞれについてのアーク像の形状(拡散距離と曲がり)を示す図、図11は仕様1〜4それぞれについての配光性能(最大光度,最大光度位置,有効利用光束)を示す図、図12は仕様1〜4それぞれについてのクリアカットラインの暗部に対する評価結果を示す図、図13は仕様1〜4それぞれについての配光揺れに対する評価結果を示す図、図14は仕様1〜4それぞれについての配光ムラに対する評価結果を示す図である。
図1,2において、符号10は、本発明の第1の実施の形態である放電バルブを光源として適用した自動車用前照灯で、ランプボディ11と透明レンズカバー12により画成された灯室空間には、光源である放電バルブ20と遮光シェード15をリフレクター14に一体化した光源ユニットUが収容されて、図5に示すすれ違いビーム形成用の配光パターンPA(PA1,PA2)が形成されるように構成されている。また、ランプボディ11と光源ユニットU(リフレクター14)間には、図示しないエイミング機構が介装されて、光源ユニットUの光軸(前照灯の光軸)Lを上下左右方向に傾動調整(図5に示す配光パターンPAを上下左右方向に傾動調整)できるように構成されている。
放電バルブ20は、図3に拡大して示すように、アークチューブ3にUVカット作用のある円筒形状シュラウドガラス管5を溶着一体化したアークチューブ本体2が、合成樹脂製絶縁性ベース7に組み付け一体化されて、前方に延出する形態に固定保持されている。具体的には、アークチューブ本体2の後端側が絶縁性ベース7の前面側に金具6aを介して把持固定され、アークチューブ本体2の前端側が絶縁性ベース7から延出する通電路でもあるリードサポート6bで支持されている。そして、放電バルブ20は、リフレクター14の後頂部に設けられたバルブ挿着孔Hに挿着されて、光源ユニットUとして一体化されている。符号18は、ランプボディ11の底面に取着されたバラスト回路(図示せず)から延びる給電ケーブル18接続用のコネクタ19である。
アークチューブ3は、その両端部がピンチシールされて長手方向略中央部に発光物質(金属ハロゲン化物等)や水銀に代わる緩衝物質等を始動用希ガスとともに封入しかつ電極4,4を対設した密閉ガラス球3aが形成された構造(水銀を封入しない水銀フリーアークチューブ)で、対向電極4,4間のアーク放電により発光する。アークチューブ3に溶着一体化された円筒形状のシュラウドガラス管5の外側面には、図15に示すように、リフレクター14の有効反射面14a,14bに向かう光の一部を遮って鮮明なクリアカットラインCL(15度カットラインCL1および水平カットラインCL2)を形成するためのピンストライプと称される遮光膜5a,5b(図8(b)および図15参照)が設けられている。
また、アークチューブ3の周りには、前方への直射光やリフレクター14の有効反射面14a,14b以外に向かう光を遮光するための金属製の遮光シェード15(図2,4参照)が設けられている。即ち、遮光シェード15は、図4に示すように、前方への直射光を遮る前端側の遮光キャップ15aと、リフレクター14の有効反射面14a,14b以外の領域に向かう光を遮る中央の遮光円筒部15bと、リフレクター14への取着部である後端側の脚部15cで構成されている。そして、脚部15cをリフレクター14に固定することで、リフレクター14の有効反射面14a,14bと放電バルブ20の放電中心Cおよび遮光部(ピンストライプ)5a,5bに対して位置決めされた形態となる。
遮光円筒部15bには、リフレクター14の第1,第2の有効反射面14a,14b(バルブ挿着孔Hの中心より主に上側に設けられた左右に広い第1の有効反射面14a、バルブ挿着孔Hのほぼ真下に設けられた比較的に小さい第2の有効反射面14b)にそれぞれ対応する開口部15b1,15b2が設けられている。そして、図5に示すように、放電発光部である密閉ガラス球3aの発光が開口部15b1,15b2を介してリフレクター14の第1,第2の有効反射面14a,14bにそれぞれ導かれ、第1の有効反射面14aで反射された光L1により、クリアカットラインCL(15度カットラインCL1および水平カットラインCL2)をもつ第1の配光パターンPA1が形成され、第2の有効反射面14bで反射された光L2により、水平位置H−Hより幾分下方で左右に大きく拡散した第2の配光パターンPA2が形成され、両配光パターンPA1,PA2が合成されてすれ違いビームの配光パターンPAが形成される。
なお、遮光シェード15がリフレクター14に固定されて光源ユニットUとして一体化されたときに、開口部15b1の左右の側縁15b3,15b4はシュラウドガラス管5の外側面に設けられているクリアカットラインCL(15度カットラインCL1および水平カットラインCL2)形成用の遮光膜(ピンストライプ)5aに整合する位置に配置される形態となって、クリアカットラインCL(15度カットラインCL1および水平カットラインCL2)を鮮明にするべく機能する。
即ち、リフレクター14は、図1,2に示すように、前後に延びる光軸を中心軸とする回転放物面を基準面とする複数の曲率の異なる有効反射面素子14a1〜14a4、14b1で構成されている。具体的には、例えば、図17に示すように、リフレクター14前方の配光スクリーン上に各反射面素子14a1〜14a4、14b1による光源像(アークチューブ3の放電発光部であるアーク像)がクリアカットライン・エルボー部Oを中心に放射状に並ぶように投影し(貼り付け)、前照灯としての所定の配光パターンで所定の配光量が得られるようにリフレクター14の有効反射面14a,14b(各反射面素子14a1〜14a4、14b1)が設計されている。
また、配光パターンPA1におけるクリアカットラインCL(15度カットラインCL1および水平カットラインCL2)に沿った領域に対応するシュラウドガラス管5外表面の光出射領域(遮光部であるピンストライプ5a,5bに沿った領域)には、図8に示すように、出射光を拡散させるフロスト処理領域16が帯状に延在して設けられている。なお、フロスト処理とは、サンドブラスト,レーザ照射,化学エッチング,熱加工または塗料の塗布などにより、シュラウドガラス管5の外表面に出射光を拡散させるためのシボ(梨地)を形成することをいう。
このため、配光パターンのクリアカットラインCL(15度カットラインCL1および水平カットラインCL2)に沿って投影された湾曲アーク像は、図7に拡大して示されるように、いずれも拡散光によって拡大されたものとなる。即ち、拡大アーク像A1(図7において破線で示す)は、フロスト処理領域16が設けられていないため非拡散光のみによって投影された従来のアーク像A(図7において実線で示す)に対しいずれも拡大されたもので、拡大アーク像A1それぞれの巾が相対的に大きくなる分、拡大アーク像A1の湾曲凸部の内側に出現する暗部B1形状が細くなって暗部B1の面積が縮小し、クリアカットラインCLが真っ直ぐな状態に近づく。
また、フロスト処理領域16の面積が広すぎると、シュラウドガラス管5における光の直進透過率が下がり放電バルブ20の出射光量(前照灯としての配光量)の低下につながるが、前照灯の配光パターンPA1におけるクリアカットラインCL1,CL2に沿った領域に対応するシュラウドガラス管5外表面の光出射領域(ピンストライプ5a,5bに沿った領域)にのみフロスト処理領域16を設けたので、クリアカットラインCLに沿った領域における配光量だけが僅かに減少するにとどまり、視認性に影響を与える程の放電バルブ20の出射光量(前照灯の配光量)の低下はない。
また、配光スクリーン上のクリアカットラインCLに沿って投影されるアーク像A1は、拡大される分だけ太く、しかも配光パターンにおけるクリアカットラインCLに沿った領域の配光量が僅かに低下することで、クリアカットラインCLの過度の鮮明度が緩和されて、車両走行中等に発生する振動によりアークが揺れたとしても、クリアカットラインCLが上下に揺れる配光揺れは目立たない。
また、フロスト処理領域16における拡散度としては、直線透過率30%〜80%の範囲が望ましい。直線透過率が30%未満では、出射光が二次光源となってグレア光が発生するおそれがあり、一方、直線透過率が80%を超えると、出射光の拡散が不十分なためアーク像を拡大して湾曲凹部側の暗部を狭める効果に乏しいためである。
図8はシュラウドガラス管5に設けるフロスト処理領域16の位置とその大きさを示す図で、(a)はアークチューブ本体の縦断面図、(b)はアークチューブ本体の横断面図(図8(a)に示す線(a)−(a)に沿った断面図)で、フロスト処理領域16は、配光パターンにおけるクリアカットラインCLに沿った領域に対応するシュラウドガラス管5外表面の光出射領域に設けることは勿論であるが、次のようにその具体的位置が設定されている。
第1に、フロスト処理領域16は、対向電極4,4間であって該電極4,4間に生成されるアークaの湾曲凸部の長手方向略中央部に正対するように延在することが望ましい。即ち、リフレクター14の有効反射面のうち配光パターンのクリアカットラインCL(CL1,CL2)に沿ってアーク像を投影する分割反射面14a1,14a2およびこれらの分割反射面14a1,14a2に向かう光が出射する領域は、放電軸Loを含む水平面にほぼ沿ったシュラウドガラス管5の左右両側にあるので、アークaの最大前後長さに相当する電極4,4間距離(位置)内であって、アークaの湾曲凸部長手方向略中央部と左右に正対する位置にフロスト処理領域16を設けると、配光スクリーン上のクリアカットラインに沿って投影されるアーク像の少なくとも湾曲凸部が拡大されて、拡大アーク像A1の巾が相対的に大きくなる。
この結果、クリアカットラインCL(CL1,CL2)の直線度が高められるとともに、フロスト処理領域16の不必要な拡大に伴うシュラウドガラス管5における光の直進透過率の低下が抑制されて、放電バルブ20の出射光量(前照灯の配光量)の低下も僅かで、前照灯の配光におけるクリアカットラインCL(CL1,CL2)の直線性と配光量の確保が効果的に達成される。
第2に、対向電極4,4間に生成されるアークaの中でも最大輝度線la位置における輝度が高いので、このアークaの最大輝度線laに正対するようにフロスト処理領域16を延在させることが望ましい。
このように規定すれば、配光スクリーン上のクリアカットラインCLに沿って投影される拡大アーク像A1の最大輝度線対応部位が少なくとも拡大されて、拡大アーク像A1の光量が平滑化され、前照灯の配光におけるクリアカットラインCL(CL1,CL2)のさらなる直線性が確保される。
第3に、フロスト処理領域16は、シュラウドガラス管5のクリアカットラインCL(CL1,CL2)対応位置(遮光膜であるピンストライプ5a,5b位置)を少なくとも下縁とし周方向上方に3度以上20度以下を上縁とする角度幅に設定することが望ましい。
フロスト処理領域16の上縁位置が20度を超えると、フロスト処理領域16の面積が増える分、クリアカットラインCL(CL1,CL2)に沿った領域を超えた領域における配光量が低下し、視認性が低下する。一方、フロスト処理領域16の上縁位置が3度未満では、配光パターンのクリアカットラインCL(CL1,CL2)に沿って投影されるアーク像全体(特に拡大アーク像の湾曲凹部側)が十分拡大されず、拡大アーク像それぞれの巾がそれほど大きくならず、クリアカットラインCL(CL1,CL2)を真っ直ぐな状態に近づける上での効果がない。
また、シュラウドガラス管5におけるクリアカットライン対応位置より下方の位置からの出射光は、遮光膜(ピンストライプ)5a,5bまたは/および遮光シェード15により遮光されて前照灯の配光の形成に全く寄与しない光であるため、フロスト処理領域16の下縁をシュラウドガラス管5におけるクリアカットライン対応位置よりも下方にしたとしても配光上の問題はないが、フロスト処理領域16の下縁を遮光膜(ピンストライプ)5a,5bに一致させることで、フロスト加工処理を行う面積が少なくて済む。
第4に、フロスト処理領域16をシュラウドガラス管5の左右両側面に周方向同一角度幅θに設けることが望ましい。
このように規定すれば、左配光仕様の前照灯に適用した本実施例の形態における放電バルブ20を、右配光仕様の前照灯にも使用できる。
即ち、左配光仕様の前照灯と右配光仕様の前照灯とでは、それぞれの配光パターンにおけるクリアカットラインCL(CL1,CL2)が左右対称となるように、クリアカットライン形成用の遮光膜(ピンストライプ)5a,5bおよび遮光シェード15の形態(形状)が異なっているが、シュラウドガラス管5の左右両側面に設けたフロスト処理領域16は周方向同一角度幅θであることから、右配光仕様の前照灯のバルブ挿着孔に対する放電バルブ20の挿着位置を左配光仕様の場合の挿着位置に対し周方向に所定角度ずらした位置に挿着するように構成する(右配光仕様の前照灯のバルブ挿着孔では、前照灯正面視左側(バルブ後方視右側)の遮光膜5aが水平位置で、同右側(バルブ後方視左側)の遮光膜5bが15度下方となるように位置決めする)ことで、右配光仕様の前照灯にも使用できる。
第5に、図8(a)における仮想線(符号17)および図9の仕様4における符号17で示すように、電極4先端に出現するアークスポットと周方向に正対するシュラウドガラス管5外表面の光出射領域にも、フロスト処理領域16と同様の出射光拡散作用を営むフロスト処理領域17を所定巾の帯状に設けることが望ましい。
このように規定すれば、アーク放電の際、対向電極5,5先端にはアークスポットと呼ばれる輝度の非常に高い部位が出現するが、アークスポットに正対するシュラウドガラス管5の光出射領域(フロスト処理領域)17から出射する光は拡散されるので、配光スクリーン上に投影される全てのアーク像におけるアークスポット部が拡大されて、その輝度が低下し、配光パターンの中にアークスポット部が特に目立つことがなくなって、配光ムラのない配光となる。
また、配光スクリーン上に投影されるアーク像におけるアークスポットを拡大させるべく作用するフロスト処理領域17は、シュラウドガラス管5外表面における電極4先端に出現するアークスポットと周方向に正対する領域に限られるので、配光スクリーン上に投影される全てのアーク像におけるアークスポット部位における配光量だけが減少するにとどまり、視認性に影響を及ぼす程の放電バルブ20の出射光量(前照灯の配光量)の低下はない。
図9はフロスト処理領域16の位置および大きさを異にする仕様1〜4を示す図で、仕様1〜4は、いずれも配光パターンにおけるクリアカットラインCL(CL1,CL2)に沿った領域に対応するシュラウドガラス管5外表面の光出射領域にのみフロスト処理領域16が設けられたもので、いずれの仕様におけるフロスト処理領域16も展開した形状は矩形状で、その下縁位置は遮光膜(ピンストライプ)5aの上縁に一致し、対向電極4,4間(電極間を距離4.2mm)の中央位置に設けられている。さらに、仕様4は、電極4先端のアークスポットに対応するシュラウドガラス管5外表面の光出射領域にもフロスト処理領域17が設けられている。
そして、仕様1では、フロスト処理領域16の長手方向の長さは1.0mmで、フロスト処理領域16の上縁が最大輝度線より下となる周方向8度の角度幅に設けられている。
仕様2では、フロスト処理領域16の長手方向の長さが1.0mmで、フロスト処理領域16の上縁がアーク湾曲最大凸部に接する周方向18度の角度幅に設けられている。
仕様3では、フロスト処理領域16の長手方向の長さが2.5mmで、フロスト処理領域16の上縁がアーク湾曲最大凸部に接する周方向18度の角度幅に設けられている。
仕様4では、フロスト処理領域16の長手方向の長さが3.8mmで、フロスト処理領域16の上縁がアーク湾曲最大凸部に接する周方向18度の角度幅に設けられている。さらに、アークスポットと周方向に正対する領域にもフロスト処理領域17が設けられて、左右一対のフロスト処理領域16につながっている。即ち、このフロスト処理領域17は、その下縁位置が左右の遮光膜(ピンストライプ)5a,5bの上縁に一致し、左右一対のフロスト処理領域16につながる、アークスポットを取り囲む幅0.4mmの帯状に設けられている。
そして、図10は、フロスト処理を施さない従来のアークチューブを備えた放電バルブと仕様1〜4のアークチューブを備えた放電バルブをそれぞれ光源として挿着した前照灯の配光を配光スクリーンに照射して、配光パターンにおけるクリアカットラインCL(CL1,CL2)に沿った領域におけるアーク像の形状から、拡散度(mm)と曲がり(mm)を測定したデータである。
アーク像の曲がりに関しては、仕様1〜4のいずれにおいても、フロスト処理を施さない従来例とほとんど変わらないが、アーク像の拡散度に関しては、従来例に対して、仕様1〜4はいずれも拡散度が高く、特に仕様4の拡散度が最も高いことがわかる。
図11は、フロスト処理を施さない従来のアークチューブを備えた放電バルブと仕様1〜4のアークチューブを備えた放電バルブをそれぞれ光源として挿着した前照灯の配光を配光スクリーンに照射して、配光性能(最大光度,最大光度位置,有効利用光束)を測定したデータである。
最大光度に関しては、フロスト処理領域を設けた仕様1〜4のいずれにおいても、フロスト処理を施さない従来例に比べて低下するが、19322cdという非常に大きな光度の最大約1%の低下に過ぎず、配光上問題ない。また、最大光度位置に関しては、左下に僅かに(下方に最大約10%、左側に最大約5%)移動するが、配光上問題ない。また、所定範囲の有効利用光束についても、最大約4%の増加で、配光上問題ない。
図12,13,14は、フロスト処理を施さない従来のアークチューブを備えた放電バルブと仕様1〜4のアークチューブを備えた放電バルブをそれぞれ光源として挿着した前照灯の配光を配光スクリーンに照射して、被験者10人によりクリアカットラインの暗部,配光揺れ,配光ムラについて気になるか否かという視認実験の評価結果である。
クリアカットラインCL(CL1,CL2)の暗部に関しては、図12に示すように、フロスト処理を施さない従来例では、気になるとの評価が多いのに対し、フロスト処理領域を設けた仕様1〜4のいずれにおいても、気にならないとの評価が得られた。また、仕様2〜4では、その評価はほぼ同じであった。
配光揺れに関しては、図13に示すように、フロスト処理を施さない従来例では、気になるとの評価が多いのに対し、フロスト処理領域を設けた仕様1〜4のいずれにおいても、気にならないとの評価が得られた。特に仕様3,4が優れた評価を得た。
配光ムラに関しては、図14に示すように、仕様1とフロスト処理を施さない従来例とは、ほぼ同程度の低い評価である。そして、フロスト処理領域が大きい仕様ほど評価が高まり、アークスポット正対領域にフロスト処理領域を設けた仕様4では、最大の評価を得た。また、仕様4では、フロスト処理領域17が0.4mmの幅でフロスト処理領域16に繋がっているが、フロスト処理領域17の幅を電極0.2mmとして中央のフロスト処理領域16(長手方向の長さ3.8mm)に繋がった形態(フロスト処理領域17の側縁が電極4の先端に接する形態)においても、配光ムラについては仕様4とほとんど同程度の評価であった。
なお、前記した実施の形態では、所定のクリアカットラインCL(CL1,CL2)を形成する遮光部を、シュラウドガラス管5外表面に設けた遮光膜(ピンストライプ)5a,5bと、アークチューブ本体を取り囲む金属製の遮光シェード15の双方によって構成しているが、所定のクリアカットラインCL(CL1,CL2)を形成する遮光部を、シュラウドガラス管5外表面に設けた遮光膜(ピンストライプ)5a,5bだけで構成してもよい。この場合の金属製の遮光シェード15は、前方への直射光やリフレクター14の有効反射面14a,14b以外に向かう光を遮光するためにのみ使用されるので、クリアカットラインCL(CL1,CL2)に対応する遮光膜5a,5bに整合するように金属製の遮光シェード15を形成する必要がない。
また、一般的ではないが、所定のクリアカットラインCL(CL1,CL2)を形成する遮光部を、アークチューブ本体を取り囲む金属製の遮光シェード15だけで構成してもよい。
また、前記した実施の形態では、密閉ガラス球3a内に水銀が封入されていない水銀フリーアークチューブを備えた放電バルブ20について説明したが、密閉ガラス球3a内に水銀が封入されている水銀入りアークチューブを備えた放電バルブについても同様に適用できることは言うまでもない。
本発明の実施の形態である放電バルブを光源として適用した自動車用前照灯の正面図である。 同前照灯の縦断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)である。 同放電バルブの縦断面図である。 遮光シェードの斜視図である。 同前照灯の配光パターンを示す図である。 同前照灯の配光パターンを示す図光源ユニットにおけるアークチューブの放電軸を含む水平断面図である。 配光パターンにおけるクリアカットラインに沿った領域の一部拡大正面図である。 シュラウドガラス管に設けるフロスト処理領域の位置とその大きさを示す図である。 フロスト処理領域の位置および大きさを異にする仕様1〜4を示す図図である。 仕様1〜4それぞれについてのアーク像の形状(拡散距離と曲がり)を示す図である。 仕様1〜4それぞれについての配光性能(最大光度,最大光度位置,有効利用光束)を示す図である。 仕様1〜4それぞれについてのクリアカットラインの暗部に対する評価結果を示す図である。 仕様1〜4それぞれについての配光揺れに対する評価結果を示す図である。 図14は仕様1〜4それぞれについての配光ムラに対する評価結果を示す図である。 従来の放電バルブを装着したリフレクター周辺の拡大断面図である。 同バルブの拡大縦断面図である。 リフレクターと光源であるアークチューブによって形成される配光パターン(リフレクターを配光設計する際のアークチューブのアークと配光スクリーンに投影されるアーク像との関係)を示す斜視図である。 クリアカットラインに沿って投影されたアーク像の拡大図である。
符号の説明
2 アークチューブ本体
3 アークチューブ
3a 放電発光部である密閉ガラス球
4 電極
5 シュラウドガラス管
5a,5b クリアカットライン形成用の遮光部である遮光膜(ピンストライプ)
14 リフレクター
14a,14b リフレクターの有効反射面
14a1〜14a2,14b1 分割反射面
15 金属製の遮光シェード
15b3,15b4 クリアカットライン形成用の遮光部である遮光シェードの開口側縁
16 配光パターンのクリアカットラインに沿ったフロスト処理領域
17 アークスポットに対応するフロスト処理領域
20 放電バルブ
PA(PA1,PA2) 配光パターン
CL(CL1,CL2) クリアカットライン
A1 拡大アーク像
B1 暗部

Claims (7)

  1. 電極が対設された放電発光部である密閉ガラス球を有するアークチューブと、前記アークチューブを覆う円筒形状シュラウドガラス管とを備え、自動車用前照灯の光源として用いた場合に、遮光部と配光制御用のリフレクターとにより所定のクリアカットラインをもつ配光パターンが形成されるように構成された自動車前照灯用放電バルブであって、
    前記配光パターンにおけるクリアカットラインに沿った領域に対応する前記シュラウドガラス管外表面の光出射領域にのみフロスト処理が施されたことを特徴とする自動車前照灯用放電バルブ。
  2. 前記フロスト処理領域の少なくとも一部は、前記対向電極間であって該電極間に生成されるアークの湾曲凸部の長手方向略中央部に正対するように延在することを特徴とする請求項1に記載の自動車前照灯用放電バルブ。
  3. 前記フロスト処理領域の少なくとも一部は、前記対向電極間に生成されるアークの最大輝度線に正対するように延在することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車前照灯用放電バルブ。
  4. 前記フロスト処理領域は、前記シュラウドガラス管の前記クリアカットライン対応位置を少なくとも下縁とし周方向上方に3度以上20度以下を上縁とする角度幅に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車前照灯用放電バルブ。
  5. 前記フロスト処理領域は、前記シュラウドガラス管の左右両側面に周方向同一角度幅に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車前照灯用放電バルブ。
  6. 前記電極先端に出現するアークスポットと周方向に正対する前記シュラウドガラス管外表面の光出射領域にもフロスト処理が施されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車前照灯用放電バルブ。
  7. 電極が対設された放電発光部である密閉ガラス球を有するアークチューブと、前記アークチューブを覆う円筒形状シュラウドガラス管とを備え、自動車用前照灯の光源として用いた場合に、遮光部と配光制御用のリフレクターとにより所定のクリアカットラインをもつ配光パターンが形成されるように構成された自動車前照灯用放電バルブであって、
    前記電極先端に出現するアークスポットと周方向に正対する前記シュラウドガラス管外表面の光出射領域にのみフロスト処理が施されたことを特徴とする自動車前照灯用放電バルブ。
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