JP2007280882A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の車両用灯具では、遠方の視認性において課題がある。
【解決手段】反射面5は、光源バルブ2L、2Rからの光であってシェード4L、4Rで遮蔽されなかった光L1を、反射させてカットオフラインCL1、CL2を有する所定の配光パターンPを自動車Cの前方に照射する第1反射面12と、同じく反射させて高密度の配光パターンP1、P2を所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近に照射する第2反射面13、14と、からなる。光源バルブ2L、2Rは、バルブ軸ZB−ZB回りに回転させることにより、高密度の配光パターンP1、P2のうち不要な部分を遮蔽して、高密度の配光パターンP1、P2に所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2とほぼ同様のカットオフラインCL3、CL4を形成する遮光ストライプ10、を有する。この結果、遠方の視認性が確保される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、光源バルブのバルブ軸とリフレクタの反射面の光軸とがほぼ水平断面上で交差する車両用灯具、いわゆる光源バルブ横差しタイプの車両用灯具に関するものである。
いわゆる光源バルブ横差しタイプの車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、反射面を有するリフレクタと、このリフレクタにバルブ軸が反射面の光軸に対してほぼ水平断面上で交差した状態で取り付けられている光源バルブと、を備えるものである。光源バルブを点灯すると、この光源バルブからの光がリフレクタの反射面で反射されてカットオフラインを有する所定の配光パターンとして車両の前方に照射される。従来の車両用灯具は、いわゆる光源バルブ横差しタイプの車両用灯具であって、光源バルブ縦差しタイプの車両用灯具と比較して、灯具を前後方向において小型化することができるので、車両用灯具の収納スペースにおいて奥行き寸法が十分に確保されないような車両にも装備することができる。
ところが、従来の車両用灯具は、カットオフラインを有する所定の配光パターンとして車両の前方に照射するものであって、所定の配光パターンのカットオフライン付近の光を高密度(高光度、高照度、高光量)にすることについてなんら考慮されていない。このために、従来の車両用灯具は、遠方の視認性において課題がある。
実開平1−172202号公報 特開2001−6408号公報
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、遠方の視認性において課題があるという点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、反射面が、光源バルブからの光であってシェードで遮蔽されなかった光を反射させてカットオフラインを有する所定の配光パターンを車両の前方に照射する第1反射面と、光源バルブからの光であってシェードで遮蔽されなかった光を反射させて高密度の配光パターンを所定の配光パターンのカットオフライン付近に照射する第2反射面と、からなり、光源バルブが、ガラス管球にバルブ軸方向に設けられており、そのガラス管球をバルブ軸回りに回転させることにより、高密度の配光パターンのうち不要な部分を遮蔽して、高密度の配光パターンに所定の配光パターンのカットオフラインとほぼ同様のカットオフラインを形成する遮光ストライプと、を有する、ことを特徴とする。
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、バルブ軸回りに回転させた光源バルブからの光であってシェードで遮蔽される光の一部を所定の配光パターンのカットオフラインおよび高密度の配光パターンのカットオフラインよりも下方にサブ配光パターンとして照射させる開口部をシェードに設ける、ことを特徴とする。
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、カットオフラインが水平のカットオフラインと斜めのカットオフラインとからなり、第2反射面が、高密度の配光パターンを水平のカットオフライン付近に照射する第1ゾーンと、高密度の配光パターンを斜めのカットオフライン付近に照射する第2ゾーンと、からなる、ことを特徴とする。
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、反射面の第1反射面でカットオフラインを有する所定の配光パターンを形成し、また、反射面の第2反射面で所定の配光パターンのカットオフライン付近に高密度の配光パターンを形成し、さらに、バルブ軸回りに回転させた光源バルブの遮光ストライプで高密度の配光パターンのうち不要な部分を遮蔽して、高密度の配光パターンに所定の配光パターンのカットオフラインとほぼ同様のカットオフラインを形成する。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、所定の配光パターンのカットオフライン付近の光を高密度(高光度、高照度、高光量)にすることができるので、遠方の視認性が向上される。一方、高密度の配光パターンのカットオフラインから不要な部分が遮蔽されるので、グレアの虞がない。
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、シェードの開口部により、バルブ軸回りに回転させた光源バルブからの光であってシェードで遮蔽される光の一部が所定の配光パターンのカットオフラインおよび高密度の配光パターンのカットオフラインよりも下方にサブ配光パターンとして照射される。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、光源バルブからの光であってシェードで遮蔽される光の一部を有効に利用することができ、夜間走行における視認性が向上される。しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、光源バルブからの光であってシェードで遮蔽される光の一部をシェードの開口部から所定の配光パターンのカットオフラインおよび高密度の配光パターンのカットオフラインよりも下方にサブ配光パターンとして照射するので、手前側の視認性、たとえば、車両前方約10m付近までの視認性が向上される。
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、第2反射面の第1ゾーンで高密度の配光パターンを水平のカットオフライン付近に照射し、かつ、第2反射面の第2ゾーンで高密度の配光パターンを斜めのカットオフライン付近に照射する。このために、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、水平のカットオフラインと斜めのカットオフラインとからなる所定の配光パターンのカットオフライン付近に高密度の配光パターンを確実に形成することができる。
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図面において、符号「F」は、自動車(車両)Cの前方向(自動車Cの前進方向)を示す。符号「B」は、自動車Cの後方向を示す。符号「U」は、ドライバー側から前方向を見た上方向を示す。符号「D」は、ドライバー側から前方向を見た下方向を示す。符号「L」は、ドライバー側から前方向を見た場合の左方向を示す。符号「R」は、ドライバー側から前方向を見た場合の右方向を示す。符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。符号「ZL−ZL」、「ZR−ZR」は、反射面の光軸を示す。符号「ZB−ZB」は、光源バルブのバルブ軸を示す。符号「ZC−ZC」は、車両軸を示す。符号「X」、「Y」、「Z」は、3次元直交座標のX軸(自動車Cの右方向Rを正方向とする)、Y軸(自動車Cの上方向Uを正方向とする)、Z軸(自動車Cの前方向Fを正方向とする)を示す。また、図2(A)は、この実施例にかかる車両用灯具の断面図、図2(B)は、従来の車両用灯具の一部断面図である。図7(A)は、従来の車両用灯具から照射される配光パターンの説明図、図7(B)は、この実施例にかかる車両用灯具から照射される配光パターンの説明図である。
この実施例にかかる車両用灯具は、この例では、たとえば、自動車のヘッドランプであって、カットオフラインを有する所定の配光パターンとしてたとえばすれ違い用配光パターンや高速道路用配光パターンなどが得られるヘッドランプについて説明する。なお、この明細書および図面においては、自動車Cが左側通行の場合について説明する。自動車Cが右側通行の場合は、この左側通行と左右逆となる。
以下、この実施例における車両用灯具の構成について説明する。この実施例における車両用灯具は、図8に示すように、自動車Cの前部の左側に装備される左側の車両用灯具(以下、「左側ヘッドランプ」と称する)1Lと、自動車Cの前部の右側に装備される右側の車両用灯具(以下、「右側ヘッドランプ」と称する)1Rと、から構成されている。
前記左側ヘッドランプ1L、前記右側ヘッドランプ1Rは、図8に示すように、光源バルブ2L、2Rと、リフレクタ3L、3Rと、シェード4L、4Rと、を備えるものである。前記光源バルブ2L、2Rおよび前記リフレクタ3L、3Rおよび前記シェード4L、4Rは、ランプハウジング(図示せず)とランプレンズ(図示せず)とにより区画された灯室(図示せず)内にそれぞれ配置されている。
以下、前記右側ヘッドランプ1Rの構成について説明する。なお、前記左側ヘッドランプ1Lと前記右側ヘッドランプ1Rとは、ほぼ左右対称(左右逆)に構成されているので、前記左側ヘッドランプ1Lの構成の説明は、省略する。
前記リフレクタ3Rは、図1〜図4に示すように、放物面を基本とする反射面5を有する。前記反射面5は、たとえば、アルミ蒸着もしくは銀塗装などにより、形成されていて、自由曲面(NURBS曲面)などの反射面からなる。前記反射面5のNURBS曲面は、「Mathematical Elemennts for Computer Graphics」(Devid F. Rogers、J Alan Adams)に記載されているNURBSの自由曲面(Non-Uniform Rational B-Spline Surface)である。前記リフレクタ3Rの車両中央側(左側)の側部(側壁)には、透孔6が設けられている。
前記光源バルブ2Rは、図1〜図6に示しように、この例では、ガスディスチャージ光源であって、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)などの放電灯を使用するものである。前記光源バルブ2Rは、ガラス管球7と、口金8と、から構成されている。前記ガラス管球7には、発光部(発光管)9が設けられている。また、前記ガラス管球7には、2本の遮光ストライプ(いわゆる、ブラックストライプ)10がバルブ軸ZB−ZB方向に設けられている。
前記発光部9内には、希ガス(キセノンガス)、水銀、金属ヨウ化物(ナトリウム、スカンジウム)などが封入されている。前記口金8側の電極と、セラミックパイプを介して前記ガラス管球7の先端に設けたリード線側の電極とが若干の隙間を開けて対向する。前記電極に電圧を印加すると、前記発光部9内でアーク放電して前記発光部9が発光する。前記2本の遮光ストライプ10は、図6の断面図に示すように、前記ガラス管球7に所定の幅(中心角)で設けられている。左側の前記遮光ストライプ10の上側エッジ(時計方向側の境界線)と右側の前記遮光ストライプ10の上側エッジ(反時計方向側の境界線)との間は、180°に適宜角度(この例では、約15°)を足した中心角の角度の範囲にある。前記光源バルブ2Rは、この例では、遮光塗装としての2本の遮光ストライプ10が設けられているD2RバルブやD4Rバルブなどを使用する。なお、前記光源バルブ2Rとしては、この例の放電灯以外の光源バルブ、たとえば、ハロゲン光源バルブや白熱光源バルブなどであっても良い。
前記光源バルブ2Rは、前記リフレクタ3Rの前記透孔6中から前記リフレクタ3R内に、車両中央側から車両外側(右側)に挿入され、かつ、前記透孔6の縁に取付機構(図示せず)やソケット機構(図示せず)などを介して着脱可能に取り付けられている。前記光源バルブ2Rは、前記リフレクタ3Rに、バルブ軸ZB−ZBが前記反射面5の光軸ZR−ZRに対して左右水平にほぼ直交するように、配置されている。また、前記光源バルブ2Rの前記発光部9は、前記反射面5の焦点(図示せず)もしくはその近傍に位置する。
前記シェード4Rは、図1〜図4に示すように、たとえば円筒形状の一部の形状をなし、前記リフレクタ3Rにスクリューなどの取付具(図示せず)により取り付けられている。前記シェード4Rは、前記光源バルブ2Rの前側から下側を経て後側にかけて覆って、前記光源バルブ2Rからの光のうち、前記反射面5以外に放射される光を遮蔽するものである。すなわち、前記リフレクタ3Rの前記反射面5以外の部分に放射される光は、配光制御することができず、グレアとなる虞がある。このために、前記反射面5以外に放射される光や前記光源バルブ2Rからの直射光特に上向きの直射光を遮蔽するものである。一方、前記シェード4Rのうち前記光源バルブ2Rの上側から後側にかけて対向する部分には、メイン開口部11が設けられている。前記光源バルブ2Rからの光の一部L1は、前記メイン開口部11を経て前記反射面5に放射される。
前記反射面5は、図2に示すように、前記リフレクタ3Rの内面のほぼ上側半分に形成されている。また、前記反射面5は、第1反射面12と、第2反射面13、14とからなる。前記第1反射面12は、前記第2反射面13、14と比較して、前期光源バルブ2Rから離れている。前記第1反射面12は、前記光源バルブ2Rからの光であって前記シェード4Rで遮蔽されなかった光、すなわち、前記シェード4Rのメイン開口部11からの光L1を反射させてカットオフラインCL1、CL2を有する所定の配光パターンPを自動車Cの前方に照射するものである。また、前記第2反射面13、14は、前記光源バルブ2Rからの光であって前記シェード4Rで遮蔽されなかった光、すなわち、前記シェード4Rのメイン開口部11からの光L1を反射させて高密度の配光パターンP1、P2を前記所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近に照射するものである。
前記所定の配光パターンPは、図7に示すように、たとえば、すれ違い用の配光パターンや高速道路用の配光パターンなどである。また、前記カットオフラインは、同じく図7に示すように、水平のカットオフラインCL1と斜めのカットオフラインCL2とからなる。さらに、前記第2反射面は、前記高密度の配光パターンP1を前記水平のカットオフラインCL1付近に照射する第1ゾーン13と、前記高密度の配光パターンP2を前記斜めのカットオフラインCL2付近に照射する第2ゾーン14と、からなる。
前記光源バルブ2Rは、前記バルブ軸ZB−ZB回りに回転されている。たとえば、図2(B)に示す従来の車両用灯具の横差タイプの光源バルブ2に対して、図2(A)に示すように、前記光源バルブ2Rは、前記バルブ軸ZB−ZB回りに反時計方向に所定角度(約40°)回転されている。この結果、前記光源バルブ2Rの右側の前記遮光ストライプ10が、前記高密度の配光パターンP1、P2のうち不要な部分(図7(B)中の二点鎖線で示す部分)を遮蔽して、かつ、右側の前記遮光ストライプ10の上側エッジ(反時計方向側の境界線)が、前記高密度の配光パターンP1、P2に前記所定の配光パターンPのカットオフラインCL、CL2とほぼ同様のカットオフラインP3、P4(図7(B)中の太い実線を参照)を形成することができる。
前記シェード4Rには、前記バルブ軸ZB−ZB回りに回転された前記光源バルブ2Rからの光であって前記シェード4Rで遮蔽される光の一部、すなわち、前記光源バルブ2Rからの下向きの直射光L2を前記所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2および前記高密度の配光パターンP1、P2のカットオフラインCL3、CL4よりも下方にサブ配光パターンP3として照射させるサブ開口部15が設けられている。
この実施例における車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
まず、ヘッドランプ1L、1Rの光源バルブ2L、2Rの発光部9を点灯する。すると、光源バルブ2L、2Rの発光部9からの光の一部L1は、図2、図7(B)に示すように、シェード4L、4Rのメイン開口部11を通ってリフレクタ3L、3Rの反射面5の第1反射面12に入射して反射され、カットオフラインCL1、CL2を有する所定の配光パターンPとして自動車Cの前方に照射される。
また、光源バルブ2L、2Rの発光部9からの光の一部L1は、同じく図2、図7(B)に示すように、シェード4L、4Rのメイン開口部11を通ってリフレクタ3L、3Rの反射面5の第2反射面13、14に入射して反射され、高密度の配光パターンP1、P2として所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近に照射される。このとき、光源バルブ2L、2Rの遮光ストライプ10が、高密度の配光パターンP1、P2のうち不要な部分(図7(B)中の二点鎖線で示す部分)を遮蔽し、かつ、遮光ストライプ10のエッジが、高密度の配光パターンP1、P2に所定の配光パターンPのカットオフラインCL、CL2とほぼ同様のカットオフラインP3、P4(図7(B)中の太い実線を参照)を形成する。
さらに、本来シェード4L、4Rによって遮蔽される光源バルブ2L、2Rの発光部9からの光の一部であって、シェード4L、4Rのサブ開口部15を通る光源バルブ2L、2Rの発光部9からの下向きの直射光L2は、同じく図2、図7(B)に示すように、所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2および高密度の配光パターンP1、P2のカットオフラインCL3、CL4よりも下方にサブ配光パターンP3として照射される。
さらにまた、光源バルブ2L、2Rの発光部9から放射される光であって、反射面5以外に放射される光や光源バルブ2L、2Rの発光部9からの上向きの直射光は、図2に示すように、シェード4L、4Rにより遮蔽される。この結果、反射面5で配光制御できない光やグレアとなる光をシェード4L、4Rで遮蔽することができる。
この実施例にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施例にかかる車両用灯具、すなわち、ヘッドランプ1L、1Rは、反射面5の第1反射面12でカットオフラインCL1、CL2を有する所定の配光パターンPを形成し、また、反射面5の第2反射面13、14で所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近に高密度の配光パターンP1、P2を形成し、さらに、バルブ軸ZB−ZB回りに回転させた光源バルブ2L、2Rの遮光ストライプ10で高密度の配光パターンP1、P2のうち不要な部分を遮蔽して、高密度の配光パターンP1、P2に所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2とほぼ同様のカットオフラインCL3、CL4を形成する。この結果、この実施例にかかる車両用灯具は、所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近の光を高密度(高光度、高照度、高光量)にすることができるので、遠方の視認性が向上される。一方、高密度の配光パターンP1、P2のカットオフラインCL3、CL4から不要な部分が遮蔽されるので、グレアの虞がない。
すなわち、従来の車両用灯具は、図7(A)に示すように、カットオフラインCL1、CL2を有する所定の配光パターンPとして自動車Cの前方に照射するものであって、所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近の光を高密度(高光度、高照度、高光量)にすることについてなんら考慮されていない。ここで、従来の車両用灯具にこの実施例にかかる車両用灯具の反射面5の第2反射面13、14を使用して、所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近に高密度の配光パターンP1、P2を形成する場合。この場合においては、高密度の配光パターンP1、P2が所定の配光パターンPのカットオフラインCL、1CL2よりも上側に突出するとグレアとなるので、図7(A)に示すように、高密度の配光パターンP1、P2を所定の配光パターンPのカットオフラインCL、1CL2よりも下側に位置させる必要がある。このために、従来の車両用灯具にこの発明の反射面5の第2反射面13、14を使用しても、所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2付近の光を高密度(高光度、高照度、高光量)にすることができない。
そこで、この実施例にかかる車両用灯具は、反射面5の第2反射面13、14により、高密度の配光パターンP1、P2をその中心部(最高光度部、最高照度部、最高光量部)が所定の配光パターンPのカットオフラインCL、1CL2付近に位置するように配光制御させ、その上、光源バルブ2L、2Rをバルブ軸ZB−ZB回りに回転させて、その光源バルブ2L、2Rの遮光ストライプ10で高密度の配光パターンP1、P2のうち不要な部分、すなわち、図7(B)中の二点鎖線に示すように、高密度の配光パターンP1、P2のうち所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2から上側に突出する部分を遮蔽して、かつ、高密度の配光パターンP1、P2に所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2とほぼ同様のカットオフラインCL3、CL4を形成するものである。
また、この実施例にかかる車両用灯具は、シェード4L、4Rのサブ開口部15により、バルブ軸ZB−ZB回りに回転させた光源バルブ2L、2Rからの光であって本来シェード4L、4Rで遮蔽される光の一部であって、光源バルブ2L、2Rからの下向きの直射光L2が所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2および高密度の配光パターンP1、P2のカットオフラインCL3、CL4よりも下方にサブ配光パターンP3として照射される。この結果、この実施例にかかる車両用灯具は、光源バルブ2L、2Rからの光であってシェード4L、4Rで遮蔽される光の一部(光源バルブ2L、2Rからの下向きの直射光L2)を有効に利用することができ、夜間走行における視認性が向上される。しかも、この実施例にかかる車両用灯具は、光源バルブ2L、2Rからの光であってシェード4L、4Rで遮蔽される光の一部(光源バルブ2L、2Rからの下向きの直射光L2)をシェード4L、4Rのサブ開口部15から所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2および高密度の配光パターンP1、P2のカットオフラインCL3、CL4よりも下方にサブ配光パターンP3として照射するので、手前側の視認性、たとえば、自動車C前方約10m付近までの視認性が向上される。
すなわち、従来の車両用灯具は、図2(B)に示すように、光源バルブ2をバルブ軸回りに回転させずに使用するものである。このために、従来の車両用灯具にこの実施例にかかる車両用灯具のシェード4L、4Rのサブ開口部15を使用しても、光源バルブ2からの下向きの直射光L2が光源バルブ2の遮光ストライプ10によって遮蔽されるので、光源バルブ2からの下向きの直射光L2を有効利用することができない。そこで、この実施例にかかる車両用灯具は、光源バルブ2L、2Rをバルブ軸ZB−ZB回りに回転させて、光源バルブ2L、2Rからの下向きの直射光L2が光源バルブ2L、2Rの遮光ストライプ10によって遮蔽されることなく、シェード4L、4Rのサブ開口部15を通って、所定の配光パターンPのカットオフラインCL1、CL2および高密度の配光パターンP1、P2のカットオフラインCL3、CL4よりも下方にサブ配光パターンP3として照射されるので、光源バルブ2L、2Rからの下向きの直射光L2を有効利用することができる。
さらに、この実施例にかかる車両用灯具は、第2反射面の第1ゾーン13で高密度の配光パターンP1を所定の配光パターンPの水平のカットオフラインCL1付近に照射し、かつ、第2反射面の第2ゾーン14で高密度の配光パターンP2を所定の配光パターンPの斜めのカットオフラインCL2付近に照射する。このために、この実施例にかかる車両用灯具は、水平のカットオフラインCL1と斜めのカットオフラインCL2とからなる所定の配光パターンPのカットオフライン付近に高密度の配光パターンP1、P2を確実に形成することができる。
なお、前記の実施例においては、ヘッドランプ1L、1Rについて説明するものである。ところが、この発明においては、その他の車両用灯具、たとえば、フォグランプやスイブルランプなどでも良い。
この発明にかかる車両用灯具の実施例を示す要部の一部斜視図である。 同じく、図1におけるII−II線断面図である。 同じく、図1におけるIII矢視図である。 同じく、図1におけるIV−IV線断面図である。 同じく、光源バルブを示す側面図である。 同じく、図5におけるVI−VI線断面図である。 同じく、配光パターンの説明図である。 同じく、左右ヘッドランプが装備されている自動車の概略の平面図である。
符号の説明
1L 左側ヘッドランプ(車両用灯具)
1R 右側ヘッドランプ(車両用灯具)
2L、2R 光源バルブ
3L、3R リフレクタ
4L、4R シェード
5 反射面
6 透孔
7 ガラス管球
8 口金
9 発光部
10 遮光ストライプ
11 メイン開口部
12 第1反射面
13 第2反射面の第1ゾーン
14 第2反射面の第2ゾーン
15 サブ開口部
C 自動車(車両)
F 前方向
B 後方向
U 上方向
D 下方向
L 左方向
R 右方向
HL−HR 左右の水平線
VU−VD 上下の垂直線
ZL−ZL 左側ヘッドランプの光軸
ZR−ZR 右側ヘッドランプの光軸
ZC−ZC 車両軸
ZB−ZB バルブ軸
X 3次元直交座標のX軸
Y 3次元直交座標のY軸
Z 3次元直交座標のZ軸
P 所定の配光パターン
P1、P2 高密度の配光パターン
P3 サブ配光パターン
CL1、CL3 水平のカットオフライン
CL2、CL4 斜めのカットオフライン
L1 光源バルブからの光であってシェードのメイン開口部からの光
L2 光源バルブからの下向きの直射光

Claims (3)

  1. 光源バルブのバルブ軸とリフレクタの反射面の光軸とがほぼ水平断面上で交差する車両用灯具において、
    前記反射面を有する前記リフレクタと、
    前記リフレクタに、前記バルブ軸が前記反射面の光軸に対してほぼ水平断面上で交差した状態で取り付けられている前記光源バルブと、
    前記光源バルブからの光のうち、前記反射面以外に放射される光を遮蔽するシェードと、
    を備え、
    前記反射面は、前記光源バルブからの光であって前記シェードで遮蔽されなかった光を反射させてカットオフラインを有する所定の配光パターンを車両の前方に照射する第1反射面と、前記光源バルブからの光であって前記シェードで遮蔽されなかった光を反射させて高密度の配光パターンを前記所定の配光パターンのカットオフライン付近に照射する第2反射面と、からなり、
    前記光源バルブは、ガラス管球と、前記ガラス管球に前記バルブ軸方向に設けられており、前記ガラス管球を前記バルブ軸回りに回転させることにより、前記高密度の配光パターンのうち不要な部分を遮蔽して、前記高密度の配光パターンに前記所定の配光パターンのカットオフラインとほぼ同様のカットオフラインを形成する遮光ストライプと、を有する、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記シェードには、前記バルブ軸回りに回転させた前記光源バルブからの光であって前記シェードで遮蔽される光の一部を前記所定の配光パターンのカットオフラインおよび前記高密度の配光パターンのカットオフラインよりも下方にサブ配光パターンとして照射させる開口部が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記カットオフラインは、水平のカットオフラインと斜めのカットオフラインとからなり、
    前記第2反射面は、前記高密度の配光パターンを前記水平のカットオフライン付近に照射する第1ゾーンと、前記高密度の配光パターンを前記斜めのカットオフライン付近に照射する第2ゾーンと、からなる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200469914Y1 (ko) * 2012-06-12 2013-11-20 주식회사 에스엘 서봉 차량용 벤딩 램프
JP2015032454A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 市光工業株式会社 車両用灯具

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