JP6133643B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車両前部に搭載されるヘッドランプやフォグランプ等の車両用前照灯に関する。
従来、この種の車両用前照灯において、車幅方向の左右両端側(すなわち、助手席側および運転席側のそれぞれの位置)に各々配置される灯具は基本的に同様の構成からなり、各々ほぼ同様の照射配光となっていることが一般的である。この場合、左右それぞれの灯具による照射配光によって形成されるすれ違いビーム(ロービーム)の光度要件も左右双方の灯具で同様である。
ところで、昨今の米国等においては、ヘッドランプ単体での規定ではなく、車両単体(すなわち、左右双方の灯具)での配光要件規定へと替わる傾向が見受けられる。このように、左右それぞれの灯具において、異なる配光構成を可能とする場合に、車両前方の先行車や対向車(以下、これらを総じて前走車と称す)のドライバー等に対するグレア低減や、路肩の歩行者、標識などの視認性向上を目的とした灯具構成は開発の余地があると考える。
そこで、近年、車両用前照灯として、前走車のドライバー等に対して眩惑を与えるグレア光の照射を防止しつつ高い視認性を確保できるように、前走車の存在や位置等に応じて配光パターンを自動的に調整するADB(Adaptive Driving Beam)制御を行うものが普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の車両用前照灯は、車幅方向の左右両端側(すなわち、助手席側および運転席側のそれぞれの位置)に各々配置される灯具において、それぞれ水平方向に二分割したロービーム形成用シェードを有し、走行ビーム(ハイビーム)が形成される所定の条件化において、車両位置検出部が車両前方のカメラ画像に基づき前走車を検知すると、ロービーム形成用シェードを左右各々の灯具で個々に独立して開閉する。これにより、ロービーム用配光パターンのカットオフラインよりも上方でかつ鉛直線の左側の領域を含む左側ハイビーム用配光パターンと、鉛直線の右側の領域を含む右側ハイビーム用配光パターンのいずれかを選択的に照射することが可能となっている。
また、この車両用前照灯は、左右各々の灯具の双方が同一側のハイビーム用配光パターンを照射するとき、前記検出された前走車の位置に応じて左右各々の灯具の光軸の方向をスイブルさせることにより、前走車との車間距離や走行路の曲率に関係なく、遮光領域を最適な位置に移動させることができるようになっている。
従って、特許文献1の車両用前照灯では、上述したシェードの開閉操作による配光パターンの選択や光軸のスイブル操作によって、ハイビーム光の照射領域のうち前走車が検知された領域への光を遮光することにより、当該前走車に対してグレアを与えることのないハイビームを形成することが可能となっている。換言すれば、前走車の存在する領域を遮光したハイビームを形成することによって、前走車に対するグレアを抑えつつ、車両前方の路面の照射範囲をロービーム光よりも拡大することができるため、ハイビームと同等の視界で走行することができ、遠方の情報(状況)や路肩の歩行者、標識などの視認性を向上し、運転に必要な多くの情報を得ることができる(つまり、高い視認性を確保できる)ものである。
特開2010−957号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用前照灯では、前走車の存在する領域を遮光したハイビーム用配光パターンを形成するために、以下のような弊害があった。すなわち、当該配光パターンを可変するための水平方向に二分割したロービーム形成用シェードや、当該シェードの開閉および、灯具ユニットをスイブルするための各種部品、並びに、前走車を検知するためのカメラや、車両位置検出部などの追加部品を多く必要とする。その結果、車両用前照灯の構造が繁雑になると共に、大幅なコストアップを免れない問題があった。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、車両用前照灯において、構造の煩雑化を回避してコストを抑えつつ、必要な配光特性を得ることができ、前走車に対するグレア低減および高い視認性の確保を可能にすることを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る車両用前照灯は、
車両前部に搭載され、前方に向かって所定の配光パターンを形成する車両用前照灯であって、
車幅方向の車両中心に対し水平方向の左右に離間して配置され、それぞれ前記配光パターンを形成するための光源を有する一対の灯具を備え、
前記灯具のうち、対向車線側に配置される一方の灯具は、車両手前側の左右に向かって拡散する配光パターンを形成し、
前記灯具のうち、路肩側に配置される他方の灯具は、車両の遠方に向かって集光する配光パターンを形成し、
前記一方の灯具により形成される前記拡散する配光パターンは、
水平方向における前記車両中心より路肩側に2°〜対向車線側に5°および鉛直方向の上方0°〜下方2°の範囲を除く、水平方向における前記車両中心より路肩側に60°〜対向車線側に60°および鉛直方向の上方0°〜下方10°の範囲からなり、
前記他方の灯具により形成される前記集光する配光パターンは、
少なくとも水平方向における前記車両中心を含む路肩側から対向車線側に掛けて下がる方向に傾斜した斜めカットオフラインと、当該斜めカットオフラインの対向車線側端部から対向車線側に8°まで水平に延出すると共に、鉛直方向の上方0°〜下方0.4°または0.57°の規定範囲からなるカットオフラインを有する、水平方向における前記車両中心より路肩側に8°〜対向車線側に8°および鉛直方向の上方0°〜下方3°の範囲からなることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用前照灯において、
前記対向車線側に配置される一方の灯具の前記光源は、短手方向の幅が1mm、且つ、長手方向の長さが4mm以上の発光サイズを有し、
前記路肩側に配置される他方の灯具の前記光源は、短手方向の幅が1mm以下、且つ、長手方向の長さが4mm以下の発光サイズを有することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用前照灯において、
前記一方の灯具は、車両前後に延びる前記光源の光軸を、水平方向における前記車両中心より路肩側に5°以内の範囲で傾けていることを特徴とする。
本発明の車両用前照灯によれば、車両前部に搭載され、前方に向かって所定の配光パターンを形成する車両用前照灯が、車幅方向の車両中心に対し水平方向の左右に離間して配置され、それぞれ配光パターンを形成するための光源を有する一対の灯具を備えている。そして、これら灯具のうち、対向車線側に配置される一方の灯具は、車両手前側の左右に向かって拡散する配光パターンを形成し、路肩側に配置される他方の灯具は、車両の遠方に向かって集光する配光パターンを形成するようにした。
その結果、路肩側に配置された他方の灯具より対向車に近い対向車線側に配置された一方の灯具では、車両手前側の左右に向かって拡散する配光パターンが形成されるため、前走車(とりわけ、対向車)に対する輝度を抑えてグレア光を低減することができつつ、水平方向に優れた視認性を確保することができる。また、路肩側に配置される他方の灯具では、車両の遠方に向かって集光する配光パターンが形成されるため、当該遠方の路面に対する光度を高めてハイビーム並みの視界を得ることができ、遠方の情報(状況)や路肩の歩行者、標識などの視認性を確保することができる。しかも、このような左右で独立した配光パターンを形成するために、従来のような各種追加部品を必要としないため、灯具の構造が繁雑になることはなく、大幅にコストアップすることもない。
かくして、本発明の車両用前照灯によれば、構造の煩雑化を回避してコストを抑えつつ、必要な配光特性を得ることができ、前走車に対するグレア低減および高い視認性の確保を可能にすることができる。
本発明の一実施形態に係る車両用前照灯を概略的に示す断面図である。 図1の車両用前照灯に用いられるシェードを示し、(a)対向車線側に配置された灯具に用いられる拡散配光用シェードを示す正面図、(b)路肩側に配置された灯具に用いられる集光配光用シェードを示す正面図である。 図1の車両用前照灯における配光パターンを示し、(a)対向車線側に配置された灯具による拡散配光パターンを示す模式図、(b)路肩側に配置された灯具による集光配光パターンを示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用前照灯を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態における車両用前照灯1を概略的に示す断面図である。図2は、図1の車両用前照灯1に用いられるシェードを示し、(a)は対向車線側に配置された灯具10Rに用いられる拡散配光用シェード5Rを示す正面図、(b)は路肩側に配置された灯具10Lに用いられる集光配光用シェード5Lを示す正面図である。図3は、図1の車両用前照灯1における配光パターンを示し、(a)対向車線側に配置された灯具10Rによる拡散配光パターンを示す模式図、(b)路肩側に配置された灯具10Lによる集光配光パターンを示す模式図である。
なお、以下の説明において、「前」「後」「上」「下」「左」「右」との記載は、特に断りのない限り、車両用前照灯1から見た方向、つまり当該車両用前照灯1が搭載される車両から見た方向を指すものとし、図面の記載と対応させて用いることとする。また、以下の説明では、車両用前照灯1として、車両の右側を運転席とする左側通行用車両の前部左右に取り付けられるヘッドランプに適用する場合について述べるが、本発明はこれに限ることはなく、フォグランプ(霧灯)等の車両前部に搭載される灯具に広く適用できると共に、以下の灯具構成・配置等を適宜、左右反転させることで車両の左側を運転席とする右側通行用車両等のヘッドランプとしても適用可能であることは言うまでもない。
図1に示すように、本実施形態の車両用前照灯1は、図示しない車両前部に搭載されて車両前方に光を照射するヘッドランプに用いられる、所謂プロジェクタタイプのランプユニットであり、車幅方向の両端(換言すれば、車幅方向の車両中心に対し水平方向の左右に離間した助手席側および運転席側のそれぞれの位置)に配置される灯具10L,10Rを備えている。なお、左右(助手席側、運転席側)の灯具10L,10Rは、後述する図2に示すシェード5L,5Rの平面形状を除き、基本的には同様の構成からなるため、ここでは、双方の共通する構成を図示して説明するものとする。
灯具10L,10Rは、光源としてのバルブ2と、前面が開口するとともに内部にバルブ2が配設され、当該バルブ2を覆うように配設された内面に反射面3aを有するリフレクタ3と、当該リフレクタ3の前方に配設された投影レンズ4とを備えている。
また、灯具10L,10Rは、リフレクタ3と投影レンズ4との間に、リフレクタ3から投影レンズ4へ向かう光のうち、それぞれ異なる部位を遮光するための対応するシェード5L,5Rを備えている。これらシェード5L,5Rと、投影レンズ4との間には、非透光性の樹脂材料からなる筒状のエクステンション6が配置されており、その前方側開口部6aに投影レンズ4が取り付けられ、後方側開口部6bとリフレクタ3との間にシェード5L,5Rが挟持されている。そして、これらバルブ2、リフレクタ3、投影レンズ4、シェード5L,5Rおよびエクステンション6がハウジング(図示略)に取り付けられ、ユニット化されている。
バルブ2としては、ハロゲン電球、白熱電球、放電灯(例えば、HIDランプ(High Intensity Discharge lamp)のような高輝度放電灯や、高圧金属蒸気放電灯)など、その他のバルブを広く適用可能である。因みに、ここでは、バルブ2としてHIDランプを適用した場合について図示しているが、一例であってこれに限られることはない。また、光源としては、バルブ2の他に、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、LD(レーザー)、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子など、その他の発光素子を用いてもよい。さらに、本実施形態の車両用前照灯1では、左右の灯具10L,1ORで異なる種類の光源を採用することができるが、灯具のタイプに応じて適宜、選択されれば良く、左右の灯具で同一種の光源を用いても良い。
なお、かかる車両用前照灯1において、対向車線側に配置される一方の灯具10Rの光源としては、短手方向の幅が1mm、且つ、長手方向の長さが4mm以上の発光サイズを有する、ハロゲン電球,HIDランプ,LEDなどを採用することが好ましい。また、路肩側に配置される他方の灯具10Lの光源としては、短手方向の幅が1mm以下、且つ、長手方向の長さが4mm以下の発光サイズを有する、LED,LDなどを採用することが好ましい。これにより、双方の灯具10R,10Lにおいて所望する配光パターンを効率良く形成することが可能となっている。
リフレクタ3は、略椀状をなし、前方に向かって開口している。リフレクタ3の内面には、アルミ蒸着、銀塗装等の手法によって形成された反射膜3aが設けられている。反射面3aは、楕円面の形状に形成されている。楕円面とは、前後方向に延びた中心軸を回転軸とした回転楕円面若しくは扁平楕円面またはこれらを基調とした自由曲面を意味する。扁平楕円面とは、回転楕円面が上下または左右につぶれたものであって、前後方向に沿った鉛直断面の形状が楕円形状をなし、水平断面の形状が放物線または楕円形状をなす(鉛直断面の楕円形状の焦点距離と水平断面の楕円形状の焦点間距離が異なる)ものをいう。また、反射面3aは、これらの回転楕円面、扁平楕円面または自由曲面を組み合わせた複合楕円面であってもよい。
反射面3aの頂点には、リフレクタ3を前後に貫通する装着孔3bが形成されている。そのため、バルブ2がリフレクタ3の後ろから装着孔3bに挿通され、そのバルブ2がソケット等の固定具(図示略)によってハウジングやリフレクタ3に固定され、そのバルブ2がリフレクタ3内に配置されている。このバルブ2は、反射面3aの第一焦点F1またはその近傍に配置されている。
リフレクタ3は、上述のように、反射面3aが楕円面に形成されているので、その楕円面の頂点よりも前方(バルブ2の近傍)に第一焦点F1が設定されると共に、その第一焦点F1よりも前方に位置する投影レンズ4の焦点近傍に第二焦点F2が設定される。そのため、バルブ2から出射された光は、リフレクタ3の反射面3aで前方へ向かって反射され、この反射光が第二焦点F2に集光された後に、投影レンズ4によって上下及び左右を反転されつつ車両前方へ照射される。なお、反射面3aが扁平楕円面またはそれを基調とした自由曲面に形成されている場合には、第二焦点F2は焦線を意味する。焦線は水平左右方向に延びると共に、左右方向の中央部が後ろに向かって凸状となるように湾曲している。
リフレクタ3の前方には、投影レンズ4が配設されている。この投影レンズ4は、凸レンズであり、その光軸Axが前後方向に延びるよう、且つ、その焦点が反射面3aの第二焦点F2またはその近傍に位置するように配置されている。投影レンズ4の光軸Axは、反射面3aの中心軸に揃っていても良いし、反射面3aの中心軸から僅かにずれていても良い。
第二焦点F2またはその近傍には、シェード5L,5Rが設けられている。これらシェード5L,5Rは、反射面3aによって反射されて投影レンズ4に向かう反射光の一部を第二焦点F2またはその近傍で遮光する。そして、投影レンズ4は、遮光されていない反射光を前方に投影するようになっている。
ここで、本実施形態の車両用前照灯1の場合、車両の対向車線側に配置された灯具10Rと、路肩側に配置された灯具10Lとでは、それぞれ所望する配光パターンに応じて、正面から見た平面形状が異なるシェード5R,5Lを備えている。すなわち、前者の灯具10Rに備えられるシェード5Rは、図2(a)に示すように、車両手前側の左右に向かって拡散する拡散配光パターンに応じた形状をなしており、後者の灯具10Lに備えられるシェード5Lは、図2(b)に示すように、車両の遠方に向かって集光する集光配光パターンに応じた形状をなしている。
具体的に、シェード5L,5Rは、水平方向に長尺な平板状に形成され、投影レンズ4の焦点近傍で前後方向に直交するように立設されて、リフレクタ3の前面開口の下半部を覆っている。シェード5L,5Rの上縁は、投影レンズ4の光軸Axと略一致する高さとなっている。そのうち、一方のシェード5Rの上縁における左右方向の中央より左側には、矩形状の凸部5aが形成されている。
この凸部5aは、図3(a)に示す、対向車側の灯具10Rが形成する拡散配光パターンのうち、水平線H−Hよりも下方の遮光スポットSPを形成するために遮光される光の遮光部である。つまり、凸部5aで遮光された以外の光が、投影レンズ4を通じて所定の照射領域Q1へ照射され、鉛直線V−Vの左右に拡散する拡散配光パターンを形成する。このとき、車両用前照灯1が左側通行用であれば、凹部5aがシェード5R上縁の左右方向中心よりも左側に位置するようになっている。一方、車両用前照灯1が右側通行用であれば、凹部5aがシェード5R上縁の左右方向中心よりも右側に位置するようになっている。
従って、灯具10Rでは、リフレクタ3によって反射され、投影レンズ4を通じて車両前方に照射される光のうち、水平線H−Hよりも下方の照射領域Q1へ照射される光のみがシェード5Rの上縁を通過して投影レンズ4に入射し、当該照射領域Q1を除く部分へ照射されるはずの光は、凸部5aを含むシェード5Rによって遮光される。つまり、対向車側の灯具10Rでは、バルブ2から発せられ、リフレクタ3によって反射された光のうち、水平線H−Hよりも上方への光がシェード5Rによって遮光されると共にカットオフラインCR1,CR2および所定の遮光スポットSPを形成されて、車両手前側の左右に向かって拡散する範囲で路面を照らす拡散配光パターンが形成される。
具体的に、この拡散配光パターンの照射領域Q1は、水平線H−Hの水平方向における車両中心より路肩側(左側)に2°〜対向車線側(右側)に5°および鉛直線V−Vの鉛直方向における上方0°〜下方2°の範囲からなる遮光スポットSPの領域を除く、水平線H−Hの水平方向における車両中心より左側に60°〜右側に60°および鉛直線V−Vの鉛直方向における上方0°〜下方10°の範囲からなる。
なお、本実施形態の車両用前照灯1では、対向車線側に配置された一方の灯具10Rにおいて、車両前後に延びるバルブ2の光軸Axを、水平方向における車両中心より路肩側(左側)に5°以内の範囲で傾けていることが好ましい。これにより、灯具10Rの光軸Axが、路肩側(左側)に傾けられるので、路肩を歩行する歩行者等の視認性をより向上させることができるようになっている。
他方のシェード5Lの上端は、図3(b)に示す、路肩側の灯具10Lが形成する集光配光パターンの照射領域Q2のうち、上端のカットオフラインCLを形成するための形状となっている。すなわち、シェード5Lは、水平方向に延びる上縁のうち、左の部分(以下、これを左部上縁5bと称す)と右の部分(以下、これを右部上縁5cと称す)に段差があり、左部上縁と右部上縁との間の部分(以下、これを傾斜部5dと称す)が左部上縁5bから右部上縁5cに掛けて下がる方向に傾斜している。このとき、車両用前照灯1が左側通行用であれば、左部上縁5bが右部上縁5cよりも上に位置し、傾斜部5dが右下りに傾斜するようになっている。一方、車両用前照灯1が右側通行用であれば、右部上縁5cが左部上縁5bよりも上に位置し、傾斜部5dが左下りに傾斜するようになっている。
従って、灯具10Lでは、リフレクタ3によって反射され、投影レンズ4を通じて車両前方に照射される光のうち、水平線H−Hよりも下方の照射領域Q2へ照射される光のみがシェード5Lの上縁(左部上縁5b,右部上縁5c,傾斜部5d)を通過して投影レンズ4に入射し、当該照射領域Q2を除く部分へ照射されるはずの光は、シェード5Lによって遮光される。つまり、路肩側の灯具10Lでは、バルブ2から発せられ、リフレクタ3によって反射された光のうち、水平線H−Hよりも上方への光がシェード5Lによって遮光されると共に、シェード5Lの上縁(左部上縁5b,右部上縁5c,傾斜部5d)に対応したカットオフラインCL1,CL2,CL3を形成されて、遠方に向かって集光する範囲で路面を照らす集光配光パターンが形成される。
具体的に、この集光配光パターンの照射領域Q2は、少なくとも水平線H−Hの水平方向における車両中心を含む左側に略水平なカットオフラインCL1と、当該カットオフラインCL1の右側端部に連通し、水平線H−Hの水平方向における車両中心を含む左側から右側に掛けて下がる方向に傾斜した斜めカットオフラインCL3と、当該斜めカットオフラインの右側端部から連通し、水平線H−Hの水平方向における右側に8°まで水平に延出すると共に、鉛直線V−Vの鉛直方向における上方0°〜下方0.4°または0.57°の規定範囲からなるカットオフラインCL2とを有する、水平線H−Hの水平方向における車両中心より左側に8°〜右側に8°および鉛直線V−Vの鉛直方向における上方0°〜下方3°の範囲からなる。
以上、説明したように、本実施形態の車両用前照灯1では、左右それぞれの灯具10R,10Lにおいて、各々リフレクタ3の曲率を異ならせると共に、各々異なる平面形状のシェード5R,5Lを備えるようにした。
これにより、路肩側に配置された他方の灯具10Lより対向車に近い対向車線側に配置された一方の灯具10Rでは、車両手前側の左右に向かって拡散する照射領域Q1からなる拡散配光パターンが形成されるため、前走車(とりわけ、対向車)に対する輝度を抑えてグレア光を低減することができつつ、水平方向に優れた視認性を確保することができる。
また、路肩側に配置される他方の灯具10Lでは、車両の遠方に向かって集光する照射領域Q2からなる集光配光パターンが形成されるため、当該遠方の路面に対する光度を高めてハイビーム並みの視界を得ることができ、遠方の情報(状況)や路肩の歩行者、標識などの視認性を確保することができる。よって、各国の配光規格で定められた配光規格を満足させることができる。
しかも、このような左右で独立した配光パターンを形成するために、従来のような各種追加部品を必要としないため、灯具10r,10Lの構造が繁雑になることはなく、大幅にコストアップすることもない。
かくして、この車両用前照灯1によれば、構造の煩雑化を回避してコストを抑えつつ、必要な配光特性を得ることができ、前走車に対するグレア低減および高い視認性の確保を可能にすることができる。
また、かかる車両用前照灯1において、対向車線側に配置される一方の灯具10Rの光源としては、短手方向の幅が1mm、且つ、長手方向の長さが4mm以上の発光サイズを有する、ハロゲン電球,HIDランプ,LEDなどを採用することが好ましい。また、路肩側に配置される他方の灯具10Lの光源としては、短手方向の幅が1mm以下、且つ、長手方向の長さが4mm以下の発光サイズを有する、LED,LDなどを採用することが好ましい。これにより、双方の灯具10R,10Lにおいて所望する配光パターンを効率良く形成することが可能となる。
さらに、本実施形態の車両用前照灯1では、対向車線側に配置された一方の灯具10Rにおいて、車両前後に延びるバルブ2の光軸Axを、水平方向における車両中心より路肩側(左側)に5°以内の範囲で傾けていることが好ましい。これにより、灯具10Rの光軸Axが、路肩側(左側)に傾けられるので、路肩を歩行する歩行者等の視認性をより向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、種々の改良および設計の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、車両用前照灯1として、プロジェクタタイプのランプユニットからなるヘッドランプに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限られることはない。
すなわち、例えば図1との対応部分に同一符号を付した図4に示すように、かかる車両用前照灯7は、図示しない車両の前部に搭載されるヘッドランプに用いられる、所謂ダイレクトプロジェクションタイプのランプユニットであっても良い。この場合、灯具70R,7OLは、光源として、例えば半導体型の発光素子であるLED20を備えており、当該LED20は、不図示の基板に実装され、投影レンズ4の後方側に、発光面を前方に向けた状態で不図示の保持部に取り付けられて立設されている。このとき、LED20は、投影レンズ4の焦点F3近傍に位置するように配置されている。なお、光源としてはLED20を用いているが、上述した実施形態と同様の条件において、この他種々の発光素子を適宜選択可能である。
また、灯具のタイプ(ランプユニット)としては、この他、所謂リフレクタタイプのランプユニットでも良い。そして、車両用前照灯として、左右の灯具のタイプを異ならせても良いし、同一としても良い。但し、光源としては、上述の如く、対向車線側と路肩側とにおいて、それぞれ形成する配光パターンに応じて最適な光源を選択することが望まれるため、当該選択された光源に応じて灯具のタイプも選択されることが好ましい。
1、7…車両用前照灯
10R、70R…灯具(対向車線側灯具)
10L、70L…灯具(路肩側灯具)
2…バルブ(光源)
20…LED(光源)
3…リフレクタ
3a…反射面
4…投影レンズ
5R…拡散配光用シェード
5L…集光配光用シェード
6…エクステンション
Ax…光軸

Claims (3)

  1. 車両前部に搭載され、前方に向かって所定の配光パターンを形成する車両用前照灯であって、
    車幅方向の車両中心に対し水平方向の左右に離間して配置され、それぞれ前記配光パターンを形成するための光源を有する一対の灯具を備え、
    前記灯具のうち、対向車線側に配置される一方の灯具は、車両手前側の左右に向かって拡散する配光パターンを形成し、
    前記灯具のうち、路肩側に配置される他方の灯具は、車両の遠方に向かって集光する配光パターンを形成し、
    前記一方の灯具により形成される前記拡散する配光パターンは、
    水平方向における前記車両中心より路肩側に2°〜対向車線側に5°および鉛直方向の上方0°〜下方2°の範囲を除く、水平方向における前記車両中心より路肩側に60°〜対向車線側に60°および鉛直方向の上方0°〜下方10°の範囲からなり、
    前記他方の灯具により形成される前記集光する配光パターンは、
    少なくとも水平方向における前記車両中心を含む路肩側から対向車線側に掛けて下がる方向に傾斜した斜めカットオフラインと、当該斜めカットオフラインの対向車線側端部から対向車線側に8°まで水平に延出すると共に、鉛直方向の上方0°〜下方0.4°または0.57°の規定範囲からなるカットオフラインを有する、水平方向における前記車両中心より路肩側に8°〜対向車線側に8°および鉛直方向の上方0°〜下方3°の範囲からなることを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記対向車線側に配置される一方の灯具の前記光源は、短手方向の幅が1mm、且つ、長手方向の長さが4mm以上の発光サイズを有し、
    前記路肩側に配置される他方の灯具の前記光源は、短手方向の幅が1mm以下、且つ、長手方向の長さが4mm以下の発光サイズを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記一方の灯具は、車両前後に延びる前記光源の光軸を、水平方向における前記車両中心より路肩側に5°以内の範囲で傾けていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
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