JP2000149640A - 車両用前照灯 - Google Patents

車両用前照灯

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JP2000149640A
JP2000149640A JP10326694A JP32669498A JP2000149640A JP 2000149640 A JP2000149640 A JP 2000149640A JP 10326694 A JP10326694 A JP 10326694A JP 32669498 A JP32669498 A JP 32669498A JP 2000149640 A JP2000149640 A JP 2000149640A
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JP
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light
discharge
reflector
discharge bulb
shielding film
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Masashi Tatsukawa
正士 達川
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Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電バルブを備えた車両用前照灯において、
自車ドライバには運転しやすく対向車ドライバにはグレ
アを与えるおそれが低いロービーム照射用の配光パター
ンを得る。 【解決手段】 放電バルブのアウタチューブの外周面
に、左右1対のブラックストライプ28L、28Rから
なる遮光膜を形成する。この遮光膜は、両ブラックスト
ライプ28L、28Rの上端縁が、放電バルブの光軸A
x2およびリフレクタ20の光軸Ax1と同じ高さに位
置するよう、180°の角度範囲にわたって形成する。
そして、放電バルブの放電発光部24aからの光をリフ
レクタ20の反射面20aで拡散偏向反射させて、左右
段違いの水平カットオフラインCL1、CL2を有する
配光パターンPを形成する。これにより、上段側の水平
カットオフラインCL2を用いた上下方向エイミングを
可能とし、下段側の水平カットオフラインCL1の明暗
比を緩和できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、放電バルブを備
えた車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電バルブは高輝度照射が可能なことか
ら、近年、車両用前照灯の光源としても広く採用される
ようになってきている。
【0003】この放電バルブは、一般に、前後方向に延
びる放電発光部を有するアークチューブを備えている
が、これをロービーム照射用の光源として用いるように
するため、アークチューブを筒状に囲むアウタチューブ
を設け、その外周面に遮光膜を形成するようにした放電
バルブも知られている。
【0004】このような放電バルブにおいては、図7に
示すように、遮光膜128はアウタチューブ126の外
周面126aの左右両側に上端縁128La、128R
aが位置するようにして形成されるが、その形成角度範
囲は放電発光部124aを中心にして165°の角度範
囲に設定されている(ただし、図示のように遮光膜12
8は外周面126aの下部領域が欠けた左右1対のブラ
ックストライプ128L、128Rとして形成されるこ
とが多い)。
【0005】そして、放電バルブ118を、その遮光膜
128の一方の上端縁(同図においては右側のブラック
ストライプ128Rの上端縁128Ra)が放電発光部
124a(正確には該放電発光部124aの両端電極を
結ぶ直線)と同じ高さとなるようにしてリフレクタに固
定支持することにより、ロービーム照射用の配光パター
ンとして、図8に示すように、水平カットオフラインC
L1´および該水平カットオフラインCL1´から15
°の角度で立ち上がる斜めカットオフラインCL2´を
有する配光パターンP´が得られるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロービーム
照射の際のビーム調整(エイミング)において、上下方
向のエイミングは水平カットオフラインの位置を基準に
して行われるので、その明暗比を十分高めておく必要が
ある。
【0007】しかしながら、水平カットオフラインの明
暗比をあまり高く設定すると、車両が下り坂から平坦路
にさしかかった場合等のように、車両走行状況によって
は、前方路面が途中から急に暗くなって遠方路面の視認
性が低下するため運転しづらいものとなってしまうこと
があり、また、車両のピッチング等により水平カットオ
フラインが僅かに上下しただけでも、対向車ドライバに
グレアを与えてしまうおそれがある。
【0008】特に、灯具の光源として放電バルブを用い
た場合には、ハロゲンバルブ等に比してそのパワーが非
常に大きいため、上記問題の解決が強く望まれる。
【0009】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、放電バルブを備えた車両用前照灯に
おいて、自車ドライバには運転しやすく対向車ドライバ
にはグレアを与えるおそれが低いロービーム照射用の配
光パターンを得ることができる車両用前照灯を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明は、リフレクタ
に対する放電バルブの固定支持構造に工夫を施すことに
より、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0011】すなわち、本願発明は、請求項1に記載し
たように、前後方向に延びる放電発光部を有するアーク
チューブと、このアークチューブを筒状に囲むアウタチ
ューブと、このアウタチューブの外周面に、該外周面の
左右両側に上端縁を位置させるようにして所定の角度範
囲にわたって形成された遮光膜と、を備えてなる放電バ
ルブと、この放電バルブを固定支持するとともに該放電
バルブの放電発光部からの光を前方へ反射させるリフレ
クタと、を備えてなる車両用前照灯において、上記リフ
レクタに対する上記放電バルブの固定支持が、上記遮光
膜の両上端縁を略同じ高さに位置させるようにして行わ
れている、ことを特徴とするものである。
【0012】上記「所定の角度範囲」とは、両上端縁間
の全角度範囲を意味するものであり、該角度範囲内に
「遮光膜」が形成されていない部位が存在する場合に
は、該部位の角度範囲分も「所定の角度範囲」の一部に
含まれる。
【0013】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
係る車両用前照灯は、その光源として遮光膜を有する放
電バルブを用いているが、該放電バルブは、その遮光膜
の両上端縁がアウタチューブの外周面の左右両側におい
て略同じ高さに位置するようにしてリフレクタに固定支
持されているので、両上端縁をリフレクタの光軸に対し
て適当な位置関係で配置することにより、V線(すなわ
ち灯具基準軸と直交する鉛直線)の左右両側に水平カッ
トオフラインを有する配光パターンを得ることができ
る。
【0014】そして、これら両水平カットオフライン
を、リフレクタあるいはレンズ等の配光制御により、左
右段違いの水平カットオフラインに変形させるようにす
れば、ロービーム照射用の配光パターンを得ることがで
きる。
【0015】このような左右段違いの水平カットオフラ
インを有する配光パターンにおいては、上下方向のエイ
ミングを行う際の基準として、左右いずれの水平カット
オフラインの位置をも採用することが可能となる。
【0016】そこで、上段側の水平カットオフラインの
位置を基準にして上下方向のエイミングを行うようにす
れば、下段側の水平カットオフラインに関しては、その
明暗比をあまり高める必要がなくなる。
【0017】したがって、下段側の水平カットオフライ
ンの明暗比を適当な値に設定するとともに該水平カット
オフラインの位置を適当に設定することにより、車両走
行中に下り坂から平坦路にさしかかった場合等において
も、前方路面が途中から急に暗くなって遠方路面の視認
性が低下してしまうのを抑制することができ、また、車
両のピッチング等により水平カットオフラインが僅かに
上下した程度では、上向き光の光度がさほど高いものと
はならないようにすることができるので、対向車ドライ
バにグレアを与えてしまうおそれを低減することができ
る。
【0018】このように、本願発明によれば、放電バル
ブを備えた車両用前照灯において、自車ドライバには運
転しやすく対向車ドライバにはグレアを与えるおそれが
低いロービーム照射用の配光パターンを得ることができ
る。
【0019】また、上述したように、本願発明において
は、上段側の水平カットオフラインの位置を基準にして
上下方向のエイミングを行うことができるが、その際、
上段側の水平カットオフラインがH線(すなわち灯具基
準軸と直交する水平線)と一致する位置をエイミング目
標位置として設定することも可能である。そして、この
ようにすることにより、エイミング測定用の専用設備が
なくても、車両前方の壁面等に照射された配光パターン
において、その上段側の水平カットオフラインを灯具基
準軸の地上高に一致させるだけの簡単な操作により、エ
イミングを行うことができる。
【0020】ところで、本願発明において、V線の左右
両側に水平カットオフラインを有する配光パターンを得
るためには、放電バルブの遮光膜の両上端縁を灯具基準
軸に対して適当な位置関係で配置することが必要となる
が、そのための具体的な構成については特に限定される
ものではない。
【0021】例えば、請求項2に記載したように、上記
遮光膜が形成される角度範囲を、放電発光部を中心にし
て略180°の角度範囲に設定するようにすれば、既存
の放電バルブの仕様を一部変更するだけで、V線の左右
両側に水平カットオフラインを有する配光パターンを得
ることができる。
【0022】また、請求項3に記載したように、上記遮
光膜が形成される角度範囲を、放電発光部を中心にして
略165°の角度範囲に設定するとともに、リフレクタ
に対する放電バルブの固定支持を、リフレクタの光軸に
対して放電バルブの光軸を所定角度上向きに偏軸させた
状態で行うようにすれば、既存の放電バルブの流用によ
り、V線の左右両側に水平カットオフラインを有する配
光パターンを得ることができる。しかも、このようにし
た場合には、請求項2記載の構成に比して、遮光膜の形
成角度範囲の差の分(15°分)だけロービーム照射に
利用される光源光束が増大するため、灯具効率を高める
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
実施の形態について説明する。
【0024】まず、本願発明の第1実施形態について説
明する。
【0025】図1は、本実施形態に係る車両用前照灯1
0を示す側断面図であり、図2は、そのII-II 線断面詳
細図である。
【0026】図1に示すように、この車両用前照灯10
は、レンズ12とランプボディ14とで形成される灯室
内に、リフレクタユニット16が上下左右に傾動可能に
設けられてなっている。
【0027】リフレクタユニット16は、光源となる放
電バルブ18と、リフレクタ20と、シェード22とを
備えてなっている。
【0028】放電バルブ18は、メタルハライドバルブ
であって、前後方向に延びる放電発光部24aを有する
アークチューブ24と、このアークチューブ24を筒状
に囲むアウタチューブ26とを備えてなり、リフレクタ
20の後頂部のバルブ挿着部20bに挿着された状態で
該リフレクタ20に固定支持されている。
【0029】リフレクタ20は、その光軸Ax1を中心
軸とする回転放物面上に複数の反射素子20sが形成さ
れてなる反射面20aを有しており、該反射面20aに
より放電発光部24aからの光を前方へ拡散偏向反射さ
せるようになっている。そして、これにより後述するよ
うなロービーム照射用の配光パターンを得るようになっ
ている。なお、レンズ12は素通しレンズで構成されて
いる。
【0030】リフレクタユニット16は、リフレクタ2
0の光軸Ax1が灯具基準軸(灯具の基準位置を通る前
後方向に延びる水平線)Axに対して僅かに下向きにな
るようにしてランプボディ14に支持されている。リフ
レクタ20に対する放電バルブ18の固定支持は、放電
バルブ18の光軸(放電発光部24aの両端電極を結ぶ
直線)Ax2がリフレクタ20の光軸Ax1と同一軸線
上に位置するようにして行われている。
【0031】図2に示すように、放電バルブ18のアウ
タチューブ26の外周面26aには、遮光膜28が形成
されている。この遮光膜28は、アウタチューブ26の
外周面26aの左右両側において光軸Ax2方向に帯状
に延びる1対のブラックストライプ28L、28Rから
なっている。遮光膜28の形成角度範囲は、両ブラック
ストライプ28L、28Rの上端縁28La、28Ra
間の角度が180°になるように設定されている。そし
て、リフレクタ20に対する放電バルブ18の固定支持
は、遮光膜28の両上端縁28La、28Raを同じ高
さ(すなわち光軸Ax2と同じ高さ)に位置させるよう
にして行われている。なお、各ブラックストライプ28
L、28Rの上下両端縁間の角度は、いずれも35°に
設定されている。
【0032】図1に示すように、シェード22は、放電
バルブ18の前端部および下部を囲むようにしてリフレ
クタ20にネジ締め固定されており、放電バルブ18の
放電発光部24aから灯具前方および反射面20aの下
部領域へ向かう直射光を遮蔽するようになっている。す
なわち、図2に示すように、シェード22は、放電バル
ブ18の放電発光部24aの下方においては、120°
の角度範囲にわたって放電バルブ18を囲むように形成
されており、これにより両ブラックストライプ28L、
28R間の遮光膜非形成部位を透して放電発光部24a
から下方へ向かう光を遮蔽するようになっている。
【0033】図3は、車両用前照灯10により形成され
るロービーム照射用の配光パターンPを、リフレクタユ
ニット16と共に示す図である。
【0034】本実施形態においては、遮光膜28を構成
する左右1対のブラックストライプ28L、28Rの上
端縁28La、28Raが、放電バルブ18の光軸Ax
2およびリフレクタ20の光軸Ax1と同じ高さに位置
しているので、リフレクタ20の反射面20aには、そ
の上半分の反射領域に放電バルブ18の放電発光部24
aからの光が入射する。
【0035】仮に反射面20aが光軸Ax1を中心とす
る回転放物面であるとすると、その反射光により形成さ
れる配光パターンは、同図において2点鎖線で示すよう
に、上端縁がH線よりもやや下方に位置する略半円弧状
の配光パターンPoとなるが、本実施形態においては、
反射面20aに形成された反射素子20sの拡散偏向反
射制御機能により配光パターンPoを変形させ、同図に
実線で示すような配光パターンPを形成するようになっ
ている。
【0036】この配光パターンPは、右配光用の配光パ
ターンであって、V線の左右両側に段違いの水平カット
オフラインCL1、CL2を有している。左側の水平カ
ットオフラインCL1は、H線よりもやや下方に位置し
ており、配光パターンPoの上端縁をそのまま利用して
形成される。一方、右側の水平カットオフラインCL2
は、H線上に位置しており、配光パターンPoの上端縁
の一部を上方へ変位させることにより形成される。この
右側の水平カットオフラインCL2を形成するため、反
射面20aの左端部近傍領域20a1を構成する反射素
子20sは、放電発光部24aからの光を上向きに偏向
反射させるようになっている。
【0037】このような左右段違いの水平カットオフラ
インCL1、CL2を有する配光パターンPにおいて
は、上下方向のエイミングを行う際の基準として、左右
いずれの水平カットオフラインCL1、CL2の位置を
も採用することが可能となる。
【0038】そこで、上段側の水平カットオフラインC
L2の位置を基準にして上下方向のエイミングを行うよ
うにすれば、下段側の水平カットオフラインCL1に関
しては、その明暗比をあまり高める必要がなくなる。
【0039】したがって、下段側の水平カットオフライ
ンCL1の明暗比を適当な値に設定するとともに該水平
カットオフラインCL1の位置を適当に設定することに
より、車両走行中に下り坂から平坦路にさしかかった場
合等においても、前方路面が途中から急に暗くなって遠
方路面の視認性が低下してしまうのを抑制することがで
き、また、車両のピッチング等により水平カットオフラ
インCL1が僅かに上下した程度では、上向き照射光の
光度がさほど高いものとはならないようにすることがで
きるので、対向車ドライバにグレアを与えてしまうおそ
れを低減することができる。
【0040】このように、本実施形態によれば、放電バ
ルブを備えた車両用前照灯において、自車ドライバには
運転しやすく対向車ドライバにはグレアを与えるおそれ
が低いロービーム照射用の配光パターンを得ることがで
きる。
【0041】また、本実施形態に係る車両用前照灯10
において、上段側の水平カットオフラインCL2の位置
を基準にして上下方向のエイミングを行う場合、該水平
カットオフラインCL2がH線と一致する位置がエイミ
ング目標位置として設定されるので、エイミング測定用
の専用設備がなくても、車両前方の壁面等に照射された
配光パターンにおいて、その上段側の水平カットオフラ
インCL2を灯具基準軸Axの地上高に一致させるだけ
の簡単な操作により、エイミングを行うことができる。
【0042】しかも、本実施形態においては、既存の放
電バルブの仕様を一部変更するだけで(すなわち、遮光
膜28の両上端縁28La、28Raを放電バルブ18
の光軸Ax2を中心にして180°の角度範囲に設定す
るだけで)、V線の左右両側に水平カットオフラインC
L1、CL2を有する配光パターンPを得ることができ
る。
【0043】次に、本願発明の第2実施形態について説
明する。
【0044】図4は、本実施形態に係る車両用前照灯3
0を示す側断面図であり、図5は、そのV-V 線断面詳細
図である。
【0045】図4に示すように、この車両用前照灯30
の基本的構成は、第1実施形態の車両用前照灯10と同
様であるが、放電バルブ18における遮光膜28の形成
位置およびリフレクタ20に対する放電バルブ18の取
付位置が異なっている。
【0046】すなわち、本実施形態における遮光膜28
の形成角度範囲は、両ブラックストライプ28L、28
Rの上端縁28La、28Ra間の角度が165°にな
るように設定されており、各ブラックストライプ28
L、28Rの上下両端縁間の角度は、いずれも25°に
設定されている。
【0047】また、本実施形態においては、リフレクタ
20に対する放電バルブ18の固定支持が、遮光膜28
の両上端縁28La、28Raを同じ高さ(すなわち光
軸Ax2から左右斜め下向き7.5°となる角度位置)
に位置させるようにして行われるとともに、リフレクタ
20の光軸Ax1に対して放電バルブ18の光軸Ax2
を僅かに上向きに偏軸させた状態で行われている。この
偏軸は、リフレクタ20のバルブ挿着部20bを傾斜さ
せて形成することにより行われている。
【0048】図6は、車両用前照灯30により形成され
るロービーム照射用の配光パターンPを、リフレクタユ
ニット16と共に示す図である。
【0049】図示のように、本実施形態においても、仮
に反射面20aが光軸Ax1を中心とする回転放物面で
あるとした場合の配光パターンPoは、上端縁がH線よ
りもやや下方に位置する略半円弧状の配光パターンとな
っている。この配光パターンPoの上端縁が水平になる
のは、放電バルブ18を上向きに偏軸させたことによる
ものである。ただし、この偏軸の影響により、配光パタ
ーンPoの形状は、第1実施形態の場合に比してやや扁
平なものとなっている。
【0050】本実施形態においても、反射面20aに形
成された反射素子20sの拡散偏向反射制御機能により
配光パターンPoを変形させることで、第1実施形態と
同様、左右段違いの水平カットオフラインCL1、CL
2を有する配光パターンPを形成するようになってい
る。この配光パターンPにおける右側の水平カットオフ
ラインCL2を形成するため、反射面20aの左端部近
傍領域20a1を構成する反射素子20sにより、放電
発光部24aからの光を上向きに偏向反射させる点も第
1実施形態と同様である。
【0051】このような左右段違いの水平カットオフラ
インCL1、CL2を有する配光パターンPが得られる
ことから、本実施形態によっても、自車ドライバには運
転しやすく対向車ドライバにはグレアを与えるおそれが
低いロービーム照射用の配光パターンを得ることができ
る。
【0052】しかも、本実施形態においては、遮光膜2
8を構成する両ブラックストライプ28L、28Rの上
端縁28La、28Ra間の角度が165°の放電バル
ブ18を用いているので、既存の放電バルブ(すなわち
水平カットオフラインおよび15°カットオフラインを
形成するように遮光膜28が形成された放電バルブ)を
流用することができる。したがって、低コストで配光パ
ターンPを得ることができる。
【0053】また、本実施形態においては、遮光膜28
の形成角度範囲が第1実施形態の場合に比して15°小
さいので(換言すれば遮光膜28の上方側の角度範囲が
第1実施形態の場合に比して15°大きいので)、その
差の分だけロービーム照射に利用される光源光束が増大
することとなり、これにより灯具効率を高めることがで
きる。
【0054】さらに、本実施形態においては、放電バル
ブ18の上向き偏軸により、配光パターンPoにおける
高光度領域が、第1実施形態の場合に比して配光パター
ンPoの上端縁寄りに形成されるので、該配光パターン
Poを配光パターンPに変形するために行われるリフレ
クタ20の拡散偏向反射制御を容易化することができ
る。
【0055】上記各実施形態においては、遮光膜28が
左右1対のブラックストライプ28L、28Rからなる
放電バルブ18を用い、両ブラックストライプ28L、
28R間の遮光膜非形成部位を透して放電発光部24a
から下方へ向かう光についてはシェード22で遮蔽する
ように構成されているが、第1実施形態に関しては、既
存の放電バルブとは異なったバルブ仕様を採用するので
あるから、両ブラックストライプ28L、28Rの上端
縁28La、28Ra間の全角度範囲にわたって遮光膜
28が形成された放電バルブを用いるようにしてもよ
い。このようにすることにより、上述した作用効果に加
えて、シェード22の形状自由度を高めることができ
る。なお、第2実施形態に関しても、両ブラックストラ
イプ28L、28Rの上端縁28La、28Ra間の全
角度範囲にわたって遮光膜28が形成された放電バルブ
を用いるようにすれば、既存の放電バルブを流用できる
という作用効果は得られなくなるが、シェード22の形
状自由度を高めることができる。
【0056】また、上記各実施形態においては、左右段
違いの水平カットオフラインCL1、CL2を有する配
光パターンPとして、上段側の水平カットオフラインC
L2がH線と一致する配光パターンを用いたが、自車ド
ライバには運転しやすく対向車ドライバにはグレアを与
えるおそれが低いロービーム照射用の配光パターンを得
る上で、水平カットオフラインCL2をH線と一致させ
ることは必須ではなく、これをH線の上方あるいは下方
に位置させるようにしてもよい。
【0057】さらに、上記各実施形態においては、略半
円弧状の配光パターンPoから配光パターンPへの変形
をリフレクタ20の拡散偏向反射制御により行うように
なっており、レンズ12は素通しレンズとなっている
が、レンズ12にレンズステップ等を形成し、その拡散
偏向透過制御により上記パターン変形を行うようにする
ことも可能である。このようにした場合においても、上
記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】また、上記各実施形態においては、右配光
用の配光パターンPを得るための灯具構成について説明
したが、上記各実施形態の灯具構成を左右反転させるこ
とにより、配光パターンPと左右対称な左配光用の配光
パターンを得ることができる。そして、このようにした
場合においても、上記各実施形態と同様の作用効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態に係る車両用前照灯を
示す側断面図
【図2】図1のII-II 線断面詳細図
【図3】第1実施形態に係る車両用前照灯により形成さ
れるロービーム照射用の配光パターンをリフレクタユニ
ットと共に示す図
【図4】本願発明の第2実施形態に係る車両用前照灯を
示す側断面図
【図5】図4のV-V 線断面詳細図
【図6】第2実施形態に係る車両用前照灯により形成さ
れるロービーム照射用の配光パターンをリフレクタユニ
ットと共に示す図
【図7】従来例を示す、図2と同様の図
【図8】従来例を示す、図3と同様の図
【符号の説明】
10、30 車両用前照灯 12 レンズ 14 ランプボディ 16 リフレクタユニット 18 放電バルブ 20 リフレクタ 20a 反射面 20a1 左端部近傍領域 20b バルブ挿着孔 20s 反射素子 22 シェード 24 アークチューブ 24a 放電発光部 26 アウタチューブ 26a 外周面 28 遮光膜 28L、28R ブラックストライプ 28La、28Ra 上端縁 Ax 灯具基準軸 Ax1 リフレクタの光軸 Ax2 放電バルブの光軸 CL1、CL2 水平カットオフライン P、Po 配光パターン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に延びる放電発光部を有するア
    ークチューブと、このアークチューブを筒状に囲むアウ
    タチューブと、このアウタチューブの外周面に、該外周
    面の左右両側に上端縁を位置させるようにして所定の角
    度範囲にわたって形成された遮光膜と、を備えてなる放
    電バルブと、 この放電バルブを固定支持するとともに該放電バルブの
    放電発光部からの光を前方へ反射させるリフレクタと、
    を備えてなる車両用前照灯において、 上記リフレクタに対する上記放電バルブの固定支持が、
    上記遮光膜の両上端縁を略同じ高さに位置させるように
    して行われている、ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 【請求項2】 上記所定の角度範囲が、上記放電発光部
    を中心にして略180°の角度範囲に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
  3. 【請求項3】 上記所定の角度範囲が、上記放電発光部
    を中心にして略165°の角度範囲に設定されており、 上記リフレクタに対する上記放電バルブの固定支持が、
    上記リフレクタの光軸に対して上記放電バルブの光軸を
    所定角度上向きに偏軸させた状態で行われている、こと
    を特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
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