JP3145924B2 - 車輌用前照灯 - Google Patents

車輌用前照灯

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JP3145924B2 JP20655196A JP20655196A JP3145924B2 JP 3145924 B2 JP3145924 B2 JP 3145924B2 JP 20655196 A JP20655196 A JP 20655196A JP 20655196 A JP20655196 A JP 20655196A JP 3145924 B2 JP3145924 B2 JP 3145924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、放電バルブを備
えた車輌用前照灯、特に、副灯配光パターン形成用の前
照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電バルブは高輝度照射が可能なことか
ら、近年、車輌用前照灯の光源としても採用されるよう
になってきている。
【0003】このような放電バルブを備えた前照灯にお
いて、斜めカットラインおよび水平カットラインを有す
る副灯配光パターンを形成するようにした場合には、遠
方視認性に優れかつ幅広い照射角を有する副灯配光パタ
ーンを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記副灯配光パターン
における広拡散領域は、リフレクタ反射面の上部領域か
らの反射光を用いるのが一般的であるが、その際、図7
に示すように、リフレクタ16の反射面22の上部領域
22Aに、放電バルブ18からの光を水平方向に拡散反
射させる反射面素子22Asを形成し、この反射面素子
22Asにより、斜めカットラインCL1の下方位置か
ら水平カットラインCL2の下方位置まで延びる水平拡
散配光パターンを形成しようとした場合には、次のよう
な問題が生じる。
【0005】すなわち、上記反射面素子22Asにより
形成される水平拡散配光パターンは、図7において2点
鎖線で示すような一直線状の配光パターンPAoではな
く、実線で示すような左右両端部が上方へ湾曲した配光
パターンPAo′となる。
【0006】これは、反射面22の上部領域22Aに形
成された反射面素子22Asには、放電バルブ18から
の光が上向き光として入射するため、反射面素子22A
sの左右端部(水平拡散配光パターンPAoの両端部へ
向かう光を反射させる部位)の法線ベクトルが、反射面
素子22Asの中央部(水平拡散配光パターンPAoの
中央部へ向かう光を反射させる部位)の法線ベクトルに
比して、上向きとなることによるものである(この点に
ついては後に詳述する)。
【0007】このように左右両端部が上方へ湾曲した水
平拡散配光パターンPAo′が形成される結果、その水
平カットライン側の端部PAob′が水平カットライン
CL2よりも上方へ突出して、これが対向車のドライバ
等に対してグレアを与えてしまう、という問題が生じ
る。一方、水平拡散配光パターンPAo′の斜めカット
ライン側の端部PAoa′については、斜めカットライ
ンCL1の下方に位置するため特に問題とならず、むし
ろ自車線側の路肩部分の視認性が向上するという効果が
得られる。
【0008】上述した水平拡散配光パターンの左右両端
部の上方湾曲現象は、反射光の水平拡散角が大きくなる
ほど顕著に現れるが、ハロゲンバルブ等を光源とする従
来の前照灯においては広拡散配光パターンを形成した場
合その両端部の光度はかなり低下するため、上記のよう
な上方湾曲現象が発生しても実用上ほとんど問題とはな
らなかったが、放電バルブを備えた前照灯においては、
光源のパワーが非常に大きく広拡散配光パターンを形成
した場合であってもその左右端部まで高光度で照射され
るため、上方湾曲現象による問題が生じるに至ってい
る。
【0009】さらに、放電バルブはハロゲンバルブ等と
は光度分布特性が全く異なる像を形成するという点から
も、上方湾曲現象による問題が一層顕著に現れるように
なってきている。
【0010】すなわち、図8は、光源からの光がリフレ
クタ反射面22のある一点で反射して前方スクリーンに
照射されたときの、光源の像の長手方向の光度分布を示
す図であるが、図8(a)に示すように、光源がハロゲ
ンバルブ(のフィラメント18a′)である場合には、
光源の像I′の長手方向の光度分布は、その両端部の光
度が徐々に低下する特性になるのに対し、図8(b)に
示すように、光源が放電バルブ(の発光部(アーク)1
8a)である場合には、光源の像Iの長手方向の光度分
布は、その両端部の光度が急激に低下する特性になる。
【0011】このように長手方向両端部の光度が急激に
低下する光度分布特性を有する像Iをその長手方向に拡
散させて、図7に示すような水平拡散配光パターンPA
o′を形成した場合には、その水平カットラインCL2
よりも上方へ突出する水平カットライン側の端部PAo
b′も高光度となり、放電バルブのパワー自体が非常に
大きいことと相俟って、対向車のドライバ等に対してグ
レアを与えることとなる。
【0012】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、放電バルブを備えた前照灯におい
て、リフレクタ反射面の上部領域の反射面素子からの拡
散反射光により形成される水平拡散配光パターンを、グ
レア光を発生させることなく副灯配光パターンの一部と
して有効に活用することができる車輌用前照灯を提供す
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明は、リフレクタ
反射面の上部領域の反射面素子の形状を工夫することに
より、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0014】すなわち、本願発明は、請求項1に記載し
たように、放電バルブと、この放電バルブからの光を前
方へ反射させる反射面を有するリフレクタとを備えてな
り、斜めカットラインおよび水平カットラインを有する
副灯配光パターンを形成するように構成された車輌用前
照灯において、上記反射面において上記放電バルブから
の光が上向き光として入射する領域に、上記放電バルブ
からの光を水平方向に拡散反射させて、上記斜めカット
ライン下方位置から上記水平カットライン下方位置まで
延びる水平拡散配光パターンを形成する反射面素子が形
成されており、上記反射面素子に、該反射面素子から上
記水平拡散配光パターンの水平カットライン側の端部へ
向かう反射光を下げる捩れ変形補正が施されている、こ
とを特徴とするものである。
【0015】上記「副灯配光パターン」は、リフレクタ
による反射光制御のみによって形成するようにしてもよ
いし、これにレンズによる透過光制御を組み合わせるこ
とによって形成するようにしてもよい。
【0016】上記「水平拡散配光パターン」は、斜めカ
ットライン下方位置から水平カットライン下方位置まで
延びるものであれば、その拡散角の広狭および左右拡散
バランス等は特に限定されるものではない。
【0017】上記「捩れ変形補正」は、上記反射面素子
から水平拡散配光パターンの水平カットライン側の端部
へ向かう反射光を下げるように捩れ変形させる補正であ
れば、その具体的方法は特に限定されるものではない。
【0018】例えば、請求項2に記載したように、反射
面素子において水平拡散配光パターンの水平カットライ
ン側の端部へ向かう光を反射させる部位の上下方向の曲
率を、反射面素子における他の部位の上下方向の曲率に
比して、反射面素子の下部から上部へかけて徐々に大き
くすることにより、上記捩れ変形補正を行うことができ
る。具体的には、例えば請求項3に記載したように、各
部位における上下方向の断面形状が放物線状に設定され
た反射面素子において、水平拡散配光パターンの水平カ
ットライン側の端部へ向かう光を反射させる部位の放物
線の焦点距離を他の部位の放物線の焦点距離よりも小さ
い値に設定するようにすればよい。また、請求項4に記
載したように、反射面素子において水平拡散配光パター
ンの水平カットライン側の端部へ向かう光を反射させる
部位を、反射面素子における他の部位に比して、下向き
に傾斜させることによっても、上記捩れ変形補正を行う
ことができる。
【0019】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に
おいては、リフレクタ反射面において放電バルブからの
光が上向き光として入射する領域に、放電バルブからの
光を水平方向に拡散反射させて、斜めカットライン下方
位置から水平カットライン下方位置まで延びる水平拡散
配光パターンを形成する反射面素子が形成されている
が、この反射面素子に、該反射面素子から水平拡散配光
パターンの水平カットライン側の端部へ向かう反射光を
下げる捩れ変形補正が施されているので、上記水平拡散
配光パターンは、その水平カットライン側の端部におけ
る上方への湾曲が存在しないあるいは緩和されたものと
なる。
【0020】このため、水平拡散配光パターンの水平カ
ットライン側の端部が水平カットラインよりも上方へ突
出して、これが対向車のドライバ等に対してグレアとな
る、という問題が生じるのを未然に防止することができ
る。一方、上方湾曲が生じても斜めカットラインの下方
に位置する斜めカットライン側の端部については、上方
湾曲状態を適当に維持しておくことにより、自車線側の
路肩部分の視認性を向上させることができる。
【0021】このように、本願発明によれば、放電バル
ブを備えた車輌用前照灯において、リフレクタ反射面の
上部領域の反射面素子からの拡散反射光により形成され
る水平拡散配光パターンを、グレア光を発生させること
なく副灯配光パターンの一部として有効に活用すること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の
実施の形態について説明する。
【0023】図1は、本願発明の一実施形態に係る車輌
用前照灯を示す正面図であり、図2は、その側断面図で
ある。
【0024】これらの図に示すように、本実施形態に係
る前照灯10は、レンズ12とボディ14とで形成され
る空間内に、放電バルブ18およびシェード20が取り
付けられたリフレクタ16が上下方向および左右方向に
傾動可能に設けられてなり、図3に示すような斜めカッ
トライン(15°カットライン)CL1および水平カッ
トラインCL2を有する左配光の副灯配光パターンPを
形成するように構成されている。
【0025】上記レンズ12は素通しレンズであって、
上記副灯配光パターンPはリフレクタ16により形成さ
れるようになっている。
【0026】すなわち、上記リフレクタ16の反射面2
2は、前後方向に延びる光軸Axを中心軸とする回転放
物面を基準面として設定するとともに、この基準面を複
数のセグメントに区分けしてこれら各セグメントに上記
基準面とは曲率の異なる反射面素子22sを割り付ける
ことにより構成されている。そして、上記各反射面素子
22sの曲率を適当な値に設定することにより、上記副
灯配光パターンPを得るようにしている。
【0027】上記放電バルブ18は、メタルハライド放
電バルブであって、その光軸(基準軸)をリフレクタ1
6の光軸Axと一致させるとともに、その発光部(アー
ク)18aをリフレクタ16の基準面たる回転放物面の
焦点位置Fよりもやや前方に位置させるようにして、リ
フレクタ16に取り付けられている。上記放電バルブ1
8は、その点灯のために高電圧を必要とするため、バル
ブソケット24および高圧コード26を介して点灯回路
(図示せず)に接続されている。また、上記リフレクタ
16の前方には、エクステンション28が設けられてい
る。
【0028】上記シェード20は、放電バルブ18の前
方を覆うカップ状の先端部20aと、この先端部20a
から放電バルブ18の下側を略半円筒状に覆うようにし
て後方へ延び、後端部においてリフレクタ16に固定さ
れた半円筒部20bとからなり、上記先端部20aによ
って、放電バルブ18から灯具前方へ向かう直射光を遮
蔽するとともに、上記半円筒部20bによって、放電バ
ルブ18からリフレクタ16の反射面22の下部領域へ
向かう光を遮蔽するようになっている。そして、上記半
円筒部20bの右側(灯具前方へ向かって右側、以下同
様)上端縁20b1によって上記斜めカットラインCL
1を形成するとともに、左側上端縁20b2によって上
記水平カットラインCL2を形成するようになってい
る。
【0029】図1に2点鎖線で示すように、上記リフレ
クタ16の反射面22には、上記右側上端縁20b1お
よび左側上端縁20b2により、放電バルブ18の発光
部18aからの光の影線SL1およびSL2が形成され
ることとなる。
【0030】上記リフレクタ16の反射面22のうち、
その光軸Axの上方に位置する領域(図1において斜線
で示す領域)22Aが、図3に示す副灯配光パターンP
における広拡散の水平拡散配光パターンPAを形成する
広拡散反射領域である。この水平拡散配光パターンPA
は、3つの水平拡散配光パターンPA1、PA2および
PA3が合成されてなっている。
【0031】上記水平拡散配光パターンPA1は、上記
広拡散反射領域22Aにおいて中央寄りに位置する1対
の反射面素子22As1からの反射光により形成され、
上記水平拡散配光パターンPA2は、上記1対の反射面
素子22As1の両側に隣接する1対の反射面素子22
As2からの反射光により形成され、上記水平拡散配光
パターンPA3は、上記1対の反射面素子22As2の
両側に隣接する1対の反射面素子22As3からの反射
光により形成されるようになっている。
【0032】上記各反射面素子22As1、22As
2、22As3を形成するにあたり、その上下方向の断
面形状を、仮に、反射面素子内の各位置においてリフレ
クタ16の基準面たる回転放物面と同じ焦点距離の放物
線形状とした場合には、これら各反射面素子22As
1、22As2、22As3からの反射光により形成さ
れる水平拡散配光パターンは、図3において2点鎖線で
示すように、左右両端部が上方へ湾曲した水平拡散配光
パターンPA1′、PA′2、PA3′となる。
【0033】このような上方湾曲現象が発生する原因に
ついては、すでに [発明が解決しようとする課題] の欄
で簡単に説明したが、図4に示す鞍形の反射面素子モデ
ルSmを用いてさらに詳細に説明する。
【0034】この反射面素子モデルSmにおいて、光源
Bmからの光が水平光として入射する位置では、その中
央部の点Qoにおける法線ベクトルVoと、その左右端
部の点Q1、Q2の法線ベクトルV1、V2とが同一水
平面内にあるのに対し、光源Bmからの光が上向き光と
して入射する位置では、その中央部の点Qo′における
法線ベクトルVo′に比して、その左右端部の点Q
1′、Q2′の法線ベクトルV1′、V2′が上向きと
なる。このことは、図中破線で示すように、法線ベクト
ルVo′を点Q1′において鉛直軸線まわりに回転させ
たベクトルVo″が、法線ベクトルV1′と一致せずに
下向きとなっていることからも明らかである。
【0035】このため、光源Bmからの光が水平光とし
て入射する位置からの反射光により形成される水平拡散
配光パターンは、水平方向に一直線状に延びる配光パタ
ーンとなるのに対し、光源Bmからの光が上向き光とし
て入射する位置からの反射光により形成される水平拡散
配光パターンは、左右両端部が上方へ湾曲した配光パタ
ーンとなる。この左右両端部における上方湾曲の程度
は、光源Bmからの入射光の上向き角が大きくなるほ
ど、また反射光の左右拡散角が大きくなるほど大きくな
る。
【0036】図3において、左右両端部が上方へ湾曲し
た水平拡散配光パターンPA1′、PA2′、PA3′
は、その右端部(水平カットライン側の端部)PA1
b′、PA2b′、PA3b′が水平カットラインCL
2よりも上方へ突出して、これが対向車のドライバ等に
対してグレアを与えてしまう一方、その左端部(斜めカ
ットライン側の端部)PA1a′、PA2a′、PA3
a′については、斜めカットラインCL1の下方に位置
するため、グレア光発生のおそれはなく、むしろある程
度の上方湾曲によって自車線側の路肩部分の視認性が向
上するという効果が得られる。
【0037】このため、本実施形態においては、図3に
実線で示すように、右端部については上方湾曲を大きく
矯正する一方、左端部については上方湾曲を適度に矯正
した水平拡散配光パターンPA1、PA2、PA3を得
るようにしている。この上方湾曲の矯正は、上記各反射
面素子22As1、22As2、22As3に対して次
のような捩れ変形補正を施すことにより行われている。
【0038】図5において、反射面素子22As2を例
に挙げて説明する。
【0039】この反射面素子22As2の中央部におけ
る鉛直断面形状(リフレクタ16の光軸Axと平行な鉛
直面に沿った断面形状(図中1点鎖線で示す))は、リ
フレクタ16の基準面たる回転放物面を構成する焦点距
離fの放物線形状poに設定されているが、反射面素子
22As2の右端部における鉛直断面形状は、焦点距離
f1(f1<f)の放物線形状p1に設定されており、
また、反射面素子22As2の左端部における鉛直断面
形状は、焦点距離f2(f1<f2<fo)の放物線形
状p2に設定されている。さらに、この反射面素子22
As2のその他の部分における鉛直断面形状は、上記3
つの放物線形状を補間した放物面形状に設定されてい
る。
【0040】これにより、上記反射面素子22As2
は、その左右両端部の上下方向の曲率が、その中央部の
上下方向の曲率に比して、該反射面素子22As2の下
部から上部へかけて徐々に大きくなるよう、元の面形状
に対して捩れ変形補正が施されたものとなる。この捩れ
変形補正により、反射面素子22As2の左右両端部に
おける法線ベクトルV1p1′、V2p2′は、捩れ変
形補正前の法線ベクトルV1po′、V2po′に比し
て下向きとなる。
【0041】そして、これにより、図3に示すように、
水平拡散配光パターンPA2′の右端部PA2b′を僅
かに上方湾曲する程度にまで下げるとともに、水平拡散
配光パターンPA2′の左端部PA2a′を多少下げて
上方湾曲をある程度残した水平拡散配光パターンPA2
を得ることができる。
【0042】上記広拡散反射領域22Aを構成する他の
反射面素子22As1、22As3についても、反射面
素子22As2の場合と同様の方法で捩れ変形補正が施
されているが、その際の捩れ変形補正の度合いが反射面
素子22As2の場合と異なっている。
【0043】すなわち、反射面素子22As1の場合に
は、図3に示すように、水平拡散配光パターンPA1′
の右端部PA1b′を上方湾曲がなくなるまで下げる一
方、その左端部PA1a′は上方湾曲をそのまま残した
水平拡散配光パターンPA1が得られるように捩れ変形
補正が施されており、また、反射面素子22As3の場
合には、水平拡散配光パターンPA3′の左右両端部P
A3a′、PA3b′を僅かに上方湾曲する程度にまで
下げた水平拡散配光パターンPA3が得られるように捩
れ変形補正が施されている。
【0044】以上詳述したように、本実施形態において
は、リフレクタ16の反射面22において放電バルブ1
8からの光が上向き光として入射する領域が、広拡散反
射領域22Aとして設定されているが、この広拡散反射
領域22Aを構成する反射面素子22As1、22As
2、22As3に、該反射面素子から水平拡散配光パタ
ーンPAの右端部へ向かう反射光を水平カットラインC
Lの下方まで下げるとともに、該反射面素子から水平拡
散配光パターンPAの左端部へ向かう反射光を幾分下げ
る捩れ変形補正が施されているので、水平拡散配光パタ
ーンPAの右端部が水平カットラインCLよりも上方へ
突出して対向車のドライバ等に対してグレアとなるのを
未然に防止することができ、一方、水平線(H−H線)
付近まで上方湾曲した水平拡散配光パターンPAの左端
部により、自車線側の路肩部分の視認性を向上させるこ
とができる。
【0045】このように、本実施形態によれば、放電バ
ルブを備えた車輌用前照灯において、リフレクタ反射面
の上部領域の反射面素子からの拡散反射光により形成さ
れる水平拡散配光パターンを、グレア光を発生させるこ
となく副灯配光パターンの一部として有効に活用するこ
とができる。
【0046】上記実施形態においては、上記反射面素子
22As2の捩れ変形補正が、その左右両端部の上下方
向の曲率を、その中央部の上下方向の曲率に比して、該
反射面素子22As2の下部から上部へかけて徐々に大
きくすることにより行われるものとして説明したが、図
6に示す反射面素子22As2′のように、該反射面素
子22As2′のどの位置においても上下方向の曲率を
一定(放物線形状po)にしたまま、その左右両端部を
その中央部に比して下向きに傾斜させることにより行わ
れるものとしてもよい。この捩れ変形補正により、反射
面素子22As2′の左右両端部における法線ベクトル
V1po″、V2po″は、捩れ変形補正前の法線ベク
トルV1po′、V2po′に比して下向きとなる。そ
して、これにより、図3に示す水平拡散配光パターンP
A2を得ることができる。
【0047】上記広拡散反射領域22Aを構成する他の
反射面素子22As1、22As3についても、上記反
射面素子22As2′と同様の方法で捩れ変形補正を施
こすことが可能である。
【0048】上記実施形態においては、上記各反射面素
子22As1、22As2、22As3の水平方向の断
面形状が、凸状に形成されたものについて説明したが、
これが凹状に形成されている場合にも、水平拡散配光パ
ターン両端部が上方へ湾曲する現象が発生するので、こ
れに対し、上記実施形態と同様の捩れ変形補正を施すこ
とにより、本実施形態と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0049】また、上記実施形態においては、上記各反
射面素子22As1、22As2、22As3の中央部
を基準にしてその左右端部へ向けて捩れ変形補正を施す
ようにしたが、簡易的には、その左端部を基準にしてそ
の右端部へ向けて捩れ変形補正を施すようにしてもよ
い。このようにした場合には、上記実施形態のように水
平拡散配光パターンPAの左右両端部の上方湾曲の矯正
を木目細かく行うことは困難となるが、水平拡散配光パ
ターンPAの右端部が水平カットラインCLよりも上方
へ突出して対向車のドライバ等に対してグレアとなるの
を未然に防止するとともに、水平拡散配光パターンPA
の左端部により自車線側の路肩部分の視認性を向上させ
ることは容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車輌用前照灯を示
す正面図
【図2】上記前照灯の側断面図
【図3】上記実施形態の作用を示すスクリーン配光パタ
ーン図
【図4】水平拡散配光パターンの左右両端部に上向き湾
曲が発生する原理を説明するための反射素子モデルを示
す斜視図
【図5】上記実施形態の作用を示す、反射面素子の斜視
【図6】上記実施形態の変形例を示す、図5と同様の図
【図7】従来例の作用を示すスクリーン配光パターン図
【図8】光源としてハロゲンバルブを用いた場合と放電
バルブを用いた場合とで、その反射光の像の長手方向の
光度分布特性に生じる差を示す図
【符号の説明】
10 前照灯 12 レンズ 14 ボディ 16 リフレクタ 18 放電バルブ 18a 発光部(アーク) 20 シェード 22 反射面 22s 反射面素子 22A 広拡散反射領域 22As1、22As2、22As3、22As2′
反射面素子 Ax 光軸 F 焦点位置 CL1 斜めカットライン CL2 水平カットライン P 副灯配光パターン PA、PA1、PA2、PA3 水平拡散配光パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−148002(JP,A) 特開 平6−89601(JP,A) 特開 平4−249801(JP,A) 特開 平1−272001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21S 8/10 F21V 7/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電バルブと、この放電バルブからの光
    を前方へ反射させる反射面を有するリフレクタとを備え
    てなり、斜めカットラインおよび水平カットラインを有
    する副灯配光パターンを形成するように構成された車輌
    用前照灯において、 上記反射面において上記放電バルブからの光が上向き光
    として入射する領域に、上記放電バルブからの光を水平
    方向に拡散反射させて、上記斜めカットライン下方位置
    から上記水平カットライン下方位置まで延びる水平拡散
    配光パターンを形成する反射面素子が形成されており、 上記反射面素子に、該反射面素子から上記水平拡散配光
    パターンの水平カットライン側の端部へ向かう反射光を
    下げる捩れ変形補正が施されている、ことを特徴とする
    車輌用前照灯。
  2. 【請求項2】 上記捩れ変形補正が、上記反射面素子に
    おいて上記水平拡散配光パターンの水平カットライン側
    の端部へ向かう光を反射させる部位の上下方向の曲率
    を、上記反射面素子における他の部位の上下方向の曲率
    に比して、上記反射面素子の下部から上部へかけて徐々
    に大きくすることにより行われている、ことを特徴とす
    る請求項1記載の車輌用前照灯。
  3. 【請求項3】 上記反射面素子の各部位における上下方
    向の断面形状が放物線状に設定されており、上記水平拡
    散配光パターンの水平カットライン側の端部へ向かう光
    を反射させる部位の上記放物線の焦点距離が、上記他の
    部位の上記放物線の焦点距離よりも小さい値に設定され
    ている、ことを特徴とする請求項2記載の車輌用前照
    灯。
  4. 【請求項4】 上記捩れ変形補正が、上記反射面素子に
    おいて上記水平拡散配光パターンの水平カットライン側
    の端部へ向かう光を反射させる部位を、該反射面素子に
    おける他の部位に比して、下向きに傾斜させることによ
    り行われている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か記載の車輌用前照灯。
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