JP4203228B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成された車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用前照灯のロービーム用の配光パターンとしては、図15に示すように、水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2を有する配光パターンPが多く採用されている。このロービーム配光パターンPにおいては、水平カットオフラインCL1を対向車線側に配置するとともにこの水平カットオフラインCL1から斜めに立ち上がる斜めカットオフラインCL2を自車線側に配置することにより、対向車ドライバへのグレア防止を図りつつ自車ドライバの前方視認性を確保するようになっている。
【0003】
そしてこのようなロービーム配光パターンPを得るため、従来の車両用前照灯においては、車両前後方向に延びる灯具光軸Axと略同軸で光源2を配置するとともに該光源2からの光をリフレクタ4の反射面4aに入射させ、該反射面4aにおける灯具光軸Axの左右両側の反射領域4a1、4a2で反射した光により、両カットオフラインCL1、CL2を形成するように構成されている。なお、同図において2点鎖線で示す配光パターンPoは、反射面4aが灯具光軸Axを中心軸とする回転放物面で構成されていると仮定した場合に照射される基本配光パターンである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の車両用前照灯においては、両カットオフラインCL1、CL2の形成が左右両側の反射領域4a1、4a2からの反射光により行われるので、図16に示すようにリフレクタ4の左右幅が小さくなるとその反射面4aにおける左右両側の反射領域4a1、4a2の面積も小さくなり、基本配光パターンPoの中心部分が欠落してしまうこととなる。このため、ロービーム配光パターンPの中心部におけるカットオフライン近傍部分の光量が不十分となり、遠方視認性を十分に確保することができなくなってしまう、という問題がある。
【0005】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、たとえそのリフレクタの左右幅が小さい場合であってもロービーム配光パターンのカットオフラインを明瞭に形成するとともにカットオフライン近傍部分の光量を十分に確保して遠方視認性を高めることができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、光源の下方近傍に所定の遮光体を設けるとともにリフレクタの反射面形状に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0007】
すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、
車両前後方向に延びる灯具光軸と略同軸で配置された光源と、この光源からの光を前方へ反射させる反射面を有するリフレクタとを備えてなり、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、
上記光源の下方近傍に、該光源から上記反射面における上記灯具光軸の下方に位置する下部反射領域へ向かう光の一部を遮蔽する複数の遮光体が、前後方向に所定間隔をおいて設けられており、
上記下部反射領域の鉛直断面形状が、上記光源の後端位置と上記各遮光体の後端縁とを結ぶ直線が上記下部反射領域と交わる第1交点から、上記光源の前端位置と上記各遮光体の後端縁とを結ぶ直線が上記下部反射領域と交わる第2交点までの所定長範囲の各領域において、上記各遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定されている、ことを特徴とするものである。
【0008】
上記「光源」は、灯具光軸と略同軸で配置されたものであれば特定の光源に限定されるものではなく、例えば、ハロゲンバルブ等のフィラメントや放電バルブの放電発光部等が採用可能である。
【0009】
上記「所定のカットオフライン」は、ロービーム配光パターンとその上部空間との明暗境界線となるものであれば、特定形状のカットオフラインに限定されるものではなく、例えば、水平カットオフラインおよび斜めカットオフライン、左右段違いの2つの水平カットオフライン、単一の水平カットオフライン等が採用可能である。
【0010】
上記「複数の遮光体」は、光源の下方近傍に、該光源から下部反射領域へ向かう光の一部を遮蔽するように前後方向に所定間隔をおいて設けられたものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば、光源バルブのガラス面に所定形状の塗膜を形成することにより構成されたもの、複数の小シェードを光源バルブの下方近傍に設けることにより構成されたもの、前後方向に所定間隔をおいて透光用スリットが形成されたシェードを光源バルブの下方近傍に設けることにより構成されたもの等が採用可能である。
【0011】
上記「下部反射領域」の水平断面形状については、その具体的形状は特に限定されるものではなく、放物線、双曲線、円弧等の単一曲線形状であってもよいし、複数の曲線をつなぎ合わせた曲線形状であってもよい。また、上記反射面における下部反射領域以外の部分については、その鉛直断面形状および水平断面形状共に特に限定されるものではない。
【0012】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成されているが、光源の下方近傍に該光源から反射面の下部反射領域へ向かう光の一部を遮蔽する複数の遮光体が前後方向に所定間隔をおいて設けられており、また、下部反射領域の鉛直断面形状が、光源の後端位置と各遮光体の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域と交わる第1交点から、光源の前端位置と各遮光体の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域と交わる第2交点までの所定長範囲の各領域において、各遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0013】
すなわち、反射面の下部反射領域における所定長範囲の各領域は、その鉛直断面形状が各遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定されているので、該領域の各点からの反射光により形成される光源の像は、その上端縁の上下方向の位置が揃ったものとなる。したがって所定長範囲の各領域からの反射光によりロービーム配光パターンのカットオフラインを形成するようにすれば、これら各領域からの反射光により形成される配光パターンの重ね合わせにより、ロービーム配光パターンのカットオフラインを明瞭に形成するとともにカットオフライン近傍部分の光量を十分に確保することができる。
【0014】
このように本願発明によれば、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、たとえそのリフレクタの左右幅が小さい場合であっても、ロービーム配光パターンのカットオフラインを明瞭に形成するとともにカットオフライン近傍部分の光量を十分に確保して遠方視認性を高めることができる。また、リフレクタの左右幅が大きい車両用前照灯においては、ロービーム配光パターンにおけるカットオフライン近傍部分の光量を増大させることができるので、遠方視認性をより一層高めることができる。
【0015】
上記「下部反射領域」は、連続した曲面として形成することも可能であるが、上記各第1交点近傍を通る水平面を境に上下に区分けされた複数の反射素子からなる構成とすれば、所定長範囲の各領域相互間に位置する各領域の表面形状を容易に設定することが可能となる。その際、上記各反射素子における所定長範囲の各領域以外の領域の鉛直断面形状を、光源の前端位置を焦点とする放物線形状に設定すれば、該領域からの反射光により形成される光源の像についても、カットオフラインの上方へはみ出させることなくカットオフラインの下方近傍に形成することができる。したがってロービーム配光パターンのカットオフライン近傍部分の光量の増大を図ることができる。
【0016】
上記「複数の遮光体」の具体的構成が特に限定されないことは上述したとおりであるが、前後方向に所定間隔をおいて透光用スリットが形成されたシェードからなる構成とすれば、光源バルブに手を加えることなく、各遮光体の位置および遮光体相互の間隔を正確に設定することができる。
【0017】
ところで、上記複数の遮光体を前後方向に所定間隔をおいて設ける代わりに、単一の遮光体を設けるようにした場合においても、下部反射領域の鉛直断面形状を、光源の後端位置と遮光体の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域と交わる第1交点から、光源の前端位置と遮光体の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域と交わる第2交点までの所定長範囲の領域において、遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定するようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0018】
すなわち、反射面の下部反射領域における所定長範囲の領域は、その鉛直断面形状が遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定されているので、該領域の各点からの反射光により形成される光源の像は、その上端縁の上下方向の位置が揃ったものとなる。したがって所定長範囲の領域からの反射光によりロービーム配光パターンのカットオフラインを形成するようにすれば、この領域からの反射光により形成される配光パターンにより、ロービーム配光パターンのカットオフラインをある程度明瞭に形成するとともにカットオフライン近傍部分の光量をある程度確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1および2は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯10を示す正面図および側断面図である。
【0021】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、正面視において縦長矩形状の輪郭形状を有する灯具であって、前面レンズ12とランプボディ14とで形成される灯室内に、リフレクタユニット16が、図示しないエイミング機構により車両前後方向に延びる灯具光軸Axを中心にして上下および左右方向に傾動可能に設けられてなっている。また、灯室内における前面レンズ12の後方近傍には、リフレクタユニット16を囲むようにしてエクステンションパネル24が設けられている。
【0022】
前面レンズ12は、その下端部から上端部へ向けて後方へ大きく傾斜するように形成された素通しレンズで構成されている。
【0023】
リフレクタユニット16は、光源バルブ18とリフレクタ20とシェード22とを備えてなっている。光源バルブ18は、単一のフィラメントを光源18aとして有するハロゲンバルブであって、光源18aが灯具光軸Axと同軸で配置されるようにしてリフレクタ20の後頂部に取り付けられている。
【0024】
図3および4は、リフレクタユニット16を単品で示す正面図および平断面図である。また、図5、6および7は、リフレクタユニット16を単品で示す側断面図である。
【0025】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用前照灯10はその正面形状が縦長矩形状であることから、リフレクタ20も左右幅の狭い縦長矩形状の輪郭形状を有している。
【0026】
このリフレクタ20は、灯具光軸Axを中心軸としかつ光源18aの前端位置を焦点Fとする回転放物面p上に所定の表面形状を有する複数の反射素子20sが形成されてなる反射面20aを有している。そして、この反射面20aを構成する各反射素子20sにより光源18aからの光を前方へ拡散偏向反射させるようになっている。灯具光軸Axの位置は、反射面20aの上下方向中心位置よりもかなり上方に変位した位置に設定されている。これに伴いリフレクタ20は、その上端縁の前方突出量が小さく下端縁の前方突出量が大きくなっている。
【0027】
シェード22は、光源バルブ18の前端部を覆うように設けられており、図示しないステーを介してリフレクタ20に固定されている。このシェード22は、その下面壁22aにおいて、光源18aから反射面20aにおける灯具光軸Axの下方に位置する下部反射領域20a1へ向かう光の一部を遮蔽するようになっている。この下面壁22aには、前後方向に所定間隔をおいて3つの透光用スリット26が形成されており、これら各透光用スリット26の後方側には帯状の遮光部22a1、22a2、22a3(遮光体)が形成されている。
【0028】
図3および4に示すように、下部反射領域20a1は、灯具光軸Axを通る鉛直面の両側に位置する2列の反射素子20s1、20s2、20s3、20s4で構成されている。これら反射素子20s1、20s2、20s3、20s4は、図中斜線で示す第1領域A1、A2、A3と、その上方側の第2領域B1、B2、B3、B4(反射素子20s4は第2領域B4のみ)とからなっている。
【0029】
図5に示すように、各反射素子20s1、20s2、20s3の第1領域A1、A2、A3は、光源18aの後端位置と各遮光部22a1、22a2、22a3の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域20a1と交わる第1交点P1から、光源18aの前端位置と各遮光部22a1、22a2、22a3の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域20a1と交わる第2交点P2までの所定長範囲の領域であって、その鉛直断面形状は、各遮光部22a1、22a2、22a3の後端縁の位置を焦点F1、F2、F3とし、かつ灯具光軸Axに対して角度α(これについては後述する)だけ下向きの中心軸を有する放物線形状に設定されている。
【0030】
図6に示すように、各第1領域A1、A2、A3からの反射光により形成される光源18aの像Ifのサイズは、各第1領域A1、A2、A3における反射点と光源18aの前後方向両端位置とのなす角度により決定されるので、灯具光軸Axに近い第1領域A1からの反射光により形成される像Ifが最も大きく、灯具光軸Axから遠い第1領域A3からの反射光により形成される像Ifが最も小さいものとなる。
【0031】
ただし、各第1領域A1、A2、A3の第2交点P2からの反射光により形成される光源18aの像Ifは該光源18aの全体像となるが、第1交点P1に近づくに従って光源18aの像の上部が欠けたものとなる。その際、各第1領域A1、A2、A3内のいずれの点においても、その反射光により形成される光源18aの像Ifの上端縁の位置は灯具光軸Axに対して角度αだけ下向きの位置にあるので、各第1領域A1、A2、A3からの反射光は上端縁が揃った像を形成する下向き平行光として前方へ照射される。
【0032】
各第1領域A1、A2、A3の水平断面形状は、回転放物面pに対して左右方向の曲率を変化させた曲線形状に設定されており、これにより反射光にある程度の左右方向拡散角を持たせるようにしている。
【0033】
一方、図7に示すように、各反射素子20s1、20s2、20s3、20s4の第2領域B1、B2、B3、B4は、回転放物面pを焦点Fを中心にして角度αだけ下向きにするとともにその左右方向の曲率を変化させた表面形状を有している。
【0034】
第2領域B4以外の各第2領域B1、B2、B3において、その下端の第2交点P2からの反射光により形成される光源18aの像Ifは該光源18aの全体像となるが、各第2領域B1、B2、B3、B4共にその上端位置に近づくに従って光源18aの像の下部が欠けたものとなる。
【0035】
各反射素子20s1、20s2、20s3、20s4相互の境界には段差が形成されるが、各反射素子20s1、20s2、20s3における第1領域A1、A2、A3と第2領域B1、B2、B3との境界は滑らかに接続されている。
【0036】
図8は、本実施形態に係る車両用前照灯10により灯具前方25mの位置に配置された鉛直スクリーン上に形成されるロービーム配光パターンPを、リフレクタユニット16と共に該リフレクタユニット16の背面側から透視的に示す図である。
【0037】
図示のように、このロービーム配光パターンPは、左配光用のロービーム配光パターンであって、V−V線(灯具光軸Axを通る鉛直線)の右側に水平カットオフラインCL1を有し、V−V線の左側に水平カットオフラインCL1から15°で立ち上がる斜めカットオフラインCL2を有している。そして、水平カットオフラインCL1と斜めカットオフラインCL2との交点(エルボ点)Eの位置は、H−V(すなわちH−H線(灯具光軸Axを通る水平線)とV−V線との交点)から角度α(例えばα=0.5〜0.6°)だけ下向きの位置に設定されている。
【0038】
このロービーム配光パターンPにおける水平カットオフラインCL1の中拡散部分および斜めカットオフラインCL2の部分は、反射面20aにおいて灯具光軸Axの左右両側に位置する反射領域20a2、20a3からの反射光により形成され、ロービーム配光パターンPにおける下部の大拡散部分は、反射面20aにおいて上記反射領域20a2、20a3の上下に隣接する反射領域20a4、20a5からの反射光により形成されるようになっている。そして、このロービーム配光パターンPにおけるエルボ点Eの近傍部分は、下部反射領域20a1を構成する反射素子20s1、20s2、20s3の第1領域A1、A2、A3からの反射光により形成されるようになっている。
【0039】
すなわち、図9に示すように、これら第1領域A1、A2、A3からの反射光により、大中小の3つの配光パターンP(A1)、P(A2)、P(A3)が形成されるが、これら各配光パターンP(A1)、P(A2)、P(A3)は、その上端縁が水平カットオフラインCL1に一致しており、該水平カットオフラインCL1のエルボ点E近傍部位を形成している。
【0040】
図10は、最も小さい配光パターンP(A3)を詳細に示す図である。
【0041】
上述したように、第1領域A3の各点からの反射光により形成される光源18aの像Ifは、光源18aの像の上部が欠けたものとなり、その上端縁が灯具光軸Axに対して角度αだけ下向きの位置に揃うので、第1領域A3からの反射光により形成される像は、図示のように上端縁近傍が非常に明るい像となる。そして第1領域A3からの反射光は左右方向に拡散するので、上端縁に明瞭なカットオフラインを有する配光パターンP(A3)が形成される。
【0042】
図11および12は、中程度の大きさの配光パターンP(A2)および最も大きい配光パターンP(A1)を詳細に示す図である。
【0043】
図示のように、これらの配光パターンP(A2)、P(A1)も、配光パターンP(A3)と同様、上端縁に明瞭なカットオフラインを有する配光パターンとして形成される。
【0044】
さらに、図13に示すように、ロービーム配光パターンPにおけるエルボ点Eの近傍部分には、反射素子20s1、20s2、20s3、20s4における第2領域B1、B2、B3、B4からの反射光により、大中小極小の4つの配光パターンP(B1)、P(B2)、P(B3)、P(B4)が形成されるようになっている。
【0045】
これら配光パターンP(B1)、P(B2)、P(B3)、P(B4)は、水平カットオフラインCL1を形成するものではないが、水平カットオフラインCL1の下方近傍の高光度領域を形成している。
【0046】
図14は、一例として2番目に大きい配光パターンP(B2)を詳細に示す図である。
【0047】
上述したように、第2領域B2の各点からの反射光により形成される光源18aの像Ifは、光源18aの像の下部が欠けたものとなり、その上端縁も下端縁も位置が不揃いとなるので、第2領域B2からの反射光により形成される像は、なだらかな光度分布を有する像となる。そして第2領域B2からの反射光は左右方向に拡散するので、水平カットオフラインCL1の下方近傍において左右方向に広がる配光パターンP(B2)が形成される。残り3つの配光パターンP(B1)、P(B3)、P(B4)についても同様である。
【0048】
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2を有する配光パターンPでロービーム照射を行うように構成されているが、光源18aの下方近傍に該光源18aから反射面20aの下部反射領域20a1へ向かう光の一部を遮蔽する複数の遮光部22a1、22a2、22a3が前後方向に所定間隔をおいて設けられており、また、下部反射領域20a1の鉛直断面形状が、光源18aの後端位置と各遮光部22a1、22a2、22a3の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域20a1と交わる第1交点P1から、光源18aの前端位置と各遮光部22a1、22a2、22a3の後端縁とを結ぶ直線が下部反射領域20a1と交わる第2交点P2までの所定長範囲の第1領域A1、A2、A3において、各遮光部22a1、22a2、22a3の後端縁の位置を焦点F1、F2、F3とする放物線形状に設定されているので、各第1領域A1、A2、A3からの反射光により形成される光源18aの像はその上端縁の上下方向の位置が揃ったものとなる。
【0049】
そして本実施形態においては、各第1領域A1、A2、A3からの反射光によりロービーム配光パターンPの水平カットオフラインCL1を形成するようになっているので、これら各第1領域A1、A2、A3からの反射光により形成される配光パターンP(A1)、P(A2)、P(A3)の重ね合わせにより、ロービーム配光パターンPの水平カットオフラインCL1を明瞭に形成するとともに水平カットオフラインCL1近傍部分の光量を十分に確保することができる。
【0050】
このように本実施形態に係る車両用前照灯10は、水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2を有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成されているが、そのリフレクタ20の左右幅が小さいにもかかわらず、ロービーム配光パターンPの水平カットオフラインCL1を明瞭に形成するとともに水平カットオフラインCL1近傍部分の光量を十分に確保して遠方視認性を高めることができる。
【0051】
また本実施形態においては、下部反射領域20a1が、各第1交点P1近傍を通る水平面を境に上下に区分けされた複数の反射素子20s1、20s2、20s3、20s4からなっているので、第1領域A1、A2、A3相互間に位置する領域(第2領域B2、B3)の表面形状を容易に設定することが可能となる。その際、第2領域B1、B2、B3、B4(すなわち第1領域A1、A2、A3以外の領域)の鉛直断面形状が、光源18aの前端位置を焦点Fとする放物線形状に設定されているので、各第2領域B1、B2、B3、B4からの反射光により形成される光源18aの像についても、水平カットオフラインCL1の上方へはみ出させることなく水平カットオフラインCL1の下方近傍に形成することができる。したがってロービーム配光パターンPの水平カットオフラインCL1近傍部分の光量の増大を図ることができる。
【0052】
さらに本実施形態においては、シェード22の下面壁22aに前後方向に所定間隔をおいて透光用スリット26を形成することにより複数の遮光部22a1、22a2、22a3が構成されているので、光源バルブ18に手を加えることなく、各遮光部22a1、22a2、22a3の位置および遮光部相互の間隔を正確に設定することができる。
【0053】
上記実施形態におけるリフレクタユニット16は、水平カットオフラインCL1が灯具光軸Axに対して角度αだけ下向きの位置に形成されるよう、各反射素子20sの表面形状が設定されているが、水平カットオフラインCL1が灯具光軸Axと同じ高さ位置に形成されるように各反射素子20sの表面形状を設定し、リフレクタユニット16全体を角度α下向きに傾動させるようにしてもよい。
【0054】
また上記実施形態においては、左配光用のロービーム配光パターンPを得るための灯具構成について説明したが、上記実施形態の灯具構成を左右反転させることにより、上記ロービーム配光パターンPと左右対称な右配光用のロービーム配光パターンを得ることができる。このようにした場合においても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す正面図
【図2】上記車両用前照灯を示す側断面図
【図3】上記車両用前照灯のリフレクタユニットを単品で示す正面図
【図4】上記リフレクタユニットを単品で示す平断面図
【図5】上記リフレクタユニットを単品で示す側断面図(その1)
【図6】上記リフレクタユニットを単品で示す側断面図(その2)
【図7】上記リフレクタユニットを単品で示す側断面図(その3)
【図8】上記車両用前照灯により照射されるロービーム配光パターンを、リフレクタユニットと共に該リフレクタユニットの背面側から透視的に示す図
【図9】上記リフレクタユニットの下部反射領域における3つの第1領域からの反射光により照射される配光パターンを、リフレクタユニットの正面図と共に示す図
【図10】上記3つの第1領域からの反射光により照射される配光パターンのうち最も小さい配光パターンを詳細に示す図
【図11】上記3つの第1領域からの反射光により照射される配光パターンのうち中程度の大きさの配光パターンを詳細に示す図
【図12】上記3つの第1領域からの反射光により照射される配光パターンのうち最も大きい配光パターンを詳細に示す図
【図13】上記リフレクタユニットの下部反射領域における3つの第2領域からの反射光により照射される配光パターンを、リフレクタユニットの正面図と共に示す図
【図14】上記3つの第2領域からの反射光により照射される配光パターンのうち2番目に大きい配光パターンを詳細に示す図
【図15】従来例を示す、図8と同様の図
【図16】他の従来例を示す、図8と同様の図
【符号の説明】
10 車両用前照灯
12 前面レンズ
14 ランプボディ
16 リフレクタユニット
18 光源バルブ
18a 光源
20 リフレクタ
20a 反射面
20a1 下部反射領域
20a2、20a3、20a4、20a5 反射領域
20s、20s1、20s2、20s3、20s4 反射素子
22 シェード
22a 下面壁
22a1、22a2、22a3 遮光部(遮光体)
24 エクステンションパネル
26 透光用スリット
Ax 灯具光軸
A1、A2、A3 第1領域
B1、B2、B3、B4 第2領域
CL1 水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
E エルボ点
F、F1、F2、F3 焦点
P ロービーム配光パターン
P(A1)、P(A2)、P(A3)、P(B1)、P(B2)、P(B3)、P(B4) 配光パターン
P1 第1交点
P2 第2交点
p 回転放物面

Claims (5)

  1. 車両前後方向に延びる灯具光軸と略同軸で配置された光源と、この光源からの光を前方へ反射させる反射面を有するリフレクタとを備えてなり、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、
    上記光源の下方近傍に、該光源から上記反射面における上記灯具光軸の下方に位置する下部反射領域へ向かう光の一部を遮蔽する複数の遮光体が、前後方向に所定間隔をおいて設けられており、
    上記下部反射領域の鉛直断面形状が、上記光源の後端位置と上記各遮光体の後端縁とを結ぶ直線が上記下部反射領域と交わる第1交点から、上記光源の前端位置と上記各遮光体の後端縁とを結ぶ直線が上記下部反射領域と交わる第2交点までの所定長範囲の各領域において、上記各遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定されている、ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 上記下部反射領域が、上記各第1交点近傍を通る水平面を境に上下に区分けされた複数の反射素子からなる、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
  3. 上記各反射素子における上記所定長範囲の各領域以外の各領域の鉛直断面形状が、上記光源の前端位置を焦点とする放物線形状に設定されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両用前照灯。
  4. 上記複数の遮光体が、前後方向に所定間隔をおいて透光用スリットが形成されたシェードにより構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用前照灯。
  5. 車両前後方向に延びる灯具光軸と略同軸で配置された光源と、この光源からの光を前方へ反射させる反射面を有するリフレクタとを備えてなり、所定のカットオフラインを有する配光パターンでロービーム照射を行うように構成された車両用前照灯において、
    上記光源の下方近傍に、該光源から上記反射面における上記灯具光軸の下方に位置する下部反射領域へ向かう光の一部を遮蔽する遮光体が設けられており、
    上記下部反射領域の鉛直断面形状が、上記光源の後端位置と上記遮光体の後端縁とを結ぶ直線が上記下部反射領域と交わる第1交点から、上記光源の前端位置と上記遮光体の後端縁とを結ぶ直線が上記下部反射領域と交わる第2交点までの所定長範囲の領域において、上記遮光体の後端縁の位置を焦点とする放物線形状に設定されている、ことを特徴とする車両用前照灯。
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