JP4367876B2 - 廃棄物処理方法およびその装置 - Google Patents

廃棄物処理方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4367876B2
JP4367876B2 JP2000099291A JP2000099291A JP4367876B2 JP 4367876 B2 JP4367876 B2 JP 4367876B2 JP 2000099291 A JP2000099291 A JP 2000099291A JP 2000099291 A JP2000099291 A JP 2000099291A JP 4367876 B2 JP4367876 B2 JP 4367876B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methane fermentation
ammonia
concentration
mixed solution
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000099291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001276880A (ja
Inventor
宏 佐々木
玉友 李
廣二 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiki Ataka Engineering Co Ltd
Original Assignee
Daiki Ataka Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiki Ataka Engineering Co Ltd filed Critical Daiki Ataka Engineering Co Ltd
Priority to JP2000099291A priority Critical patent/JP4367876B2/ja
Publication of JP2001276880A publication Critical patent/JP2001276880A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4367876B2 publication Critical patent/JP4367876B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

Landscapes

  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理する廃棄物処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、厨芥や水産加工場などで生じる生ごみである固形状の固形有機性廃棄物を後工程で生物処理などにて容易に処理可能な状態に処理しつつ固形燃料や肥料、メタンガスなどの有価物を回収する廃棄物処理方法が知られている。そして、従来の廃棄物処理方法では、特にメタンガスを効率よく生成するために、メタン発酵処理する際の固形有機性廃棄物の濃度が高くなるようにスラリ状に可溶化した混合液を処理している。また、固形有機性廃棄物を高濃度で処理すると、メタン発酵処理の際に固形有機性廃棄物が分解されることにより発生するアンモニアの量も多くなり、このアンモニアにより固形有機性廃棄物を分解する微生物の活性が低下して、メタン発酵処理速度が低下し、しいてはメタン発酵処理が停止する。このため、従来の廃棄物処理方法では、メタン発酵処理しているメタン発酵槽内の混合液の一部を分集し、別途設けたアンモニア処理装置にて、水蒸気などを曝気してアンモニアを水蒸気に移行させるアンモニアストリッピングにて分離除去し、再びメタン発酵槽に返送してアンモニアの濃度が上昇することを防止してメタン発酵処理速度の低下を防止している。
【0003】
しかしながら、従来のメタン発酵槽から分集した混合液をアンモニアストリッピングする方法では、処理する固形有機性廃棄物が高濃度であると、アンモニア処理装置までの搬送、アンモニア処理装置内、あるいはアンモニア処理装置からメタン発酵槽への返送工程中で混合液が閉塞するなどの不都合が生じるおそれがある。また、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性の高い混合液からアンモニアを分離除去するための特別な構造のアンモニア処理装置が必要となり、装置構造が複雑化および大型化する問題がある。
【0004】
そこで、例えば特開昭63−185499号公報に記載の構成が採られている。
【0005】
この特開昭63−185499号公報に記載の廃棄物処理方法は、水産加工工程で排出される血汁や煮汁を除蛋白処理した混合液をメタン発酵処理してメタンガスを含有する生成ガスを回収する。このメタン発酵処理の際、回収した生成ガスの一部からアンモニアを除去し、このアンモニアが除去された生成ガスをメタン発酵槽内の混合液に噴出して攪拌し、混合液中のアンモニアを噴出した生成ガスに移行して分離し、アンモニアの蓄積によるメタン発酵処理の阻害を防止して、効率よくメタン発酵処理する構成が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−185499号公報に記載の廃棄物処理方法において、例えばメタン発酵の進行により中間生成物である有機酸の量が増大して処理する混合液のpHが酸性となり、アンモニアがイオン化して混合液に溶解した状態となり、噴出する生成ガスに移行しなくなって分離除去できず、アンモニアが蓄積してメタン発酵処理が十分に進行しなくなるアンモニア阻害が生じるおそれがある。また、この生成ガスを混合液に噴出する構成を生ごみなどの固形有機性廃棄物を処理する場合に利用した場合、特に処理量を増大するとともに生成ガス量を増大して効率よく処理するために、混合液を総固形物濃度(TS(Total Solids)濃度)が高く調質して粘性が高い状態とすると、噴出された生成ガスに十分にアンモニアが移行しなくなって、アンモニア阻害が生じるおそれもある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みて、固形有機性廃棄物を効率よく容易に処理できる廃棄物処理方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の廃棄物処理方法は、固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理にて処理する廃棄物処理方法において、前記混合液をpH7.0以上8.5以下でメタン発酵処理し、このメタン発酵処理により生成する生成ガスを回収し、この回収した生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去し、前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記混合液に噴出し攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするものである。
【0009】
そして、メタン発酵処理により生成する生成ガスを回収して少なくとも一部からアンモニアを除去した後に、このアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部をpH7.0以上8.5以下に調質された混合液に噴出して攪拌することにより、メタン発酵処理により生成するアンモニアが混合液に溶解するイオン状態から遊離状態となって噴出される生成ガスに効率よく移行され、アンモニアの濃度上昇を抑制して効率よくメタン発酵処理する。ここで、混合液のpHが7.0より酸性となると、遊離状態のアンモニアの量が低減しアンモニアがイオン状態で溶解して、噴出する生成ガスに移行しにくくなる。また、pHが8.5よりアルカリ性が強くとなるとイオン状態のアンモニアよりメタン発酵に寄与する微生物に対して毒性が強い遊離状態のアンモニアの量が多くなってメタン発酵に寄与する微生物の活性が低減してメタン発酵の処理効率が低減するおそれがあることから、pHを7.0以上8.5以下とする。
【0010】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にすることにより、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率が向上する。ここで、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/lより低い状態ではメタン発酵が進行するので、生成ガスを噴出することにより生成ガスの回収効率が低減するとともに、生成ガスを噴出させる運転エネルギを要することから、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下では生成ガスを噴出することなく回収して生成ガスの回収効率を向上させるとともに、アンモニアの濃度の増大によるメタン発酵の処理効率の低減を防止し、効率よくメタン発酵処理する。
【0011】
請求項2記載の廃棄物処理方法は、請求項1記載の廃棄物処理方法において、生成ガスを時間当たりメタン発酵処理するメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出するものである。
【0012】
そして、生成ガスを時間当たりメタン発酵処理するメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出することにより、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い混合液でも十分に攪拌され、また生成するアンモニアが噴出される生成ガスに十分に移行して分離除去され、メタン発酵の処理効率が向上する。ここで、噴出する生成ガスの量が時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3より少なくなると、十分に攪拌できる混合液の総固形物濃度が低くなり、効率よく固形有機性廃棄物が処理できなくなるとともに、生成するアンモニアの生成ガスへの移行が不十分となり、アンモニアによりメタン発酵が阻害されるおそれがあることから、時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で生成ガスを噴出させる。
【0013】
請求項3記載の廃棄物処理方法は、固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵槽でメタン発酵処理にて処理する廃棄物処理方法において、
前記混合液の総固形物濃度を5%以上20%以下に調質し、この総固形物濃度が調整されて調質された混合液を前記メタン発酵処理し、このメタン発酵処理により生成する生成ガスを回収し、この回収した生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去し、前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記調質された混合液に1時間当たり前記メタン発酵槽の容量に対して0.3m 3 で噴出し攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするものである。
【0014】
そして、総固形物濃度を5%以上20%以下に調質した混合液をメタン発酵処理する際に、メタン発酵処理により生成する生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去した後に、このアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を混合液に1時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m 3 で噴出して攪拌することにより、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い総固形物濃度5%以上20%以下の混合液でも、十分に攪拌され、また生成するアンモニアが噴出される生成ガスに十分に移行して分離除去され、メタン発酵の処理効率が向上する。
【0015】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にすることにより、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率が向上する。ここで、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/lより低い状態ではメタン発酵が進行するので、生成ガスを噴出することにより生成ガスの回収効率が低減するとともに、生成ガスを噴出させる運転エネルギを要することから、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下では生成ガスを噴出することなく回収して生成ガスの回収効率を向上させるとともに、アンモニアの濃度の増大によるメタン発酵の処理効率の低減を防止し、効率よくメタン発酵処理する。
【0016】
請求項4記載の廃棄物処理方法は、請求項3記載の廃棄物処理方法において、混合液をアルカリ性でメタン発酵処理するものである。
【0017】
そして、混合液をアルカリ性でメタン発酵処理することにより、アンモニアが分離除去されることにより固形有機性廃棄物の分解生成物である有機酸にて酸性となってメタン発酵する微生物の活性が低下することを防止するとともに、アンモニアが効率よく生成ガスに移行してアンモニアの蓄積によるメタン発酵する微生物の活性が低下することを防止して、効率よくメタン発酵処理する。
【0018】
請求項5記載の廃棄物処理方法は、請求項3または4記載の廃棄物処理方法において、混合液のpHを7.0以上8.5以下とするものである。
【0019】
そして、混合液のpHを7.0以上8.5以下とすることにより、溶解するイオン状態のアンモニアが遊離状態のアンモニアとなって噴出される生成ガスに効率よく移行され、アンモニアの濃度上昇を抑制して効率よくメタン発酵処理する
【0020】
請求項記載の廃棄物処理方法は、請求項1ないし5記載の廃棄物処理方法において、混合液を35±5℃でメタン発酵処理するものである。
【0021】
そして、混合液を35±5℃でメタン発酵処理して混合液のアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするので、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアおよびメタン発酵の際に生じる有機酸の濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率が向上する。ここで、メタン発酵処理の温度が35±5℃より低くなると、メタン発酵する微生物の活性が低下して効率よくメタン発酵処理できなくなる。また、35±5℃より高くなると、メタン発酵の処理速度が速くなり総固形物濃度が5%以上20%以下の比較的高い負荷の場合に有機酸が大量発生し、併存するアンモニア性窒素とともに微生物の活性を低下して効率よくメタン発酵処理できなくなる。このため、混合液を35±5℃でメタン発酵処理する場合には混合液のアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下になるように生成ガスを噴出させる。
【0022】
請求項記載の廃棄物処理方法は、請求項1ないし5いずれか一記載の廃棄物処理方法において、混合液を55±5℃でメタン発酵処理し、前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が2500mg/l以上となる場合に生成ガスの少なくとも一部を噴してアンモニア性窒素の濃度を2500mg/l以下にするものである。
【0023】
そして、混合液を55±5℃でメタン発酵処理して混合液のアンモニア性窒素の濃度が2500mg/l以上で生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を2500mg/l以下にするので、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアおよびメタン発酵の際に生じる有機酸の濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率が向上する。ここで、メタン発酵処理の温度が55±5℃より低くなると、メタン発酵する微生物の活性が低下して効率よくメタン発酵処理できなくなる。また、55±5℃より高くなると、メタン発酵の処理速度が速くなり総固形物濃度が5%以上20%以下の比較的高い負荷の場合に有機酸が大量発生し、併存するアンモニア性窒素とともに微生物の活性を低下して効率よくメタン発酵処理できなくなる。このため、混合液を55±5℃でメタン発酵処理する場合には混合液のアンモニア性窒素の濃度が2500mg/l以上となる場合に生成ガスを噴出させて、アンモニア性窒素の濃度が2500mg/l以下にする。
【0024】
請求項記載の廃棄物処理装置は、固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理するメタン発酵槽と、このメタン発酵槽に設けられ混合液のpHを検出するpH検出手段と、前記メタン発酵槽に設けられ前記pH検出手段にて検出する前記混合液のpHを7.0以上8.5以下に調整するpH調整手段と、前記メタン発酵槽に接続され前記メタン発酵処理により生成する生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去するアンモニア除去手段と、前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニア除去手段によりアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記混合液に噴出攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするガス攪拌手段とを具備したものである。
【0025】
そして、メタン発酵槽内の固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をpH検出手段にて検出する混合液のpHが7.0以上8.5以下となるようにpH調整手段にてpHを調整し、この混合液にメタン発酵処理により生成しメタン発酵槽に接続されたアンモニア除去手段にてアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部をガス攪拌手段にて噴出して攪拌することにより、メタン発酵処理により生成するアンモニアが混合液に溶解するイオン状態から遊離状態となって噴出される生成ガスに効率よく移行され、アンモニアの濃度上昇を抑制して効率よくメタン発酵処理する。
【0026】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にすることにより、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率が向上する。ここで、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/lより低い状態ではメタン発酵が進行するので、生成ガスを噴出することにより生成ガスの回収効率が低減するとともに、生成ガスを噴出させる運転エネルギを要することから、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下では生成ガスを噴出することなく回収して生成ガスの回収効率を向上させるとともに、アンモニアの濃度の増大によるメタン発酵の処理効率の低減を防止し、効率よくメタン発酵処理する。
【0027】
請求項記載の廃棄物処理装置は、請求項記載の廃棄物処理装置において、ガス攪拌手段は、生成ガスを時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出するものである。
【0028】
そして、ガス攪拌手段から生成ガスを時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出することにより、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い混合液でも十分に攪拌され、また生成するアンモニアが噴出される生成ガスに十分に移行して分離除去され、メタン発酵の処理効率が向上する。
【0029】
請求項10記載の廃棄物処理装置は、固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理するメタン発酵槽と、このメタン発酵槽に接続され前記メタン発酵処理により生成する生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去するアンモニア除去手段と、前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニア除去手段によりアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記混合液に時間当たり前記メタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするガス攪拌手段とを具備したものである。
【0030】
そして、総固形物濃度を5%以上20%以下に調質した混合液をメタン発酵処理する際に、メタン発酵処理により生成し少なくとも一部がアンモニア除去手段にてアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を、ガス攪拌手段にて混合液に時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3で噴出して攪拌することにより、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い総固形物濃度5%以上20%以下の混合液でも、十分に攪拌され、また生成するアンモニアが噴出される生成ガスに十分に移行して分離除去され、メタン発酵の処理効率が向上する。
【0031】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にすることにより、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率が向上する。ここで、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/lより低い状態ではメタン発酵が進行するので、生成ガスを噴出することにより生成ガスの回収効率が低減するとともに、生成ガスを噴出させる運転エネルギを要することから、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下では生成ガスを噴出することなく回収して生成ガスの回収効率を向上させるとともに、アンモニアの濃度の増大によるメタン発酵の処理効率の低減を防止し、効率よくメタン発酵処理する。
【0032】
請求項11記載の廃棄物処理装置は、請求項10記載の廃棄物処理装置において、メタン発酵槽に設けられ混合液のpHを検出するpH検出手段と、前記メタン発酵槽に設けられ前記pH検出手段にて検出する前記混合液のpHを7.0以上8.5以下に調整するpH調整手段とを具備したものである。
【0033】
そして、pH検出手段にて検出する混合液のpHが7.0以上8.5以下となるようにpH調整手段にてpHを調整することにより、簡単な構成で溶解するイオン状態のアンモニアが遊離状態のアンモニアとなって噴出される生成ガスに効率よく移行され、アンモニアの濃度上昇を抑制して効率よくメタン発酵処理する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態における廃棄物処理装置の構成について図1を参照して説明する。
【0035】
図1において、1はメタン発酵槽で、このメタン発酵槽1は、被処理物である固形有機性廃棄物すなわちスラリ状に前処理された泥状物である混合液を貯留可能に形成されている。そして、このメタン発酵槽1には、混合液をメタン発酵槽1内に投入する流入管2が接続されている。
【0036】
また、混合液は、図示しない破砕および選別する前段処理手段、濃度調整する混合槽、夾雑物を除去する濾過手段および酸発酵してスラリ状に可溶化する可溶化槽から構成された前処理手段3によりスラリ状に調整される。
【0037】
そして、前段処理手段は、例えば歯幅が20±5mmの2軸または3軸あるいは4軸の破砕軸を有し収集車などにて収集された生ごみや厨芥、農水産廃棄物、食品加工廃棄物などの事業系ごみなど主に固形状の有機物を含有する固形有機性廃棄物を破袋あるいは破砕する図示しない解破砕装置を備えている。また、前段処理手段は、解破砕装置にて解破砕された破砕物を磁気選別などにより鉄片やアルミニウムなどの金属の夾雑物を除去する図示しない金属除去手段と、固形状有機性廃棄物に含まれる合成樹脂製の袋やプラスチックなどの夾雑物を除去する図示しない分別装置とを備えた選別手段を備えている。なお、前段処理手段としては、遠心力・浮力選別にて固形有機性廃棄物を破袋、破砕し選別する破袋選別装置を用いてもよい。
【0038】
また、前処理手段3に接続される混合槽は、前段処理手段で破砕や夾雑物の分別除去などの前処理工程された固形有機性廃棄物を、例えば適宜水や後述する処理された発酵廃液などを加えて所定の総固形物濃度(TS(Total Solids)濃度)のスラリ状の液状有機性廃棄物に調整する。そして、この混合槽には、投入された固形有機性廃棄物を攪拌混合する図示しない攪拌手段と、例えば約55℃〜60℃の高温に加温する図示しない加温手段と、前段処理手段にて除去されずに残留する金属や石などの質量の重い夾雑物を排出する図示しない夾雑物排出手段とを備えている。
【0039】
また、混合槽に接続される濾過手段は、例えば目幅寸法が10mm〜15mmの図示しないドラム細目スクリーンを備え、混合槽にてスラリ状に調質された液状有機性廃棄物から、前段処理手段にて除去しきれなかった細かい合成樹脂製の袋やプラスチックなどの夾雑物を除去する。そして、濾過手段には、ドラム細目スクリーンにて除去された夾雑物を脱水分離する図示しないスクリュープレスが設けられている。
【0040】
さらに、濾過手段に接続される可溶化槽は、濾過手段のドラム細目スクリーンにて夾雑物が除去された液状有機性廃棄物と、スクリュープレスにて夾雑物から脱水分離した脱水濾液とを貯留可能に形成されている。この可溶化槽には、貯留する液状有機性廃棄物および脱水濾液の混合液を例えば約55℃〜60℃の高温に保温する図示しない保温手段と、混合液を攪拌する図示しない攪拌手段と、混合液のpHを検出する図示しないpH検出手段とを備え、貯留した混合液中の固形の有機物の可溶化および酸発酵し、TS濃度を約5%以上20%以下に調質する。
【0041】
また、可溶化槽には、混合液に微生物の栄養塩を添加する図示しない栄養塩添加手段が設けられている。この添加する栄養塩としては、例えば鉄、ニッケルおよびコバルトの少なくともいずれか1つの塩類で、混合液中に鉄分が10mg/l以上、好ましくは10mg/l〜300mg/l、ニッケル分として1mg/l以上、好ましくは1mg/l〜30mg/l、コバルト分として1mg/l以上、好ましくは1mg/l〜30mg/lとなるように添加する。
【0042】
さらに、可溶化槽には、別途屎尿処理などにて生じた余剰汚泥である生物汚泥を適宜投入する図示しない投入路が接続されている。なお、この投入路は、設けなくてもよい。また、生物汚泥を添加する場合には、固形有機性廃棄物で不足する微量の栄養塩は生物汚泥から補充されることから栄養塩を添加しなくてもよい。
【0043】
そして、可溶化槽には、可溶化槽にてメタン発酵しやすい性状に調質されたスラリ状の泥状物が流入されて貯留するメタン発酵槽1が流入管2を介して接続されている。このメタン発酵槽1には、貯留する混合液を例えば中温の35±5℃に維持する図示しない温度調整手段と、混合液を攪拌する図示しない攪拌手段とを備えている。さらに、このメタン発酵槽1には、貯留する混合液のpHを検出する図示しないpH検出手段と、このpH検出手段にて検出するpHがアルカリ性、例えば7.0以上8.5以下、7.0以上8.0以下、さらに好ましくは7.3以上7.8以下となるように、適宜塩酸などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加してpHを調整するpH調整手段としてのアルカリ添加手段4とが設けられている。
【0044】
また、メタン発酵槽1には、メタン発酵処理により発生するメタンガスなどのバイオガスである生成ガスを槽外に流出するガス管5が設けられ、このガス管5にはメタン発酵槽1から回収した生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去するアンモニア除去手段6が接続されている。このアンモニア除去手段6は、ガス管5を介して流入する生成ガスを硫酸などの酸と接触させてアンモニアを分解除去する。すなわち、生成ガス中に混合する遊離アンモニアを酸と反応させて硫酸アンモニウムなどのアンモニア化合物を生成させ、酸中に溶解させて生成ガスから分離除去する。なお、アンモニア除去手段6としては、ゼオライトなどのアンモニア吸着能を有する吸着材にて吸着して分離除去するなど、いずれの構成でもよい。
【0045】
さらに、アンモニア除去手段6には、回収管7を介して生成ガスを別途燃料として再利用するために貯留するガスホルダ8が接続されている。
【0046】
また、アンモニア除去手段6には、メタン発酵槽1の底部に設けられ、アンモニアを分離除去した生成ガスを貯留する混合液に例えば時間当たりメタン発酵槽1の容量に対して0.3m3以上3m3以下(0.3m3/m3/hr以上3m3/m3/hr以下)で噴出して攪拌する図示しないガス攪拌手段が噴出管9を介して接続されている。
【0047】
また、メタン発酵槽1には、メタン発酵処理された混合物を槽外に排出する流出管10を介して図示しない例えば遠心分離機、回転円盤形脱水機、スクリュープレスなどの固液分離手段が接続されている。この固液分離手段は、流出管10を介して発酵廃液として流入する混合物を脱水濾液と脱水汚泥ケーキとに脱水して固液分離する。そして、固液分離手段には、発酵廃水あるいは固液分離した脱水濾液に例えばポリアミジンおよびポリ鉄などの高分子凝集剤を添加して処理廃水と凝集汚泥とに固液分離する図示しない凝集分離手段が接続されている。また、固液分離手段には、少なくとも一部の脱水ケーキおよび凝集分離手段にて分離された凝集汚泥をコンポスト化、すなわち例えば乾燥して肥料などに処理するコンポスト化する図示しない脱水汚泥処理手段が接続されている。なお、固液分離手段にて分離した脱水濾液あるいは処理廃水を別途図示しない排水処理手段にて微生物により生物浄化処理し、脱水ケースの一部は熱アルカリ処理して汚泥分を可溶化しメタン発酵槽1に返送して再び処理してもよい。
【0048】
次に、上記実施の一形態の動作を説明する。
【0049】
まず、例えば収集車などにて収集された固形有機性廃棄物を、前処理手段3の図示しない前段処理手段に設けられた解破砕装置にて破袋あるいは破砕した後に金属除去手段にて鉄片やアルミニウムなどの金属の夾雑物を磁気選別などにより除去するとともに、分別装置にて合成樹脂製の袋やプラスチックなどの夾雑物を除去する。
【0050】
そして、この前段処理手段にて解破砕され夾雑物が除去された固形有機性廃棄物を図示しない混合槽に投入し、この混合槽で水や固液分離手段からの発酵廃液の一部と攪拌混合し、適宜加温して約55℃〜60℃に保持しつつ攪拌混合が可能な全蒸発残留物濃度である総固形物濃度(Total Solids:TS)が所定の値となる塊状物も混入するようなスラリ状の液状有機性廃棄物を調質する。なお、発酵廃液を用いることにより水分が循環する状態となることから、処理された発酵廃液の量が減少するとともに、発酵廃液中の残留する有機物が再び処理されて処理効率が向上するので好ましい。また、通常収集される固形有機性廃棄物の性状は、あまり大きく変動するものではないので、水分量もある程度安定しており、返送する発酵廃液あるいは添加する水の量は、固形有機性廃棄物の質量に対して通常1〜1.5倍の範囲に設定される。ここで、塊状物などが少ないもしくはほとんどないような状態のスラリ状とすることにより、微生物によるメタン発酵処理がより効率よく進行するので、なるべく塊状物がないスラリ状に攪拌混合することが好ましい。
【0051】
この混合槽で約55℃〜60℃に保温しつつ約1時間から4時間程度滞留させて攪拌混合しスラリ状に調質した液状有機性廃棄物を、濾過手段の図示しないドラム細目スクリーンにて除去しきれなかった細かい合成樹脂製の袋やプラスチックなどの夾雑物を除去する。そして、濾過手段で夾雑物が除去された液状有機性廃棄物を可溶化槽に投入する。なお、濾過手段のドラム細目スクリーンにて除去された夾雑物はスクリュープレスにて脱水し、脱水固形物はコンポスト化処理され、脱水濾液は可溶化槽に投入される。
【0052】
また、可溶化槽に投入された液状有機性廃棄物および脱水濾液の混合液は、図示しない保温手段にて例えば約55℃〜60℃の高温に保温し、攪拌手段にて攪拌されつつ栄養塩添加手段から微生物の栄養塩を添加し、2日〜3日程度の滞留で可溶化および酸発酵して、例えばTS濃度を5%以上20%以下に調質する。なお、この可溶化処理にて、可溶化率が約30%〜60%となる。
【0053】
ここで、TS濃度が20%より高くなると、後段でのメタン発酵処理の際の攪拌混合が不十分となり効率よく後工程のメタン発酵処理ができなくなるため、TS濃度を20%以下にする。さらに、TS濃度が5%より低くなると、水分量が多くなって有機物の割合が少なくなった状態となり、後工程でのメタン発酵処理の効率が低下するため、5%以上に設定する。
【0054】
そして、栄養塩の添加の際には、混合液中に鉄分が10mg/l以上、好ましくは10mg/l〜300mg/l、ニッケル分として1mg/l以上、好ましくは1mg/l〜30mg/l、コバルト分として1mg/l以上、好ましくは1mg/l〜30mg/lとなるように添加する。
【0055】
ここで、鉄添加量が10mg/lより少なくなると、後段でのメタン発酵処理の改善が認められず、300mg/lより多くなっても鉄添加による効果の差異が認められずコストが増大するため、鉄添加量が10mg/l以上、好ましくは10mg/l以上300mg/l以下となるように鉄化合物を添加する。また、同様に、ニッケル添加量が1mg/lより少なくなると、後段でのメタン発酵処理の改善が認められず、30mg/lより多くなってもニッケル添加による効果の差異が認められずコストが増大するため、ニッケル添加量が1mg/l以上、好ましくは1mg/l以上30mg/l以下となるようにニッケル化合物を添加する。さらに、同様に、コバルト添加量が1mg/lより少なくなると、後段でのメタン発酵処理の改善が認められず、30mg/lより多くなってもコバルト添加による効果の差異が認められずコストが増大するため、コバルト添加量が1mg/l以上、好ましくは1mg/l以上30mg/l以下となるようにコバルト化合物を添加する。
【0056】
そして、可溶化槽で調質された混合液を流入管2を介してメタン発酵槽1に流入させ、例えば35±5℃で適宜攪拌しつつ7〜15日間滞留させて、メタン生成菌などの微生物にて混合液をメタン発酵処理する。このメタン発酵処理の際、ガス攪拌手段からアンモニアが分離除去された生成ガスを噴出して混合液を攪拌し、混合液とメタン生成菌などの微生物との接触効率を増大させて効率よく処理させる。
【0057】
このメタン発酵処理の際に、有機物の分解によりアンモニアが生成する。このアンモニアは、イオン状態で混合液に溶解するとともに一部遊離した状態で混入する。そして、ガス攪拌手段からの生成ガスの噴出により、遊離するアンモニアが生成ガス中に移行して混合液から分離され、ガス管5から生成ガスとして回収される。また、遊離するアンモニアが混合液から分離除去されることにより、混合液のイオン状態および遊離状態のアンモニアの平衡状態がくずれ、イオン状態のアンモニアが遊離状態となり、順次生成ガスに移行して分離除去される。
【0058】
ここで、ガス攪拌手段からの生成ガスの噴出は、時間当たりメタン発酵槽1の容量に対して0.3m3以上3m3以下(0.3m3/m3/hr以上3m3/m3/hr以下)とする。すなわち、生成ガスの噴出量が0.3m3/m3/hrより少なくなると、TS濃度が低く粘性が低い混合液でもメタン発酵処理されている混合物の攪拌が不十分となるとともに、メタン発酵処理にて生成するアンモニアの生成ガスへの移行が不十分となり、アンモニアによりメタン発酵が阻害されるおそれがある。また、3m3/m3/hr以上では例えばTS濃度が20%と高く粘性が高くても十分に混合液の攪拌が得られるので、過剰な生成ガスの噴出による運転エネルギの増大を招くとともにガス攪拌手段の構造が複雑で大型化する。さらに、過剰な生成ガスの噴出により、混合液が発泡してメタン発酵槽1の容積を効率よく利用できなくなるとともに、発泡による運転阻害を生じるおそれがある。このことから、0.3m3/m3/hr以上3m3/m3/hr以下とする。
【0059】
また、生成ガスの噴出によりアンモニアが分離除去されることにより、メタン発酵処理により生成する有機酸にて混合液のpHが酸性側に推移し、メタン生成菌の活性が低下してメタン発酵処理が進行しなくなる。このため、メタン発酵槽に設けたpH検出手段にて混合液のpHを検出し、混合液のpHがアルカリ性、例えば7.0以上8.5以下、好ましくは7.0以上8.0以下、さらに好ましくは7.3以上7.8以下となるようにpH調整手段にて適宜塩酸などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加してpHを調整する。すなわち、pHが7.0より酸性となると有機酸によるメタン発酵処理の阻害、および、生成するアンモニアがイオン状態で溶解する状態となって遊離するアンモニアの量が低減し、生成ガスにアンモニアが移行しにくくなってアンモニアの量が増大し、メタン発酵処理が進行しなくなる。また、pHが8.5よりアルカリ性が強くなると、イオン状態のアンモニアよりメタン発酵に寄与する微生物に対して毒性が強い遊離アンモニアの量が多くなってメタン発酵に寄与する微生物の活性が低減してメタン発酵の処理効率が低減するおそれがある。このため、混合液のpHをpHを7.0以上8.5以下、好ましくは7.0以上8.0以下、さらに好ましくは7.3以上7.8以下とする。
【0060】
このように、生成ガスを噴出して混合液を攪拌するとともにアンモニアを分離除去して、TS濃度が3%〜6%程度、アンモニア性窒素濃度が2000〜3500mg/l程度に効率よくメタン発酵処理する。このメタン発酵処理により発生するメタンガスを含有する生成ガスは、ガス管5を介してアンモニア除去手段6に回収される。
【0061】
そして、アンモニア除去手段6は、回収した生成ガスの少なくとも一部を例えば酸と接触させるなどにより混入する遊離したアンモニアを除去し、噴出管9を介して順次ガス攪拌手段からメタン発酵槽1内の混合液に噴出させる。また、回収した生成ガスの残部をそのまま、あるいはアンモニアを除去して、回収管7を介してガスホルダ4に回収し、発電やボイラなどにて固形有機性廃棄物の処理の際の電気や熱などの運転エネルギやその他の汚水処理、冷暖房などに利用する。
【0062】
また、メタン発酵処理された混合液は、発酵廃液として流出管10によりメタン発酵槽1から流出され、図示しない固液分離手段により、凝集剤添加手段から高分子凝集剤が添加されて固形分が凝集された後に脱水され、脱水濾液と脱水汚泥ケーキとに固液分離される。この後、脱水分離された脱水濾液は排水処理手段にて浄化処理し、脱水分離された脱水汚泥ケーキは脱水汚泥処理手段でコンポスト化される。
【0063】
次に、上記実施の形態の作用を実験例に基づいて説明する。
【0064】
まず、固形有機性廃棄物として厨芥を用い生物汚泥を混入しないで処理した場合について説明する。
【0065】
そして、食堂や給食センタ、仕出し弁当を製造する工場などからの厨芥である野菜、果実、肉、魚、米飯などの残飯を混合攪拌によりスラリ状に破砕し、含水率が約80%(TS濃度が約20%)の合成生ごみを固形有機性廃棄物とした。
【0066】
そして、図1に示す廃棄物処理装置にて、混合槽にて60℃で3時間滞留し可溶化槽にて55℃で3日間滞留して調質した混合液を、メタン発酵槽1にて35±5℃もしくは55±5℃で12日間滞留し、アンモニア除去手段6にてアンモニアが除去された生成ガスをガス攪拌手段から適宜量で連続的に噴出し、メタン発酵処理した。なお、栄養塩として、塩化鉄100mg/l、塩化ニッケル10mg/lおよび塩化コバルト10mg/lをそれぞれ添加した。そして、メタン発酵処理後の発酵廃液のアンモニア性窒素濃度を測定するとともに、ガス管5から回収した生成ガスのメタン生成収率を測定した。その結果を表1、図2および図3に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0004367876
これら表1、図2および図3に示す結果から、55±5℃の高温でメタン発酵処理した場合には、アンモニア性窒素が2500mg/l程度まではメタン生成収率がほぼ一定であったが、3000mg/l程度に達すると、急激にメタン生成収率が低下した。また、35±5℃の中温でメタン発酵処理した場合には、アンモニア性窒素の濃度が4000mg/l程度までは除々にメタン生成収率が除々に低下し、6000mg/lを越えると急激にメタン生成収率が低下した。このため、混合液のアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下、すなわち、55±5℃の高温でメタン発酵処理する場合にはアンモニア性窒素が2500mg/l以下となるように、また、35±5℃の中温でメタン発酵処理する場合にはアンモニア性窒素が4000mg/l以下となるように、生成ガスを噴出させる。
【0068】
また、上記35±5℃の中温でメタン発酵処理した場合と同一の条件で、メタン発酵槽1内の混合液のpHを変動させてメタン発酵処理し、ガス管5から回収した生成ガスのメタン生成収率を測定し、pHとメタン生成収率との関係を検討した。ここで、測定した各pHにおけるメタン生成収率が最も高い値を1として相対値に変換し、相対メタン生成活性として比較した。その結果を図4に示す。
【0069】
この図4に示す結果から、pHが約7.0〜8.0ではほとんど大差はなく、良好なメタン生成収率が得られた。そして、pH7より酸性側およびpH8.5からアルカリ性側となると、急激にメタン生成収率が低減した。これは、pHが7.0より酸性となると、有機酸によるメタン発酵処理の阻害、および、生成するアンモニアがイオン状態で溶解する状態となって遊離するアンモニアの量が低減し、生成ガスにアンモニアが移行しにくくなってアンモニアの量が増大し、メタン発酵処理が進行しなくなるものと考えられる。また、pHが8.5よりアルカリ性が強くなると、イオン状態のアンモニアよりメタン発酵に寄与する微生物に対して毒性が強い遊離アンモニアの量が多くなってメタン発酵に寄与する微生物の活性が低減してメタン発酵の処理効率が低減するものと考えられる。
【0070】
さらに、可溶化槽から連続的に上記条件で調質した混合液をメタン発酵槽1に流入して、pH7.0以上8.0以下に維持しつつメタン発酵処理の進行状況すなわちメタン生成収率とアンモニア性窒素の濃度との関係について検討した。なお、メタン発酵処理は、35±5℃の中温とした。その結果を図5および図6に示す。
【0071】
この図5および図6に示す結果から、混合液中のアンモニア性窒素の濃度が3000mg/l程度では、投入する混合液のTS量に対する発生するメタンガスの生成効率が高い値で安定するが、噴出する生成ガスの量を少なくしてアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l程度まで高くすると約半分程度のメタン生成収率となり、5000mg/lではほぼ完全にメタン生成収率が得られなくなってメタン発酵処理が停止した。そして、この状態で再び生成ガスを噴出させてアンモニア性窒素の濃度を3000mg/lまで低減すると、再び同様なメタン生成収率が得られてメタン発酵処理が進行することが認められた。
【0072】
このように、メタン発酵処理により生成する生成ガスを回収しアンモニアを除去した後に固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液に噴出して攪拌するため、回収した生成ガスを噴出させる簡単な構造で、TS濃度が高い固形有機性廃棄物が高濃度の混合液でも十分に混合されてメタン発酵によるメタン発酵が進行し、噴出する生成ガスに混合液中の生成するアンモニアが移行して分離され、アンモニアによるメタン発酵の阻害を抑制して、メタン発酵処理の効率を向上できる。
【0073】
また、混合液のアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以下となるように生成ガスを噴出、より具体的には55±5℃の高温でメタン発酵処理する場合にはアンモニア性窒素が2500mg/l以下、35±5℃の中温でメタン発酵処理する場合にはアンモニア性窒素が4000mg/l以下となるように生成ガスを噴出させるため、確実に効率よくメタン発酵処理できる。
【0074】
さらに、噴出する生成ガスの量を時間当たりメタン発酵槽1の容量に対して0.3m3以上3m3以下(0.3m3/m3/hr以上3m3/m3/hr以下)とするため、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い混合液でも十分に攪拌でき、また生成するアンモニアが噴出される生成ガスに十分に移行して分離除去でき、メタン発酵の処理効率を向上できる。
【0075】
そして、混合液をアルカリ性、特にpH7.0以上8.5以下、好ましくは7.0以上8.0以下、さらに好ましくは7.3以上7.8以下でメタン発酵処理するため、アンモニアが分離除去されることにより固形有機性廃棄物の分解生成物である有機酸にて酸性となってメタン発酵する微生物の活性が低下することを防止するとともに、アンモニアがイオン化して噴出する生成ガスに移行する量が少なくなってアンモニアの除去率が低下してアンモニアの濃度が増大することによるメタン発酵処理の活性が低下することを防止して、効率よくメタン発酵処理できる。
【0076】
そして、メタン発酵処理する可溶化槽から流入する混合液のTS濃度を5%以上20%以下とするため、メタン発酵処理する際の適性な濃度となり、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0077】
さらに、メタン発酵処理された汚泥および固形有機性廃棄物の混合物に、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物の少なくともいずれか一種を添加するため、微生物の活性に必要な栄養塩バランスを確保でき、メタン発酵処理効率を向上できる。
【0078】
また、35±5℃の中温域でメタン発酵処理するため、TS濃度が例えば5%以上20%以下と比較的高い高負荷でも有機酸の大量発生による微生物活性の低下を抑制でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0079】
さらに、メタン発酵処理の前に55℃以上60℃以下の高温で可溶化処理するため、高度に効率よく有機物を可溶化でき、後段でのメタン発酵処理にて最終的に処理される有機物量を増大でき、効率よく処理できる。そしてさらに、高温での可溶化処理により、有機物の処理に寄与せず人畜に有害となる微生物の繁殖を防止でき、例えば後段での脱水ケーキを特別な処理することなく肥料などに直接利用できるとともに、メタン発酵処理の際に別途加熱手段にて加熱することなく可溶化処理の際に加熱される熱エネルギにてメタン発酵処理が可能となり、構成を簡略化できるとともに、運転コストの低減を図ることができる。
【0080】
そして、固液分離手段にて分離した脱水汚泥ケーキを返送することにより、残留する有機物が再び処理され、処理効率を向上できる。
【0081】
また、返送する脱水汚泥ケーキを熱アルカリ処理することにより、脱水汚泥ケーキが細菌を死滅および可溶化するとともに残留する分解しにくい有機物を改質して可溶化されて返送されるので、細菌および残留する有機物をメタン発酵処理にて分解でき、固形有機性廃棄物の処理により発生する汚泥量を低減でき、効率よく固形有機性廃棄物を処理できる。
【0082】
そして、アルカリを添加する際にスチームを接触して加熱するため、簡単な構成で容易に加熱でき、前処理手段での混合液の調質の際の加熱分が補われるとともに、スチームの接触により汚泥中のアンモニアがストリッピング処理されて蓄積が防止され、メタン発酵処理の際の負荷を低減でき効率よくメタン発酵処理が進行して処理効率を向上できる。
【0083】
また、熱アルカリ処理されたアルカリ性の脱水汚泥ケーキが返送されるので、メタン発酵処理の際のpH調整のために添加するアルカリの量を低減、あるいはアルカリを添加する必要がなくなり、運転コストの低減および装置構成の簡略化が容易に図れる。
【0084】
なお、上記実施の形態において、前処理手段として、解破砕装置、金属除去手段および選別手段を備えた前段処理手段、混合槽、濾過手段、可溶化槽とにて構成したが、スラリ状に可溶化処理するいずれの構成でもよく、夾雑物を除去する構成がなくてもよい。なお、上述したように、あらかじめ夾雑物を除去しておくことにより、TS濃度の調製が容易にできるとともに、後段の濾過手段とにて高度に夾雑物を除去でき、後段でのメタン発酵処理効率を向上できる。
【0085】
さらに、固液分離手段にて分離した脱水汚泥ケーキを熱アルカリ処理して可溶化し返送してもよい。この熱アルカリ処理は、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリが添加されてpHが9〜10程度で、スチームにより70℃〜90℃程度に加熱して調整され、混合液中の細菌を死滅および可溶化させるとともに残留するメタン発酵処理で分解されにくい有機性固形物などを改質して可溶化させる。この構成によれば、残留する有機物をさらに再処理でき、処理効率を向上できるとともに、栄養塩も返送される状態となって、別途栄養塩を添加する必要がなく、処理コストを低減できる。
【0086】
そして、処理対象の固形有機性廃棄物は、生ごみなどに限られず、別途屎尿処理などにて生じた余剰汚泥である生物汚泥を混合してもよい。なお、生物汚泥を混合することにより、生物汚泥からメタン発酵の際の微生物の栄養源が供給され、別途鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物などの栄養源の添加量の低減あるいは栄養源を添加しなくてもよく、処理コストを低減できる。そして、生物汚泥の添加は、生物汚泥に夾雑物が混入しないので、既に夾雑物が除去されたメタン発酵の直前の可溶化槽で添加することにより、前処理手段での夾雑物の除去の際の負荷が低減するので好ましい。
【0087】
また、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物のいずれか一方の栄養源を添加して説明したが、処理する性状により不活性効果が増大しない場合や活性汚泥を添加する場合などには、添加しなくてもよく、固形有機性廃棄物の性状により、鉄化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物のいずれかのみでもよい。
【0088】
そして、混合液の攪拌およびアンモニアストリッピングのために噴出する生成ガスは、連続的に限らず、例えばアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる際に間欠的に噴出してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下に制御するなどしてもよい。なお、間欠的に噴出することにより、運転コストを低減できるとともに、噴出しない場合には生成ガスの全量を回収でき、回収率を向上できるが、特に固形有機性廃棄物の処理量が多い場合などには、連続的に噴出して常時混合液を攪拌してメタン発酵処理の活性を増大し、効率よくメタン発酵処理することが好ましい。
【0089】
また、前処理手段3で混合液を調質する際に、適宜水や発酵廃液を混合してTS濃度で5〜20%に調質したが、水のみあるいは発酵廃液のみ、その他屎尿などの他の汚水を混合するなどしてもよい。なお、上述したように、発酵廃液を混合する場合には希釈する水が不要で、後段での固液分離の負荷が低減するとともに、残留する有機物を再処理でき、効率よく処理できる。
【0090】
そして、回収した生成ガスの全量をアンモニア除去手段6に回収して説明したが、例えばガス管5に直接ガスホルダ8を接続するとともに、このガス管5に分岐してアンモニア除去手段6を接続し、少なくとも噴出する生成ガスのみをアンモニア除去処理するなどしてもよい。なお、全量をアンモニア除去手段6にて回収してアンモニア除去した後に、ガス噴出手段から噴出あるいはガスホルダ8に回収することにより、回収した生成ガスを直接エネルギ源として容易に利用でき、構成を簡略化できる。
【0091】
【発明の効果】
請求項1記載の廃棄物処理方法によれば、回収した生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去した後に、少なくとも一部をpH7.0以上8.5以下に調質した混合液に噴出して攪拌するため、回収した生成ガスを噴出させる簡単な構造で、固形有機性廃棄物の処理効率を向上するために固形有機性廃棄物を高濃度としても十分に攪拌でき、噴出される生成ガスにメタン発酵の際に生成するアンモニアが混合液に溶解するイオン状態から遊離状態となって効率よく移行して分離除去されてアンモニアの蓄積を防止でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0092】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするため、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率を向上できる。
【0093】
請求項2記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1記載の廃棄物処理方法の効果に加え、生成ガスを時間当たりメタン発酵処理するメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出するため、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い混合液でも十分に攪拌でき、生成するアンモニアが噴出される生成ガスに十分に移行して分離除去され、メタン発酵の処理効率を向上できる。
【0094】
請求項3記載の廃棄物処理方法によれば、メタン発酵処理により生成する生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去した後に、少なくとも一部を総固形物濃度を5%以上20%以下に調質した混合液に1時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m 3 で噴出して攪拌するため、回収した生成ガスを噴出させる簡単な構造で、固形有機性廃棄物の処理効率を向上するために総固形物濃度5%以上20%以下の固形有機性廃棄物が高濃度の混合液に調質しても十分に攪拌でき、噴出される生成ガスにメタン発酵の際に生成するアンモニアが十分に移行して分離除去されてアンモニアの蓄積を防止でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0095】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするため、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率を向上できる。
【0096】
請求項4記載の廃棄物処理方法によれば、請求項3記載の廃棄物処理方法の効果に加え、混合液をアルカリ性でメタン発酵処理するため、アンモニアが分離除去されることにより固形有機性廃棄物の分解生成物である有機酸にて酸性となってメタン発酵する微生物の活性が低下することを防止できるとともに、アンモニアが効率よく生成ガスに移行してアンモニアの蓄積によるメタン発酵する微生物の活性が低下することを防止でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0097】
請求項5記載の廃棄物処理方法によれば、請求項3または4記載の廃棄物処理方法の効果に加え、混合液のpHを7.0以上8.5以下とするため、溶解するイオン状態のアンモニアが遊離状態のアンモニアとなって噴出される生成ガスに効率よく移行し、アンモニアの蓄積を防止して効率よくメタン発酵処理できる
【0098】
請求項記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の廃棄物処理方法の効果に加え、混合液を35±5℃でメタン発酵処理して混合液のアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に生成ガスを噴出させて混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするため、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアおよびメタン発酵の際に生じる有機酸の濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率を向上できる。
【0099】
請求項記載の廃棄物処理方法によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の廃棄物処理方法において、混合液を55±5℃でメタン発酵処理して混合液のアンモニア性窒素の濃度が2500mg/l以上となる場合に生成ガスを噴出させて混合液のアンモニア性窒素の濃度を2500mg/l以下にするため、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアおよびメタン発酵の際に生じる有機酸の濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率を向上できる。
【0100】
請求項記載の廃棄物処理装置によれば、メタン発酵槽内のpH7.0以上8.5以下に調整した混合液に、メタン発酵処理により生成しアンモニア除去手段にてアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部をガス攪拌手段にて噴出して攪拌するため、回収した生成ガスを噴出させる簡単な構造で、固形有機性廃棄物の処理効率を向上するために固形有機性廃棄物を高濃度としても十分に攪拌でき、噴出される生成ガスにメタン発酵の際に生成するアンモニアが混合液に溶解するイオン状態から遊離状態となって効率よく移行して分離除去されてアンモニアの蓄積を防止でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0101】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするため、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率を向上できる。
【0102】
請求項記載の廃棄物処理装置によれば、請求項記載の廃棄物処理装置の効果に加え、ガス攪拌手段から生成ガスを時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出するため、固形有機性廃棄物が高濃度で粘性が高い混合液でも十分に攪拌できるとともに、生成するアンモニアが十分に移行して分離除去でき、メタン発酵の処理効率を向上できる。
【0103】
請求項10記載の廃棄物処理装置によれば、メタン発酵処理により生成し少なくとも一部がアンモニア除去手段にてアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を、ガス攪拌手段にて総固形物濃度5%以上20%以下に調質した混合液に時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3で噴出して攪拌するため、回収した生成ガスを噴出させる簡単な構造で、固形有機性廃棄物の処理効率を向上するために総固形物濃度5%以上20%以下の固形有機性廃棄物が高濃度の混合液に調質しても十分に攪拌でき、噴出される生成ガスにメタン発酵の際に生成するアンモニアが十分に移行して分離除去されてアンモニアの蓄積を防止でき、効率よくメタン発酵処理できる。
【0104】
また、混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上の場合に生成ガスを噴出して混合液のアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするため、メタン発酵の処理効率が急激に低下するアンモニアの濃度になることなく、確実にメタン発酵の処理効率を向上できる。
【0105】
請求項11記載の廃棄物処理装置によれば、請求項10記載の廃棄物処理装置の効果に加え、pH検出手段にて検出する混合液のpHが7.0以上8.5以下となるようにpH調整手段にてpHを調整するため、簡単な構成で溶解するイオン状態のアンモニアが遊離状態のアンモニアとなって噴出される生成ガスに効率よく移行し、アンモニアの濃度上昇を抑制して効率よくメタン発酵処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態における廃棄物処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同上高温でのメタン発酵処理におけるアンモニア性窒素濃度とメタン生成収率との関係を示すグラフである。
【図3】 同上中温でのメタン発酵処理におけるアンモニア性窒素濃度とメタン生成収率との関係を示すグラフである。
【図4】 同上メタン発酵内の混合液のpHと相対メタン生成活性との関係を示すグラフである。
【図5】 同上高温でのメタン発酵処理における生成ガスの噴出量を変化させて処理した際の混合液のアンモニア性窒素の濃度の経時変化を示すグラフである。
【図6】 同上メタン生成収率の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 メタン発酵槽
4 pH調整手段としてのアルカリ添加手段
6 アンモニア除去

Claims (11)

  1. 固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理にて処理する廃棄物処理方法において、
    前記混合液をpH7.0以上8.5以下でメタン発酵処理し、
    このメタン発酵処理により生成する生成ガスを回収し、
    この回収した生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去し、
    前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記混合液に噴出し攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にする
    ことを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 生成ガスを時間当たりメタン発酵処理するメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出する
    ことを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理方法。
  3. 固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵槽でメタン発酵処理にて処理する廃棄物処理方法において、
    前記混合液の総固形物濃度を5%以上20%以下に調質し、
    この総固形物濃度が調整されて調質された混合液を前記メタン発酵処理し、
    このメタン発酵処理により生成する生成ガスを回収し、
    この回収した生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去し、
    前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記調質された混合液に1時間当たり前記メタン発酵槽の容量に対して0.3m 3 で噴出し攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にする
    ことを特徴とする廃棄物処理方法。
  4. 混合液をアルカリ性でメタン発酵処理する
    ことを特徴とする請求項3記載の廃棄物処理方法。
  5. 混合液のpHを7.0以上8.5以下とする
    ことを特徴とする請求項3または4記載の廃棄物処理方法
  6. 混合液を35±5℃でメタン発酵処理する
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の廃棄物処理方法。
  7. 混合液を55±5℃でメタン発酵処理し、
    前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が2500mg/l以上となる場合に生成ガスの少なくとも一部を噴出してアンモニア性窒素の濃度を2500mg/l以下にする
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の廃棄物処理方法。
  8. 固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理するメタン発酵槽と、
    このメタン発酵槽に設けられ混合液のpHを検出するpH検出手段と、
    前記メタン発酵槽に設けられ前記pH検出手段にて検出する前記混合液のpHを7.0以上8.5以下に調整するpH調整手段と、
    前記メタン発酵槽に接続され前記メタン発酵処理により生成する生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去するアンモニア除去手段と、
    前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニア除去手段によりアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記混合液に噴出攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするガス攪拌手段と
    を具備したことを特徴とする廃棄物処理装置。
  9. ガス攪拌手段は、生成ガスを時間当たりメタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出する
    ことを特徴とした請求項記載の廃棄物処理装置。
  10. 固形有機性廃棄物をスラリ状に可溶化した混合液をメタン発酵処理するメタン発酵槽と、
    このメタン発酵槽に接続され前記メタン発酵処理により生成する生成ガスの少なくとも一部からアンモニアを除去するアンモニア除去手段と、
    前記混合液に含まれるアンモニア性窒素の濃度が4000mg/l以上となる場合に前記アンモニア除去手段によりアンモニアが除去された生成ガスの少なくとも一部を前記混合液に時間当たり前記メタン発酵槽の容量に対して0.3m3以上で噴出攪拌してアンモニア性窒素の濃度を4000mg/l以下にするガス攪拌手段と
    を具備したことを特徴とした廃棄物処理装置。
  11. メタン発酵槽に設けられ混合液のpHを検出するpH検出手段と、
    前記メタン発酵槽に設けられ前記pH検出手段にて検出する前記混合液のpHを7.0以上8.5以下に調整するpH調整手段とを具備した
    ことを特徴とする請求項10記載の廃棄物処理装置。
JP2000099291A 2000-03-31 2000-03-31 廃棄物処理方法およびその装置 Expired - Fee Related JP4367876B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000099291A JP4367876B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 廃棄物処理方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000099291A JP4367876B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 廃棄物処理方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001276880A JP2001276880A (ja) 2001-10-09
JP4367876B2 true JP4367876B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=18613665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000099291A Expired - Fee Related JP4367876B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 廃棄物処理方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4367876B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4067314B2 (ja) * 2002-02-04 2008-03-26 建次 木田 有機廃棄物の処理装置
JP2003245630A (ja) * 2002-02-26 2003-09-02 Kobe Steel Ltd 有機性廃棄物の嫌気性処理方法
JP3900341B2 (ja) * 2002-06-27 2007-04-04 富士電機システムズ株式会社 メタン発酵処理方法
JP2005095770A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機性廃棄物の処理方法
JP4403812B2 (ja) * 2004-01-27 2010-01-27 富士電機ホールディングス株式会社 メタン発酵処理方法
JP4292999B2 (ja) * 2004-01-27 2009-07-08 富士電機ホールディングス株式会社 メタン発酵装置
JP2006035126A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機性廃棄物の消化処理方法
JP3982765B2 (ja) * 2004-11-30 2007-09-26 日本碍子株式会社 生ゴミ用メタン発酵装置
JP4641854B2 (ja) * 2005-04-15 2011-03-02 鹿島建設株式会社 アンモニア阻害低減型のメタン発酵処理方法及び装置
JP4959984B2 (ja) * 2006-01-05 2012-06-27 大成建設株式会社 発酵ガス生成装置
JP4822263B2 (ja) * 2006-02-16 2011-11-24 鹿島建設株式会社 固形有機性廃棄物のメタン発酵装置
JP4671434B2 (ja) * 2006-12-04 2011-04-20 鹿島建設株式会社 アンモニア阻害抑制型メタン発酵装置
JP5190320B2 (ja) * 2008-09-30 2013-04-24 株式会社神鋼環境ソリューション メタンガス回収方法及びエネルギー変換システム
JP5180132B2 (ja) * 2009-03-30 2013-04-10 株式会社明治 メタン発酵方法及びメタン発酵装置
JP4768881B2 (ja) * 2009-07-31 2011-09-07 義雄 小林 水分抜き取り式メタン発酵
KR101885070B1 (ko) * 2010-12-10 2018-08-03 스윙 가부시키가이샤 혐기성 처리 방법 및 장치
JP5827897B2 (ja) * 2012-01-19 2015-12-02 オルガノ株式会社 嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法
JP5917296B2 (ja) * 2012-05-30 2016-05-11 東京瓦斯株式会社 バイオガス中に気散するアンモニア濃度推定方法、発酵液中のアンモニア濃度調節方法、バイオガス製造方法、及びバイオガス製造システム
JP2014180630A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Tokyo Gas Co Ltd 有機性廃棄物の処理方法及び処理装置
JP6829956B2 (ja) * 2016-07-01 2021-02-17 株式会社神鋼環境ソリューション 嫌気処理方法及び嫌気処理設備
JP6781660B2 (ja) * 2017-04-03 2020-11-04 三井E&S環境エンジニアリング株式会社 生ごみのメタン発酵処理システム
JP7015893B2 (ja) * 2020-10-16 2022-02-03 Jfe環境テクノロジー株式会社 生ごみのメタン発酵処理システム

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5665689A (en) * 1979-11-05 1981-06-03 Hitachi Ltd Control apparatus of anaerobic digestion tank
JPS5919589A (ja) * 1982-07-23 1984-02-01 Sumitomo Jukikai Envirotec Kk メタン発酵処理における脱硫方法
JPS59162997A (ja) * 1983-03-09 1984-09-13 Kurita Water Ind Ltd 有機性汚水の処理方法
JPS6022997A (ja) * 1983-07-18 1985-02-05 Sumitomo Jukikai Envirotec Kk メタン発酵処理における脱硫方法
JPS60150897A (ja) * 1984-01-20 1985-08-08 Sumitomo Jukikai Envirotec Kk 有機酸酸性廃液の処理装置
JPS6154291A (ja) * 1984-08-24 1986-03-18 Hitachi Zosen Corp 固定化微生物によるメタン生成法
JPS6154290A (ja) * 1984-08-24 1986-03-18 Hitachi Zosen Corp 固定化微生物による単相式メタン発酵法
JP2631211B2 (ja) * 1987-01-28 1997-07-16 大阪府 メタン醗酵処理方法
JPH04114799A (ja) * 1990-09-03 1992-04-15 Meidensha Corp メタン発酵方法
JP3198674B2 (ja) * 1992-11-13 2001-08-13 栗田工業株式会社 有機性窒素を含む排液の処理方法および装置
JPH06178995A (ja) * 1992-12-14 1994-06-28 Ebara Infilco Co Ltd 有機性廃水の嫌気性消化処理方法
JPH0889988A (ja) * 1994-09-28 1996-04-09 Kurita Water Ind Ltd 嫌気性処理方法
JP3938223B2 (ja) * 1997-06-09 2007-06-27 三菱化工機株式会社 消化ガス利用燃料電池設備
JP3640792B2 (ja) * 1998-03-26 2005-04-20 アタカ工業株式会社 廃棄物処理方法およびその装置
JPH11277041A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Ataka Constr & Eng Co Ltd 廃棄物処理装置およびメタン発酵処理の前処理装置
JP3566547B2 (ja) * 1998-04-21 2004-09-15 アタカ工業株式会社 廃棄物処理装置およびメタン発酵処理の前処理装置
JP3570888B2 (ja) * 1998-05-01 2004-09-29 アタカ工業株式会社 廃棄物処理方法
JPH11319783A (ja) * 1998-05-22 1999-11-24 Kubota Corp 有機性廃棄物の処理方法
JP3727178B2 (ja) * 1998-08-18 2005-12-14 株式会社クボタ メタン発酵方法
JP3710938B2 (ja) * 1998-08-17 2005-10-26 アタカ工業株式会社 有機性廃棄物処理方法およびその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001276880A (ja) 2001-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4367876B2 (ja) 廃棄物処理方法およびその装置
JP4865828B2 (ja) 有機性廃棄物処理のための嫌気性統合工程装置
US8641902B2 (en) Method for wastewater treatment and wastewater treatment system
KR101368459B1 (ko) 음폐수 혐기성 에너지화 고도처리 설비
KR20060059919A (ko) 남은음식물류쓰레기의 혐기성자원화를 위한 밀링식 분쇄 및원심식 고액분리 연속처리공정구성과 탈리액의 효소반응을이용한 전처리공정의 설비구성 및 그 운영 방안.
JP3554689B2 (ja) 廃棄物処理方法
JP2000015231A (ja) 有機性廃棄物のメタン発酵方法
JP3609332B2 (ja) 油脂含有廃棄物の処理方法
JP3570888B2 (ja) 廃棄物処理方法
JP3145957B2 (ja) 廃棄物処理方法
JP3835927B2 (ja) 有機性廃棄物の処理方法
JP4409928B2 (ja) 有機性廃棄物の処理方法
JP4376539B2 (ja) 有機性廃水又は汚泥の処理方法及び処理装置
JP2000153259A (ja) 易分解性有機性廃棄物のメタン発酵方法
JP3835930B2 (ja) 有機性廃棄物の処理方法
JPH11319782A (ja) メタン発酵方法
JPH11300323A (ja) 有機性廃棄物の処理方法
JP3846138B2 (ja) 澱粉粒子含有液の嫌気性処理方法および装置
JP2000015230A (ja) アンモニア除去方法
WO2005005328A1 (ja) 回収リン酸マグネシウムアンモニウムの利用方法及び装置
JP2004230273A (ja) 有機性廃棄物の処理方法
JP3970163B2 (ja) 有機性廃棄物の処理方法及び装置
JP2004249233A (ja) 有機性廃棄物の処理方法
JPH11333416A (ja) 有機性廃棄物の再資源化方法
JPH11197639A (ja) 有機性廃棄物の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4367876

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees