JP5827897B2 - 嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法 - Google Patents

嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、高濃度のカルシウムを含有する有機排水を嫌気性生物処理する嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法に関する。
砂糖は、甘蔗または甜菜を圧搾して得られたジュースより、不純物を除去して製造される。不純物の除去は通常、2段階で行われる。第1段階では、前記ジュースに石灰を加えタンパク質やペクチン等を凝集させた後に、炭酸を吹きこみ、炭酸カルシウムを生成させて非糖成分を吸着し、ろ過する。第2段階では、イオン交換樹脂により、アミノ酸、有機酸、イオン類、色素等を除去する。甜菜を原料とする場合には、原材料である甜菜を、細菌の繁殖を防ぐ目的で、石灰水で洗浄している。
このような経緯より、製糖工場の排水は有機物の濃度が高い上、自ずとカルシウムの濃度も高くなる。また、精製用のイオン交換樹脂の再生に使用される高塩濃度の再生水も、排出される。
従来、高濃度のカルシウムを含有する排水を嫌気性生物処理する場合、嫌気反応槽内、配管等でカルシウムスケールが発生し、通水困難な状況となったり、グラニュールにカルシウムスケールが蓄積して活性が下がり処理性能が低下することがあった。
嫌気性生物処理においてカルシウムスケール発生を防止するために、被処理水や嫌気反応槽内のpHを制御し、酸性にして処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
通常、製糖工場の排水は上記の通り有機物の濃度が高く、有機酸類等を多く含んでおり、嫌気性生物処理技術が適用されるが、このような嫌気性生物処理の過程では、有機酸が消費されるため、pHが嫌気反応槽内でアルカリに傾きがちになる。したがって、有機物の濃度が高い製糖工場の有機排水については、特許文献1,2のような方法でpHを酸性にしてスケール発生を防止しようとしても、嫌気反応槽内全域にわたってpHを均一の範囲になるように制御することが困難であり、特許文献1,2のような方法は事実上実施されていない。
一方、カルシウムスケール発生を防止するために、嫌気性生物処理の前処理としてカルシウムを難溶性の塩として分離除去する方法が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
しかし、特許文献3〜5のような方法ではカルシウムスケール発生を防止して嫌気性生物処理を行うことは可能となるが、大量のカルシウム由来の汚泥廃棄物が発生してしまい、実用的ではないという問題があった。
特開2000−325990号公報 特開平09−314187号公報 特開昭61−015798号公報 特開2005−193189号公報 特開平05−038499号公報
本発明の目的は、高濃度のカルシウムを含有する有機排水を嫌気性生物処理する際に、カルシウム由来の汚泥廃棄物をほとんど発生させることなく、スケール発生を抑制することができる嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法を提供することにある。
本発明は、カルシウムを250mg/L以上含有する有機排水を処理する嫌気排水処理装置であって、前記有機排水に対して嫌気性生物処理を行うための嫌気反応槽と、前記嫌気反応槽内のpHを6以上8以下に調整するpH調整手段と、前記嫌気反応槽内の導電率を12,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整する導電率調整手段と、を備える嫌気排水処理装置である。
また、前記嫌気排水処理装置において、前記導電率の調整に高塩濃度排水を使用することが好ましい。
また、本発明は、カルシウムを250mg/L以上含有する有機排水を処理する嫌気排水処理方法であって、前記有機排水に対して嫌気性生物処理を行う嫌気反応槽内のpHを6以上8以下に調整するとともに、前記嫌気反応槽内の導電率を12,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整して処理する嫌気排水処理方法である。
また、前記嫌気排水処理方法において、前記導電率の調整に高塩濃度排水を使用することが好ましい。
また、前記嫌気排水処理方法において、前記有機排水が、製糖工場の排水であることが好ましい。
本発明によれば、高濃度のカルシウムを含有する有機排水を嫌気性生物処理する際に、嫌気反応槽内のpHおよび導電率を所定の値に調整して処理することによって、カルシウム由来の汚泥廃棄物をほとんど発生させることなく、スケール発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る嫌気排水処理装置の一例を示す概略構成図である。 実施例1における、各pHにおけるカルシウム析出量の結果を示す図である。 実施例2における、経過日数と、被処理水、処理水のpHおよびカルシウム濃度とを示す図である。 実施例2における、経過日数と、被処理水、処理水のCODcr濃度および除去速度とを示す図である。 実施例3における、各pHにおける嫌気グラニュール汚泥のメタン生成活性を示す図である。 実施例3における、各導電率における嫌気グラニュール汚泥のメタン生成活性を示す図である。 実施例において用いた嫌気排水処理装置を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
製糖工場の排水のような、カルシウム濃度の高い排水、特に有機物濃度とカルシウム濃度の高い排水を嫌気処理する際に、被処理水の導電率を高める(イオン濃度を高める)ことで、pHがアルカリ側に傾いたとしても異種イオン効果によりスケール発生を抑制することで、装置内の閉塞、グラニュール汚泥等へのカルシウムスケールの蓄積等が抑制され、高負荷で安定な処理が実現されることを見出し、本発明に至った。
本発明の実施形態に係る嫌気排水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。嫌気排水処理装置1は、嫌気性生物処理を行うための嫌気反応槽10と、嫌気反応槽10内のpHを調整するpH調整手段としてのpH調整剤槽12と、嫌気反応槽10内の導電率を調整する導電率調整手段としての導電率調整剤槽14とを備える。
図1の嫌気排水処理装置1において、被処理水を嫌気反応槽10に導入する被処理水配管16が嫌気反応槽10の入口に接続され、処理水を嫌気反応槽10から排出する処理水配管18が嫌気反応槽10の出口に接続されている。また、pH調整剤槽12からpH調整剤を嫌気反応槽10に供給するpH調整剤配管20、導電率調整剤槽14から導電率調整剤を嫌気反応槽10に供給する導電率調整剤配管22がそれぞれ嫌気反応槽10に接続されている。嫌気反応槽10の前段側に、被処理水を貯留し、被処理水のpHおよび導電率を調整するための調整槽(図示せず)を設置してもよい。
嫌気排水処理装置1において、被処理水は被処理水配管16を通して嫌気反応槽10に導入され、嫌気反応槽10において嫌気性生物処理が行われる(嫌気性生物処理工程)。嫌気性生物処理工程において、嫌気反応槽10では、pH調整剤槽12からpH調整剤がポンプ等によりpH調整剤配管20を通して嫌気反応槽10に供給されてpHが8以下に調整されるとともに、導電率調整剤槽14から導電率調整剤がポンプ等により導電率調整剤配管22を通して嫌気反応槽10に供給されて導電率が12,000μS/cm以上に調整される。嫌気性生物処理が行われた処理水は処理水配管18を通して排出される。
本実施形態では、高濃度のカルシウムを含有する有機排水を嫌気性生物処理する際に、嫌気反応槽10内のpHを8以下に、導電率を12,000μS/cm以上に調整して処理することによって、スケール発生による装置内の閉塞、グラニュール汚泥等へのカルシウムスケールの蓄積等が抑制され、高負荷で安定な処理が実現される。従来の高濃度のカルシウムを含有する有機排水の嫌気性生物処理では、嫌気反応槽の前段でカルシウム除去しなければならないために、カルシウム由来の汚泥廃棄物が大量に発生する問題があった。また、カルシウムを嫌気反応槽の前段で除去しない場合には、グラニュール汚泥等にカルシウムスケールが蓄積するために処理効率が不安定であった。それに対し、本実施形態においては、嫌気反応槽内のpHおよび導電率を所定の値に制御するという簡便な制御により、安定した嫌気性生物処理を行うことが可能となる。
本実施形態に係る嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法では、被処理水として、カルシウムを250mg/L以上、例えば、250〜1,300mg/L含有する有機排水を処理対象とする。このような有機排水としては、例えば、ビート糖等の製糖工場等から発生する排水が挙げられる。
また、本実施形態では、被処理水として、例えば、CODcrが500mg/L以上、好ましくは1,000〜20,000mg/Lである有機排水を処理対象とする。
本実施形態において、カルシウムの析出を抑制するために、例えば、被処理水のカルシウム濃度が250mg/Lの場合、IC(無機炭素)が785mgC/L以下となるようにすることが好ましく、被処理水のカルシウム濃度が700mg/Lの場合、IC(無機炭素)が280mgC/L以下となるようにすることが好ましい。
本実施形態では嫌気反応槽10内のpHを8以下とすればよいが、7.5以下とすることが好ましい。また、嫌気反応槽10内のpHを6以上8以下の範囲とすることが好ましく、6以上7.5以下の範囲とすることがより好ましく、7以上7.5以下の範囲とすることがさらに好ましい。嫌気反応槽10内のpHが8を超えると、スケールが発生する場合がある。嫌気反応槽10内のpHが6未満では、汚泥の活性が低下する場合がある(図5参照)。
本実施形態では嫌気反応槽10内の導電率を12,000μS/cm以上とすればよいが、16,000μS/cm以上とすることが好ましい。また、嫌気反応槽10内の導電率を12,000以上25,000μS/cm以下の範囲とすることが好ましく、16,000以上25,000μS/cm以下の範囲とすることがより好ましい。嫌気反応槽10内の導電率が12,000μS/cm未満であると、スケールが発生する場合がある。嫌気反応槽10内の導電率が25,000μS/cmを超えると、汚泥の活性が低下する場合がある。
また、嫌気反応槽10内のpHが7.5未満の場合には、導電率を12,000μS/cm以上とし、pHを7.5以上8以下とする場合には、導電率を16,000μS/cm以上とすることにより、スケールの発生量をより低減することができる。
pHを調整する方法としては特に限定されず、例えば、嫌気反応槽10内にpH測定装置等のpH測定手段を設置して、フィードバック制御等により、嫌気反応槽10内に供給するpH調整剤の添加量を調整すればよい。あるいは、有機物濃度が大きく変動せず、所定の範囲内で安定している場合には、被処理水にpH調整剤を添加してpHを調整することにより、安定した処理を行うことができる。この場合は、例えば、嫌気反応槽10の前段側に設置した調整槽(図示せず)において被処理水にpH調整剤を添加してpHを調整してもよいし、被処理水配管16において被処理水にpH調整剤を添加してpHを調整してもよい。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等の酸や、水酸化ナトリウム等のアルカリ等を適宜使用することができる。
導電率を調整する方法としては特に限定されず、例えば、嫌気反応槽10に導電率測定装置等の導電率測定手段を設置して、フィードバック制御等により、嫌気反応槽10内に供給する導電率調整剤の添加量を調整すればよい。あるいは、嫌気反応槽10への被処理水の導入前に、高塩濃度の排水を比較的低塩濃度の排水に混合することによって、導電率を調節してもよい。例えば、嫌気反応槽10の前段側に設置した調整槽(図示せず)において被処理水に導電率調整剤を添加して導電率を調整してもよいし、被処理水配管16において被処理水に導電率調整剤を添加して導電率を調整してもよい。
導電率調整剤としては、食塩水等の塩を含む高塩濃度水等が挙げられるが、例えば、本装置を設置または本方法を行う工場等の内部で発生する高塩濃度排水、例えば同じ製糖工場等内から排出されるイオン交換樹脂の再生排水を使用することが、効率的であり、好ましい。
高塩濃度排水の導電率は、例えば、20,000μS/cm以上、好ましくは20,000〜100,000μS/cmの範囲であればよい。
嫌気反応槽10で行われる嫌気性生物処理の方法としては、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流嫌気性スラッジブランケット)法やEGSB(Expanded Granular Sludge Bed:膨張粒状汚泥床)法等に代表されるグラニュールを利用した上向流汚泥床式嫌気処理方法が使用可能であるが、担体を使用した流動床式嫌気処理や嫌気MBR(膜分離活性汚泥)法も使用可能である。流動床式嫌気処理や嫌気MBR法を使用することによって、より完全混合型に近い形状でpH調整が可能となり、嫌気反応槽内でpH勾配等がほとんど発生せず、よりpH調整のためのpH調整剤の消費量を抑制して、安定した処理が可能となる。
より好ましくは、嫌気MBR法を使用するとpH調整をより均一に調整することができる上に、汚泥濃度を高く維持できることで、グラニュール法と同程度の負荷で処理可能となる。
担体の種類としては、ポリウレタン等のスポンジ担体、PVA(ポリビニルアルコール)ゲル担体、繊維状の担体、不織布成型品、ポリプロピレン製の成型品等を使用することができる。種汚泥としては、特に限定されるものではないが、食品工場、飲料工場、製紙工場や化学工場、畜産排水処理等で使用されている嫌気処理の汚泥、グラニュール、または下水処理場の消化汚泥等を使用することができる。
本実施形態に係る嫌気排水処理装置および嫌気排水処理方法では、例えば、5kgCODcr/m3/d以上、好ましくは10kgCODcr/m3/d以上の高負荷で処理することができる。
通常、ビート糖の製糖工場からは例えば表1中の排水A,B,Cのような組成の排水が排出される。例えば、これらの排水を混合し、導電率を適切に制御した上で、被処理水または嫌気反応槽内のpHを管理することで、嫌気性生物処理を効率的に行うことができる。ここで、排水Aは、イオン交換樹脂再生排水を含む高塩濃度排水であり、排水Bは、カルシウムを含む高塩濃度排水であり、排水Cは、高pH、高Ca(消石灰)排水であり、混合排水は、実流量に合わせて、A:B:C=2:4:4の割合(容量(L)比)で混合させた排水である。このように高塩濃度の排水A,Bを比較的低塩濃度の排水Cに混合することで、導電率を12,000μS/cm以上に調節することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
模擬排水(IC(無機炭素):200mg/L、Ca濃度:500mg/L)を用いて、各導電率、各pH条件におけるカルシウム析出量を分析した。pHは、硫酸または苛性ソーダ、導電率は塩化ナトリウム(NaCl)を用いて調整した。
図2に本試験で得られたカルシウム析出量の結果を示す。
このように、嫌気反応槽内のpHを8以下、導電率を12,000μS/cm以上に調整することによって、カルシウム析出量が抑制できることを確認した。これにより、カルシウムスケールの発生を防止できることが明らかになった。特に、嫌気反応槽内のpHが7.5未満の場合には、導電率を12,000μS/cm以上とし、pHを7.5以上8以下とする場合には、導電率を16,000μS/cm以上とすることにより、カルシウム析出量が抑制できた。導電率が12,000μS/cm未満の排水では、pH7.5でもカルシウムの析出量が多かった。
<実施例2>
表1に記載の実排水を処理する場合、導電率を12,000μS/cm以上に調整する排水の組み合わせとしては、例えば排水A:排水B:排水C=2:4:4であるので、この配合に従い、嫌気性生物処理を行った。実排水を用いた連続通水試験にて、被処理水および処理水のカルシウム濃度を測定することでカルシウムの蓄積について検討した。被処理水は、塩酸を用いてpH8.9を6.7に調整(導電率は、20,000〜24,900μS/cmに上昇)して通水した。
用いた装置の概略構成を図7に示す。図7の嫌気排水処理装置3において、嫌気反応槽10の前段側に調整槽24が設けられている。被処理水を調整槽24に導入する被処理水配管16が調整槽24の入口に接続され、被処理水を調整槽24から嫌気反応槽10へ導入する被処理水配管26が嫌気反応槽10への入口に接続され、処理水を嫌気反応槽10から排出する処理水配管18が嫌気反応槽10の出口に接続されている。また、pH調整剤槽12からpH調整剤を調整槽24に供給するpH調整剤配管20、導電率調整剤槽14から導電率調整剤を調整槽24に供給する導電率調整剤配管22がそれぞれ調整槽24に接続されている。処理水配管18の途中には、バルブ等を介して、処理水を調整槽24に返送する返送配管28が接続されている。調整槽24、嫌気反応槽10および返送配管28の少なくとも1つにはpH測定手段であるpH測定計30が設置され、調整槽24には導電率測定手段である導電率計32が設置されていてもよい。
嫌気排水処理装置3において、被処理水は被処理水配管16を通して調整槽24に導入され、調整槽24において、pHが8以下に調整されるとともに、導電率が12,000μS/cm以上に調整された後、嫌気反応槽10に導入されて嫌気性生物処理が行われる(嫌気性生物処理工程)。嫌気性生物処理が行われた処理水は処理水配管18を通して排出される。調整槽24において被処理水の希釈が必要な場合には、処理水が嫌気反応槽10から返送配管28を通して調整槽24へ返送されてもよい。
被処理水水質および処理水水質を表2に示す。
(嫌気性生物処理条件)
嫌気反応槽 UASB型 0.8L
汚泥濃度 33,900mg/L
被処理水供給量 4.4L/日
被処理水負荷 17.7kgCODcr/m3/d
経過日数と被処理水、処理水のpHおよびカルシウム濃度とを図3に、経過日数とCODcr濃度および除去速度とを図4に示す。汚泥性状の変化を表3に、グラニュール汚泥のメタン生成活性を表4に示す。
図3より、被処理水のpHを8以下にして通水することで、被処理水中のカルシウムが嫌気排水処理装置にスケールとして蓄積することがほとんどなく、処理水に流出することを確認した。このとき、被処理水のpHは6から6.8程度であり、処理水のpHは7程度であった。また、表3の汚泥性状の結果から、3ヵ月後にも汚泥性状のVSS/SS比の変化がなく、グラニュール汚泥にもカルシウム蓄積がほとんどないことを確認した。さらに、図4より、通水試験前後で汚泥当たりのメタン生成活性が落ちることなく、逆に少し上昇していることを確認した。
本結果より、ビート糖の製糖工場から排出される排水のpHを8以下に調整して通水することでカルシウム蓄積がほとんど見られず、10kgCODcr/m3/d以上の高負荷で処理できる効果を確認した。
<実施例3>
実排水を用いて、各pH、導電率における嫌気グラニュール汚泥のメタン生成活性について評価した。結果を図5,6に示す。図5は、各pHにおける嫌気グラニュール汚泥のメタン生成活性を示し、図6は、各導電率における嫌気グラニュール汚泥のメタン生成活性を示す。
本結果より、pH6未満では活性が低下し、pH8以上ではカルシウムスケールの析出が増大することから、pH6以上8以下、好ましくはpH6以上7.5以下で調整することが適していることを確認した。また、導電率は25,000μS/cmを超えると、メタン生成活性が低下して処理性能が落ちることを確認した。
1,3 嫌気排水処理装置、10 嫌気反応槽、12 pH調整剤槽、14 導電率調整剤槽、16,26 被処理水配管、18 処理水配管、20 pH調整剤配管、22 導電率調整剤配管、24 調整槽、28 返送配管、30 pH測定計、32 導電率計。

Claims (7)

  1. カルシウムを250mg/L以上含有する有機排水を処理する嫌気排水処理装置であって、
    前記有機排水に対して嫌気性生物処理を行うための嫌気反応槽と、
    前記嫌気反応槽内のpHを6以上8以下に調整するpH調整手段と、
    前記嫌気反応槽内の導電率を12,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整する導電率調整手段と、
    を備えることを特徴とする嫌気排水処理装置。
  2. 請求項1に記載の嫌気排水処理装置であって、
    前記導電率の調整に高塩濃度排水を使用することを特徴とする嫌気排水処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の嫌気排水処理装置であって、
    前記導電率調整手段は、前記嫌気反応槽内のpHが6以上7.5未満の場合には、前記嫌気反応槽内の導電率を12,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整し、前記嫌気反応槽内のpHが7.5以上8以下の場合には、前記嫌気反応槽内の導電率を16,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整することを特徴とする嫌気排水処理装置。
  4. カルシウムを250mg/L以上含有する有機排水を処理する嫌気排水処理方法であって、
    前記有機排水に対して嫌気性生物処理を行う嫌気反応槽内のpHを6以上8以下に調整するとともに、前記嫌気反応槽内の導電率を12,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整して処理することを特徴とする嫌気排水処理方法。
  5. 請求項に記載の嫌気排水処理方法であって、
    前記導電率の調整に高塩濃度排水を使用することを特徴とする嫌気排水処理方法。
  6. 請求項4または5に記載の嫌気排水処理方法であって、
    前記嫌気反応槽内のpHが6以上7.5未満の場合には、前記嫌気反応槽内の導電率を12,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整し、前記嫌気反応槽内のpHが7.5以上8以下の場合には、前記嫌気反応槽内の導電率を16,000μS/cm以上25,000μS/cm以下に調整して処理することを特徴とする嫌気排水処理方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の嫌気排水処理方法であって、
    前記有機排水が、製糖工場の排水であることを特徴とする嫌気排水処理方法。
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